説明

記録再生装置及び記録再生方法

【課題】複数の番組で放送されたような出現頻度の高い映像を効率的に抽出し再生することが可能な記録再生装置及び記録再生方法を提供する。
【解決手段】記録再生装置は、番組の画像フレームの画像特徴量を取得する画像特徴量取得部と、前記画像特徴量が一致または近似する近似画像フレームを前記画像フレームから検出する近似画像フレーム検出部と、記録された番組に対して前記近似画像フレームが連続する連続区間が重複する重複区間を検出する重複区間検出部と、前記重複区間毎に前記重複区間の重複数を算出する重複数算出部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、放送番組の記録及び再生が可能である記録再生装置及び記録再生方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地上デジタル放送、BS/CSデジタル放送が本格的に運用され、多くの番組が高画質、高音質で視聴できる環境が整ってきた。デジタル放送は、電子番組表(EPG(Electronic Program Guide))の仕組みが備えられており、約1週間先までの番組表が表示でき、放送時間や出演者など、番組内容の表示や知りたい情報の検索、番組の視聴予約や録画予約を行うことができる。
【0003】
チャンネル数の増加に伴い、利用者が視聴したい番組の放送時間が増大し、また放送時間が重複したりすることが起きるため、番組を録画して利用者の都合に合わせた時間に視聴する機会が増えてきた。複数のチューナと比較的大きな記憶容量を有する記録装置を用いて、複数のチャネルの番組を同時に録画できるデジタル放送受信機が登場している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−60606号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
多数のチューナを搭載し比較的大きな録画容量を持つ記録装置を内蔵したり、または外部接続した放送番組の記録再生装置においては、複数の番組について同時に録画を行うことができ、録画した多数の番組の中から所望の番組を選択して再生することが可能となった。このような録画された番組の再生においては、視聴者が視聴する際に番組を容易に、効率的に選択できることが求められている。
【0006】
従来、ニュース番組やワイドショー等の番組で取り上げられた報道等の頻度情報(ランキング情報)は、放送局が作成した番組の情報やインターネット上の情報等に限られていた。従って利用者がその時点で注目すべき報道を知りたいときには、パソコン等によってインターネット上のランキング情報を調査し、録画再生装置に記録された多数の番組を検索するという手間が必要であった。
【0007】
本発明の目的は、上記したような事情に鑑み成されたものであって、複数の番組で放送されたような出現頻度の高い映像を効率的に抽出し再生することが可能な記録再生装置及び記録再生方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、実施形態によれば、記録再生装置は、番組の画像フレームの画像特徴量を取得する画像特徴量取得部と、前記画像特徴量が一致または近似する近似画像フレームを前記画像フレームから検出する近似画像フレーム検出部と、記録された番組に対して前記近似画像フレームが連続する連続区間が重複する重複区間を検出する重複区間検出部と、前記重複区間毎に前記重複区間の重複数を算出する重複数算出部とを有する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施形態における記録再生装置の概観斜視図。
【図2】実施形態に係わる記録再生装置の構成を示したブロック図。
【図3】実施形態における近似画像取得部の機能ブロック図。
【図4】実施形態におけるリモコンの概観図。
【図5】近似画像フレームの連続区間を説明するための図。
【図6】重複区間と重複数を説明するための図。
【図7】重複区間と重複数を説明するための別の図。
【図8】重複区間と重複数を説明するための更に別の図。
【図9】近似画像フレーム検出処理の動作手順の例を示したフローチャート。
【図10】ランク付け処理の動作手順の例を示したフローチャート。
【図11】画面にランク付けされた映像のサムネイルが表示された状態を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、実施形態に係る記録再生装置1の概観斜視図である。記録再生装置1は、デジタル放送を受信し、受信した放送番組の記録及び再生が可能であって、画面に放送番組の映像を表示するデジタルテレビ等の記録再生装置である。あるいは、デジタル放送を受信し、受信した放送番組の記録及び再生が可能なDVD(Digital Versatile Disc)レコーダやBlu-ray(登録商標)レコーダ等であってもよい。
【0011】
記録再生装置1は、筐体2と、筐体2を支持するスタンド3を備えている。筐体2は前面側に液晶パネルやPDP(Plasma Display Panel)パネル等の表示パネル4が配置され、表示パネル4の背面側に表示パネル4を支持する図示しないフレームが配置されている。フレームには表示パネル4を駆動するための図示しない回路基板や電源回路が設置されている。
【0012】
筐体2は、筐体2の前面側と上面、底面、両側側面の一部を覆う前面カバー5と、筐体2の背面側と上面、底面、両側側面の一部を覆う背面カバー6とによって外面が囲まれている。画面7は、表示パネル4の前面カバー6の窓部5aの内側の表示部分である。
【0013】
リモコン8は赤外線あるいはBluetooth(登録商標)等による無線通信を利用して、記録再生装置1の操作受信部へ操作信号を送る操作機器である。
【0014】
図2は、実施形態に係る記録再生装置1の構成を示したブロック図である。アンテナ10は、放送局11から送信された放送電波を受信するための地上デジタル放送あるいは衛星デジタル放送用のアンテナである。チューナ12は、地上デジタル放送、衛星デジタル放送あるいはケーブルテレビ放送の放送信号の中から所望のチャンネルの放送信号を選局する。チューナ12は、複数のチューナユニットから構成されており、同時に複数の放送を受信することができる。アンテナ端子12aはアンテナ10が接続される端子である。
【0015】
復調器13は、各々のデジタル放送の変調方式に対応して復調する。地上デジタル放送の信号は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)復調で、衛星デジタル放送の信号は、PSK(Phase Shift Keying)復調で、MPEG(Moving Picture Experts Group)−TS(Transport Stream)に復調され、デコード処理部14に出力される。また、復調器13は、送受信部34を介してインターネット等のネットワーク35から受信したIP放送を復調する。
【0016】
デコード処理部14は、MPEGデコーダ、映像音声デコーダ等の機能を有する。デコード処理部14は、復調器13から送信されたMPEG−TSデータをセクション化して、番組情報のデータをデコードする。映像PES(Packetized Elementary Stream)に対しては映像ES(Elementary Stream)化、音声PESに対しては音声ES化を行って映像データ及び音声データをデコードする。
【0017】
また、デコード処理部14は、記録装置15から入力された映像データ及び音声データをデコードする。更に、デコード処理部14は、外部記録装置33から入力された映像データ及び音声データをデコードする機能を有する。
【0018】
記録装置15は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)あるいはODD(Optical Disc Drive)等を含む記録手段である。記録装置15には情報を記録再生するためのエンコーダとデコーダが搭載されており、該エンコーダとデコーダを介してMPEG−TSデータが記録装置15の記録再生形態に適したフォーマットに変調されHDD、SSDあるいはODDに記録され、また再生される。再生データは、デコード処理部14でデコードされる。
【0019】
重畳処理部16は、デコード処理部14からの映像データと、バス21を介して転送されるデータ放送やGUI(Graphical User Interface)制御部35によるウィンドウ描画をプレーン管理して、映像データとの重ね合わせを行い、映像処理部17に送る。
【0020】
映像処理部17は、表示装置18で表示可能なフォーマット(画素数、フレーム周波数、走査方式)に変換したり、表示色を任意に調整したりして、表示装置18に出力して映像を画面7に表示させる。
【0021】
音声処理部19は、デコード処理部14から伝送されたデジタルの音声データを、スピーカ20あるいはイヤーホーンで再生可能なアナログ音声信号に変換した後、スピーカ20あるいはイヤーホーンに出力して音声を再生させる。なお、表示装置18やスピーカ20は記録再生装置1の外部にあってもよい。また、記録再生装置1と別の筐体に納められていてもよい。
【0022】
記録再生装置1は、上記した受信動作を含むその全ての動作を制御部22によって統括的に制御されている。制御部22はMPU(Micro Processing Unit)23が搭載されており、バス21を介して接続された各構成要素を制御する。
【0023】
RAM(Random Access Memory)24は、制御部22のデータ処理に必要な各種データを格納するリードライト用のメモリであり、映像データ、画像フレームの情報等を格納するバッファメモリとして動作する。ROM(Read Only Memory)25は読出し専用のメモリであり、MPU23が実行する制御のプログラムなどを格納している。
【0024】
フラッシュメモリ26は、書き換え可能であり、電源を切ってもデータが消えない不揮発性のメモリである。フラッシュメモリ26は、録画予約情報、録画番組情報等を記憶する機能を有する。またフラッシュメモリ26は、近似画像記憶部38の機能を有する。
【0025】
操作受信部27は、操作機器28から送信される操作信号を受信し、制御部22に転送する。操作機器28は、例えば、赤外線あるいはBluetooth(登録商標)等による無線通信を利用したリモコン(リモートコントローラ、remote controller)8、有線式あるいは無線式キーボード等であり、操作信号を送出する。操作受信部27は、これらリモコン8やキーボード等から操作信号を受信する。
【0026】
外部インターフェース29は、USB(Universal Serial Bus)、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronic Engineers 1394)、eSATA(external Serial ATA(AT Attachment))、SD(Secure Digital)(登録商標)メモリカード、メモリースティック(登録商標)、あるいはHDMI(High Definition Multimedia Interface)(登録商標)等のインターフェースであり、USBメモリやUSB外部機器、SDメモリカード、メモリースティック、HDD、SSD、CD、DVD、Blu-ray(登録商標)記録再生機等のドライブ類を含む外部記憶装置30が接続される。外部記憶装置端子29aは外部記憶装置30が接続される端子である。
【0027】
記録再生装置1は、外部インターフェース29を介して外部記憶装置30に放送番組を記録することができる。記録装置15または外部記憶装置30のどちらに記録するかを利用者が選択できる。また、記録再生装置1は、外部記憶装置30に記録された映像または音声情報を再生することができる。
【0028】
記録再生装置1は、送受信部31を介してインターネット等のネットワーク32に接続されている。これにより、記録再生装置1は、ネットワーク32上にあるサーバ33等の機器と送受信部31を介して情報伝送を行なうことができる。ネットワーク端子31aはネットワーク32が接続される端子である。
【0029】
図2において、制御部22は、記録管理部34、GUI制御部35、近似画像取得部36、ランク付け部37の機能を有する。これらの機能は、制御部22のMPU23が実行するアプリケーションであり、通常はROM25に格納されており、使用時にはMPU23によって読み出され実行される。
【0030】
記録管理部34は、利用者の要求に基づいて設定された放送番組の予約情報を管理する。また、記録管理部34は、予約された番組の記録処理、また視聴中の番組の記録処理を行う。さらに、記録管理部34は、記録装置15に記録された番組を管理する。記録された番組の番組情報(放送局名、放送日時、番組名、放送概要、出演者、番組詳細、番組分類等)、記録時間、録画番組が再生済みか未再生かの区別等を、フラッシュメモリ26、または記録装置15に記録し、録画番組の情報を管理する。記録管理部34は、録画番組リストの生成、録画番組の再生や削除、編集等の処理を実行する。
【0031】
GUI制御部35は、GUI(Graphical User Interface)データを生成し、この生成されたGUIデータはバス21を介して重畳処理部16へ送信される。重畳処理部16に送付されたGUIデータは、例えば放送番組の映像データに重畳処理されたり、あるいはGUI単独画面として処理され、映像処理部17へ伝送される。
【0032】
近似画像取得部36は、ランク付け処理において、画像特徴量、近似画像フレーム、近似画像フレームの連続区間、近似画像フレームの重複区間、重複区間の重複数を検出、取得、あるいは算出し、メモリに記憶させる機能を有する。ランク付け処理とは、同じ番組分類の番組について複数の番組で放送されたような出現頻度の高い映像を検出して出現頻度の高い順にランク付けする処理である。
【0033】
近似画像取得部36は、記録装置15に番組を記録するときに復号化した一定間隔の画像フレームの画像特徴量を抽出、取得し、取得した画像特徴量が一致または近似する画像フレームを、既に記録された過去の一定時間内の同じ番組分類の番組の画像特徴量から検索して、画像特徴量が一致または近似する画像フレームの位置情報と画像特徴量をメモリに記憶させる。この動作手順を録画番組終了まで繰り返す。
【0034】
近似画像取得部36は、上記で蓄積された指定された番組分類の近似画像フレーム位置情報と画像特徴量とから、所定時間以上近似画像フレームが連続して存在する画像フレームの連続区間を検出する。近似画像フレームの連続区間が複数の番組について存在する場合は、重複する位置を検出し、重複区間の位置と重複数を算出し、この処理を過去の一定時間内の指定された番組分類の番組について繰り返す。このようにすることによって、近似画像取得部36は、記録装置15に記録された指定された番組分類の複数の番組について、近似画像フレームが連続する重複区間と重複数を取得する。
【0035】
ランク付け部37は、ランク付け処理において、重複区間と重複数に基づいて出現頻度の高い順にランク付けする。ランク付け部37は、近似画像取得部36が取得した近似画像フレームが連続する重複区間と重複数に基づいて、近似画像フレームの連続区間について重複数の多い順にランク付けする。重複数が同じ場合は、重複区間の長い方を上位ランクとする。
【0036】
制御部22は、ランク付け部37によってランク付けされた順位を画面7に表示する機能を有する。また、ランク付け部37によってランク付けされた重複区間または近似画像フレームの連続区間のサムネイル映像をランク順に並べた画面を生成し、GUI制御部35を介して重畳処理部16へ送信する。利用者がリモコン8のランク表示用のボタンを押下すると、画面7にサムネイル映像が表示される。これによって、利用者は、複数の番組で放送された出現頻度の高い映像を効率的に再生、視聴することができる。
【0037】
図3は、実施形態に係わるリモコン8の概観図である。リモコン8は赤外線あるいはBluetooth(登録商標)等による無線通信を利用して、記録再生装置1の操作受信部27へ操作信号を送る。電源ボタン50は、記録再生装置1の電源をオンまたはオフする。詳細には記録再生装置1を待機状態から動作状態、または動作状態から待機状態にするボタンである。
【0038】
選局ボタン51は、放送のチャンネル番号を直接選択する1から12までの番号が振られたボタンである。チャネル送りボタン52は、チャネル番号を順送りまたは逆送りで選局するボタンであり、選局ボタン50と同様にチャネルを選局するときに用いられる。音量調整ボタン53は、番組を視聴するときのスピーカの音量を調整するボタンである。
【0039】
カーソルボタン54は表示装置18の画面7に表示されたGUI画面の各種の情報ウィンドウ内のカーソルの移動や各種項目の選択ボタンの移動を行うためのボタンである。カーソルボタン54は十字ボタン、方向指示ボタンとも呼ばれる。左方向カーソルボタン54aはカーソルを左方向に移動させるときに用いるボタンである。右方向カーソルボタン54b、上方向カーソルボタン54c、下方向カーソルボタン54dはそれぞれカーソルを右方向、上方向、下方向に移動させるときに用いる。決定ボタン55は、カーソルボタン54a〜54dで移動した先の位置または画面上のボタンを実行するときに用いられる。
【0040】
番組表ボタン56は、番組表を画面7に表示するときに操作する専用の操作ボタンである。メニューボタン57は、記録再生装置1に用意された各種の設定メニューを表示するときに押下するボタンである。利用者は、階層表示された複数の項目の中から目的の設定項目をカーソルボタン54を用いて選択する。戻るボタン58は一つ前の操作段階の画面へ戻るときに使うボタンである。終了ボタン59は、一連の操作を終了するときに操作するボタンである。
【0041】
4色の色ボタン60は、左から青ボタン60a、赤ボタン60b、緑ボタン60c、黄ボタン60dの順に配置されている。画面7上に色により区別された項目や色による選択の表示があるときに使用する。記録装置操作ボタン61は、記録再生装置1の記録装置15に記録された番組を再生する際に、再生、停止、一時停止、早送り再生、早戻し再生、次番組スキップ、先頭戻り・前番組スキップするためのボタンである。録画番組ボタン62は、画面7に録画番組の番組表を表示させるときに操作するボタンである。ランク表示ボタン63は、ニュースやワイドショーの出現頻度の高い映像シーンの自動ランキングの画像を表示させるときに操作するボタンである。
【0042】
図4は、近似画像取得部36の機能ブロック図である。近似画像取得部36は、画像特徴量取得部40、近似画像フレーム検出部41、連続区間検出部42、重複区間検出部43、重複数算出部44により構成される。
【0043】
画像特徴量取得部40は、記録装置15に番組を記録するときに、デコード処理部14によって復号化された一定間隔の画像フレームの画像特徴量を抽出、取得する。画像特徴量を抽出、取得する方法としては、例えば、画像カラーヒストグラム、SIFT(Scale Invariant Feature Transform)特徴量、HOG(Histograms of Oriented Gradients)特徴量等といった周知の方法を適宜用いればよい。画像特徴量取得部40によって取得された画像特徴量はRAM24に一旦格納され、その後フラッシュメモリ26の近似画像記憶部38の画像特徴量記憶部45に記憶される。
【0044】
近似画像フレーム検出部41は、取得した画像特徴量が一致または近似する画像フレームを、既に記録された過去の一定時間内の同じ番組分類の番組の画像特徴量から検出、取得する。近似画像フレーム検出部41は、この動作手順を録画番組終了まで繰り返す。画像特徴量が一致または近似する画像フレームの位置情報は、RAM24に一旦格納され、その後フラッシュメモリ26の近似画像記憶部38の近似画像フレーム位置記憶部46に記憶される。
【0045】
番組分類とは、番組の内容と対象などの性質によって分けられた分類であって、例えば、地上デジタル放送においては、「ニュース/報道」、「スポーツ」、「情報/ワイドショー」、「ドラマ」、「音楽」、「バラエティ」、「映画」、「アニメ/特撮」、「ドキュメンタリー/教養」、「劇場/公演」、「趣味/教育」、「福祉」、「その他」に分類されており、これらの分類情報は番組情報の中に含まれている。利用者は出現頻度の高い映像を視聴したい場合に、上記の番組分類の中から指定することができる。
【0046】
連続区間検出部42は、上記で蓄積された番組の画像特徴量と近似画像フレーム位置情報とから所定時間以上近似画像が連続して存在する近似画像フレームの連続区間を検出する。所定の時間とは、例えば、5秒程度あるいは10秒程度の時間である。5秒の場合には、近似画像が連続して5秒以上存在する画像フレームの連続区間である。一つの番組の中にこのような連続区間が複数存在する場合がある。また、指定された番組分類の他の番組にも連続区間が複数存在する場合がある。連続区間検出部42は、利用者によって指定された番組分類の番組毎に連続区間情報を検出、取得する。取得された連続区間情報は、RAM24に一旦格納され、その後フラッシュメモリ26の近似画像記憶部38の連続区間記憶部47に記憶される。
【0047】
重複区間検出部43は、指定された番組分類の番組について、画像特徴量と連続区間情報から、画像特徴量が一致または近似する画像フレームの連続区間が複数の番組について存在する場合は、重複する重複区間の位置を検出する。例えば、番組分類が「ニュース/報道」である場合に、複数のニュース番組で同じ話題のニュースが放送され、其々のニュースで同じような映像ソースが用いられることが多い。重複区間検出部43は、このような画像フレームの連続区間が重複している重複区間の位置を検出、取得する。取得された重複区間は、RAM24に一旦格納され、その後フラッシュメモリ26の近似画像記憶部38の重複位置記憶部48に記憶される。
【0048】
重複数算出部44は、連続区間情報と重複区間情報とから重複区間の重複数を算出する。例えば、5個のニュース番組において、ある話題のニュースが5個のニュースで放送され、近似する画像フレームの連続区間が5個のニュースに亘って重複していれば、重複区間の重複数は5である。他の話題のニュースが4個のニュースで放送され、近似する画像フレームの連続区間が4個のニュースに亘って重複していれば、重複区間の重複数は4である。しかしながら、他の話題のニュースが4個のニュースで放送されたとしても、近似する画像フレームの連続区間が3個のニュースでしか重複していなければ、重複区間の重複数は3である。取得された重複数は、RAM24に一旦格納され、その後フラッシュメモリ26の近似画像記憶部38の重複数記憶部49に記憶される。
【0049】
図5は、近似画像フレームの連続区間を説明するための図である。記録装置15に同じ番組分類の番組1から番組4が記録されている例を示している。P1−N1は、番組1(P1)内にある話題N1に関する近似画像フレームの連続区間の一つである。P1−N2は、番組1(P1)内のP1−N1とは別の話題N2に関する近似画像フレームの連続区間の一つである。例えば、P1−N1はニュース番組P1の中のニュースの話題N1に関する連続区間であり、P1−N2はニュースの話題N2に関する連続区間である。
【0050】
P2−N1は、番組2(P2)内にある話題N1(P1−N1の話題N1と同じ話題N1)に関する近似画像フレームの連続区間の一つであり、P2−N2は、番組2(P2)内の話題N2(P1−N2の話題N2と同じ話題N2)に関する近似画像フレームの連続区間の一つである。例えば、P2−N1はニュース番組2の中の話題N1(ニュース番組1の中の話題N1と同じ話題)に関する連続区間であり、P2−N2は話題N2(ニュース番組1の中の話題N2と同じ話題)に関する連続区間である。
【0051】
同様に、P3−N1は、番組3(P3)内にある話題N1に関する近似画像フレームの連続区間の一つであり、P3−N2は、番組3(P3)内の話題N2に関する近似画像フレームの連続区間の一つである。例えば、P3−N1はニュース番組3の中の話題N1に関する連続区間であり、P3−N2は話題N2に関する連続区間である。
【0052】
P4−N1は、番組4(P4)内にある話題N1に関する近似画像フレームの連続区間の一つであり、例えば、P4−N1はニュース番組4の中の話題N1に関する連続区間である。
【0053】
図6は、重複区間と重複数を説明するための図である。図5で示した連続区間P1−N1、P2−N1、P3−N1、P4−N1は同じ話題や場面(ニュース番組1の中の話題N1と同じ話題)に関する連続区間であり、この連続区間の内部に画像特徴量が一致または近似する重複区間R1を含む。この例では重複数は4である。また、連続区間P1−N2、P2−N2、P3−N2は同じ話題や場面(ニュース番組1の中の話題N2と同じ話題)に関する連続区間であり、この連続区間の内部に画像特徴量が一致または近似する重複区間R2を含む。この例では重複数は3である。
【0054】
図7は、重複区間と重複数を説明するための別の図である。連続区間P1−N1、P2−N1、P3−N1、P4−N1の中の重複区間R1の位置を一致させた場合の、連続区間P1−N1、P2−N1、P3−N1、P4−N1の位置関係を示す。
【0055】
図8は、重複区間と重複数を説明するための更に別の図である。連続区間P1−N2、P2−N2、P3−N2の中の重複区間R2の位置を一致させた場合の、連続区間P1−N2、P2−N2、P3−N2の位置関係を示す。
【0056】
図9は、近似画像フレーム検出処理の動作手順の例を示したフローチャートである。近似画像フレーム検出処理は、放送番組が記録装置15に記録される時に開始される。また、記録装置15に番組が記録された後もしくはリモコン8のランク表示ボタン63が押下された後で実行されるようにしてもよい。
【0057】
S11において、復調器13によって放送ストリームからでMPEG映像ストリームを分離し、S12において、デコード処理部14によって一定間隔の画像フレームを復号化する。
【0058】
S13において、画像特徴量取得部40は復号化した画像フレームの画像特徴量を抽出し、取得する。S14において、近似画像フレーム検出部41は、過去の一定時間内の同じ番組分類の番組の画像特徴量が一致または近似する画像フレームを検索して、近似画像フレーム位置情報を検出、取得する。
【0059】
S15において、画像特徴量取得部40、近似画像フレーム検出部41は、画像特徴量と近似画像フレーム位置情報とをフラッシュメモリ26に記憶させる。S16において、近似画像フレーム検出部41は、録画番組が終了したかを判定し、録画番組が終了したならば処理を終了し、終了していないならば、S11に戻って録画番組が終了するまで繰り返す。
【0060】
図10は、ランク付け処理の動作手順の例を示したフローチャートである。ランク付け処理は、リモコン8のランク表示ボタン63が押下された後で実行される。または、メニューボタン57の押下によって表示される設定メニューの中からランク付け処理が選択されてから実行されるようにしてもよい。
【0061】
S21において、連続区間検出部42は、利用者によって指定された番組分類の番組毎に、画像フレームの画像特徴量と近似画像フレーム位置情報とから所定時間以上近似画像が連続して存在する画像フレームの連続区間を検出する。
【0062】
S22において、重複区間検出部43は、指定された番組分類の番組について、画像特徴量と連続区間情報から、画像特徴量が一致または近似する画像フレームの連続区間が複数の番組に亘って存在する場合は、重複する重複区間の位置を検出する。S23において、重複数算出部44は、連続区間情報と重複区間情報とから重複区間の重複数を算出する。
【0063】
S24において、連続区間検出部42は、過去の一定時間内の指定された番組分類の番組が残っているかを判定し、残っていたならば、S21に戻って動作手順を繰返し、残っていないならば、S25へ移る。
【0064】
S25において、ランク付け部37は、重複区間と重複数に基づいて、重複数の多い順にランク付けする。重複数が同じ場合は、重複区間の長い方を上位ランクとする。
【0065】
尚、利用者はランク付け処理する番組分類を指定することができる。製品出荷時の設定においては全ての番組分類になっている。また、製品出荷時の設定においてはコマーシャル(広告放送)を除くように設定されているが、これを含めるようにすることができる。コマーシャルは複数の放送局で殆ど同じ映像が使用され、しかも放送頻度が大きいため、コマーシャルを含めると上位ランクの大半をコマーシャルが占めることになる可能性が大きいためである。
【0066】
図11は、画面7にランク付けされた重複区間を含む映像のサムネイル70をランク順に並べて表示された状態を示した図である。利用者がリモコンのランク表示ボタン63を押下し、番組分類を指定すると、画面7に重複区間のサムネイルの映像が表示される。これによって、利用者は、複数の番組で放送されたような出現頻度の高い映像を効率的に再生、視聴することができる。
【0067】
サムネイル70aがランク付けの順位1のサムネイルであり、サムネイル70bが順位2、サムネイル70cが順位3、サムネイル70dが順位4、サムネイル70eが順位5、サムネイル70fが順位6である。注目度は重複数を表している。番組ジャンル表示ウィンドウ71は、ランク付け処理する番組分類を表示するウィンドウである。図11においては、番組分類を番組ジャンルと表示している。また、図11においてはコマーシャルを除く全番組分類が対象となっていることを表示している。
【0068】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具現化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0069】
1 記録再生装置
7 画面
8 リモコン
14 デコード処理部
16 重畳処理部
17 映像処理部
18 表示装置
22 制御部
23 MPU
24 RAM
25 ROM
26 フラッシュメモリ
27 操作受信部
28 操作機器
29 外部インターフェース
30 外部記憶装置
31 送受信部
32 ネットワーク
34 記録管理部
35 GUI制御部
36 近似画像取得部
37 ランク付け部
38 近似画像記憶部
40 画像特徴量取得部
41 近似画像フレーム検出部
42 連続区間検出部
43 重複区間検出部
44 重複数算出部
45 画像特徴量記憶部
46 近似画像フレーム位置記憶部
47 連続区間記憶部
48 重複区間記憶部
49 重複数記憶部
57 メニューボタン
63 ランク表示ボタン
70 サムネイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
番組の画像フレームの画像特徴量を取得する画像特徴量取得部と、
前記画像特徴量が一致または近似する近似画像フレームを前記画像フレームから検出する近似画像フレーム検出部と、
記録された番組に対して前記近似画像フレームが連続する連続区間が重複する重複区間を検出する重複区間検出部と、
前記重複区間毎に前記重複区間の重複数を算出する重複数算出部と
を有する記録再生装置。
【請求項2】
前記重複数に基づいて前記重複区間をランク付けするランク付け部を有する請求項1に記載された記録再生装置。
【請求項3】
前記ランク付けに基づいてランク付けされた順位を画面に表示するランク付け表示部を有する請求項2に記載された記録再生装置。
【請求項4】
前記重複区間検出部は、指定された番組分類の番組について、前記画像特徴量と前記連続区間の情報から、前記画像特徴量が一致または近似する画像フレームの前記連続区間が複数の番組について存在する場合に重複する重複区間の位置を検出する請求項1に記載された記録再生装置。
【請求項5】
前記ランク付け部は、前記重複数が多い順にランク付けする請求項2記載に記載された記録再生装置。
【請求項6】
前記ランク付け部は、前記重複数が多い順にランク付けし、前記重複数が同じ場合には前記重複区間が長い順にランク付けする請求項2記載に記載された記録再生装置。
【請求項7】
前記ランク付け表示部は、ランク付けされた順に前記重複区間のサムネイル映像を画面に表示する請求項3記載に記載された記録再生装置。
【請求項8】
番組の記録及び再生が可能な記録再生装置における記録再生方法であって、
前記番組の画像フレームの画像特徴量を取得し、
前記画像特徴量が一致または近似する近似画像フレームを前記画像フレームから検出し、
記録された番組に対して前記近似画像フレームが連続する連続区間が重複する重複区間を検出し、
前記重複区間毎に前記重複区間の重複数を算出する記録再生方法。
【請求項9】
前記重複数に基づいて前記重複区間をランク付けする請求項8に記載された記録再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−253465(P2012−253465A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−122958(P2011−122958)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】