説明

通信用接続モジュール

【課題】光トランシーバから通信装置を外す際の実用性を増加させるような、取り外し可能な構造を有する光トランシーバ、または接続モジュールを提供する。
【解決手段】本発明の接続モジュール1は、突出部132と伝送装置とを配置してなる本体11と、前記本体11を受ける開口150を備えたハウジング15とを含み、前記本体11は、前記伝送装置によって前記ハウジング15に取り外し可能に接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続モジュールに関し、特に、通信用接続モジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、例えばハブなどの通信装置は、光信号を電子信号、またはその他の機能の信号に変換する光送受信モジュールを必要とする。光送受信モジュールは、ハウジングとオプトエレクトロニクス送受信機を含み、プラグアンドプレイまたはホットプラグによって通信装置に接続するように構成される。
【0003】
図5Aの従来の光送受信モジュール5は、本体51と、この本体51に配置されたオプトエレクトロニクス送受信機52とを有する。バンプ511とスライディング部材(sliding element)512は、本体51の底面の前部に形成される。図5Bでは、通信装置7が、接続孔711を備えて形成された接続部材71を有する。光送受信モジュール5が通信装置7と係合すると、本体51のバンプ511は、通信装置7の接続孔711に接続される。通信装置7から光送受信モジュール5を離すには、光送受信モジュール5のスライディング部材512を通信装置7の接続部材71に向けて押し、本体51のバンプ511と通信装置7の接続孔711を離さなければならない。
【0004】
しかし、本体51のスライディング部512は、本体51が通信装置7から外されている時、元の位置に自動的に戻ることができない。ユーザーにとっては外された本体51を通信装置7に再び差し込むことは、不便である。
【0005】
図5Cは、光送受信モジュール5と2つの垂直に並列する通信装置7との関係を表している。スライディング部材512が本体51の先端から延びておらず、且つ、スライディング部材512を押す動作が隣接するモジュール5によって妨げられることから、並列する通信装置7の一方に差し込まれた光送受信モジュール5は、単にスライディング部材512を押すだけでは容易に外すことができない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、光トランシーバから通信装置を外す際の実用性を増加させるような、取り外し可能な構造を有する光トランシーバ、または接続モジュールを提供することにある。
【0007】
本発明の光トランシーバは、並列した通信装置の一群から光トランシーバを外す困難さも解消することができる。
【0008】
また、本発明は、並列した通信装置の一群から所望の光トランシーバを便利に交換できると共に、通信装置と光トランシーバとの間の干渉を除去できるような、取り外し可能な構造を有するもう1つの光トランシーバを更に提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の接続モジュールは、本体と、ハウジングと、伝送装置とを含む。伝送装置は本体に配置され、固定部材と、当該固定部材によって移動可能に支持されたスライダーと、スライダーを水平に動かす可動バーとを含む。本体は一定の容積(constant volume)のままで、てこの原理に基づいて、伝送装置によってハウジングに取り外し可能に接続することができ、本体と伝送装置との間の干渉を除去することができる。
【0010】
具体的に言うと、接続モジュールは突出部を更に含んでおり、この突出部は、固定部材または本体に形成され、伝送装置のスライダーによって本体とハウジングを係合または係合解除するために、ハウジングの貫通孔に嵌め込まれる。
【0011】
本発明のもう1つの実施例では、接続モジュールは固定部材を必要とせず、突出部が本体に直接形成される。
【発明を実施するための最良の実施例】
【0012】
添付図面を参照にしながら、以下の詳細な記述と例示を読取ることにより、本発明をより完全に理解することができるであろう。
【実施例】
【0013】
図1Aと図1Bを参照すると、本発明の第1実施例における接続モジュールすなわち電気トランシーバ1は、係合スロット111を有する取り外し可能な本体11と、固定スロット121およびその一端にある斜面122を有するスライダー12と、固定部材13と、固定部141を有する可動バー14と、開口150,弾性片151およびこの弾性片151に形成された貫通孔152を有するハウジング15とを含む。
【0014】
図1Bに示すように、本体11は、第1部11aと第2部11bを有し、本体11は、開口150によってハウジング15に受け入れられる。固定部材13は、ガイドスロット131,突出部132,2つの係合部133および凹部134を有する。スライダー12,固定部材13および可動バー14は、共に係合され、接続モジュール1の伝送装置として機能する。
【0015】
本体11の第2部11bは、接続孔16と、回路板17と、接続ヘッド18とを含む。係合スロット111は、接続孔16を規定する2つの平行した側壁に形成され、接続ヘッド18は、接続孔16に設置される。
【0016】
回路板17が接続ヘッド18に接続されると、可動バー14は接続ヘッド18の上に載り、可動バー14の固定部141を回路板17と接続ヘッド18との間の連接部の一端に配置させることができる。続いて、回路板17と可動バー14に接続された接続ヘッド18が、本体11に配置される。次に、スライダー12が、固定部材13のガイドスロット131の中に導かれ、スライダー12の斜面122は、固定部材13の突出部132に抗して押される。固定部材13は、可動バー14の固定部141に通されると共に、固定部材13の係合部133は、本体11の係合スロット111に係合され、そこで固定部材13の突出部132が回路板17に面する。最後に、可動バー14の固定部141は、スライダー12の固定スロット121と固定部材13の凹部134に接続される。
【0017】
図1C,図1Dおよび図1Eを参照すると、てこの原理に基づいて、可動バー14によってスライダー12を動かすことができる。図1Cは、可動バー14が第1位置に位置された状態を示しており、ここでのスライダー12は、固定部材13の突出部132から離れ、ハウジング15の弾性片151は、スライダー12と固定部材13の突出部132との間の間隔に嵌め込まれている。即ち、突出部132は、少なくともその一部がハウジング15の貫通孔152に貫通し、外部に露出する。よって、ハウジング15は、本体11にしっかりと接続される。また、本体11は、本体11の接続孔16によって通信装置の外部接続ヘッドを受けることができる。
【0018】
図1Dは、可動バー14が第2位置に位置された状態を示しており、ここでの固定部材13の突出部132は、ハウジング15の貫通孔152から係合解除されている。固定部材13の凹部134は、固定部141を支持する支点として機能する。てこの原理に基づいて、可動バー14に加えられた力は、スライダーを固定部材13のガイドスロット131に沿って水平に動かす作用力(active force)に変換され、スライダー12の斜面122は、それに応じて弾性片151に接触して押し上げ、貫通孔152から突出部132を係合解除する。よって、図1Eに示すように、本体11をハウジング15から外すことができる。
【0019】
上述のように、本体11は、可動バー14によってハウジング15に係合したり、またはハウジング15から係合解除することができる。本体11がハウジング15から外れると、可動バー14は、第1位置(図1C)に戻り、同じまたは異なるハウジングに係合することができる。
【0020】
図2Aと図2Bを参照すると、本発明の第2実施例における接続モジュールすなわち光トランシーバ2は、第1部21aと第2部21bを有する本体21と、斜面221と固定スロット222を有するスライダー22と、固定部241を有する可動バー24と、少なくとも1つの光変換器23と、開口250を有するハウジング25と、ブロック26と、回路板27とを含み、前記第2部21bは、ガイドスロット211,突出部212および凹部213が共に形成される。スライダー22と可動バー24は、共に接続され、接続モジュール2の伝送装置として機能する。
【0021】
光変換器23は、回路板27と接続され、ブロック26によって本体21の第2部21bに固定して配置される。スライダー22は、ガイドスロット211に沿って本体21の第2部21b中に動かされ、スライダー22の斜面221は、本体21の第2部21bの突出部212に抗して押される。また、可動バー24の固定部241を、スライダー22の固定スロット222と本体21の凹部213に接続することができる。
【0022】
この実施例では、てこの原理に基づいて、可動バー24がスライダー22を動かすことができる。第2実施例の接続モジュール2は、第1実施例とは異なり、第1実施例における固定部材は省かれ、突出部212が本体21の第2部21bに直接形成される。接続モジュール2の構成部品は、接続モジュール1の構成部品より少ない。即ち、接続モジュール2の構造は、簡易化されている。
【0023】
図3Aと図3Bを参照すると、本発明の第3実施例における接続モジュールすなわち光トランシーバ3は、突出部312が共に形成された第1部31aおよび第2部31bを有する本体31と、斜面321を有するスライダー32と、少なくとも1つの光変換器33と、可動バー34と、本体31を受ける開口350および突出部312と係合する貫通孔352を有するハウジング35と、ブロック36と、回路板37とを含む。スライダー32と可動バー34は、共に接続され、接続モジュール3の伝送装置として機能する。
【0024】
光変換器33は、回路板37に接続され、ブロック36によって本体31に固定して配置される。スライダー32は、ガイドスロット311に沿って第2部31b中に動かされ、可動バー34の固定部341は、スライダー32の固定スロット322と本体31の第2部31bにある凹部313に接続される。最後に第1部31aと第2部31bは、組み合わせられ、スライダー32の斜面321が第1部31aの突出部312に抗して押される。突出部312と第1部31aは、プレス成形によって一体成型することができる。
【0025】
図4Aと図4Bを参照すると、本発明の第4実施例における接続モジュール4は、本体41と、斜面422を有するスライダー42と、固定部材43と、可動バー44と、ハウジング45とを含む。スライダー42,固定部材43および可動バー44は接続され、接続モジュール4の伝送装置として機能する。
【0026】
本体41は、突出部432を有する第1部41aと、接続孔46を有する第2部41bと、回路板47と、接続ヘッド48とを含む。係合スロット411は、接続孔46を規定する2つの平行した側壁に形成され、接続孔46に設置された接続ヘッド48は、回路板47に接続される。突出部432と第1部41aは、プレス成形によって一体成型することができる。
【0027】
回路板47が接続ヘッド48に接続されると、可動バー44は接続ヘッド48の上に載り、可動バー44の固定部441を回路板47と接続ヘッド48との間の連接部の一端に配置させることができる。続いて、回路板47と可動バー44に接続された接続ヘッド48が、第2部41bに配置される。次に、スライダー42が、固定部材43のガイドスロット431の中に導かれる。固定部材43は、可動バー44の固定部441に通されると共に、固定部材43の係合部433は、本体41の第2部41bの係合スロット411に係合される。続いて、固定部441は、固定スロット421と第2部31bの凹部434に係合される。最後に、スライダー42の斜面422は、本体41の第1部41aの突出部432に抗して押され、そこで突出部432が回路板47に面する。
【0028】
上述のように、本発明に基づくと、接続モジュールは、外部の回路板に接続する単一のハウジングを用い、または外部の回路板に接続する複数の並列したハウジングを用いることができる。また、突出部の形状は、実施例中の記述に限定するものではなく、ハウジングの貫通孔に対応する形状に形成することができる。
【0029】
以上、本発明の好適な実施例を例示したが、これは本発明を限定するものではなく、逆に添付の各請求項における精神と範囲を含んだ様々変更や均等物への適用を、本発明が意図していることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1A】本発明の第1実施例における接続モジュールの概略図である。
【図1B】図1Aの接続モジュールにおける本体の分解図である。
【図1C】図1Aの接続モジュールの動作を表す図である。
【図1D】図1Aの接続モジュールの動作を表す図である。
【図1E】図1Aの接続モジュールの動作を表す図である。
【図2A】本発明の第2実施例における接続モジュールの概略図である。
【図2B】図2Aの接続モジュールにおける本体の分解図である。
【図3A】本発明の第3実施例における接続モジュールの概略図である。
【図3B】図3Aの接続モジュールにおける本体の分解図である。
【図4A】本発明の第4実施例における接続モジュールの概略図である。
【図4B】図4Aの接続モジュールにおける本体の分解図である。
【図5A】従来の光送受信モジュールの断面図である。
【図5B】通信装置に接続された従来の光送受信モジュールを示す斜視図である。
【図5C】従来の光送受信モジュールと2つの垂直に並列した通信装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0031】
1 接続モジュール(電気トランシーバ)
2,3 接続モジュール(光トランシーバ)
4 接続モジュール
5 光送受信モジュール
7 通信装置
11,21,31,41,51 本体
11a,21a,31a,41a 第1部
11b,21b,31b,41b 第2部
12,22,32,42 スライダー(伝送装置)
13,33 固定部材(伝送装置)
14,24,34,44 可動バー(伝送装置)
15,25,35,45 ハウジング
16,46 接続孔
17,27,37,47 回路板
18,48 接続ヘッド
23,33 光変換器
26,36 ブロック
52 オプトエレクトロニクス送受信機
71 接続素子
111,411 係合スロット
121,222,421 固定スロット
122,221,321,422 斜面
131,211,431 ガイドスロット
132,212,312,432 突出部
133,433 係合部
134,213,434 凹部
141,241,441 固定部
150,250,350 開口
151 弾性片
152,351 貫通孔
511 バンプ
512 スライディング部
711,46 接続孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
突出部と伝送装置とを配置してなる本体と、
前記本体を受ける開口を備えたハウジングとを含み、
前記本体は、前記伝送装置によって前記ハウジングに取り外し可能に接続される接続モジュール。
【請求項2】
前記ハウジングは、前記本体の突出部に対応して取り外し可能に係合される貫通孔を更に備えた請求項1に記載の接続モジュール。
【請求項3】
前記伝送装置は、その一端に前記突出部に抗して押すための斜面を有するスライダーを含む請求項2に記載の接続モジュール。
【請求項4】
前記伝送装置は、可動バーと、固定スロットを含むスライダーと、少なくとも1つの凹部を含む本体とを更に含み、前記可動バーは、前記固定スロットに接続する固定部を含み、前記凹部は、前記固定部を支持する支点として、前記可動バーが前記スライダーを動かすことができるように機能する請求項3に記載の接続モジュール。
【請求項5】
前記可動バーが第1位置に位置された時、前記突出部は前記貫通孔と係合し、前記可動バーが第2位置に位置された時、前記突出部は前記貫通孔から係合解除される請求項4に記載の接続モジュール。
【請求項6】
前記本体は、前記スライダーを動かすために導くガイドスロットと、外部の接続ヘッドと接続する少なくとも1つの接続孔とを更に含む請求項3に記載の接続モジュール。
【請求項7】
前記本体の中に少なくとも1つの変換器と少なくとも1つの回路板を更に含む請求項1に記載の接続モジュール。
【請求項8】
前記接続モジュールは、電気トランシーバモジュール、または光トランシーバモジュールである請求項1に記載の接続モジュール。
【請求項9】
前記本体は、第1部と第2部を有し、前記伝送装置は、前記第2部に配置され、前記突出部は、前記第2部に形成される請求項1に記載の接続モジュール。
【請求項10】
前記本体は、第1部と第2部を有し、前記伝送装置は、前記第2部に配置され、前記突出部は、単一ユニットとして前記第1部と一体に形成される請求項1に記載の接続モジュール。
【請求項11】
突出部と伝送装置とを配置してなり、前記伝送装置が、スライダーと前記スライダーを動かす可動バーを含む本体と、
前記本体を受ける開口を備えたハウジングとを含み、
前記本体は、前記伝送装置によって前記ハウジングに取り外し可能に接続される接続モジュール。
【請求項12】
第1部と第2部を有し、突出部が前記第1部または第2部に形成される本体と、
前記本体に配置され、スライダー,および前記突出部に接近または前記突出部から離れるように、前記スライダーを動かす可動バーを備えた伝送装置とを含む接続モジュール。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【公開番号】特開2007−13102(P2007−13102A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−116370(P2006−116370)
【出願日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【出願人】(596039187)台達電子工業股▲ふん▼有限公司 (192)
【Fターム(参考)】