説明

車両用前照灯

【課題】大型化や消費電力の増加を招くことなく、放熱性を向上させた車両用前照灯を得る。
【解決手段】ハウジング1と、ハウジングの前方開口部2に配置されたレンズカバー4とにより形成される灯室6内に、投影レンズ8、シェード10、光源12を前方から順に光軸に沿って配置すると共に、光源12からの光を反射させるリフレクタ14を光源12に対向させて配置する。光源12からの熱を灯室6内に放熱する放熱部材16を備え、放熱部材16は上下方向に沿って設けられた複数の板状の放熱フィン24を有する。放熱フィン24と略直交する制御板26を設ける。制御板26は複数の放熱フィン24の外周に沿って設けられ、制御板26は複数の放熱フィン24の外周の対流を規制する大きさに形成する。制御板26はハウジング1に支柱30を介して固定した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源からの熱を放熱する放熱部材を備えた車両用前照灯に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、光源に発光ダイオードを用いた車両用前照灯として、特許文献1にあるように、投影レンズ、シェード、光源を前方からこの順に沿って配置すると共に、光源の光を前方へ反射するリフレクタを光源に対向させて配置し、光源からの熱を放熱する放熱部材に光源を取り付けたものが知られている。
【0003】
この装置では、更に、光源が、光軸に対して上方向に略垂直配置される第1発光部を有する第1光源と、光軸よりも下方位置で下方向に略垂直配置される第2発光部を有する第2光源とで構成され、2つのビームパターンで照射できるように構成されている。
【0004】
発光ダイオードは発熱密度が高く、しかも、高温となると、発光効率が低下したり、寿命が短くなるという性質がある。発光ダイオードを近接して配置したり、装置全体の小型化のために放熱部材を小型化すると、発熱密度が高くなると共に放熱性能が低下する。
【0005】
そこで、特許文献2にあるように、灯室内の上方に電動ファンを配置し、灯室の後部で暖められた空気を電動ファンで灯室の前部に送り込み、灯室内を循環する対流を強制的に生じさせて冷却するようにしたり、特許文献3にあるように、発光素子を取り付けた実装基板内に冷媒を流して発光素子を冷却し、配管を介して放熱板にポンプにより冷媒を送り、放熱板から放熱させて、放熱性を向上させたものも提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4289268号公報
【特許文献2】特開2005−190825号公報(段落0050〜0054等)
【特許文献3】特開2009−147175号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、こうした従来のものでは、強制的に冷却しようとすると、灯室内に電動ファンを設け、あるいは、冷媒を循環させるポンプ等を設けなければならず、装置が大型化すると共に、電動ファンやポンプを駆動するための発光以外の電力を必要とするため装置全体の消費電力が増加するという問題があった。
【0008】
本発明の課題は、大型化や消費電力の増加を招くことなく、放熱性を向上させた車両用前照灯を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる課題を達成すべく、本発明は課題を解決するため次の手段を取った。即ち、ハウジングと、前記ハウジングの前方開口部に配置されたレンズカバーとにより形成される灯室内に、投影レンズ、シェード、光源を前方から順に光軸に沿って配置すると共に、前記光源からの光を反射させるリフレクタを前記光源に対向させて配置した車両用前照灯において、前記光源からの熱を前記灯室内に放熱する放熱部材を備え、前記放熱部材は上下方向に沿って設けられた複数の板状の放熱フィンを有し、前記放熱フィンと略直交する制御板を設けたことを特徴とする車両用前照灯がそれである。
【0010】
また、前記制御板は複数の前記放熱フィンの外周に沿って設けられ、前記制御板は複数の前記放熱フィンの外周の対流を規制する大きさに形成された構成としてもよい。その際、前記制御板は前記ハウジング、または、前記放熱部材に固定された構成でもよい。更に、前記制御板は前記シェード、前記リフレクタ、前記ハウジングのいずれかと一体に形成された構成でもよい。
【0011】
前記制御板に、前記光源に接続されるリード線を通す通孔を形成した構成としてもよい。あるいは、前記制御板に、前記光源に接続されるリード線をクランプ部材を介して保持した構成としてもよい。前記制御板に、前記光源への電力供給を制御する駆動回路を取り付けた構成としてもよい。あるいは、前記制御板を中空状に形成して、前記光源への電力供給を制御する駆動回路を前記制御板に内蔵した構成としてもよい。前記制御板は前記放熱部材、前記シェード、前記リフレクタのいずれかに固定され、かつ、前記制御板は後端が円弧状に形成された構成としてもよい。その際、前記ハウジングに、前記制御板と平行で前記制御板の後端と重なる補助制御板を設けた構成としてもよい。
【0012】
一方、前記制御板をばねにより可動可能に支持した構成としてもよい。その際、前記制御板を蝶番により揺動可能に支持すると共に、前記蝶番と反対側の前記制御板に重りを取り付け、かつ、前記制御板を前記放熱フィンと略直交して支持するばねを設けた構成としてもよい。また、前記制御板は薄板状のばね材で形成され、一端が固定されると共に、他端側に重りを取り付けた構成としてもよい。更に、前記制御板と前記ハウジングとの間に設けられた複数のコイルばねにより、前記放熱フィンと略直交して支持した構成としてもよい。あるいは、前記制御板に線状のばねの一端が取り付けられ、前記ばねの他端が前記ハウジングに固定されて、前記制御板を前記ばねにより、前記放熱フィンと略直交して支持した構成としてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の車両用前照灯は、放熱フィンと略直交する制御板を設けたことにより、大型化や消費電力の増加を招くことなく、放熱性を向上させることができるという効果を奏する。
【0014】
制御板が複数の放熱フィンの外周の対流を規制する大きさに形成された構成とすることにより、ハウジングやレンズカバーの内側に沿った対流が形成され、外気との熱交換が促進されて、放熱性が向上する。また、制御板に駆動回路を取り付けたり、内蔵したりすることにより、制御板を駆動回路の放熱に利用できる。
【0015】
一方、制御板をばねにより可動可能に支持した構成とすることにより、車両の走行による振動で、制御板が動いて空気流が発生し、放熱フィンの温度境界層を乱して、放熱性が向上する。その際、制御板を複数の放熱フィンの外周の対流を規制する大きさに形成することにより、外気との熱交換が促進されて、更に、放熱性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施形態としての車両用前照灯の概略縦断面図である。
【図2】図1のAA断面図である。
【図3】第1実施形態の車両用前照灯の概略横断面図である。
【図4】第2実施形態の車両用前照灯の概略縦断面図である。
【図5】第2実施形態の車両用前照灯の概略横断面図である。
【図6】第3実施形態の車両用前照灯の概略縦断面図である。
【図7】図6のBB断面図である。
【図8】第3実施形態の車両用前照灯の概略横断面図である。
【図9】第4実施形態の車両用前照灯の概略縦断面図である。
【図10】第4実施形態の車両用前照灯の概略横断面図である。
【図11】第5実施形態の車両用前照灯の概略縦断面図である。
【図12】第5実施形態の車両用前照灯の概略横断面図である。
【図13】第6実施形態の車両用前照灯の概略縦断面図である。
【図14】第6実施形態の車両用前照灯の概略横断面図である。
【図15】第7実施形態の車両用前照灯の概略縦断面図である。
【図16】第8実施形態の車両用前照灯の概略横断面図である。
【図17】第9実施形態の車両用前照灯の概略縦断面図である。
【図18】第9実施形態の車両用前照灯の概略横断面図である。
【図19】第10実施形態の車両用前照灯の概略縦断面図である。
【図20】第10実施形態の車両用前照灯の概略横断面図である。
【図21】第11実施形態の車両用前照灯の概略横断面図である。
【図22】第12実施形態の車両用前照灯の概略縦断面図である。
【図23】第12実施形態の車両用前照灯の概略横断面図である。
【図24】第13実施形態の車両用前照灯の概略縦断面図である。
【図25】図25のCC断面図である。
【図26】第13実施形態の車両用前照灯の概略横断面図である。
【図27】第14実施形態の車両用前照灯の概略縦断面図である。
【図28】図27のDD断面図である。
【図29】第15実施形態の車両用前照灯の概略縦断面図である。
【図30】図29のEE断面図である。
【図31】第15実施形態の車両用前照灯の概略横断面図である。
【図32】第16実施形態の車両用前照灯の概略横断面図である。
【図33】第17実施形態の車両用前照灯の概略横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下本発明を実施するための形態を図面に基づいて詳細に説明する。
まず第1実施形態(請求項1〜請求項3に対応)について、図1〜図3によって説明する。図1に示すように、1はハウジングで、ハウジング1には前方開口部2が形成され、開口部2を除いて周囲が壁で塞がれている。開口部2には、レンズカバー4が配置されて、ハウジング1内がほぼ閉塞され、ハウジング1とレンズカバー4とにより灯室6が形成されている。
【0018】
灯室6内には、前方から後方に向かって順に投影レンズ8、シェード10、光源12が光軸Zに沿って配置されている。光源12からの光を反射させるリフレクタ14が光源12に対向して配置されている。
【0019】
投影レンズ8には本実施形態では平凸レンズが用いられており、投影レンズ8の焦点と、内側反射面が回転放物面等の曲面状に形成されたリフレクタ14の焦点とがほぼ同じ位置になるように配置されている。リフレクタ14で反射された光の一部がシェード10により遮られ、シェード10により遮られなかった光が投影レンズ8によって前方に照射される。本実施形態では、シェード10は投影レンズ8の支持部材を兼ねている。
【0020】
光源12には、発光ダイオードが用いられており、光源12は放熱部材16の水平板部18に取り付けられている。水平板部18は水平方向に平坦な板状に形成されており、水平板部18の後端には垂直板部20が一体的に設けられている。
【0021】
垂直板部20は光軸Zにほぼ垂直で、上下方向に立設して配置され、垂直板部20の上下方向のほぼ中央に水平板部18が設けられている。水平板部18の前端側がハウジング
1の底壁1aに立設された支持部材22に取り付けられ、支持部材22にはシェード10の後端側が取り付けられている。
【0022】
垂直板部20の下端とハウジング1の底壁1aとの間には、空気が流通できる十分な間隔が確保されると共に、垂直板部20の上端とハウジング1の天井壁1cとの間にも、空気が流通できる十分な間隔が確保されている。水平板部18と垂直板部20とは、熱伝導性のよい材料、例えば、アルミニウム等で形成されている。
【0023】
垂直板部20の背面には、複数の放熱フィン24が配置されている。放熱フィン24は板状に形成されており、垂直板部20の背面にほぼ垂直に後方に向かって延出されると共に、上下方向に沿って設けられている。複数の放熱フィン24は、間を空気が流通できるように所定の間隔を空けて配置されている。放熱フィン24は、上下方向に垂直板部20と同じ長さに形成されると共に、ハウジング1の後壁1bとの間には所定の間隔が空けられるように配置されている。
【0024】
放熱フィン24は熱伝導性のよい材料、例えば、アルミニウム等で形成されており、水平板部18、垂直板部20と共にアルミ鋳造により一体に形成、あるいは、アルミ板により形成した放熱フィン24を垂直板部20の背面にロー付け等により固定して形成されている。
【0025】
複数の放熱フィン24の両側方と後方とを囲むように、コ字状の制御板26が放熱フィン24と略直交して設けられている。制御板26は板状に形成されており、図2に示すように、ハウジング1の底壁1aにビス28により一端が固定された支柱30がハウジング1の底壁1aから立設され、一対の支柱30の先端に制御板26がビス32により固定されている。制御板26はほぼ水平板部18の高さとほぼ同じ高さに配置されているが、これに限らず、制御板26を配置する上下方向の高さは放熱フィン24の上下方向の高さの範囲内であればよい。
【0026】
図3に示すように、制御板26と、放熱フィン24の両側面との間には、大きな隙間が空かないように、制御板26と放熱フィン24の両側面とを接近して設けられている。尚、制御板26と放熱フィン24の両側面とは接触させてもよい。制御板26は、放熱フィン24の両側面から両側方に空気の上下方向の対流を規制するように張り出すように設けられている。制御板26の前端は、垂直板部20よりも前方に突き出すように形成されている。
【0027】
灯室6内に、投影レンズ8、シェード10、光源12、放熱部材16からなるユニットが1セット設けられている場合には、制御板26はハウジング1の両側壁(図示せず)に達するまで張り出すように設ける。灯室6内に、投影レンズ8、シェード10、光源12、放熱部材16からなるユニットが複数セット設けられている場合には、隣り合う制御板26同士は、間に隙間ができないように、互いに接近して配置される。
【0028】
制御板26と、放熱フィン24の後端との間にも、大きな隙間が空かないように、制御板26と放熱フィン24の後端とを接近して設けられている。尚、制御板26と放熱フィン24の後端とは接触させてもよい。制御板26は、放熱フィン24の後端から後方に向かってハウジング1の後壁1bに達するまで張り出すように設けられており、放熱フィン24の後端とハウジング1の後壁1bとの間に、空気が上下方向に対流できる隙間が空かないように配置されている。
【0029】
一方、図1に示すように、光源12に一端が接続されたリード線34はハウジング1の後壁1bから外部に導出され、コネクタ36を介して駆動回路38に接続されている。駆
動回路38は、光源12への電力供給を制御する周知の回路である。
【0030】
次に、前述した本第1実施形態の車両用前照灯の作動について説明する。
車両の運転に伴って光源12が点灯されると、光源12で発せられた光は、リフレクタ14で反射されて、リフレクタ14で反射された光の一部はシェード10により遮られ、シェード10により遮られなかった光は投影レンズ8によって前方に照射される。
【0031】
光源12からの熱は、水平板部18から垂直板部20に伝わり、垂直板部20から複数の放熱フィン24に伝わる。放熱フィン24からの放熱により、放熱フィン24の周囲の空気が暖められて膨張する。
【0032】
膨張して軽くなった空気は複数の放熱フィン24の間をハウジング1の天井壁1cに向かって上昇する。複数の放熱フィン24からの放熱により、複数の放熱フィン24の間の空気が暖められて空気が連続的に上昇する。制御板26により、一旦上昇した空気が放熱フィン24の両側面に沿って下降するのを規制する。また、ハウジング1の後壁1bに沿って下降するのを規制する。
【0033】
よって、上昇した空気は、図1に矢印で示すように、ハウジング1の天井壁1cに沿って前方のレンズカバー4に向かって流れる。その際、暖められた空気が、リフレクタ14、シェード10や水平板部18により、垂直板部20の前面に沿って下降するのが規制される。この暖められた空気は、ハウジング1の後壁1b、天井壁1cや側壁、また、レンズカバー4を介して外部の空気との間で熱交換が行われて、灯室6内の空気は冷却される。
【0034】
更に、空気は、レンズカバー4に沿って下降し、レンズカバー4の下側からハウジング1の底壁1aに沿って流れ、ハウジング1の底壁1aとシェード10の下側との間を通る。その間に、底壁1aを介して外気との間で熱交換が行われる。制御板26により、放熱フィン24の両側面とハウジング1の側壁との間からの上昇や放熱フィン24の後端とハウジング1の後壁1bとの間からの上昇は規制される。
【0035】
よって、空気は各放熱フィン24の間を通って上昇し、その間に各放熱フィン24からの放熱により空気が再度暖められて、ハウジング1の天井壁1cに向かって上昇する。このように、複数の放熱フィン24の間を通って暖められた空気は、ハウジング1の天井壁1cからレンズカバー4の内側に沿って流れ、冷却されてハウジング1の底壁1aに沿って、再び複数の放熱フィン24の間に流れ込む対流の経路が生じる。
【0036】
特に、車両の走行中には、レンズカバー4には外気が当たるので、レンズカバー4の外側の外気と、内側の空気との間での熱交換が促進され、対流の経路がレンズカバー4の内側に形成されることにより、空気の冷却が促進される。
【0037】
制御板26により、ハウジング1の天井壁1cからレンズカバー4の内側、そして、ハウジング1の底壁1aに沿った対流を形成することにより、外気との熱交換が促進されて放熱性が向上し、灯室6内の空気の温度上昇を抑制できるため光源12や放熱部材16の温度上昇が抑制できる。この結果、大型化や消費電力を増加することなく、放熱性を向上できる。
【0038】
また、車両が寒冷地を走行する場合に、レンズカバー4の外側に雪や氷が付着する場合があるが、レンズカバー4の内側が暖められることにより、レンズカバー4の外側の雪や氷が溶かされて、前方への光の照射が良好に行われる。
【0039】
次に、前述した実施形態と異なる第2実施形態(請求項1〜請求項3に対応)について、図4、図5によって説明する。尚、前述した実施形態と同じ部材については同一番号を付して詳細な説明を省略する。以下同様。
【0040】
本第2実施形態の制御板62は、第1実施形態の制御板26と同じ形状で、ハウジング1の後壁1bには、ビス64によりL型ブラケット66が取り付けられ、このL型ブラケット66にビス68により制御板62が固定されて、制御板62が放熱フィン24と略直交して支持されている。
【0041】
この第2実施形態の場合でも、前述した第1実施形態と同様に、空気が放熱フィン24の両側面や後端に沿って下降するのを規制し、ハウジング1の天井壁1cからレンズカバー4の内側、そして、ハウジング1の底壁1aに沿った対流を形成し、放熱性を向上できる。
【0042】
続いて、前述した実施形態と異なる第3実施形態(請求項1〜請求項3、請求項5に対応)について、図6〜図8によって説明する。本第3実施形態では、前述した第1実施形態の制御板26と固定方法が異なり、第3実施形態の制御板40は制御板40の前端が下方に折り曲げられると共に、垂直板部20の前面側に延出されて、図7に示すように、制御板40が垂直板部20にビス42により固定されている。他の形状は、第1実施形態の制御板26と同じである。
【0043】
第3実施形態の制御板40によると、前述した第1実施形態と同様に、空気が放熱フィン24の両側面に沿って下降するのを規制し、ハウジング1の天井壁1cからレンズカバー4の内側、そして、ハウジング1の底壁1aに沿った対流を形成し、放熱性を向上できる。また、第1実施形態の支柱30が不要となり、構造が簡単になると共に、組立が容易になり、また、軽量化を図ることができる。更に、支柱30による空気流の阻害を招くことがない。
【0044】
また、第3実施形態では、制御板40に、前後方向に並べて一対の通孔44を形成し、通孔44にリード線34を通して、制御板40に沿ってリード線34を配線している。これにより、制御板40の剛性が向上する。尚、リード線34は、第1実施形態と同様、ハウジング1の底壁1aに沿って配線してもよい。
【0045】
続いて、第4実施形態(請求項1〜請求項4に対応)について、図9、図10によって説明する。本第4実施形態では、前述した第1実施形態の制御板26と異なり、第4実施形態の制御板46はシェード10と一体的に形成されており、シェード10から光源12の両側を回り込むようにして制御板46に延出されて一体に形成されている。シェード10と制御板46とを一体に形成することにより、組み立て作業が容易になる。制御板46は支柱30によりハウジング1の底壁1aに支持されているが、第2実施形態と同様に、垂直板部20に支持するように構成してもよい。
【0046】
この第4実施形態の場合でも、前述した第1実施形態と同様に、空気が放熱フィン24の両側面や後端に沿って下降するのを規制し、ハウジング1の天井壁1cからレンズカバー4の内側、そして、ハウジング1の底壁1aに沿った対流を形成し、放熱性を向上できる。
【0047】
また、第5実施形態(請求項1、請求項2、請求項4に対応)について、図11、図12によって説明する。本第5実施形態の制御板70は、第1実施形態の制御板26とほぼ同じ形状で、制御板70がハウジング1の後壁1bと一体に形成されて、前方に延出されている。ハウジング1と制御板70とを一体に形成することにより、組立が容易になると
共に、制御板70とハウジング1の後壁1bとの間に隙間が生じないので、より確実に対流の経路をレンズカバー4の内側に形成できる。
【0048】
この第5実施形態の場合でも、前述した第1実施形態と同様に、空気が放熱フィン24の両側面や後端に沿って下降するのを規制し、ハウジング1の天井壁1cからレンズカバー4の内側、そして、ハウジング1の底壁1aに沿った対流を形成し、放熱性を向上できる。
【0049】
次に、第6実施形態(請求項1〜請求項3、請求項6、請求項7に対応)について、図13、図14によって説明する。本第6実施形態では、第3実施形態の制御板40と同様、制御板46を垂直板部20に固定し、制御板46の後端側下面に駆動回路を内蔵した回路ボックス48がビス50により制御板46に固定されている。回路ボックス48は、放熱フィン24の後端とハウジング1の後壁1bとの間に配置され、回路ボックス48内の駆動回路は電源49とコネクタ36を介して接続されている。
【0050】
回路ボックス48からは光源12に接続されるリード線34が引き出されている。リード線34は制御板46の下面に沿って光源12に向かって引き出され、リード線34は2対のクランプ部材52に保持され、クランプ部材52はビス54により制御板46の下面に固定されている。
【0051】
回路ボックス48を制御板46の後端側下面に取り付けることにより、光源12からの距離を離すことができ、光源12からの熱影響を少なくでき、制御板46の下面側の方が周囲温度が低い。また、回路ボックス48内の駆動回路からも発熱するので、制御板46を放熱板としても利用でき、回路ボックス48を取り付けることにより、制御板46の剛性も向上する。
【0052】
更に、第7実施形態(請求項1〜請求項3、請求項8に対応)について、図15によって説明する。本第7実施形態の制御板56は、第1実施形態の制御板26を箱等の中空状に形成して、内部に駆動回路を内蔵している。これにより、制御板56を放熱板として利用できると共に、制御板56の剛性も向上する。
【0053】
この第6実施形態や第7実施形態の場合でも、前述した第1実施形態と同様に、空気が放熱フィン24の両側面や後端に沿って下降するのを規制し、ハウジング1の天井壁1cからレンズカバー4の内側、そして、ハウジング1の底壁1aに沿った対流を形成し、放熱性を向上できる。
【0054】
続いて、第8実施形態(請求項1、請求項2、請求項9に対応)について、図16によって説明する。第8実施形態の制御板58は、第3実施形態の制御板40と同様に、垂直板部20にビス42により固定されており、制御板58の後端はハウジング1の後壁1b側に凸の円弧状に形成されている。これにより、投影レンズ8、シェード10、光源12、放熱部材16からなるユニットを光軸Zと直交する上下方向の軸の廻りにスイベル可能に構成して、光軸Zの方向を変更しても、制御板58とハウジング1の後壁1bとが干渉することがない。尚、制御板58は、シェード10やリフレクタ14に固定してもよく、あるいは、これらと一体に形成してもよく、ハウジング1に固定されていなければよい。
【0055】
次に、第9実施形態(請求項10に対応)について、図17、図18によって説明する。本第9実施形態では、第8実施形態に対して、更に、ハウジング1の後壁1bから前方に補助制御板60を突き出し、補助制御板60は制御板58と平行に、また、制御板58と補助制御板60とが上下に重なり合うように形成されている。
【0056】
補助制御板60はハウジング1と一体に形成されており、補助制御板60の前端は、前方に向かって凹の円弧状に形成されており、本第9実施形態では、制御板58の上方に補助制御板60を設けているが、これに限らず、制御板58の下方に補助制御板60を設けてもよい。補助制御板60を設けることにより、制御板58とハウジング1の後壁1bとの間の隙間を確実に塞いで、放熱フィン24とハウジング1の後壁1bとの間に対流が生じるのを規制できる。
【0057】
この第8実施形態や第9実施形態の場合でも、前述した第1実施形態と同様に、空気が放熱フィン24の両側面や後端に沿って下降するのを規制し、ハウジング1の天井壁1cからレンズカバー4の内側、そして、ハウジング1の底壁1aに沿った対流を形成し、放熱性を向上できる。
【0058】
次に、第10実施形態(請求項1、請求項2、請求項11、請求項12に対応)について、図19、図20によって説明する。本第10実施形態の制御板100は、第1実施形態の制御板26と同じ形状で、制御板100の後端がハウジング1の後壁1bに、蝶番102により、揺動可能(可動可能)に支持されている。蝶番102は各放熱フィン24と直交する軸の廻りに制御板100を上下方向に揺動可能(可動可能)に支持している。
【0059】
ハウジング1の天井壁1cには、フック104が形成されており、フック104にコイルスプリングを用いたばね108の上端が掛けられている。ばね108の下端は制御板100に形成された貫通孔110に掛けられている。
【0060】
フック104、ばね108、貫通孔110は放熱フィン24の両側にそれぞれ設けられており、蝶番102と反対側の制御板100の前端側には2個の重り112がビス114により固定されている。ばね108の付勢力と、制御板100及び重り112の重量とが釣り合って、制御板100が放熱フィン24と略直交して、ほぼ水平になるように構成されている。ばね108の付勢力と、制御板100及び重り112の重量とが、車両の走行に伴う振動により、制御板100が上下方向に揺動するように決定されている。
【0061】
次に、前述した第10実施形態の車両用前照灯の作動について説明する。
車両の運転に伴って光源12が点灯されると、光源12で発せられた光は、リフレクタ14で反射されて、リフレクタ14で反射された光の一部はシェード10により遮られ、シェード10により遮られなかった光は投影レンズ8によって前方に照射される。
【0062】
光源12からの熱は、水平板部18から垂直板部20に伝わり、垂直板部20から複数の放熱フィン24に伝わる。放熱フィン24からの放熱により、放熱フィン24の周囲の空気が暖められて膨張する。
【0063】
膨張して軽くなった空気は複数の放熱フィン24の間をハウジング1の天井壁1cに向かって上昇する。複数の放熱フィン24からの放熱により、複数の放熱フィン24の間の空気が暖められて空気が連続的に上昇する。
【0064】
複数の放熱フィン24の間を通って暖められた空気は、ハウジング1の天井壁1cからレンズカバー4の内側に沿って流れ、冷却されてハウジング1の底壁1aに沿って、再び複数の放熱フィン24の間に流れ込む対流の経路が生じる。
【0065】
放熱フィン24の周囲には、放熱フィン24から空気への伝熱により、放熱フィン24の表面温度が最も高く、放熱フィン24の表面から離れるほど温度が低くなる温度境界層ができる。
【0066】
そして、車両の走行による振動に伴って、図19に二点鎖線で示すように、制御板100と重り112の慣性、また、ばね108のばね付勢力により、制御板100が蝶番102の廻りに相対的に揺動する。
【0067】
制御板100の揺動により、空気流が発生して、放熱フィン24の周囲の温度境界層が乱される。これにより、温度の低い空気が放熱フィン24の表面に接触し、空気と表面温度との差が大きいので、熱交換が促進されて、放熱性が向上する。また、前方への空気流が発生するので、この空気流により、水平板部18、シェード10、リフレクタ14、投影レンズ8等も冷却される。
【0068】
また、第10実施形態では、制御板100が第1実施形態の制御板26と同じ形状であるので、この第10実施形態の場合でも、前述した第1実施形態と同様に、空気が放熱フィン24の両側面や後端に沿って下降するのを規制し、ハウジング1の天井壁1cからレンズカバー4の内側、そして、ハウジング1の底壁1aに沿った対流を形成し、放熱性を向上できる。
【0069】
尚、本第10実施形態では、制御板100の大きさを第1実施形態の制御板26と同じに形成しているが、これに限らず、制御板100を空気が放熱フィン24の両側面や後端に沿って下降するのを規制できない大きさに小さく形成し、揺動により空気流を発生させて、放熱フィン24の周囲の温度境界層を乱し、熱交換を促進する構成でも実施可能である。
【0070】
次に、第11実施形態(請求項1、請求項2、請求項11、請求項12に対応)について、図21によって説明する。本第11実施形態の制御板116は、第10実施形態の制御板100とほぼ同様の形状であるが、制御板116は櫛歯部118を有する点で異なる。櫛歯部118は各放熱フィン24の間に突出して配置されており、制御板116の揺動により、各放熱フィン24の間に空気流を発生させて、温度境界層を乱し、熱交換を更に促進する。櫛歯部118の長さは、各放熱フィン24の間の空気の流通を阻害しない程度に、各放熱フィン24の前後方向の幅の半分程度が好ましい。
【0071】
続いて、第12実施形態(請求項1、請求項2、請求項11、請求項12に対応)について、図22、図23によって説明する。本第12実施形態の制御板120は、第10実施形態の制御板100とほぼ同様の形状であるが、第10実施形態と異なり、制御板120が水平板部18の側面に蝶番122を介して揺動可能(可動可能)に支持されている。蝶番122は各放熱フィン24と直交する軸の廻りに制御板120を上下方向に揺動可能(可動可能)に支持している。
【0072】
ハウジング1の天井壁1cには、フック124が形成されており、フック124にコイルスプリングを用いたばね126の上端が掛けられている。ばね126の下端は制御板120の中央後端側に形成された貫通孔130に掛けられている。
【0073】
蝶番122と反対側の制御板120の後端側には2個の重り132がビス134により固定されている。ばね126の付勢力と、制御板120及び重り132の重量とが釣り合って、制御板120が放熱フィン24と略直交して、ほぼ水平になるように構成されている。ばね126の付勢力と、制御板120及び重り132の重量とは、車両の走行に伴う振動により、制御板120が上下方向に揺動するように決定されている。
【0074】
車両の走行による振動に伴って、図22に二点鎖線で示すように、制御板120が蝶番122の廻りに揺動すると、空気流が発生して、放熱フィン24の周囲の温度境界層が乱される。これにより、温度の低い空気が放熱フィン24の表面に接触し、熱交換が促進さ
れて、放熱性が向上する。
【0075】
空気流が後方に向かって発生するので、ハウジング1の後壁1bや天井壁1cにも空気流が当たり、後壁1bや天井壁1cに沿った温度境界層が乱される。これにより、温度の高い空気がハウジング1の後壁1bや天井壁1cに接触し、空気と後壁1bや天井壁1cの表面温度との差が大きいので、熱交換が促進されて、灯室6外の外気への放熱性が向上する。
【0076】
この第12実施形態の場合でも、前述した第1実施形態と同様に、制御板120により、空気が放熱フィン24の両側面や後端に沿って下降するのを規制し、ハウジング1の天井壁1cからレンズカバー4の内側、そして、ハウジング1の底壁1aに沿った対流を形成し、放熱性を向上できる。
【0077】
次に、第13実施形態(請求項1、請求項2、請求項11、請求項13に対応)について、図24〜図26によって説明する。本第13実施形態の制御板136は、第10実施形態の制御板100とほぼ同じ形状の制御板部138と、制御板部138の前端からハウジング1の底壁1a側に直角に折り曲げられた一対の支柱部140と、支柱部140の下端から底壁1aに沿って直角に折り曲げられた固定部142とを備えている。
【0078】
図25に示すように、一対の支柱部140は制御板部138の前端両側から底壁1a側に折り曲げられ、一対の支柱部140の間は垂直板部20の幅に応じて空けられている。固定部142がビス143により底壁1aに固定されている。固定部142と反対側の制御板136の他端側には2個の重り144がビス146により固定されている。
【0079】
制御板136は薄板状のばね材により形成されており、制御板136のばね付勢力と、重り144の重量とが釣り合って、制御板部138が放熱フィン24と略直交して、ほぼ水平になるように構成されている。制御板136のばね付勢力と、重り144の重量とは、車両の走行に伴う振動により、制御板部138が上下方向に揺動するように決定されている。
【0080】
車両の走行による振動に伴って、図24に二点鎖線で示すように、制御板136が固定部142を支点として揺動すると、空気流が発生して、放熱フィン24の周囲の温度境界層が乱される。これにより、温度の低い空気が放熱フィン24の表面に接触し、熱交換が促進されて、放熱性が向上する。
【0081】
空気流が後方に向かって発生するので、ハウジング1の後壁1bや天井壁1cにも空気流が当たり、後壁1bや天井壁1cに沿った温度境界層が乱される。これにより、温度の高い空気がハウジング1の後壁1bや天井壁1cに接触し、空気と後壁1bや天井壁1cの表面温度との差が大きいので、熱交換が促進されて、灯室6外の外気への放熱性が向上する。
【0082】
この第13実施形態の場合でも、前述した第1実施形態と同様に、制御板136により、空気が放熱フィン24の両側面や後端に沿って下降するのを規制し、ハウジング1の天井壁1cからレンズカバー4の内側、そして、ハウジング1の底壁1aに沿った対流を形成し、放熱性を向上できる。
【0083】
続いて、第14実施形態(請求項1、請求項2、請求項11、請求項14に対応)について、図27、図28によって説明する。本第14実施形態の制御板148は、第10実施形態の制御板100とほぼ同じ形状で、制御板148の下面側四隅とハウジング1の底壁1aとの間に、コイルばね150が設けられている。制御板148はコイルばね150
の付勢力により、放熱フィン24と略直交して、ほぼ水平になるように支持されている。また、制御板148は、コイルばね150のばね変形により、制御板148を上下方向に可動可能に支持されている。
【0084】
車両の走行による振動に伴って、図27に二点鎖線で示すように、制御板148が上下方向に振動して、空気流が発生して、放熱フィン24の周囲の温度境界層が乱される。これにより、温度の低い空気が放熱フィン24の表面に接触し、熱交換が促進されて、放熱性が向上する。
【0085】
この第14実施形態の場合でも、前述した第1実施形態と同様に、制御板148により、空気が放熱フィン24の両側面や後端に沿って下降するのを規制し、ハウジング1の天井壁1cからレンズカバー4の内側、そして、ハウジング1の底壁1aに沿った対流を形成し、放熱性を向上できる。
【0086】
次に、第15実施形態(請求項1、請求項2、請求項11、請求項15に対応)について、図29〜図31によって説明する。本第15実施形態の制御板152は、第10実施形態の制御板100とほぼ同じ形状で、図30に示すように、制御板152の上面にピアノ線等のばね線材をL字状に折り曲げた一対のばね154の一端側が、ビス156により制御板152に取り付けられたブラケット158を介して固定されている。ばね154の他端は、ハウジング1の後壁1bにビス160により後壁1bに取り付けられたブラケット162を介して固定されている。
【0087】
車両の走行による振動に伴って、図29に二点鎖線で示すように、制御板152が上下方向に振動して、空気流が発生して、放熱フィン24の周囲の温度境界層が乱される。これにより、温度の低い空気が放熱フィン24の表面に接触し、熱交換が促進されて、放熱性が向上する。これにより、熱交換が促進されて、灯室6外の外気への放熱性が向上する。
【0088】
この第15実施形態の場合でも、前述した第1実施形態と同様に、制御板152により、空気が放熱フィン24の両側面や後端に沿って下降するのを規制し、ハウジング1の天井壁1cからレンズカバー4の内側、そして、ハウジング1の底壁1aに沿った対流を形成し、放熱性を向上できる。
【0089】
続いて、第16実施形態(請求項1、請求項2、請求項11、請求項15に対応)について、図32によって説明する。本第16実施形態の制御板164,166は、第15実施形態の制御板152のほぼ中央で2つに分割したもので、それぞれの制御板164,166が線状のばね154により後壁1bに支持されている。
【0090】
この場合でも、第15実施形態と同様に、車両の走行による振動に伴って、空気流が発生して、放熱フィン24の周囲の温度境界層が乱される。これにより、熱交換が促進されて、灯室6外の外気への放熱性が向上する。
【0091】
この第16実施形態の場合でも、前述した第1実施形態と同様に、制御板164,166により、空気が放熱フィン24の両側面や後端に沿って下降するのを規制し、ハウジング1の天井壁1cからレンズカバー4の内側、そして、ハウジング1の底壁1aに沿った対流を形成し、放熱性を向上できる。
【0092】
次に、第17実施形態(請求項1、請求項2、請求項11、請求項15に対応)について、図33によって説明する。本第17実施形態の制御板168,170は、長方形の板状で、それぞれ放熱フィン24の側方に配置され、それぞれの制御板168,170は、
第16実施形態と同様に、線状のばね154により後壁1bに支持されている。
【0093】
それぞれの制御板168,170は、大きく形成されており、振動による空気流の発生をより大きく行うことができるように構成されている。この場合でも、第15実施形態と同様に、車両の走行による振動に伴って、空気流が発生して、放熱フィン24の周囲の温度境界層が乱される。これにより、熱交換が促進されて、灯室6外の外気への放熱性が向上する。
【0094】
以上本発明はこの様な実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得る。
【符号の説明】
【0095】
1…ハウジング 4…レンズカバー
6…灯室 8…投影レンズ
10…シェード 12…光源
14…リフレクタ 16…放熱部材
18…水平板部 20…垂直板部
22…支持部材 24…放熱フィン
26,40,46,56,58,62,70,100,116,120,136,148,152,164,166,168,170…制御板
30…支柱 34…リード線
36…コネクタ 38…駆動回路
44…通孔 48…回路ボックス
49…電源 52…クランプ部材
60…補助制御板 102,122…蝶番
104,124…フック 108,126,154…ばね
110…貫通孔 112,132,144…重り
118…櫛歯部 150…コイルばね

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、前記ハウジングの前方開口部に配置されたレンズカバーとにより形成される灯室内に、投影レンズ、シェード、光源を前方から順に光軸に沿って配置すると共に、前記光源からの光を反射させるリフレクタを前記光源に対向させて配置した車両用前照灯において、
前記光源からの熱を前記灯室内に放熱する放熱部材を備え、
前記放熱部材は上下方向に沿って設けられた複数の板状の放熱フィンを有し、
前記放熱フィンと略直交する制御板を設けたことを特徴とする車両用前照灯。
【請求項2】
前記制御板は複数の前記放熱フィンの外周に沿って設けられ、前記制御板は複数の前記放熱フィンの外周の対流を規制する大きさに形成されたことを特徴とする請求項1に記載の車両用前照灯。
【請求項3】
前記制御板は前記ハウジング、または、前記放熱部材に固定されたことを特徴とする請求項2に記載の車両用前照灯。
【請求項4】
前記制御板は前記シェード、前記リフレクタ、前記ハウジングのいずれかと一体に形成されたことを特徴とする請求項2に記載の車両用前照灯。
【請求項5】
前記制御板に、前記光源に接続されるリード線を通す通孔を形成したことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の車両用前照灯。
【請求項6】
前記制御板に、前記光源に接続されるリード線をクランプ部材を介して保持したことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の車両用前照灯。
【請求項7】
前記制御板に、前記光源への電力供給を制御する駆動回路を取り付けたことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の車両用前照灯。
【請求項8】
前記制御板を中空状に形成して、前記光源への電力供給を制御する駆動回路を前記制御板に内蔵したことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の車両用前照灯。
【請求項9】
前記制御板は前記放熱部材、前記シェード、前記リフレクタのいずれかに固定され、かつ、前記制御板は後端が円弧状に形成されたことを特徴とする請求項2に記載の車両用前照灯。
【請求項10】
前記ハウジングに、前記制御板と平行で前記制御板の後端と重なる補助制御板を設けたことを特徴とする請求項9に記載の車両用前照灯。
【請求項11】
前記制御板をばねにより可動可能に支持したことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の車両用前照灯。
【請求項12】
前記制御板を蝶番により揺動可能に支持すると共に、前記蝶番と反対側の前記制御板に重りを取り付け、かつ、前記制御板を前記放熱フィンと略直交して支持するばねを設けたことを特徴とする請求項11に記載の車両用前照灯。
【請求項13】
前記制御板は薄板状のばね材で形成され、一端が固定されると共に、他端側に重りを取り付けたことを特徴とする請求項11に記載の車両用前照灯。
【請求項14】
前記制御板と前記ハウジングとの間に設けられた複数のコイルばねにより、前記放熱フィンと略直交して支持したことを特徴とする請求項11に記載の車両用前照灯。
【請求項15】
前記制御板に線状のばねの一端が取り付けられ、前記ばねの他端が前記ハウジングに固定されて、前記制御板を前記ばねにより、前記放熱フィンと略直交して支持したことを特徴とする請求項11に記載の車両用前照灯。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公開番号】特開2011−216265(P2011−216265A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−82209(P2010−82209)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000004695)株式会社日本自動車部品総合研究所 (1,981)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】