無線ICデバイス及び電子機器
【課題】小型化を達成でき、無線ICチップの実装が容易で低コストな無線ICデバイス、及び、該無線ICデバイスを搭載した電子機器を得る。
【解決手段】送受信信号を処理する無線ICチップ5と、インダクタンス素子を有する共振回路を含む給電回路基板10とを備えた無線ICデバイス。給電回路基板の表面には共振回路と電磁界結合する外部電極19a,19bが設けられている。外部電極19a,19bはプリント配線基板20上に設けた放射板21a,21bと電気的に導通状態で接続されている。放射板21a,21bで受信された信号によって無線ICチップ5が動作され、該無線ICチップ5からの応答信号が放射板21a,21bから外部に放射される。
【解決手段】送受信信号を処理する無線ICチップ5と、インダクタンス素子を有する共振回路を含む給電回路基板10とを備えた無線ICデバイス。給電回路基板の表面には共振回路と電磁界結合する外部電極19a,19bが設けられている。外部電極19a,19bはプリント配線基板20上に設けた放射板21a,21bと電気的に導通状態で接続されている。放射板21a,21bで受信された信号によって無線ICチップ5が動作され、該無線ICチップ5からの応答信号が放射板21a,21bから外部に放射される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線ICデバイス、特に、RFID(Radio Frequency Identification)システムに用いられる無線ICチップを有する無線ICデバイス、及び、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、物品の管理システムとして、誘導電磁界を発生するリーダライタと物品や容器などに付された所定の情報を記憶したICチップ(ICタグ、無線ICチップとも称する)とを非接触方式で通信し、情報を伝達するRFIDシステムが開発されている。
【0003】
ICチップを搭載した無線ICデバイスとしては、従来、特許文献1に記載されているように、誘電体基板にダイポールアンテナ(一対の主アンテナ素子と整合部とからなる)を設け、ダイポールアンテナの端部にタグICを電気的に接続した無線ICタグが知られている。整合部はタグICと主アンテナ素子との間に配置され、両者をインピーダンス整合させる機能を有している。
【0004】
しかしながら、この無線ICタグでは以下の問題点を有している。(1)整合部と主アンテナ素子とを単一の基板上に隣接して形成しているため、無線ICタグのサイズが大きくなる。(2)主アンテナ素子及び整合部を配置した大きな基板上に形成した電極に微小な無線ICチップを実装する必要があり、高精度な実装機が必要であること、及び、実装時の位置合わせ時間を要することから製造時間が長くなり、無線ICタグのコストが上昇する。
【特許文献1】特開2005−244778号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明の目的は、小型化を達成でき、無線ICチップの実装が容易で低コストな無線ICデバイス、及び、該無線ICデバイスを搭載した電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明に係る無線ICデバイスは、
送受信信号を処理する無線ICチップと、
インダクタンス素子を有する共振回路を含み、該共振回路と結合する外部電極を基板表面に設けた給電回路基板と、
前記外部電極と電気的に導通状態で接続された放射板と、
を備え、
前記無線ICチップと前記給電回路基板の共振回路とは電気的に導通状態で接続され、
前記放射板で受信された信号によって前記外部電極及び前記共振回路を介して前記無線ICチップが動作され、該無線ICチップからの応答信号が前記共振回路及び前記外部電極を介して前記放射板から外部に放射されること、
を特徴とする。
【0007】
本発明に係る無線ICデバイスにおいては、給電回路基板の表面に設けた外部電極が、給電回路基板に設けた共振回路と結合するとともに、アンテナとして機能する放射板と電気的に導通している。給電回路基板は比較的サイズの大きい放射板を搭載する必要はないので、極めて小型に構成できる。無線ICチップはこのような小型の給電回路基板上に実装すればよく、従来から広く使用されているIC実装機などを用いることができ、実装コストが低減する。また、RFIDシステムの使用周波数に応じて無線ICチップを変更した場合、給電回路基板の共振回路の設計を変更するだけでよく、放射板の形状やサイズまで変更する必要はなく、この点でも低コストを達成できる。
【0008】
特に、本発明に係る無線ICデバイスにおいて特徴的な点は、給電回路基板に外部電極を設け、この外部電極が共振回路と電磁界結合するとともに、放射板に電気的に導通状態で接続していることにある。共振回路は、無線ICチップと電気的に導通状態にあるが、放射板とは外部電極を介して電気的に導通状態又は非導通状態のいずれであってもよい。非導通状態であれば、放射板から侵入する静電気による無線ICチップの破壊を防止することができる。
【0009】
本発明に係る無線ICデバイスにおいて、放射板は基板の表面及び/又は内部に形成されていてもよい。また、給電回路基板が放射板と対向する面から対向しない少なくとも一つの面にわたって外部電極が設けられていてもよい。外部電極と放射板との接合強度が向上する。外部電極は複数のものが設けられていてもよい。また、外部電極と放射板とは金属粒子を含む導電性接着剤により接合されていることが好ましい。温度変化などによる熱膨張量の差が小さくなり、放射板と給電回路基板との接合信頼性が向上する。
【0010】
共振回路がインダクタンス素子とキャパシタンス素子とにより構成されている場合、インダクタンス素子とキャパシタンス素子とが異なる外部電極と電磁界結合し、外部電極にはそれぞれ異なる放射板が接続されていてもよい。容量による電界結合は磁界結合よりも信号エネルギーの受渡し効率が高いため、放射特性を向上させることができる。しかも、インダクタンス素子及びキャパシタンス素子において別々に外部電極との結合状態を設定でき、放射特性の設計自由度が向上する。
【0011】
また、共振回路は無線ICチップと外部電極とが直流により接続されるように構成されていてもよい。また、共振回路は給電回路基板に内蔵した素子と給電回路基板上に実装した素子、又は、放射板を設けた基板上に実装した素子とで構成されていてもよい。給電回路基板や放射基板の上にインダクタンス値の大きなチップインダクタやキャパシタンス値の大きなチップコンデンサを実装すれば、給電回路基板に内蔵した素子は値の小さなものでよく、給電回路基板のサイズをより小型化できる。
【0012】
給電回路基板はセラミックや液晶ポリマなど樹脂からなる多層基板で構成されていてもよい。多層基板で構成すれば、インダクタンス素子やキャパシタンス素子を高精度に内蔵可能であり、配線電極の形成の自由度が向上する。
【0013】
また、無線ICチップ、給電回路基板及び放射板の少なくとも一つを覆う保護膜が設けられていることが好ましい。耐環境特性が向上する。
【0014】
なお、無線ICチップは、本無線ICデバイスが取り付けられる物品に関する各種情報がメモリされている以外に、情報が書き換え可能であってもよく、RFIDシステム以外の情報処理機能を有していてもよい。
【0015】
本発明に係る電子機器は、前記無線ICデバイスを備えたことを特徴とする。機器筐体に内蔵されたプリント配線基板に前記放射板が設けられ、該放射板上に前記給電回路基板に設けた外部電極が電気的に導通状態で接続されている。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、給電回路基板は比較的サイズの大きい放射板を搭載する必要はなく、極めて小型に構成でき、微小な無線ICチップであっても従来の実装機を用いて容易に実装することができ、実装コストが低減する。使用周波数帯を変更する場合には、共振回路の設計を変更するだけでよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係る無線ICデバイス及び電子機器の実施例について添付図面を参照して説明する。なお、各図において、共通する部品、部分は同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
【0018】
(無線ICデバイスの第1実施例、図1参照)
図1に本発明に係る無線ICデバイスの第1実施例を示す。この無線ICデバイス1は、所定周波数の送受信信号を処理する無線ICチップ5と、該無線ICチップ5を搭載した給電回路基板10と、放射基板(プリント配線基板)20上に設けた放射板21a,21bとからなる。
【0019】
無線ICチップ5は、クロック回路、ロジック回路、メモリ回路などを含み、必要な情報がメモリされており、図11に示すように、裏面に入出力端子電極6,6及び実装用端子電極7,7が設けられている。入出力端子電極6,6が給電回路基板10の表面に設けた電極12a,12b(図12参照)に金属バンプ8を介して電気的に接続されている。また、実装用端子電極7,7が電極12c,12dに金属バンプ8を介して電気的に接続されている。なお、金属バンプ8の材料としては、Au、半田などを用いることができる。
【0020】
また、給電回路基板10の表面には、無線ICチップ5と給電回路基板10との接合強度を向上させるために、無線ICチップ5との接続部を覆うように保護膜9が設けられている。
【0021】
放射板21a,21bは放射基板20上にAl、Cu、Agなどの金属めっきや導電性ペーストなどによる電極膜を所定の形状に設けたものである。なお、本実施例において放射基板20はガラスエポキシ樹脂製のプリント配線基板を使用しているが、PETやポリプロピレンなどの樹脂製基板であってもよい。
【0022】
給電回路基板10は、インダクタンス素子を有する共振回路(図1では省略)を内蔵したもので、裏面には外部電極19a,19bが設けられ、表面には接続用電極12a〜12d(図12参照)が形成されている。外部電極19a,19bは基板10に内蔵された共振回路と電磁界結合し、放射板21a,21bとは導電性接着剤22を介して電気的に導通状態で接続されている。なお、この電気的な接続には半田などを用いてもよい。
【0023】
即ち、給電回路基板10には所定の共振周波数を有する共振回路が内蔵されており、無線ICチップ5から発信された所定の周波数を有する送信信号を外部電極19a,19bを介して放射板21a,21bに伝達し、かつ、放射板21a,21bで受けた信号から所定の周波数を有する受信信号を選択し、無線ICチップ5に供給する。それゆえ、この無線ICデバイス1は、放射板21a,21bで受信された信号によって無線ICチップ5が動作され、該無線ICチップ5からの応答信号が放射板21a,21bから外部に放射される。
【0024】
前記無線ICデバイス1にあっては、給電回路基板10の表面に設けた外部電極19a,19bが、基板10に内蔵された共振回路と電磁界結合するとともに、アンテナとして機能する放射板21a,21bと電気的に導通している。給電回路基板10は比較的サイズの大きい放射板21a,21bを搭載する必要はなく、極めて小型に構成できる。無線ICチップ5はこのような小型の給電回路基板10に搭載すればよく、従来から広く使用されているIC実装機などを用いることができ、実装コストが低減する。また、使用周波数帯を変更するに際しては、共振回路の設計を変更するだけでよく、放射板21a,21bなどはそのまま用いてもよい。
【0025】
また、外部電極19a,19bと放射板21a,21bとを接合する導電性接着剤22には金属粒子を含むものを用いることが好ましい。温度変化などによる接着剤22と外部電極19a,19b及び放射板21a,21bとの熱膨張量の差が小さく、接合信頼性が向上する。
【0026】
(無線ICデバイスの第2実施例、図2参照)
図2に本発明に係る無線ICデバイスの第2実施例を示す。この無線ICデバイス1は、基本的には前記第1実施例と同様の構成からなり、外部電極19a,19bを給電回路基板10の裏面から両側面にわたって設けたものである。外部電極19a,19bと放射板21a,21bとを接合する導電性接着剤22による接合力が大きくなる。その他の作用効果は第1実施例と同様である。
【0027】
(無線ICデバイスの第3実施例、図3参照)
図3に本発明に係る無線ICデバイスの第3実施例を示す。この無線ICデバイス1は、基本的には前記第1実施例と同様の構成からなり、外部電極19a,19bを給電回路基板10の裏面から両側面さらに上面にわたって設けたものである。その作用効果は第1及び第2実施例と同様である。
【0028】
(無線ICデバイスの第4実施例、図4参照)
図4に本発明に係る無線ICデバイスの第4実施例を示す。この無線ICデバイス1は、基本的には前記第1実施例と同様の構成からなり、給電回路基板10の表面に無線ICチップ5を覆うエポキシ系、ポリイミド系などの樹脂製の保護膜23を設けたものである。保護膜23を設けることで、耐環境特性が向上する。
【0029】
(無線ICデバイスの第5実施例、図5参照)
図5に本発明に係る無線ICデバイスの第5実施例を示す。この無線ICデバイス1は、基本的には前記第1実施例と同様の構成からなり、共振回路を給電回路基板10に内蔵した素子と給電回路基板10上に実装した素子25とで構成したものである。素子25はチップインダクタンス、チップコンデンサなどである。チップタイプの素子はインダクタンス値やキャパシタンス値の大きなものを使用でき、給電回路基板10に内蔵する素子は値の小さなものでよいので、給電回路基板10をより小型にできる。その他の作用効果は第1実施例と同様である。
【0030】
(無線ICデバイスの第6実施例、図6参照)
図6に本発明に係る無線ICデバイスの第6実施例を示す。この無線ICデバイス1は、基本的には前記第1実施例と同様の構成からなり、共振回路を給電回路基板10に内蔵した素子と放射基板20上に実装した素子25とで構成したものである。素子25は前記第5実施例で説明したようにチップインダクタンス、チップコンデンサなどであり、その作用効果は第5実施例と同様である。
【0031】
(無線ICデバイスの第7実施例、図7参照)
図7に本発明に係る無線ICデバイスの第7実施例を示す。この無線ICデバイス1は、基本的には前記第1実施例と同様の構成からなり、放射板21a,21bを多層構造とした放射基板20の裏面に設け、該基板20の表面に設けた電極26a,26bとはビアホール導体27を介して電気的に接続したものである。電極26a,26bは導電性接着剤22あるいは半田などで外部電極19a,19bと接合されている。
【0032】
(無線ICデバイスの第8実施例、図8参照)
図8に本発明に係る無線ICデバイスの第8実施例を示す。この無線ICデバイス1は、基本的には前記第1実施例と同様の構成からなり、放射板21a,21bを多層構造とした放射基板20の中段部に設け、該基板20の表面に設けた電極26a,26bとはビアホール導体27を介して電気的に接続したものである。電極26a,26bは導電性接着剤22あるいは半田などで外部電極19a,19bと接合されている。
【0033】
(無線ICデバイスの第9実施例、図9参照)
図9に本発明に係る無線ICデバイスの第9実施例を示す。この無線ICデバイス1は、基本的には前記第1実施例と同様の構成からなり、放射板21a,21bを多層構造とした放射基板20にビアホール導体28を介してコイル形状に設け、該基板20の表面に設けた電極26a,26bとはビアホール導体27を介して電気的に接続したものである。電極26a,26bは導電性接着剤22あるいは半田などで外部電極19a,19bと接合されている。放射板21a,21bをコイル形状とすることにより、放射特性が向上する。その他の作用効果は第1実施例と同様である。
【0034】
(無線ICデバイスの第10実施例、図10参照)
図10に本発明に係る無線ICデバイスの第10実施例を示す。この無線ICデバイス1は、基本的には前記第1実施例と同様の構成からなり、無線ICチップ5を放射板21a,21bを設けたプリント配線基板20上に搭載したものである。無線ICチップ5の入出力端子電極6,6や実装用端子電極7,7(図11参照)は、プリント配線基板20上に設けた電極を介して給電回路基板10の共振回路と電気的に導通されている。また、給電回路基板10の裏面に設けた外部電極19a,19bがプリント配線基板20上に設けた放射板21a,21bと導電性接着剤22あるいは半田と、プリント配線基板20の表面又は内部の電極を介して電気的に接続されている。
【0035】
(共振回路の第1例、図12及び図13参照)
給電回路基板10に内蔵された共振回路の第1例を、図12に給電回路基板10の分解斜視図として、図13に等価回路として示す。
【0036】
給電回路基板10は、図12に示すように、誘電体からなるセラミックシート11A〜11Hを積層、圧着、焼成したもので、シート11Aには接続用電極12a,12bと電極12c,12dとビアホール導体13a,13bが形成され、シート11Bにはキャパシタ電極18aと導体パターン15a,15bとビアホール導体13c〜13eが形成され、シート11Cにはキャパシタ電極18bとビアホール導体13d〜13fが形成されている。さらに、シート11Dには導体パターン16a,16bとビアホール導体13e,13f,14a,14b,14dが形成され、シート11Eには導体パターン16a,16bとビアホール導体13e,13f,14a,14c,14eが形成され、シート11Fにはキャパシタ電極17と導体パターン16a,16bとビアホール導体13e,13f,14f,14gが形成され、シート11Gには導体パターン16a,16bとビアホール導体13e,13f,14f,14gが形成され、シート11Hには導体パターン16a,16bとビアホール導体13fが形成されている。
【0037】
以上のシート11A〜11Hを積層することにより、ビアホール導体14c,14d,14gにて螺旋状に接続された導体パターン16aにてインダクタンス素子L1が構成され、ビアホール導体14b,14e,14fにて螺旋状に接続された導体パターン16bにてインダクタンス素子L2が構成され、キャパシタ電極18a,18bにてキャパシタンス素子C1が構成され、キャパシタ電極18b,17にてキャパシタンス素子C2が構成される。
【0038】
インダクタンス素子L1の一端はビアホール導体14c,13d、導体パターン15a、ビアホール導体13cを介してキャパシタ電極18bに接続され、インダクタンス素子L2の一端はビアホール導体14aを介してキャパシタ電極17に接続される。また、インダクタンス素子L1,L2の他端は、シート11H上で一つにまとめられ、ビアホール導体13e、導体パターン15b、ビアホール導体13aを介して接続用電極12aに接続されている。さらに、キャパシタ電極18aはビアホール導体13bを介して接続用電極12bに電気的に接続されている。
【0039】
そして、接続用電極12a,12bが金属バンプ8(図1など参照)を介して無線ICチップ5の端子電極6,6(図11参照)と電気的に接続される。電極12c,12dは無線ICチップ5の端子電極7,7に接続される。
【0040】
また、給電回路基板10の裏面には外部電極19a,19bが導体ペーストの塗布などで設けられ、外部電極19aはインダクタンス素子L(L1,L2)と磁界により結合し、外部電極19bはキャパシタ電極18bとビアホール導体13fを介して接続される。外部電極19a,19bは放射板21a,21bに電気的に接続されることは前述のとおりである。以上の共振回路の等価回路を図13に示す。
【0041】
なお、この共振回路において、インダクタンス素子L1,L2は2本の導体パターン16a,16bを並列に配置した構造としている。2本の導体パターン16a,16bはそれぞれ線路長が異なっており、異なる共振周波数とすることができ、無線ICデバイス1を広帯域化できる。
【0042】
なお、各セラミックシート11A〜11Hは磁性体のセラミック材料からなるシートであってもよく、給電回路基板10は従来から用いられているシート積層法、厚膜印刷法などの多層基板の製作工程により容易に得ることができる。
【0043】
また、前記シート11A〜11Hを、例えば、ポリイミドや液晶ポリマーなどの誘電体からなるフレキシブルなシートとして形成し、該シート上に厚膜形成法などで電極や導体を形成し、それらのシートを積層して熱圧着などで積層体とし、インダクタンス素子L1,L2やキャパシタンス素子C1,C2を内蔵させてもよい。
【0044】
前記給電回路基板10において、インダクタンス素子L1,L2とキャパシタンス素子C1,C2とは平面透視で異なる位置に設けられ、インダクタンス素子L1,L2は外部電極19a(放射板21a)と磁界的に結合し、キャパシタンス素子C1,C2は外部電極19b(放射板21b)と電気的に接続している。
【0045】
従って、給電回路基板10上に前記無線ICチップ5を搭載した無線ICデバイス1は、図示しないリーダライタから放射される高周波信号(例えば、UHF周波数帯)を放射板21a,21bで受信し、外部電極19a,19bと磁界結合及び電界結合している共振回路を共振させ、所定の周波数帯の受信信号のみを無線ICチップ5に供給する。一方、この受信信号から所定のエネルギーを取り出し、このエネルギーを駆動源として無線ICチップ5にメモリされている情報を、共振回路にて所定の周波数に整合させた後、外部電極19a,19bを介して放射板21a,21bに伝え、該放射板21a,21bからリーダライタに送信、転送する。
【0046】
給電回路基板10においては、インダクタンス素子L1,L2とキャパシタンス素子C1,C2で構成された共振回路にて共振周波数特性が決定される。放射板21a,21bから放射される信号の共振周波数は、共振回路の自己共振周波数によって実質的に決まる。
【0047】
ところで、共振回路は無線ICチップ5のインピーダンスと放射板21a,21bのインピーダンスを整合させるためのマッチング回路を兼ねている。給電回路基板10は、インダクタンス素子やキャパシタンス素子で構成された共振回路とは別に設けられたマッチング回路を備えていてもよい(この意味で、共振回路を整合回路とも称する)。共振回路にマッチング回路の機能をも付加しようとすると、共振回路の設計が複雑になる傾向がある。共振回路とは別にマッチング回路を設ければ、共振回路、マッチング回路をそれぞれ独立して設計できる。
【0048】
また、前記第5及び第6実施例に示したように、共振回路を構成する素子の一部を基板10又は基板20に実装してもよい。
【0049】
(共振回路の第2例、図14及び図15参照)
給電回路基板30に内蔵された共振回路の第2例を、図14に給電回路基板30の分解斜視図として、図15に等価回路として示す。
【0050】
給電回路基板30は、図14に示すように、誘電体からなるセラミックシート31A〜31Eを積層、圧着、焼成したもので、シート31Aには接続用電極12a,12bと電極12c,12dとビアホール導体33a,33bが形成されている。シート31B,31C,31Dには導体パターン36とビアホール導体33c,33dが形成されている。シート33Eには導体パターン36とビアホール導体33d,33eが形成されている。
【0051】
以上のシート31A〜31Eを積層することにより、ビアホール導体33cにて螺旋状に接続された導体パターン36にてインダクタンス素子Lが構成される。また、導体パターン36の線間容量にてキャパシタンス素子Cが構成される。インダクタンス素子Lの一端はビアホール導体33aを介して接続用電極12aに接続されている。
【0052】
また、給電回路基板30の裏面には外部電極19が導体ペーストの塗布などで設けられ、外部電極19はビアホール導体33eを介してインダクタンス素子Lの他端に接続されるとともに、ビアホール導体33d,33bを介して接続用電極12bに接続されている。外部電極19は放射板21に電気的に接続される。以上の共振回路の等価回路は図15に示すとおりである。
【0053】
この共振回路は無線ICチップ5と外部電極19とが直流により接続されるように構成されており、放射板21で受信した高周波信号を無線ICチップ5に供給する。一方、無線ICチップ5にメモリされている情報を、この共振回路を介して外部電極19及び放射板21に伝え、放射板21からリーダライタに送信、転送する。
【0054】
(電子機器の実施例、図16〜図19参照)
次に、本発明に係る電子機器の一実施例として携帯電話を説明する。図16に示す携帯電話50は、複数の周波数に対応しており、地上波デジタル信号、GPS信号、WiFi信号、CDMAやGSMなどの通信用信号が入力される。
【0055】
筐体51内には、図17に示すように、プリント配線基板55が設置されている。このプリント配線基板55には、無線通信用回路60と無線ICデバイス1とが配置されている。無線通信用回路60は、IC61と基板55に内蔵されたバラン62とBPF63とコンデンサ64とで構成されている。無線ICチップ5を搭載した給電回路基板10は、プリント配線基板55上に設けた放射板21a,21bに外部電極19a,19bが電気的に接続した状態で搭載され、無線ICデバイス1を構成している。
【0056】
プリント配線基板55に搭載される無線ICデバイス1としては、図18及び図19に示すものであってもよい。この無線ICデバイス1は、無線ICチップ5を搭載した給電回路基板10の両側部に外部電極19a,19bを設け、該外部電極19a,19bを基板55上に設けた放射板21a,21bに導電性接着剤22を介して電気的に接続したものである。給電回路基板10内の共振回路は、例えば、図12に示したものである。
【0057】
プリント配線基板55の表面には、図19に斜線を付して示すグランドパターン56が形成され、グランドパターン56の非形成領域56aに無線ICデバイス1が実装されている。また、放射板21a,21bはミアンダ形状に配置されている。
【0058】
(他の実施例)
なお、本発明に係る無線ICデバイス及び電子機器は前記実施例に限定するものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更することができる。
【0059】
例えば、共振回路は様々な構成のものを採用できることは勿論である。また、前記実施例に示した外部電極や給電回路基板の材料はあくまで例示であり、必要な特性を有する材料であれば、任意のものを使用することができる。また、無線ICチップを給電回路基板に実装するのに、金属バンプ以外の処理を用いてもよい。
【0060】
また、本発明に係る無線ICデバイスが搭載される電子機器は、携帯電話に限らず、種々の無線通信機器や、テレビ、冷蔵庫などの家電機器であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明に係る無線ICデバイスの第1実施例を示す断面図である。
【図2】本発明に係る無線ICデバイスの第2実施例を示す断面図である。
【図3】本発明に係る無線ICデバイスの第3実施例を示す断面図である。
【図4】本発明に係る無線ICデバイスの第4実施例を示す断面図である。
【図5】本発明に係る無線ICデバイスの第5実施例を示す断面図である。
【図6】本発明に係る無線ICデバイスの第6実施例を示す断面図である。
【図7】本発明に係る無線ICデバイスの第7実施例を示す断面図である。
【図8】本発明に係る無線ICデバイスの第8実施例を示す断面図である。
【図9】本発明に係る無線ICデバイスの第9実施例を示す断面図である。
【図10】本発明に係る無線ICデバイスの第10実施例を示す断面図である。
【図11】無線ICチップを示す斜視図である。
【図12】共振回路の第1例を内蔵した給電回路基板を示す分解斜視図である。
【図13】共振回路の第1例を示す等価回路図である。
【図14】共振回路の第2例を内蔵した給電回路基板を示す分解斜視図である。
【図15】共振回路の第2例を示す等価回路図である。
【図16】本発明に係る電子機器の一実施例である携帯電話を示す斜視図である。
【図17】前記携帯電話に内蔵されているプリント配線基板を示す説明図である。
【図18】前記プリント配線基板に実装されている無線ICデバイスを示す断面図である。
【図19】前記プリント配線基板に実装されている無線ICデバイスを示す平面図である。
【符号の説明】
【0062】
1…無線ICデバイス
5…無線ICチップ
10,30…給電回路基板
19,19a,19b…外部電極
20…放射基板(プリント配線基板)
21,21a,21b…放射板
50…携帯電話
55…プリント配線基板
L,L1,L2…インダクタンス素子
C,C1,C2…キャパシタンス素子
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線ICデバイス、特に、RFID(Radio Frequency Identification)システムに用いられる無線ICチップを有する無線ICデバイス、及び、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、物品の管理システムとして、誘導電磁界を発生するリーダライタと物品や容器などに付された所定の情報を記憶したICチップ(ICタグ、無線ICチップとも称する)とを非接触方式で通信し、情報を伝達するRFIDシステムが開発されている。
【0003】
ICチップを搭載した無線ICデバイスとしては、従来、特許文献1に記載されているように、誘電体基板にダイポールアンテナ(一対の主アンテナ素子と整合部とからなる)を設け、ダイポールアンテナの端部にタグICを電気的に接続した無線ICタグが知られている。整合部はタグICと主アンテナ素子との間に配置され、両者をインピーダンス整合させる機能を有している。
【0004】
しかしながら、この無線ICタグでは以下の問題点を有している。(1)整合部と主アンテナ素子とを単一の基板上に隣接して形成しているため、無線ICタグのサイズが大きくなる。(2)主アンテナ素子及び整合部を配置した大きな基板上に形成した電極に微小な無線ICチップを実装する必要があり、高精度な実装機が必要であること、及び、実装時の位置合わせ時間を要することから製造時間が長くなり、無線ICタグのコストが上昇する。
【特許文献1】特開2005−244778号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明の目的は、小型化を達成でき、無線ICチップの実装が容易で低コストな無線ICデバイス、及び、該無線ICデバイスを搭載した電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明に係る無線ICデバイスは、
送受信信号を処理する無線ICチップと、
インダクタンス素子を有する共振回路を含み、該共振回路と結合する外部電極を基板表面に設けた給電回路基板と、
前記外部電極と電気的に導通状態で接続された放射板と、
を備え、
前記無線ICチップと前記給電回路基板の共振回路とは電気的に導通状態で接続され、
前記放射板で受信された信号によって前記外部電極及び前記共振回路を介して前記無線ICチップが動作され、該無線ICチップからの応答信号が前記共振回路及び前記外部電極を介して前記放射板から外部に放射されること、
を特徴とする。
【0007】
本発明に係る無線ICデバイスにおいては、給電回路基板の表面に設けた外部電極が、給電回路基板に設けた共振回路と結合するとともに、アンテナとして機能する放射板と電気的に導通している。給電回路基板は比較的サイズの大きい放射板を搭載する必要はないので、極めて小型に構成できる。無線ICチップはこのような小型の給電回路基板上に実装すればよく、従来から広く使用されているIC実装機などを用いることができ、実装コストが低減する。また、RFIDシステムの使用周波数に応じて無線ICチップを変更した場合、給電回路基板の共振回路の設計を変更するだけでよく、放射板の形状やサイズまで変更する必要はなく、この点でも低コストを達成できる。
【0008】
特に、本発明に係る無線ICデバイスにおいて特徴的な点は、給電回路基板に外部電極を設け、この外部電極が共振回路と電磁界結合するとともに、放射板に電気的に導通状態で接続していることにある。共振回路は、無線ICチップと電気的に導通状態にあるが、放射板とは外部電極を介して電気的に導通状態又は非導通状態のいずれであってもよい。非導通状態であれば、放射板から侵入する静電気による無線ICチップの破壊を防止することができる。
【0009】
本発明に係る無線ICデバイスにおいて、放射板は基板の表面及び/又は内部に形成されていてもよい。また、給電回路基板が放射板と対向する面から対向しない少なくとも一つの面にわたって外部電極が設けられていてもよい。外部電極と放射板との接合強度が向上する。外部電極は複数のものが設けられていてもよい。また、外部電極と放射板とは金属粒子を含む導電性接着剤により接合されていることが好ましい。温度変化などによる熱膨張量の差が小さくなり、放射板と給電回路基板との接合信頼性が向上する。
【0010】
共振回路がインダクタンス素子とキャパシタンス素子とにより構成されている場合、インダクタンス素子とキャパシタンス素子とが異なる外部電極と電磁界結合し、外部電極にはそれぞれ異なる放射板が接続されていてもよい。容量による電界結合は磁界結合よりも信号エネルギーの受渡し効率が高いため、放射特性を向上させることができる。しかも、インダクタンス素子及びキャパシタンス素子において別々に外部電極との結合状態を設定でき、放射特性の設計自由度が向上する。
【0011】
また、共振回路は無線ICチップと外部電極とが直流により接続されるように構成されていてもよい。また、共振回路は給電回路基板に内蔵した素子と給電回路基板上に実装した素子、又は、放射板を設けた基板上に実装した素子とで構成されていてもよい。給電回路基板や放射基板の上にインダクタンス値の大きなチップインダクタやキャパシタンス値の大きなチップコンデンサを実装すれば、給電回路基板に内蔵した素子は値の小さなものでよく、給電回路基板のサイズをより小型化できる。
【0012】
給電回路基板はセラミックや液晶ポリマなど樹脂からなる多層基板で構成されていてもよい。多層基板で構成すれば、インダクタンス素子やキャパシタンス素子を高精度に内蔵可能であり、配線電極の形成の自由度が向上する。
【0013】
また、無線ICチップ、給電回路基板及び放射板の少なくとも一つを覆う保護膜が設けられていることが好ましい。耐環境特性が向上する。
【0014】
なお、無線ICチップは、本無線ICデバイスが取り付けられる物品に関する各種情報がメモリされている以外に、情報が書き換え可能であってもよく、RFIDシステム以外の情報処理機能を有していてもよい。
【0015】
本発明に係る電子機器は、前記無線ICデバイスを備えたことを特徴とする。機器筐体に内蔵されたプリント配線基板に前記放射板が設けられ、該放射板上に前記給電回路基板に設けた外部電極が電気的に導通状態で接続されている。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、給電回路基板は比較的サイズの大きい放射板を搭載する必要はなく、極めて小型に構成でき、微小な無線ICチップであっても従来の実装機を用いて容易に実装することができ、実装コストが低減する。使用周波数帯を変更する場合には、共振回路の設計を変更するだけでよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係る無線ICデバイス及び電子機器の実施例について添付図面を参照して説明する。なお、各図において、共通する部品、部分は同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
【0018】
(無線ICデバイスの第1実施例、図1参照)
図1に本発明に係る無線ICデバイスの第1実施例を示す。この無線ICデバイス1は、所定周波数の送受信信号を処理する無線ICチップ5と、該無線ICチップ5を搭載した給電回路基板10と、放射基板(プリント配線基板)20上に設けた放射板21a,21bとからなる。
【0019】
無線ICチップ5は、クロック回路、ロジック回路、メモリ回路などを含み、必要な情報がメモリされており、図11に示すように、裏面に入出力端子電極6,6及び実装用端子電極7,7が設けられている。入出力端子電極6,6が給電回路基板10の表面に設けた電極12a,12b(図12参照)に金属バンプ8を介して電気的に接続されている。また、実装用端子電極7,7が電極12c,12dに金属バンプ8を介して電気的に接続されている。なお、金属バンプ8の材料としては、Au、半田などを用いることができる。
【0020】
また、給電回路基板10の表面には、無線ICチップ5と給電回路基板10との接合強度を向上させるために、無線ICチップ5との接続部を覆うように保護膜9が設けられている。
【0021】
放射板21a,21bは放射基板20上にAl、Cu、Agなどの金属めっきや導電性ペーストなどによる電極膜を所定の形状に設けたものである。なお、本実施例において放射基板20はガラスエポキシ樹脂製のプリント配線基板を使用しているが、PETやポリプロピレンなどの樹脂製基板であってもよい。
【0022】
給電回路基板10は、インダクタンス素子を有する共振回路(図1では省略)を内蔵したもので、裏面には外部電極19a,19bが設けられ、表面には接続用電極12a〜12d(図12参照)が形成されている。外部電極19a,19bは基板10に内蔵された共振回路と電磁界結合し、放射板21a,21bとは導電性接着剤22を介して電気的に導通状態で接続されている。なお、この電気的な接続には半田などを用いてもよい。
【0023】
即ち、給電回路基板10には所定の共振周波数を有する共振回路が内蔵されており、無線ICチップ5から発信された所定の周波数を有する送信信号を外部電極19a,19bを介して放射板21a,21bに伝達し、かつ、放射板21a,21bで受けた信号から所定の周波数を有する受信信号を選択し、無線ICチップ5に供給する。それゆえ、この無線ICデバイス1は、放射板21a,21bで受信された信号によって無線ICチップ5が動作され、該無線ICチップ5からの応答信号が放射板21a,21bから外部に放射される。
【0024】
前記無線ICデバイス1にあっては、給電回路基板10の表面に設けた外部電極19a,19bが、基板10に内蔵された共振回路と電磁界結合するとともに、アンテナとして機能する放射板21a,21bと電気的に導通している。給電回路基板10は比較的サイズの大きい放射板21a,21bを搭載する必要はなく、極めて小型に構成できる。無線ICチップ5はこのような小型の給電回路基板10に搭載すればよく、従来から広く使用されているIC実装機などを用いることができ、実装コストが低減する。また、使用周波数帯を変更するに際しては、共振回路の設計を変更するだけでよく、放射板21a,21bなどはそのまま用いてもよい。
【0025】
また、外部電極19a,19bと放射板21a,21bとを接合する導電性接着剤22には金属粒子を含むものを用いることが好ましい。温度変化などによる接着剤22と外部電極19a,19b及び放射板21a,21bとの熱膨張量の差が小さく、接合信頼性が向上する。
【0026】
(無線ICデバイスの第2実施例、図2参照)
図2に本発明に係る無線ICデバイスの第2実施例を示す。この無線ICデバイス1は、基本的には前記第1実施例と同様の構成からなり、外部電極19a,19bを給電回路基板10の裏面から両側面にわたって設けたものである。外部電極19a,19bと放射板21a,21bとを接合する導電性接着剤22による接合力が大きくなる。その他の作用効果は第1実施例と同様である。
【0027】
(無線ICデバイスの第3実施例、図3参照)
図3に本発明に係る無線ICデバイスの第3実施例を示す。この無線ICデバイス1は、基本的には前記第1実施例と同様の構成からなり、外部電極19a,19bを給電回路基板10の裏面から両側面さらに上面にわたって設けたものである。その作用効果は第1及び第2実施例と同様である。
【0028】
(無線ICデバイスの第4実施例、図4参照)
図4に本発明に係る無線ICデバイスの第4実施例を示す。この無線ICデバイス1は、基本的には前記第1実施例と同様の構成からなり、給電回路基板10の表面に無線ICチップ5を覆うエポキシ系、ポリイミド系などの樹脂製の保護膜23を設けたものである。保護膜23を設けることで、耐環境特性が向上する。
【0029】
(無線ICデバイスの第5実施例、図5参照)
図5に本発明に係る無線ICデバイスの第5実施例を示す。この無線ICデバイス1は、基本的には前記第1実施例と同様の構成からなり、共振回路を給電回路基板10に内蔵した素子と給電回路基板10上に実装した素子25とで構成したものである。素子25はチップインダクタンス、チップコンデンサなどである。チップタイプの素子はインダクタンス値やキャパシタンス値の大きなものを使用でき、給電回路基板10に内蔵する素子は値の小さなものでよいので、給電回路基板10をより小型にできる。その他の作用効果は第1実施例と同様である。
【0030】
(無線ICデバイスの第6実施例、図6参照)
図6に本発明に係る無線ICデバイスの第6実施例を示す。この無線ICデバイス1は、基本的には前記第1実施例と同様の構成からなり、共振回路を給電回路基板10に内蔵した素子と放射基板20上に実装した素子25とで構成したものである。素子25は前記第5実施例で説明したようにチップインダクタンス、チップコンデンサなどであり、その作用効果は第5実施例と同様である。
【0031】
(無線ICデバイスの第7実施例、図7参照)
図7に本発明に係る無線ICデバイスの第7実施例を示す。この無線ICデバイス1は、基本的には前記第1実施例と同様の構成からなり、放射板21a,21bを多層構造とした放射基板20の裏面に設け、該基板20の表面に設けた電極26a,26bとはビアホール導体27を介して電気的に接続したものである。電極26a,26bは導電性接着剤22あるいは半田などで外部電極19a,19bと接合されている。
【0032】
(無線ICデバイスの第8実施例、図8参照)
図8に本発明に係る無線ICデバイスの第8実施例を示す。この無線ICデバイス1は、基本的には前記第1実施例と同様の構成からなり、放射板21a,21bを多層構造とした放射基板20の中段部に設け、該基板20の表面に設けた電極26a,26bとはビアホール導体27を介して電気的に接続したものである。電極26a,26bは導電性接着剤22あるいは半田などで外部電極19a,19bと接合されている。
【0033】
(無線ICデバイスの第9実施例、図9参照)
図9に本発明に係る無線ICデバイスの第9実施例を示す。この無線ICデバイス1は、基本的には前記第1実施例と同様の構成からなり、放射板21a,21bを多層構造とした放射基板20にビアホール導体28を介してコイル形状に設け、該基板20の表面に設けた電極26a,26bとはビアホール導体27を介して電気的に接続したものである。電極26a,26bは導電性接着剤22あるいは半田などで外部電極19a,19bと接合されている。放射板21a,21bをコイル形状とすることにより、放射特性が向上する。その他の作用効果は第1実施例と同様である。
【0034】
(無線ICデバイスの第10実施例、図10参照)
図10に本発明に係る無線ICデバイスの第10実施例を示す。この無線ICデバイス1は、基本的には前記第1実施例と同様の構成からなり、無線ICチップ5を放射板21a,21bを設けたプリント配線基板20上に搭載したものである。無線ICチップ5の入出力端子電極6,6や実装用端子電極7,7(図11参照)は、プリント配線基板20上に設けた電極を介して給電回路基板10の共振回路と電気的に導通されている。また、給電回路基板10の裏面に設けた外部電極19a,19bがプリント配線基板20上に設けた放射板21a,21bと導電性接着剤22あるいは半田と、プリント配線基板20の表面又は内部の電極を介して電気的に接続されている。
【0035】
(共振回路の第1例、図12及び図13参照)
給電回路基板10に内蔵された共振回路の第1例を、図12に給電回路基板10の分解斜視図として、図13に等価回路として示す。
【0036】
給電回路基板10は、図12に示すように、誘電体からなるセラミックシート11A〜11Hを積層、圧着、焼成したもので、シート11Aには接続用電極12a,12bと電極12c,12dとビアホール導体13a,13bが形成され、シート11Bにはキャパシタ電極18aと導体パターン15a,15bとビアホール導体13c〜13eが形成され、シート11Cにはキャパシタ電極18bとビアホール導体13d〜13fが形成されている。さらに、シート11Dには導体パターン16a,16bとビアホール導体13e,13f,14a,14b,14dが形成され、シート11Eには導体パターン16a,16bとビアホール導体13e,13f,14a,14c,14eが形成され、シート11Fにはキャパシタ電極17と導体パターン16a,16bとビアホール導体13e,13f,14f,14gが形成され、シート11Gには導体パターン16a,16bとビアホール導体13e,13f,14f,14gが形成され、シート11Hには導体パターン16a,16bとビアホール導体13fが形成されている。
【0037】
以上のシート11A〜11Hを積層することにより、ビアホール導体14c,14d,14gにて螺旋状に接続された導体パターン16aにてインダクタンス素子L1が構成され、ビアホール導体14b,14e,14fにて螺旋状に接続された導体パターン16bにてインダクタンス素子L2が構成され、キャパシタ電極18a,18bにてキャパシタンス素子C1が構成され、キャパシタ電極18b,17にてキャパシタンス素子C2が構成される。
【0038】
インダクタンス素子L1の一端はビアホール導体14c,13d、導体パターン15a、ビアホール導体13cを介してキャパシタ電極18bに接続され、インダクタンス素子L2の一端はビアホール導体14aを介してキャパシタ電極17に接続される。また、インダクタンス素子L1,L2の他端は、シート11H上で一つにまとめられ、ビアホール導体13e、導体パターン15b、ビアホール導体13aを介して接続用電極12aに接続されている。さらに、キャパシタ電極18aはビアホール導体13bを介して接続用電極12bに電気的に接続されている。
【0039】
そして、接続用電極12a,12bが金属バンプ8(図1など参照)を介して無線ICチップ5の端子電極6,6(図11参照)と電気的に接続される。電極12c,12dは無線ICチップ5の端子電極7,7に接続される。
【0040】
また、給電回路基板10の裏面には外部電極19a,19bが導体ペーストの塗布などで設けられ、外部電極19aはインダクタンス素子L(L1,L2)と磁界により結合し、外部電極19bはキャパシタ電極18bとビアホール導体13fを介して接続される。外部電極19a,19bは放射板21a,21bに電気的に接続されることは前述のとおりである。以上の共振回路の等価回路を図13に示す。
【0041】
なお、この共振回路において、インダクタンス素子L1,L2は2本の導体パターン16a,16bを並列に配置した構造としている。2本の導体パターン16a,16bはそれぞれ線路長が異なっており、異なる共振周波数とすることができ、無線ICデバイス1を広帯域化できる。
【0042】
なお、各セラミックシート11A〜11Hは磁性体のセラミック材料からなるシートであってもよく、給電回路基板10は従来から用いられているシート積層法、厚膜印刷法などの多層基板の製作工程により容易に得ることができる。
【0043】
また、前記シート11A〜11Hを、例えば、ポリイミドや液晶ポリマーなどの誘電体からなるフレキシブルなシートとして形成し、該シート上に厚膜形成法などで電極や導体を形成し、それらのシートを積層して熱圧着などで積層体とし、インダクタンス素子L1,L2やキャパシタンス素子C1,C2を内蔵させてもよい。
【0044】
前記給電回路基板10において、インダクタンス素子L1,L2とキャパシタンス素子C1,C2とは平面透視で異なる位置に設けられ、インダクタンス素子L1,L2は外部電極19a(放射板21a)と磁界的に結合し、キャパシタンス素子C1,C2は外部電極19b(放射板21b)と電気的に接続している。
【0045】
従って、給電回路基板10上に前記無線ICチップ5を搭載した無線ICデバイス1は、図示しないリーダライタから放射される高周波信号(例えば、UHF周波数帯)を放射板21a,21bで受信し、外部電極19a,19bと磁界結合及び電界結合している共振回路を共振させ、所定の周波数帯の受信信号のみを無線ICチップ5に供給する。一方、この受信信号から所定のエネルギーを取り出し、このエネルギーを駆動源として無線ICチップ5にメモリされている情報を、共振回路にて所定の周波数に整合させた後、外部電極19a,19bを介して放射板21a,21bに伝え、該放射板21a,21bからリーダライタに送信、転送する。
【0046】
給電回路基板10においては、インダクタンス素子L1,L2とキャパシタンス素子C1,C2で構成された共振回路にて共振周波数特性が決定される。放射板21a,21bから放射される信号の共振周波数は、共振回路の自己共振周波数によって実質的に決まる。
【0047】
ところで、共振回路は無線ICチップ5のインピーダンスと放射板21a,21bのインピーダンスを整合させるためのマッチング回路を兼ねている。給電回路基板10は、インダクタンス素子やキャパシタンス素子で構成された共振回路とは別に設けられたマッチング回路を備えていてもよい(この意味で、共振回路を整合回路とも称する)。共振回路にマッチング回路の機能をも付加しようとすると、共振回路の設計が複雑になる傾向がある。共振回路とは別にマッチング回路を設ければ、共振回路、マッチング回路をそれぞれ独立して設計できる。
【0048】
また、前記第5及び第6実施例に示したように、共振回路を構成する素子の一部を基板10又は基板20に実装してもよい。
【0049】
(共振回路の第2例、図14及び図15参照)
給電回路基板30に内蔵された共振回路の第2例を、図14に給電回路基板30の分解斜視図として、図15に等価回路として示す。
【0050】
給電回路基板30は、図14に示すように、誘電体からなるセラミックシート31A〜31Eを積層、圧着、焼成したもので、シート31Aには接続用電極12a,12bと電極12c,12dとビアホール導体33a,33bが形成されている。シート31B,31C,31Dには導体パターン36とビアホール導体33c,33dが形成されている。シート33Eには導体パターン36とビアホール導体33d,33eが形成されている。
【0051】
以上のシート31A〜31Eを積層することにより、ビアホール導体33cにて螺旋状に接続された導体パターン36にてインダクタンス素子Lが構成される。また、導体パターン36の線間容量にてキャパシタンス素子Cが構成される。インダクタンス素子Lの一端はビアホール導体33aを介して接続用電極12aに接続されている。
【0052】
また、給電回路基板30の裏面には外部電極19が導体ペーストの塗布などで設けられ、外部電極19はビアホール導体33eを介してインダクタンス素子Lの他端に接続されるとともに、ビアホール導体33d,33bを介して接続用電極12bに接続されている。外部電極19は放射板21に電気的に接続される。以上の共振回路の等価回路は図15に示すとおりである。
【0053】
この共振回路は無線ICチップ5と外部電極19とが直流により接続されるように構成されており、放射板21で受信した高周波信号を無線ICチップ5に供給する。一方、無線ICチップ5にメモリされている情報を、この共振回路を介して外部電極19及び放射板21に伝え、放射板21からリーダライタに送信、転送する。
【0054】
(電子機器の実施例、図16〜図19参照)
次に、本発明に係る電子機器の一実施例として携帯電話を説明する。図16に示す携帯電話50は、複数の周波数に対応しており、地上波デジタル信号、GPS信号、WiFi信号、CDMAやGSMなどの通信用信号が入力される。
【0055】
筐体51内には、図17に示すように、プリント配線基板55が設置されている。このプリント配線基板55には、無線通信用回路60と無線ICデバイス1とが配置されている。無線通信用回路60は、IC61と基板55に内蔵されたバラン62とBPF63とコンデンサ64とで構成されている。無線ICチップ5を搭載した給電回路基板10は、プリント配線基板55上に設けた放射板21a,21bに外部電極19a,19bが電気的に接続した状態で搭載され、無線ICデバイス1を構成している。
【0056】
プリント配線基板55に搭載される無線ICデバイス1としては、図18及び図19に示すものであってもよい。この無線ICデバイス1は、無線ICチップ5を搭載した給電回路基板10の両側部に外部電極19a,19bを設け、該外部電極19a,19bを基板55上に設けた放射板21a,21bに導電性接着剤22を介して電気的に接続したものである。給電回路基板10内の共振回路は、例えば、図12に示したものである。
【0057】
プリント配線基板55の表面には、図19に斜線を付して示すグランドパターン56が形成され、グランドパターン56の非形成領域56aに無線ICデバイス1が実装されている。また、放射板21a,21bはミアンダ形状に配置されている。
【0058】
(他の実施例)
なお、本発明に係る無線ICデバイス及び電子機器は前記実施例に限定するものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更することができる。
【0059】
例えば、共振回路は様々な構成のものを採用できることは勿論である。また、前記実施例に示した外部電極や給電回路基板の材料はあくまで例示であり、必要な特性を有する材料であれば、任意のものを使用することができる。また、無線ICチップを給電回路基板に実装するのに、金属バンプ以外の処理を用いてもよい。
【0060】
また、本発明に係る無線ICデバイスが搭載される電子機器は、携帯電話に限らず、種々の無線通信機器や、テレビ、冷蔵庫などの家電機器であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明に係る無線ICデバイスの第1実施例を示す断面図である。
【図2】本発明に係る無線ICデバイスの第2実施例を示す断面図である。
【図3】本発明に係る無線ICデバイスの第3実施例を示す断面図である。
【図4】本発明に係る無線ICデバイスの第4実施例を示す断面図である。
【図5】本発明に係る無線ICデバイスの第5実施例を示す断面図である。
【図6】本発明に係る無線ICデバイスの第6実施例を示す断面図である。
【図7】本発明に係る無線ICデバイスの第7実施例を示す断面図である。
【図8】本発明に係る無線ICデバイスの第8実施例を示す断面図である。
【図9】本発明に係る無線ICデバイスの第9実施例を示す断面図である。
【図10】本発明に係る無線ICデバイスの第10実施例を示す断面図である。
【図11】無線ICチップを示す斜視図である。
【図12】共振回路の第1例を内蔵した給電回路基板を示す分解斜視図である。
【図13】共振回路の第1例を示す等価回路図である。
【図14】共振回路の第2例を内蔵した給電回路基板を示す分解斜視図である。
【図15】共振回路の第2例を示す等価回路図である。
【図16】本発明に係る電子機器の一実施例である携帯電話を示す斜視図である。
【図17】前記携帯電話に内蔵されているプリント配線基板を示す説明図である。
【図18】前記プリント配線基板に実装されている無線ICデバイスを示す断面図である。
【図19】前記プリント配線基板に実装されている無線ICデバイスを示す平面図である。
【符号の説明】
【0062】
1…無線ICデバイス
5…無線ICチップ
10,30…給電回路基板
19,19a,19b…外部電極
20…放射基板(プリント配線基板)
21,21a,21b…放射板
50…携帯電話
55…プリント配線基板
L,L1,L2…インダクタンス素子
C,C1,C2…キャパシタンス素子
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送受信信号を処理する無線ICチップと、
インダクタンス素子を有する共振回路を含み、該共振回路と結合する外部電極を基板表面に設けた給電回路基板と、
前記外部電極と電気的に導通状態で接続された放射板と、
を備え、
前記無線ICチップと前記給電回路基板の共振回路とは電気的に導通状態で接続され、
前記放射板で受信された信号によって前記外部電極及び前記共振回路を介して前記無線ICチップが動作され、該無線ICチップからの応答信号が前記共振回路及び前記外部電極を介して前記放射板から外部に放射されること、
を特徴とする無線ICデバイス。
【請求項2】
前記放射板が基板の表面及び/又は内部に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の無線ICデバイス。
【請求項3】
前記給電回路基板が前記放射板と対向する面から対向しない少なくとも一つの面にわたって前記外部電極が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の無線ICデバイス。
【請求項4】
複数の前記放射板が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の無線ICデバイス。
【請求項5】
前記給電回路基板の表面に複数の前記外部電極が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の無線ICデバイス。
【請求項6】
前記外部電極と前記放射板とは金属粒子を含む導電性接着剤により接合されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の無線ICデバイス。
【請求項7】
前記共振回路が前記インダクタンス素子とキャパシタンス素子とにより構成され、インダクタンス素子とキャパシタンス素子とが平面透視で異なる位置に設けられ、
前記インダクタンス素子と前記キャパシタンス素子とが異なる外部電極と電磁界結合し、
前記外部電極にそれぞれ異なる前記放射板が接続されていること、
を特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の無線ICデバイス。
【請求項8】
前記共振回路が前記無線ICチップと前記外部電極とが直流により接続されるように構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の無線ICデバイス。
【請求項9】
前記共振回路が前記給電回路基板に内蔵した素子と給電回路基板上に実装した素子とで構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の無線ICデバイス。
【請求項10】
前記共振回路が前記給電回路基板に設けた素子と前記放射板を設けた基板上に実装した素子とで構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の無線ICデバイス。
【請求項11】
前記給電回路基板は多層基板で構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の無線ICデバイス。
【請求項12】
前記無線ICチップ、前記給電回路基板及び前記放射板の少なくとも一つを覆う保護膜が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の無線ICデバイス。
【請求項13】
請求項1ないし請求項12のいずれかに記載の無線ICデバイスを備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項14】
請求項1ないし請求項12のいずれかに記載の無線ICデバイスを備え、
機器筐体に内蔵されたプリント配線基板に前記放射板が設けられ、該放射板上に前記給電回路基板に設けた外部電極が電気的に導通状態で接続されていること、
を特徴とする電子機器。
【請求項1】
送受信信号を処理する無線ICチップと、
インダクタンス素子を有する共振回路を含み、該共振回路と結合する外部電極を基板表面に設けた給電回路基板と、
前記外部電極と電気的に導通状態で接続された放射板と、
を備え、
前記無線ICチップと前記給電回路基板の共振回路とは電気的に導通状態で接続され、
前記放射板で受信された信号によって前記外部電極及び前記共振回路を介して前記無線ICチップが動作され、該無線ICチップからの応答信号が前記共振回路及び前記外部電極を介して前記放射板から外部に放射されること、
を特徴とする無線ICデバイス。
【請求項2】
前記放射板が基板の表面及び/又は内部に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の無線ICデバイス。
【請求項3】
前記給電回路基板が前記放射板と対向する面から対向しない少なくとも一つの面にわたって前記外部電極が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の無線ICデバイス。
【請求項4】
複数の前記放射板が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の無線ICデバイス。
【請求項5】
前記給電回路基板の表面に複数の前記外部電極が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の無線ICデバイス。
【請求項6】
前記外部電極と前記放射板とは金属粒子を含む導電性接着剤により接合されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の無線ICデバイス。
【請求項7】
前記共振回路が前記インダクタンス素子とキャパシタンス素子とにより構成され、インダクタンス素子とキャパシタンス素子とが平面透視で異なる位置に設けられ、
前記インダクタンス素子と前記キャパシタンス素子とが異なる外部電極と電磁界結合し、
前記外部電極にそれぞれ異なる前記放射板が接続されていること、
を特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の無線ICデバイス。
【請求項8】
前記共振回路が前記無線ICチップと前記外部電極とが直流により接続されるように構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の無線ICデバイス。
【請求項9】
前記共振回路が前記給電回路基板に内蔵した素子と給電回路基板上に実装した素子とで構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の無線ICデバイス。
【請求項10】
前記共振回路が前記給電回路基板に設けた素子と前記放射板を設けた基板上に実装した素子とで構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の無線ICデバイス。
【請求項11】
前記給電回路基板は多層基板で構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の無線ICデバイス。
【請求項12】
前記無線ICチップ、前記給電回路基板及び前記放射板の少なくとも一つを覆う保護膜が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の無線ICデバイス。
【請求項13】
請求項1ないし請求項12のいずれかに記載の無線ICデバイスを備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項14】
請求項1ないし請求項12のいずれかに記載の無線ICデバイスを備え、
機器筐体に内蔵されたプリント配線基板に前記放射板が設けられ、該放射板上に前記給電回路基板に設けた外部電極が電気的に導通状態で接続されていること、
を特徴とする電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2009−27233(P2009−27233A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−185438(P2007−185438)
【出願日】平成19年7月17日(2007.7.17)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年7月17日(2007.7.17)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]