説明

車輌用前照灯

【課題】 配光パターンの形成に影響を与えることなく可動シェードの耐久性の向上及び位置決め精度の向上を図る。
【解決手段】 光を出射する光源11bと、光源から出射された光の一部を遮蔽可能な可動シェード25と、可動シェードを所定の方向へ移動自在に支持する支持フレーム23と、可動シェードを移動させる駆動源となる駆動モーター24と、駆動モーターのモーター軸に固定されたピニオンギヤ26とを設け、可動シェードに光源から出射された光を遮蔽する光遮蔽部27と光遮蔽部に連続するアーム部28とピニオンギヤに噛合されたギヤ部29とを設け、光遮蔽部が板状の金属材料によって形成され、アーム部が板状の金属材料と樹脂材料による3層構造に形成され、ギヤ部が樹脂材料によってアーム部の3層構造とされた部分に連続して形成されると共に厚みがアーム部の厚み以上の厚さにされた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車輌用前照灯に関する。詳しくは、ピニオンギヤに噛合される可動シェードのギヤ部を可動シェードのアーム部の厚み以上の厚さにされた樹脂材料によって形成して可動シェードの耐久性の向上及び位置決め精度の向上を図る技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
車輌用前照灯には光源から出射された光の遮蔽量を移動位置に応じて調節して大きさや形状の異なる複数の配光パターンを形成する可動シェードが配置されたものがある。
【0003】
このような車輌用前照灯には、可動シェードに光を遮蔽する光遮蔽部と駆動モーターのモーター軸に固定されたピニオンギヤに噛合されるギヤ部とが設けられ、駆動モーターの回転によって回転されるピニオンギヤによってギヤ部が送られて可動シェードが移動されるものがある(例えば、特許文献1、図4参照)。
【0004】
特許文献1に記載された車輌用前照灯にあっては、可動シェードが板状の1枚の材料によって形成されている。
【0005】
【特許文献1】特開2010−15837号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、特許文献1に記載された車輌用前照灯にあっては、可動シェードが板状の一枚の材料によって形成され厚みが薄いため、ピニオンギヤに噛合されたギヤ部の耐久性が低く、ギヤ部の摩耗による動作不良や光遮蔽部の位置精度の悪化を生じるおそれがある。
【0007】
このような動作不良や光遮蔽部の位置精度の悪化を生じた場合には、光源から出射された光の一部が可動シェードによって遮蔽されたときに、必要な配光パターンが形成されなくなってしまう。
【0008】
そこで、可動シェードを厚みの厚い材料によって形成し耐久性の向上を図ることが考えられるが、可動シェードを厚みの厚い材料によって形成すると、光遮蔽部の厚みによって配光パターンにおけるカットラインが不鮮明になったりカットライン付近の色度が低下するという問題が生じてしまう。
【0009】
そこで、本発明車輌用前照灯は、配光パターンの形成に影響を与えることなく可動シェードの耐久性の向上及び位置決め精度の向上を図ることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
車輌用前照灯は、上記した課題を解決するために、光を出射する光源と、前記光源から出射された光の一部を遮蔽可能な可動シェードと、前記可動シェードを所定の方向へ移動自在に支持する支持フレームと、前記可動シェードを移動させる駆動源となる駆動モーターと、前記駆動モーターのモーター軸に固定されたピニオンギヤとを備え、前記可動シェードに光源から出射された光を遮蔽する光遮蔽部と前記光遮蔽部に連続するアーム部と前記ピニオンギヤに噛合されたギヤ部とを設け、前記光遮蔽部が板状の金属材料によって形成され、前記アーム部の少なくとも一部が前記板状の金属材料と樹脂材料による少なくとも2層構造に形成され、前記ギヤ部が前記樹脂材料によって前記アーム部の少なくとも2層構造とされた部分に連続して形成されると共に厚みが前記アーム部の厚み以上の厚さにされたものである。
【0011】
従って、車輌用前照灯にあっては、光遮蔽部の厚みがギヤ部の厚みより薄くされ樹脂材料によって形成されたギヤ部の厚みがアーム部の厚み以上の厚さにされる。
【発明の効果】
【0012】
本発明車輌用前照灯は、光を出射する光源と、前記光源から出射された光の一部を遮蔽可能な可動シェードと、前記可動シェードを所定の方向へ移動自在に支持する支持フレームと、前記可動シェードを移動させる駆動源となる駆動モーターと、前記駆動モーターのモーター軸に固定されたピニオンギヤとを備え、前記可動シェードに光源から出射された光を遮蔽する光遮蔽部と前記光遮蔽部に連続するアーム部と前記ピニオンギヤに噛合されたギヤ部とを設け、前記光遮蔽部が板状の金属材料によって形成され、前記アーム部の少なくとも一部が前記板状の金属材料と樹脂材料による少なくとも2層構造に形成され、前記ギヤ部が前記樹脂材料によって前記アーム部の少なくとも2層構造とされた部分に連続して形成されると共に厚みが前記アーム部の厚み以上の厚さにされたことを特徴とする。
【0013】
従って、光遮蔽部の厚みが薄いため、配光パターンにおけるカットラインが不鮮明にならずカットライン付近の色度の低下を生じることがなく、また、ギヤ部の厚みが厚いためギヤ部の耐久性が高くピニオンギヤとの噛合による摩耗等が生じ難く、可動ユニットの耐久性の向上及び位置決め精度の向上を図ることができる。
【0014】
請求項2に記載した発明にあっては、前記支持フレームに前記可動シェードの移動を規制するストッパーが設けられ、前記アーム部の前記金属材料によって形成された部分が前記ストッパーに接して前記可動シェードの移動が規制されるようにしている。
【0015】
従って、可動シェードの良好な位置精度が確保され、可動シェードを高い精度で所定の位置に保持することができる。
【0016】
請求項3に記載した発明にあっては、前記アーム部の少なくとも2層構造にされた部分が前記金属材料と前記金属材料の厚み方向における両側にそれぞれ結合された前記樹脂材料とによって一体に形成されている。
【0017】
従って、可動シェードの成形性の向上が図られ製造コストの低減を図ることができる。
【0018】
請求項4に記載した発明にあっては、前記金属材料としてアルミニウムメッキ鋼板を用いている。
【0019】
従って、可動シェードの軽量化及び強度の向上を図ることができる。
【0020】
請求項5に記載した発明にあっては、前記樹脂材料としてポリアセタールを用いている。
【0021】
従って、ギヤ部の耐久性の向上及び摺動性の向上が図られ、ギヤ部の摩耗を抑制することができると共にピニオンギヤとの円滑な噛合状態を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に、本発明車輌用前照灯を実施するための最良の形態について添付図面を参照して説明する。
【0023】
車輌用前照灯1は、車体の前端部における左右両端部にそれぞれ取り付けられて配置されている。
【0024】
車輌用前照灯1は、図1に示すように、前方に開口されたランプボデイ2とランプボデイ2の前端部に取り付けられたカバー3とによって構成された灯具外筐4の内部が灯室5として形成され、灯室5にランプユニット6が配置されて構成されている。
【0025】
灯室5には保持部材7が光軸調整機構8を介して水平方向及び垂直方向に傾動自在に配置されている。
【0026】
保持部材7は熱伝導性の高い金属材料によって形成され、前後方向を向くベース部9とベース部9の上下方向における中央部から前方へ突出された取付突部10とを有している。
【0027】
ベース部9の上下両端部には被支持部9a、9a、9aが設けられている。被支持部9a、9a、9aは、例えば、左右に離隔して上側に二つが設けられ、下側に一つが設けられている。
【0028】
ベース部9の後面には後方へ突出された放熱フィン9b、9b、・・・が設けられている。
【0029】
取付突部10の上面には発光ユニット11が配置されている。発光ユニット11は回路基板11aと回路基板11a上に搭載された光源11bと光源11bを閉塞して保護する保護カバー11cとを有している。光源11bとしては、例えば、発光ダイオードが用いられている。
【0030】
取付突部10の上面における後端部にはリフレクター12が取り付けられている。リフレクター12は内面が反射面12aとして形成されている。
【0031】
ベース部9に設けられた放熱フィン9b、9b、・・・の後方には放熱用ファン13が配置されている。
【0032】
取付突部10の前面には連結部材14が取り付けられている。連結部材14の前端部には投影レンズ15が取り付けられている。
【0033】
光軸調整機構8はエイミングスクリュー16、16とレベリングアクチュエーター17を有している。
【0034】
エイミングスクリュー16、16は灯室5の上部において左右に離隔して位置され、回転操作部18、18と回転操作部18、18からそれぞれ前方へ突出された軸部19、19とから成り、軸部19、19の前端部が螺軸部19a、19aとして設けられている。
【0035】
エイミングスクリュー16、16は回転操作部18、18がそれぞれランプボデイ2の後端部に回転自在に支持され、螺軸部19a、19aがそれぞれ保持部材7の上側の被支持部9a、9aに螺合されている。
【0036】
レベリングアクチュエーター17は駆動部20と駆動部20から前方へ突出された軸部21とから成り、軸部21の前端部が螺軸部21aとして設けられている。レベリングアクチュエーター17は螺軸部21aが保持部材7の下側の被支持部9aに螺合されている。
【0037】
車輌用前照灯1において、回転操作部18が図示しないドライバー等の治具によって操作されて被支持部9aに連結されたエイミングスクリュー16が回転されると、その回転方向に応じた方向へ他の被支持部9a、9aを支点として保持部材7が傾動され、ランプユニット6の光軸調整(エイミング調整)が行われる。
【0038】
また、駆動部20の駆動力によって被支持部9aに連結された軸部21が回転されると、その回転方向に応じた方向へ他の被支持部9a、9aを支点として保持部材7が傾動され、ランプユニット6の光軸調整(レベリング調整)が行われる。
【0039】
連結部材14にはシェードユニット22が配置されている。シェードユニット22は、図2及び図3に示すように、支持フレーム23と支持フレーム23に取り付けられた駆動モーター24、24と支持フレーム23に移動自在、例えば、回動自在に支持された可動シェード25、25とを有している。
【0040】
支持フレーム23は前後方向を向く板状に形成され、上下方向における中央部に横長の光透過孔23aを有している。支持フレーム23によって光源11bから出射された光のうち光透過孔23aを透過される光以外の光が遮蔽される。従って、支持フレーム23は光源11bから出射された光の一部を遮蔽する固定シェードとして機能する。
【0041】
支持フレーム23の左右両端部にはそれぞれ前方へ突出されたバネ掛け片23b、23bが設けられている。支持フレーム23の左右両端寄りの位置にはそれぞれ前方へ突出された支持突部23c、23cが設けられ、支持突部23c、23cはそれぞれバネ掛け片23b、23bの近傍に位置されている。
【0042】
支持フレーム23には支持突部23c、23cの下方にそれぞれ前方へ突出されたストッパー23d、23dが設けられている。
【0043】
駆動モーター24、24は支持フレーム23の背面に左右に離隔した状態で取り付けられている。駆動モーター24、24のモーター軸はそれぞれ支持フレーム23を貫通されて支持フレーム23から前方へ突出され、モーター軸にはそれぞれピニオンギヤ26、26が固定されている。ピニオンギヤ26、26は、例えば、ポリアセタール等の樹脂材料によって形成されている。ポリアセタールは高い耐久性及び摺動性を有する樹脂材料である。
【0044】
可動シェード25、25は支持突部23c、23cを支点としてそれぞれ支持フレーム23に回動自在に支持されている。
【0045】
可動シェード25は光源11bから出射された光の一部を遮蔽可能な光遮蔽部27と光遮蔽部27の一端部に連続して設けられたアーム部28とアーム部28の一端部に連続して設けられたギヤ部29とから成る。
【0046】
光遮蔽部27は略左右に延びる形状に形成され上縁が配光パターンのカットラインを形成するライン形成部27aとして形成されている。光遮蔽部27、27はそれぞれ外側に位置する端部が支持突部23c、23cに支持されている。光遮蔽部27の外側に位置する端部には前方へ突出されたバネ支持片27bが設けられている。
【0047】
アーム部28は光遮蔽部27の外側の端部から斜め下方へ突出するように設けられ、下端寄りの位置に支持突部23cを中心とした円弧状の係合孔28aを有している。
【0048】
ギヤ部29はアーム部28の係合孔28aに沿って形成され、駆動モーター24のモーター軸に固定されたピニオンギヤ26に噛合されている。
【0049】
可動シェード25、25が支持突部23c、23cを支点として支持フレーム23に回動自在に支持された状態においては、係合孔28a、28aにそれぞれ支持フレーム23に設けられたストッパー23d、23dが挿入される。
【0050】
可動シェード25、25はそれぞれ光遮蔽部27、27のライン形成部27a、27aが支持フレーム23の光透過孔23aの直ぐ前側において水平な状態とされる第1の回動位置とライン形成部27a、27aが光透過孔23aの下端側に位置される第2の回動位置との間で回動される。
【0051】
支持フレーム23の支持突部23c、23cにはそれぞれ捩じりコイルバネである付勢バネ30、30が支持される。付勢バネ30は、コイル部30aが支持突部23cに外嵌状に支持され、一端部が支持フレーム23のバネ掛け片23bに係合され、他端部が可動シェード25のバネ支持片27bに係合されている。従って、可動シェード25、25にはそれぞれ付勢バネ30、30の付勢力によって第2の回動位置から第1の回動位置へ向かう方向への回動力が付与される。
【0052】
可動シェード25は金属材料31と樹脂材料32による一体成形によって形成されている。金属材料31としては、例えば、鉄板等にアルミニウムのメッキが施されたアルミニウムメッキ鋼板が用いられ、樹脂材料32としては、例えば、ポリアセタールが用いられている。
【0053】
光遮蔽部27は金属材料31のみによって形成され、アーム部28は金属材料31と樹脂材料32の少なくとも2層構造として形成され、ギヤ部29は樹脂材料32のみによって形成されている。
【0054】
アーム部28は、例えば、上端部を除いた部分が、金属材料31の厚み方向における両面に樹脂材料32が結合された3層構造とされ、光遮蔽部27の厚みより厚くされている。尚、アーム部28は3層構造に限られることはなく、金属材料31と樹脂材料32による2層以上の構造とされていればよい。
【0055】
アーム部28の係合孔28aは金属材料31が樹脂材料32から稍内側に突出されることにより形成されている(図4参照)。
【0056】
ギヤ部29は厚みがアーム部28の厚みと同じかそれ以上とされている(図3参照)。
【0057】
以上のように構成された車輌用前照灯1において、ランプユニット6の光源11bから光が出射されると、出射された光はリフレクター12で反射され支持フレーム23の光透過孔23aを透過され投影レンズ15及びカバー3を透過されて前方へ照射される。このとき光源11bから出射された光は一部が固定シェードとして機能する支持フレーム23によって遮蔽される。
【0058】
また、可動シェード25、25の回動方向における位置によっては、光源11bから出射された光の一部が可動シェード25、25によっても遮蔽される。
【0059】
可動シェード25は駆動モーター24に対する通電が行われていない状態においては、支持フレーム23のストッパー23dがアーム部28に形成された係合孔28aの一端縁に係合され付勢バネ30の付勢力によって第1の回動位置に保持される。このときストッパー23dは金属材料31によって形成された係合孔28aの一端縁に係合されるため、可動シェード25の良好な位置精度が確保され、可動シェード25が高い精度で第1の回動位置に保持される。
【0060】
可動シェード25が第1の回動位置に保持されている状態において駆動モーター24に通電が行われると、ピニオンギヤ26の回転によってギヤ部29が送られて可動シェード25が付勢バネ30の付勢力に抗して第2の回動位置へ向けて回動される。可動シェード25は支持フレーム23のストッパー23dがアーム部28に形成された係合孔28aの他端縁に係合されて第2の回動位置に保持される。このときストッパー23dは金属材料31によって形成された係合孔28aの他端縁に係合されるため、可動シェード25の良好な位置精度が確保され、可動シェード25が高い精度で第2の回動位置に保持される。
【0061】
可動シェード25が第2の回動位置に保持されている状態において駆動モーター24に対する通電が停止されると、上記したように、可動シェード25は付勢バネ30の付勢力によって第1の回動位置へ向けて回動され第1の回動位置に保持される。
【0062】
尚、車輌用前照灯1にあっては、光の一部を遮蔽可能な可動シェード25、25がそれぞれ第1の回動位置と第2の回動位置との間を回動され、また、光の一部を遮蔽する固定シェードとして機能する支持フレーム23が設けられている。従って、支持フレーム23と可動シェード25、25の各回動位置の組み合わせによって光の遮蔽状態を異ならせることができ、形状や大きさの異なる複数の種類の配光パターンを形成することが可能とされている。
【0063】
以上に記載した通り、車輌用前照灯1にあっては、可動シェード25の光遮蔽部27が板状の金属材料31によって形成され、アーム部28が金属材料31と樹脂材料32による少なくとも2層構造に形成され、ギヤ部29が樹脂材料31によって形成されると共に厚みがアーム部28の厚み以上の厚さにされている。
【0064】
従って、光遮蔽部27の厚みが薄いため、配光パターンにおけるカットラインが不鮮明にならずカットライン付近の色度の低下を生じることがなく、また、ギヤ部29の厚みが厚いためギヤ部29の耐久性が高くピニオンギヤ26との噛合による摩耗等が生じ難く、可動ユニット25の耐久性の向上及び位置決め精度の向上を図ることができる。
【0065】
また、アーム部28の一部が金属材料31と金属材料31の厚み方向における両側にそれぞれ結合された樹脂材料32とによって一体に形成されているため、可動シェード25の成形性の向上が図られ製造コストの低減を図ることができる。
【0066】
尚、アーム部28は金属材料31と樹脂材料32の一体成形によらず金属材料31と樹脂材料32を各別に所定の形状に形成し、両者を接着等の適宜の手段によって結合することにより形成されてもよい。
【0067】
さらに、可動シェード25を形成する金属材料31としてアルミニウムメッキ鋼板を用いることにより、可動シェード25の軽量化及び強度の向上を図ることができる。
【0068】
加えて、可動シェード25を形成する樹脂材料32としてポリアセタールを用いることにより、ギヤ部29の耐久性の向上及び摺動性の向上が図られ、ギヤ部29の摩耗を抑制することができると共にピニオンギヤ26との円滑な噛合状態を確保することができる。
【0069】
また、ピニオンギヤ26をもポリアセタールによって形成されているため、ギヤ部29及びピニオンギヤ26の耐久性の向上及び摺動性の向上による両者の摩耗を抑制することができると共に両者の円滑な噛合状態を確保することができる。
【0070】
上記した発明を実施するための最良の形態において示した各部の形状及び構造は、何れも本発明を実施するに際して行う具体化のほんの一例を示したものにすぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】図2乃至図4と共に本発明車輌用前照灯の最良の形態を示すものであり、本図は、車輌用前照灯の概略縦断面図である。
【図2】シェードユニットの拡大正面図である。
【図3】シェードユニットの一部を示す拡大斜視図である。
【図4】シェードユニットの一部を示す拡大正面図である。
【符号の説明】
【0072】
1…車輌用前照灯、11b…光源、23…支持フレーム、23d…ストッパー、24…駆動モーター、25…可動シェード、26…ピニオンギヤ、27…光遮蔽部、28…アーム部、29…ギヤ部、31…金属材料、32…樹脂材料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を出射する光源と、
前記光源から出射された光の一部を遮蔽可能な可動シェードと、
前記可動シェードを所定の方向へ移動自在に支持する支持フレームと、
前記可動シェードを移動させる駆動源となる駆動モーターと、
前記駆動モーターのモーター軸に固定されたピニオンギヤとを備え、
前記可動シェードに光源から出射された光を遮蔽する光遮蔽部と前記光遮蔽部に連続するアーム部と前記ピニオンギヤに噛合されたギヤ部とを設け、
前記光遮蔽部が板状の金属材料によって形成され、
前記アーム部の少なくとも一部が前記板状の金属材料と樹脂材料による少なくとも2層構造に形成され、
前記ギヤ部が前記樹脂材料によって前記アーム部の少なくとも2層構造とされた部分に連続して形成されると共に厚みが前記アーム部の厚み以上の厚さにされた
ことを特徴とする車輌用前照灯。
【請求項2】
前記支持フレームに前記可動シェードの移動を規制するストッパーが設けられ、
前記アーム部の前記金属材料によって形成された部分が前記ストッパーに接して前記可動シェードの移動が規制されるようにした
ことを特徴とする請求項1に記載の車輌用前照灯。
【請求項3】
前記アーム部の少なくとも2層構造にされた部分が前記金属材料と前記金属材料の厚み方向における両側にそれぞれ結合された前記樹脂材料とによって一体に形成された
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車輌用前照灯。
【請求項4】
前記金属材料としてアルミニウムメッキ鋼板を用いた
ことを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載の車輌用前照灯。
【請求項5】
前記樹脂材料としてポリアセタールを用いた
ことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4に記載の車輌用前照灯。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−74231(P2012−74231A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−217738(P2010−217738)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(000001133)株式会社小糸製作所 (1,575)
【Fターム(参考)】