説明

関節炎痛を緩和するための履物用中敷

アーチサポートのための硬質シェル層(4)、ならびにクッション性のための上布(2)、上クッション層(3)、および下クッション層(5)を提供することにより、足、膝、および/または腰の関節炎痛を軽減するよう適合させた履物用中敷(1)が開示される。さらに、硬質シェル層には、シェル開口部(13)が含まれ、下クッション層には下層開口部(14)が含まれ、クッション性のために上クッション層の一部がその開口部を貫いて伸びている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、関節炎痛を軽減する履物用中敷、該中敷を製造するための方法、および該中敷を用いて関節炎痛を軽減するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
履物用中敷は、一般に、靴の着用者に追加のクッション性またはサポートを提供するために靴の中に挿入される。中敷は取り外し可能かつ再使用可能であってよく、フリーサイズ、指定された靴サイズ、または着用者に合わせた特別注文サイズであってよい。
【0003】
いくつかの中敷は、着用者の靴の底に1以上のクッション層を備えることによりさらなるクッション性を提供する。これらの中敷は、一般に、歩行、ジョギング、ランニング、またはその他の活動の間に着用者が感じる衝撃を低減するために使用される。
【0004】
例えば、米国特許第5,068,983号および同第5,146,698号は、弾力性のあるベース片、ヒール片、および衝突および衝撃を吸収する上面のクッション層用のフォーム材料の組合せを記載する。
【0005】
その他の中敷は、硬質な成形層を着用者の靴の底の上に設置することにより、さらなる足のサポートを提供する。これらの中敷は、一般に着用者の足または歩行の異常な状態を矯正するために設けられる。
【0006】
例えば、米国特許第6,125,557号;同第6,269,555号;同第6,601,320号;および同第7,124,518号には、靴において着用者の足の動きを位置づけ、制御するためのポスト部材およびプレート部材を有する、2片からなる矯正用集成体が記載されている。米国特許第4,317,293号には、立っている時の自然な位置および歩いている時の自然な回転運動を確保するための、弾力的な弾性材料からなる中敷および足の外側の補強挿入物が記載されている。米国特許第6,502,330号には、足の側方運動を安定化させ、足の縦運動を導くための靴底補強材が記載されている。米国特許第6,732,456号には、足の過剰な回内および回外運動を矯正するための、内蔵式ステップ表示装置(ボール)を有する装具が記載されている。米国特許第6,745,501号には、硬質キャップ部材を有し、当該硬質キャップ部材の底面の横断隆線部に沿って足を前に傾けることによって、歩行周期の異常なつま先離地期を矯正し、引きずり歩行(shuffling)を防止するための装具が記載されている。
【0007】
さらにその他の中敷は、足の特定部位へのさらなるサポートを提供する。例えば、米国特許出願第2008/0072461号には、クッション層および外側シェル層を有する装具が記載され、それには所望によりアーチサポートのための内部シェル挿入層が含まれてよい。その上、米国特許出願第2007/0289170号には、アーチサポートのための取り外し可能な挿入物を含むクッション層およびシェル層を有する装具が記載されている。米国特許第6,233,847号および同第6,618,960号には、踵および後足部位への適切なサポートを提供する、軟質のクッション性フォームブランク(cushioning foam blank)の下の、薄く硬質の弾力的に柔軟なキャップが記載されている。米国特許出願第2002/0050080号;同第2003/0009915号;同第2007/0277400号;および同第2008/0010861号は、一般に足の様々な部位へのサポートを提供するための装具が記載されている。
【0008】
一部の中敷は、内側型変形性膝関節症による着用者の膝の疼痛を軽減することが提案されているが、結果は様々である。これに関連して、側面が楔形の(laterally−wedged)足用装具の使用による変形性膝関節症の緩和を確認するためのいくつかの研究が行われている。例えば、Effectiveness of a Lateral−Wedge Insole on Knee Varus Torque in Patients with Knee Osteoarthritis,ARCH PHYS MED REHABIL、第83巻、889−893頁(2002年7月)に記載される、D.Casey Kerriganらによる研究において、内側型変形性膝関節症における膝の内反トルクは、ゴムのようなフォーム状の、側面が楔形の(lateraly−wedge)中敷を使用することにより、低減された。しかし、A Randomized Crossover Trial of a Wedged Insole for Treatment of Knee Osteoarthritis,ARTHRITIS & RHEUMATISM,第56巻、第4号、1198−1203頁(2007年4月)に記載される、Kristin Bakerらによる別の研究では、非圧縮性の、側面が楔形の足用装具を使用することで、内側型変形性膝関節症における統計上有意であるかまたは臨床上重要な疼痛の軽減は見出されなかった。
【0009】
さらに、特に足の関節炎痛を緩和するために、米国特許第7,284,342号;同第6,481,120号;および同第5,611,153号は、クッション層および圧力再配分層を有する中敷を使用することにより足関節炎の問題を緩和するための中敷を記載している。その上、米国整形外科学会(the American Academy of Orthopaedic Surgeons)は、足関節炎痛を緩和するための、硬質ヒールを含む柔らかいアーチサポートを示唆している(http://orthoinfo.aaos.org/topic.cfm?topic=A00163)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第5,068,983号明細書
【特許文献2】米国特許第5,146,698号明細書
【特許文献3】米国特許第6,125,557号明細書
【特許文献4】米国特許第6,269,555号明細書
【特許文献5】米国特許第6,601,320号明細書
【特許文献6】米国特許第7,124,518号明細書
【特許文献7】米国特許第4,317,293号明細書
【特許文献8】米国特許第6,502,330号明細書
【特許文献9】米国特許第6,732,456号明細書
【特許文献10】米国特許第6,745,501号
【特許文献11】米国特許出願第2008/0072461号明細書
【特許文献12】米国特許出願第2007/0289170号明細書
【特許文献13】米国特許第6,233,847号明細書
【特許文献14】米国特許第6,618,960号明細書
【特許文献15】米国特許出願第2002/0050080号明細書
【特許文献16】米国特許出願第2003/0009915号明細書
【特許文献17】米国特許出願第2007/0277400号明細書
【特許文献18】米国特許出願第2008/0010861号明細書
【特許文献19】米国特許第7,284,342号明細書
【特許文献20】米国特許第6,481,120号明細書
【特許文献21】米国特許第5,611,153号明細書
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】D.Casey Kerriganら、「Effectiveness of a Lateral−Wedge Insole on Knee Varus Torque in Patients with Knee Osteoarthritis」「ARCH PHYS MED REHABIL」第83巻、889−893頁、2002年7月
【非特許文献2】Kristin Bakerら、「A Randomized Crossover Trial of a Wedged Insole for Treatment of Knee Osteoarthritis」「ARTHRITIS & RHEUMATISM」第56巻、第4号、1198−1203頁、2007年4月
【発明の概要】
【0012】
足、膝、および/または腰の関節炎痛を緩和することの必要性は長い間感じられてきた。したがって、アーチサポートおよび足の残りの部分、特に踵のクッション性を提供する、足、膝、および/または腰の関節炎痛を緩和するための履物用中敷が作成されてきた。特定の理論にとらわれるものではないが、アーチサポートと踵のクッション性の組合せが、足、膝、および/または腰の関節炎痛を軽減すると考えられる。
【0013】
本発明の非限定的な実施形態では、踵部、アーチ部、および足前部(上記踵部は、内部踵部および周囲踵部を含み;上記アーチ部は、内部アーチ部および周囲アーチ部を含む)と;上クッション層、下クッション層、およびそれらの間の硬質シェル層とを含む中敷であって、上記硬質シェル層は踵領域とアーチ領域にまたがっており(spanning)、ここで、上記硬質シェル層には、硬質シェル層の上表面、硬質シェル層の下面、およびシェル開口部が含まれ、上記シェル開口部は、シェル層が周囲踵領域および周囲アーチ領域に沿ってサポートをもたらし、上記開口部が内部踵領域および内部アーチ領域の衝撃を和らげるように、中央アーチ領域の踵骨から中足骨にかけて前方に伸び;上記上クッション層は、硬質シェル層の上表面に部分的に接着され;下クッション層は、硬質シェル層の下面に部分的に接着され;上記下クッション層には、アーチサポート領域、踵サポート領域、足前部サポート領域、および足の踵骨の下の下層開口部が含まれ;かつ、上記上クッション層の一部は、シェル開口部の一部を貫いて伸び、かつ、下層開口部の一部を貫いて伸びている;足、膝、および腰の少なくとも1つの関節炎痛を緩和するための中敷が提供される。
【0014】
本発明の代替的な非限定的な実施形態では、上記硬質シェル層は、足の中央アーチ領域で中足骨をサポートするように配置されている。
【0015】
本発明の代替的な非限定的な実施形態では、中敷は、上記上クッション層の上表面に接着された上布(topcloth)を有する。
【0016】
本発明の代替的な非限定的な実施形態では、上記上布は、ポリエステルである。
【0017】
本発明の代替的な非限定的な実施形態では、上記上クッション層および下クッション層は、ポリウレタンフォームである。
【0018】
本発明の代替的な非限定的な実施形態では、上記硬質シェル層は、ポリプロピレンである。
【0019】
本発明の代替的な非限定的な実施形態では、上記上布および上記上クッション層は、横寸法および縦寸法において共通の境界を有する(coterminous)。
【0020】
本発明の代替的な非限定的な実施形態では、上記上布および上記上クッション層の縦寸法は、おおよそ足の踵骨から中足骨に及ぶ。
【0021】
本発明の代替的な非限定的な実施形態では、上記下クッション層の縦寸法は、上記上布の縦寸法および上記上クッション層の縦寸法のうちの短い方に満たない。
【0022】
本発明の代替的な非限定的な実施形態では、上記硬質シェル層の縦寸法は、上記上布、上記上クッション層、および上記下クッション層の縦寸法のうちの短い方に満たない。
【0023】
本発明の代替的な非限定的な実施形態では、上記上クッション層は、上記硬質シェル層の上表面を完全に覆い、かつ、上記下クッション層は、上記硬質シェル層の下面を完全に覆う。
【0024】
本発明の代替的な非限定的な実施形態では、上記下クッション層は、様々な厚さを有する。
【0025】
本発明の代替的な非限定的な実施形態では、アーチサポート領域は、踵サポート領域およびつま先サポート領域のうちの少なくとも1つよりも厚い。
【0026】
本発明の代替的な非限定的な実施形態では、上記硬質シェル層、上記下クッション層、および上記上クッション層のうちの少なくとも1つは、アーチサポートをもたらすような輪郭を有する(contoured)。
【0027】
本発明の代替的な非限定的な実施形態では、上記硬質シェル層、上記下クッション層、および上記上クッション層のうちの少なくとも1つは、踵サポートをもたらすような輪郭を有する。
【0028】
本発明の代替的な非限定的な実施形態では、踵サポートは、ヒールカップである。
【0029】
本発明の代替的な非限定的な実施形態では、上記上クッション層の下面は、上記硬質シェル層の上表面を受けるような輪郭を有する。
【0030】
本発明の代替的な非限定的な実施形態では、上記上クッション層、上記硬質シェル層、および上記下クッション層は一緒に接着され、かつ、上記シェル開口部および上記下層開口部を貫いて伸びる上記上クッション層の一部は上記下クッション層に結合する(mated)。
【0031】
本発明の代替的な非限定的な実施形態では、上記硬質シェル層は、足の第1中足骨および第2中足骨のうちの少なくとも1つに対するサポートを提供する。
【0032】
本発明の代替的な非限定的な実施形態では、上記下クッション層は、靴の中底に接するように配置されている。
【0033】
本発明の代替的な非限定的な実施形態では、中敷は、履物に挿入するための取り外し可能な部材である。
【0034】
本発明の代替的な非限定的な実施形態では、中敷は、履物部材と一体化されている。
【0035】
本発明の別の非限定的な実施形態では、上クッション層、下クッション層、およびそれらの間の硬質シェル層を接着させる段階を含む、足、膝、および腰の少なくとも1つの関節炎痛を緩和するための中敷を組み立てるための方法であって;ここで、上記硬質シェル層は、上記硬質シェル層が中央アーチ領域で中足骨をサポートするように、アーチサポートを提供するために足の踵骨と中足骨の間の足の下の部位に位置し;上記硬質シェル層には足の踵骨の下のシェル開口部が含まれ、上記シェル開口部は、中央アーチ領域の踵骨から中足骨にかけて前方に伸び;かつ、上記上クッション層の一部は、上記シェル開口部を貫いて伸びる、方法が提供される。
【0036】
本発明の代替的な非限定的な実施形態では、上記下クッション層には、足の踵骨の下の下層開口部が含まれ;及び、シェル開口部を貫いて伸びる上記上クッション層の一部は、下層開口部を貫いて伸びる。
【0037】
本発明の代替的な非限定的な実施形態では、上記方法は、上布と上記上クッション層を接着させる段階をさらに含む。
【0038】
本発明の別の非限定的な実施形態では、患者において足、膝、および腰の少なくとも1つの関節炎痛を緩和するための中敷であって、クッション要素およびサポート要素を含み、上記サポート要素が足の踵領域の周囲およびアーチ領域の周囲に沿ってサポートを提供し、かつ、上記開口部がクッション要素により内部踵領域および内部アーチ領域の衝撃を和らげるように、上記サポート要素は、開口部を含む硬質材料を含む、中敷が提供される。
【0039】
本発明の代替的な非限定的な実施形態では、上記クッション要素は、ポリウレタンフォームを含む。
【0040】
本発明の代替的な非限定的な実施形態では、上記サポート要素は、ポリプロピレンを含む。
【0041】
本発明の別の非限定的な実施形態では、患者において足、膝、および腰の少なくとも1つの関節炎痛を緩和するための方法が提供され、この方法は、足を、クッション要素およびサポート要素を含む中敷と接触させることを含み、上記サポート要素が足の踵領域の周囲およびアーチ領域の周囲に沿ってサポートをもたらし、かつ、上記開口部がクッション要素により内部踵領域および内部アーチ領域の衝撃を和らげるように、上記サポート要素は、開口部を含む硬質材料を含む。
【0042】
本発明の代替的な非限定的な実施形態では、中敷が使用されている場合、上記サポート要素は中央アーチ領域で中足骨をサポートするように上記サポート要素が足の踵骨と中足骨の間の足の下の部位に位置し、かつ、上記開口部は足の踵骨の下に位置して足の中央アーチ領域の踵骨から中足骨まで前方に伸びている。
【0043】
本発明の代替的な非限定的な実施形態では、中敷は、履物に挿入するための取り外し可能な部材である。
【0044】
本発明の代替的な非限定的な実施形態では、中敷は、履物部材と一体化されている。
【0045】
本発明のなお別の非限定的な実施形態では、関節炎痛を有する個体の靴の中敷を用いて足、膝、および腰の少なくとも1つの関節炎痛を緩和するための方法が提供され、この方法は、上記中敷の上布、上クッション層、および下クッション層によりクッション性を提供する工程;および上記硬質シェル層が、中央アーチ領域の中足骨の下で前方に伸び、足の踵骨と中足骨の間の足の下の部位において中敷の上クッション層と下クッション層の間に位置する硬質シェル層によりサポートを提供する工程を含み;ここで、上記硬質シェル層には足の踵骨の下のシェル開口部が含まれ、上記シェル開口部は、中央アーチ領域の踵骨から中足骨にかけて前方に伸び;上記下クッション層には、足の踵骨の下の下層開口部が含まれ;かつ、上記上クッション層の一部は、シェル開口部を貫いて伸び、かつ下層開口部を貫いて伸びている。
【0046】
本発明の代替的な非限定的な実施形態では、この方法は、関節炎痛を有する個体の靴の中に上記中敷を挿入する段階をさらに含み、上記シェル層のサポートと、上記上布、上クッション層、および下クッション層のクッション性との組合せが、関節炎痛の軽減をもたらす。
【0047】
本発明のその他の特徴および態様は、以下の図面の簡単な説明、非限定的な実施形態の詳細な説明、添付される特許請求の範囲および添付される図面からより詳細に明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1A】本発明に基づく、例示的な履物用中敷の実施形態の内側の側面図である。
【図1B】本発明に基づく、例示的な履物用中敷の実施形態の上面図である。
【図1C】本発明に基づく、例示的な履物用中敷の実施形態の外側の側面図である。
【図1D】本発明に基づく、例示的な履物用中敷の実施形態の底面図である。
【図1E】本発明に基づく、例示的な履物用中敷の実施形態の背面図である。
【図2A】本発明に基づく、例示的な履物用中敷の実施形態の図1Bに示される線A−A’に沿った、縦方向の断面図である。
【図2B】本発明に基づく、例示的な履物用中敷の実施形態の図2Aに示される線B−B’に沿った、外側断面図である。
【図2C】本発明に基づく、例示的な履物用中敷の実施形態の図2Aに示される線C−C’に沿った、外側断面図である。
【図2D】本発明に基づく、例示的な履物用中敷の実施形態の図2Aに示される線D−D’に沿った、外側断面図である。
【図2E】本発明に基づく、例示的な履物用中敷の実施形態の図2Aに示される線E−E’に沿った、外側断面図である。
【図3A】本発明に基づく、例示的な履物用中敷の実施形態の硬質シェル層の平面図である。
【図3B】本発明に基づく、例示的な履物用中敷の実施形態の硬質シェル層の内側の側面図である。
【図3C】本発明に基づく、例示的な履物用中敷の実施形態の硬質シェル層の図3Aに示される線F−F’に沿った、縦方向の断面図である。
【図3D】本発明に基づく、例示的な履物用中敷の実施形態の硬質シェル層の図3Aに示される線G−G’に沿った、実質的に縦方向の断面図である。
【図3E】本発明に基づく、例示的な履物用中敷の実施形態の硬質シェル層の図3Aに示される線H−H’に沿った、縦方向の断面図である。
【図3F】足の骨が代表的に示されている、足の概略底面図である。
【図3G】上記硬質シェル層が図3Fの足の概略底面図の上に重ね合わせて示される、本発明に基づく、例示的な履物用中敷の実施形態の硬質シェル層の底面図である。
【図4】本発明に従って、上布2、上クッション層3、硬質シェル層4、および下クッション層5を説明する、例示的な履物用中敷の実施形態の分解斜視底面図である。
【図5】関節炎部位および試験群によって分類される、関節炎痛被験者の表である。
【図6A】膝に関節炎痛を有する被験体についての試験結果の表である。
【図6B】試験群によって分類される、膝に関節炎痛を有する被験体についての試験結果の表である。
【図6C】膝に関節炎痛を有する被験体についての試験結果の線グラフを示す図である。
【図7A】足に関節炎痛を有する被験体についての試験結果の表である。
【図7B】試験群によって分類される、足に関節炎痛を有する被験体についての試験結果の表である。
【図7C】足に関節炎痛を有する被験体についての試験結果の線グラフである。
【図8A】腰に関節炎痛を有する被験体についての試験結果の表である。
【図8B】試験群によって分類される、腰に関節炎痛を有する被験体についての試験結果の表である。
【図8C】腰に関節炎痛を有する被験体についての試験結果の線グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0049】
これらの図は、本発明に基づく、例示的な履物用中敷1の実施形態を表す。これらの図は、例示的な履物用中敷の左足での実施形態を示すが、例示的な履物用中敷の右足での実施形態が、示される図の鏡像となり得ることは理解されたい。
【0050】
図1A〜1Eは、例示的な履物用中敷1の実施形態に関する種々の図を示す。図1Aは例示的な履物用中敷1の実施形態の内側の側面図であり、図1Bは上面図であり、図1Cは外側の側面図であり、図1Dは底面図であり、そして図1Eは背面図である。図1A、1B、1C、および1Eは、中敷1の最上層を形成する上布2を示す。図示されるように、上布2は、上布2だけが見える上面図(図1B)のように、つま先領域6から踵領域9に縦方向に、かつ外側アーチ領域8から中央アーチ領域7に横方向に中敷全体を覆うことができる。しかし、上布2はあるいは、上面図において上布2の下の上クッション層3を見ることができるように、履物用中敷1の上面の一部分だけを覆ってもよい。その上、上布2は、つま先の下の部分にまで及んでもよいし、及ばなくてもよい。上布2は、織物、ポリマー、天然繊維、フィルム、または使用者の足に快適な合わせ面をもたらす任意のその他の材料から作られてよい。例えば、上布2は、ポリエステル、アセテート、ポリエチレン(polyethene)、アクリル、ナイロン、レーヨン、スパンデックス、毛、綿、絹、竹、亜麻、麻、ウレタン、ポリエチレン、ポリウレタン、または快適な合わせ面をもたらし得る任意のその他の材料から作られてよい。
【0051】
また、図1A、1C、1D、および1Eは、上布2の下に位置する上クッション層3も示す。図示されるように、上クッション層3は、横寸法および縦寸法において上布2と共通の境界を有する。上述のように、上布2はあるいは上クッション層3の上面の一部分だけを覆って、上クッション層3の上面の一部分を使用者の足に触れるようにしてもよいが、上布2は、一般に上クッション層3よりも大きい横または縦寸法を有することはない。その上、図1Dに示されるように、上クッション層3は、使用者の足15の踵骨16の下に位置する踵クッションパッド10を踵領域9に含むことができる。さらに、上クッション層3は、使用者の足の輪郭に快適にフィットするためにその上表面に湾曲が設けられていてよい。上クッション層3は、フォーム、ゲル、または任意のその他の緩衝材から作られてよい。例えば、上クッション層3は、ポリウレタン、エチレン酢酸ビニル共重合体、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン、シリコーン、ヒドロゲル、または任意のその他の緩衝材から作られてよい。
【0052】
また、図1A、1C、1D、および1Eは、上クッション層3の下に位置する硬質シェル層4も示す。硬質シェル層4は、硬質シェル層4が使用者の足に直接接触しないように、一般に上クッション層3の縦寸法よりも短い縦寸法を有してよく、かつ、硬質シェル層4は上クッション層3の横寸法に等しいかまたはそれより短い横寸法を有してよい。さらに、図1Aおよび1Cに示されるように、硬質シェル層4は、外側アーチ領域8よりも中央アーチ領域7で、より長い縦寸法を有するように成形されてよい。このようにして、硬質シェル層4は、使用者の足の外側アーチ領域8に対するよりも中央アーチ領域7に対してより大きなサポートを提供することができる。その上、硬質シェル層4は、使用者の足の輪郭に快適にフィットするように湾曲が設けられていてよい。硬質シェル層4は、使用者の足にサポートを提供すると同時に快適なフィット性(fit)をもたらすことのできるあらゆる硬質、半硬質材料から作られてよい。このような材料としては、限定されるものではないが、ポリマー材料、例えばポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、スチレン系エラストマー、およびポリカーボネートが挙げられる。上述の材料は全て、ガラス繊維、無機繊維または炭素繊維で満たされてよい。
【0053】
また、図1A、1C、1D、および1Eは、硬質シェル層4の下に位置する下クッション層5も示す。下クッション層5は、一般に上クッション層3の縦寸法よりも短い縦寸法、および上クッション層3の横寸法にほぼ等しい横寸法を有してよい。さらに、下クッション層5は、硬質シェル層4が使用者の靴の底に直接接触しないように、一般に硬質シェル層4の縦寸法よりも長い縦寸法、および硬質シェル層4の横寸法に等しいかそれよりも大きい横寸法を有してよい。硬質シェル層4と同様に、下クッション層5の上表面には、使用者の足の輪郭に快適にフィットするように湾曲が設けられていてよい。その上、図1Dおよび1Eに示されるように、下クッション層5の下面および側壁は、使用者の靴によりフィットさせるために、特に中央アーチ領域7、踵領域9、および外側アーチ領域8において、輪郭が付けられているかまたはテーパー状(contoured or tapered)であってよい。さらに、図1Dに示されるように、下クッション層5には、使用者の足15の踵骨16の下に位置する踵領域9に下層開口部14が含まれてよく、それを貫いて上クッション層3の踵クッションパッド10が伸びる。上クッション層3と同様に、下クッション層5は、フォーム、ゲルまたは任意のその他の緩衝材から作られてよい。例えば、下クッション層5は、ポリウレタン、エチレン酢酸ビニル共重合体、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン、シリコーン、ヒドロゲル、または任意のその他の緩衝材から作られてよい。上クッション層および下クッション層は、同じまたは異なる材料で構成されてよい。
【0054】
図2Aは、例示的な履物用中敷1の実施形態の図1Bに示される線A−A’に沿った、縦方向の断面図を示す。上記のように、上布2は、中敷の上面全体を覆ってよい。上布2の下に位置する上クッション層3は、中敷の縦寸法全体にまたがる。上クッション層3の下に位置する硬質シェル層4は、上クッション層3の下面で受けられる。硬質シェル層4の下には、下クッション層5が位置する。特に、使用者の足15の踵骨16の下の上クッション層3の踵クッションパッド10は、上布2の下面から、硬質シェル層4のシェル開口部13と下クッション層5の下層開口部14の両方を貫いて、下クッション層5の下面と実質的に同一平面である下面に伸びている。図示されるように、上クッション層3、硬質シェル層4、および下クッション層5は、使用者の足の輪郭に快適にフィットするために縦方向の湾曲が設けられていてよい。特に、図2Aに示されるように、上クッション層3、硬質シェル層4、および下クッション層5の縦方向の湾曲により、つま先領域6の薄い断面、中央および外側アーチ領域7、8の厚い断面、および/または踵領域9のヒールカップがもたらされ得る。
【0055】
図2Bは、例示的な履物用中敷1の実施形態の図2Aに示される線B−B’に沿った、外側断面図を示す。この中敷の断面には、上布2および上クッション層3が含まれてよい。その上、この中敷の断面には、上クッション層3だけが含まれてよい。この横断面における中敷の横幅は、使用者の靴の中に快適にフィットするために、使用者の足の幅にほぼ等しくなるような大きさにすることができる。
【0056】
図2Cは、例示的な履物用中敷1の実施形態の図2Aに示される線C−C’に沿った、外側断面図を示す。この中敷の断面には、上布2、上クッション層3、および下クッション層5が含まれてよい。下クッション層5は、使用者の足の輪郭に快適にフィットするためにその上面に湾曲が設けられていてよい。特に、図2Cに示されるように、下クッション層5は、中央アーチ領域7で、より厚い断面、かつ外側アーチ領域8において比較的薄い断面をもたらすことができる。この横断面における中敷の横幅は、使用者の靴によりフィットさせるために、使用者の足の幅にほぼ等しくなるような大きさにすることができ、下クッション層5の側壁は、特に中央アーチ領域7および外側アーチ領域8において、輪郭が付けられているかまたはテーパー状であってよい。
【0057】
図2Dは、例示的な履物用中敷1の実施形態の図2Aに示される線D−D’に沿った、外側断面図を示す。この中敷の断面には、上布2、上クッション層3、硬質シェル層4、および下クッション層5が含まれてよい。図示されるように、硬質シェル層4は、上クッション層3の下面で受けられてよい。さらに、使用者の足の中央アーチ領域7に対して、外側アーチ領域8に対するよりも大きなサポートを提供するために、硬質シェル層4を成形してよい。その上、下クッション層5は、使用者の足の輪郭に快適にフィットするために、その上面に湾曲が設けられてよい。特に、図2Dに示されるように、硬質シェル層4および下クッション層5は、外側アーチ領域8よりも中央アーチ領域7において、より堅いサポートを提供することができる。この横断面における中敷の横幅は、使用者の靴によりフィットさせるために使用者の足の幅にほぼ等しくなるような大きさにすることができ、下クッション層5の下面および側壁は、特に中央アーチ領域7および外側アーチ領域8において、輪郭が付けられているかまたはテーパー状であってよい。
【0058】
図2Eは、例示的な履物用中敷1の実施形態の図2Aに示される線E−E’に沿った、外側断面図を示す。この中敷の断面には、上布2、上クッション層3、硬質シェル層4、および下クッション層5が含まれてよい。図示されるように、硬質シェル層4は、上クッション層3の下面で受けられてよい。さらに、硬質シェル層4には、使用者の足15の踵骨16の下に位置する踵領域9にシェル開口部13が含まれてよい。その上、上記下クッション層5には、使用者の足15の踵骨16の下に位置する踵領域9に下層開口部14が含まれてよい。さらに、上クッション層3には、使用者の足15の踵骨16の下に位置する踵領域9に踵クッションパッド10が含まれてよい。踵クッションパッド10は、シェル開口部13と下層開口部14の両方を貫いて、下クッション層5の下面と実質的に同一平面である下面に伸び得る。所望により、上クッション層3の踵クッションパッド10および下面11(図4に図示)は、緩衝材からなる別個の層であってよい。さらに所望により、上クッション層3の代わりに、下クッション層5には、踵領域9に踵クッションパッド10が含まれてよく(図示せず);次に、下クッション層5の踵クッションパッド10は、シェル開口部13を貫いて伸びて、上クッション層3の下面11に隣接して(abut)よく、または、踵クッションパッド10は、シェル開口部13を貫いて伸びて上クッション層3の上層開口部(図示せず)と結合してもよい。その上、上クッション層3、硬質シェル層4、および下クッション層5は、使用者の足の輪郭に快適にフィットするように湾曲が設けられていてよい。特に、図2Eに示されるように、上クッション層3、硬質シェル層4、および下クッション層5の湾曲は、踵領域9の外周の周りをサポートするヒールカップを踵領域9にもたらすことができる。この横断面における中敷の横幅は、使用者の靴によりフィットさせるために使用者の足の幅にほぼ等しくなるような大きさにすることができ、下クッション層5の下面および側壁は、特に踵領域9において、輪郭が付けられているかまたはテーパー状であってよい。
【0059】
図3Aは、例示的な履物用中敷1の実施形態の硬質シェル層4の平面図を示す。図示されるように、硬質シェル層4は、外側アーチ領域8よりも中央アーチ領域7において、より長い縦寸法を有するように成形されてよい。さらに、シェル開口部13も、外側アーチ領域8よりも中央アーチ領域7において、より長い縦寸法を有するように成形されてよい。このようにして、硬質シェル層4によってもたらされるサポートは、中央アーチ領域7にさらに局在する可能性があるが、それでも外側アーチ領域8および踵領域9の外周の周りに一定レベルのサポートを提供する。硬質シェル層4およびシェル開口部13の詳しい形状は、下にさらに説明する。
【0060】
図3Bは、例示的な履物用中敷1の実施形態の硬質シェル層4の内側の側面図を示し、図3Cは、図3Aに示される線F−F’に沿った、縦方向の断面図を示し、図3Dは、図3Aに示される線G−G’に沿った、実質的に縦方向の断面図を示し、図3Eは、図3Aに示される線H−H’に沿った、縦方向の断面図を示す。図示されるように、硬質シェル層4には、使用者の足の輪郭に快適にフィットするために縦方向の湾曲が設けられていてよい。特に、硬質シェル層4は、踵領域9にヒールカップ、中央および外側アーチ領域7、8において、より堅いサポート、ならびに/またはつま先領域6および踵領域9の外周の周りに相対的に少ないサポートを提供する輪郭をしていてよい。硬質シェル層4は、使用者の足にサポートを提供すると同時に快適なフィット性をもたらすことのできるあらゆる硬質、半硬質材料から作られてよい。
【0061】
図3Fは、足15の骨が代表的に示されている、足15の概略底面図を示す。踵骨16は、足15の踵領域9に示される。足を中央アーチ領域7から外側アーチ領域8までつないでいるのは、第1中足骨17、第2中足骨18、第3中足骨19、第4中足骨20、および第5中足骨21である。中足骨17〜21を踵骨16の方向につないでいるのは、内側楔状骨23、中間楔状骨24、外側楔状骨25、および立方骨26である。
【0062】
図3Gは、硬質シェル層が図3Fの足15の概略底面図の上に重ね合わさせて示される、硬質シェル層4の底面図を示す。硬質シェル層4は、外側アーチ領域8よりも中央アーチ領域7において長い縦寸法を有するように成形されてよい。具体的に、踵領域9の硬質シェル層4の外周端部は、踵領域9の足15の外縁を実質的にたどり得る。硬質シェル層4の踵領域9より前方および中央アーチ領域7において、外周端部は、第1中足骨17の中足指節関節22にほぼ達するまで足15の外縁をたどり続け得る。その後、硬質シェル層4の外周端部は、第1中足骨17の中足指節関節22のほぼ下の曲線をたどり得る。次に、硬質シェル層4の外周端部は、中足指節関節22から離れて足15の足根中足関節27の方向に第2中足骨18のほぼ下の曲線をたどり得る。次に、さらに踵領域9より前方および外側アーチ領域8において、硬質シェル層4の外周端部は、第3、第4、および第5中足骨19、20、21の足根中足関節27のほぼ下の曲線をたどり得る。その後、硬質シェル層4の外周端部は、後方および踵領域9の周りに続く足15の外縁をたどり得る。このようにして、中央アーチ領域7では前方に伸びるが外側アーチ領域8では伸びないことにより、硬質シェル層4は、使用者の足15の外側アーチ領域8に対するよりも中央アーチ領域7に対してより大きなサポートを提供することができる。
【0063】
さらに、図3Gに示されるように、シェル開口部13も、外側アーチ領域8よりも中央アーチ領域7において、より長い縦寸法を有するよう成形されて、形状が硬質シェル層4の外周端部に大体似たシェル開口部13が作成され得る。具体的に、踵領域9におけるシェル開口部13の縁は、硬質シェル層4の外周端部から踵領域9の中心に向かって短い距離で離れて、踵領域9における硬質シェル層4の外周端部を実質的にたどり得る。踵領域9の前方および中央アーチ領域7において、シェル開口部13の縁は、足15の中心に向かって短い距離で離れて、第1中足骨17の足根中足関節27にほぼ達するまで硬質シェル層4の外周端部をたどり続け得る。その後、シェル開口部13の縁は、第1および第2中足骨17、18の足根中足関節27のほぼ下の曲線をたどり得る。その後、シェル開口部13の縁は、足根中足関節27から離れて足15の踵領域9の方向に中間および外側楔状骨24、25のほぼ下の曲線をたどり得る。次に、さらに踵領域9より前方および外側アーチ領域8において、シェル開口部13の縁は、立方骨26のほぼ下の曲線をたどり得る。その後、シェル開口部13の縁は、硬質シェル層4の外周端部から踵領域9の中心に向かって短い距離で離れている、後方および踵領域9の周りに続く硬質シェル層4の外周端部をたどり得る。このようにして、硬質シェル層4によってもたらされるサポートは、中央アーチ領域7にさらに局在する可能性があるが、それでも外側アーチ領域8および踵領域9の外周の周りに一定レベルのサポートを提供する。
【0064】
図4は、例示的な履物用中敷1の実施形態の分解斜視底面図を示し、上布2、上クッション層3、硬質シェル層4、および下クッション層5を図示する。上布2は、縦方向につま先領域6から踵領域9まで、かつ横方向に外側アーチ領域8から中央アーチ領域7まで中敷全体を覆ってよい。その上、上布2は、実質的に均一な厚さを有してよい。さらに、上布2は、織物、ポリマー、天然繊維、フィルム、または使用者の足に快適な合わせ面をもたらす任意のその他の材料から作られてよい。
【0065】
図4に示されるように、上クッション層3は、縦方向につま先領域6から踵領域9まで、かつ横方向に外側アーチ領域8から中央アーチ領域7まで中敷全体を覆ってよい。その上、上クッション層3には、受け面12がその下面に含まれてよく、その受け面12は、硬質シェル層4を受ける。また、上クッション層3には、使用者の足15の踵骨16の下に位置する踵領域9に踵クッションパッド10が含まれてよい。さらに、上クッション層3は、使用者の足の輪郭に快適にフィットするように湾曲が設けられていてよい。さらに、上クッション層3は、フォーム、ゲルまたは任意のその他の緩衝材から作られてよい。
【0066】
図4に示されるように、硬質シェル層4は、上クッション層3の受け面12で受けられてよい。さらに、硬質シェル層4には、使用者の足の中央アーチ領域7においてサポートを提供するよう成形され、かつ使用者の足15の踵骨16の下に位置するシェル開口部13が含まれてよい。上クッション層3の受け面12で受けられると、硬質シェル層4の下面は、つま先領域6の上クッション層3の下面および同様に踵領域9の上クッション層3の下面11と実質的に同一平面であり得る。その上、上クッション層3の踵クッションパッド10は、硬質シェル層4のシェル開口部13を貫いて伸び得る。さらに、硬質シェル層4は、使用者の足の輪郭に快適にフィットするように湾曲が設けられていてよい。硬質シェル層4は、使用者の足にサポートを提供すると同時に快適なフィット性をもたらすことのできるあらゆる硬質、半硬質材料から作られてよい。
【0067】
図4に示されるように、下クッション層5は、硬質シェル層4が使用者の靴の底に直接接触しないように、上クッション層3の縦寸法よりも短いが硬質シェル層4の縦寸法よりも長い縦寸法、ならびに上クッション層3および硬質シェル層4の横寸法にほぼ等しい横寸法を有してよい。下クッション層5には、使用者の足15の踵骨16の下に位置する下層開口部14が含まれ得る。上クッション層3の踵クッションパッド10は、踵クッションパッド10の下面が、下クッション層5の下面と実質的に同一平面であり得るように、下クッション層5の下層開口部14を貫いて伸びてよい。さらに、硬質シェル層4と同様に、下クッション層5の上表面は、使用者の足の輪郭に快適にフィットするように湾曲が設けられていてよい。その上、下クッション層5の下面および側壁は、使用者の靴によりフィットさせるために、特に中央アーチ領域7、踵領域9、および外側アーチ領域8において、輪郭が付けられているかまたはテーパー状であってよい。上クッション層3と同様に、下クッション層5は、フォーム、ゲルまたは任意のその他の緩衝材から作られてよい。
【0068】
上布2、上クッション層3、硬質シェル層4、および下クッション層5は、接着剤またはテープで一緒に接着され得る。異なる層の材料を一緒に接着し、かつ、中敷の使用条件下、例えば歩行、ランニング、跳躍、または任意のその他の活動などにおいて接着を維持する、任意の適切な接着剤またはテープが使用されてよい。代わりとなる許容される実施形態では、層の接着は、感圧接着剤、溶剤型接着剤、ホットメルト接着剤、高周波溶接、超音波溶接またはそれらの組合せにより達成されてよい。
【0069】
硬質シェル層4は、使用者の足に強固なサポートを提供することができ、それは硬質シェル層4およびシェル開口部13の形状により、中央アーチ領域7にさらに局在する可能性がある。この中央アーチ領域7における強固なサポートは、使用者の足15の中央アーチにおける骨の崩壊に対するサポートを提供し、かつ骨の崩壊を防ぐことができ、それにより使用者の足の中央アーチにおける関節炎痛を緩和する。その上、硬質シェル層4は、外側アーチ領域8および踵領域9の外周の周りにも一定レベルの強固なサポートを提供することができる。さらに、硬質シェル層4には、使用者の足15の踵骨16の下に位置するシェル開口部13も含まれてよく、それを貫いて上クッション層3の踵クッションパッド10は上布2の下面から中敷1の下面に伸びる。さらに、硬質シェル層4は、上クッション層3と下クッション層5の間に位置し、それにより使用者の足の全ての領域に全体的なクッション性をもたらす。従って、上布2、上クッション層3、硬質シェル層4、および下クッション層5は、中央アーチ領域7に対する強固なサポート(外側アーチ領域8および踵領域9の外周の周りに対する低レベルのサポートを伴う)も、また、使用者の足の全ての領域、特に踵領域9に対するクッション性サポートも同時に提供することができる。
【0070】
本発明の好ましい非限定的な実施形態では、中敷1は、使用者の足15の中足骨17〜21のほぼ真下の踵領域9からつま先領域6の一部分まで前方に縦方向に伸びる3/4の長さの中敷であってよい。上布2は、好ましくは100%ポリエステルから作られてよく、上クッション層3は、好ましくはポリウレタンフォームから作られてよく、硬質シェル層4は、好ましくはポリプロピレンから作られてよく、下クッション層5は、好ましくはポリウレタンフォームから作られてよい。上布2、上クッション層3、硬質シェル層4、および下クッション層5は、好ましくはホットメルト接着剤を用いて接着されてよい。さらに、中敷は、好ましくは中央アーチ領域7に局在性の硬質アーチサポートおよび使用者の足15の踵骨16の下の踵領域9にクッション性サポートを同時に提供することができる。
【0071】
前述の記述には、下層開口部14を含む下クッション層5、シェル開口部13を含む硬質シェル層4、および、シェル開口部13および下層開口部14を貫いて伸びる踵クッションパッド10を含む上クッション層3が提供されるが、上クッション層3に、上層開口部(図示せず)が含まれ、硬質シェル層4にシェル開口部13が含まれ、下クッション層5に上クッション層3の上層開口部を貫き、硬質シェル層4のシェル開口部13を貫いて伸びる踵クッションパッド(図示せず)が含まれるように、個々の要素の構造を修正することが可能であり得る。
【0072】
足、膝、および/または腰の関節炎痛を緩和するための中敷1を組み立てる方法は、上クッション層3、下クッション層5、およびその間の硬質シェル層4を接着する段階を含み得る;この際、硬質シェル層4は、硬質シェル層4が中央アーチ領域で中足骨をサポートするように、アーチサポートを提供するために足の踵骨と中足骨の間の足の下の部位に位置し;硬質シェル層4には、足の踵骨の下のシェル開口部13が含まれ、シェル開口部13は、中央アーチ領域において踵骨から中足骨まで前方に伸び;かつ、上クッション層3の一部分は、シェル開口部13を貫いて伸びる。足、膝、および/または腰の関節炎痛を緩和するための中敷1を組み立てる方法は、上布2を上クッション層3に接着する段階をさらに含んでよい。その上、下クッション層5には、下層開口部14が足の踵骨の下に含まれてよく;かつ、上クッション層3の一部分は、下層開口部14を貫いて伸びるシェル開口部13を貫いて伸びてよい。
【0073】
足、膝、および/または腰の関節炎痛を、関節炎痛を有する個体の靴の中敷1によって緩和する方法は、中敷1の上布2、上クッション層3、および下クッション層5によりクッション性をもたらす段階;および、硬質シェル層4が中央アーチ領域の中足骨の下で前方に伸びるように、足の踵骨と中足骨の間の足の下の部位に中敷1の上クッション層3と下クッション層5の間に位置する硬質シェル層4によりアーチサポートを提供する段階を含んでよく;この際、硬質シェル層4には、足の踵骨の下のシェル開口部13が含まれ、シェル開口部13は、中央アーチ領域において踵骨から中足骨まで前方に伸び;下クッション層5には、足の踵骨の下の下層開口部14が含まれ;かつ、上クッション層3の一部分は、下層開口部14を貫いて伸びるシェル開口部13を貫いて伸びる。足、膝、および/または腰の関節炎痛を、関節炎痛を有する個体の靴の中敷1によって緩和する方法は、中敷1を、関節炎痛を有する個体の靴の中に挿入する段階をさらに含んでよく、この際、アーチのサポートと踵のクッション性の組合せが関節炎痛の軽減をもたらす。
【0074】
本発明の例示的な履物用中敷の実施形態について、関節炎痛被験者に関して、足、腰、および膝の関節炎痛の緩和を試験した。228名の被験者を評価し、図5に示されるように、関節炎部位と試験群に分類した。被験者らは、例えば、年齢、全体的な健康、肥満度指数、関節炎部位、靴のサイズ、通常の日周活動などを含む、いくつかの判定基準に基づいてスクリーニングされた。その上、各々の試験群について、例えば、湿度、気圧、温度、および気象条件を含む毎日の環境条件を追跡し、文書化した。
【0075】
疼痛の低減は、本明細書において視覚的アナログスケール(VAS)と呼ばれる1〜10のスケールでの、各々の被験者の疼痛の強さの自己評価に基づいて評価した。各々の被験体の群について、男性および女性、および各々の関節炎痛部位について、初期ベースラインVASスコアを決定した。次に、このVASスコア、ベースラインVASスコアと比較したVASスコアの減少率、ならびに1分、8時間、1週間、2週間、および3週間の例示的な履物用中敷の実施形態の使用後の統計的p値を評価した。これらの結果の統計的有意性は、p≦0.05と決定された。
【0076】
図6Aは、膝に関節炎痛を有する被験体についての試験結果を示す。図6Aには、ベースラインVASスコアならびに1分、8時間、1週間、2週間、および3週間の例示的な履物用中敷の実施形態の使用後のVASスコアのデータポイントが含まれる。全てのデータは、上記判定基準に基づいて統計上有意であると見なされる。
【0077】
図6Bは、試験群によって分類された、膝に関節炎痛を有する被験体についての試験結果を示す。図6Aと同様に、各々の群の被験体について、初期ベースラインVASスコアを決定した。図6Bには、1分、8時間、1週間、2週間、および3週間の例示的な履物用中敷の実施形態の使用後のVASスコアのデータポイントが含まれる。図示されるように、試験群1の男性と女性の両方についてのデータは、即時、一日中、および持続的な膝の関節炎痛の疼痛の軽減を示し、このデータは、上記判定基準に基づいて統計上有意であると見なされる。その上、試験群2の男性と女性の両方のについてのデータは、ベースラインVASスコアと比較して、8時間、1週間、2週間、および3週間後に統計上有意なVASスコアの低下を示した。
【0078】
図6Cは、膝に関節炎痛を有する男性および女性についての各々の試験群での試験結果の線グラフを示す。x軸は、被験体が例示的な履物用中敷の実施形態を使用した時間の量を示し、y軸は、評価されたVASスコアを示す。図示されるように、男性と女性の両方についてのVASスコアは、ベースラインVASスコアと比較して、例示的な履物用中敷の実施形態の連続使用とともに低下し続け、1分、8時間、1週間、2週間、および3週間後の膝の関節炎痛からの、即時、一日中、および持続的な疼痛の軽減をもたらす。
【0079】
図6A〜6Cに示される両方の試験群を統合したデータに基づいて、膝に関節炎痛を有する被験体は、例示的な履物用中敷の実施形態の1分、8時間、1週間、2週間、および3週間の使用後の膝関節炎痛の統計上有意な低減を経験し、膝の関節炎痛からの即時、一日中、および持続的な疼痛の軽減がもたらされた。
【0080】
図7Aは、足に関節炎痛を有する被験体についての試験結果を示す。図7Aには、ベースラインVASスコアならびに1分、8時間、1週間、2週間、および3週間の例示的な履物用中敷の実施形態の使用後のVASスコアのデータポイントが含まれる。全てのデータは、上記判定基準に基づいて統計上有意であると見なされる。
【0081】
図7Bは、試験群によって分類された、足に関節炎痛を有する被験体についての試験結果を示す。図7Aと同様に、各々の群の被験体について、初期ベースラインVASスコアを決定した。図7Bには、1分、8時間、1週間、2週間、および3週間の例示的な履物用中敷の実施形態の使用後のVASスコアのデータポイントが含まれる。図示されるように、男性と女性の両方についてのデータは、試験群1と試験群2の両方で、膝の関節炎痛の即時、一日中、および持続的な疼痛の軽減を示し、このデータは、上記判定基準に基づいて統計上有意であると見なされる。
【0082】
図7Cは、足に関節炎痛を有する男性および女性についての各々の試験群での試験結果の線グラフを示す。x軸は、被験体が例示的な履物用中敷の実施形態を使用した時間の量を示し、y軸は、評価されたVASスコアを示す。図示されるように、男性と女性の両方についてのVASスコアは、ベースラインVASスコアと比較して、例示的な履物用中敷の実施形態の連続使用とともに低下し続け、1分、8時間、1週間、2週間、および3週間後の膝の関節炎痛からの、即時、一日中、および持続的な疼痛の軽減をもたらす。
【0083】
図7A〜7Cに示される両方の試験群を統合したデータに基づいて、足に関節炎痛を有する被験体は、例示的な履物用中敷の実施形態の1分、8時間、1週間、2週間、および3週間の使用後の足関節炎痛の統計上有意な低減を経験し、足の関節炎痛からの即時、一日中、および持続的な疼痛の軽減がもたらされた。
【0084】
図8Aは、腰に関節炎痛を有する被験体についての試験結果を示す。図8Aには、ベースラインVASスコアならびに1分、8時間、1週間、2週間、および3週間の例示的な履物用中敷の実施形態の使用後のVASスコアのデータポイントが含まれる。全てのデータは、上記判定基準に基づいて統計上有意であると見なされる。
【0085】
図8Bは、試験群によって分類された、腰に関節炎痛を有する被験体についての試験結果を示す。図8Aと同様に、各々の群の被験体について、初期ベースラインVASスコアを決定した。図8Bには、1分、8時間、1週間、2週間、および3週間の例示的な履物用中敷の実施形態の使用後のVASスコアのデータポイントが含まれる。図示されるように、両方の試験群での女性についてのデータは、膝の関節炎痛の即時、一日中、および持続的な疼痛の軽減を示し、このデータは、上記判定基準に基づいて統計上有意であると見なされる。その上、試験群1での男性についてのデータも、膝の関節炎痛の統計上有意な即時、一日中、および持続的な疼痛の軽減を示した。さらに、試験群2での男性についてのデータは、一般にベースラインVASスコアと比較してVASスコアの低下を示したが、このデータには、少数のサンプル、n=9しか含まれなかった。
【0086】
図8Cは、腰に関節炎痛を有する男性および女性についての各々の試験群での試験結果の線グラフを示す。x軸は、被験体が例示的な履物用中敷の実施形態を使用した時間の量を示し、y軸は、評価されたVASスコアを示す。図示されるように、男性と女性の両方についてのVASスコアは、ベースラインVASスコアと比較して、例示的な履物用中敷の実施形態の連続使用とともに低下し続け、腰の関節炎痛からの、即時、一日中、および持続的な疼痛の軽減をもたらす。
【0087】
図8A〜8Cに示される両方の試験群を統合したデータに基づいて、腰に関節炎痛を有する女性被験体および一部の男性被験体は、例示的な履物用中敷の実施形態の1分、8時間、1週間、2週間、および3週間の使用後の腰関節炎痛の統計上有意な低減を経験し、腰の関節炎痛からの即時、一日中、および持続的な疼痛の軽減がもたらされた。
【0088】
前述の説明は、本発明の非限定的な実施形態しか開示していない。本発明の範囲内の、上に開示される履物用中敷、ならびにその製造法および使用法の変更は、当業者に容易に明らかである。
【0089】
したがって、本発明は上の非限定的な実施形態に関連して開示されているが、その他の実施形態が、以下の特許請求の範囲により規定される本発明の精神および範囲内にあり得ることは理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
足、膝、および腰のうちの少なくとも1つにおける関節炎痛を緩和するための中敷であって、
踵部、アーチ部、および足前部を含み;
前記踵部は、内部踵部および周囲踵部を含み;
前記アーチ部は、内部アーチ部および周囲アーチ部を含み;ならびに
上クッション層、下クッション層、およびそれらの間の硬質シェル層を含み、前記硬質シェル層は踵領域とアーチ領域にまたがっており、
ここで、前記硬質シェル層には、前記硬質シェル層の上表面、前記硬質シェル層の下面、およびシェル開口部が含まれ、前記シェル開口部は、前記シェル層が周囲踵領域および周囲アーチ領域に沿ってサポートを提供し、前記開口部が内部踵領域および内部アーチ領域の衝撃を和らげるように、中央アーチ領域の踵骨から中足骨にかけて前方に伸び;
前記上クッション層は、前記硬質シェル層の上表面に部分的に接着され;
下クッション層は、硬質シェル層の下面に部分的に接着され;
前記下クッション層には、アーチサポート領域、踵サポート領域、足前部サポート領域、および足の踵骨の下の下層開口部が含まれ;ならびに
前記上クッション層の一部は、シェル開口部の一部を貫いて伸び、かつ、下層開口部の一部を貫いて伸びている、当該中敷。
【請求項2】
前記硬質シェル層が、前記足の中央アーチ領域で前記中足骨をサポートするように配置されている、請求項1に記載の中敷。
【請求項3】
前記中敷が、前記上クッション層の上表面に接着された上布を有する、請求項1に記載の中敷。
【請求項4】
前記上布が、ポリエステルである、請求項3に記載の中敷。
【請求項5】
前記上クッション層および前記下クッション層が、ポリウレタンフォームである、請求項1に記載の中敷。
【請求項6】
前記硬質シェル層が、ポリプロピレンである、請求項1に記載の中敷。
【請求項7】
前記上布および前記上クッション層が、横寸法および縦寸法において共通の境界を有する、請求項3に記載の中敷。
【請求項8】
前記上布および前記上クッション層の縦寸法が、おおよそ前記足の踵骨から中足骨に及ぶ、請求項7に記載の中敷。
【請求項9】
前記下クッション層の縦寸法が、前記上布の縦寸法および前記上クッション層の縦寸法のうちの短い方に満たない、請求項3に記載の中敷。
【請求項10】
前記硬質シェル層の縦寸法が、前記上布、前記上クッション層、および前記下クッション層の縦寸法のうちの短い方に満たない、請求項3に記載の中敷。
【請求項11】
前記上クッション層が、前記硬質シェル層の上表面を完全に覆い、かつ、前記下クッション層が、前記硬質シェル層の下面を完全に覆う、請求項10に記載の中敷。
【請求項12】
前記下クッション層が、様々な厚さを有する、請求項1に記載の中敷。
【請求項13】
前記アーチサポート領域が、前記踵サポート領域および前記つま先サポート領域のうちの少なくとも1つよりも厚い、請求項12に記載の中敷。
【請求項14】
前記硬質シェル層、前記下クッション層、および前記上クッション層のうちの少なくとも1つがアーチサポートをもたらすような輪郭を有する、請求項1に記載の中敷。
【請求項15】
前記硬質シェル層、前記下クッション層、および前記上クッション層のうちの少なくとも1つが踵サポートをもたらすような輪郭を有する、請求項1に記載の中敷。
【請求項16】
前記踵サポートが、ヒールカップである、請求項15に記載の中敷。
【請求項17】
前記上クッション層の下面が、前記硬質シェル層の上表面を受けるような輪郭を有する、請求項1に記載の中敷。
【請求項18】
前記上クッション層、前記硬質シェル層、および前記下クッション層が、一緒に接着され、かつ、前記シェル開口部および前記下層開口部を貫いて伸びる前記上クッション層の一部が、前記下クッション層に結合する、請求項1に記載の中敷。
【請求項19】
前記硬質シェル層が、足の第1中足骨および第2中足骨のうちの少なくとも1つに対するサポートを提供する、請求項1に記載の中敷。
【請求項20】
前記下クッション層が、靴の中底に接するように配置されている、請求項1に記載の中敷。
【請求項21】
前記中敷が、履物に挿入するための取り外し可能な部材である、請求項1に記載の中敷。
【請求項22】
前記中敷が履物部材と一体化されている、請求項1に記載の中敷。
【請求項23】
足、膝、および腰のうちの少なくとも1つにおける関節炎痛を緩和するための中敷を組み立てるための方法であって、
上クッション層、下クッション層、およびそれらの間の硬質シェル層を接着させる段階を含み;
ここで、前記硬質シェル層は、前記硬質シェル層が中央アーチ領域で中足骨をサポートするように、アーチサポートを提供するために足の踵骨と中足骨の間の足の下の部位に位置し;
前記硬質シェル層には前記足の踵骨の下のシェル開口部が含まれ、前記シェル開口部は、前記中央アーチ領域の前記踵骨から前記中足骨にかけて前方に伸び;ならびに
前記上クッション層の一部は、前記シェル開口部を貫いて伸びる、当該方法。
【請求項24】
前記下クッション層が、前記足の踵骨の下の下層開口部を含み;及び、前記シェル開口部を貫いて伸びる前記上クッション層の一部が、前記下層開口部を貫いて伸びる、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
上布と前記上クッション層を接着させる段階をさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
患者において足、膝、および腰の少なくとも1つにおける関節炎痛を緩和するための中敷であって、クッション要素およびサポート要素を含み、ここで、前記サポート要素が開口部を含む硬質材料を含んでおり、これにより、前記サポート要素が前記足の踵領域の周囲およびアーチ領域の周囲に沿ってサポートを提供し、かつ、前記開口部が前記クッション要素により内部踵領域および内部アーチ領域の衝撃を和らげることができる、当該中敷。
【請求項27】
前記クッション要素が、ポリウレタンフォームを含む、請求項26に記載の中敷。
【請求項28】
前記サポート要素が、ポリプロピレンを含む、請求項26に記載の中敷。
【請求項29】
患者において足、膝、および腰の少なくとも1つにおける関節炎痛を緩和するための方法であって、
前記足を、クッション要素およびサポート要素を含む中敷と接触させることを含み、ここで、前記サポート要素が開口部を含む硬質材料を含んでおり、それにより、前記サポート要素が前記足の踵領域の周囲およびアーチ領域の周囲に沿ってサポートを提供し、かつ、前記開口部が前記クッション要素により内部踵領域および内部アーチ領域の衝撃を和らげることができる、当該方法。
【請求項30】
前記中敷が使用されている場合、前記サポート要素が中央アーチ領域で中足骨をサポートするように、前記サポート要素が前記足の踵骨と中足骨の間の前記足の下の部位に位置し、かつ、前記開口部が、前記足の踵骨の下に位置して、前記足の中央アーチ領域の前記踵骨から前記中足骨まで前方に伸びる、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記中敷が、履物に挿入するための取り外し可能な部材である、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記中敷が、履物部材と一体化されている、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
関節炎痛を有する個体の靴の中敷を用いて足、膝、および腰の少なくとも1つにおける関節炎痛を緩和するための方法であって、
前記中敷の上布、上クッション層、および下クッション層によりクッション性を提供する工程と;
硬質シェル層が、中央アーチ領域の中足骨の下で前方に伸び、足の踵骨と中足骨の間の前記足の下の部位において前記中敷の上クッション層と下クッション層の間に位置する前記硬質シェル層によりサポートを提供する工程とを含み;
ここで、前記硬質シェル層には前記足の踵骨の下のシェル開口部が含まれ、前記シェル開口部は、前記中央アーチ領域の前記踵骨から前記中足骨にかけて前方に伸び;
前記下クッション層には、前記足の踵骨の下の下層開口部が含まれ;及び
前記上クッション層の一部は、前記シェル開口部を貫いて伸び、かつ前記下層開口部を貫いて伸びている、当該方法。
【請求項34】
関節炎痛を有する個体の靴の中に前記中敷を挿入する段階をさらに含み、ここで、前記シェル層のサポートと、前記上布、上クッション層、および下クッション層のクッション性との組合せが、関節炎痛の軽減をもたらす、請求項33に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図3F】
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【図3G】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【公表番号】特表2012−513246(P2012−513246A)
【公表日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−542465(P2011−542465)
【出願日】平成21年12月18日(2009.12.18)
【国際出願番号】PCT/US2009/068645
【国際公開番号】WO2010/075196
【国際公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(511140482)エムエスデイ・コンシユーマー・ケア,インコーポレイテツド (4)
【Fターム(参考)】