説明

遠赤外線放射板

【課題】十分な強度を有し、広い面積から遠赤外線を効率的に発生でき、しかも安価な遠赤外線放射板を提供する。
【解決手段】遠赤外線を放射し、粒度が2mm以上8mm以下の骨材と、粒度が0.1mm以上2mm未満の細骨材とからなる遠赤外線放射材にバインダーを加えて固めた遠赤外線放射板10であって、内部に面状の補強部材11が設けられ、骨材は天然鉱石破砕物及びスラグ破砕物からなり、細骨材は天然鉱石粉砕物及び廃ガラス粉砕物からなって、骨材に対する細骨材の割合は、骨材に対して該細骨材が0.8以上2.5以下である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天然鉱石、スラグ、及び廃ガラスからなる遠赤外線放射材にバインダーを加えて固めた遠赤外線放射板に関する。
【背景技術】
【0002】
遠赤外線は、物の乾燥や加熱といった工業用分野で使用されるだけでなく、冷え性や肩凝りの症状の解消といった家庭用分野においても使用されている。ここで、家庭用分野として使用する場合の遠赤外線放射源は、例えば、遠赤外線を放射する天然鉱石を含む石や、遠赤外線を放射する天然鉱石を含む岩石から切り出した石板を使用している。また、遠赤外線を更に効率的に発生させるために、天然鉱石から切り出した石板あるいは天然鉱石の粉砕物から成形した板の表面に、遠赤外線を特異的に放出する天然鉱石の微粉末をコーティングすることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2007−182344号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、遠赤外線を放射する石を使用する場合、広い面積から遠赤外線を放射させるには石を敷き並べる必要があり使用方法が煩雑になると共に、敷き並べる場所の制約を受けるという問題がある。また、遠赤外線を放射する岩石から切り出した石板を使用する場合、板の切り出しが可能なサイズの岩石の入手が困難になったり、入手できた岩石でも石目の関係で厚みが薄いと板の強度が弱くなり、十分な強度を持たせようとすると厚みが大きくなって取扱いが困難になるという問題が生じている。更に、天然鉱石の石板の表面に遠赤外線を放出する天然鉱石の微粉末をコーティングする場合、天然鉱石の石板を使用する際の問題点に加えて、コーティング工程だけ製造工程が長くなるため、製造コストが増加するという問題が生じ、天然鉱石の粉砕物を成形した板の表面に遠赤外線を放出する天然鉱石の微粉末をコーティングする場合は、成形工程及びコーティング工程分だけ製造工程が長くなり、製造コストが増加するという問題が生じる。
【0005】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、十分な強度を有し、広い面積から遠赤外線を効率的に発生でき、しかも安価な遠赤外線放射板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的に沿う本発明に係る遠赤外線放射板は、遠赤外線を放射し、粒度が2mm以上8mm以下の骨材と、粒度が0.1mm以上2mm未満の細骨材とからなる遠赤外線放射材にバインダーを加えて固めた遠赤外線放射板であって、
内部に面状の補強部材が設けられ、前記骨材は天然鉱石破砕物及びスラグ破砕物からなり、前記細骨材は天然鉱石粉砕物及び廃ガラス粉砕物からなって、該骨材に対する該細骨材の割合は、該骨材に対して該細骨材が0.8以上2.5以下である。
【0007】
本発明に係る遠赤外線放射板において、前記遠赤外線放射材と該遠赤外線放射材の17質量%以上25質量%以下の前記バインダーであるセメントに混練水を加えて調製した混練物を圧縮成形又は成形型内への流込み成形により製造することができる。
【0008】
本発明に係る遠赤外線放射板において、前記混練水は、鉱泉水、電解アルカリ水、及び電解酸性水のいずれか1又は2以上の組合せ、水道水と鉱泉水、電解アルカリ水、又は電解酸性水との組合せ、あるいは水道水とすることができる。
【0009】
本発明に係る遠赤外線放射板において、前記混練水に対して、外掛けで檜オイルを0.2体積%以上0.4体積%以下添加することが好ましい。なお、檜オイルの代わりに流動性を有する油を使用してもよい。
【0010】
本発明に係る遠赤外線放射板において、前記遠赤外線放射材に、800℃以上の温度で焼成した竹炭及び備長炭のいずれか一方又は双方の粉砕物を、外掛けで7質量%以上13質量%以下添加することが好ましい。
ここで、備長炭とは、狭義にはウバメガシを材料として800〜1200℃の温度で焼成した木炭を指すが、木質の堅い木材を800〜1200℃の温度で焼成して得られる木炭も含む。
【0011】
本発明に係る遠赤外線放射板において、前記天然鉱石破砕物及び前記スラグ破砕物の割合は、該スラグ破砕物に対して該天然鉱石破砕物が0.3以上0.9以下であり、前記天然鉱石粉砕物及び前記廃ガラス粉砕物の割合は、該廃ガラス粉砕物に対して該天然鉱石粉砕物が1以上3以下とすることができる。
【0012】
本発明に係る遠赤外線放射板において、前記天然鉱石は蛇紋石、麦飯石、ブラックシリカ、トルマリン、安山岩、溶岩石、及び祖母聖光石のいずれか1又は2以上の組合せとすることができる。
【発明の効果】
【0013】
請求項1〜7記載の遠赤外線放射板においては、天然鉱石の破砕物及び粉砕物、スラグ破砕物、及び廃ガラス粉砕物を使用することで、遠赤外線放射材のコストを低減することができる。また、天然鉱石の破砕物とスラグ破砕物を組み合わせることで、骨材からの遠赤外線放射率を一定範囲に調整することができ、天然鉱石粉砕物と廃ガラス粉砕物を組み合わせることで、細骨材からの遠赤外線放射率を一定範囲に調整できる。そして、骨材に対する細骨材の割合を調整すると共に内部に面状の補強部材を設けることで、バインダーで固めた成形後の遠赤外線放射板の寸法変化、変形を小さくできる。
【0014】
特に、請求項2記載の遠赤外線放射板においては、セメントをバインダーとして使用するので、成形後室温で養生するだけで遠赤外線放射板に安定した強度を発現させることができ、遠赤外線放射板の製造コストを下げることができる。そして、圧縮成形することで遠赤外線放射板の密度を向上させて、遠赤外線放射板の単位面積からの遠赤外線放射率を向上できる。また、流込み成形を行うことで、面積の大きな、又は複雑な形状の遠赤外線放射板を容易かつ安価に成形できる。
【0015】
請求項3記載の遠赤外線放射板においては、鉱泉水、電解アルカリ水、電解酸性水を使用することで、混練物の均一性が向上し、均一組織の遠赤外線放射板を得ることができ、遠赤外線放射板の遠赤外線放射率を高めることができる。また、混練水の一部又は全部を水道水とすることで、混練水のコストを低減できる。
【0016】
請求項4記載の遠赤外線放射板においては、混練水に檜オイルを添加することで混練物に可塑性を付与することができ、遠赤外線放射板を成形した際に表面を滑らかにすることができる。
【0017】
請求項5記載の遠赤外線放射板においては、800℃以上の温度で焼成して製造した竹炭、備長炭の遠赤外線放射率は大きいので、竹炭、備長炭の粉砕物を添加することで遠赤外線放射材の遠赤外線放射効率を高めることができる。更に、竹炭、備長炭を添加することで遠赤外線放射板の熱伝導が向上するので、遠赤外線放射板を加熱した際に全体の温度を短時間で上げることができ、遠赤外線放射板からの遠赤外線放射量を大きくできる。
【0018】
請求項6記載の遠赤外線放射板においては、天然鉱石破砕物とスラグ破砕物の割合、天然鉱石粉砕物と廃ガラス粉砕物の割合をそれぞれ調整することで、遠赤外線放射材からの遠赤外線放射量を高位に安定することができる。
【0019】
請求項7記載の遠赤外線放射板においては、天然鉱石を蛇紋石、麦飯石、ブラックシリカ、トルマリン、安山岩、溶岩石、及び祖母聖光石のいずれか又は2以上の組合せとするので、天然鉱石を使用しても、遠赤外線放射材からの遠赤外線放射量を高位に安定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここで、図1は本発明の一実施の形態に係る遠赤外線放射板の側断面図である。
【0021】
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係る遠赤外線放射板10は、遠赤外線を放射し、粒度が2mm以上8mm以下の骨材と、粒度が0.1mm以上2mm未満の細骨材とからなる遠赤外線放射材に、竹炭の粉砕物とバインダーとしてセメント(普通ポルトランドセメント)を加えて固めたものであって、例えば、厚みが10〜20mmとなるように形成され、内部に面状の補強部材の一例である金網11が設けられている。ここで、骨材は天然鉱石破砕物及びスラグ破砕物からなり、細骨材は天然鉱石粉砕物及び廃ガラス粉砕物からなって、骨材に対する細骨材の割合は、骨材に対して細骨材が0.8以上2.5以下である。また、セメントは、遠赤外線放射材中に遠赤外線放射材の17質量%以上25質量%以下加える。即ち、遠赤外線放射材とセメントを合わせて100質量%とした場合、15質量%以上20質量%以下がセメントとなる。そして、遠赤外線放射板10は、遠赤外線放射材、竹炭の粉砕物、及びセメントの混合物に、檜オイルが添加された混練水を加えて調製した混練物を、成形型内に充填し、例えば油圧プレスで圧縮成形して製造される。以下詳細に説明する。
【0022】
金網11の網目間隔は、例えば、10〜15mmであり、圧縮成形時に成形型内で混練物が移動する際に、粒度が2mm以上8mm以下の骨材は金網11を通過できるようになっている。これにより、成形型内での骨材の移動が妨げられず、中央部に金網11が配設され、骨材、細骨材、竹炭の粉砕物、及びセメントが均一に分散した状態の遠赤外線放射板10が得られる。そして、粒度が0.1mm以上2mm未満の細骨材を、骨材に対して0.8以上2.5以下配合することで、セメント、細骨材、及び竹炭の粉砕物からなる結合相の収縮量を小さくでき、養生後に得られる乾燥状態の遠赤外線放射板10において、骨材の周囲が結合相で確実に取り囲まれた状態の組織を形成することができる。その結果、遠赤外線放射板10に安定した強度を発現させることができる。
【0023】
混練水には、鉱泉水を使用し、その使用量は、セメントが加えられた遠赤外線放射材に対して外掛けで12〜16質量%である。混練水量が12質量%未満では、均質な混練物が得られ難く成形型内での混練物の滑りが不十分となり、遠赤外線放射板10の密度が低くなり、単位面積当たりの遠赤外線放射量が低下する。一方、混練水量が16質量%を超えると、成形直後の遠赤外線放射板10に含まれる水分量が多いため、養生、乾燥後の遠赤外線放射板10の密度は低くなり、単位面積当たりの遠赤外線放射量が低下する。このため、混練水量は、セメントを含んだ遠赤外線放射材に対して外掛けで12〜16質量%とした。
【0024】
ここで、鉱泉水には、例えば、ナトリウムイオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、塩素イオン、硫酸イオン、ヒドロ炭素イオン等の各種イオンが含まれており、竹炭の粉砕物とセメントが添加された遠赤外線放射材に混練水を加えて混練物を調製する際に、上記の各種イオンの作用と考えられるが、混練物の均一性が向上する傾向を示す。このため、遠赤外線放射板10の組織が均一となり、遠赤外線放射板10表面の単位面積当たりからの遠赤外線放射率が向上する。また、混練水には、檜オイルを混練水に対して外掛けで0.2体積%以上0.4体積%以下添加している。檜オイルを加えることで、混練物に可塑性を付与することができ、成形型内での混練物の滑りが促進されると共に、遠赤外線放射板10を成形した際の表面状態が滑らかになる。
【0025】
骨材は、遠赤外線を放射する天然鉱石破砕物の一例である蛇紋石破砕物と、スラグ破砕物の一例である高炉スラグ破砕物からなり、蛇紋石破砕物と高炉スラグ破砕物の割合は、高炉スラグ破砕物に対して蛇紋石破砕物が0.3以上0.9以下である。また、細骨材は、天然鉱石粉砕物の一例である蛇紋石粉砕物と、廃ガラス粉砕物からなり、蛇紋石粉砕物と廃ガラス粉砕物の割合は、廃ガラス粉砕物に対して蛇紋石粉砕物が1以上3以下である。
【0026】
蛇紋石は、非常に高い遠赤外線の放射率を有するが、産地により成分が変動し、遠赤外線放射率も変動するという問題がある。一方、高炉スラグは、遠赤外線の放射率が高い金属酸化物、例えば、シリカ(二酸化珪素)、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムを含み、これらの成分含有率は比較して安定している。このため、蛇紋石破砕物と高炉スラグ破砕物を組み合わせると、蛇紋石破砕物からの遠赤外線放射率が変動しても、骨材からの遠赤外線放射率を一定範囲に調整することができる。ここで、高炉スラグ破砕物に対して蛇紋石破砕物の使用が0.3未満では、骨材からの遠赤外線放射率が低くなって好ましくない。また、高炉スラグ破砕物に対して蛇紋石破砕物の使用が0.9を超えると、骨材からの遠赤外線放射率を一定範囲に調整することが困難となる。このため、高炉スラグ破砕物に対して蛇紋石破砕物が0.3以上0.9以下とした。
【0027】
廃ガラスは、シリカが主体で、更に、色ガラスに由来し、遠赤外線の放射率が高い金属酸化物、例えば、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化マンガン、酸化クロム等を含む。このため、廃ガラス粉砕物は、高い遠赤外線の放射率を有し、蛇紋石粉砕物の一部を廃ガラス粉砕物に置き換えることで、遠赤外線放射材のコストを下げることができる。ここで、酸化鉄、酸化ニッケル、酸化マンガン、酸化クロム等の遠赤外線の放射率が高い金属酸化物が含有される割合は、廃ガラス中の含まれる色ガラスの種類とその割合で決まるため、廃ガラス粉砕物の遠赤外線放射率の変動幅は、蛇紋石粉砕物の遠赤外線放射率の変動幅よりも大きい。このため、細骨材からの遠赤外線放射率を一定範囲に調整する場合、蛇紋石粉砕物と廃ガラス粉砕物の割合は、廃ガラス粉砕物に対して蛇紋石粉砕物を1以上3以下とした。
【0028】
更に、遠赤外線放射材には、800℃以上の温度で焼成した竹炭の粉砕物(例えば、粒度が3mm以下)が添加されている。800℃以上の温度で焼成した竹炭の遠赤外線放射率は大きいので、竹炭の粉砕物を添加することで遠赤外線放射材の遠赤外線放射効率を更に高めることができる。また、一般に炭(炭素材)の熱伝導率は大きいので、竹炭の粉砕物を遠赤外線放射材に添加することで、遠赤外線放射板10の熱伝導を向上させることができる。このため、図1に示すように、遠赤外線放射板10の一面側をヒーター12で加熱して遠赤外線放射板10の温度を上昇させ、遠赤外線放射板10の他面側から遠赤外線を放射する場合、遠赤外線放射板10の他面側の温度が短時間で上昇して、遠赤外線放射板10の他面側からの遠赤外線放射率を大きくすることができる。
【0029】
ここで、遠赤外線放射板10の熱伝導の向上が顕著となるには、遠赤外線放射材に対して外掛けで7質量%以上の竹炭の粉砕物を添加する必要である。一方、竹炭の粉砕物の添加量が多くなると、結合相中のセメント部分の連結が竹炭の粉砕物により分断されるため、遠赤外線放射板10の強度は徐々に低下し、遠赤外線放射材に対して外掛けで13質量%を超えて竹炭の粉砕物を添加すると、遠赤外線放射板10の強度は大きく低下する。このため、遠赤外線放射材に添加する竹炭の量を、遠赤外線放射材に対して外掛けで7質量%以上、好ましくは8質量%以上、より好ましくは11質量%以上で、13質量%以下とした。
【0030】
続いて、本発明の一実施の形態に係る遠赤外線放射板10の作用について説明する。
図1に示すように、ヒーター12で遠赤外線放射板10の一面側が加熱されると、遠赤外線放射板10の一面側から他面側に向けて熱が移動し、遠赤外線放射板10の他面側の温度が徐々に上昇する。ここで、遠赤外線放射板10中には、熱伝導率の高い竹炭の粉砕物が分散しているので、遠赤外線放射板10の熱伝導率が大きくなって、遠赤外線放射板10の他面側の温度は短時間で上昇する。
【0031】
ここで、遠赤外線放射板10は、遠赤外線の放射率が高い蛇紋石破砕物、高炉スラグ破砕物、蛇紋石粉砕物、廃ガラス粉砕物、竹炭、及びセメントから構成されているので、蛇紋石破砕物、高炉スラグ破砕物、蛇紋石粉砕物、廃ガラス粉砕物、竹炭から遠赤外線がそれぞれ発生する。更に、結合相の一部を形成しているセメントには酸化アルミニウムが含まれているため、セメントが加熱されると、セメントからも遠赤外線が発生する。このため、遠赤外線放射板10の他面側の全面から遠赤外線が一様に放射される。
【0032】
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載した構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。
例えば、天然鉱石として麦飯石、ブラックシリカ、トルマリン、安山岩、溶岩石、及び祖母聖光石のいずれかを使用することができ、更に、蛇紋石、麦飯石、ブラックシリカ、トルマリン、安山岩、溶岩石、及び祖母聖光石の2以上を組合せたものも使用することができる。スラグ破砕物として、製鋼スラグ、非鉄金属精錬で発生するスラグが使用でき、セメントとして、早強セメント、高炉セメント、アルミナセメントも使用できる。
また、竹炭の代りに備長炭、竹炭と備長炭を混合したものも使用でき、混練水として、電解アルカリ水、及び電解酸性水のいずれか、鉱泉水、電解アルカリ水、及び電解酸性水の2以上の組合せ、水道水と鉱泉水、電解アルカリ水、又は電解酸性水との組合せ、あるいは水道水のみも使用できる。更に、面状の補強部材としてパンチングメタルが使用できる。
そして、遠赤外線放射板の形成を、混練物を成形型内に流し込んで成形する流込み成形により行うこともできる。流し込み成形を行う場合、混練物の流動性を圧縮成形の場合に比べて大きくする必要があり、例えば、混練水の添加量を多くする。
なお、遠赤外線放射板の大きさ(面積)は、人手で取扱い可能な範囲であれば特に制約はないが、遠赤外線放射板の一面側を加熱するのに使用する面状のヒーターの放熱面全体を単独で又は組み合わせて過不足なく覆うことができるような大きさにするのが、遠赤外線放射の効率から好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一実施の形態に係る遠赤外線放射板の説明図である。
【符号の説明】
【0034】
10:遠赤外線放射板、11:金網、12:ヒーター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠赤外線を放射し、粒度が2mm以上8mm以下の骨材と、粒度が0.1mm以上2mm未満の細骨材とからなる遠赤外線放射材にバインダーを加えて固めた遠赤外線放射板であって、
内部に面状の補強部材が設けられ、前記骨材は天然鉱石破砕物及びスラグ破砕物からなり、前記細骨材は天然鉱石粉砕物及び廃ガラス粉砕物からなって、該骨材に対する該細骨材の割合は、該骨材に対して該細骨材が0.8以上2.5以下であることを特徴とする遠赤外線放射板。
【請求項2】
請求項1記載の遠赤外線放射板において、前記遠赤外線放射材と該遠赤外線放射材の17質量%以上25質量%以下の前記バインダーであるセメントに混練水を加えて調製した混練物を圧縮成形又は成形型内への流込み成形により製造することを特徴とする遠赤外線放射板。
【請求項3】
請求項2記載の遠赤外線放射板において、前記混練水は、鉱泉水、電解アルカリ水、及び電解酸性水のいずれか1又は2以上の組合せ、水道水と鉱泉水、電解アルカリ水、又は電解酸性水との組合せ、あるいは水道水であることを特徴とする遠赤外線放射板。
【請求項4】
請求項2及び3のいずれか1項に記載の遠赤外線放射板において、前記混練水に対して、外掛けで檜オイルを0.2体積%以上0.4体積%以下添加することを特徴とする遠赤外線放射板。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の遠赤外線放射板において、前記遠赤外線放射材に、800℃以上の温度で焼成した竹炭及び備長炭のいずれか一方又は双方の粉砕物を、外掛けで7質量%以上13質量%以下添加することを特徴とする遠赤外線放射板。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の遠赤外線放射板において、前記天然鉱石破砕物及び前記スラグ破砕物の割合は、該スラグ破砕物に対して該天然鉱石破砕物が0.3以上0.9以下であり、前記天然鉱石粉砕物及び前記廃ガラス粉砕物の割合は、該廃ガラス粉砕物に対して該天然鉱石粉砕物が1以上3以下であることを特徴とする遠赤外線放射板。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の遠赤外線放射板において、前記天然鉱石は蛇紋石、麦飯石、ブラックシリカ、トルマリン、安山岩、溶岩石、及び祖母聖光石のいずれか1又は2以上の組合せであることを特徴とする遠赤外線放射板。

【図1】
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【公開番号】特開2009−143760(P2009−143760A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−322375(P2007−322375)
【出願日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【出願人】(507409151)有限会社ウッドメック (3)
【Fターム(参考)】