説明

自動車用照明器具

【課題】自動車用照明器具を提供する。
【解決手段】少なくとも1つの光源と、該光源の光が入射可能な、少なくとも2つの光導体面と、少なくとも1つの周縁面を有する少なくとも1プレーナ光導体と、該光導体面の一方によって形成された光出射面と、を備える。前記光出射面に対向する前記光導体面に第1の出射素子が設けられている。前記プレーナ光導体と直接に結合されているかまたは該プレーナ光導体の一部をなしている少なくとも1つの棒状光導体が設けられ、該棒状光導体は、基本的に自動車の走行方向または反走行方向に光を出射する出射面を有する。前記プレーナ光導体の光出射方向は、前記光導体面の少なくとも一方に対して基本的に垂直であり、前記棒状光導体には、前記光源の光が入射可能であり、該棒状光導体は、該棒状光導体の前記出射面に対向する面に配置された第2の光出射素子を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1光源と、前記光源の光が直接または間接に入射可能な、少なくとも2光導体面ならびに少なくとも1周縁面を有する少なくとも1プレーナ光導体と、前記光導体面の一方によって形成された光出射面とを含んでなり、前記光出射面に対向する前記光導体面に第1の出射素子が設けられている自動車用照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の照明装置は従来の技術から知られており、たとえば、特許文献1には、法定照明器具機能を果たさずに、拡散光を生成し、したがって、光線が様々な方向に放射される照度分布を生成するための複数の出射素子を有する光導体が記載されている。
【0003】
さらに、特許文献2から、プレーナ光導体を有した同様な装置が公知であり、この場合、プレーナ光導体はさらに別の照明装置の前に配置されている。この点で、欧州では、機能と結びついた光のみが前照灯から放射されることが認められており、つまり、照明技術的な機能を有していない純然たる意匠ランプは許されていない。さらに、白色光は非常に小さな最大値までしか後方に放射されてはならず、赤色光は非常に小さな最大値までしか前方に放射されてはならないことに注意しなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2004/0136203号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第10200359号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、上記従来の技術から出発して、本発明の目的は、特許文献1に記載されているような光カーテンの形の周囲照明と並行して、ライト機能も供する別途照明器具を創作することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を請求項1記載の特徴を有する照明器具、すなわち、少なくとも1光源たとえば1つ以上の白熱電球またはLEDと、前記光源の光が直接または間接に入射可能な、少なくとも2光導体面ならびに少なくとも1周縁面を有する少なくとも1プレーナ光導体と、前記光導体面の一方によって形成された光出射面とを含んでなり、前記光出射面に対向する前記光導体面に第1の出射素子が設けられている自動車用照明器具であって、前記自動車用照明器具は、前記プレーナ光導体と直接に結合されているかまたは前記プレーナ光導体の一部をなしている少なくとも1棒状光導体を含み、前記棒状光導体は、基本的に自動車の走行方向または反走行方向に光を出射する出射面を有し、前記プレーナ光導体は、前記プレーナ光導体の光出射面に対して基本的に垂直に光を出射しおよび/または前記対向光導体面に対して基本的に垂直に光を出射し、前記棒状光導体には、光源の光が、直接または間接に入射可能であると共に、前記棒状光導体は、前記棒状光導体の前記出射面に対向する面に配置された第2の出射素子を有するように構成した照明器具によって解決する。この場合、特に、前記プレーナ光導体は、もっぱら前記棒状光導体と共に、光を放射することができる。前記照明器具は、集成装置として、前照灯または尾灯の内部に装着されるかまたはカバー板に組み込まれることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の第1の実施態様を示す図である。
【図2】本発明の別途実施態様を示す図である。
【図3】図1の断面を示す図である。
【図4】本発明のさらに別の実施態様を示す図である。
【図5】小さな出射構造物を有するプレーナ光導体を示す図である。
【図6】さらに別のプレーナ光導体を示す図である。
【図7】プレーナ光導体の第3の実施態様を示す図である。
【図8】本発明のさらに別の実施態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
第1の実施態様によれば、前記第1の出射素子は、前記第1の出射素子の寸法に関して、前記プレーナ光導体により法定ライト機能が達成されないように入射光が散乱させられるべく設計され、前記第2の光出射素子は、法定ライト機能が達成されるように入射光が散乱させられて出射されるべく寸法設計されていてもよい。この場合、前記第2の出射素子は、前記第1の出射素子よりも大きく、換言すれば、前記第2の出射素子は、より大きな底面ないし最大長さおよび/または、光放射方向に、より大きな高さを有する。これにより、一方で、照明技術的機能たとえばライト機能と、また同時に、たとえば車両輪郭が照明されるようにする意匠手段とを供することが可能である。この場合、照明技術的要件は、前記棒状光導体によってほぼ満たされ、他方、光カーテンと称されることもできる前記プレーナ光導体は、照明技術的要件たとえば視認性を僅かな程度で支援し、同時に、基本的に白色光は後方に放射されてはならず、かつ、赤色光は前方に放射されてはならないとの既述した条件を遵守する意匠手段として機能する。この場合、前記プレーナ光導体は、車両輪郭を強調すべく、自由形状面として形成されていてもよいが、ただし、この場合、フラットな面も興味深いものである。前記棒状光導体も、同じく、湾曲して形成されていてもよい。
【0009】
たとえば、前照灯の胴部が発光面として形成されている位置表示灯を実現すべく、前記棒状光導体は前記プレーナ光導体の一面にのみ形成されていてもよい。
【0010】
前記光導体の前記光出射面に対向する一方の面に窪みまたは隆起構造物によって形成された大きさの異なる2種の出射素子を使用することにより、異なった光学的印象を達成することができる。したがって、比較的小さな出射素子または構造物を設けることにより、均一な発光面を生成することができ、さらに、棒状光導体を設けることにより、たとえば車幅灯のようなライト機能を供することが可能である。一種の光カーテンを形成する均一な発光面と共に、特別な光学的効果を創出することが可能である。たとえば、この種の照明装置は、さらに、たとえば、反射体と、反射体と光板との組み合わせ(この場合、光カーテンは別のライト機能の光板も形成することができる)またはさらに別の光導体と、当該光源とからなるさらに別の照明器具と組み合わせることができ、その際、たとえば、リング状に配置された車幅灯にさらに別のライト機能を設けることができ、他方、さらに別のライト機能の胴部は、均一な発光面または光カーテンたとえばいわゆるサイドマーカーとして形成されることが可能である。この場合、前記光カーテンは前記棒状光導体によって完全には包囲されていず、前記棒状光導体は、光カーテンないしプレーナ光導体が形成されていない領域を有する。前記光カーテンは周囲照明を生成するが、ただし、前記照明器具および最終的に自動車の全体的視認性に寄与することができる。
【0011】
したがって、特に、前記第1の光出射素子は、前記出射面の面方向に、5mm未満、特に1mm未満、特に0.5mm未満の最大長さを有するようになされてもよい。
【0012】
さらに、前記第2の光出射素子は、面方向に、0.5mm超、特に1mm超、特に5mm超の最大長さを有するようになされてもよい。こうした、より大きな光出射素子により、出射された光が、法定要件を満たすライト機能の達成に使用され、あるいは、認識可能な輪郭照明が形成されるようにすることができる。
【0013】
前記第1と第2の出射素子は、プレーナ光導体の窪みとして、あるいはまた、隆起として形成されていてもよく、その際、前記出射素子の形態は、円錐状であっても、円錐台状、ピラミッド状、半球状またはプリズム状ならびに屋根状ないし船体状であってもよい。
【0014】
形態に応じて、前記出射素子が、均一な照度分布または所定の照度分布を達成するのが有利である。所定の照度分布は、特に、円錐状または半球状の出射素子に代えて、光を所定どおり1方向に転向させることのできる非湾曲側面を有した出射素子が使用される場合に、達成可能である。非湾曲面を有した出射素子は、面に当たった光が、常に、同一方向に転向されるという利点を有するが、湾曲面の場合には、球または半球であれば、球上のどの点も光を別の方向に転向させ、円錐であれば、底を円錐頂点と結ぶ線に沿ってのみ同一転向が行われる点からして、そうではない。
【0015】
この場合、フラットな面が、光の拡散方向に整列されて、極力均一、適確かつ効率的な出射が保証されれば、有利である。各々の出射素子につき、入射する光の方向が基本的に既知であることにより、前記出射素子を適正にポジショニングすることができるため、プリズムは一定方向に出射することが可能である。これにより、側方に散乱させられる望ましくない出射光の割合が僅かに保たれるため、一定の方向への遥かに高い出射効率を達成することができる。この場合、原理的に、理想的には、前記プレーナ光導体の光拡散方向に一致して、点光源にあっては放射状整列を基本とすることができ、直線状光源にあっては直線状整列を基本とすることができる。その際、特に、非回転対称的な出射素子が、前記プレーナ光導体に陥入ないし同所から隆起して形成されるようにすることができる。
【0016】
前記出射素子がピラミッド形を有する場合には、底面に対して20°〜60°、特に、40°〜50°の傾斜角が設定されてもよい。ピラミッド形が設けられる限り、底面に対して同じく20°〜60°ならびに、特に、40°〜50°の傾斜角が設定されてもよく、屋根形の出射素子が設けられる場合には、20°〜60°、特に、40°〜50°の同様な傾斜角が設定されてもよい。その際、屋根形の出射素子にあっては、1:1〜1:10、特に、1:2〜1:4の縦横比が設定されてもよい。
【0017】
同じく、底面に対して20°〜60°ならびに、特に、40°〜50°の傾斜角を有した船体状の形態を設けることが可能である。
【0018】
前記第1と第2の出射素子の適正な選択ならびに形態により、特に均一な照明を達成することが可能である。
【0019】
この場合、前記第2の光出射素子は、特に、プリズムであってもよいが、ただしまた、その他のプレーナタイプの出射素子、たとえば、屋根形またはピラミッド形の出射素子であってもよく、その際、前記出射素子は、前記出射素子の面のうち少なくとも1面が、前記棒状光導体の長手方向に対して横向きに配置されている。さらなる別途1実施態様によれば、前記光出射素子は、前記光出射素子の面のうち少なくとも1面が、前記棒状光導体の長手方向と平行に延びていてもよい。この場合、実質的に、前記棒状光導体の全長に及んで延びる単一の光出射素子が設けられてもよく、また、長手方向に延びる複数のプリズムまたは、一般に、互いに離間して配置された出射素子が設けられるようにすることも可能である。
【0020】
前記第1の出射素子を形成するため、上述した出射素子の他に、表面粗さによって前記プレーナ光導体に設けられる出射素子を使用することも可能である。光は、この種の粗い表面で拡散されて、さまざまな方向に散乱させられることができる。
【0021】
前記棒状光導体は、前記プレーナ光導体の周縁の少なくとも一部に及んでいるようにするのが特に有利である。別法としてまたはさらに加えて、前記棒状光導体は、プレーナ光導体内に配置されていてもよい。この場合、前記プレーナ光導体は、前記棒状光導体の一部にのみ及んでいる。したがって、両者、すなわち、前記棒状光導体が前記プレーナ光導体の一部にのみ及んでいること、ならびにまた、前記プレーナ光導体が前記棒状光導体の一部にのみ及んでいることのいずれも可能である。前記棒状光導体ならびに前記プレーナ光導体はいずれも、真っ直ぐに、したがって、フラットに、ないし、湾曲して、形成されていてもよい。この場合、前記棒状光導体は、任意に湾曲させられてまたは真っ直ぐに形成されていてもよく、その際、湾曲は自動車の一定の輪郭または前照灯内のその他のライト機能素子の輪郭に適合させることが可能である。
【0022】
この場合、さらに、前記双方の光導体は、一体に結合されているかまたは材料一体接合によって互いに結合されているようにすることができ、これによって、所望の限りで、前記双方の光導体間の特に優れた光伝達を達成することが可能である。前記光導体は、共通の1光源を有することができ、光は、一方の導体から第2の導体へ導入されることができる。ただし、原理的に、前記光導体は異なった光源によって光が供給されるようにすることも思料可能であり、あるいは、光導体ごとに複数の光源が設けられていてもよい。
【0023】
最後に、さらに別の光学素子として、前記棒状光導体は、光放射方向において、前記プレーナ光導体よりも大きな長さを有するようになされていてもよい。換言すれば、前記棒状光導体は、前記プレーナ光導体よりも大きな厚さを有すると言うことができ、これによって、もう一つの別のタイプの光学素子をつくり出すことができ、加えてさらに、問題なく、より大きな光出射素子を前記棒状光導体内に配置することが可能である。
【0024】
この場合、光入射面は、前記プレーナ光導体の前記周縁面の1つ以上の区域である。
【0025】
前記棒状光導体が専用の光源と連携する限りでは、光は、前記棒状光導体の端面の一方で、入射されるようになされていてもよい。
【0026】
最後に、本発明によれば、特許文献2と同様に、前記プレーナ光導体の背後にさらに別の照明装置が、前記照明装置が光の作用を受けている限り、前記プレーナ光導体に光を通すようにして配置されているようにすることができる。
【0027】
光カーテンを形成するプレーナ光導体で、できるだけ高い出射効率を達成するには、出射素子の数ならびにジオメトリが所与であれば、光束が適正に選択されなければならない。この場合、システム全体の効率に影響を与える以下の一連のパラメータが存在する。
【0028】
−出射素子の、形状、サイズおよび数。
【0029】
−光導体の、厚さ、長さ、幅および形状。
【0030】
−光束および、光源の種類。
【0031】
この場合、通例、照明装置の設計に際し、一定数の上記パラメータは所与であり、残りは自由に選択することが可能である。この場合、所望の機能または周囲照明を果たすのに十分な、ただし、機能の上限を越えず、かつ、光源のコストを最小化すべく、過大でない光束が得られるように、自由パラメータを選択することが目標である。
【0032】
ここで、以下、上記パラメータ間の最適な相関関係を生成し、こうして、既知のパラメータから未知のパラメータを導出、決定し、それによって、光カーテンによる最適な機能が達成されるようにするための方途を述べることとする。この場合に基礎とされるプレーナ光導体はフラットであっても湾曲していてもよく、かつ、多数の出射素子を有し、ここで、プレート自体は僅かな吸収係数を有する。この場合、前記プレーナ光導体は、長さ、幅および厚さ−ここでは、Lx、LyおよびLz−を有する。ただし、前記プレーナ光導体は、必ずしも、角柱形ないし矩形断面を有しているには及ばない。前記出射素子は、円錐形または半球形であるのが好ましい。ただし、前記出射素子は、これらの形とは異なるかまたは、前記双方の形の中間形態を有してもよい。前記円錐は、また、一般に、正確な頂点を持たず、頂点が丸められている。前記出射素子が円錐形である場合には、前記出射素子は30°〜60°の半頭頂角を有するのが好ましい。
【0033】
例示計算のため、出射素子として円錐を有する、角柱形のプレーナ光導体から出発することとする。Lx方向には、Nx行の円錐が、Ly方向には、Ny列の円錐が配置されており、つまり、総計Nxy個の円錐が配置されている。出射面積はLxy=Asである。光は、1つ以上の光源から、総光束Φ0で到来し、主としてx方向に拡散する。
【0034】
前記出射素子が底面直径dを有していれば、以下の通りとなる。
【0035】
円錐の断面積:
【0036】
【数1】

式中、βは半頭頂角。
【0037】
半球の断面積:
【0038】
【数2】

一般に、A=d2・σ。式中、σ=形状係数(一般に0.1〜0.5)。
【0039】
かくて、実効断面積と同様に、x方向に沿った光線束に関する出射確率が生ずる。
【0040】
【数3】

今や、N本の光線の光線束が入射させられれば、平均で、
【0041】
【数4】

本の光線が転向を受けて、前記光導体から外に出る。その際、式中の数Nは、
【0042】
【数5】

に従って減少する。
【0043】
前記N本の光線が光束Φを有していれば、光束は、相応して、x方向において減少する:
【0044】
【数6】

式中、σ=形状係数。
【0045】
吸収係数αによる材料吸収を考慮すれば、出射されずに再び前記光導体の前記端面から外に出る光束Φにつき、以下が生ずる(=未利用光):
長さLxに関して:
【0046】
【数7】

式中、σ=形状係数 ⇒
【0047】
【数8】

これから、前方へ出射される光束については、以下の通りとなる:
【0048】
【数9】

式中、Vorneは前方を意味し、η=前方への出射率。
【0049】
(出射率は、出射ジオメトリに依存している:たとえば、β=45°の円錐については、η≒0.4である。半球については、η≒0.25である。)
比d2/Asには、かくて、以下が成立する:
【0050】
【数10】

今や、NxyをNGesamt(全体)、LzをDPlattendicke(フ゜レートノ厚サ)、そして、Lxを光導体を通過する路長lと称すれば、以下が得られる:
【0051】
【数11】

または
【0052】
【数12】

今や、照明機能を満たすべく、前方へ出射された光束は、許容最小領域と許容最大領域との間になければならない:
【0053】
【数13】

(Leuchtenfunktionは照明機能を意味する。)
これから、以下が生ずる:
【0054】
【数14】

車幅灯には、HVにて、少なくとも4cd〜最高60cdが必要とされる。ランバート分布と同様な照度分布の場合、これは、−90°〜90°水平・垂直窓にて、約12lm〜約180lmの光束を意味する。前記照度分布は、ほとんどの場合、軽度に平行化された光で光導体から外に出るために、もっと僅かな光束で、値の達成にすでに十分であり、したがって、−90°〜90°水平・垂直窓にて約8lm〜約120lmの極値につき、以下が生ずる:
【0055】
【数15】

または
【0056】
【数16】

したがって、半頭頂角β=45°の円錐につき(第1近似において、30°<β<60°の円錐についても)、以下が生ずる:
【0057】
【数17】

または
【数18】

【0058】
今や、以下の極端なケース、つまり
最大出射可能な光束、
入射面でのフレネル効果による損失のみ、
吸収なし(α=0)、
を仮定すれば、以下の通りとなる:
【0059】
【数19】

⇒ln(0.04)≒−3
【0060】
【数20】


【0061】
【数21】

したがって、出射素子として円錐を有する車幅灯については、比
【0062】
【数22】

が、
【0063】
【数23】


【0064】
【数24】

の間にあれば、理想的な出射効率が生ずる。
【0065】
η≒0.25の半球については、かくて、比
【0066】
【数25】

が、
【0067】
【数26】


【数27】

【0068】
の間にあれば、理想的な出射効率が生ずる。
【0069】
円錐は最も効率的な出射形態を表しているため、一般に、次のようにいうこともできる。つまり、
Φ照明機能ノ最小値が、>8lm、車幅灯R7
>8lm、尾灯R7
>8lm、サイドマーカー
>800lm、データイムランニングランプ
>350lm、BLL R6 Kat 1
>500lm、BLL R6 Kat 1a
>800lm、BLL R6 Kat 1b
>100lm、BLL R6 Kat 2a
>120lm、ブレーキランプR7
>700lm、リヤフォグランプR38
であれば、
【0070】
【数28】

の比は、
【0071】
【数29】


【0072】
【数30】

の間になければならず、
ないし、
【0073】
【数31】

の比は、
【0074】
【数32】


【0075】
【数33】

の間になければならない。
【0076】
こうして、上記のようにして、プレートまたはプレーナ光導体による光出射を最適化することができる。
【0077】
以下、図面を参照して、本発明を詳細に説明する。
【0078】
ここで、図1は、1周縁面12ならびに2光導体面14、16を有するプレーナ光導体10を含んでなる照明装置を示し、その際、光導体面14は光出射面として形成されており、対向する面16は出射素子を有する。ここで、周縁面12は、図中不図示の光源からの光入射に使用される。図中において、出射素子は、面16の隆起または窪みとしての小さな(光)出射素子として形成されており、符号18で表されている。
【0079】
照明器具は、プレーナ光導体10の他に、棒状光導体20を含み、前記棒状光導体はプレーナ光導体10と一体に結合されて、プレーナ光導体10の全周縁に及んで延びている。同じく、光出射面と、前記光出射面に対向する、第2の出射素子を担持している面とを有する棒状光導体20には、円錐状の(光)出射素子22が設けられており、この場合、プレーナ光導体10の光放出方向と棒状光導体20の光放出方向とは同一または基本的に同じである。
【0080】
この場合、光出射素子22は、その寸法に関して、つまり、その底面ならびに高さに関して、前記光出射素子が、照度分布の生成に資するように、特に、車幅灯、輪郭標識灯またはアクティブサイドマーカーを生成し得るように寸法設計されている。
【0081】
プレーナ光導体10の出射素子18は、著しく小さく形成されており、光を転向させて、周囲照明の趣旨の極力均一な照度分布が生成されるようにする。ただし、これによっては、法的に定められた機能の趣旨の照明技術的機能は達成されず、生成された光度は、むしろ、法的に許容される規定を下回ったままである。
【0082】
ところで、図2は、プレーナ光導体10の周縁に沿って延びている棒状光導体20に加えて、プレーナ光導体10を横断して延びる、さらに別の2つの棒状光導体24、26が設けられた別途実施態様を示しており、この場合、同じく符号22で示されている光出射素子は、形状および寸法の点で、プレーナ光導体10の光出射素子と同じである。このようにして、さらに別の光学的効果を達成することが可能である。
【0083】
最後に、図3は、プレーナ光導体10の光出射面14と、出射素子の配置された対向面16とを有する、図1に示した光導体の断面を示している。棒状光導体20の領域には、この場合、図中不図示の出射素子22が、同じく、面28上に配置されており、光は、出射素子22を担持している面28に対向する光出射面30を通過して光導体20を離れる。したがって、プレーナ光導体10の光放射方向と棒状光導体20の光放射方向とは基本的に同じである。
【0084】
この場合、同じく、棒状光導体の幅B1ないしB2は、前記棒状光導体の長手方向に沿って異なって形成されていてもよい。
【0085】
次いで、図4は、さらに別途の実施態様を示しているが、ただし、同じ要素は同じ符号で表されている。この場合、プレーナ光導体10は、図1に示したものと同様に形成されている。プレーナ光導体10に沿って、前記光導体の周縁には、棒状光導体20が延びているが、ただし、この場合、プリズムは、図1および図2に示した実施態様におけるように、個々の円錐状の出射素子として配置されているのではなく、プリズムないし屋根形素子として形成されており、しかも、これらのプリズムは、側面40と42にあっては棒状光導体20の長手方向に対して横向きに配置され、他方、側面44と46にあっては長手方向に延びており、そのため、側面44と46には、棒状光導体20の全長にわたって延びる単一の長いプリズムが配置されている。これにより、特に、すべてのプリズム面が互いに平行に延びているために、特別な光学的および照明技術的効果が実現可能である。
【0086】
図5は、今や、達成さるべき照度分布と均一性とを制御する可能性が詳細に説明される1実施態様を示している。図5は、先ず、図1にも表されているように、プレーナ光導体10の小さな円錐状の出射プリズムを有した実施態様を示している。さらに、この場合、プレーナ光導体10に光を入射させる2つの光源50、51が表されている。棒状光導体20は、わかりやすさを優先させて、図5〜図7には示されていない。点光源50、51の場合には、光は、図示した光線によって示唆されているように、基本的にラジアル方向に分散する。長細いまたは直線状の光源を表す、図7に示したような光源53の場合には、光源の端縁領域を除いて、基本的に直線的な光の拡散が生ずる。光源の端縁領域では、拡散は再び放射状(ラジアル)になる。図6に示されているように、照度分布のために転向面が整列されるように出射素子を適合させることにより、今や、図5に示したような小さな出射構造物(出射素子)18に比較して、特に均一な照度分布を生成させることができる。この場合、フラットな面を有する出射素子は、湾曲した転向面を有する出射素子よりも優れた転向調節性を供する。
【0087】
出射素子の選択ならびに整列により、たとえば、図6のように、点光源50、51からの放射状の光配向に応じて整列される、ないし、図7の光源53によるように直線方向と放射方向との光配向に応じて整列される屋根形の出射素子の使用により、著しく高い出射効率で、一定の方向への特に均一な光拡散を達成することが可能であるが、それは、この場合、側方散乱光の割合が、図5に示したような、たとえば、半球状または円錐状の回転対称的な出射素子の場合よりも、遥かに僅かだからである。
【0088】
最後に、図8は、湾曲したプレーナ光導体10を有した1実施態様の断面を示しており、この場合、出射面14に対して垂直な方向に光を出射する出射素子18が、出射面14に対向して配置されている。ここで、プレーナ光導体10には、前記光導体の周縁の一部に沿って、棒状光導体20が、材料一体接合によって結合されており、その際、棒状光導体20は、基本的に自動車の前方方向に光を出射し、そのために、棒状光導体は、棒状光導体の出射面30に対向する面28に配置された第2の光出射素子を有する。
【0089】
以上に説明した方途により、興味を引く意匠目的と並行して、所望の態様によるライト機能の提供を可能にすると共に、自動車の視認性を向上させる照明器具を供することができる。
【符号の説明】
【0090】
10 光導体
12 周縁面
14、16 光導体面
18、22 光出射素子
20 棒状光導体
30 出射面
50、51、53 光源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの光源(50、51、53)と、
前記光源(50、51、53)の光が直接的または間接的に入射可能な、少なくとも2つの光導体面(14、16)と少なくとも1つの周縁面(12)とを有する少なくとも1つのプレーナ光導体(10)と、
前記光導体面の一方によって形成された光出射面(14)と、
を備え、
前記光出射面(14)に対向する前記光導体面(16)に第1の光出射素子(18)が設けられている自動車用照明器具であって、
前記プレーナ光導体(10)と直接に結合されているかまたは前記プレーナ光導体(10)の一部をなしている少なくとも1つの棒状光導体(20)が設けられ、
前記棒状光導体(20)は、基本的に自動車の走行方向または反走行方向に光を出射する出射面(30)を有し、
前記プレーナ光導体(10)の光出射方向は、前記光導体面の少なくとも一方に対して基本的に垂直であり、
前記棒状光導体(20)には、前記光源(50、51、53)の光が、直接的または間接的に入射可能であり、
前記棒状光導体(20)は、前記棒状光導体(20)の前記出射面(30)に対向する面(28)に配置された第2の光出射素子(22)を有する、
照明器具。
【請求項2】
前記第1の光出射素子(18)は、該第1の光出射素子の寸法に関して、前記プレーナ光導体(10)により法定ライト機能が達成されないように入射光が散乱させられるべく設計されており、
前記第2の光出射素子(22)は、法定ライト機能が達成されるように入射光が散乱させられて出射されるべく寸法設計されている、
請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記第1の光出射素子(18)は、面方向に、5mm未満、1mm未満、0.5mm未満のいずれかの最大長さを有する、
請求項1または2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記第2の光出射素子(22)は、面方向に、0.5mm超、1mm超、5mm超のいずれかの最大長さを有する、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項5】
前記第2の光出射素子(22)は、前記第2の光出射素子の転向面が前記棒状光導体(20)の長手方向に対して横向きに配置されたプリズムである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項6】
前記第2の光出射素子(22)は、該第2の光出射素子の転向面が前記棒状光導体(20)の長手方向と平行に配置されたプリズムである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項7】
前記第1の光出射素子(18)は、プリズム、円錐、半球、窪みおよび/または表面粗さおよび/または散乱手段、特に光沢材によって、前記光導体(10)に形成されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項8】
前記棒状光導体(20)は、前記プレーナ光導体(10)の周縁の少なくとも一部に及んでいる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項9】
前記プレーナ光導体(10)は、前記棒状光導体(20)の一部にのみ及んでいる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項10】
前記棒状光導体(20)は、前記プレーナ光導体(10)内に配置されている、請求項1〜9のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項11】
前記光導体(10、20)の双方は、一体に結合されているかまたは材料一体接合によって互いに結合されている、請求項1〜10のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項12】
前記棒状光導体(20)は、光放射方向において、前記プレーナ光導体よりも大きな厚さを有する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項13】
光放射方向とは反対に、前記プレーナ光導体(10)の背後に、さらに別の照明装置が配置されている、請求項1〜12のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項14】
入射面は、前記プレーナ光導体(10)の前記周縁面(12)の1つ以上の区域である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項15】
少なくとも1つの棒状光導体の光入射面は、前記棒状光導体の端面の少なくとも一方によって形成されている、請求項1〜14のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項16】
前記光導体(10、20)は、共通の1つの光源(50、51、53)を有する、請求項1〜15のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項17】
前記光出射素子(18、22)のパラメータの変化によって、均一性が影響を受ける、請求項1〜16のいずれか一項に記載の照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−80443(P2010−80443A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−205724(P2009−205724)
【出願日】平成21年9月7日(2009.9.7)
【出願人】(508256558)オートモーティブ ライティング ロイトリンゲン ゲーエムベーハー (19)
【Fターム(参考)】