防水性で、透湿性タイプの靴用ソールおよびそのソールを備えた靴
複数の貫通孔(13)を備えたトレッド(12)が形成され、プラスチック材料で作られた下エレメント(11、111、211、311)と、防水性で、かつ透湿性であり、前記下エレメント(11、111、211、311)上に配置されて貫通孔(13)に重ね合わせられ、かつソール(10,100,200、300)の少なくとも1つの構成要素に周辺を密閉して接合されてソールを介し液体が上昇するのを避ける薄膜(14,214、314)と、薄膜(14,214、314)の下に配置されて孔(13)の領域に重ね合わせられ、薄膜(14,214、314)を保護する、透湿性または多孔性手段(17)とを備えた防水性で、透湿性タイプの靴用ソール(10,100,200,300)。
ソールは、薄膜(14,214、314)を保護する手段(17)を有し、この手段が、それぞれが対応する貫通孔(13)を遮蔽するために配置された個々の透湿性または多孔性保護エレメント(18,118、218、318)を備える。
下エレメント(11,111,211,311)は、貫通孔(13)のそれぞれに対し、保護エレメント(18,118,218,318)のそれぞれの下方への抜け出しを防止するアンダーカット部位(19,119、219a、219c、219d、219e)を形成する。
ソールは、薄膜(14,214、314)を保護する手段(17)を有し、この手段が、それぞれが対応する貫通孔(13)を遮蔽するために配置された個々の透湿性または多孔性保護エレメント(18,118、218、318)を備える。
下エレメント(11,111,211,311)は、貫通孔(13)のそれぞれに対し、保護エレメント(18,118,218,318)のそれぞれの下方への抜け出しを防止するアンダーカット部位(19,119、219a、219c、219d、219e)を形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防水性で、透湿性タイプの靴用ソールに関する。
本発明は、さらに前記ソールを備えた靴に関する。
【背景技術】
【0002】
足の大抵の汗は、知られているように、足の裏と靴のソールとの境界面で発生し、また、そこで形成される汗は、足が置かれる足底のインサートでは、蒸発も凝縮もできない;汗のごく一部のみが、上方から蒸発する。
この現象はゴムソールを有する靴に特に顕著である;これらの場合は、ソールを介する蒸気の浸透が完全に阻止される。
【0003】
この問題を解決するために、防水性および透湿性(水蒸気に対する透過性)であり、プラスチック材料で作られたソールを備えた靴が、これまで数年間、工夫されてきた。
それらの目的は、汗をかいた足によって作られた湿気の脱出を可能にすることである。
【0004】
解決策の一つは、例えば、米国特許第5044096号公報および欧州特許第382904号公報に開示され、ゴムソールを、貫通孔を備えた二つの層に分けることにあり(トレッドが下層に結合される)、また、防水性および透湿性で、水が浸入しないように、二つの層に周辺を密閉して結合された薄膜を介在させることにある。
【0005】
例えば、米国特許第5983524号公報および欧州特許第858270号公報に開示されているように、薄膜の下にそれを保護する層(例えば、フェルト層)を配置するのが便利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明のねらいは、知られたタイプで述べられた問題を解決する、防水性で、透湿性タイプの靴用ソールを提供することである。
このねらいの内で、本発明の重要な目的は、薄膜の下に配置された保護手段の孔を開けることに対する抵抗の特徴を減じることなしに、かつソールの屈曲性と衝撃吸収性の特徴に譲歩することなしに、トレッドで透湿部分を増加させることができる、防水性で、透湿性タイプの靴用ソールを提供することである。
本発明のもう一つの目的は、屈曲性と柔軟性に関する心地よさに譲歩することなしに透湿性を最大にする靴を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このねらい、およびこれらや以下でより明らかになる他の目的は、防水性で、透湿性タイプの靴用ソールによって達成される。
すなわち、複数の貫通孔を備えたトレッドが形成され、プラスチック材料で作られた下エレメントと、
防水性で、かつ透湿性であり、前記下エレメント上に配置されて前記貫通孔に重ね合わせられ、かつソールの少なくとも1つの構成要素に周辺を密閉して接合されて前記ソールを介し液体が上昇するのを避ける薄膜と、
前記薄膜の下に配置されて前記孔の領域に重ね合わせられた、透湿性または多孔性薄膜保護手段とを備え、
前記薄膜を保護する前記手段は、それぞれが対応する前記貫通孔を遮蔽するために配置された個々の透湿性または多孔性保護エレメントを備え、前記下エレメントが、前記貫通孔のそれぞれに対し、前記保護エレメントのそれぞれの下方への抜け出しを防止するアンダーカット部位を形成したことを特徴とする防水性で、透湿性タイプの靴用ソールである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の更なる特徴および利点は、そのいくつかの好ましいが、特定しない実施態様の説明から、さらに明らかになるであろう。以下、添付図面において、限定しない実施例で図解される。
【0009】
【図1】本発明による、ソールを備えた靴の底面斜視図である。
【図2】本発明によるソールの第1実施態様の概略横断面図である。
【図3】本発明によるソールを形成する型の一部の概略断面図であり、前記ソールの一部を図解する。
【図4】図1のソールの第1実施態様についての変形の概略横断面図である。
【図5】本発明によるソールに備えられた薄膜を保護するエレメントの上面図である。
【図6】図5の保護エレメントを形成する型の一部の概略断面図である。
【図7】本発明によるソールを形成する型の一部の概略断面図であり、該ソールは、図5および6の保護エレメントを用いている。
【図8】本発明によるソールの第2実施態様の概略横断面図である。
【図9】図8の1つに関する変形であるソールの一部の概略横断面図である。
【図10】図8および9の1つに関する変形であるソールの一部の概略横断面図である。
【図11】図8、9および10の1つに関する変形であるソールの一部の概略横断面図である。
【図12】図8、9および11の1つに関する変形であるソールの概略横断面図である。
【図13】図8、9、11および12の1つに関する変形であるソールの概略横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の模範的な実施態様においては、特定の実施例に関して与えられた個々の特徴は、実際には、他の模範的な実施態様に在る他の異なる特徴の代わりに用いてもよい。
さらに付記すれば、特許手続き中に知られたと分かったことは、請求項に記されるべきでないし、放棄の対象になると理解される。
【0011】
図1および2に関して、本発明によるソールの第1実施態様は全体を符号10で示されるのに対し、ソール10を用いる靴は、全体を引用文字Cで示される。
ソール10は下エレメント(lower element)11を備え、この下エレメントはプラスチック材料で作られる。そして、下エレメントの上に、複数の貫通孔13を有するトレッド12が形成され、該貫通孔はソールの前部部位に形成されるのが好ましい。
【0012】
貫通孔13は、背景技術の小さいソールに備えられた小さな通気口よりかなり大きく、従って、通常、2mmよりかなり大きい(例えば、5〜20mm)。
下エレメント11の上には、実際は貫通孔13に被さるように、防水性で、かつ透湿性の、それ自体知られたタイプの(例えば、登録商標Gore-Texで知られた薄膜のような)薄膜(membrane)14がある。
知られた構成により、合成樹脂材料で作られたメッシュ15が薄膜14の上から積層される。
【0013】
薄膜14は、ソール10の少なくとも1つの構成要素に、知られた方法で周辺を密閉して接合され、ソールを介した液体の上昇を避ける。
符号16で全体を示された、この封止部は、下エレメント11に薄膜14の下周辺部分を、例えば接着によって提供される(実際は、薄膜の“下”からの封止を形成するために)。
【0014】
ソールはまた、透湿可能か、多孔性で、かつ薄膜14の下に配置され、実際は貫通孔13の部分を重ね合わす、薄膜14を保護する手段17を備えている。
都合のよいことには、薄膜14を保護する手段17は、個々に透湿可能か、多孔性の保護エレメント18を備え、それぞれが、対応する貫通孔13を閉じるように配置されている。
特に、下エレメント11が、各貫通孔13に対して、各保護エレメント18に対する下方への抜け出しを防止するアンダーカット部位(undercut region)19を形成する。
【0015】
図2の略図ではっきりと分かるこの第1実施態様において、保護エレメント18は、平らであり、ネットエレメント20によって構成され、該ネットエレメントは、例えば金属またはプラスチック材料で作られ、貫通孔13より大きな部分を有する。
ネットエレメント20は、この実施態様では、インサートするごとく型に配置された前記ネットエレメント20の周縁部に前記下エレメント11をオーバーモールドすることにより、下エレメント11と強固に連結される。
【0016】
ネットエレメント20の周縁部に重ね合わされた下エレメント11の部分は、実際は、前記ネットエレメント20に対し下方への抜け出しを防止するアンダーカット部位19を構成する(話したように、薄膜14のために保護エレメント18を構成する)。
図3は閉じた型の一部の略図であり、ネットエレメント20に関するソールの一部を内部に示す(メッシュを備えた薄膜は、後で前記ソールと結合される)。
ネットエレメント20の正確な配置のためには、型21の小さなピン22の使用が可能であり、該ピンには各ネットエレメント20が係合される。
【0017】
全体が符号100で表示され、図4に示された、この第1実施態様の変形は、符号118によってここに表示された保護エレメントを備え、該保護エレメントは、図5の概略平面図ではっきりと示されているように、プラスチック材料で作られ、ネットエレメント120によって中央で閉じられたリング123によって構成される。
【0018】
前記保護エレメント118の製造方法は、ネットエレメント120の周辺部位にプラスチックリング123を必然的にオーバーモールド(overmolding)してもよく(図6の型121の概略図に示されたように)、結果として図4に示されたように、下エレメント111の上面に備えられた環状凹部124に前記保護エレメント118を;前記環状凹部124は、前記アンダーカット部位119を、保護エレメント118に対する下方への抜け出しを防止するために構成する。
【0019】
さらに、前記保護エレメント118を、図7の型121aの略図に示されるように、ソールの残りがオーバーモールドされる、型のインサートとして用いることができる。
ネットエレメントの代わりに、例えば、マイクロ延伸金属シート、溶融され一部圧縮された合成繊維、圧縮された天然繊維(例えば、麻、またはココナッツ繊維)、皮革および他の材料のごとく、条件に合った材料で作られた等価の他の透湿性または微細な多孔性エレメント(fine perforated elements)を使用できることは、明らかである。
図8に符号200で示された、本発明による靴の第2実施態様は、ここでは符号218で示された保護エレメントとして、外形が円筒対称性(cylindrical symmetry)を有するか、実質的に平行六面体(parallelepiped)のような形の、透湿性プラグ220aを使用する。
【0020】
前記透湿性プラグ220aは、連続気泡タイプ、または焼結マイクロ球体を有するタイプの多孔質のプラグが好ましく、例えば、焼結顆粒状粉末(例えば、ステンレス鋼、銅および他の金属、または合金)、発砲アルミニウム(aluminum forms)、多孔質の透湿性プラスチック材料、セラミック材料など、そして、それらの透湿性を落とすかもしれない水と接触しても、酸化現象を有しない一般の材料によって供される。
【0021】
幅広階段状部分226aは、前記プラグ220aの上端部で横方向に突出し、各貫通孔213の上端部で下エレメント211の上面に備えられた環状凹部224内に配置されるよう構成される;前記環状凹部224は、保護エレメント218に対する下方への抜け出しを防止するアンダーカット部位219aを構成する。
【0022】
幅広部分226aの階段状の変形に代わって、例えば、透湿性プラグ220bを用いることが可能であり、該プラグでは、幅広部分226bが下向きに先細である(図9参照)。
前記透湿性プラグ220aおよび220bを、接着によってと、オーバーモールドによってとの両方で、下エレメント211と結合してもよい。
【0023】
図10はプラグ220cを示し、このプラグはその軸方向の延びの中間横位置に凹部227を有し、該凹部の内側には下エレメント211の一部が入り、下方へ抜け出すのを防止するアンダーカット部位219cを備える。
図11はプラグ220dを示し、このプラグはその軸方向の延びの中間横位置に突起部228を有し、該突起部が、前記下エレメント211の基材に入るよう構成される;前記突起部228の下方にある下エレメント211の一部が、下方へ抜け出すのを防止するアンダーカット部位219dを構成する。
【0024】
前記透湿プラグ220cおよび220dは、下エレメント211に、好ましくはオーバーモールドによって、結合される。
図12は符号220eによって示された透湿プラグのもう1つの変形を示す。
前記透湿性プラグ220eは、多孔質タイプであり、完全な円筒状または完全な平行六面体形を有し、実際には実質的に垂直な側壁を持つ。
【0025】
この場合では、透湿性プラグ220eの下エレメント211との結合がオーバーモールドによって起こり、それによって、下エレメント211のプラスチック材料が前記プラグの表面の多孔性により前記プラグ220eの一部を横に浸透する。
透湿性プラグ220eに浸透する下エレメント211の部分は、前記プラグに対する下方への抜け出しを防止するアンダーカット部位219eを構成する(図には下エレメント211の破線の重なりによって示された)。
【0026】
図8はまた、透湿性プラグ220aに対して追加の薄膜214の保護層229aを図解する。
前記保護層229aは、例えば、素早く乾燥できる、透湿性で、撥水性の材料で作られ(例えば、織布、不織布またはパイル織物)、主として前記保護エレメント218(この場合、プラグ220a)の磨耗に対して薄膜214を保護する目的を持つ;前記保護層229aは、例えば、薄膜214に積層する。
【0027】
この実施態様では、前記保護層229aは、薄膜214より小さな領域(しかし、いかなる場合でも、貫通孔213によって塞がれた全領域より大きいか、等しい領域)を有し、前記薄膜214の“下方”からのシール216aを下エレメント211で提供するために前記薄膜の外周縁を自由にする。
図12は、ここでは符号219eによって示されている、薄膜214の保護層が、薄膜と同じ領域を有する場合を示す。
【0028】
この場合、薄膜214の密封は、“上方”から行われ、例えば、薄膜を横方向から囲い、それと対応するメッシュ215の上周縁部に重ね合わせる中間のソール230をオーバーモールドすることによって行われる;透湿性または多孔性の充填材231があるメッシュ215上で。
【0029】
図13は、準備されたパック332によって構成されたソール300を示し、該パックは、その底部から上方へ、エレメントの一部311と、保護層329と、薄膜314と、メッシュ315とを備えている;トレッド312がエレメント311の前記一部に一体とされ、透湿性プラグ320が結合される貫通孔313を備える。
下エレメント311は、ソールの支持構造を構成し、前記準備されたパック332の周辺に備えられる。
【0030】
前記準備されたパック332は、別々に備えられ、次いで下エレメント311がオーバーモールドされる型にインサートとして挿入される;この構成では、下エレメント311が薄膜を“上方”から密封する。
実際には、本発明透湿性で防水性のソールの知られたタイプで注目された問題を解決することが見出された;特に、本発明は、薄膜の保護の特徴に妥協することなく、ソールの屈曲性と衝撃吸収性の特徴に妥協することもなく、最高の透湿性を可能にする防水性で透湿性タイプの靴用ソールを提供する。
【0031】
これは、トレッドに、ソールの知られたタイプで備えられた小さな孔より大きな貫通孔を備えることによって、そして薄膜を保護するため透湿性エレメントを各孔と結合することによって達成された。
そのような寸法の貫通孔は、ホコリの堆積を許さず、従って、効果的な靴通気領域を維持する。
【0032】
保護エレメントの各貫通孔との結合は、高い屈曲性を要求する用途では、大きな通気孔と結合された金属ネットのような透湿性で多孔性構造を備えた完全なソールの硬化防止を可能にする。
明らかなことであるが、薄膜の保護エレメントは、トレッドが一体化された下エレメントにしっかりと固定されることが原則である。
この観点から、ソールの下エレメントに形成された、各保護エレメントの下方への抜け出しを防止するアンダーカット部位を具備することは、この安定性を保証する。
【0033】
このように考えられた本発明は多数の修正や変更を許され、そのすべてが、添付の請求項の範囲内にある;すべての詳細は、さらに、他の技術的に等価のエレメントと置き換えられてもよい。
実際には、使用される材料は、特定の用途に適合するかぎり、大きさだけではなく、技術の要件や状態によりいずれでもよい。
【0034】
この出願が優先権を主張するイタリア特許出願第TV2006A000104号の開示は、引用によりここに組み入れられる。
いかなる請求項に記載された技術的特徴でも、その後に参照記号がある場合、それらの参照記号は、請求項の理解度を増すことを唯一の目的で含まれたものであり、従って、そのような参照記号は、一例としてそのような参照記号によって同一に扱われた各エレメントの意味を理解する上でのいかなる限定効果も持たない。
【技術分野】
【0001】
本発明は、防水性で、透湿性タイプの靴用ソールに関する。
本発明は、さらに前記ソールを備えた靴に関する。
【背景技術】
【0002】
足の大抵の汗は、知られているように、足の裏と靴のソールとの境界面で発生し、また、そこで形成される汗は、足が置かれる足底のインサートでは、蒸発も凝縮もできない;汗のごく一部のみが、上方から蒸発する。
この現象はゴムソールを有する靴に特に顕著である;これらの場合は、ソールを介する蒸気の浸透が完全に阻止される。
【0003】
この問題を解決するために、防水性および透湿性(水蒸気に対する透過性)であり、プラスチック材料で作られたソールを備えた靴が、これまで数年間、工夫されてきた。
それらの目的は、汗をかいた足によって作られた湿気の脱出を可能にすることである。
【0004】
解決策の一つは、例えば、米国特許第5044096号公報および欧州特許第382904号公報に開示され、ゴムソールを、貫通孔を備えた二つの層に分けることにあり(トレッドが下層に結合される)、また、防水性および透湿性で、水が浸入しないように、二つの層に周辺を密閉して結合された薄膜を介在させることにある。
【0005】
例えば、米国特許第5983524号公報および欧州特許第858270号公報に開示されているように、薄膜の下にそれを保護する層(例えば、フェルト層)を配置するのが便利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明のねらいは、知られたタイプで述べられた問題を解決する、防水性で、透湿性タイプの靴用ソールを提供することである。
このねらいの内で、本発明の重要な目的は、薄膜の下に配置された保護手段の孔を開けることに対する抵抗の特徴を減じることなしに、かつソールの屈曲性と衝撃吸収性の特徴に譲歩することなしに、トレッドで透湿部分を増加させることができる、防水性で、透湿性タイプの靴用ソールを提供することである。
本発明のもう一つの目的は、屈曲性と柔軟性に関する心地よさに譲歩することなしに透湿性を最大にする靴を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このねらい、およびこれらや以下でより明らかになる他の目的は、防水性で、透湿性タイプの靴用ソールによって達成される。
すなわち、複数の貫通孔を備えたトレッドが形成され、プラスチック材料で作られた下エレメントと、
防水性で、かつ透湿性であり、前記下エレメント上に配置されて前記貫通孔に重ね合わせられ、かつソールの少なくとも1つの構成要素に周辺を密閉して接合されて前記ソールを介し液体が上昇するのを避ける薄膜と、
前記薄膜の下に配置されて前記孔の領域に重ね合わせられた、透湿性または多孔性薄膜保護手段とを備え、
前記薄膜を保護する前記手段は、それぞれが対応する前記貫通孔を遮蔽するために配置された個々の透湿性または多孔性保護エレメントを備え、前記下エレメントが、前記貫通孔のそれぞれに対し、前記保護エレメントのそれぞれの下方への抜け出しを防止するアンダーカット部位を形成したことを特徴とする防水性で、透湿性タイプの靴用ソールである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の更なる特徴および利点は、そのいくつかの好ましいが、特定しない実施態様の説明から、さらに明らかになるであろう。以下、添付図面において、限定しない実施例で図解される。
【0009】
【図1】本発明による、ソールを備えた靴の底面斜視図である。
【図2】本発明によるソールの第1実施態様の概略横断面図である。
【図3】本発明によるソールを形成する型の一部の概略断面図であり、前記ソールの一部を図解する。
【図4】図1のソールの第1実施態様についての変形の概略横断面図である。
【図5】本発明によるソールに備えられた薄膜を保護するエレメントの上面図である。
【図6】図5の保護エレメントを形成する型の一部の概略断面図である。
【図7】本発明によるソールを形成する型の一部の概略断面図であり、該ソールは、図5および6の保護エレメントを用いている。
【図8】本発明によるソールの第2実施態様の概略横断面図である。
【図9】図8の1つに関する変形であるソールの一部の概略横断面図である。
【図10】図8および9の1つに関する変形であるソールの一部の概略横断面図である。
【図11】図8、9および10の1つに関する変形であるソールの一部の概略横断面図である。
【図12】図8、9および11の1つに関する変形であるソールの概略横断面図である。
【図13】図8、9、11および12の1つに関する変形であるソールの概略横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の模範的な実施態様においては、特定の実施例に関して与えられた個々の特徴は、実際には、他の模範的な実施態様に在る他の異なる特徴の代わりに用いてもよい。
さらに付記すれば、特許手続き中に知られたと分かったことは、請求項に記されるべきでないし、放棄の対象になると理解される。
【0011】
図1および2に関して、本発明によるソールの第1実施態様は全体を符号10で示されるのに対し、ソール10を用いる靴は、全体を引用文字Cで示される。
ソール10は下エレメント(lower element)11を備え、この下エレメントはプラスチック材料で作られる。そして、下エレメントの上に、複数の貫通孔13を有するトレッド12が形成され、該貫通孔はソールの前部部位に形成されるのが好ましい。
【0012】
貫通孔13は、背景技術の小さいソールに備えられた小さな通気口よりかなり大きく、従って、通常、2mmよりかなり大きい(例えば、5〜20mm)。
下エレメント11の上には、実際は貫通孔13に被さるように、防水性で、かつ透湿性の、それ自体知られたタイプの(例えば、登録商標Gore-Texで知られた薄膜のような)薄膜(membrane)14がある。
知られた構成により、合成樹脂材料で作られたメッシュ15が薄膜14の上から積層される。
【0013】
薄膜14は、ソール10の少なくとも1つの構成要素に、知られた方法で周辺を密閉して接合され、ソールを介した液体の上昇を避ける。
符号16で全体を示された、この封止部は、下エレメント11に薄膜14の下周辺部分を、例えば接着によって提供される(実際は、薄膜の“下”からの封止を形成するために)。
【0014】
ソールはまた、透湿可能か、多孔性で、かつ薄膜14の下に配置され、実際は貫通孔13の部分を重ね合わす、薄膜14を保護する手段17を備えている。
都合のよいことには、薄膜14を保護する手段17は、個々に透湿可能か、多孔性の保護エレメント18を備え、それぞれが、対応する貫通孔13を閉じるように配置されている。
特に、下エレメント11が、各貫通孔13に対して、各保護エレメント18に対する下方への抜け出しを防止するアンダーカット部位(undercut region)19を形成する。
【0015】
図2の略図ではっきりと分かるこの第1実施態様において、保護エレメント18は、平らであり、ネットエレメント20によって構成され、該ネットエレメントは、例えば金属またはプラスチック材料で作られ、貫通孔13より大きな部分を有する。
ネットエレメント20は、この実施態様では、インサートするごとく型に配置された前記ネットエレメント20の周縁部に前記下エレメント11をオーバーモールドすることにより、下エレメント11と強固に連結される。
【0016】
ネットエレメント20の周縁部に重ね合わされた下エレメント11の部分は、実際は、前記ネットエレメント20に対し下方への抜け出しを防止するアンダーカット部位19を構成する(話したように、薄膜14のために保護エレメント18を構成する)。
図3は閉じた型の一部の略図であり、ネットエレメント20に関するソールの一部を内部に示す(メッシュを備えた薄膜は、後で前記ソールと結合される)。
ネットエレメント20の正確な配置のためには、型21の小さなピン22の使用が可能であり、該ピンには各ネットエレメント20が係合される。
【0017】
全体が符号100で表示され、図4に示された、この第1実施態様の変形は、符号118によってここに表示された保護エレメントを備え、該保護エレメントは、図5の概略平面図ではっきりと示されているように、プラスチック材料で作られ、ネットエレメント120によって中央で閉じられたリング123によって構成される。
【0018】
前記保護エレメント118の製造方法は、ネットエレメント120の周辺部位にプラスチックリング123を必然的にオーバーモールド(overmolding)してもよく(図6の型121の概略図に示されたように)、結果として図4に示されたように、下エレメント111の上面に備えられた環状凹部124に前記保護エレメント118を;前記環状凹部124は、前記アンダーカット部位119を、保護エレメント118に対する下方への抜け出しを防止するために構成する。
【0019】
さらに、前記保護エレメント118を、図7の型121aの略図に示されるように、ソールの残りがオーバーモールドされる、型のインサートとして用いることができる。
ネットエレメントの代わりに、例えば、マイクロ延伸金属シート、溶融され一部圧縮された合成繊維、圧縮された天然繊維(例えば、麻、またはココナッツ繊維)、皮革および他の材料のごとく、条件に合った材料で作られた等価の他の透湿性または微細な多孔性エレメント(fine perforated elements)を使用できることは、明らかである。
図8に符号200で示された、本発明による靴の第2実施態様は、ここでは符号218で示された保護エレメントとして、外形が円筒対称性(cylindrical symmetry)を有するか、実質的に平行六面体(parallelepiped)のような形の、透湿性プラグ220aを使用する。
【0020】
前記透湿性プラグ220aは、連続気泡タイプ、または焼結マイクロ球体を有するタイプの多孔質のプラグが好ましく、例えば、焼結顆粒状粉末(例えば、ステンレス鋼、銅および他の金属、または合金)、発砲アルミニウム(aluminum forms)、多孔質の透湿性プラスチック材料、セラミック材料など、そして、それらの透湿性を落とすかもしれない水と接触しても、酸化現象を有しない一般の材料によって供される。
【0021】
幅広階段状部分226aは、前記プラグ220aの上端部で横方向に突出し、各貫通孔213の上端部で下エレメント211の上面に備えられた環状凹部224内に配置されるよう構成される;前記環状凹部224は、保護エレメント218に対する下方への抜け出しを防止するアンダーカット部位219aを構成する。
【0022】
幅広部分226aの階段状の変形に代わって、例えば、透湿性プラグ220bを用いることが可能であり、該プラグでは、幅広部分226bが下向きに先細である(図9参照)。
前記透湿性プラグ220aおよび220bを、接着によってと、オーバーモールドによってとの両方で、下エレメント211と結合してもよい。
【0023】
図10はプラグ220cを示し、このプラグはその軸方向の延びの中間横位置に凹部227を有し、該凹部の内側には下エレメント211の一部が入り、下方へ抜け出すのを防止するアンダーカット部位219cを備える。
図11はプラグ220dを示し、このプラグはその軸方向の延びの中間横位置に突起部228を有し、該突起部が、前記下エレメント211の基材に入るよう構成される;前記突起部228の下方にある下エレメント211の一部が、下方へ抜け出すのを防止するアンダーカット部位219dを構成する。
【0024】
前記透湿プラグ220cおよび220dは、下エレメント211に、好ましくはオーバーモールドによって、結合される。
図12は符号220eによって示された透湿プラグのもう1つの変形を示す。
前記透湿性プラグ220eは、多孔質タイプであり、完全な円筒状または完全な平行六面体形を有し、実際には実質的に垂直な側壁を持つ。
【0025】
この場合では、透湿性プラグ220eの下エレメント211との結合がオーバーモールドによって起こり、それによって、下エレメント211のプラスチック材料が前記プラグの表面の多孔性により前記プラグ220eの一部を横に浸透する。
透湿性プラグ220eに浸透する下エレメント211の部分は、前記プラグに対する下方への抜け出しを防止するアンダーカット部位219eを構成する(図には下エレメント211の破線の重なりによって示された)。
【0026】
図8はまた、透湿性プラグ220aに対して追加の薄膜214の保護層229aを図解する。
前記保護層229aは、例えば、素早く乾燥できる、透湿性で、撥水性の材料で作られ(例えば、織布、不織布またはパイル織物)、主として前記保護エレメント218(この場合、プラグ220a)の磨耗に対して薄膜214を保護する目的を持つ;前記保護層229aは、例えば、薄膜214に積層する。
【0027】
この実施態様では、前記保護層229aは、薄膜214より小さな領域(しかし、いかなる場合でも、貫通孔213によって塞がれた全領域より大きいか、等しい領域)を有し、前記薄膜214の“下方”からのシール216aを下エレメント211で提供するために前記薄膜の外周縁を自由にする。
図12は、ここでは符号219eによって示されている、薄膜214の保護層が、薄膜と同じ領域を有する場合を示す。
【0028】
この場合、薄膜214の密封は、“上方”から行われ、例えば、薄膜を横方向から囲い、それと対応するメッシュ215の上周縁部に重ね合わせる中間のソール230をオーバーモールドすることによって行われる;透湿性または多孔性の充填材231があるメッシュ215上で。
【0029】
図13は、準備されたパック332によって構成されたソール300を示し、該パックは、その底部から上方へ、エレメントの一部311と、保護層329と、薄膜314と、メッシュ315とを備えている;トレッド312がエレメント311の前記一部に一体とされ、透湿性プラグ320が結合される貫通孔313を備える。
下エレメント311は、ソールの支持構造を構成し、前記準備されたパック332の周辺に備えられる。
【0030】
前記準備されたパック332は、別々に備えられ、次いで下エレメント311がオーバーモールドされる型にインサートとして挿入される;この構成では、下エレメント311が薄膜を“上方”から密封する。
実際には、本発明透湿性で防水性のソールの知られたタイプで注目された問題を解決することが見出された;特に、本発明は、薄膜の保護の特徴に妥協することなく、ソールの屈曲性と衝撃吸収性の特徴に妥協することもなく、最高の透湿性を可能にする防水性で透湿性タイプの靴用ソールを提供する。
【0031】
これは、トレッドに、ソールの知られたタイプで備えられた小さな孔より大きな貫通孔を備えることによって、そして薄膜を保護するため透湿性エレメントを各孔と結合することによって達成された。
そのような寸法の貫通孔は、ホコリの堆積を許さず、従って、効果的な靴通気領域を維持する。
【0032】
保護エレメントの各貫通孔との結合は、高い屈曲性を要求する用途では、大きな通気孔と結合された金属ネットのような透湿性で多孔性構造を備えた完全なソールの硬化防止を可能にする。
明らかなことであるが、薄膜の保護エレメントは、トレッドが一体化された下エレメントにしっかりと固定されることが原則である。
この観点から、ソールの下エレメントに形成された、各保護エレメントの下方への抜け出しを防止するアンダーカット部位を具備することは、この安定性を保証する。
【0033】
このように考えられた本発明は多数の修正や変更を許され、そのすべてが、添付の請求項の範囲内にある;すべての詳細は、さらに、他の技術的に等価のエレメントと置き換えられてもよい。
実際には、使用される材料は、特定の用途に適合するかぎり、大きさだけではなく、技術の要件や状態によりいずれでもよい。
【0034】
この出願が優先権を主張するイタリア特許出願第TV2006A000104号の開示は、引用によりここに組み入れられる。
いかなる請求項に記載された技術的特徴でも、その後に参照記号がある場合、それらの参照記号は、請求項の理解度を増すことを唯一の目的で含まれたものであり、従って、そのような参照記号は、一例としてそのような参照記号によって同一に扱われた各エレメントの意味を理解する上でのいかなる限定効果も持たない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の貫通孔(13)を備えたトレッド(12)が形成され、プラスチック材料で作られた下エレメント(11、111、211、311)と、
防水性で、かつ透湿性であり、前記下エレメント(11、111、211、311)上に配置されて前記貫通孔(13)に重ね合わせられ、かつソール(10,100,200、300)の少なくとも1つの構成要素に周辺を密閉して接合されて前記ソールを介し液体が上昇するのを避ける薄膜(14,214、314)と、
前記薄膜(14,214、314)の下に配置されて前記貫通孔(13)の領域に重ね合わせられ、前記薄膜(14,214、314)を保護する、透湿性または多孔性手段(17)とを備え、
前記薄膜(14,214、314)を保護する前記手段(17)は、それぞれが対応する前記貫通孔(13)を遮蔽するために配置された個々の透湿性または多孔性保護エレメント(18,118、218、318)を備え、前記下エレメント(11,111,211,311)が、前記貫通孔(13)のそれぞれに対し、前記保護エレメント(18,118,218,318)のそれぞれの下方への抜け出しを防止するアンダーカット部位(19,119、219a、219c、219d、219e)を形成したことを特徴とする防水性で、透湿性タイプの靴用ソール(10,100,200,300)。
【請求項2】
前記保護エレメント(18)が、平らで、かつ前記貫通孔(13)より大きな領域を有するネットエレメント(20)によって構成されたことを特徴とする請求項1による靴用ソール。
【請求項3】
前記ネットエレメント(20)が、型にインサートするように配置された前記ネットエレメント(20)の縁部に前記下エレメント(11)をオーバーモールドすることにより、前記下エレメントに強固に連結され、前記ネットエレメント(20)の周縁部に重ね合わせられた前記下エレメント(11)の一部が、前記ネットエレメント(20)の下方への抜け出しを防止する前記アンダーカット部位(19)を構成することを特徴とする請求項2による靴用ソール。
【請求項4】
前記保護エレメント(118)が、プラスチック材料で作られたリング(123)によって構成され、該リングはネットエレメント(120)によって中心で閉じられたことを特徴とする請求項2による靴用ソール。
【請求項5】
プラスチック材料で作られた前記リング(123)は、前記ネットエレメント(120)の縁部にオーバーモールドされたことを特徴とする請求項4による靴用ソール。
【請求項6】
前記保護エレメント(118)が、前記貫通孔(113)それぞれの上端部において前記下エレメント(111)の上面に備えられた環状凹部(124)に配置され接着され、前記環状凹部(124)は、前記保護エレメント(118)の下方への抜け出しを防止する前記アンダーカット部位(119)を構成することを特徴とする請求項4による靴用ソール。
【請求項7】
前記保護エレメント(118)が、オーバーモールドによって前記下エレメント(111)に強固に連結されたことを特徴とする請求項4による靴用ソール。
【請求項8】
前記ネットエレメント(20)が、金属か、プラスチックの材料で作られたことを特徴とする請求項2〜7のいずれか1つによる靴用ソール。
【請求項9】
前記保護エレメント(18,118)が、平らな透湿性またはマイクロ多孔性エレメントによって構成され、該エレメントは、マイクロ延伸金属シート、溶融され、一部圧縮された合成繊維、および圧縮された天然繊維によって構成されたことを特徴とする請求項2〜7のいずれか1つによる靴用ソール。
【請求項10】
前記保護エレメント(218)が、透湿性プラグ(220a、220b、220c、220d、220e,320)によって構成され、該プラグの形状は、円筒対称性を有するか、または主として平行6面体のそれであることを特徴とする請求項1による靴用ソール。
【請求項11】
前記保護エレメント(218)が、連続気泡タイプまたは焼結微小体タイプの多孔質の透湿性プラグ(220a、220b、220c、220d、220e,320)によって構成されたことを特徴とする請求項1による靴用ソール。
【請求項12】
前記透湿性プラグ(220a、220b、220c、220d、220e,320)が、次の材料:
焼結顆粒状粉末、発泡アルミニウム、多孔質の透湿性プラスチック材料、
セラミック材料、圧縮された合成または天然繊維、皮革およびサルパ
の1つまたは2以上により供されたことを特徴とする請求項11による靴用ソール。
【請求項13】
前記透湿性プラグ(220a、220b、220c、220d、220e,320)が、ステンレス鋼または銅を基準にした金属粉末により供されたことを特徴とする請求項10〜12のいずれか1つによる靴用ソール。
【請求項14】
前記透湿性プラグ(220a、220b、220c、220d、220e,320)が、水に接触しても酸化または加水分解現象を示さない材料で作られたことを特徴とする請求項10〜13のいずれか1つによる靴用ソール。
【請求項15】
幅広部分(226a)が、前記透湿性プラグ(220a、220b、320)それぞれの上端部で横方向に突出し、かつ前記貫通孔(213)それぞれの上端部で、前記下エレメント(211)の上面に備えられた環状凹部(224)内に配置されるよう構成されたことを特徴とする請求項10〜14のいずれか1つによる靴用ソール。
【請求項16】
前記幅広部分(226a)が、プラグ(220a)の主体部に対して階段状変化を有することを特徴とする請求項15による靴用ソール。
【請求項17】
前記幅広部分(226b)が、下方に向かって先細になることを特徴とする請求項15による靴用ソール。
【請求項18】
前記プラグ(220c)のそれぞれが、その軸方向の延びの中間横位置に凹部(227)を有し、該凹部の内側に、前記下エレメント(211)の一部が入り、下方へ抜け出すのを防止するアンダーカット部位(219c)を備えたことを特徴とする請求項10〜14のいずれか1つによる靴用ソール。
【請求項19】
前記プラグ(220d)のそれぞれが、その軸方向の延びの中間横位置に突起部(228)を有し、該突起部が、前記下エレメント(211)の基材に入るよう構成されたことを特徴とする請求項10〜14のいずれか1つによる靴用ソール。
【請求項20】
前記透湿性で多孔性プラグ(220e)それぞれが、前記下エレメント(211)に強固に連結され、該下エレメントのプラスチック材料を前記プラグ(220e)の多孔質横面に浸透させ、かつ透湿プラグ(220e)を浸透させる下エレメント(211)の一部は、前記プラグ(220e)が下方へ抜け出すのを防止するアンダーカット部位(219e)を構成することを特徴とする請求項10〜14のいずれか1つによる靴用ソール。
【請求項21】
各プラグが、円筒状、または実質的に垂直な側壁を持つ平行6面体状の外形を有することを特徴とする請求項20による靴用ソール。
【請求項22】
前記薄膜(214)の保護層(229a)を備え、該保護層が、透湿性または多孔性で、前記薄膜(214)と保護エレメント(218)との間に配置されたことを特徴とする請求項1〜21のいずれか1つによる靴用ソール。
【請求項23】
前記薄膜(214)に直接接触する保護層(229a)を備えたことを特徴とする請求項22による靴用ソール。
【請求項24】
前記保護層(229a)が、透湿性で、かつ防水性の材料で作られたことを特徴とする請求項22または23による靴用ソール。
【請求項25】
前記保護層(229a)が、前記薄膜(214)に積層されたことを特徴とする請求項22,23または24による靴用ソール。
【請求項26】
保護層(229a)が前記薄膜(214)より小さな面積を有し、前記薄膜(214)の周縁が前記保護層(229a)の縁部に重なり、前記薄膜が前記下エレメント(211)に“下方”から密閉されたことを特徴とする請求項22、23、24または25による靴用ソール。
【請求項27】
前記保護層(229a)が前記薄膜(214)と同じ面積でかつ外形を有し、前記ソールが前記薄膜を横方向から囲い、液体の上昇を避けるために薄膜を横方向から上方部位で密閉するよう構成された中間ソール(230)を有したことを特徴とする請求項22、23、24または25による靴用ソール。
【請求項28】
前記トレッド(312)を一体に持つ前記下エレメント(311)の部分を底部から上方に具備した準備されたパック(332)を備え、前記トレッドが前記貫通孔(313)を有し、前記下エレメント(311)が前記準備されたパック(332)に備えられ、ソールの支持構造を構成したことを特徴とする請求項1〜27のいずれか1つによる靴用ソール。
【請求項29】
前記貫通孔(13)が、5〜20mmの幅を有することを特徴とする請求項1〜28のいずれか1つによる靴用ソール。
【請求項30】
メッシュ(15)が、前記薄膜(14)に積層されたことを特徴とする請求項1〜29のいずれか1つによる靴用ソール。
【請求項31】
請求項1〜30のいずれか1つによるソール(10、100、200)を備えたことを特徴とする靴(C)。
【請求項1】
複数の貫通孔(13)を備えたトレッド(12)が形成され、プラスチック材料で作られた下エレメント(11、111、211、311)と、
防水性で、かつ透湿性であり、前記下エレメント(11、111、211、311)上に配置されて前記貫通孔(13)に重ね合わせられ、かつソール(10,100,200、300)の少なくとも1つの構成要素に周辺を密閉して接合されて前記ソールを介し液体が上昇するのを避ける薄膜(14,214、314)と、
前記薄膜(14,214、314)の下に配置されて前記貫通孔(13)の領域に重ね合わせられ、前記薄膜(14,214、314)を保護する、透湿性または多孔性手段(17)とを備え、
前記薄膜(14,214、314)を保護する前記手段(17)は、それぞれが対応する前記貫通孔(13)を遮蔽するために配置された個々の透湿性または多孔性保護エレメント(18,118、218、318)を備え、前記下エレメント(11,111,211,311)が、前記貫通孔(13)のそれぞれに対し、前記保護エレメント(18,118,218,318)のそれぞれの下方への抜け出しを防止するアンダーカット部位(19,119、219a、219c、219d、219e)を形成したことを特徴とする防水性で、透湿性タイプの靴用ソール(10,100,200,300)。
【請求項2】
前記保護エレメント(18)が、平らで、かつ前記貫通孔(13)より大きな領域を有するネットエレメント(20)によって構成されたことを特徴とする請求項1による靴用ソール。
【請求項3】
前記ネットエレメント(20)が、型にインサートするように配置された前記ネットエレメント(20)の縁部に前記下エレメント(11)をオーバーモールドすることにより、前記下エレメントに強固に連結され、前記ネットエレメント(20)の周縁部に重ね合わせられた前記下エレメント(11)の一部が、前記ネットエレメント(20)の下方への抜け出しを防止する前記アンダーカット部位(19)を構成することを特徴とする請求項2による靴用ソール。
【請求項4】
前記保護エレメント(118)が、プラスチック材料で作られたリング(123)によって構成され、該リングはネットエレメント(120)によって中心で閉じられたことを特徴とする請求項2による靴用ソール。
【請求項5】
プラスチック材料で作られた前記リング(123)は、前記ネットエレメント(120)の縁部にオーバーモールドされたことを特徴とする請求項4による靴用ソール。
【請求項6】
前記保護エレメント(118)が、前記貫通孔(113)それぞれの上端部において前記下エレメント(111)の上面に備えられた環状凹部(124)に配置され接着され、前記環状凹部(124)は、前記保護エレメント(118)の下方への抜け出しを防止する前記アンダーカット部位(119)を構成することを特徴とする請求項4による靴用ソール。
【請求項7】
前記保護エレメント(118)が、オーバーモールドによって前記下エレメント(111)に強固に連結されたことを特徴とする請求項4による靴用ソール。
【請求項8】
前記ネットエレメント(20)が、金属か、プラスチックの材料で作られたことを特徴とする請求項2〜7のいずれか1つによる靴用ソール。
【請求項9】
前記保護エレメント(18,118)が、平らな透湿性またはマイクロ多孔性エレメントによって構成され、該エレメントは、マイクロ延伸金属シート、溶融され、一部圧縮された合成繊維、および圧縮された天然繊維によって構成されたことを特徴とする請求項2〜7のいずれか1つによる靴用ソール。
【請求項10】
前記保護エレメント(218)が、透湿性プラグ(220a、220b、220c、220d、220e,320)によって構成され、該プラグの形状は、円筒対称性を有するか、または主として平行6面体のそれであることを特徴とする請求項1による靴用ソール。
【請求項11】
前記保護エレメント(218)が、連続気泡タイプまたは焼結微小体タイプの多孔質の透湿性プラグ(220a、220b、220c、220d、220e,320)によって構成されたことを特徴とする請求項1による靴用ソール。
【請求項12】
前記透湿性プラグ(220a、220b、220c、220d、220e,320)が、次の材料:
焼結顆粒状粉末、発泡アルミニウム、多孔質の透湿性プラスチック材料、
セラミック材料、圧縮された合成または天然繊維、皮革およびサルパ
の1つまたは2以上により供されたことを特徴とする請求項11による靴用ソール。
【請求項13】
前記透湿性プラグ(220a、220b、220c、220d、220e,320)が、ステンレス鋼または銅を基準にした金属粉末により供されたことを特徴とする請求項10〜12のいずれか1つによる靴用ソール。
【請求項14】
前記透湿性プラグ(220a、220b、220c、220d、220e,320)が、水に接触しても酸化または加水分解現象を示さない材料で作られたことを特徴とする請求項10〜13のいずれか1つによる靴用ソール。
【請求項15】
幅広部分(226a)が、前記透湿性プラグ(220a、220b、320)それぞれの上端部で横方向に突出し、かつ前記貫通孔(213)それぞれの上端部で、前記下エレメント(211)の上面に備えられた環状凹部(224)内に配置されるよう構成されたことを特徴とする請求項10〜14のいずれか1つによる靴用ソール。
【請求項16】
前記幅広部分(226a)が、プラグ(220a)の主体部に対して階段状変化を有することを特徴とする請求項15による靴用ソール。
【請求項17】
前記幅広部分(226b)が、下方に向かって先細になることを特徴とする請求項15による靴用ソール。
【請求項18】
前記プラグ(220c)のそれぞれが、その軸方向の延びの中間横位置に凹部(227)を有し、該凹部の内側に、前記下エレメント(211)の一部が入り、下方へ抜け出すのを防止するアンダーカット部位(219c)を備えたことを特徴とする請求項10〜14のいずれか1つによる靴用ソール。
【請求項19】
前記プラグ(220d)のそれぞれが、その軸方向の延びの中間横位置に突起部(228)を有し、該突起部が、前記下エレメント(211)の基材に入るよう構成されたことを特徴とする請求項10〜14のいずれか1つによる靴用ソール。
【請求項20】
前記透湿性で多孔性プラグ(220e)それぞれが、前記下エレメント(211)に強固に連結され、該下エレメントのプラスチック材料を前記プラグ(220e)の多孔質横面に浸透させ、かつ透湿プラグ(220e)を浸透させる下エレメント(211)の一部は、前記プラグ(220e)が下方へ抜け出すのを防止するアンダーカット部位(219e)を構成することを特徴とする請求項10〜14のいずれか1つによる靴用ソール。
【請求項21】
各プラグが、円筒状、または実質的に垂直な側壁を持つ平行6面体状の外形を有することを特徴とする請求項20による靴用ソール。
【請求項22】
前記薄膜(214)の保護層(229a)を備え、該保護層が、透湿性または多孔性で、前記薄膜(214)と保護エレメント(218)との間に配置されたことを特徴とする請求項1〜21のいずれか1つによる靴用ソール。
【請求項23】
前記薄膜(214)に直接接触する保護層(229a)を備えたことを特徴とする請求項22による靴用ソール。
【請求項24】
前記保護層(229a)が、透湿性で、かつ防水性の材料で作られたことを特徴とする請求項22または23による靴用ソール。
【請求項25】
前記保護層(229a)が、前記薄膜(214)に積層されたことを特徴とする請求項22,23または24による靴用ソール。
【請求項26】
保護層(229a)が前記薄膜(214)より小さな面積を有し、前記薄膜(214)の周縁が前記保護層(229a)の縁部に重なり、前記薄膜が前記下エレメント(211)に“下方”から密閉されたことを特徴とする請求項22、23、24または25による靴用ソール。
【請求項27】
前記保護層(229a)が前記薄膜(214)と同じ面積でかつ外形を有し、前記ソールが前記薄膜を横方向から囲い、液体の上昇を避けるために薄膜を横方向から上方部位で密閉するよう構成された中間ソール(230)を有したことを特徴とする請求項22、23、24または25による靴用ソール。
【請求項28】
前記トレッド(312)を一体に持つ前記下エレメント(311)の部分を底部から上方に具備した準備されたパック(332)を備え、前記トレッドが前記貫通孔(313)を有し、前記下エレメント(311)が前記準備されたパック(332)に備えられ、ソールの支持構造を構成したことを特徴とする請求項1〜27のいずれか1つによる靴用ソール。
【請求項29】
前記貫通孔(13)が、5〜20mmの幅を有することを特徴とする請求項1〜28のいずれか1つによる靴用ソール。
【請求項30】
メッシュ(15)が、前記薄膜(14)に積層されたことを特徴とする請求項1〜29のいずれか1つによる靴用ソール。
【請求項31】
請求項1〜30のいずれか1つによるソール(10、100、200)を備えたことを特徴とする靴(C)。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2009−539513(P2009−539513A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−514658(P2009−514658)
【出願日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際出願番号】PCT/EP2007/004830
【国際公開番号】WO2007/144073
【国際公開日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(502346105)ジェオックス エス.ピー.エー. (27)
【氏名又は名称原語表記】GEOX S.p.A.
【住所又は居所原語表記】Via Feltrina Centro 16,31044 MONTEBELLUNA(Treviso),Localita Biadene,ITALY
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際出願番号】PCT/EP2007/004830
【国際公開番号】WO2007/144073
【国際公開日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(502346105)ジェオックス エス.ピー.エー. (27)
【氏名又は名称原語表記】GEOX S.p.A.
【住所又は居所原語表記】Via Feltrina Centro 16,31044 MONTEBELLUNA(Treviso),Localita Biadene,ITALY
【Fターム(参考)】
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