説明

錠装置

【課題】 扉を閉じた際に錠装置が破損することを防止でき、加えて特別な操作を行わなくても扉を施錠できる錠装置を提供する。
【解決手段】 本発明の錠装置は、建物の開口部に配置する開き戸の扉3に本体2を取り付け、開口部の枠13に受座14を設ける。本体2には、出没するデッドボルト5と、デッドボルト5を出没方向に移動させる駆動部6と、扉開放信号を受信した際にデッドボルト5を後退させる制御部12とを有する。デッドボルト5は、コイルバネ23によって付勢されて突出位置で受座14の受穴15に係合する。デッドボルト5の先端面5aは、扉3の閉じ方向側へ向かうに従って後方へ傾斜し、突出位置のデッドボルト5の先端面5aが受座14に当接したときにはデッドボルト5が後方へ押されて後退し、扉3を閉め切ったときにデッドボルト5が受座14の受穴15に係合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マンション、一般住宅またはビルディングなどの建物に配置している開き戸または開き窓などに取り付ける錠装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、開き戸の扉(ドア)の室内側の面に錠本体を取り付け、その錠本体にリモコンでの操作に応じて出没する閂片を内蔵し、扉を閉じた状態で閂片を突出させたときには前記閂片が建物の開口部の固定枠に当接して、扉が開放不能になる錠装置が開示されている。また、特許文献1に記載の錠装置では、手動操作レバーによって手動で閂片を操作できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3090118号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の錠装置では、閂片を錠本体から突出させた状態で扉を閉じると、閂片が固定枠に激突して錠本体や固定枠などを破損させる虞がある。また、扉を閉じたのちにリモコンを操作して閂片を錠本体から突出させなければ施錠できず、その施錠のための操作が煩わしいといった問題がある。
【0005】
本発明は、かかる不都合を解決することを目的とするものであり、扉を閉じた際に錠装置が破損することを防止でき、加えて特別な操作を行わなくても施錠できる錠装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前記不都合を解決するものである。すなわち本発明は、建物の開口部に配置する開き戸の扉3および前記開口部の枠13に取り付ける錠装置であって、扉3または枠13のいずれか一方に本体2を取り付けるとともに、他方に受座14を設けており、本体2には、当該本体2に対して出没可能に支持されるデッドボルト5と、デッドボルト5を出没方向に移動させる駆動部6と、扉開放信号を受信した際に駆動部6を駆動してデッドボルト5を本体2の内方へ向けて後退させる制御部12とを有しており、デッドボルト5は、付勢手段23によって本体2から突出する方向に付勢されていて、本体2から突出した突出位置で受座14の受穴15に係合するようになっており、デッドボルト5の受座14側の先端面5aは、扉3の閉じ方向側へ向かうに従って本体2側である後方へ傾斜していて、扉3を閉めることで突出位置のデッドボルト5の先端面5aが受座14に当接したときには、その受座14によってデッドボルト5の先端面5aが後方へ押されて、付勢手段23の付勢力に抗して本体2側に後退し、扉3を閉め切ったときにデッドボルト5が受座14の受穴15に係合することを特徴とする。ここでの扉3には、両開き戸や片開き戸や開き窓などが該当する。また扉開放信号は、赤外線などを用いた無線または有線の通信方式で本発明の錠装置に送信される。付勢手段23には、コイルバネや合成ゴムなどが該当する。
【0007】
詳しくは、駆動部6は、モータ7を有していて、そのモータ7の出力軸の回転運動をデッドボルト5の直線運動に変換するようになっており、モータ7の出力軸には、回転板17を取り付けており、その回転板17にロッド19の一端を揺動自在に取り付け、そのロッド19の他端側にデッドボルト5の出没方向に延びる長穴20を形成しており、その長穴20には、デッドボルト5に固定しているピン21が長穴20の長さ方向へ移動可能に係合されている。
【0008】
また、デッドボルト5には、つまみ25を設けており、そのつまみ25は、本体2に凹み形成した凹部26内に突入しており、凹部26の開口面にはカバー27を配置していて、カバー27は、凹部26の内方へ押すことで破断して凹部26から除去できるようになっている。
【0009】
また、制御部12は、非常感知器10またはリモコン11からの扉開放信号を受信した際にデッドボルト5を本体2の内方へ向けて後退させるものとすることができる。ここでの非常感知器10には、煙感知器、熱感知器、ガス感知器および地震感知器などが該当する。非常感知器10およびリモコン11は、赤外線などを用いた無線方式、または有線方式で扉開放信号を送信する。ここでは、非常感知器10を制御盤などに有線または無線で接続し、その制御盤などから錠装置1に扉開放信号を送信する場合も含まれる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の錠装置は、非常感知器10やリモコン11などからの扉開放信号を受信した際に、デッドボルト5を本体2の内方へ向けて自動的に後退させるので、人が解錠のための特別な操作を行わなくても扉3を迅速に開くことができる。つまり、手間をかけずに開錠して扉3を開くことができる。
【0011】
また、デッドボルト5が突出位置にある状態で扉3を閉めたときには、デッドボルト5が受座14との当接によって本体2側に後退し、その後に扉3を閉め切ったときにデッドボルト5が受座14の受穴15に係合して施錠される。つまり、人が施錠のための特別な操作を行わなくても扉3を閉めるだけで施錠される。これにより、施錠のための手間を軽減できる。加えて、扉3を閉めたときにデッドボルト5が本体2側に後退するので、デッドボルト5が枠13に激突して、デッドボルト5や受座14や本体2などが破損することを確実に防止できる。
【0012】
デッドボルト5のピン21がロッド19の長穴20の長さ方向(デッドボルト5の出没方向)へ移動できると、ロッド19がデッドボルト5を突出させる位置にいても、扉3を閉めたときにはデッドボルト5を確実に後退させることができる。
【0013】
デッドボルト5につまみ25を設けていると、そのつまみ25を指などで摘んでデッドボルト5の後退方向へ手動で移動させることで、それに伴ってデッドボルト5が後退する。これによって、例えば錠装置1が故障した場合に、デッドボルト5の後退方向へ手動で移動させて開錠することができる。加えて、つまみ25が突入している本体2の凹部26の開口面にカバー27を配置していると、そのカバー27によってつまみ25が見え難くなる。これにより、例えばいたずらによってつまみ25が移動されて、扉3が不用意に開かれることを防止することができる。つまみ25を使用するときには、カバー27を指などで凹部26の内方へ押して破断させ、凹部26から除去する。
【0014】
非常感知器10からの扉開放信号を受信した際にデッドボルト5を本体2の内方へ向けて後退させると、火事などの非常事態の際には、人が解錠のための特別な操作を行わなくても開錠し、これにて扉3を開いて屋外などへ迅速に脱出することができる。
【0015】
リモコン11からの扉開放信号を受信した際にデッドボルト5を本体2の内方へ向けて後退させると、人が解錠のための特別な操作を行わなくても扉3を開くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明にかかる錠装置の横断平面図である。
【図2】図1のA―A線矢視断面図である。
【図3】後退位置のデッドボルトを示す図1の相当図である。
【図4】錠装置の正面図である。
【図5】錠装置のブロック構成図である。
【図6】錠装置の他の取り付けを示す横断平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に係る錠装置の一実施例を図1ないし図5に基づいて説明する。本発明の錠装置は、例えば、マンション、一般住宅またはビルディングなどの部屋の入り口や玄関などの建物の開口部に配置する開き戸の扉に取り付けられる。
【0018】
錠装置1の本体2は、図1および図2に示すように、扉3の室内側の適所にビスなどで取り付けられる。前記本体2には、当該本体2に対して出没可能に支持されるデッドボルト5と、そのデッドボルト5を出没方向(図1では左右方向)に移動させる駆動部6と、駆動部6の直流モータ7などに電源供給する電源部8と、煙感知器などの非常感知器10やリモコン11などから送信されてくる扉開放信号を受信した際に駆動部6の直流モータ7を駆動するなどの制御を行う制御部12などを有している。前記開口部には枠13を配置しており、その枠13内に扉3を配置している。
【0019】
デッドボルト5は、本体2から突出して、前記枠13に設けた受座14の受穴15に係合(嵌合)可能になっており、デッドボルト5が受穴15に係合している状態(図1の状態)で扉3が開放不能になる。電源部8は、ニッケル水素蓄電池などの二次電池を有している。制御部12は、電源部8の二次電池を充電するための充電制御回路や過電流保護回路などを有している。なお、電源部8は、二次電池に代えて、または二次電池と共に一次電池を有してもよい。受座14は、枠13と別体であってもよいが、枠13に一体形成してもよい。
【0020】
駆動部6は、直流モータ7の出力軸(回転軸)の回転運動をデッドボルト5の直線運動に変換するようになっている。つまり、直流モータ7の出力軸には、円形状の回転板17を同心状に取り付けており、その回転板17の周縁部には、ピン18を介してロッド19の一端を揺動自在に取り付けている。そのロッド19の他端側には、デッドボルト5の出没方向(図1では左右方向)に延びる長穴20を形成しており、その長穴20には、デッドボルト5に固定しているピン21が当該長穴20の長さ方向(デッドボルト5の出没方向)へ移動可能に係合されている。
【0021】
デッドボルト5の後端面(図2では右側)と、本体2内に突出している突起22との間には、コイルバネ(付勢手段)23を配置しており、そのコイルバネ23によってデッドボルト5が本体2から突出する方向(図2では左方向)に付勢されている。また、デッドボルト5の室内側の側面(図1では下側)には、ピン形状のつまみ25を設けており、そのつまみ25の先端部は、本体2の室内側の側面に凹み形成した凹部26内に突入している。そして、つまみ25の先端部を指などで摘んで手動でデッドボルト5の後退方向(図1では右方向)に移動させると、それに伴ってデッドボルト5が、コイルバネ23の付勢力に抗して本体2の内方へ後退する。
【0022】
前記凹部26の開口面(図1では下側)には、不透明または半透明の合成樹脂製のカバー27を配置している。なお、カバー27は、図4に示すように横長の四角形状になっている。そのカバー27の凹部26側の内面には、複数本(図4では3本)の破断線28を縦方向に形成しており、指などでカバー27を凹部26の内方へ強く押すと、破断線28でカバー27が破断して凹部26から除去できるようになっている。このカバー27の除去によって前記つまみ25の先端部を指などで摘むことができる。このように、デッドボルト5を手動で後退させることができるので、錠装置1の故障や電池切れなどによって直流モータ7を駆動できないときにも、手動でデッドボルト5を受座14の受穴15から外して扉3を開くことができる。また、凹部26をカバー27で覆うので、いたずらなどでつまみ25が操作されることが防がれる。
【0023】
デッドボルト5の受座14側の先端面(図1では左側面)5aは、図1に示すように、扉3の閉じ方向(図1では下方向)側へ向かうに従って本体2側である後方(図1では右側)へ傾斜している。これによって、扉3を閉めることで突出位置のデッドボルト5の先端面(傾斜面)5aが受座14の扉3側の側面14aに当接したときには、その受座14の側面14aによってデッドボルト5の先端面5aが後方へ押され、デッドボルト5がコイルバネ23の付勢力に抗して本体2の内方へ後退する。扉3を閉め切ったときには、デッドボルト5は、受座14の受穴15に臨むために、コイルバネ23の付勢力によって受穴15内に突入する。これによってデッドボルト5が受穴15に係合する。
【0024】
直流モータ7の回転軸には、前記回転板17と一体化している円板形状のカム板30を取り付けており、そのカム板30の周縁に沿って、デッドボルト5が突出位置まで前進したことを検出する第1リミットスイッチ31と、デッドボルト5が後退位置まで後退したことを検出する第2リミットスイッチ32とを配置している。カム板30は、その偏心位置で直流モータ7の出力軸に取り付けている。
【0025】
次に、錠装置1の動作を説明する。例えば、扉3を閉め切っていてデッドボルト5が受座14の受穴15に係合している状態(図1の状態)で、人が室外へ退去または室内へ入るためにリモコン11を操作すると、そのリモコン11からの扉開放信号を錠装置1の制御部12が受信する。すると、当該制御部12は、駆動部6の直流モータ7を駆動して突出位置のデッドボルト5を本体2の内方へ後退させる。そして、第2リミットスイッチ32によってデッドボルト5が後退位置(図3の位置)まで後退したことが検出されると、制御部12は直流モータ7を停止する。このとき、図3に示すように、デッドボルト5は受座14の受穴15から外れている。この状態で扉3を開くことができる。
【0026】
その後、所定の時間が経過すると、制御部12は、直流モータ7を駆動して前記後退位置のデッドボルト5を突出させ、第1リミットスイッチ31によってデッドボルト5が突出位置(図1の位置)まで前進したことが検出されると、直流モータ7を停止する。このとき、扉3を閉じていると、デッドボルト5は受座14の受穴15に係合し、扉3は開放不能な状態になる。前記所定の時間としては、制御部12がリモコン11からの扉開放信号を受信してから、例えば10〜20秒程度にしている。
【0027】
このように、リモコン11からの扉開放信号を受信した際には、所定の時間の経過後にデッドボルト5が突出するので、リモコン11を操作した者が、例えば室内から退去したのちに扉3を閉じるだけで、リモコン11を操作しなくても扉3が開放不能な状態になる。これによってリモコン11の操作忘れによる扉3の開放を確実に防止できる。
【0028】
前記所定の時間として、例えば10〜20秒程度としたのは、通常、リモコン11を操作した者は扉3の近傍に居るので、解錠状態の扉3を開くまでに長時間を要さないからである。扉3を開いた状態のまま前記所定の時間が経過してデッドボルト5が突出しても、扉3を閉じたときには、前述のようにデッドボルト5が受座14の傾斜面14aに押されて後退したのちに、受座14の受穴15内に突入して扉3が開放不能な状態になる。なお、扉3を開くまでに長時間を要した場合には、リモコン11を再度操作することでデッドボルト5を再び後退させて、扉3を開くことができる。
【0029】
リモコン11と制御部12とは、赤外線や電波や超音波などによる無線通信方式を用いて通信している。リモコン11には一個の押ボタン29(図5)を設けており、その押ボタン29が押されると、前記扉開放信号を送信する。なお、リモコン11と制御部12とは、有線通信方式を用いて通信してもよい。制御部12は、リモコン11の押ボタン29が押されて突出位置のデッドボルト5を後退させたのち、リモコン11の押ボタン29がもう一度押されると、後退位置のデッドボルト5を突出させるようにしてもよい。デッドボルト5を後退させるための押ボタンと、デッドボルト5を突出させるための押ボタンとをリモコン11に別々に設けてもよい。
【0030】
非常感知器10からの扉開放信号(非常信号)を受信した場合にも、制御部12は、リモコン11からの扉開放信号を受信した場合と同様の動作を行うが、デッドボルト5が後退位置まで後退しても直流モータ7を駆動することがない点が異なる。これによってデッドボルト5は後退位置のままで保持される。つまり、非常感知器10からの扉開放信号を受信したときは火事などの非常事態であるので、老人や身体障害者などであっても室内から確実に退去できるようにデッドボルト5が突出しないようにしている。なお、この場合であっても、前記退去後などにリモコン11を操作することで、デッドボルト5を突出させることができる。
【0031】
電源部8は、電池を複数本有しており、それらの電池は、二つの電池群に分かれている。制御部12は、各電池群を交互に切り替えて駆動部6の直流モータ7などに接続する。つまり、制御部12は、使用中の一方の電池群の残容量を検出しており、当該一方の電池群の残容量が少なくなると(例えば残容量がほぼなくなると)、他方の電池群に切り替える。これにより、他方の電池群を使用している間に一方の電池群を新しい電池に交換したり、または充電したりすることができ、電池切れによって錠装置1が作動しなくなることを未然に防ぐことができる。
【0032】
本体2の外面には、電源部8に接続されるコネクタ34を配置しており、そのコネクタ34には充電器などの外部電源(不図示)を接続可能になっている。その外部電源によって、例えば前記残容量が少なくなっている前記一方の電池群を充電することができる。制御部12は、不図示のLEDやブザーなどを有しており、例えば、前記いずれかの電池群が容量不足になったときには、前記LEDやブザーなどによってその旨を報知する。
【0033】
制御部12は、所定時間(例えば数秒)ごとにしか作動しないようになっており、リモコン11は、制御部12の作動停止時間よりも長い時間、扉開放信号を送信するようになっている。制御部12は、前記作動時間内に扉開放信号を受信したときには直流モータ7を駆動する。このように、制御部12を所定時間ごとにしか作動しないようにしたことで、錠装置1の消費電力が抑えられる。
【0034】
制御部12は、前記外部電源が接続されたときには、前記残容量が少なくなっている一方の電池群のみを充電するようにしてもよいが、使用により他方の電池群の残容量も少なくなっている場合には、その他方の電池群も充電するようにしてもよい。前記外部電源としては、例えば手回し式の発電機(不図示)などであってもよい。
【0035】
なお、図6に示すように、錠装置1の本体2を扉3の室外側の適所に取り付け、それに対応させて受座14を枠13の室外側に設けてもよい。また、錠装置1の本体2を枠13に取り付け、受座14を扉3に設けてもよい。この場合、電源として商用電源を用いることができるが、前記直流モータ7に代えて交流モータを使用することになる。また、前記商用電源を用いる場合に、当該商用電源を整流して直流モータ7などに供給してもよい。
【0036】
非常感知器10には、煙感知器の他に、熱感知器、ガス感知器および地震感知器などが該当する。また、錠装置1を複数の部屋の各扉3にそれぞれ設置した場合には、一個または複数個の非常感知器10から送信された扉開放信号によって各錠装置1を一斉に作動させることができる。また、例えば一個または複数個の非常感知器10を制御盤に有線または無線で接続し、その制御盤から錠装置1に扉開放信号を送信するようにしてもよい。
【0037】
電源部8が一次電池のみを有する場合には、コネクタ34を省略することができる。この場合にも、一次電池は、例えば二つの電池群に分かれており、制御部12は、一方の一次電池の電池群の残容量が少なくなると、他方の一次電池の電池群に切り替える。
【符号の説明】
【0038】
1 錠装置
2 本体
3 扉
5 デッドボルト
6 駆動部
7 直流モータ
8 電源部
10 非常感知器
11 リモコン
12 制御部
13 枠
14 受座
15 受穴
17 回転板
19 ロッド
20 長穴
21 ピン
23 コイルバネ
25 つまみ
26 凹部
27 カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の開口部に配置する開き戸の扉(3)および前記開口部の枠(13)に取り付ける錠装置であって、
前記扉(3)または前記枠(13)のいずれか一方に本体(2)を取り付けるとともに、他方に受座(14)を設けており、
本体(2)には、当該本体(2)に対して出没可能に支持されるデッドボルト(5)と、そのデッドボルト(5)を出没方向に移動させる駆動部(6)と、扉開放信号を受信した際に駆動部(6)を駆動してデッドボルト(5)を本体(2)の内方へ向けて後退させる制御部(12)とを有しており、
デッドボルト(5)は、付勢手段(23)によって本体(2)から突出する方向に付勢されていて、本体(2)から突出した突出位置で受座(14)の受穴(15)に係合するようになっており、
デッドボルト(5)の受座(14)側の先端面(5a)は、扉(3)の閉じ方向側へ向かうに従って本体(2)側である後方へ傾斜していて、扉(3)を閉めることで突出位置のデッドボルト(5)の先端面(5a)が受座(14)に当接したときには、その受座(14)によってデッドボルト(5)の先端面(5a)が後方へ押されて、付勢手段(23)の付勢力に抗して本体(2)側に後退し、扉(3)を閉め切ったときにデッドボルト(5)が受座(14)の受穴(15)に係合することを特徴とする錠装置。
【請求項2】
駆動部(6)は、モータ(7)を有していて、そのモータ(7)の出力軸の回転運動をデッドボルト(5)の直線運動に変換するようになっており、
モータ(7)の出力軸には、回転板(17)を取り付けており、
その回転板(17)にロッド(19)の一端を揺動自在に取り付け、そのロッド(19)の他端側にデッドボルト(5)の出没方向に延びる長穴(20)を形成しており、
その長穴(20)には、デッドボルト(5)に固定しているピン(21)が当該長穴(20)の長さ方向へ移動可能に係合されていることを特徴とする請求項1記載の錠装置。
【請求項3】
デッドボルト(5)には、つまみ(25)を設けており、
そのつまみ(25)は、本体(2)に凹み形成した凹部(26)内に突入しており、
前記凹部(26)の開口面にカバー(27)を配置していて、そのカバー(27)は、凹部(26)の内方へ押すことで破断して凹部(26)から除去できるようになっていることを特徴とする請求項1または2記載の錠装置。
【請求項4】
制御部(12)は、非常感知器(10)からの扉開放信号を受信した際にデッドボルト(5)を本体(2)の内方へ向けて後退させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の錠装置。
【請求項5】
制御部(12)は、リモコン(11)からの扉開放信号を受信した際にデッドボルト(5)を本体(2)の内方へ向けて後退させることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の錠装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2013−64246(P2013−64246A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−202569(P2011−202569)
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(397000160)株式会社豊和 (47)
【Fターム(参考)】