説明

集合基板

【課題】集合基板を形成する際の打ち抜き金型の形状を複雑にすることなく、且つ、回路基板に実装される電子部品の高さの上昇を抑制し、電子部品の接続部におけるクラックの発生及び電子部品の故障を防止しつつ回路基板の分離が可能な集合基板を提供する。
【解決手段】回路基板1は、プリント基板11と、プリント基板11に実装されて電気回路を構成する電子部品12と、プリント基板11に実装されて電気回路を構成しないダミー部品13とを備え、電子部品12とダミー部品13とは、電子部品12とプリント基板11との接続部から分断線Xまでの最短距離M1が、ダミー部品13とプリント基板11との接続部から分断線Xまでの最短距離M2よりも長く、更に、電子部品12とプリント基板11との接続部から分断線Xまでの最長距離M3が、ダミー部品13とプリント基板11との接続部から分断線Xまでの最長距離M4よりも短くなるように各々実装される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集合基板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数の回路基板に対して部品実装及び半田付けを効率良く行うために、複数の回路基板を含む1つの集合基板に対して部品実装及び半田付けが一括して行われていた。
【0003】
上記集合基板Pは、図7に示すように、隙間Sを挟んで並設される複数の回路基板120と、上記並設方向と直交する方向における回路基板120の各端部にそれぞれ接続して各回路基板120を連結する一対の接続板130とを備える。そして、各回路基板120と接続板130との境界には、各回路基板120を接続板130から分割するための分断線Yが形成されており、上記部品実装及び半田付けが行われた後に、集合基板Pが分断線Yに沿って折り割りされることで、各回路基板120は個々に分割される。ここで、上記分断線Yは、図8に示すように、集合基板Pの一面及び他面に各々形成されて当該集合基板Pの厚み方向において互いに対向する一対のV字溝Y1,Y2からなる。
【0004】
そして、集合基板Pが分断線Yに沿って折り割りされる際、図9に示すように、回路基板120が厚み方向に撓むことで、回路基板120と当該回路基板に実装された電子部品121とを接続する半田(接続部)にクラックが生じる虞があった、また、回路基板120が厚み方向に撓むことで、電子部品121に曲げ応力が発生して電子部品121が変形し、電子部品121が故障する虞もあった。
【0005】
そこで、図10に示すように、回路基板10に実装された電子部品121の近傍において、分断線Yの一部を含む領域に切り欠き部120aを設けた集合基板Qが提供されている(例えば特許文献1参照)。当該集合基板Qは、折り割りされる際、電子部品121の近傍に発生する曲げ応力を切り欠き部120aによって分散しようとするものである。そして、切り欠き部120aにより、電子部品121の接続部における半田にクラックが発生することを防止し、更に、電子部品121にかかる曲げ応力を抑制して当該電子部品121の故障を防止しようとするものである。
【0006】
また、電子部品の故障を防止する集合基板として、図11に示すように、積層チップセラミックコンデンサ(電子部品)102と、セラミック基板103と、金属端子104と、回路基板105とを備えた集合基板Rが提供されている(例えば特許文献2参照)。詳しく説明すると、曲げ応力によって変形して故障し易い積層チップセラミックコンデンサ102が、セラミック基板103の一面に実装され、セラミック基板103の他面と回路基板105との間に、2つのコの字状の金属端子104が介装されている。つまり、積層チップセラミックコンデンサ102が実装されたセラミック基板103が、2つの金属端子104によって回路基板105上に支持されている。そして、2つの金属端子104は、集合基板Rが折り割りされる際、回路基板105の撓みに伴って変形することでセラミック基板103に発生する曲げ応力を低減し、セラミック基板103の撓みを抑制する。これにより、セラミック基板103から積層チップセラミックコンデンサ102に加わる曲げ応力を抑制して、積層チップセラミックコンデンサ102の故障を防止しようとするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−31777号公報
【特許文献2】特開平9−266125号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記切り欠き部120aを備える集合基板Qでは、切り欠き部120aを設けることによって集合基板Qを形成する際の打ち抜き金型の構造が複雑となり、当該金型を製作する際のコストが上昇するといった問題があった。
【0009】
また、2つの金属端子104を備える集合基板Rでは、金属端子104を設けたことによって回路基板105上の部品高さが高くなってしまうといった問題があった。
【0010】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、集合基板を形成する際の打ち抜き金型の形状を複雑にすることなく、且つ、回路基板に実装される電子部品の高さの上昇を抑制し、電子部品の接続部におけるクラックの発生及び電子部品の故障を防止しつつ回路基板の分離が可能な集合基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために本発明の集合基板は、複数の回路基板が分断線に沿って個々に切り離し可能に形成された集合基板であって、前記回路基板は、プリント基板と、このプリント基板に実装されて当該プリント基板と共に電気回路を構成する被保護部品と、前記プリント基板に実装されて前記電気回路を構成しない保護部品とを備え、前記被保護部品と前記保護部品とは、前記被保護部品と前記プリント基板との接続部から前記分断線までの最短距離が、前記保護部品と前記プリント基板との接続部から前記分断線までの最短距離よりも長く、更に、前記被保護部品と前記プリント基板との接続部から前記分断線までの最長距離が、前記保護部品と前記プリント基板との接続部から前記分断線までの最長距離よりも短くなるように各々実装されることを特徴とする。
【0012】
また、この集合基板において、前記回路基板は、プリント基板のいずれか一方の面に前記被保護部品が実装されて他方の面に前記保護部品が実装されることが好ましい。
【0013】
また、この集合基板において、前記保護部品は、前記プリント基板の厚み方向においてこのプリント基板を介して前記被保護部品と対向することが好ましい。
【0014】
また、この集合基板において、前記プリント基板は、前記電気回路を構成する配線パターンが形成され、前記被保護部品は、前記配線パターン上に形成される第一のランドに接続され、前記保護部品は、前記プリント基板において前記配線パターンから独立して形成される第二のランドに接続されることが好ましい。
【0015】
また、前記プリント基板は、前記電気回路を構成する配線パターンが形成され、前記保護部品は、複数の端子部を備え、この複数の端子部は前記配線パターンにおいて互いに同電位である箇所にそれぞれ接続することが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明では、集合基板を形成する際の打ち抜き金型の形状を複雑にすることなく、且つ、回路基板に実装される電子部品の高さの上昇を抑制し、電子部品の接続部におけるクラックの発生及び電子部品の故障を防止しつつ回路基板の分離が可能な集合基板を提供するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態1における集合基板の要部拡大図を示す。
【図2】同上における集合基板の側面図を示す。
【図3】同上における別形態の集合基板の概略図を示す。
【図4】本発明の実施形態2における集合基板の概略図を示す。
【図5】本発明の実施形態3における集合基板の概略図を示す。
【図6】同上における集合基板の別形態における概略図を示す。
【図7】従来例における集合基板の概略図を示す。
【図8】同上における集合基板の要部拡大図を示す。
【図9】同上における集合基板の側面図を示す。
【図10】同上における別形態の集合基板の概略図を示す。
【図11】同上における別形態の集合基板の側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
(実施形態1)
本実施形態の集合基板Aについて、図1,2を用いて説明を行う。なお、以下、図1における上下左右を基準とし、上下左右方向と直行する方向を前後方向として説明を行う。
【0020】
本実施形態の集合基板Aは、隙間(スリット)3を介して上下方向に複数並設される矩形板状の回路基板1と、各回路基板1の左右方向における端部に接続されて各回路基板1間を接続する接続板2とから構成される。そして、各回路基板1と接続板2との境界には
上下方向に沿う直線状の分断線Xが形成されている。
【0021】
回路基板1は、図1に示すように、配線パターン110が形成された略矩形板状のプリント基板11と、プリント基板11に実装される電子部品(被保護部品)12と、当該電子部品12の近傍に実装されるダミー部品(保護部品)13とから構成される。
【0022】
プリント基板11は、紙基材フェノール樹脂積層板から左右方向に長い矩形板状に形成されている。そして、プリント基板11の前面には、一対のランド14L,14Rが左右方向に並設されており、当該一対のランド14L.14Rは、互いに電位の異なる配線パターン110(110L,110R)にそれぞれ接続される。なお、一対のランド14L,14Rは、プリント基板1上においてランド14Lが左側、ランド14Rが右側に形成されており、ランド14L,14Rを区別しない場合は、ランド14と称する。そして、ランド14Lが接続する配線パターン110を配線パターン110Lとし、ランド14Rが接続する配線パターン110を配線パターン110Rとし、配線パターン110L.110Rを区別しない場合は、配線パターン110と称する。
【0023】
また、一対のランド14L.14Rの上方には、配線パターン110から独立(絶縁)して、ダミー部品13を実装するための一対のランド15L、15Rが左右方向に並設されている。なお、一対のランド15L,15Rは、ランド15Lが左側、ランド15Rが右側に形成されており、ランド15L,15Rを区別しない場合は、ランド15と称する。
【0024】
ここで、本実施形態では、分断線Xに平行でランド15Lの右端を通る直線L11と、分断線Xに平行でランド15Rの左端を通る直線L21との間に、一対のランド14L,14Rがそれぞれ形成される。
【0025】
電子部品12は、矩形状のチップ積層セラミックコンデンサであり、各短辺側には当該短辺に沿って端子部121L,121Rが各々形成されている。ここで、電子部品12の一例としては、長辺が1.6mm、短辺が0.8mmの所謂1608サイズのものが用いられる。
【0026】
そして、電子部品12は、各端子部121L,121Rが、プリント基板11における一対のランド14L,14Rにそれぞれ半田接続されることで、プリント基板11に実装されて配線パターン110と共に電気回路を構成する。つまり、電子部品12は、長手方向を左右方向に沿わせた状態でプリント基板11に実装されている。なお、図1では、回路基板1の一部の範囲(左端側)のみを表しており、上記電気回路の一部のみが示されているが、上記電気回路は図1で示されていない回路基板1の範囲にも形成されている。
【0027】
ダミー部品13は、電子部品12に比べて長手方向の寸法が大きい矩形状のアルミナ基材のチップジャンパーからなり、各短辺には当該短辺に沿って端子部131L,131Rが各々形成されている。ここで、ダミー部品13の一例としては、長辺が3.2mm、短辺が1.6mmの所謂3216サイズのチップジャンパーが用いられる。
【0028】
そして、ダミー部品13は、各端子部131L,131Rが、プリント基板11における一対のランド15L,15Rにそれぞれ半田接続されることで、プリント基板11に実装される。つまり、ダミー部品13は、電子部品12と同様に、長手方向を左右方向に沿わせた状態でプリント基板11に実装されている。
【0029】
これにより、電子部品12とダミー部品13とは、プリント基板11上に分割線Xに沿って(上下方向に)並設される。ここで、ダミー部品13は、配線パターン110から絶縁して独立した一対のランド15L,15Rに各端子部131L,131Rが接続することから、上記電気回路を構成しない。
【0030】
そして、電子部品12とプリント基板11とを接続する半田(接続部)16から分断線Xまでの最短距離M1は、ダミー部品13とプリント基板11とを接続する半田(接続部)17から分断線Xまでの最短距離M2よりも長い(M1>M2)。なお、上記最短距離M1,M2は、分断線Xに直交する方向(左右方向)における、分断線Xから半田16、17までの最短距離を表している。
【0031】
また、電子部品12とプリント基板11とを接続する半田16から分断線Xまでの最長距離M3は、ダミー部品13とプリント基板11とを接続する半田17から分断線Xまでの最長距離M4よりも短い。なお、上記最長距離M3,M4は、分断線Xに直交する方向(左右方向)における、分断線Xから半田16,17までの最長距離を示している。
【0032】
つまり、電子部品12は、上下方向に沿って直線状に形成された分断線Xに平行(上下方向に沿う)で、ダミー部品13を実装する際に用いられる半田17を通る直線L1、L2間に実装されている。
【0033】
上記構成からなる本実施形態の集合基板Aは、当該集合基板Aが分断線Xに沿って折り割りされることで、各回路基板1が接続板2から個々に切り離されて分離する。その際、図2に示すように、回路基板1は厚み方向に応力が加えられて撓む。しかしながら、アルミナ基材からなるダミー部品13が、紙基材フェノール樹脂積層板からなるプリント基板11よりも硬いため、プリント基板11は、ダミー部品13が実装された箇所の近傍で撓みが小さくなる。特に、上記直線L1,L2間においてプリント基板11の撓みが抑制され、直線L1,L2間に実装された電子部品12に対して曲げ応力が加わることを抑制でき、電子部品12の変形を抑制して当該電子部品12の故障を防止することができる。
【0034】
また、電子部品12に対する曲げ応力が抑制されることから、電子部品12の端子部121L,121Rとランド14L,14Rとを接続する半田16にクラックが生じることを防止することができる。
【0035】
また、本実施形態の集合基板Aは、回路基板1に対して図10で示したような切り欠き10aを形成する必要がないため、集合基板Aを形成する際の金型が複雑となることを防止でき、当該金型を製作する際のコストを低減することができる。
【0036】
更に、本実施形態の集合基板Aでは、プリント基板11と電子部品12との間に、図11で示したような金属端子104を介装する必要がないため、プリント基板11上に実装される部品の部品高さを抑制することができる。
【0037】
また、ダミー部品13は、上記の通り、プリント基板11と電子部品12とから構成される電気回路から絶縁して独立したランド15L,15Rに接続する。従って、集合基板Aを折り割りする際、万が一、ダミー部品13が変形により故障、若しくは、ダミー部品13とランド15とを接続する半田17にクラックが発生したとしても、上記電気回路に影響を及ぼすことがない。
【0038】
また、上記実施形態では、ダミー部品13の各短辺(左右両端)に端子131L,131Rがそれぞれ形成されて当該端子131L,131Rがプリント基板11に半田17によって接続されていた。しかしながら、図3に示すように、端子131L,131Rを形成する代わりに、ダミー部品13の各長辺(上下両端)に端子13aをそれぞれ形成してもよい。その場合、電子部品12の端子部121とプリント基板12とを接続する半田16から分断線Xまでの最短距離M1を、ダミー部品13の端子部13aとプリント基板11とを接続する半田17から分断線Xまでの最短距離M5よりも大きくすればよい(M1>M5)。
【0039】
また、電子部品12の端子部121とプリント基板12とを接続する半田16から分断線Xまでの最長距離M3は、ダミー部品13の端子部13aとプリント基板11とを接続する半田17から分断線Xまでの最長距離M6よりも小さくすればよい(M3<M6)。
【0040】
なお、本実施形態では、電子部品12のサイズを所謂1608サイズとし、ダミー部品13のサイズを所謂3216サイズとしているが、上記サイズはこれに限定されるものではない。
【0041】
(実施形態2)
本実施形態の集合基板Bについて、図4を用いて説明を行う。
【0042】
本実施形態の集合基板Bは、電子部品12の一方の端子部(本実施形態では左側の端子)121Lが接続する配線パターン110L上にダミー部品13が実装されている点が実施形態1の集合基板Aと異なっている。なお、その他の構成については、実施形態1と共通であるため、共通の符号を付して説明を省略する。
【0043】
本実施形態の集合基板Bでは、電子部品12の左側の端子121Lが半田接続する配線パターン110Lが、当該接続箇所から更にダミー部品13側(上側)へ向けて延設されている。そして、配線パターン110Lは、延設された後に左右方向に拡幅されることで拡幅部110aが形成され、当該拡幅部110a上にダミー部品13が実装されている。
【0044】
そして、ダミー部品13は、一対の端子131L,131Rが拡幅部110aにそれぞれ半田接17により接続されている。つまり、ダミー部品13は、一対の端子131L,131Rが、配線パターン110において互いに同電位となる箇所に接続されて短絡している。
【0045】
従って、集合基板Bが折り割りされる際に、各端子部131L,131Rとプリント基板11とを接続する半田17にクラックが生じる、若しくは、ダミー部品13が変形により故障したとしても、電子部品12と配線パターン110とから構成される電気回路の動作に影響を及ぼすことがない。
【0046】
また、ダミー部品13が、配線パターン110L上に実装(半田接続)されることから、ダミー部品13を実装するためのランドを回路基板1上に別途設ける必要がないため、回路基板1のサイズを小さくすることができる。例えば、ダミー部品13を実装するためのランドをプリント基板11上に別途設けた場合、電子部品12が接続する配線パターン110と、ダミー部品13が接続されるランドとを絶縁する必要がある。そのため、配線パターン110と上記ランドとの間に所定の沿面距離設ける必要があり、プリント基板11のサイズが大きくなってしまう。
【0047】
一方、本実施形態では、配線パターン110の一部にダミー部品13を実装していることから、上記沿面距離を設ける必要がなく、電子部品12とダミー部品13との間の距離を小さくすることができ、回路基板1のサイズを抑えることができる。
【0048】
(実施形態3)
本実施形態の集合基板Cについて図5を用いて説明を行う。
【0049】
本実施形態の集合基板Cは、図5(a)、(b)に示すように、ダミー部品13が電子部品12の実装された面(前面)とは、反対側の面(後面)に実装される点が実施形態1の集合基板1と異なっている。なお、その他の構成については、実施形態1と共通であるため共通の符号を付して説明を省略する。
【0050】
本実施形態の集合基板Cでは、ダミー部品13が、実施形態1の集合基板Aにおいて実装されていた位置(プリント基板11の前面)からプリント基板11を挟んで間逆の箇位置(プリント基板11の後面)に実装されている。つまり、プリント基板11の後面に、ランド15L、15Rが左右方向に並設されて、当該一対のランド15L,15Rに、ダミー部品13の各端子131L、131Rがそれぞれ半田17によって接続されている。
【0051】
また、プリント基板11の前面には、分断線Xに平行でランド15Lの右端を通る直線L11と、分断線Xに平行でランド15Rの左端を通る直線L21との間に、一対のランド14L,14Rがそれぞれ形成される。そして、当該一対のランド14L,14Rに、電子部品12の各端子121L,121Rがそれぞれ半田16によって接続されている。
【0052】
ここで、実施形態1と同様に、電子部品12とプリント基板11とを接続する半田16から分断線Xまでの最短距離M1は、ダミー部品13とプリント基板11とを接続する半田17から分断線Xまでの最短距離M2よりも大きくなる(M1>M2)。
【0053】
また、電子部品12とプリント基板11とを接続する半田16から分断線Xまでの最長距離M3は、ダミー部品13とプリント基板11とを接続する半田17から分断線Xまでの最長距離M4よりも小さい。
【0054】
つまり、電子部品12は、分断線Xに平行(上下方向に沿う)でダミー部品13を実装するための半田17を通る直線L1、L2間に実装されている。
【0055】
従って、プリント基板11は、ダミー部品13が実装された箇所の近傍で撓みが小さくなる。特に、上記直線L1,L2間においてプリント基板11の撓みが抑制され、当該直線L1,L2間に実装された電子部品12に対して曲げ応力が加わることを抑制でき、電子部品12の変形を抑制して当該電子部品12の故障を防止することができる。
【0056】
また、電子部品12に対する曲げ応力が抑制されることから、電子部品12の端子部121L,121Rとランド14L,14Rとを接続する半田16にクラックが生じることを防止することができる。
【0057】
また、電子部品12が接続するランド14はプリント基板11の前面に形成され、ダミー部品13が接続するランド15はプリント基板11の後面に形成されるため、上下方向においてランド14とランド15との間に絶縁の為の沿面距離を設ける必要がない。従って、電子部品12とダミー部品13との間の距離を小さくすることができ、回路基板1の上下方向におけるサイズを抑えることができる。
【0058】
更に、例えば、図6に示すように、電子部品12とダミー部品13とをプリント基板11を介して対向して実装することもでき、上記の様に実装を行うことで回路基板11の上下方向におけるサイズをより小さくすることができる。
【0059】
また、例えば、図5(c)に示すように、回路基板1が筐体4内に収納される場合、回路基板1の前面が筐体4の内壁に近接し、当該内壁から回路基板1側へ突出する補強リブ4aが形成されていたとしても、補強リブ4aがダミー部品13に干渉することがない。
【符号の説明】
【0060】
1 回路基板
2 接続板
3 隙間
11 プリント基板
11a 配線パターン
12 電子部品(被保護部品)
13 ダミー部品(保護部品)
14(14L、14R) ランド(第一のランド)
15(15L、15R) ランド(第二のランド)
16 半田(接続部)
17 半田(接続部)
131L.131R 端子部
L1 直線(第一の直線)
L2 直線(第二の直線)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の回路基板が分断線に沿って個々に切り離し可能に形成された集合基板であって、
前記回路基板は、プリント基板と、このプリント基板に実装されて当該プリント基板と共に電気回路を構成する被保護部品と、前記プリント基板に実装されて前記電気回路を構成しない保護部品とを備え、
前記被保護部品と前記保護部品とは、前記被保護部品と前記プリント基板との接続部から前記分断線までの最短距離が、前記保護部品と前記プリント基板との接続部から前記分断線までの最短距離よりも長く、更に、前記被保護部品と前記プリント基板との接続部から前記分断線までの最長距離が、前記保護部品と前記プリント基板との接続部から前記分断線までの最長距離よりも短くなるように各々実装されることを特徴とする集合基板。
【請求項2】
前記回路基板は、プリント基板のいずれか一方の面に前記被保護部品が実装されて他方の面に前記保護部品が実装されることを特徴とする請求項1記載の集合基板。
【請求項3】
前記保護部品は、前記プリント基板の厚み方向においてこのプリント基板を介して前記被保護部品と対向することを特徴とする請求項2記載の集合基板。
【請求項4】
前記プリント基板は、前記電気回路を構成する配線パターンが形成され、
前記被保護部品は、前記配線パターン上に形成される第一のランドに接続され、
前記保護部品は、前記プリント基板において前記配線パターンから独立して形成される第二のランドに接続されることを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載の集合基板。
【請求項5】
前記プリント基板は、前記電気回路を構成する配線パターンが形成され、
前記保護部品は、複数の端子部を備え、この複数の端子部は前記配線パターンにおいて互いに同電位である箇所にそれぞれ接続することを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載の集合基板。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−243878(P2011−243878A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−116674(P2010−116674)
【出願日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】