説明

通信装置、プログラム、通信方法、および通信システム

【課題】通信装置、プログラム、通信方法、および通信システムを提供すること。
【解決手段】電界結合または磁界結合により他の通信装置と通信する第1の通信部と、前記他の通信装置と前記第1の通信部との近接を検出する近接検出部と、前記他の通信装置と前記第1の通信部とが離隔されると、前記他の通信装置と前記第1の通信部とが近接されていた時間に応じ、異なるデータを送信対象として選択する選択部と、を備える、通信装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置、プログラム、通信方法、および通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近日、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)802.11に規定される電波通信方式が広く普及している。かかる電波通信方式においては、アンテナを利用して無線電波が送受信されるが、当該無線電波が周囲で送受信される無線電波と干渉し、通信に悪影響を及ぼす場合があった。
【0003】
また、電波通信方式以外にも、電界結合や磁界結合を利用して通信を行う近距離無線通信方式が提案されている。かかる近距離無線通信方式においては、例えば、磁界結合を行なう複数の通信装置が近接されると、複数の通信装置が磁界結合し、磁界結合により複数の通信装置間での通信が実現される。このように、電界結合や磁界結合に基づく近距離無線通信方式によれば、通信相手が近接しない場合には信号が送信されないため、干渉の問題が生じ難い点で電波通信方式より有利である。
【0004】
このような近距離無線通信方式の利用形態として、音楽配信装置などのコンテンツサーバが、近接された通信装置に対して音楽データを送信することが考えられる。なお、特許文献1には、自装置で再生中のデータを他装置に送信する方法が記載されている。
【0005】
【特許文献1】特開2006−340170号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、通信装置を所有するユーザにとって、送信を要求する音楽データの入力や、試聴か購入かの選択などを、音楽配信装置のタッチパネルや操作ボタンなどに対して行なうことは煩雑であった。また、通信装置の空間上の動きを検出して音楽配信装置に対する入力を実現することも考えられるが、加速度や傾きを測定するためのハードウェアを通信装置に設ける必要が生じてしまうという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、より簡易な構成で送信対象とするデータを選択することが可能な、新規かつ改良された通信装置、プログラム、通信方法、および通信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、電界結合または磁界結合により他の通信装置と通信する第1の通信部と、前記他の通信装置と前記第1の通信部との近接を検出する近接検出部と、前記他の通信装置と前記第1の通信部とが離隔されると、前記他の通信装置と前記第1の通信部とが近接されていた時間に応じ、異なるデータを送信対象として選択する選択部と、を備える通信装置が提供される。
【0009】
前記選択部は、前記他の通信装置と前記第1の通信部とが近接されていた時間が設定時間より短かった場合に第1のデータを送信対象として選択し、前記他の通信装置と前記第1の通信部とが近接されていた時間が設定時間より長かった場合に第1のデータを一部に含む第2のデータを送信対象として選択してもよい。
【0010】
前記第1の通信部は、周期的に信号を送信し、前記他の通信装置と前記第1の通信部とが近接されている場合には当該信号に対する応答を前記他の通信装置から受信し、前記近接検出部は、前記第1の通信部により前記応答が連続的に受信された回数をカウントし、前記選択部は、前記近接検出部によりカウントされた回数に応じてデータ選択をしてもよい。
【0011】
前記第1の通信部は、前記他の通信装置から周期的に送信される信号を受信し、前記近接検出部は、前記第1の通信部により前記応答が連続的に受信された回数をカウントし、前記選択部は、前記近接検出部によりカウントされた回数に応じてデータ選択をしてもよい。
【0012】
また、前記第1の通信部は、前記他の通信装置と前記第1の通信部とが離隔された後に前記他の通信装置と前記第1の通信部とが再近接され、かつ、前記他の通信装置と前記第1の通信部とが離隔されていた時間が所定時間以内であった場合、前記選択部により選択されたデータを送信してもよい。
【0013】
前記通信装置は、第2の通信部をさらに備え、前記選択部により選択されたデータを前記第2の通信部から送信させてもよい。
【0014】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータを、電界結合または磁界結合により他の通信装置と通信する通信部と、前記他の通信装置と前記通信部との近接を検出する近接検出部と、前記他の通信装置と前記通信部とが離隔されると、前記他の通信装置と前記通信部とが近接されていた時間に応じ、異なるデータを送信対象として選択する選択部と、として機能させるためのプログラムが提供される。
【0015】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、電界結合または磁界結合により通信する他の通信装置との近接を検出するステップと、前記他の通信装置との離隔を検出するステップと、前記他の通信装置が近接されていた時間に応じ、異なるデータを送信対象として選択するステップと、を含む通信方法が提供される。
【0016】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、第1の通信装置と、電界結合または磁界結合により前記第1の通信装置と通信する通信部、前記第1の通信装置と前記通信部との近接を検出する近接検出部、および、前記第1の通信装置と前記通信部とが離隔されると、前記第1の通信装置と前記通信部とが近接されていた時間に応じ、異なるデータを送信対象として選択する選択部、を有する第2の通信装置と、を備える通信システムが提供される。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように本発明にかかる通信装置、プログラム、通信方法、および通信システムによれば、より簡易な構成で送信対象とするデータを選択することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0019】
また、以下に示す項目順序に従って当該「発明を実施するための最良の形態」を説明する。
〔1〕第1の実施形態
〔1−1〕第1の実施形態の概要
〔1−2〕コンテンツサーバの構成
〔1−3〕第1の実施形態の動作
〔2〕第2の実施形態
〔3〕第3の実施形態
〔4〕補足
【0020】
〔1〕第1の実施形態
〔1−1〕第1の実施形態の概要
まず、図1を参照し、本発明の第1の実施形態にかかる通信システム1の概要を説明する。
【0021】
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる通信システム1を示した説明図である。図1に示したように、本実施形態にかかる通信システム1は、コンテンツサーバ10および携帯電話20からなる。
【0022】
コンテンツサーバ10は、コンテンツデータを記憶しており、または通信網を介してコンテンツデータの記憶装置と接続されており、コンテンツデータの試聴および販売などのサービスを提供する。
【0023】
コンテンツサーバ10および携帯電話20は、相互に電界結合することが可能な電界カプラと呼ばれる電極板を備える。例えばコンテンツサーバ10のカプラ位置表示12の内側に電界カプラが設けられており、コンテンツサーバ10および携帯電話20の双方の電界カプラが例えば3cm以内に近接されると、一方の電界カプラにより発生される誘導電界の変化を他方の電界カプラが感知することにより、コンテンツサーバ10および携帯電話20の間での電界通信が実現される。
【0024】
より具体的には、上記電界通信を行う一対の機器は、一方がイニシエータ(Initiator)として機能し、他方がレスポンダ(Responder)として機能する。イニシエータは接続確立要求を行なう側であり、レスポンダはイニシエータからの接続確立要求を待ち受ける側である。
【0025】
例えば、図1に示したコンテンツサーバ10がイニシエータとして機能し、携帯電話20がレスポンダとして機能する場合、携帯電話20およびコンテンツサーバ10が近接されると、コンテンツサーバ10から送信される接続確立要求を携帯電話20が受信する。そして、携帯電話20により接続確立要求が受信されると、携帯電話20およびコンテンツサーバ10が接続確立処理の一例としての認証処理を行い、認証処理が正常に終了すると携帯電話20およびコンテンツサーバ10がデータ通信可能な状態に接続される。認証処理としては、例えば、ソフトウェアのバージョンや、有するプロトコルを示すエミュレーション方式が携帯電話20およびコンテンツサーバ10で一致するか否かの確認などがあげられる。
【0026】
その後、携帯電話20およびコンテンツサーバ10が1対1でデータ通信を行う。例えば、コンテンツサーバ10は、表示部14に表示されているコンテンツ「AAA」の試聴用データ、または販売用データを携帯電話20へ送信する。ここで、本実施形態にかかるコンテンツサーバ10は、詳細については後述するが、携帯電話20が近接されていた時間に応じて試聴用データ、または販売用データのいずれを送信するかを選択することができる。なお、コンテンツデータとしては、音楽、講演およびラジオ番組などの音楽データや、映画、テレビジョン番組、ビデオプログラム、写真、文書、絵画および図表などの映像データや、ゲームおよびソフトフェアなどがあげられる。
【0027】
アンテナから放射される電波が距離の2乗に反比例して減衰するのに対し、このような電界カプラから発生される誘導電界の強度は距離の4乗に反比例するため、電界通信が可能な一対の通信装置間の距離を制限できる点で有利である。すなわち、当該電界通信によれば、周囲に存在する障害物による信号の劣化が少ない、ハッキングや秘匿性を確保するための技術を簡素化できるなどの効果が得られる。
【0028】
また、アンテナから放射される電波は、電波の進行方向と直交方向に振動する横波成分を有し、偏波がある。これに対し、電界カプラは、進行方向に振動する縦波成分を有し、偏波がない誘導電界を発生するため、一対の電界カプラの面が対向していれば受信側で信号を受信できる点でも利便性が高い。
【0029】
なお、本明細書においては、一対の通信装置であるコンテンツサーバ10および携帯電話20が電界カプラを利用して近距離無線通信(非接触通信)を行う例に重きをおいて説明するが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、一対の通信装置は、磁界結合により通信可能な通信部を介して近距離無線通信を行うことも可能である。
【0030】
また、図1においては通信装置の一例としてコンテンツサーバ10および携帯電話20を示しているに過ぎず、本発明はかかる例に限定されない。例えば、通信装置は、PC(Personal Computer)、家庭用映像処理装置(DVDレコーダ、ビデオデッキなど)、PHS(Personal Handyphone System)、携帯用音楽再生装置、携帯用映像処理装置、PDA(Personal Digital Assistants)、家庭用ゲーム機器、携帯用ゲーム機器、家電機器などの情報処理装置であってもよい。
【0031】
〔1−2〕コンテンツサーバの構成
次に、図2を参照し、本実施形態にかかるコンテンツサーバ10の構成について説明する。
【0032】
図2は、第1の実施形態にかかるコンテンツサーバ10の構成を示した機能ブロック図である。図2に示したように、コンテンツサーバ10は、電界カプラCと、表示部14と、電界通信制御部110と、近接検出部114と、アンテナ118と、無線LAN制御部122と、記憶部126と、表示制御部130と、選択部134と、タイマ138と、を備える。
【0033】
電界カプラCは、「〔1−1〕第1の実施形態の概要」において説明したように、近接された通信装置の電界カプラと電界結合により通信を行う通信部(第1の通信部)として機能する。
【0034】
電界通信制御部110は、電界カプラCと携帯電話20の間での電界通信全般を制御する。例えば、電界通信制御部110は、接続確立処理のための接続用データを生成し、電界カプラCから送信可能な信号形式に変換する。また、電界通信制御部110は、選択部134により選択されたデータを電界カプラCから送信可能な信号形式に変換する。また、電界通信制御部110は、電界カプラCにより受信されたデータの復号処理を行う。例えば、電界通信制御部110は、高周波信号として電界カプラCにより受信されたデータをベースバンド信号にダウンコンバージョンし、コンスタレーションに基づいてビット列を得てもよい。
【0035】
近接検出部114は、電界カプラCと携帯電話20との近接、および離隔を検出する。より詳細には、コンテンツサーバ10と携帯電話20との接続が確立されると、近接検出部114は、所定の送信時間(例えば1秒)を要するカウント用データを電界カプラCから送信させる。そして、近接検出部114は、当該カウント用データに対する携帯電話20からのACK(応答)の受信を、コンテンツサーバ10と携帯電話20とが近接している状態として検出する。一方、近接検出部114は、ACKの受信が途絶えたことを、コンテンツサーバ10と携帯電話20との離隔として検出する。
【0036】
また、近接検出部114は、カウント用データに対するACKが受信されている間、ACKの受信回数をカウントする。ここで、近接検出部114は所定の送信時間を要するカウント用データを送信しているため、ACKの受信が途絶えると、カウントしたACKの受信回数に基づき、コンテンツサーバ10と携帯電話20とが近接されていた時間を評価することができる。例えば、カウント用データの送信時間が1秒であり、ACKの受信回数が3回であった場合、ACKの送信時間を無視すると、近接検出部114は、コンテンツサーバ10と携帯電話20とが3秒(1秒×3回)近接されていたと評価する。より、一般化すると、カウント用データの送信時間をT秒、ACKの受信回数をN回とすると、近接検出部114は、T×N秒にわたってコンテンツサーバ10と携帯電話20とが近接されていたと評価する。
【0037】
なお、上記では、近接検出部114が所定の送信時間を要するカウント用データを利用して近接時間を評価する例を説明したが、本実施形態はかかる例に限定されない。例えば、近接検出部114は、電界通信制御部110を制御して電界カプラCから所定データを周期的に送信させることによっても近接時間を評価することが可能である。
【0038】
アンテナ118は、例えば携帯電話20との間で無線LAN(Local Area Network)の電波を送受信する通信部(第2の通信部)として機能する。無線LAN制御部122は、アンテナ118を介し、携帯電話20と無線LANによる通信を行うための制御全般を行なう。なお、図2においては、電界通信と異なる通信形式の一例として無線LANを示したに過ぎず、コンテンツサーバ10は、赤外線通信やブルートゥース(登録商標)通信などのための任意の構成を備えてもよい。
【0039】
記憶部126は、1または2以上のコンテンツデータを記憶している。また、記憶部126は、同一のコンテンツに関し、当該コンテンツの全体のデータ(第2のデータ)を販売用に記憶しており、かつ、当該コンテンツの一部のデータ(第1のデータ)を試聴用に記憶していてもよい。また、このような記憶部126は、不揮発性メモリ、磁気ディスク、光ディスク、およびMO(Magneto Optical)ディスクなどの記憶媒体であってもよい。不揮発性メモリとしては、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)があげられる。また、磁気ディスクとしては、ハードディスクおよび円盤型磁性体ディスクなどがあげられる。また、光ディスクとしては、CD(Compact Disc、DVD−R(Digital Versatile Disc Recordable)およびBD(Blu−Ray Disc(登録商標))などがあげられる。
【0040】
表示制御部130は、提供対象のサービスを示す表示画面を生成し、表示部14に表示させる。例えば、表示制御部130は、図1に示したように、現在送信対象としているコンテンツデータのタイトルを含む表示画面を生成してもよい。なお、送信対象のコンテンツデータは、コンテンツサーバ10または携帯電話20へのユーザ操作に基づいて決定されてもよい。また、表示部14は、例えば液晶ディスプレイ(LCD)や、OLED(Organic Light Emitting Display)であってもよい。
【0041】
選択部134は、近接検出部114により評価されたコンテンツサーバ10と携帯電話20とが近接していた時間に基づき、携帯電話20への送信対象とするデータを選択する。例えば、選択部134は、近接検出部114により評価された時間が所定時間より長いか否かを判断する。そして、選択部134は、近接検出部114により評価された時間が所定時間より長い場合には表示部14に表示されているコンテンツデータの販売用データを送信対象として選択し、短かい場合には試聴用データを送信対象として選択する。
【0042】
より厳密には、選択部134は、時間領域における判断をする必要は無く、例えば、近接検出部114によりカウントされたACKの受信回数が所定回数より多いか否かを判断してもよい。そして、選択部134は、ACKの受信回数が所定回数より多い場合には表示部14に表示されているコンテンツデータの販売用データを送信対象として選択し、少ない場合には試聴用データを送信対象として選択してもよい。
【0043】
タイマ138は、携帯電話20とコンテンツサーバ10との離隔が近接検出部114により検出されると、タイマ値のカウントアップを開始し、携帯電話20とコンテンツサーバ10が再近接されるまでの時間を計測する。タイマ138により計測された時間が設定時間内であり、かつ、直近に接続確立していた装置との再近接であった場合、電界通信制御部110は、選択部134により選択されたデータを電界カプラCから送信させる。
【0044】
なお、携帯電話20とコンテンツサーバ10が再近接されるまでの時間を計測する方法はタイマ138を利用する上記例に限定されない。例えば、コンテンツサーバ10と携帯電話20が離隔されると、コンテンツサーバ10と携帯電話20との接続が遮断され、コンテンツサーバ10が接続確立要求の送信を開始する。ここで、コンテンツサーバ10は、携帯電話20が再近接されるまで接続確立要求に対する応答を受信できず、携帯電話20が再近接されると接続確立要求に対する応答を受信できる。したがって、コンテンツサーバ10は、接続確立要求を周期的に送信する場合、携帯電話20から応答を受信するまでに送信した接続確立要求の回数を、携帯電話20とコンテンツサーバ10が再近接されるまでの時間として利用することも可能である。
【0045】
〔1−3〕第1の実施形態の動作
以上、図2を参照して本実施形態にかかるコンテンツサーバ10の構成について説明した。続いて、図3〜図5を参照し、本実施形態にかかる通信システム1の動作例を説明する。
【0046】
(第1の例)
図3は、第1の実施形態にかかる通信システム1の動作の流れを示したシーケンス図である。なお、図3においては、コンテンツサーバ10がイニシエータとして機能し、携帯電話20がレスポンダとして機能する例を示しているが、コンテンツサーバ10をレスポンダとして機能させ、携帯電話20をイニシエータとして機能させてもよい。図4および図5についても同様である。
【0047】
まず、図3に示したように、コンテンツサーバ10の電界カプラCは、携帯電話20が近接されるまで接続確立要求(C−Req)の送信を繰り返す(S202)。そして、コンテンツサーバ10と携帯電話20が近接され、携帯電話20がコンテンツサーバ10の電界カプラCから送信された接続確立要求を受信すると(S204)、携帯電話20は接続確立要求に対する応答(C−ACC)を送信する(S206)。さらに、コンテンツサーバ10の電界カプラCが当該応答(C−ACC)に対する確認信号(C−Ack)を電界通信制御部110による制御に基づいて送信することにより、コンテンツサーバ10と携帯電話20との接続が確立される(S208)。
【0048】
そして、コンテンツサーバ10と携帯電話20との接続が確立されと、コンテンツサーバ10の近接検出部114は所定の送信時間を要するカウント用データを電界カプラCから送信させる(S210)。その後、近接検出部114は、当該カウント用データに対するACKを携帯電話20から受信すると(S212)、ACKの受信回数をカウントアップする(S214)。同様に、近接検出部114は、カウント用データを電界カプラCから送信させ(S216)、当該カウント用データに対するACKを携帯電話20から受信すると(S218)、ACKの受信回数をカウントアップする(S220)。
【0049】
その後、コンテンツサーバ10と携帯電話20が離隔され、カウント用データに対する応答が途絶えると(S222)、電界通信制御部110は電界カプラCから通信終了を示すコネクションリリース(C−RLS)を送信させる(S224)。さらに、タイマ138がタイマ値のカウントを開始すると共に、選択部134が、近接検出部114によりカウントされたACKの受信回数に基づき、送信対照とするデータを選択する(S226)。例えば、選択部134は、ACKの受信回数が5回以上の場合には販売用データを選択し、5回未満であった場合には試聴用データを選択してもよい。
【0050】
続いて、コンテンツサーバ10の電界カプラCは、携帯電話20が再近接されるまで接続確立要求(C−Req)の送信を繰り返す(S228)。そして、コンテンツサーバ10と携帯電話20が再近接され、携帯電話20がコンテンツサーバ10の電界カプラCから送信された接続確立要求を受信すると(S230)、携帯電話20は接続確立要求に対する応答(C−ACC)を送信する(S232)。さらに、コンテンツサーバ10の電界カプラCが当該応答(C−ACC)に対する確認信号(C−Ack)を電界通信制御部110による制御に基づいて送信することにより、コンテンツサーバ10と携帯電話20との接続が再確立される(S234)。
【0051】
続いて、近接検出部114はタイマ値を確認する(S236)。そして、近接検出部114は、タイマ値が設定時間(例えば、10秒、30秒など)以内であり、かつ、近接された携帯電話20が直近に接続確立していた装置と同一である場合に、選択部134に選択されたデータを電界カプラCから送信させる(S238)。なお、応答(C−ACC)には送信元装置の識別情報が含まれており、近接検出部114は当該識別情報に基づいて装置の同一性を判断することができる。
【0052】
(第2の例)
上記では、カウント用データをコンテンツサーバ10が送信する例を説明したが、以下に図4を参照して説明するように、携帯電話20がカウント用データを送信してもよい。
【0053】
図4は、第1の実施形態にかかる通信システム1の動作の変形例を示したシーケンス図である。まず、図4に示したように、コンテンツサーバ10の電界カプラCは、携帯電話20が近接されるまで接続確立要求(C−Req)の送信を繰り返す(S242)。そして、コンテンツサーバ10と携帯電話20が近接され、携帯電話20がコンテンツサーバ10の電界カプラCから送信された接続確立要求を受信すると(S244)、携帯電話20は接続確立要求に対する応答(C−ACC)を送信する(S246)。さらに、コンテンツサーバ10の電界カプラCが当該応答(C−ACC)に対する確認信号(C−Ack)を電界通信制御部110による制御に基づいて送信することにより、コンテンツサーバ10と携帯電話20との接続が確立される(S248)。
【0054】
そして、コンテンツサーバ10と携帯電話20との接続が確立されると、携帯電話20は所定の送信時間を要するカウント用データを自装置内の電界カプラCから送信する(S250)。コンテンツサーバ10が当該カウント用データを受信すると、電界通信制御部110がACKを返信すると共に(S252)、近接検出部114がカウント用データの受信回数をカウントアップする(S254)。さらに、携帯電話20は、カウント用データの送信を繰り返し(S256、S258)、コンテンツサーバ10の電界通信制御部110がACKを返信すると共に(S260)、近接検出部114がカウント用データの受信回数をカウントアップする(S262)。
【0055】
その後、コンテンツサーバ10と携帯電話20が離隔され、コンテンツサーバ10におけるカウント用データの受信が途絶えると、電界通信制御部110は電界カプラCから通信終了を示すコネクションリリース(C−RLS)を送信させる(S264)。さらに、タイマ138がタイマ値のカウントを開始すると共に、選択部134が、近接検出部114によりカウントされたカウント用データの受信回数に基づき、送信対照とするデータを選択する(S266)。例えば、選択部134は、カウント用データの受信回数が5回以上の場合には販売用データを選択し、5回未満であった場合には試聴用データを選択してもよい。
【0056】
続いて、コンテンツサーバ10の電界カプラCは、携帯電話20が再近接されるまで接続確立要求(C−Req)の送信を繰り返す(S267)。そして、コンテンツサーバ10と携帯電話20が再近接され、携帯電話20がコンテンツサーバ10の電界カプラCから送信された接続確立要求を受信すると(S268)、携帯電話20は接続確立要求に対する応答(C−ACC)を送信する(S269)。さらに、コンテンツサーバ10の電界カプラCが当該応答(C−ACC)に対する確認信号(C−Ack)を電界通信制御部110による制御に基づいて送信することにより、コンテンツサーバ10と携帯電話20との接続が再確立される(S270)。
【0057】
続いて、近接検出部114はタイマ値を確認する(S271)。そして、近接検出部114は、タイマ値が設定時間(例えば、10秒、30秒など)以内であり、かつ、近接された携帯電話20が直近に接続確立していた装置と同一である場合に、選択部134に選択されたデータを電界カプラCから送信させる(S272)。
【0058】
(第3の例)
上記では、コンテンツサーバ10が、選択部134により選択されたデータを、再近接時に電界カプラCから送信する例を説明したが、以下に図5を参照して説明するように、選択部134により選択されたデータを無線LANにより送信してもよい。
【0059】
図5は、第1の実施形態にかかる通信システム1の動作の変形例を示したシーケンス図である。まず、図5に示したように、コンテンツサーバ10の電界カプラCは、携帯電話20が近接されるまで接続確立要求(C−Req)の送信を繰り返す(S274)。そして、コンテンツサーバ10と携帯電話20が近接され、携帯電話20がコンテンツサーバ10の電界カプラCから送信された接続確立要求を受信すると(S276)、携帯電話20は接続確立要求に対する応答(C−ACC)を送信する(S278)。さらに、コンテンツサーバ10の電界カプラCが当該応答(C−ACC)に対する確認信号(C−Ack)を電界通信制御部110による制御に基づいて送信することにより、コンテンツサーバ10と携帯電話20との接続が確立される(S280)。
【0060】
そして、コンテンツサーバ10と携帯電話20との接続が確立されと、コンテンツサーバ10の近接検出部114は所定の送信時間を要するカウント用データを電界カプラCから送信させる(S282)。その後、近接検出部114は、当該カウント用データに対するACKを携帯電話20から受信すると(S284)、ACKの受信回数をカウントアップする(S286)。同様に、近接検出部114は、カウント用データを電界カプラCから送信させ(S288)、当該カウント用データに対するACKを携帯電話20から受信すると(S290)、ACKの受信回数をカウントアップする(S292)。
【0061】
その後、コンテンツサーバ10と携帯電話20が離隔され、カウント用データに対する応答が途絶えると(S294)、電界通信制御部110は電界カプラCから通信終了を示すコネクションリリース(C−RLS)を送信させる(S296)。さらに、選択部134が、近接検出部114によりカウントされたACKの受信回数に基づき、送信対照とするデータを選択する(S298)。例えば、選択部134は、ACKの受信回数が5回以上の場合には販売用データを選択し、5回未満であった場合には試聴用データを選択してもよい。そして、無線LAN制御部122が、選択部134により選択されたデータをアンテナ118から携帯電話20へ送信させる(S299)。なお、携帯電話20の無線LANにおけるアドレス情報は応答(C−ACC)に含まれていてもよく、無線LAN制御部122は当該アドレス情報に基づいて携帯電話20へデータを送信してもよい。
【0062】
(第1の実施形態のまとめ)
以上説明したように、本発明の第1の実施形態にかかるコンテンツサーバ10によれば、携帯電話20と近接されていた時間に応じ、送信対象とするデータを選択できる。当該機能は、加速度センサやジャイロセンサなどを設けることなく実現でき、かつユーザによる利便性が高い点で有利である。
【0063】
なお、上記では、コンテンツサーバ10が、携帯電話20と近接されていた時間に応じて販売用データまたは試聴用データのいずれかを選択する例を説明したが、本実施形態はかかる例に限定されない。例えば、コンテンツサーバ10は、携帯電話20と近接されていた時間に応じて送信対象とするコンテンツ、ビットレート、またはファイルフォーマットなどを選択してもよい。
【0064】
〔2〕第2の実施形態
次に、図6〜図8を参照し、本発明の第2の実施形態にかかる通信システム2ついて説明する。
【0065】
図6は、本発明の第2の実施形態にかかる通信システム2を示した説明図である。図6に示したように、本実施形態にかかる通信システム2は、携帯電話20Aおよび携帯電話20Bからなる。以下では、実質的に同一機能を有する複数の構成の各々は、同一符号の後に異なるアルファベットを付することで区別する。しかし、同一機能を有する複数の構成の各々を特に区別する必要が無い場合、同一符号のみを付する。例えば、携帯電話20Aおよび携帯電話20Bを特に区別する必要が無い場合、単に携帯電話20と総称する。
【0066】
携帯電話20は、コンテンツデータを記憶しており、記憶しているコンテンツデータを再生することができる。また、携帯電話20は、相互に電界結合することが可能な電界カプラと呼ばれる電極板を備える。例えば、携帯電話20Aおよび20Bの双方の電界カプラが例えば3cm以内に近接されると、一方の電界カプラにより発生される誘導電界の変化を他方の電界カプラが感知することにより、携帯電話20Aおよび20Bの間での電界通信が実現される。
【0067】
このような携帯電話20Aおよび20B間では、例えばコンテンツデータの転送が電界通信により行われる。しかし、転送に際し、一方のユーザが、他方のユーザにあるコンテンツデータの転送意思を伝えた後に通信モードを選択して必要なファイルを選ぶことは煩雑であった。これに対し、本実施形態によれば、より簡易的に送信対象のコンテンツデータを特定して転送することができる。以下、このような本実施形態について詳細に説明する。
【0068】
なお、図6においては通信装置の一例として携帯電話20Aおよび20Bを示しているに過ぎず、本発明はかかる例に限定されない。例えば、通信装置は、PC、家庭用映像処理装置、PHS、携帯用音楽再生装置、携帯用映像処理装置、PDA、家庭用ゲーム機器、携帯用ゲーム機器、家電機器などの情報処理装置であってもよい。
【0069】
図7は、第2の実施形態にかかる携帯電話20Aの構成を示した機能ブロック図である。図7に示したように、当該携帯電話20Aは、電界カプラCと、電界通信制御部310と、表示部314と、再生部318と、操作部322と、既往部326と、転送判断部330と、を備える。
【0070】
電界通信制御部310は、電界カプラCと携帯電話20Bの間での電界通信全般を制御する。例えば、電界通信制御部310は、接続確立処理のための接続用データを生成し、電界カプラCから送信可能な信号形式に変換する。また、電界通信制御部310は、所定のデータを電界カプラCから送信可能な信号形式に変換する。また、電界通信制御部310は、電界カプラCにより受信されたデータの復号処理を行う。例えば、電界通信制御部310は、高周波信号として電界カプラCにより受信されたデータをベースバンド信号にダウンコンバージョンし、コンスタレーションに基づいてビット列を得てもよい。
【0071】
記憶部326は、1または2以上のコンテンツデータを記憶している。また、記憶部126は、不揮発性メモリ、磁気ディスク、光ディスク、およびMO(Magneto Optical)ディスクなどの記憶媒体であってもよい。
【0072】
再生部318は、記憶部326に記憶されているコンテンツデータを再生する。例えば、コンテンツデータが音楽データである場合、再生部318は、記憶部326に記憶されているコンテンツデータをデコードし、空気振動に変換して音声として出力する。
【0073】
表示部314は、再生部318がコンテンツデータを再生している間に電界カプラCと携帯電話20Bが近接されると、再生中のコンテンツデータを携帯電話20Bへ転送するかをユーザに問う確認画面を表示する。また、携帯電話20Bも、携帯電話20Aとの電界通信により携帯電話20Aにおいてコンテンツデータが再生中であることを把握すると、当該コンテンツデータの転送を要求するかをユーザに問う確認画面を表示する。より詳細には、携帯電話20Bは、携帯電話20Aにおいて再生中のコンテンツデータのファイル情報を受信し、再生中のコンテンツデータのタイトルや時間などを確認画面に含ませてもよい。
【0074】
操作部322は、ユーザとのインターフェースであって、ユーザにより各種情報、各種指示が入力される。例えば、ユーザは、表示部314に表示されている確認画面において、操作部322を操作して再生中のコンテンツデータを転送するか否かを選択する。また、携帯電話20Bに表示されている確認画面において、コンテンツデータの転送を要求するか否かが選択されると、選択結果が携帯電話20Bから携帯電話20Aへ送信される。
【0075】
転送判断部330は、操作部322に対するユーザ操作、および携帯電話20Bから送信された選択結果に基づき、再生部318により再生されているコンテンツデータを転送するか否かを判断する。例えば、転送判断部330は、携帯電話20Aにおいて転送することが選択され、携帯電話20Bにおいて転送を要求することが選択されると、再生部318により再生されているコンテンツデータを転送すると判断する。
【0076】
電界通信制御部310は、コンテンツデータを転送すると転送判断部330により判断されると、再生部318により再生されているコンテンツデータを電界カプラCから送信させる。なお、送信するコンテンツデータは、ダウンロード形式であったも、ストリーミング形式であってもよい。
【0077】
続いて、図8を参照し、本実施形態にかかる携帯電話20の動作を説明する。
【0078】
図8は、第2の実施形態にかかる携帯電話20の動作の流れを示したフローチャートである。まず、図8に示したように、携帯電話20は、相手通信装置が近接されると、相手通信装置との接続を確立する(S350)。そして、携帯電話20の再生部318においてコンテンツデータが再生中であれば(S354)、電界通信制御部310が当該コンテンツデータのファイル情報を電界カプラCから相手通信装置へ送信する(S358)。
【0079】
また、表示部314が、再生中のコンテンツデータを転送するか否かをユーザに問う確認画面を表示する(S362)。そして、転送判断部330は、自装置において転送が許可され、かつ、相手通信装置からもコンテンツデータの転送要求があった場合、当該コンテンツデータを転送すると判断する(S366)。電界通信制御部310は、当該判断に従ってコンテンツデータの転送を行なう(S370)。
【0080】
以上説明したように、本実施形態によれば、再生中のコンテンツデータを送信対象とすることができる。したがって、送信対象とするコンテンツデータを選択する手間が省けるため、ユーザの利便性を向上できる。
【0081】
〔3〕第3の実施形態
次に、図9および図10を参照し、本発明の第3の実施形態にかかる通信システム3について説明する。
【0082】
図9は、本発明の第3の実施形態にかかる通信システム3を示した説明図である。図9に示したように、本実施形態にかかる通信システム3は、携帯電話20および印刷装置30を備える。
【0083】
携帯電話20は、第2の実施形態で説明した構成と実質的に同一に構成することができる。ただし、本実施形態においては、再生部318がコンテンツデータとして写真データを再生する例に重きをおいて説明する。また、本実施形態においては、携帯電話20は、転送判断部330による特段の判断によらず、再生中の写真データを印刷装置30に送信するものとする。
【0084】
印刷装置30は、電界カプラを備え、携帯電話20と電界通信することができる。また、印刷装置30は、外部から入力される写真データを紙などの印刷媒体に視認可能に印刷する。
【0085】
例えば、印刷装置30は、写真データを記憶しているメモリと接続されると、当該メモリに記憶されている写真データを読出し、ユーザに選択された写真データを印刷する。しかし、この場合、印刷しない写真データまでメモリから読み出されるため、写真データの読出しに時間がかかってしまうという問題があった。また、写真データの読出し時に、何らかの問題の発生によりメモリ内の写真データが損失することも考えられる。本実施形態にかかる通信装置3は、図10に示すように、これら問題を解決してより円滑な印刷を実現することが出来る。
【0086】
図10は、第3の実施形態にかかる通信システム3の動作の流れを示したシーケンス図である。まず、図10に示したように、携帯電話20の再生部318は、記憶部326に記憶されている1または2以上の写真データをプレビュー再生する(S404)。その後、携帯電話20と印刷装置30とが近接されると(S408)、携帯電話20と印刷装置30とが電界通信により接続確立処理を行う(S412)。
【0087】
そして、接続確立処理が終了すると、携帯電話20の電界通信制御部310は、プレビュー再生中の1または2以上の写真データを電界カプラCから印刷装置30へ送信する(S416)。印刷装置30は、携帯電話20から1または2以上の写真データを受信すると、当該写真データ、および当該写真データを印刷するか否かをユーザに問う画面を表示する。そして、ユーザにより印刷を指示されると(S420)、印刷装置30は印刷を実行し(S424)、ユーザが希望通りに印刷されてかを確認する(S428)。なお、印刷装置30は、ユーザにより指定された枚数および大きさで印刷を実行してもよい。また、当該指定は、印刷装置30が複数の電界カプラを備える場合、携帯電話20をいずれかの電界カプラに近接させることにより行なうことも可能である。
〔4〕補足
【0088】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0089】
例えば、本明細書の通信システムおよび携帯電話20の処理における各ステップは、必ずしもシーケンス図またはフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、通信システムおよび携帯電話20の処理における各ステップは、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)を含んでもよい。
【0090】
また、コンテンツサーバ10、携帯電話20、および印刷装置30に内蔵されるCPU、ROMおよびRAMなどのハードウェアを、上述したコンテンツサーバ10、携帯電話20、および印刷装置30の各構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、該コンピュータプログラムを記憶させた記憶媒体も提供される。また、図2および図7の機能ブロック図で示したそれぞれの機能ブロックをハードウェアで構成することで、一連の処理をハードウェアで実現することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】第1の実施形態にかかる通信システムを示した説明図である。
【図2】第1の実施形態にかかるコンテンツサーバの構成を示した機能ブロック図である。
【図3】第1の実施形態にかかる通信システムの動作の流れを示したシーケンス図である。
【図4】第1の実施形態にかかる通信システムの動作の変形例を示したシーケンス図である。
【図5】第1の実施形態にかかる通信システムの動作の変形例を示したシーケンス図である。
【図6】第2の実施形態にかかる通信システムを示した説明図である。
【図7】第2の実施形態にかかる携帯電話の構成を示した機能ブロック図である。
【図8】第2の実施形態にかかる携帯電話の動作の流れを示したフローチャートである。
【図9】第3の実施形態にかかる通信システム3を示した説明図である。
【図10】第3の実施形態にかかる通信システムの動作の流れを示したシーケンス図である。
【符号の説明】
【0092】
10 コンテンツサーバ
20 携帯電話
30 印刷装置
110、310 電界通信制御部
114 近接検出部
122 無線LAN制御部
134 選択部
138 タイマ
318 再生部
330 転送判断部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電界結合または磁界結合により他の通信装置と通信する第1の通信部と;
前記他の通信装置と前記第1の通信部との近接を検出する近接検出部と;
前記他の通信装置と前記第1の通信部とが離隔されると、前記他の通信装置と前記第1の通信部とが近接されていた時間に応じ、異なるデータを送信対象として選択する選択部と;
を備える、通信装置。
【請求項2】
前記選択部は、
前記他の通信装置と前記第1の通信部とが近接されていた時間が設定時間より短かった場合に第1のデータを送信対象として選択し、
前記他の通信装置と前記第1の通信部とが近接されていた時間が設定時間より長かった場合に第1のデータを一部に含む第2のデータを送信対象として選択する、請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記第1の通信部は、周期的に信号を送信し、前記他の通信装置と前記第1の通信部とが近接されている場合には当該信号に対する応答を前記他の通信装置から受信し、
前記近接検出部は、前記第1の通信部により前記応答が連続的に受信された回数をカウントし、
前記選択部は、前記近接検出部によりカウントされた回数に応じてデータ選択をする、請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記第1の通信部は、前記他の通信装置から周期的に送信される信号を受信し、
前記近接検出部は、前記第1の通信部により前記応答が連続的に受信された回数をカウントし、
前記選択部は、前記近接検出部によりカウントされた回数に応じてデータ選択をする、請求項2に記載の通信装置。
【請求項5】
前記第1の通信部は、前記他の通信装置と前記第1の通信部とが離隔された後に前記他の通信装置と前記第1の通信部とが再近接され、かつ、前記他の通信装置と前記第1の通信部とが離隔されていた時間が所定時間以内であった場合、前記選択部により選択されたデータを送信する、請求項1〜4に記載の通信装置。
【請求項6】
前記通信装置は、第2の通信部をさらに備え、
前記選択部により選択されたデータを前記第2の通信部から送信させる、請求項1〜4に記載の通信装置。
【請求項7】
コンピュータを、
電界結合または磁界結合により他の通信装置と通信する通信部と;
前記他の通信装置と前記通信部との近接を検出する近接検出部と;
前記他の通信装置と前記通信部とが離隔されると、前記他の通信装置と前記通信部とが近接されていた時間に応じ、異なるデータを送信対象として選択する選択部と;
として機能させるための、プログラム。
【請求項8】
電界結合または磁界結合により通信する他の通信装置との近接を検出するステップと;
前記他の通信装置との離隔を検出するステップと;
前記他の通信装置が近接されていた時間に応じ、異なるデータを送信対象として選択するステップと;
を含む、通信方法。
【請求項9】
第1の通信装置と;
電界結合または磁界結合により前記第1の通信装置と通信する通信部、
前記第1の通信装置と前記通信部との近接を検出する近接検出部、および、
前記第1の通信装置と前記通信部とが離隔されると、前記第1の通信装置と前記通信部とが近接されていた時間に応じ、異なるデータを送信対象として選択する選択部、
を有する第2の通信装置と;
を備える、通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−50924(P2010−50924A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−215844(P2008−215844)
【出願日】平成20年8月25日(2008.8.25)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】