通信用基板
【課題】2D−DST技術を用いた通信用基板において、基板端面における電磁波の反射、漏洩を防止する通信基板を提供する。
【解決手段】第1導電層および第2導電層と、前記両層に電気的に接続された複数の通信素子と、前記両層の間に配置される信号伝達層23と、を備え、複数の通信素子は無線信号を送受信する機能を有し、前記両層はそれぞれシート状部材で形成されており、且つ信号伝達層23よりも所定量突出した外周部を有し、前記両層の外周部は、第1導電層と第2導電層とにより略くさび形状の領域が形成されるように互いに近接して配置されている通信用基板20である。
【解決手段】第1導電層および第2導電層と、前記両層に電気的に接続された複数の通信素子と、前記両層の間に配置される信号伝達層23と、を備え、複数の通信素子は無線信号を送受信する機能を有し、前記両層はそれぞれシート状部材で形成されており、且つ信号伝達層23よりも所定量突出した外周部を有し、前記両層の外周部は、第1導電層と第2導電層とにより略くさび形状の領域が形成されるように互いに近接して配置されている通信用基板20である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数の通信素子を用いて信号を中継することにより信号を伝達可能な通信用基板に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の素子を用いて信号を中継することにより信号を伝達させる通信装置が特許文献1に開示されている。
【0003】
特許文献1に記載の通信装置は、第1信号層および第2信号層と、これらの層に電磁的に接続する通信素子と、これらの層の間に配置される誘電層を備える。通信素子は、第1信号層および第2信号層の間で電気的または光学的に電磁場を発生させ、隣接する通信素子は、その電磁場の変化により信号を観測する。通信装置では、個別の配線を形成することなく、複数の素子が信号を中継することにより信号を伝達することができる。
【0004】
また、導電シートと、該導電シート上に散在され該導電シートを利用して近接した通信モジュールに信号を伝達していく複数の通信モジュールとにより構成される技術は、2次元拡散信号伝送(2D−DST)テクノロジとして知られている(特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2004−242220号公報
【特許文献2】特開2005−245937号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
2D−DST技術を用いている特許文献1に記載のような通信装置においては、通信素子から発信された電磁波は、隣接する通信素子だけではなく、誘電層の端部、すなわち、通信装置の端部にまで到達する場合も生じうる。
【0007】
もし、通信装置の端部が開放状態であり、装置外部に対して誘電層が露出していれば、電磁波の漏洩が懸念される。また、通信装置の端部が何らかの手段で塞がれていたとしても、今度は電磁波が反射してしまう。電磁波が誘電層の端部で反射されると、通信素子が不要な電磁波を検出する場合も生じるので、通信素子の受信性能の劣化が懸念される。
【0008】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、2D−DST技術を用いた通信用基板において、基板端面における電磁波の反射、漏洩を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明では、第1導電層および第2導電層と、前記両層に電気的に接続された複数の通信素子と、前記両層の間に配置される信号伝達層と、を備え、前記複数の通信素子は無線信号を送受信する機能を有し、前記両層はそれぞれシート状部材で形成されており、且つ前記信号伝達層よりも所定量突出した外周部を有し、前記両層の外周部は、前記第1導電層と前記第2導電層とにより略くさび形状の領域が形成されるように互いに近接して配置されていることを特徴とする通信用基板を提供する。
【0010】
したがって、本発明では、電磁波(無線信号)を伝達する信号伝達層を挟む2つの導電層が、外周部付近において、ほぼくさび形状の領域を形成する。すなわち、導電層により、基板の周囲にくさび形状の領域を有する電波吸収体が形成されるため、通信素子から発信される電磁波は減衰され、その結果反射および漏洩が防止される。
【0011】
また、本発明に係る通信用基板では、前記第1導電層の外周部には少なくとも一つの切り欠き部が形成されており、前記第2導電層の外周部には前記第1導電層の外周部の切り欠き部が形成されていない位置に対応するように切り欠き部が形成されており、前記第1導電層の外周部と前記第2導電層の外周部とが互いに接触しないように、前記切り欠き部を利用して交差することにより前記略くさび形状の領域が形成されていることを特徴とする。したがって、本発明では、電磁波(無線信号)を伝達する信号伝達層を挟む2つの導電層が、外周部付近において、切り欠き部を交互に組み合わせることにより、巨視的なくさび形状の領域を形成する。2つの導電層が接触することなく巨視的なくさび形状の領域を形成することができる。すなわち、導電層により、基板の周囲にくさび形状の領域を有する電波吸収体が形成されるため、通信素子から発信される電磁波は減衰され、その結果反射および漏洩が防止される。
【0012】
また、本発明の通信用基板では、前記第1導電層の外周部と前記第2導電層の外周部とが交差している位置よりもさらに外縁部において、前記第1導電層と前記第2導電層との間に絶縁部材が介挿されている。また、少なくとも前記第1導電層の外周部と前記第2導電層の外周部とを覆うような絶縁保護部材を設けてもよい。
【0013】
或いは、前記第1導電層と前記第2導電層における前記信号伝達層と反対側の面はそれぞれ絶縁層で覆われており、前記第1導電層の外周部と前記第2導電層の外周部は、前記第1導電層の外周部と前記第2導電層の外周部とが交差している位置よりもさらに外縁部において、前記第1導電層は前記第2導電層を覆う絶縁層へ接触するように、前記第2導電層は前記第1導電層を覆う絶縁層へ接触するように、それぞれ折り返されている状態とする構成としてもよい。
【0014】
また、前記第1導電層の外周部と前記第2導電層の外周部の切り欠かれていない部分の形状が、外周方向にいくほど幅が狭くなるようにしてもよい。また、前記信号伝達層は、誘電体である。
【発明の効果】
【0015】
したがって、本発明では、2D−DST技術を用いた通信用基板において、基板端面における電磁波の反射、漏洩を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明に係る通信用基板について説明する。
【0017】
図1は、通信用基板1の概略図である。通信用基板1は、通信チップ10と、基板20とを有する。また、通信用基板1には制御装置30が接続される。制御装置30は、通信用基板1全体を制御する機能を有する。通信用基板1は、例えば、カプセル内視鏡の被験者の着衣に用いられる(特許文献1参照)。そして、通信チップ10は、カプセル内視鏡からの無線画像信号を受信することができるように、基板20から突出するように配置されている。本発明の実施形態においては、通信用基板1および制御装置30は、主にカプセル内視鏡の被験者の着衣に用いられるものとして説明を行うが、それらの実施に限定されるものではない。有線の回路なしで、通信チップ10を介して信号を伝送していくという通信用基板1の特徴は、様々な情報の伝送手段として利用可能である。
【0018】
通信チップ10は、基板20上に散在されており、それぞれの通信チップ10は、他の通信チップ10或いは制御装置30と通信可能である。なお、本発明の実施形態においては、全通信チップ10が制御装置30と通信可能であるように構成されている。通信チップ10は後述するように基板20内のみ伝達可能な無線信号により通信を行う。通信チップ10の通信可能範囲は、基板20内に円状に広がる2次元的な領域となる。したがって、通信チップ10により発信される無線信号は、他の通信チップ10や通信制御装置30だけではなく、基板20の端部にも到達し得る。
【0019】
図2は、通信チップ10の機能ブロック図である。通信用基板1が例えば、カプセル内視鏡の被験者の着衣に用いられる場合、各通信チップ10には、カプセル内視鏡からの無線画像信号を受信するためのアンテナが設けられる。その無線画像信号を受信した通信チップ10から制御装置30へと画像信号が伝送される。例えば、通信チップ10は画像信号をデジタル化し、パケットとして伝送することができる。
【0020】
通信チップ10は、当該通信チップ10全体の制御を司る制御部11と、当該通信チップ10の各種データが記憶されるメモリ12と、他の通信チップ10或いは制御装置30との通信を果たす為の通信部13、所定周波数の電波の送受信を行うアンテナ14とを有する。例えば、通信チップ10は、アンテナ14によりカプセル内視鏡からの無線画像信号を受信することができる。また、通信チップ10は、通信部13により、無線信号を送受信することができる。
【0021】
図3は、制御装置30の機能ブロック図である。制御装置30は、制御部30の機能を司る制御部31と、制御装置30および通信用基板1の電源として機能する電源32と、通信チップ10と通信する為の通信部33と、各種制御用プログラムや取得した情報が記憶されるメモリ34と、取得した画像信号をモニタで表示できるよう処理を加える信号処理部35と、外部機器との接続及び当該外部機器への情報の出力をする為のインターフェイス部36とを有する。各通信チップ10において取得された画像信号等の情報は、この制御装置30の制御に集約される。
【0022】
図4は、通信用基板1の部分断面図であり、端部付近を示したものである。基板20は、第1絶縁層21と、電源層22と、誘電体層23と、グランド層24と、第2絶縁層25と、第3絶縁層26とを有する。基板20に含まれる各層は可撓性を有している。なお、誘電体層23および第3絶縁層26はある程度剛性を有していても良い。
【0023】
第1絶縁層21と第2絶縁層は絶縁性を有するシート状部材である。電源層22とグランド層24は、導電性を有するシート状部材である。或いは、導電性メッシュ等の部材である。誘電体層23は、電源層22およびグランド層24と密着するように挟持されている。本発明の実施形態では、通信用基板1内の通信チップ10により出力される無線信号(電磁波)が制御装置30に到達することができる程度に、誘電体層23の誘電率が設定されている。
【0024】
また、電源層22および第1絶縁層21には、通信チップ10を配置するための開口部が設けられている。すなわち、通信チップ10は、電源層22および第1絶縁層21を貫通して、誘電体層23に接するように配置されている。そして、通信チップ10は、電極15、電極16を有し、電極15が電源層22に、電極16がグランド層24にそれぞれ接続されている。通信チップ10は、電源層22およびグランド層24を介して、制御装置30から電源供給を受ける。また、通信チップ10の通信部13は、誘電体層23に接する位置に設けられており、誘電体層23に無線信号を送信しおよび誘電体層23から無線信号を受信することができる。
【0025】
基板20のうち、誘電体層23よりも外縁側の部位を外周部20aと称すものとする。なお、図4は、外周部20aの一端のみ示している。例えば、基板20が四角形状であれば、外周部20aは4箇所存在する。
【0026】
以下、説明上の便宜を図るため、第1絶縁層21と電源層22をあわせて上層122と称すものとし、また、グランド層24と第2絶縁層25をあわせて下層124と称すものとする。
【0027】
外周部20aには層交差部20bが形成されている。層交差部20bとは、上層122と下層124とが、図4の断面に垂直な方向からみて交差している部分をいう。層交差部20aよりも基板20の外周側では、第1絶縁層21と第2絶縁層25がそれぞれ、電源層22とグランド層24よりも、基板20の厚み方向内側に配置される。そして、第1絶縁層21と第2絶縁層25の間には、第1絶縁層21と第2絶縁層25を固定する目的で第3絶縁層26が設けられている。第3絶縁層26は、基板20の外周縁に沿って延びた形状を有する。また、第3絶縁層26は、層交差部20bにおける、上層122と下層124の形状を維持することができる。
【0028】
図5は基板20の部分断面斜視図であり、図6は上層122および下層124の形状を示す図である。なお、両図において通信チップ10の図示は省略している。また、図5は、上層122と下層124と誘電体層23とをそれぞれ分離して示しているが、説明の都合上そのように図示しているのみであって、実際にはそれらは接触している。
【0029】
外周部20aでは、上層122および下層124は、すだれ状に切り欠かれた形状を有している。上層は凸部122aと凹部122bとを有する。下層は凸部124aと凹部124bとを有する。外周部20aでは、上層122の凸部122aが下層124の凹部124bに、上層122の凹部122bが下層124の凸部124aにそれぞれ対応するように形成されている。したがって、層交差部20bでは、図5に示すように上層122と下層124とを互い違いに交差して配置可能である。
【0030】
なお、上層122および下層124では、凸部の幅は対向する層の凹部の幅よりも若干狭くなるように形成されている。すなわち、上層122の凸部122aの幅は下層124の凹部124bの幅よりも狭く、下層124の凸部124aの幅は上層122の凹部122bの幅よりも狭くなるように形成されている。このようにすることにより、層交差部20bにおいて、電源層22とグランド層24とが接触せず、ショートを防止することができる。
【0031】
また、上層122の凸部122aにおいて、電源層22の幅を第1絶縁層21の幅よりも若干狭くして電源層22が内側に配置されるように構成されていてもよい。同様に、下層124の凸部124aにおいて、グランド層24の幅を第2絶縁層25の幅よりも若干狭くしてグランド層24が内側に配置されるように構成されていてもよい。そのようにすれば、層交差部20bにおいて、上層122の凸部122aと下層124の凸部124aが接触したとしても、電源層22とグランド層24とが接触せずショートを防止することができる。
【0032】
図7は、通信用基板1における電磁波に対する効果を説明するための図である。通信用基板1では、電波暗室等に用いられる電波吸収体の原理を利用している。電波吸収体は居一般的にピラミッド形状やくさび形状を有している。例えば、くさび形状の電波吸収体が複数配列されている電波暗室では、くさび形状の電波吸収体の間に形成されるくさび形状の領域により電波を次第に吸収することができる。また、一般的に電波吸収体は、有機発泡体にカーボン等の導電性材料を混合または含浸させることにより形成されている。
【0033】
通信用基板1では、通信チップ10の通信部13から電磁波Eが出力される。電磁波Eは、誘電体層23中を平面的に伝播する。通信用基板1では、層交差部20bは巨視的に見れば、上層122と下層124とにより、くさび形状の領域が形成されている。すなわち、例えば、本発明の実施形態では、通信チップ10による無線信号は2.4GHz帯域を使用しているためその波長は125mm程度である。また、通信用基板1を被験者の着衣として使用する場合には、基板10のサイズは600mm×300mm程度となる。したがって、使用される波長よりも小さい数mmから数cmの幅の凸部122a(124a)を形成すれば、巨視的には、層交差部20bはくさび形状の領域とみなすことができる。
【0034】
さらに、電源層22およびグランド層24は導電材料で形成されているため、層交差部20bに形成されるくさび形状の領域により電磁波Eを吸収することができる。よって、通信用基板1の周囲に層交差部20bを形成すれば、電磁波Eの漏洩および反射を防止することができる。
【0035】
図8は、本発明の通信用基板の第二の実施形態を示す図である。図8では、図4から図7に示す通信用基板1と同一の部材については同一の符号を付し重複する説明を省略する。
【0036】
通信用基板201は、通信用基板1に絶縁保護部材202を設けた構成を有する。絶縁保護部材202は、基板20の外縁に沿って延びており外周部20aを完全に覆うような形状を有している。絶縁保護部材202は、例えば樹脂等により成型された部材であってある程度の剛性を有していても良い。通信用基板201では、絶縁保護部材202を用いることにより、電源層22およびグランド層24が通信用基板201の外部に露出しない。また、層交差部20bの上層122と下層124の形状を保つことができる。
【0037】
図9は、本発明の通信用基板の第三の実施形態を示す図である。図9においても、図8同様、図4から図7に示す通信用基板1と同一の部材については同一の符号を付し重複する説明を省略する。
【0038】
通信用基板301は、通信用基板1において第3絶縁層26を省略した構成となる。すなわち、層交差部20bにおいて、上層122および下層124それぞれの凸部122aおよび凸部124aが、所定の曲率をもって、180度折り返されるよう構成されている。凸部122aの先端付近は下層124の表面に、凸部124aの先端付近は上層122の表面にそれぞれ貼り付けられる。なお、層交差部20bでは、上層122および下層124により形成されるくさび形状の領域が失われることがないように、凸部122aおよび凸部124aが折り返されている。このような構成とすれば、電源層22およびグランド層24が、通信用基板301の最表面に配置されず、第1絶縁層21および第2絶縁層25により覆われる。
【0039】
図10および図11は、本発明の通信用基板の第四の実施形態を示す図である。図10は、通信用基板401の一部を示す部分断面斜視図であり、図4から図7に示す通信用基板1と同一の部材については同一の符号を付し重複する説明を省略する。
【0040】
通信用基板401は、基板420と、通信チップ10(不図示)とを有する。そして、基板420は、上層422と、下層424と、誘電体層23と、第3絶縁層26とを有する。上層422は、上層122の外周部20aの形状のみ変更したものであり、同様に下層424も下層124の外周部20aの形状のみ変更したものである。
【0041】
図11は、図6同様、上層422および下層424の形状を示す図である。上層422は、端部に三角凸部422aと凹部422bとを有する。また、下層424も、端部に三角凸部424aと凹部424bとを有する。通信用基板401では、上層422の三角凸部422aが下層424の凹部424bに、上層422の凹部422bが下層424の三角凸部424aにそれぞれ対応するように形成されている。したがって、通信用基板401の層交差部420bでは、図10に示すように上層422と下層424とを互い違いに交差して配置可能である。このような構成とすれば、層交差部420bにおいて、三角凸部422aと424bとが接触しない。
【0042】
なお、上述の通信用基板201、301においても、通信用基板401の構成を採用することができる。すなわち、凸部122aおよび凸部124aを三角凸部422aおよび三角凸部424aに置換すればよい。
【0043】
また、通信用基板401においても、通信用基板201において採用した絶縁保護部材202の実施が可能であり、通信用基板301において採用した凸部の折り返しの実施が可能である。
【0044】
2D−DST技術を用いた通信用基板では、誘電体層を上下から2枚の導電層でサンドイッチし、誘電体層内で電磁波を伝播させる。通信素子による電磁波の伝送帯域は主に2.4GHzが使用される。通信用基板周辺部において、端面が露出していると、電磁波が漏洩してしまう。一方、基板端面で電磁波が反射を起こすとマルチパスなどにより信号の劣化が懸念される。
【0045】
また、2.4GHz帯域を使用しているためその波長は125mm程度である。一方、人体が着用することを前提としている通信用基板のサイズは600mm×300mm程度であり、基板サイズが1/2λ×N(整数)となる可能性が高い。そのため、基板外周部で電磁波の反射が発生した場合の悪影響は非常に大きい。本発明に係る通信用基板では、基板の端面における電磁波の反射を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施形態の通信用基板1の概略図である。
【図2】通信チップ10の機能ブロック図である。
【図3】制御装置30の機能ブロック図である。
【図4】通信用基板1の断面図である。
【図5】基板20の部分断面斜視図である。
【図6】上層122および下層124の形状を示す図である。
【図7】電磁波の減衰(吸収)を模式的に示す図である。
【図8】本発明の通信用基板の第二の実施形態を示す図である。
【図9】本発明の通信用基板の第三の実施形態を示す図である。
【図10】本発明の通信用基板の第四の実施形態を示す図である。
【図11】本発明の通信用基板の第四の実施形態を示す図である。
【符号の説明】
【0047】
1,201,301,401 通信用基板
10 通信チップ
20 基板
21 第1絶縁層
22 電源層
23 誘電体層
24 グランド層
25 第2絶縁層
26 第3絶縁層
30 制御装置
202 絶縁保護部材
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数の通信素子を用いて信号を中継することにより信号を伝達可能な通信用基板に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の素子を用いて信号を中継することにより信号を伝達させる通信装置が特許文献1に開示されている。
【0003】
特許文献1に記載の通信装置は、第1信号層および第2信号層と、これらの層に電磁的に接続する通信素子と、これらの層の間に配置される誘電層を備える。通信素子は、第1信号層および第2信号層の間で電気的または光学的に電磁場を発生させ、隣接する通信素子は、その電磁場の変化により信号を観測する。通信装置では、個別の配線を形成することなく、複数の素子が信号を中継することにより信号を伝達することができる。
【0004】
また、導電シートと、該導電シート上に散在され該導電シートを利用して近接した通信モジュールに信号を伝達していく複数の通信モジュールとにより構成される技術は、2次元拡散信号伝送(2D−DST)テクノロジとして知られている(特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2004−242220号公報
【特許文献2】特開2005−245937号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
2D−DST技術を用いている特許文献1に記載のような通信装置においては、通信素子から発信された電磁波は、隣接する通信素子だけではなく、誘電層の端部、すなわち、通信装置の端部にまで到達する場合も生じうる。
【0007】
もし、通信装置の端部が開放状態であり、装置外部に対して誘電層が露出していれば、電磁波の漏洩が懸念される。また、通信装置の端部が何らかの手段で塞がれていたとしても、今度は電磁波が反射してしまう。電磁波が誘電層の端部で反射されると、通信素子が不要な電磁波を検出する場合も生じるので、通信素子の受信性能の劣化が懸念される。
【0008】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、2D−DST技術を用いた通信用基板において、基板端面における電磁波の反射、漏洩を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明では、第1導電層および第2導電層と、前記両層に電気的に接続された複数の通信素子と、前記両層の間に配置される信号伝達層と、を備え、前記複数の通信素子は無線信号を送受信する機能を有し、前記両層はそれぞれシート状部材で形成されており、且つ前記信号伝達層よりも所定量突出した外周部を有し、前記両層の外周部は、前記第1導電層と前記第2導電層とにより略くさび形状の領域が形成されるように互いに近接して配置されていることを特徴とする通信用基板を提供する。
【0010】
したがって、本発明では、電磁波(無線信号)を伝達する信号伝達層を挟む2つの導電層が、外周部付近において、ほぼくさび形状の領域を形成する。すなわち、導電層により、基板の周囲にくさび形状の領域を有する電波吸収体が形成されるため、通信素子から発信される電磁波は減衰され、その結果反射および漏洩が防止される。
【0011】
また、本発明に係る通信用基板では、前記第1導電層の外周部には少なくとも一つの切り欠き部が形成されており、前記第2導電層の外周部には前記第1導電層の外周部の切り欠き部が形成されていない位置に対応するように切り欠き部が形成されており、前記第1導電層の外周部と前記第2導電層の外周部とが互いに接触しないように、前記切り欠き部を利用して交差することにより前記略くさび形状の領域が形成されていることを特徴とする。したがって、本発明では、電磁波(無線信号)を伝達する信号伝達層を挟む2つの導電層が、外周部付近において、切り欠き部を交互に組み合わせることにより、巨視的なくさび形状の領域を形成する。2つの導電層が接触することなく巨視的なくさび形状の領域を形成することができる。すなわち、導電層により、基板の周囲にくさび形状の領域を有する電波吸収体が形成されるため、通信素子から発信される電磁波は減衰され、その結果反射および漏洩が防止される。
【0012】
また、本発明の通信用基板では、前記第1導電層の外周部と前記第2導電層の外周部とが交差している位置よりもさらに外縁部において、前記第1導電層と前記第2導電層との間に絶縁部材が介挿されている。また、少なくとも前記第1導電層の外周部と前記第2導電層の外周部とを覆うような絶縁保護部材を設けてもよい。
【0013】
或いは、前記第1導電層と前記第2導電層における前記信号伝達層と反対側の面はそれぞれ絶縁層で覆われており、前記第1導電層の外周部と前記第2導電層の外周部は、前記第1導電層の外周部と前記第2導電層の外周部とが交差している位置よりもさらに外縁部において、前記第1導電層は前記第2導電層を覆う絶縁層へ接触するように、前記第2導電層は前記第1導電層を覆う絶縁層へ接触するように、それぞれ折り返されている状態とする構成としてもよい。
【0014】
また、前記第1導電層の外周部と前記第2導電層の外周部の切り欠かれていない部分の形状が、外周方向にいくほど幅が狭くなるようにしてもよい。また、前記信号伝達層は、誘電体である。
【発明の効果】
【0015】
したがって、本発明では、2D−DST技術を用いた通信用基板において、基板端面における電磁波の反射、漏洩を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明に係る通信用基板について説明する。
【0017】
図1は、通信用基板1の概略図である。通信用基板1は、通信チップ10と、基板20とを有する。また、通信用基板1には制御装置30が接続される。制御装置30は、通信用基板1全体を制御する機能を有する。通信用基板1は、例えば、カプセル内視鏡の被験者の着衣に用いられる(特許文献1参照)。そして、通信チップ10は、カプセル内視鏡からの無線画像信号を受信することができるように、基板20から突出するように配置されている。本発明の実施形態においては、通信用基板1および制御装置30は、主にカプセル内視鏡の被験者の着衣に用いられるものとして説明を行うが、それらの実施に限定されるものではない。有線の回路なしで、通信チップ10を介して信号を伝送していくという通信用基板1の特徴は、様々な情報の伝送手段として利用可能である。
【0018】
通信チップ10は、基板20上に散在されており、それぞれの通信チップ10は、他の通信チップ10或いは制御装置30と通信可能である。なお、本発明の実施形態においては、全通信チップ10が制御装置30と通信可能であるように構成されている。通信チップ10は後述するように基板20内のみ伝達可能な無線信号により通信を行う。通信チップ10の通信可能範囲は、基板20内に円状に広がる2次元的な領域となる。したがって、通信チップ10により発信される無線信号は、他の通信チップ10や通信制御装置30だけではなく、基板20の端部にも到達し得る。
【0019】
図2は、通信チップ10の機能ブロック図である。通信用基板1が例えば、カプセル内視鏡の被験者の着衣に用いられる場合、各通信チップ10には、カプセル内視鏡からの無線画像信号を受信するためのアンテナが設けられる。その無線画像信号を受信した通信チップ10から制御装置30へと画像信号が伝送される。例えば、通信チップ10は画像信号をデジタル化し、パケットとして伝送することができる。
【0020】
通信チップ10は、当該通信チップ10全体の制御を司る制御部11と、当該通信チップ10の各種データが記憶されるメモリ12と、他の通信チップ10或いは制御装置30との通信を果たす為の通信部13、所定周波数の電波の送受信を行うアンテナ14とを有する。例えば、通信チップ10は、アンテナ14によりカプセル内視鏡からの無線画像信号を受信することができる。また、通信チップ10は、通信部13により、無線信号を送受信することができる。
【0021】
図3は、制御装置30の機能ブロック図である。制御装置30は、制御部30の機能を司る制御部31と、制御装置30および通信用基板1の電源として機能する電源32と、通信チップ10と通信する為の通信部33と、各種制御用プログラムや取得した情報が記憶されるメモリ34と、取得した画像信号をモニタで表示できるよう処理を加える信号処理部35と、外部機器との接続及び当該外部機器への情報の出力をする為のインターフェイス部36とを有する。各通信チップ10において取得された画像信号等の情報は、この制御装置30の制御に集約される。
【0022】
図4は、通信用基板1の部分断面図であり、端部付近を示したものである。基板20は、第1絶縁層21と、電源層22と、誘電体層23と、グランド層24と、第2絶縁層25と、第3絶縁層26とを有する。基板20に含まれる各層は可撓性を有している。なお、誘電体層23および第3絶縁層26はある程度剛性を有していても良い。
【0023】
第1絶縁層21と第2絶縁層は絶縁性を有するシート状部材である。電源層22とグランド層24は、導電性を有するシート状部材である。或いは、導電性メッシュ等の部材である。誘電体層23は、電源層22およびグランド層24と密着するように挟持されている。本発明の実施形態では、通信用基板1内の通信チップ10により出力される無線信号(電磁波)が制御装置30に到達することができる程度に、誘電体層23の誘電率が設定されている。
【0024】
また、電源層22および第1絶縁層21には、通信チップ10を配置するための開口部が設けられている。すなわち、通信チップ10は、電源層22および第1絶縁層21を貫通して、誘電体層23に接するように配置されている。そして、通信チップ10は、電極15、電極16を有し、電極15が電源層22に、電極16がグランド層24にそれぞれ接続されている。通信チップ10は、電源層22およびグランド層24を介して、制御装置30から電源供給を受ける。また、通信チップ10の通信部13は、誘電体層23に接する位置に設けられており、誘電体層23に無線信号を送信しおよび誘電体層23から無線信号を受信することができる。
【0025】
基板20のうち、誘電体層23よりも外縁側の部位を外周部20aと称すものとする。なお、図4は、外周部20aの一端のみ示している。例えば、基板20が四角形状であれば、外周部20aは4箇所存在する。
【0026】
以下、説明上の便宜を図るため、第1絶縁層21と電源層22をあわせて上層122と称すものとし、また、グランド層24と第2絶縁層25をあわせて下層124と称すものとする。
【0027】
外周部20aには層交差部20bが形成されている。層交差部20bとは、上層122と下層124とが、図4の断面に垂直な方向からみて交差している部分をいう。層交差部20aよりも基板20の外周側では、第1絶縁層21と第2絶縁層25がそれぞれ、電源層22とグランド層24よりも、基板20の厚み方向内側に配置される。そして、第1絶縁層21と第2絶縁層25の間には、第1絶縁層21と第2絶縁層25を固定する目的で第3絶縁層26が設けられている。第3絶縁層26は、基板20の外周縁に沿って延びた形状を有する。また、第3絶縁層26は、層交差部20bにおける、上層122と下層124の形状を維持することができる。
【0028】
図5は基板20の部分断面斜視図であり、図6は上層122および下層124の形状を示す図である。なお、両図において通信チップ10の図示は省略している。また、図5は、上層122と下層124と誘電体層23とをそれぞれ分離して示しているが、説明の都合上そのように図示しているのみであって、実際にはそれらは接触している。
【0029】
外周部20aでは、上層122および下層124は、すだれ状に切り欠かれた形状を有している。上層は凸部122aと凹部122bとを有する。下層は凸部124aと凹部124bとを有する。外周部20aでは、上層122の凸部122aが下層124の凹部124bに、上層122の凹部122bが下層124の凸部124aにそれぞれ対応するように形成されている。したがって、層交差部20bでは、図5に示すように上層122と下層124とを互い違いに交差して配置可能である。
【0030】
なお、上層122および下層124では、凸部の幅は対向する層の凹部の幅よりも若干狭くなるように形成されている。すなわち、上層122の凸部122aの幅は下層124の凹部124bの幅よりも狭く、下層124の凸部124aの幅は上層122の凹部122bの幅よりも狭くなるように形成されている。このようにすることにより、層交差部20bにおいて、電源層22とグランド層24とが接触せず、ショートを防止することができる。
【0031】
また、上層122の凸部122aにおいて、電源層22の幅を第1絶縁層21の幅よりも若干狭くして電源層22が内側に配置されるように構成されていてもよい。同様に、下層124の凸部124aにおいて、グランド層24の幅を第2絶縁層25の幅よりも若干狭くしてグランド層24が内側に配置されるように構成されていてもよい。そのようにすれば、層交差部20bにおいて、上層122の凸部122aと下層124の凸部124aが接触したとしても、電源層22とグランド層24とが接触せずショートを防止することができる。
【0032】
図7は、通信用基板1における電磁波に対する効果を説明するための図である。通信用基板1では、電波暗室等に用いられる電波吸収体の原理を利用している。電波吸収体は居一般的にピラミッド形状やくさび形状を有している。例えば、くさび形状の電波吸収体が複数配列されている電波暗室では、くさび形状の電波吸収体の間に形成されるくさび形状の領域により電波を次第に吸収することができる。また、一般的に電波吸収体は、有機発泡体にカーボン等の導電性材料を混合または含浸させることにより形成されている。
【0033】
通信用基板1では、通信チップ10の通信部13から電磁波Eが出力される。電磁波Eは、誘電体層23中を平面的に伝播する。通信用基板1では、層交差部20bは巨視的に見れば、上層122と下層124とにより、くさび形状の領域が形成されている。すなわち、例えば、本発明の実施形態では、通信チップ10による無線信号は2.4GHz帯域を使用しているためその波長は125mm程度である。また、通信用基板1を被験者の着衣として使用する場合には、基板10のサイズは600mm×300mm程度となる。したがって、使用される波長よりも小さい数mmから数cmの幅の凸部122a(124a)を形成すれば、巨視的には、層交差部20bはくさび形状の領域とみなすことができる。
【0034】
さらに、電源層22およびグランド層24は導電材料で形成されているため、層交差部20bに形成されるくさび形状の領域により電磁波Eを吸収することができる。よって、通信用基板1の周囲に層交差部20bを形成すれば、電磁波Eの漏洩および反射を防止することができる。
【0035】
図8は、本発明の通信用基板の第二の実施形態を示す図である。図8では、図4から図7に示す通信用基板1と同一の部材については同一の符号を付し重複する説明を省略する。
【0036】
通信用基板201は、通信用基板1に絶縁保護部材202を設けた構成を有する。絶縁保護部材202は、基板20の外縁に沿って延びており外周部20aを完全に覆うような形状を有している。絶縁保護部材202は、例えば樹脂等により成型された部材であってある程度の剛性を有していても良い。通信用基板201では、絶縁保護部材202を用いることにより、電源層22およびグランド層24が通信用基板201の外部に露出しない。また、層交差部20bの上層122と下層124の形状を保つことができる。
【0037】
図9は、本発明の通信用基板の第三の実施形態を示す図である。図9においても、図8同様、図4から図7に示す通信用基板1と同一の部材については同一の符号を付し重複する説明を省略する。
【0038】
通信用基板301は、通信用基板1において第3絶縁層26を省略した構成となる。すなわち、層交差部20bにおいて、上層122および下層124それぞれの凸部122aおよび凸部124aが、所定の曲率をもって、180度折り返されるよう構成されている。凸部122aの先端付近は下層124の表面に、凸部124aの先端付近は上層122の表面にそれぞれ貼り付けられる。なお、層交差部20bでは、上層122および下層124により形成されるくさび形状の領域が失われることがないように、凸部122aおよび凸部124aが折り返されている。このような構成とすれば、電源層22およびグランド層24が、通信用基板301の最表面に配置されず、第1絶縁層21および第2絶縁層25により覆われる。
【0039】
図10および図11は、本発明の通信用基板の第四の実施形態を示す図である。図10は、通信用基板401の一部を示す部分断面斜視図であり、図4から図7に示す通信用基板1と同一の部材については同一の符号を付し重複する説明を省略する。
【0040】
通信用基板401は、基板420と、通信チップ10(不図示)とを有する。そして、基板420は、上層422と、下層424と、誘電体層23と、第3絶縁層26とを有する。上層422は、上層122の外周部20aの形状のみ変更したものであり、同様に下層424も下層124の外周部20aの形状のみ変更したものである。
【0041】
図11は、図6同様、上層422および下層424の形状を示す図である。上層422は、端部に三角凸部422aと凹部422bとを有する。また、下層424も、端部に三角凸部424aと凹部424bとを有する。通信用基板401では、上層422の三角凸部422aが下層424の凹部424bに、上層422の凹部422bが下層424の三角凸部424aにそれぞれ対応するように形成されている。したがって、通信用基板401の層交差部420bでは、図10に示すように上層422と下層424とを互い違いに交差して配置可能である。このような構成とすれば、層交差部420bにおいて、三角凸部422aと424bとが接触しない。
【0042】
なお、上述の通信用基板201、301においても、通信用基板401の構成を採用することができる。すなわち、凸部122aおよび凸部124aを三角凸部422aおよび三角凸部424aに置換すればよい。
【0043】
また、通信用基板401においても、通信用基板201において採用した絶縁保護部材202の実施が可能であり、通信用基板301において採用した凸部の折り返しの実施が可能である。
【0044】
2D−DST技術を用いた通信用基板では、誘電体層を上下から2枚の導電層でサンドイッチし、誘電体層内で電磁波を伝播させる。通信素子による電磁波の伝送帯域は主に2.4GHzが使用される。通信用基板周辺部において、端面が露出していると、電磁波が漏洩してしまう。一方、基板端面で電磁波が反射を起こすとマルチパスなどにより信号の劣化が懸念される。
【0045】
また、2.4GHz帯域を使用しているためその波長は125mm程度である。一方、人体が着用することを前提としている通信用基板のサイズは600mm×300mm程度であり、基板サイズが1/2λ×N(整数)となる可能性が高い。そのため、基板外周部で電磁波の反射が発生した場合の悪影響は非常に大きい。本発明に係る通信用基板では、基板の端面における電磁波の反射を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施形態の通信用基板1の概略図である。
【図2】通信チップ10の機能ブロック図である。
【図3】制御装置30の機能ブロック図である。
【図4】通信用基板1の断面図である。
【図5】基板20の部分断面斜視図である。
【図6】上層122および下層124の形状を示す図である。
【図7】電磁波の減衰(吸収)を模式的に示す図である。
【図8】本発明の通信用基板の第二の実施形態を示す図である。
【図9】本発明の通信用基板の第三の実施形態を示す図である。
【図10】本発明の通信用基板の第四の実施形態を示す図である。
【図11】本発明の通信用基板の第四の実施形態を示す図である。
【符号の説明】
【0047】
1,201,301,401 通信用基板
10 通信チップ
20 基板
21 第1絶縁層
22 電源層
23 誘電体層
24 グランド層
25 第2絶縁層
26 第3絶縁層
30 制御装置
202 絶縁保護部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1導電層および第2導電層と、
前記両層に電気的に接続された複数の通信素子と、
前記両層の間に配置される信号伝達層と、を備え、
前記複数の通信素子は無線信号を送受信する機能を有し、
前記両層はそれぞれシート状部材で形成されており、且つ前記信号伝達層よりも所定量突出した外周部を有し、
前記両層の外周部は、前記第1導電層と前記第2導電層とにより略くさび形状の領域が形成されるように互いに近接して配置されていることを特徴とする通信用基板。
【請求項2】
前記第1導電層の外周部には少なくとも一つの切り欠き部が形成されており、前記第2導電層の外周部には前記第1導電層の外周部の切り欠き部が形成されていない位置に対応するように切り欠き部が形成されており、
前記第1導電層の外周部と前記第2導電層の外周部とが互いに接触しないように、前記切り欠き部を利用して交差することにより前記略くさび形状の領域が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の通信用基板。
【請求項3】
前記第1導電層の外周部と前記第2導電層の外周部とが交差している位置よりもさらに外縁部において、前記第1導電層と前記第2導電層との間に絶縁部材が介挿されていることを特徴とする請求項1または2に記載の通信用基板。
【請求項4】
少なくとも前記第1導電層の外周部と前記第2導電層の外周部とを覆うような絶縁保護部材を設けたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の通信用基板。
【請求項5】
前記第1導電層と前記第2導電層における前記信号伝達層と反対側の面はそれぞれ絶縁層で覆われており、
前記第1導電層の外周部と前記第2導電層の外周部は、前記第1導電層の外周部と前記第2導電層の外周部とが交差している位置よりもさらに外縁部において、前記第1導電層は前記第2導電層を覆う絶縁層へ接触するように、前記第2導電層は前記第1導電層を覆う絶縁層へ接触するように、それぞれ折り返されている状態となっていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の通信用基板。
【請求項6】
前記第1導電層の外周部と前記第2導電層の外周部の切り欠かれていない部分の形状が、外周方向にいくほど幅が狭くなっていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の通信用基板。
【請求項7】
前記信号伝達層は、誘電体であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の通信用基板。
【請求項1】
第1導電層および第2導電層と、
前記両層に電気的に接続された複数の通信素子と、
前記両層の間に配置される信号伝達層と、を備え、
前記複数の通信素子は無線信号を送受信する機能を有し、
前記両層はそれぞれシート状部材で形成されており、且つ前記信号伝達層よりも所定量突出した外周部を有し、
前記両層の外周部は、前記第1導電層と前記第2導電層とにより略くさび形状の領域が形成されるように互いに近接して配置されていることを特徴とする通信用基板。
【請求項2】
前記第1導電層の外周部には少なくとも一つの切り欠き部が形成されており、前記第2導電層の外周部には前記第1導電層の外周部の切り欠き部が形成されていない位置に対応するように切り欠き部が形成されており、
前記第1導電層の外周部と前記第2導電層の外周部とが互いに接触しないように、前記切り欠き部を利用して交差することにより前記略くさび形状の領域が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の通信用基板。
【請求項3】
前記第1導電層の外周部と前記第2導電層の外周部とが交差している位置よりもさらに外縁部において、前記第1導電層と前記第2導電層との間に絶縁部材が介挿されていることを特徴とする請求項1または2に記載の通信用基板。
【請求項4】
少なくとも前記第1導電層の外周部と前記第2導電層の外周部とを覆うような絶縁保護部材を設けたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の通信用基板。
【請求項5】
前記第1導電層と前記第2導電層における前記信号伝達層と反対側の面はそれぞれ絶縁層で覆われており、
前記第1導電層の外周部と前記第2導電層の外周部は、前記第1導電層の外周部と前記第2導電層の外周部とが交差している位置よりもさらに外縁部において、前記第1導電層は前記第2導電層を覆う絶縁層へ接触するように、前記第2導電層は前記第1導電層を覆う絶縁層へ接触するように、それぞれ折り返されている状態となっていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の通信用基板。
【請求項6】
前記第1導電層の外周部と前記第2導電層の外周部の切り欠かれていない部分の形状が、外周方向にいくほど幅が狭くなっていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の通信用基板。
【請求項7】
前記信号伝達層は、誘電体であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の通信用基板。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−53337(P2008−53337A)
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−226249(P2006−226249)
【出願日】平成18年8月23日(2006.8.23)
【出願人】(000000527)ペンタックス株式会社 (1,878)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年8月23日(2006.8.23)
【出願人】(000000527)ペンタックス株式会社 (1,878)
【Fターム(参考)】
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