説明

農作業車の旋回制御装置

【課題】個々の圃場条件に対応して旋回操作特性の調節を可能とするとともに、煩わしい調節操作を要することなく、元のままの旋回操作特性に切替えることができる農作業車の旋回制御装置を提供する。
【解決手段】農作業車の旋回制御装置は、旋回操作具の操作範囲の始端位置S0および終端位置Sfについてそれぞれ所定の制動出力A0,Abを規定する旋回操作特性C1を有し、この旋回操作特性C1に基づき旋回操作具の操作信号34に応じて旋回内側の走行手段の制動出力を制御指令する制御部31を備えて構成され、上記制御部31には、他の旋回操作特性C2を合わせて2つの旋回操作特性C1,C2を選択可能に設定し、それぞれの終端位置Sfの制動出力Ab,Bbは、対応して設けた設定入力具35a,35bからの信号により個別に設定変更可能に構成したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバイン等の農作業車に備えるクローラ等の旋回走行手段による旋回動作を制御する農作業車の旋回制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
左右のクローラの動力伝達を制御する農作業車の旋回制御装置は、例えば、本出願人が先に提案した特許文献1に示すように、旋回内側の伝動系に対してブレーキ力を加えることにより旋回内側クローラを抑速して旋回走行を可能とする。そのブレーキ力は、旋回操作具であるパワステレバー等の旋回レバーの左右の傾倒角度と対応して変化させる所定の旋回操作特性により、旋回レバーの操作に応じて旋回半径を調節することができる。
また、通常のブレーキ力特性を標準旋回モードとしてこれよりブレーキ力を弱く設定した緩旋回モードを設けてモードを切替可能に2つの旋回操作特性を設定することにより、走行抵抗の大きい湿田における旋回動作に対応することが可能となる。
【0003】
上記2つの旋回操作特性は、その一方について旋回操作具の操作範囲につき始端制動出力、中間制動出力、終端制動出力等によって規定し、これに基づいて他方の旋回操作特性を規定するほか、上記終端制動出力を設定するためのダイヤルを設けて最大傾倒操作時のブレーキ力を調節可能とすることにより、作業場所によって土壌の状況に差があっても、ダイヤル操作によりブレーキ力特性を調節して適切な旋回操作性を得ることができる。
【0004】
しかし、上記のように、ダイヤルによって旋回操作特性を変更調節すると、標準旋回モードおよび緩旋回モードの双方の特性が変動することから、標準旋回モードに切替えた際に不適切な旋回動作とならないように、再度ダイヤルによって調節操作する煩わしさを余儀なくされ、また、ダイヤル操作を失念した場合は、オペレータの意図と異なる旋回動作により、危険な事態を招くという問題があった。
【特許文献1】特開2004−26029号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
解決しようとする問題点は、個々の圃場条件に対応して旋回操作特性の調節を可能とするとともに、煩わしい調節操作を要することなく、元のままの旋回操作特性に切替えることができる農作業車の旋回制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、旋回操作具の操作範囲の始端位置および終端位置についてそれぞれ所定の制動出力を規定する旋回操作特性を有し、この旋回操作特性に基づき旋回操作具の操作信号に応じて旋回内側の走行手段の制動出力を制御指令する制御部を備える農作業車の旋回制御装置において、上記制御部には、他の旋回操作特性を合わせて2つの旋回操作特性を選択可能に設定し、それぞれの終端位置の制動出力は、対応して設けた設定入力具からの信号により個別に設定変更可能に構成したことを特徴とする。
【0007】
上記構成の旋回制御装置は、旋回操作具の操作信号を制御部に受けると、始端位置の制動出力と終端位置の制動出力とによって規定される旋回操作特性に沿った制御指令をすることにより、旋回操作具の操作に応じて機体が旋回動作し、この旋回動作は、2つの旋回操作特性からの選択により定まり、それぞれの終端位置の制動出力は設定入力具からの信号により個別に設定変更可能であることから、一方の旋回操作特性の設定を変更した後においても、他方の旋回操作特性は元のままに維持される。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1の構成において、前記制御部は、それぞれの旋回操作特性の始端位置の制動出力を個別変更可能に構成し、その変更範囲が対応の終端位置の制動出力を上限とすることを特徴とする。この旋回制御装置は、旋回操作特性の始端位置の制動出力の個別変更により幅広い圃場条件に対応することができ、かつ、変更範囲が終端位置の制動出力を上限として規制される。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の構成により、機体の旋回動作は2つの旋回操作特性からの選択により定まり、それぞれの終端位置の制動出力は設定入力具からの信号により個別に設定変更可能であることから、一方の旋回操作特性の設定を変更した後においても、他方の旋回操作特性は元のままに維持される。したがって、一方の旋回操作特性をオペレータが設定変更することにより個々の圃場条件に合わせた旋回動作が可能となり、その後の通常の移動走行等において他方の旋回操作特性を選択することにより、先の設定変更操作の影響を受けることなく、元のままの旋回操作性により安定した旋回動作が確保される。
【0010】
請求項2の構成により、旋回操作特性の始端位置の制動出力の個別変更によって幅広い圃場条件に対応することができ、その場合に、変更範囲が終端位置の制動出力を上限として規制されることから、始端位置の制動出力の変更の際の誤操作があっても過大な制動出力の設定が防止されるので、旋回操作具の僅かな操作で急旋回となるような不安定な旋回動作を回避することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
上記技術思想に基づき具体的に構成された実施の形態について以下に図面を参照しつつ説明する。
本発明の農作業車の旋回制御装置を適用するコンバインは、例えば、図1に示すように、圃場から穀稈を刈取る刈取部A、刈取った穀稈を受けて脱穀選別する脱穀部B、脱穀選別された籾を貯留する収納部C、貯留された籾を機外に排出する搬出部D等の作業機と、走行手段である左右のクローラE,Eと、作業機稼動および機体走行を操作するための操縦部F等を備える。この機体内には、図示せぬ原動機とその動力を受けて左右のクローラE,E等を駆動制御する走行伝動装置、旋回制御装置等を備える。
【0012】
上記コンバインの走行伝動装置は、旋回走行によって機体の進行方向を変える場合には、左右のクローラE,Eの旋回内側の回転を調節するべく、走行伝動装置の旋回調節部において、左右の走行系の旋回内側の回転伝動を走行伝動系から旋回調節系に切り替え、この旋回調節系に設けた切替クラッチを介して旋回内側の回転速度を調節する。
【0013】
具体的には、走行伝動装置1は、その展開断面図を図2に示すように、原動機動力を前後進可能に無段変速する静圧流体式無段変速部(HST)2の変速動力を受ける入力軸3からその動力伝達を受けて伝動を切り替える伝動切替部材5を摺動可能に支持する副変速軸6と、伝動切替部材5により多段変速出力する副変速カウンタ軸7と、その動力を左右の伝動系に係脱可能に分岐する左右のサイドクラッチギヤ8,8を軸支するサイドクラッチ軸9と、このサイドクラッチ軸9から直進用と旋回用の高低2速を出力するギヤ9a,9bの伝動を切替える予圧型の2連クラッチ(切替クラッチ)10a,10bを備える切替クラッチ軸11と、この切替クラッチ軸11の出力ギヤ11gをデフケース12cに受ける差動機構12と、この差動機構12の両側に差動出力する左右の差動ギヤ13,13、および、左右のサイドクラッチギヤ8,8とそれぞれ噛合する左右の出力ギヤ14,14と、この左右の出力ギヤ14,14から減速伝動される左右の走行軸15,15等を備えて構成される。
【0014】
上記構成の走行伝動装置1は、伝動切替部材5により選択された副変速速度において、左右のサイドクラッチギヤ8,8から左右の出力ギヤ14,14を経て左右の走行軸15,15を同速に伝動して直進走行を行い、この時、差動機構12を同期させるために、切替クラッチ軸11に高速のギヤ9aの出力を受ける。また、旋回走行に際しては、左右それぞれの操作方向に傾倒範囲を有する旋回操作具として操縦部Fに設けた所謂パワステレバーを旋回内側方向に傾倒操作することにより、制御部が旋回内側のサイドクラッチギヤ8の伝動を遮断するとともに、2連クラッチ10a,10bの注入圧力を制御することにより、減速動力が差動機構12のデフケース12cに伝動され、旋回内側の差動ギヤ13から走行軸15に到る伝動系が調節される。
【0015】
上記走行伝動装置1による旋回調節は、サイドクラッチ軸9の旋回用の低速ギヤ9bによる減速範囲内で、2連クラッチ10a,10bへの注入圧力に応じて定められる内外側の伝動速度差に応じた旋回半径で機体旋回が可能となる。すなわち、旋回操作と対応して旋回内側のサイドクラッチギヤ8による伝動が遮断されるとともに、切替クラッチ軸11によってデフケース12cへの入力が減速制御され、旋回内側の伝動速度が外側より低速の緩旋回から、旋回内側を停止速(速度ゼロ)とするブレーキ旋回、旋回内側が外側伝動系と逆方向とするスピン状の急旋回までの範囲でパワステレバーの操作により機体旋回が可能となる。
【0016】
具体的には、左右の回転速度は、図10の回転速度線図に示すように、旋回外側のサイドクラッチギヤ8から差動ギヤ13に入力される基準回転に対し、切替クラッチ軸11の減速制御による減速回転がデフケース12cに入力されることにより旋回内側の差動ギヤ13は2倍の速度差で減速制御される。したがって、切替クラッチ軸11が旋回外側の基準回転の半分の減速回転で旋回内側の差動ギヤ13は停止し、さらに減速することによって逆転速(例えば、外側速度の1/3)となる。この内側の差動ギヤ13と対応して内側の走行クローラEの回転速度が制御され、外側の走行クローラEに対して減速された緩旋回から、停止によるブレーキ旋回、逆回転の急旋回までの範囲で機体が旋回走行制御される。
【0017】
上記走行伝動装置1を制御する旋回制御装置の制御部31は、図3の制御系統図に示すように、旋回モードを標準と湿田に切替操作するための旋回モードスイッチ32、旋回操作具の傾倒操作を検出するためのパワステレバーポジションセンサ34、標準モードブレーキ圧(終端位置の制動出力)を調節設定するための設定入力具である調整ダイヤル35a、緩旋回モードブレーキ圧(終端位置の制動出力)を調節設定するための設定入力具である調整ダイヤル35b、始端位置の制動出力をセットするための標準初期ブレーキ力セット用の設定入力具であるダイヤル39等の信号を入力し、切替クラッチ10a,10bへの注入圧力を調節する比例弁10v、右または左のサイドクラッチ8,8を係脱制御するためのサイドクラッチ制御弁8v等を接続して制御出力する。
【0018】
制御部31は、パワステ傾倒の方向、角度等の検出信号により旋回操作状況を判定するパワステ操作検出手段31a、制御油圧(制動出力)を旋回操作特性に沿って決定する旋回用油圧出力制御決定手段31bを中心に、入力信号処理部31c、制御機器駆動部31d等を備えて構成する。
【0019】
上記制御部31は、パワステレバーポジションセンサ34の信号と対応して比例弁10v等を制御することにより、パワステによる左右方向の傾倒操作角度に応じて切替クラッチ10a,10bへの注入圧力を変化させ、左右の伝動系が同速の直進走行から片側の伝動系を抑速し、所定の旋回操作特性に沿って旋回走行の制御処理をする。
【0020】
制御部31による旋回操作特性は、図4の特性図(構成例1)に示すように、旋回操作具の傾倒操作範囲において、中立不感帯を越えた初期角度位置(始端位置)S0から最大角度位置(終端位置)Sfまでの各傾倒角度位置における制動出力と対応する比例弁10vの駆動電流Aを定めた特性線により表される。また、各種の条件に合わせて旋回制御するために、上記特性線を変更可能とし、または、特性線を複数種類を設定して選択切替え可能に制御部を構成する。
【0021】
具体的には、主として移動走行のための標準モードのほかに、主として湿田における機体旋回用の緩旋回モードの2つの旋回操作特性を切替え可能に設定する。標準モードでは、左右各側の傾倒操作範囲の始端S0と終端Sfの角度位置と対応して始端位置の制動出力である初期作動圧電流A0から終端位置の制動出力であるブレーキ作動圧電流Abまで一様に変化し、最大角度位置Sfの近傍位置Sbで一定となる標準モード特性線C1を設定する。緩旋回モードでは、初期作動圧電流B0からブレーキ作動圧電流Bbまで標準モードより小さく抑えて一様に変化、最大角度位置Sfの近傍位置Sbで一定となる緩旋回モード特性線C2を設定し、これをモード切替スイッチ32のオン操作と対応して切替えを行うように構成する。
【0022】
これら両モード特性線C1,C2における終端位置の制動出力Ab、Bbは、それぞれ対応する調整ダイヤル35a,35bの調節操作によって所定の増減範囲Fa,Fbで設定値を個別に変更可能に構成する。この場合、緩旋回モードのブレーキ作動圧電流Bbについて標準モードのブレーキ作動圧電流Abを上限として規制処理することにより、不適切な調節操作を防止する。
【0023】
上記構成の旋回制御装置は、旋回操作具の操作信号34を制御部31に受けると、初期作動圧電流A0,B0とブレーキ作動圧電流Ab,Bbとによって規定される旋回操作特性に沿った制御指令をすることにより、旋回操作具の操作に応じて機体が旋回動作する。その旋回動作は、2つの旋回操作特性C1,C2からの選択により定まり、それぞれの終端位置の制動出力Ab,Bbは調整ダイヤル35a,35bからの信号により個別に設定変更可能であることから、旋回操作特性C1,C2の一方の設定を変更した後においても、他方の旋回操作特性は元のままに維持される。
【0024】
したがって、一方の旋回操作特性をオペレータが設定変更することにより圃場条件に合わせた旋回動作が可能となり、その後の通常の移動走行等において他方の旋回操作特性を選択することにより、先の設定変更操作の影響を受けることなく、元のままの操作性により安定した旋回操作が確保される。
【0025】
次に、上記旋回操作特性の別の変更調節態様を図5の特性図(構成例2)により説明する。
標準モードの上記旋回操作特性についてブレーキ作動圧電流Abを調整ダイヤル35aにより調節可能とし、さらにオペレータの好みに応じた調整ができるように、所定の中間位置Smにおける制動出力である中間作動圧電流Amをダイヤルにより所定の増減範囲Mで変更可能に構成する。
また、増減範囲Mは、図6の特性図(構成例3)に示すように、ブレーキ作動圧電流Abを上限として規制するように構成することにより、ダイヤルによる不適正な調整操作を防止することができる。さらに、上記中間作動圧電流Amに代えて初期作動圧電流A0をダイヤル調整する構成についても同様に、自由度の高い旋回操作特性を設定することができる。
【0026】
次に、コンバイン等の農作業機の機能制御について説明する。
農作業機41は、図7(a)に示すように、GPSアンテナ42を取付けて位置検出用のGPS受信機を搭載し、運転台のメータに表示した図7(b)のメニュー43により、その検出位置に応じて特定の制御を実行するかどうかの決定、例えば、位置連動制御のオン、オフを選択操作により設定可能に構成する。メニュー43は、操作性を向上するべく、メータに代えて液晶等のモニタ画面により簡単な操作が可能となる。
【0027】
その具体的な入出力制御構成は、図8の系統図に示すように、制御部44に対してGPSアンテナ42に信号を受けてGPS受信機による位置信号を入力し、ほかにメニュー43の切替や選択等の操作信号43m、機器制御用のスイッチ・センサ類44sを入力とし、メータによるメニュー43の表示及び機器制御のソレノイド・リレー類44aに制御出力するように構成する。
【0028】
農作業機41は、特定の場所、例えば圃場の外においては、農作業特有の動作はできるだけ規制して安全を図る必要がある。しかし、オペレータの誤操作により動作させてしまったり、あるいは逆に圃場以外でも動作させることが必要な場合もあるので、上記のように農作業機41を構成することにより、各種の機器制御を位置連動で行うかどうかを設定することができるので、適応性を向上することができる。
【0029】
例えば、機体41が圃場から一定以上離れている場合は、無線による排出オーガ操作を規制することにより、路上走行中に誤操作によりオーガが動く事態が回避されて安全性を向上することができる。また、メンテナンスのためのチェックスイッチが入りの時は、機体の位置に関係なく、制御動作を可能にしてメンテナンス対応性を確保することができる。
【0030】
そのほか、機体位置の判定により、機体位置が路上であって、かつ、作業圃場から一定距離以上離れている場合に急旋回や緩旋回を規制して標準旋回に固定する。急旋回および緩旋回はスピン旋回、マイルド旋回と通称されていずれも圃場作業対応のための旋回特性が設定されていることから、これらを路上走行と対応して規制することにより、誤操作に起因する不適切な旋回動作を回避することができるので、安全性を向上することができる。
【0031】
つぎに、車体水平制御の取扱いについて説明する。
車体水平制御に関する制御系統図を図9に示すように、制御部51に対して傾斜センサ52と方位センサ53の検出信号を入力し、制御出力54により走行支持部に対して機体の支持角度を油圧シリンダで調節する。方位センサ53は磁気抵抗効果素子等により小型高性能に構成することができる。制御部51は、機体が傾斜すると傾斜センサ52の信号に応じて油圧シリンダによって機体を水平に保持し、さらに方位センサ53の出力が一定角度以上に大きく変化している時は機体の旋回動作中と判定し、車体水平制御を停止して地面の傾斜に沿う中立状態に固定する。
【0032】
上記車体水平制御は刈取り走行中の圃場の傾斜に対して脱穀動作を安定化するためのものであり、また、機体の旋回中は傾斜センサに作用する遠心力が原因となって車体水平制御が誤動作するので、上記のように場合に応じて車体水平制御機能を制御することにより、安定した旋回が可能となる。
また、傾斜センサ52は方位センサ53と組み合わせ、遠心力に応じて傾斜検出を補正するように構成することにより、旋回中の誤動作を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の農作業車用旋回制御装置を適用したコンバインの側面図である。
【図2】旋回調節部を備える農作業車用旋回制御装置の展開断面図である。
【図3】旋回制御装置の制御部の制御系統図である。
【図4】旋回操作特性図(構成例1)である。
【図5】旋回操作特性図(構成例2)である。
【図6】旋回操作特性図(構成例3)である。
【図7】農作業機(a)と制御操作用メニュー(b)である。
【図8】農作業機の機能制御の構成図(a)及び操作メニューの表示例(b)である。
【図9】車体水平制御に関する制御系統図である。
【図10】旋回時の左右の回転速度線図である。
【符号の説明】
【0034】
1 走行伝動装置
8v サイドクラッチ制御弁
10v 切替クラッチ比例弁
31 制御部
31a パワステ操作検出手段
31b 旋回用油圧出力制御決定手段
32 モード切替スイッチ
34 パワステレバーポジションセンサ
35a,35b 調整ダイヤル(設定入力具)
39 調整ダイヤル
A0,B0 初期作動圧電流(始端位置の制動出力)
Ab,Bb ブレーキ作動圧電流(終端位置の制動出力)
Am 中間作動圧電流
C1 標準モード特性線
C2 緩旋回モード特性線
F1,F2 増減範囲
S0 始端位置
Sf 終端位置
Sm 中間位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
旋回操作具の操作範囲の始端位置および終端位置についてそれぞれ所定の制動出力を規定する旋回操作特性を有し、この旋回操作特性に基づき旋回操作具の操作信号に応じて旋回内側の走行手段の制動出力を制御指令する制御部を備える農作業車の旋回制御装置において、上記制御部には、他の旋回操作特性を合わせて2つの旋回操作特性を選択可能に設定し、それぞれの終端位置の制動出力は、対応して設けた設定入力具からの信号により個別に設定変更可能に構成したことを特徴とする農作業車の旋回制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、それぞれの旋回操作特性の始端位置の制動出力を個別変更可能に構成し、その変更範囲が対応の終端位置の制動出力を上限とすることを特徴とする請求項1記載の農作業車の旋回制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−232067(P2006−232067A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−48797(P2005−48797)
【出願日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】