説明

電力変換装置の冷却装置

【課題】簡易な構成で、変圧器を効率よく冷却することができる電力変換装置の冷却装置を提供する。
【解決手段】変圧器2を収納し且つ上面に排気用天井ファン9a,9bを配置した変圧器盤3と、該変圧器盤3と連通して配置された電力変換器を収納した変換器盤5と、少なくとも前記変換器盤の側面に形成された冷却風吸気部15a〜15dと、前記冷却風吸気部で吸気された冷却風が前記電力変換器を介して供給され、当該冷却風を前記変圧器2の側面に供給する前記変換器盤5に配設された風洞12と、該風洞12の前記変換器盤側出口16を狭める仕切板17とを備え、前記冷却風吸気部から前記風洞を介し、前記仕切板17で狭められた変換器盤側出口16を介し、前記変圧器2の巻線部を通じて前記排気用天井ファン9a,9bに至る冷却風通路を形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変圧器を収納する変圧器盤と電力変換器を収納する変換器盤とを連通させて配置した電力変換装置の冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体電力変換装置において、主回路を構成する半導体電力変換ユニット、主回路変圧器等の発熱機器を冷却する部分、及び比較的熱に弱い制御プリント板の電機機器で構成した制御ユニットを冷却する部分を、それぞれ個別の盤(筐体)に分離して収納するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に記載の従来例では、監視盤、制御保護盤、電力変換器盤、連系変圧器盤、補機盤を連通させ、制御保護盤に設けた吸気用ファンで冷風を吸気するとともに、補機盤に設けた排出用ファンで排出することにより、冷風を制御保護盤、電力変換器盤及び連系変圧器盤を通じて補機盤から外部に排出する。
【0003】
特に、発熱量の多い変圧器を収納する変圧器盤(筐体)は、少なくとも正面に吸気口を設けて天井ファンで排気する強制換気方式を採用している(例えば、特許文献2参照)。この特許文献2に記載の従来例では、変圧器を収納した盤の天井に排気ファンを前後方向の中央部で変圧器に上方から対向するように配置し、盤の正面下部に吸気口を設ける。そして、盤内底部の背面側に送風ファンと組み合わせた導風ダクトを配備し、この導風ダクトに変圧器の背面に向けて開口部を形成し、吸気口を通じて盤内に取り込んだ外気の一部を導風ダクトの送風口から変圧器の背面に向けて分流送風するようにしている。
【0004】
また、筐体内を上部空間及び下部空間に仕切るとともに、冷却ファンにより発生する冷却風が上部空間及び下部空間相互で流通するのを阻止する筐体内部空間仕切部材となる変圧器側絶縁板と、筐体側絶縁支持部材と、吸気整流板とを設け、さらに冷却ファンの回転により筐体内に発生する冷却風を変圧器のコイルの外周部を包囲する筒状絶縁物内へ導き、変圧器のコイルを冷却するようにした変圧器盤も知られている(例えば、特許文献3参照)。
【0005】
このような電力変換装置の冷却装置の具体的構成としては、図6〜図9に示すように、構成されている。
すなわち、電力変換装置は、図6及び図7に示すように、変圧器100を収納する変圧器盤101と、複数の半導体電力変換器102を収納する変換器盤103とを互いに連通させて配置した構成を有する。
変圧器盤101には、変圧器100がその奥行き方向の中央部が変換器盤103の奥行き方向の中央部より背面側となるように配置され、この変圧器100の背面側の上部側に左右に2台の排気用天井ファン104a及び104bが配置されている。また、変圧器盤101の前面にはその下部側に2つの冷風吸気口105a及び105bが配置されている。
【0006】
このため、変圧器盤101では、排気用天井ファン104a及び104bを回転駆動することにより、冷風吸気口105a及び105bから吸気された冷風が変圧器100のコイル部の正面側を冷却してから排気用天井ファン104a及び104bから排出される。
一方、変換器盤103は、図6に示すように、前面に4つの吸気口106a〜106dが配置されている。また、変換器盤103は、図7に示すように、これら吸気口106a〜106dに対向するように左右2列で上下6段の計12台の半導体電力変換器102が配設されている。さらに、変換器盤103は、図9に示すように、各半導体電力変換器102の背面側に変圧器盤101に連通する風洞108が形成されている。
【0007】
このため、変換器盤103では、吸気口106a〜106dから吸気された冷却風が各半導体電力変換器102を通って風洞108に達し、風洞108を通って変換器盤101の変圧器100の背面側を冷却して排気用天井ファン104a及び104bから排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−35635号公報
【特許文献2】特開2009−303354号公報
【特許文献3】特開2009−76825号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ここで、上記特許文献1に記載された従来例にあっては、監視盤、制御保護盤、電力変換器盤、連系変圧器盤、補機盤を連通させ、制御保護盤に設けた吸気用ファンによって監視盤に設けた吸気用開口部から吸気した冷風を制御保護盤、電力変換器盤、連系変圧器盤に送り、補機盤に設けた排気用ファンによって外部に排出するようにしており、冷却構造が大型化し、全体の構成も大型化するという未解決の課題がある。
【0010】
また、上記特許文献2及び3に記載された従来例にあっては、変圧器を収納する筐体の正面側からのみ空気をとりこみ、筐体内に取込んだ冷却風を変圧器の回りを通って上方に配置した冷却ファンで外部に排気する強制換気方式となっている。
しかしながら、上記特許文献2及び3に記載された従来例にあっては、ともに筐体の正面から取込んだ冷却風を変圧器の回りに案内するために、送風ファン及び導風ダクトや変圧器のコイルの外周部を包囲する筒状絶縁物及びこの筒状絶縁部の下部に冷却風を案内する導風機構を必要とし、構成が複雑となるとともに、変圧器盤の筐体が大形化するという未解決の課題がある。
【0011】
さらに、図6〜9に示す従来例にあっては、変圧器盤101に設けた排気用天井ファン104a及び104bを駆動することによって、図8に示すように、冷風吸気口105a及び105bから吸気された冷風が変圧器100のコイル部の正面側を冷却する。これと同時に、変換器盤103の吸気口106a〜106dから吸気された冷風が、図9に示すように、半導体電力変換器102を通って背面側の風洞108に達し、この風洞108から変圧器100の背面側に達して、変圧器100の背面側を冷却する。このため、変圧器の冷却効率を向上させることはできるが、変換器盤側から風洞108を通って変圧器100に供給される冷風は、風洞108の断面積が広いことにより、変圧器100に供給する風速が遅くなってしまい大きな冷却効果を発揮できないという未解決の課題がある。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、簡易な構成で、変圧器を効率よく冷却することができる電力変換装置の冷却装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明の一の形態に係る電力変換装置の冷却装置は、変圧器を収納し且つ上面に排気用天井ファンを配置した変圧器盤と、該変圧器盤と連通して配置された電力変換器を収納した変換器盤と、少なくとも前記変換器盤の側面に形成された冷却風吸気部と、前記冷却風吸気部で吸気された冷却風が前記電力変換器を介して供給され、当該冷却風を前記変圧器の側面に供給する前記変換器盤に配設された風洞と、該風洞の前記変換器盤側出口を狭める仕切板とを備えている。そして、前記冷却風吸気部から前記風洞を介し、前記仕切板で狭められた変換器盤側出口を介し、前記変圧器の巻線部を通じて前記排気用天井ファンに至る冷却風通路を形成した。
【0013】
この構成によると、変圧器盤の排気用天井ファンを駆動することにより、変換器盤の冷風吸気部から吸気された冷風が電力変換器を通って風洞から変圧器盤に供給される。このとき、風洞の変圧器盤側出口が仕切板で狭められているので、冷却風を大きな風速で変圧器の側面に供給することができる。このため、変圧器の冷却効率を向上させることができる。
【0014】
また、本発明の他の形態に係る電力変換装置の冷却装置は、前記変圧器盤に、前記排気用天井ファンが前記変圧器の背面側における上部に配設されている。また、前記変換器盤に、前記冷却風吸気部を前記排気用天井ファンの設置位置とは反対側の正面に形成するとともに、前記風洞を前記排気用天井ファン側に配設している。そして、前記冷却風吸気部から吸気された冷却風を、前記電力変換器を通じて前記風洞に案内する。さらに、前記仕切板が前記風洞の前記変換器盤側出口の上部側を閉塞するように配設されている。
【0015】
この構成によると、変圧器盤の排気用天井ファンを駆動することにより、変換器盤の前面に配設された冷風吸気部から冷風が各電力変換器を通じて風洞に案内され、この風洞から変圧器盤に収納された変圧器の側面に供給される。このとき、風洞の上部が仕切板で閉塞されているので、冷却風が風洞の下側から大きな風速で変圧器の側面に供給され、最後に排気用天井ファンから外部に排気される。このため、変圧器の側面に下側から風速の大きな冷却風を供給することができ、変圧器の冷却効率を向上させることができる。
【0016】
また、本発明の他の形態に係る電力変換装置の冷却装置は、前記変圧器盤の前記排気用天井ファンとは反対側の正面下部に前記冷却風吸気部より小さい面積の冷風吸気口が形成されていることを特徴としている。
この構成によると、変圧器盤の正面の吸気口からも冷却風を吸気して、変圧器を通じて排気用天井ファンから排気する冷却通路が形成されるので、変圧器の冷却効率をより向上させることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、変圧器を収納する変圧器盤の変圧器の背面側に排気用天井ファンを配設し、変圧器盤に連通する電力変換器を収納した変換器盤の排気用天井ファンとは反対側の側面に冷風吸気部を形成するとともに、冷風吸気部とは電力変換器を介して反対側に風洞を形成し、この風洞の変換器盤側出口を仕切板で狭めるようにしている。
このため、排気用天井ファンを駆動することにより、変換器盤の冷風吸気部から吸気された冷却風が電力変換器を介して風洞に供給され、この風洞の仕切板で狭められた変圧器盤側出口から変圧器の側面を通って排気用天井ファンから排気される冷却風通路が形成される。したがって、風洞の変圧器盤側出口が仕切板で狭められていることにより、冷却風が高い風速で変圧器の側面に供給されて冷却効率を向上させることができる。
このとき、風洞の変圧器盤側出口の上部側を仕切板で閉塞することにより、変圧器の側面の下側から冷却風を高い風速で供給することができ、より冷却効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態を示す正面図である。
【図2】図1の正面板部を取り外した正面図である。
【図3】図2のA−A線上の断面図である。
【図4】図2のB−B線上の断面図である。
【図5】本発明の他の実施形態を示す正面板部を取り外した正面図である。
【図6】従来例を示す正面図である。
【図7】図6の正面板部を取り外した正面図である。
【図8】図7のC−C線上の断面図である。
【図9】図7のD−D線上の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図4は本発明の一実施形態を示す図である。
図中、1は電力変換装置であって、この電力変換装置1は、主回路変圧器2を収納する主回路変圧器盤3と、この主回路変圧器盤3と連通して配設された半導体電力変換ユニット4を収納する主回路変換器盤5とで構成されている。
変圧器盤3は、直方体状の筐体6を有し、この筐体6の底面板部6aにおける前後方向の中央部よりやや後方側に幅方向の中央部が位置するように主回路変圧器2が固定されている。ここで、主回路変圧器2は、図2に示すように、三相の巻線Lu、Lv及びLwを幅方向に並列させた状態で筐体6内に収納されている。
【0020】
また、筐体6の正面に2列2段の計4つの開閉扉7a〜7dが配設され、これら開閉扉7a〜7dのうち下側の開閉扉7c及び7dの下部側にそれぞれ冷風吸気口8a及び8bが形成されている。これら冷風吸気口8a及び8bの合計面積が主回路変換器盤5の後述する冷風吸気部15a〜15dの合計面積よりも十分に小さい面積(1/6程度)に設定されている。
さらに、筐体6の上面板部6bにおける変圧器2の背面側に、左右方向に所定距離だけ離間した左右一対の排気用天井ファン9a及び9bが配設されている。
【0021】
一方、変換器盤5は、変圧器盤3と同様に直方体状の筐体11を有し、この筐体11内に左右2列で上下6段の計12個の半導体電力変換ユニット4が背面板部11aとの間に左右方向に延長する風洞12を形成するように整列配置されている。ここで、半導体電力変換ユニット4は、インバータ、コンバータ等の半導体電力変換器を内装しており、半導体電力変換器を冷却する冷風通路13が前後方向に貫通形成されている。
また、筐体11の前面側には2列2段の開閉扉14a〜14dが配設され、これら開閉扉14a〜14dのそれぞれに比較的大きな面積(前述した主回路変圧器盤3の吸気口8a〜8bの合計面積の6倍程度の合計面積を有する冷風吸気部15a〜15dが形成されている。
【0022】
風洞12は、図4に示すように、筐体11の背面板部11aと半導体電力変換ユニット4の背面との間に所定の奥行き(筐体11の奥行きの1/4.5程度)で且つ筐体11の上面板部11b及び底面板部11c間に延長する上下方向に細長い断面形状に形成されている。そして、この風洞12の主回路変圧器盤3及び主回路変換器盤4との連通部となる筐体6及び11の隣接する側壁6c及び11dの背面側に貫通形成した変圧器盤側出口16に、筐体11の上面板部11b側から下方に延長する仕切板17が開口面積を例えば4割程度狭めるように配設されている(図2及び図4参照)。
【0023】
次に、上記実施形態の動作を説明する。
主回路変圧器盤3に設けられた排気用天井ファン9a及び9bを回転駆動することにより、主回路変圧器盤3の筐体6内が負圧となり、これによって、開閉扉7c及び7dに形成された吸気口8a及び8bから冷却風が吸気され、この冷却風が図3に示すように、主回路変圧器2の巻線Lu〜Lwの正面側の下部側から放物線状に上昇して巻線Lu〜Lwの正面側半部を冷却して排気用天井ファン9a及び9bに至る冷却通路が形成される。
【0024】
これと同時に、主回路変圧器盤3に連通する主回路変換器盤5の風洞12も負圧となることから、主回路変換器盤5の正面に配置された開閉扉14a〜14dに形成された冷風吸気部15a〜15dから冷却風が図4に示すように吸気される。吸気された冷却風は、半導体電力変換ユニット4の周囲及び冷風通路13を通ることにより、半導体電力変換ユニット4に内装された半導体電力変換器を冷却して背面側の風洞12に至る。
【0025】
風洞12に達した冷却風は、排気用天井ファン9a及び9bに吸引されて主回路変圧器盤3側に移動することになる。このとき、風洞12の主回路変圧器側出口16の上部側が仕切板17によって主回路変圧器2の巻線Lu〜Lwの上部に対向する位置まで閉塞されて、この主回路変圧器側出口16の開口面積が4割程度狭められている。
このため、風洞12に入った冷却風は、図2に示すように、仕切板17の下方側の開口部を通って主回路変圧器盤3の筐体6内に供給される。このとき、主回路変圧器側出口16が仕切板17によって絞られているので、主回路変圧器側出口16が全開されている場合に比較して十分に速い風速で且つ少なくとも上部側が乱流状態で主回路変圧器盤3の筐体6内に流入される。
【0026】
したがって、この主回路変圧器側出口16から供給される速い風速の冷却風が主回路変圧器2の背面側を通って排気用天井ファン9a及び9bの双方に吸引されることになり、主回路変圧器2の巻線Lu〜Lwの背面側を効率良く冷却することができる。このため、主回路変圧器2の冷却効率を向上させることができる。
因みに、前述した図6〜図9に示す従来例のように風洞108を全開状態とした場合に、変圧器盤101内に流入する冷却風は層流状態となるので、風洞の上部側の冷却風は、そのまま変圧器盤101側の排気用天井ファン104a,104bで吸引されて、変圧器100を冷却することなく外部に排気されることになり、変圧器の冷却効率が大幅に低下する。
【0027】
しかしなから、本実施形態によれば、上述したように、風洞12の主回路変圧器盤側出口16の上部側が仕切板17によって閉塞されているので、風洞12内の冷却風が全て主回路変圧器2の背面側を通ることになり、主回路変圧器2の冷却効率を格段に向上させることができる。
しかも、上記実施形態では、冷却機構として、吸気用ファンを設ける必要がなく、排気用冷却ファン9a及び9bのみを設けるだけでよいので、全体の構成を簡易小型化することができる。
【0028】
また、主回路変圧器盤3側の冷風吸気口8a及び8bの合計面積に対して主回路変換器盤5側の冷風吸気部15a〜15dの合計面積が大きく設定されているので、主回路変換器盤5側での冷風吸気量を主回路変圧器盤3側での冷風吸気量より多くして、半導体電力変換ユニット及びこれに内蔵された半導体電力変換器の冷却を効率良く行うことができる。
【0029】
なお、上記実施形態においては、主回路変換器盤5の風洞12の上部側のみを仕切板17で閉塞した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、図5に示すように、主回路変換器側出口16の下部側の主回路変圧器2の脚部に対向する位置に第2の仕切板21を設けて、主回路変圧器2の巻線Lu〜Lwに対向する開口部を形成するようにしてもよい。この場合には主回路変圧器2の巻線Lu〜Lwの冷却効率をより向上させることができる。
【0030】
また、図5に示すように、仕切板17の主回路変圧器2側における主回路変圧器2の上端部に対向する位置に、その上端部近傍まで延長する突出板部22を邪魔板として形成するようにしてもよく、この場合にも主体回路変換器側出口16を通る冷却風を全量主回路変圧器2側に確実に案内することができ、冷却効率をより向上させることができる。
さらに、上記実施形態においては、正面側に冷風吸気口8a,8b及び冷風吸気部15a〜15dを形成する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、主回路変圧器盤3の前面側に排気用天井ファン9a,9bを設ける場合には、冷風吸気口8a,8b及び冷風吸気部15a〜15dを背面側に設けるようにしてもよい。
【0031】
さらに、上記実施形態においては、主回路変圧器盤3に2つの排気用天井ファン9a,9bを設けた場合について説明したが、これに限定されるものではなく、主回路変圧器盤3に1つ又は3つ以上の排気用天井ファンを設けるようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、変圧器として主回路変圧器を適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、筐体1に任意の変圧器を収納する場合に本発明を適用することができる。
さらに、冷風吸気口8a,8bと冷風吸気部15a〜15dとの面積比は上記に限定されるものではなく、任意に設定することができる。同様に、仕切板17による風洞12の主回路変圧器側出口16の閉塞面積も上記に限定されるものではなく任意に設定することができる。
【符号の説明】
【0032】
1…電力変換装置、2…主回路変圧器、3…主回路変圧器盤、4…半導体電力変換ユニット、5…主回路変換器盤、6…筐体、8a,8b…冷風吸気口、9a,9b…排気用天井ファン、11…筐体、12…風洞、13…冷風通路、15a〜15d…冷風吸気部、16…主回路変圧器側出口、17…仕切板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
変圧器を収納し且つ上面に排気用天井ファンを配置した変圧器盤と、
該変圧器盤と連通して配置された電力変換器を収納した変換器盤と、
少なくとも前記変換器盤の側面に形成された冷却風吸気部と、
前記冷却風吸気部で吸気された冷却風が前記電力変換器を介して供給され、当該冷却風を前記変圧器の側面に供給する前記変換器盤に配設された風洞と、
該風洞の前記変換器盤側出口を狭める仕切板とを備え、
前記冷却風吸気部から前記風洞を介し、前記仕切板で狭められた変換器盤側出口を介し、前記変圧器の巻線部を通じて前記排気用天井ファンに至る冷却風通路を形成した
ことを特徴とする電力変換装置の冷却装置。
【請求項2】
前記変圧器盤は、前記排気用天井ファンを前記変圧器の背面側における上部に配設し、
前記変換器盤は、前記冷却風吸気部を前記排気用天井ファンの設置位置とは反対側の正面に形成するとともに、前記風洞を前記排気用天井ファン側に配設し、前記冷却風吸気部から吸気された冷却風を、前記電力変換器を通じて前記風洞に案内するように構成され、
前記仕切板は前記風洞の前記変換器盤側出口の上部側を閉塞するように配設されていることを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置の冷却装置。
【請求項3】
前記変圧器盤は、前記排気用天井ファンとは反対側の正面下部に前記冷却風吸気部より小さい面積の冷風吸気口が形成されていることを特徴とする請求項1又は2項に記載の電力変換装置の冷却装置。
【請求項4】
前記風洞の前記変換器盤側出口の下部側に第2の仕切板が配設され、前記仕切板と前記第2の仕切板とにより、前記風洞の変換器盤側出口に前記変圧器の巻線部に対向する開口部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2項に記載の電力変換装置の冷却装置。
【請求項5】
前記仕切板には、前記変圧器の上端部に対向する位置に、その上端部近傍まで延長する突出板が形成されていることを特徴とする請求項1又は2項に記載の電力変換装置の冷却装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−100466(P2012−100466A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−247363(P2010−247363)
【出願日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(000005234)富士電機株式会社 (3,146)
【Fターム(参考)】