説明

開閉装置

【課題】操作者が遮蔽体の操作可能範囲を自由に設定できる開閉装置を提供する。
【解決手段】操作部3の操作により空間を仕切る遮蔽体2を全開と全閉との間の範囲で開閉駆動するものであって、遮蔽体2の動作末端を設定する操作が可能な末端設定手段6と、操作部の操作により遮蔽体2を開閉できる範囲を、当該設定された末端位置と全閉位置、または当該設定された末端位置と全開位置との間の所定範囲とする制御部10,30と、制御部10,30が遮蔽体2を開閉できる範囲を所定範囲となるように動作させる作動素子6と、を備えてなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に設けられるパワーウインドやスライドドア、サンルーフ、オートバックドア等の遮蔽体を操作部の操作により開閉駆動する開閉装置に関し、特に遮蔽体の開閉範囲を任意に設定することのできる開閉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に設けられる開閉装置として、パワーウインド装置やスライドドア装置、あるいはサンルーフ装置、オートバックドア装置などが知られている。パワーウインド装置では、車両のドアに設けられるパワーウインドが空間を仕切る遮蔽体となり、スライドドア装置では、車両の側面に設けられるスライドドアが空間を仕切る遮蔽体となり、サンルーフ装置では、車両の上面に設けられるサンルーフが空間を仕切る遮蔽体となり、オートバックドア装置では、車両の後面に設けられるバックドアが空間を仕切る遮蔽体となる。そして、車内に設けられる操作部の操作により、この遮蔽体を開閉駆動することができるように構成される。パワーウインド装置として構成された開閉装置としては、例えば特許文献1に挙げるようなものがある。
【特許文献1】特開2003−155871号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これらの開閉装置においては、操作部を操作し続ける、あるいは操作部において所定の操作を行うことにより、遮蔽体を全開または全閉状態とすることができる。そして、遮蔽体を全開と全閉の間の位置で止めたい場合には、操作の度に注意を払う必要があった。このため、例えば、挟み込みが生じない範囲、すなわち全開から所定の位置までの範囲で開閉操作したい場合や、逆に窓から物や人が落下しない範囲、すなわち全閉から所定の位置までの範囲で開閉操作したい場合には、それぞれ注意しながら操作を行う必要があった。
【0004】
また、全閉から所定の位置までの範囲で開閉操作したい場合としては、子供がサンルーフから体を出さない範囲で操作したい場合や、ペットが逃げ出さない範囲でスライドドアを操作したい場合などが考えられる。さらには、ドアをアンロックできない様にする、いわゆるチャイルドロックスイッチを備えた車両において、チャイルドロックスイッチをオンにしていても、パワーウインドを全開の状態として車内からドアの車外側に手を伸ばし、ドアノブを操作することでドアのロックを解除できドアを開けることができることとなっていたため、チャイルドロック時にパワーウインドの動作を制限する必要もあった。
【0005】
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、操作者が遮蔽体の操作可能範囲を自由に設定できる開閉装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係る開閉装置は、操作部(3)の操作により空間を仕切る遮蔽体(2)を全開と全閉との間の範囲で開閉駆動する開閉装置において、
前記遮蔽体(2)の動作末端を設定する操作が可能な末端設定手段(6)と、前記操作部の操作により前記遮蔽体(2)を開閉できる範囲を、当該設定された末端位置と全閉位置、または当該設定された末端位置と全開位置との間の所定範囲とする制御部(10,30)と、前記遮蔽体(2)の開閉できる範囲を前記所定範囲となるように前記制御部(10,30)を動作させる作動素子(6)と、を備えたことを特徴として構成されている。
【0007】
また、本発明に係る開閉装置は、前記遮蔽体(2)は車両に設けられるパワーウインドまたはスライドドアあるいはサンルーフあるいはオートバックドアであり、前記末端設定手段(6)は車内に設けられるスイッチにより構成されることを特徴として構成されている。
【0008】
さらに、本発明に係る開閉装置は、前記遮蔽体(2)はパワーウインドであり、前記末端設定手段(6)となるスイッチはチャイルドロックスイッチであることを特徴として構成されている。
【0009】
さらにまた、本発明に係る開閉装置は、前記作動素子(6)を前記チャイルドロックスイッチとしたことを特徴として構成されている。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る開閉装置によれば、遮蔽体の動作末端を設定する操作が可能な末端設定手段と、操作部の操作により遮蔽体を開閉できる範囲を、当該設定された末端位置と全閉位置、または当該設定された末端位置と全開位置との間の所定範囲とする制御部と、遮蔽体の開閉できる範囲を所定範囲となるように制御部を動作させる作動素子と、を備えたことにより、末端設定手段で任意に設定した遮蔽体の位置を、実際の操作において最大限に開くことが可能な位置、または最大限に閉めることが可能な位置として設定し、当該位置と全閉または全開位置との間でのみ遮蔽体を開閉させることができるので、所定範囲でのみ遮蔽体を開閉させる動作を容易に行わせることができ、操作性を良好にすることができる。
【0011】
また、本発明に係る開閉装置によれば、遮蔽体は車両に設けられるパワーウインドまたはスライドドアあるいはサンルーフあるいはオートバックドアであり、末端設定手段は車内に設けられるスイッチにより構成されることにより、車内のスイッチの操作により、簡易にパワーウインド等の開閉範囲の設定を行うことができる。
【0012】
さらに、本発明に係る開閉装置によれば、遮蔽体はパワーウインドであり、末端設定手段となるスイッチはチャイルドロックスイッチであることにより、チャイルドロックをかけた場合に、同時にウインドの動作範囲も設定できるので、ウインドを全開にし、車外側に手を伸ばしてドアノブを操作することでドアを開けてしまうことを防止することができるので、換気等のためのウインドの動作は確保しつつ、チャイルドロックの機能をより確実なものにすることができる。
【0013】
さらにまた、本発明に係る開閉装置によれば、作動素子をチャイルドロックスイッチとしているので、値段及び操作性の面でより容易に、チャイルドロックの機能をより確実なものにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の実施形態について図面に沿って詳細に説明する。本実施形態では、開閉装置としてパワーウインド装置に本発明を適用したものについて説明する。図1には、本実施形態における開閉装置のブロック図を示している。本実施形態の開閉装置は、車両のドア1に設けられるウインド2を、空間を仕切る遮蔽体とし、これを操作部として設けられる他席ウインド操作スイッチ3の操作により、全閉と全開の間で開閉駆動するものである。
【0015】
本実施形態においては、運転席の近傍には運転席のドアに設けられたウインドを操作するための運転席操作用パワーウインドスイッチ3b及び、運転席以外の助手席や後席などの他席の近傍のドアに設けられるウインドを操作するためにそれぞれ設けられる他席操作用パワーウインドスイッチ3a(図1では、1つのみ図示し他は同様の為、省略する)、運転席以外の他席のドアをロック状態とし解除できないようにするチャイルドロックスイッチ6、運転席以外のパワーウインドの動作を禁止するパワーウインドロックスイッチ7が設けられる。このチャイルドロックスイッチ6は、後述するようにウインド2の動作範囲を設定する末端設定手段、及びその設定を有効とし、制御部10がドア1を開閉できる範囲を所定範囲となるように動作させる作動素子としても機能する。
【0016】
また、運転席以外の助手席や後席などの他席においては、その席において、それぞれのドアに設けられるウインドを操作する為の他席パワーウインドスイッチ3が、各席の近傍に設けられる。なお、図1では他席の1つのみを示し、それ以外の席については同様の為、詳細を省略する。他席のドア1には、ウインド2を駆動するモータ4と、モータ4の回転量を検出する回転センサ5とが設けられている。回転センサ5でモータ4の回転量を検出することで、ウインド2がどの位置にあるかを算出することができる。なお、運転席にも同様の機構が設けられるが同様の為、図示は省略する。
【0017】
他席ウインド操作スイッチ3の操作によってモータ4を駆動するための構成として、他席制御部が設けられている。この他席制御部を構成する回路として、図1に示すように、各部の制御を行う制御回路10と、制御回路10の制御に基づきモータ4を駆動する駆動回路11と、回転センサ5からの信号を受けて制御回路10に出力する入力回路12と、他席制御部と車内の他の装置との通信を行なうための通信回路13と、他席ウインド操作スイッチ3の操作による信号を受けて制御回路10に操作時間、開閉信号のいずれが入力されたかを出力する入力回路14とが設けられる。
【0018】
他席に設けられる制御回路10は、通信回路13を介して車内通信網8に接続されている。車内通信網8には、運転席に設けられる運転席制御部や、車両内の各機器を制御するための車両制御部などに接続されている。また図示しないが、車内通信網8には、ドアのロックを行うための装置など、車内の各種の装置と接続されている。
【0019】
運転席用パワーウインドスイッチ3b、他席操作用パワーウインドスイッチ3a、ウインドロックスイッチ7は、運転席制御部が接続されている。運転席制御部には、各部を制御する制御回路20と、制御回路20と車内の他の装置とを通信させるための通信回路21と、運転席用パワーウインドスイッチ3b、他席操作用パワーウインドスイッチ3a、ウインドロックスイッチ7の操作による信号を受けて制御回路20に出力する入力回路22とが設けられる。
【0020】
また、車両内の各機器を制御するための車両制御部には、各部を制御する制御回路30と、制御回路30と車内の他の装置とを通信させるための通信回路32と、チャイルドロックスイッチ6の操作による信号を受けて制御回路30に出力する入力回路31とが設けられる。なお、車両側制御部には、図示しないがその他の装置を制御するための構成が、さらに設けられている。
【0021】
運転席の近傍に設けられるチャイルドロックスイッチ6と、ウインドロックスイッチ7とが、いずれもオフの状態にある場合、他席に設けられる他席ウインド操作スイッチ3を操作することで、制御回路10は駆動回路11にモータ4を駆動させ、ドア1のウインド2を完全に閉める全閉から完全に開ける全開までの範囲で動作させることができる。
【0022】
他席ウインド操作スイッチ3は、操作を継続することでウインド2を上昇し続けさせる手動上昇操作と、操作を継続することでウインド2を下降し続けさせる手動下降操作と、1回の操作でその後ウインド2を自動的に上昇し続けさせる自動上昇操作と、1回の操作でその後ウインド2を自動的に下降し続けさせる自動下降操作との、4種類の操作を行うことができる。
【0023】
運転席の近傍に設けられるチャイルドロックスイッチ6がオフからオンに操作されると、制御回路30は、図示しないドアのロック機構を作動させ、車内側からドアを開くことができないようにロックする。また、チャイルドロックスイッチ6がオンとなったことを、車内通信網8を介して他席のドアロック制御部(図示省略)に伝達し、それぞれの他席ではドアロックされ、また車内からはロックが解除されないよう制御される。
【0024】
運転席に設けられるウインドロックスイッチ7がオフからオンに操作されると、制御回路20は、運転席操作用パワーウインドスイッチ3b、他席操作用パワーウインドスイッチ3aが操作されても、これを受け付けない。すなわち運転席のウインドの開閉を禁止すると共に、他席のドアに設けられたウインドについても、ウインドの開閉ができないように、車内通信網8を介して他席制御部にその旨を伝達する。ウインドロックスイッチ7がオンとなった旨の情報を受信した他席制御部は、運転席制御部と同様に、他席ウインド操作スイッチ3が操作されても、ウインド2を開閉させない。
【0025】
次に、チャイルドロックスイッチ6を操作した際の、ウインド2の開閉動作について説明する。図2には、ドア1におけるウインド2の動作状態を表した図を示している。図2(a)は、ウインド2が全閉の状態を表している。この状態から、他席ウインド操作スイッチ3、あるいは他席操作用パワーウインドスイッチ3aを手動下降操作または自動下降操作により下降させ、全閉と全開との間の位置で停止させた状態が図2(b)に示されている。図2(b)の状態で、チャイルドロックスイッチ6をオフからオンに操作すると、前述のようにその旨の情報が車内通信網8も介して他席制御部に伝達される。
【0026】
チャイルドロックスイッチ6がオンとなった旨の情報を受信した他席制御部は、制御回路10が、その時点におけるウインド2の位置を回転センサ5からの情報に基づいて算出すると共に、これを記憶する。これによって、最大限に開くことが可能な位置が制御回路に設定される。また同時に、制御回路10によって、該設定値に基づいた駆動回路11の制御が有効となり、ウインド2は、最大限に開くことが可能な位置と全閉位置の間で動作することとなる。以後、チャイルドロックスイッチ6がオンになっている間に他席ウインド操作スイッチ3、或いは他席操作用パワーウインドスイッチ3aを操作した場合、図2(c)に示すように、ウインド2は全閉位置から設定された最大限に開くことが可能な位置までの範囲でのみ、開閉動作することができるように、制御回路10が制御を行う。なお、チャイルドロックスイッチ6は、従来のチャイルドロックと同様に車内に設けたドアのアンロックスイッチを操作できない、或いは操作してもロック解除はできないように設定する。
【0027】
図3は運転席以外の他席のパワーウインドの操作状態を示す図であって、チャイルドロックスイッチ6及びウインドロックスイッチ7の操作状態に応じた、他席ウインド操作スイッチ3の操作の可否を表した図を示しており、制御回路10によって制御されている。この図に示すように、ウインドロックスイッチ7がオンの状態のときは、チャイルドロックスイッチ6のオンオフ状態にかかわらず、ウインド2の全ての操作が不可となる。なお、他席操作用パワーウインドスイッチ3aの操作の可否も他席ウインド操作スイッチ3と同じとなる。
【0028】
ウインドロックスイッチ7がオフのとき、チャイルドロックスイッチ6がオフであれば、ウインド2は何等の制限を受けないで全ての操作が可能である。一方、ウインドロックスイッチ7がオフであって、チャイルドロックスイッチ6がオンのとき、手動上昇操作と自動上昇操作は可能であるのに対し、手動下降操作と自動下降操作は、ウインド2が所定範囲にある場合にのみ、可能とされる。すなわち、手動下降操作または自動下降操作によりウインド2が、設定された最大限に開くことが可能な位置まで下降したら、それ以上は下降の操作が不可となる。具体的には、チャイルドロックスイッチ6がオンとなると、オンしている間は該操作を行なっていることを示す信号が制御回路30、通信回路32、車内通信網8、通信回路13を通って制御回路10に入力される。その際に最初に信号が入力されるタイミング、すなわちオフからオンに変わったタイミングで、入力回路12に入力されている回転センサ5でモータ4の回転量を検出することで、ウインド2がどの位置にあるかを検出し、これをメモリに記憶することで末端位置の設定が行なわれる。そして他席パワーウインドロックスイッチ3を操作させると回転センサ5で現在のウインド位置を制御回路10が算出し、チャイルドロックスイッチ6のオン信号が入力されている間は、ウインド位置が所定範囲、すなわち前述したメモリに記憶した位置よりも全閉側の位置に対応する位置か判断し、その場合にはモータの駆動を行い、所定位置となったらモータを停止させるように制御する。
【0029】
なおこの判定だけでは、該設定位置にウインド2が位置している際に閉側の動作ができないという問題があるが、該位置において閉側の動作を検知したときにはモータを駆動し、開側の動作を検知した時には駆動しないようにすれば、この問題は解決できる。別の方法として開側の操作のときにのみ所定位置かどうかを判断し、閉側の動作の時には位置に関わらず閉めるようモータを駆動するようにする等しても良い。
【0030】
一方で、上昇はウインド2の全閉位置まで可能であるので、手動上昇操作と自動上昇操作については、制限されない。ちなみに、全閉位置の検出は回転センサ5により検出しても良いしモータに流れる電流の増加を検知しても良いし、あるいは検出スイッチ等を用いる周知の方法で検出しても良い。
【0031】
このように、末端位置設定手段であるチャイルドロックスイッチ6を操作することにより、その時点におけるウインド2の位置を最大限に開くことが可能な位置に設定し、その後は当該設定された位置と全閉位置との範囲でのみウインド2を開閉できるように他席制御部が制御することにより、チャイルドロックスイッチ6の操作によってウインド2を開閉できる範囲を任意に設定できるので、ウインド2の開いたところから物や人が落下しない範囲でのみウインド2を開閉したい場合に、簡易な操作でこれを実現することができる。また、チャイルドロックスイッチ6を末端設定手段として用いることにより、これをオンに操作することで、ドア1が車内から開かないようにした上で、ウインド2が設定された所定位置までしか開かないようにすることができるため、車内からドアノブに手が届かない該所定位置を設定すれば、チャイルドロックがかかっている状態において、ウインド2を開いて車外に手を伸ばし、ドアノブを車外側から操作することによりドア1を開くことを防止することができ、チャイルドロック機能を確実なものにすることができる。
【0032】
本実施形態では、他席パワーウインドスイッチ3は手動下降操作と自動下降操作の両方の機能を持つようにしているが、自動動作の機能を持たせず手動操作の機能のみ持つようにしても良い。また、本実施形態では、車両制御部からのチャイルドロックスイッチ6の信号を制御回路10で受信し、末端位置の設定と、該設定を有効とするかの判断を行なっているが、制御回路30に各席のウインド位置の情報をそれぞれ送信して、制御回路30で、末端位置の設定が有効な場合のみ、制御回路10に、これを送信して所定の範囲で動作させるようにする等しても良い。
【0033】
また、本実施形態では、チャイルドロックスイッチ6が、末端設定手段及び作動素子の両方の機能を有するように構成したが、チャイルドロックスイッチ6には末端設定手段としての機能のみを持たせ、この設定を有効化するための部材として、別のスイッチ等を設けることとしてもよい。その場合には、チャイルドロックスイッチ6をウインド2の所定の位置でオンすると、該ウインド位置を記憶し、また、車内からのロック解除を不可とする。そして、この状態では制御回路10は末端設定値より閉側かどうかの判断を行なわずにウインドは全開と全閉の間の任意の位置に操作可能であるが、別のスイッチを押して始めて設定値を有効とし、末端設定値より閉側かどうかの判断を行なって、他席パワーウインドスイッチ3を操作した場合に、該設定位置と全閉位置の間をウインド2が移動することとなる。なお、設定位置よりも下方に位置した状態で、別のスイッチが押されることも考えられるが、この場合は、設定位置と全閉位置の間に、操作させるまでは、所定の範囲かどうかの判定をせず、すなわち末端の設定を有効としない等の処理を制御回路10ですれば良い。
【0034】
また、末端設定手段及び作動部として、チャイルドロックスイッチ6以外のスイッチを用いるようにしてもよい。例えば、ウインドロックスイッチ7について10秒以内に5回連続してオンオフを繰り返す操作がなされた場合に、その時点でのウインド2の位置を全開位置と設定し、当該設定を有効化するように構成してもよい。また、オーディオスイッチ等の他のスイッチを用いてもよいし、末端設定手段として独立したスイッチを設けることとしてもよい。
【0035】
また、本実施例においては、チャイルドロックスイッチ6を用い該スイッチの信号を入力回路31で入力してドアをロック状態とし解除できないようにすることや、末端設定及びその設定を有効とするようにしたが、機械的に操作部を操作してドアロックの規制を行なわせるタイプの車両においては、該操作部によって操作されるスイッチを新たに設け、該スイッチによって末端設定及びその設定を有効とするようにしても良い。
【0036】
また、本実施形態では最も開くことが可能な位置を設定し、当該位置と全閉位置との間でウインド2を開閉できるようにしているが、逆に末端設定手段により最も閉める事が可能な位置が設定され、当該位置と全開位置との間でウインド2を開閉できるようにしてもよい。この場合、挟み込みが生じない範囲においてウインド2を開閉できるようにすることができる。末端設定手段により設定される末端位置を最も開いた位置とするか最も閉じた位置とするかは、予め定められていてもよいし、またこれらを切り替えることができるように別のスイッチ等を設けることとしてもよい。その場合には、更に、該別のスイッチを切り換える事で最も開いた位置と最も閉じた位置の両方を設定できるようにしても良い。この場合には、識別のスイッチでいずれを設定するかを選択し、チャイルドロックスイッチ6で、それぞれの操作末端の値を設定し、別のスイッチで設定を有効とする。そして、この範囲内にウインド2が位置していることを検出して後、所定の範囲判定を行い外れる場合は停止するようにすれば良い。その後の起動については、閉側の末端位置においては開側の操作、開側の末端位置においては閉側の操作が指示された時にのみウインド2が動作するようにすれば良い。
【0037】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の適用は本実施形態には限られず、その技術的思想の範囲内において様々に適用されうるものである。例えば、本実施形態では、開閉装置としてパワーウインド装置に本発明を適用したものを示したが、開閉装置としてはこの他にも、スライドドア装置やサンルーフ装置、オートバックドアなども考えられる。遮蔽体の開閉操作の為のスイッチ、モータ及びセンサを用いて、所定の位置を設定し、設定位置と全開あるいは全閉の所定の範囲内で駆動するという基本的な考え方は同様の為、その詳細は省略する。
【0038】
スライドドア装置に本発明を適用した場合、遮蔽体はスライドドアであり、その開閉スイッチが操作部となる。また、末端位置設定手段及び作動部としては、パワーウインド装置の場合と同様、チャイルドロックスイッチ等を用いることができる。これにより、車両にペットを乗せている場合、駐車時にペットが逃げ出さない範囲でスライドドアを開閉させることができる。また、スライドドア装置の操作部としては、主にプッシュプルスイッチが用いられるが、これにペットが触れることにより、スライドドアの誤動作が発生しても、予め設定した所定位置までしかスライドドアが開かないため、安全性を高くすることができる。
【0039】
サンルーフ装置に本発明を適用した場合、遮蔽体はサンルーフであり、その開閉スイッチが操作部となる。また、末端位置設定手段及び作動部としては、パワーウインド装置の場合と同様、チャイルドロックスイッチ等を用いることができる。これにより、子供がサンルーフから体を出さない範囲でのみ、サンルーフを開閉させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本実施形態における開閉装置のブロック図である。
【図2】ドアにおけるウインドの動作状態を表した図である。
【図3】チャイルドロックスイッチ及びウインドロックスイッチの操作状態に応じた、他席ウインド操作スイッチの操作の可否を表した図である。
【符号の説明】
【0041】
1 ドア
2 ウインド
3 他席ウインド操作スイッチ
4 モータ
5 回転センサ
6 チャイルドロックスイッチ
7 ウインドロックスイッチ
8 車内通信網

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作部(3)の操作により空間を仕切る遮蔽体(2)を全開と全閉との間の範囲で開閉駆動する開閉装置において、
前記遮蔽体(2)の動作末端を設定する操作が可能な末端設定手段(6)と、前記操作部の操作により前記遮蔽体(2)を開閉できる範囲を、当該設定された末端位置と全閉位置、または当該設定された末端位置と全開位置との間の所定範囲とする制御部(10,30)と、前記遮蔽体(2)の開閉できる範囲を前記所定範囲となるように前記制御部(10,30)を動作させる作動素子(6)と、を備えたことを特徴とする開閉装置。
【請求項2】
前記遮蔽体(2)は車両に設けられるパワーウインドまたはスライドドアあるいはサンルーフあるいはオートバックドアであり、前記末端設定手段(6)は車内に設けられるスイッチにより構成されることを特徴とする請求項1記載の開閉装置。
【請求項3】
前記遮蔽体(2)はパワーウインドであり、前記末端設定手段(6)となるスイッチはチャイルドロックスイッチであることを特徴とする請求項2記載の開閉装置。
【請求項4】
前記作動素子(6)を前記チャイルドロックスイッチとしたことを特徴とする請求項3記載の開閉装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−2058(P2009−2058A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−164073(P2007−164073)
【出願日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】