説明

電力変換装置

【課題】冷却フィンの接地線を介して流れる電流経路により不要な共振電流及びノイズの発生を抑制する電力変換装置を得る。
【解決手段】直流電源系統から受電し、負荷を駆動するインバータ4と、インバータ4を冷却する冷却手段であるフィン5と、直流電源系統とインバータ4とを接続する高圧配線21、及びインバータを接地する接地配線22を通す貫通孔を有するコア8と、フィン5を接地する接地線9とを備え、接地線9がコアに巻回されてから接地される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電力変換装置におけるノイズ低減に関するものであり、特に冷却フィンの接地線を介して流れるノイズ源電流の抑制に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電力変換装置においては、電力を充電するフィルタコンデンサ、インバータ、インバータが内部に収納された着脱可能なユニット、ユニット内の入力側に設置される第1のコア群及びユニット内の出力側に設置される第2のコア群から構成され、架線電力を供給し、負荷へ電力を出力する。第1及び第2のコア群をノイズ発生源である半導体素子の極近傍に配置することにより、配線と装置箱枠間に存在する浮遊キャパシタンスを通して漏洩電流が流れるという現象を防止することができる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、半導体素子を放熱するために受熱板を設置する場合には、受熱板を充分に厚い絶縁体を介して筐体に取り付け、電気的には抵抗を介して導電線により接地点と接続し、閉ループ経路を流れる共振電流を抑制することができる。接地線に接続された抵抗は、接地線を介して流れる電流に対してダンピング効果を与えるものである(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2004−187368号公報(第5頁、第1図)
【特許文献2】特開2002−136153号公報(第3〜4頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の電力変換装置では、半導体素子を放熱するために受熱板であるフィンを設置する場合、インバータとフィンとの間の浮遊容量を介して、インバータ→フィン→接地線→フィルタコンデンサ→インバータの経路によって、浮遊容量及び接地線等における浮遊インダクタンスによる共振経路が構成され、インバータを構成する半導体素子のスイッチング動作に伴い、接地線を介して共振電流が流れる。この共振電流が放射ノイズ源となり、誘導障害やラジオ波帯に影響を与えるという課題があった。共振を抑制するために、接地線に抵抗を接続し、共振電流にダンピング効果を与えることにより、共振電流が放射ノイズ源とならないようにすることも可能であるが、接地線に別途抵抗を設ける必要がある。また、抵抗は低周波から高周波まで概ね一定のインピーダンスを持つため、放射ノイズ源となる比較的高周波の電流を抑制するために高インピーダンスな抵抗を選定すると、接地したい低周波の帯域までインピーダンスが高くなるため、充分な接地が得られないという課題があった。
【0006】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、接地線を介する共振経路に対して、別途抵抗などを設けることなく共振動作に対して充分なダンピング効果が得られ、低周波領域では充分に低いインピーダンスで接地作用を得ることができる電力変換装置を得るものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明に係る電力変換装置は、直流電源系統から受電し、負荷を駆動するインバータと、インバータを冷却する冷却手段と、直流電源系統とインバータとを接続する高圧配線、及びインバータを接地する接地配線を通す貫通孔を有するコアと、冷却手段を接地する接地線とを備え、接地線は、コアに巻回されてから接地されることを特徴とするものである。
【0008】
第2の発明に係る電力変換装置は、直流電源系統から受電し、負荷を駆動するインバータと、インバータを冷却する冷却手段と、インバータと負荷とを接続する負荷配線を通す貫通孔を有する第2のコアと、冷却手段を接地する接地線とを備え、接地線は、第2のコアに巻回されてから接地されることを特徴とするものである。
【0009】
第3の発明に係る電力変換装置は、直流電源系統から受電し、負荷を駆動するインバータと、インバータを冷却する冷却手段と、直流電源系統とインバータとを接続する高圧配線、及びインバータを接地する接地配線を通す貫通孔を有するコアと、冷却手段を接地する接地線と、接地線が巻回される貫通孔を有する接地線用コアとを備えたことを特徴とするものである。
【0010】
第4の発明に係る電力変換装置は、交流電源系統から受電し、直流電圧を発生するコンバータと、直流電圧を受電し、負荷を駆動するインバータと、インバータを冷却する第1の冷却手段と、コンバータを冷却する第2の冷却手段と、交流電源系統とコンバータとを接続する低圧側配線を通す貫通孔を有する第3のコアと、第1の冷却手段を接地する第1の接地線と、第2の冷却手段を接地する第2の接地線とを備え、第1の接地線及び第2の接地線は、それぞれ第3のコアに巻回されてから接地されることを特徴とするものである。
【0011】
第5の発明に係る電力変換装置は、交流電源系統から受電し、直流電圧を発生するコンバータと、直流電圧を受電し、負荷を駆動するインバータと、インバータを冷却する第1の冷却手段と、コンバータを冷却する第2の冷却手段と、インバータと負荷とを接続する負荷配線を通す貫通孔を有する第4のコアと、第1の冷却手段を接地する第1の接地線と第2の冷却手段を接地する第2の接地線とを備え、第1の接地線及び第2の接地線は、それぞれ第4のコアに巻回されてから接地されることを特徴とするものである。
【0012】
第6の発明に係る電力変換装置は、交流電源系統から受電し、直流電圧を発生するコンバータと、直流電圧を受電し、負荷を駆動するインバータと、インバータを冷却する第1の冷却手段と、コンバータを冷却する第2の冷却手段と、交流電源系統とコンバータとを接続する低圧側配線を通す貫通孔を有する第3のコアと、第1の冷却手段を接地する第1の接地線と、第2の冷却手段を接地する第2の接地線と、第1の接地線が巻回される貫通孔を有する第1の接地線用コアと、第2の接地線が巻回される貫通孔を有する第2の接地線用コアとを備えたことを特徴とするものである。
【0013】
第7の発明に係る電力変換装置は、直流電源系統から受電し、負荷を駆動するインバータと、インバータを冷却する冷却手段と、直流電源系統とインバータとを接続する高圧配線、及びインバータを接地する接地配線を通す貫通孔を有するコアと、冷却手段を接地する接地線とを備え、接地線、冷却手段、インバータ、及び接地配線によって配線ループが構成されることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
上記第1〜第6の発明によれば、インバータを冷却する冷却手段を接地する接地線を、貫通孔を有するコアに巻回させたので、接地線の高周波インピーダンスを増大させることにより、冷却手段の接地線を介して共振を伴い発生するノイズ源電流を抑制することができる。
【0015】
また、上記第7の発明によれば、接地線、冷却手段、インバータ、及び接地配線によって構成される配線ループが貫通孔を有するコアを通過するので、ノイズ源電流を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
実施の形態1.
図1は、この発明を実施するための実施の形態1を示す電力変換装置の構成図である。図1において、電力変換装置101は、直流の系統電圧を集電するパンタグラフ1及びリアクトル2を介して直流電源系統から受電し、直流電圧を交流電圧に変換し、負荷であるモータ6を駆動するインバータ4と、コンデンサ3と、インバータ4を構成する半導体素子を冷却する冷却手段であるフィン5とによって構成されている。また、直流電源系統に接続されているリアクトル2とインバータ4とを接続する高圧配線21、及びインバータ4をアース7へ接地する接地配線22の2本の配線が設けられている。さらに、インバータ4と負荷であるモータ6とを接続する負荷配線23a,23b,23cが設けられている。
【0017】
電力変換装置101は、高圧配線21及び接地配線22を通す貫通孔を有するコア8と、冷却手段であるフィン5を接地する接地線9とを備えており、接地線9は、コア8に巻回されてからアース7へ接地されている。コア8を設置することによってインバータ4が発生する電源系統側へ漏洩するコモンモード電流を低減させることができる。コア8を巻回する巻き数は、少なくとも1回以上であればノイズ低減の効果がある。巻き数が多くなるほど、ノイズ低減の効果も向上するが、巻回する巻き線間の浮遊容量が発生する可能性がある。また、電力変換装置101の仕様に応じてコア8を選択すればよいが、本実施の形態では、例えば外径120mm程度、内径100mm程度、厚さ30mm程度のリング状のフェライトコアも用いた。
【0018】
接地線9がコア8を介さずに直接接地される場合には、インバータ4とフィン5との間の浮遊容量を介して、インバータ4→フィン5→接地線9→コンデンサ3→インバータ4の経路により、浮遊容量と接地線9等における浮遊インダクタンスによる共振経路が構成される。しかしながら、本実施の形態のように、接地線9がコア8に巻回される場合には、コア8のインピーダンスにより共振経路の共振周波数が下がる。また、コア8の材質が、コア8の共振周波数でのインピーダンスの主成分が抵抗となるようなものであれば、共振経路に対してダンピング効果が得られる。
【0019】
このように接地線9がコア8を巻回して接地されることにより、新規に抵抗を設けることなく、既存のコア8を利用して、共振周波数を降下させ、または共振のダンピングを得ることができる。このため、インバータ4→フィン5→接地線9→コンデンサ3→インバータ4の経路による共振周波数を所望の低い共振周波数にシフトすること、または共振そのものにダンピング効果を与えることができるので、放射ノイズ源を実用上問題とならない状態にすることができる。このように、部品コストをアップさせることなく放射ノイズ源に対する対策が可能となる。
【0020】
また、接地線9は電力の受け渡しが無いことから比較的細いワイヤーハーネスなどで構成できるため、コア8に巻回することが容易であり、簡単にコア8に巻回する巻数を増やすことによりインピーダンスを必要量まで増大させることができる。本実施の形態では、直径10mm程度のワイヤーハーネスを用いた。さらに、コア8は例えばフェライトやアモルファスを材料として構成されるため、直流近傍の低周波帯域において低インピーダンスとなり、コア8に巻回する巻数を増やしてもインピーダンスは顕著に増加せず、共振周波数帯域で高インピーダンスを得ながら低周波帯域で低インピーダンスとなり、直流近傍において充分な接地効果を得ることができる。具体的には、100kHz〜数MHz程度の周波数帯域でノイズ低減の効果は顕著である。なお、接地線9は、コア8に巻回後にアース7に直接接地しても良い。
【0021】
以上のように、インバータ4を冷却するフィン5を接地する接地線9が貫通孔を有するコア8に巻回されたので、接地線9の高周波インピーダンスを増大させることにより、フィン5の接地線9を介して共振を伴い発生するノイズ源電流を抑制することができる。
【0022】
実施の形態2.
図2は、この発明を実施するための実施の形態2を示す電力変換装置の構成図である。図2において、インバータ4と負荷6との間に第2のコア10が設置され、インバータ4の直流電源系統側にコアが設置されていない点で実施の形態1と異なっている。図2において、図1と同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものであり、このことは明細書の全文において共通することである。また、明細書全文に表れている構成要素の態様は、あくまで例示であってこれらの記載に限定されるものではない。
【0023】
図2において、電力変換装置102は、インバータ4と負荷であるモータ6とを接続する負荷配線23a,23b,23cをまとめて通す貫通孔を有する第2のコア10を備えている。また、冷却手段であるフィン5を接地する接地線11を備えており、接地線11は、第2のコア10に巻回されてからアース7へ接地されている。第2のコア10は、インバータ4がモータ6を介して発生するコモンモード電流を抑制するものである。
【0024】
接地線11が第2のコア10を介さずに直接接地される場合には、インバータ4とフィン5との間の浮遊容量を介して、インバータ4→フィン5→接地線11→コンデンサ3→インバータ4の経路により、浮遊容量と接地線11等における浮遊インダクタンスによる共振経路が構成される。しかしながら、本実施の形態のように、接地線11が第2のコア10に巻回される場合には、第2のコア10のインピーダンスにより共振経路の共振周波数が下がる。また、第2のコア10の材質が、第2のコア10の共振周波数でのインピーダンスの主成分が抵抗となるようなものであれば、共振経路に対してダンピング効果が得られる。
【0025】
このように接地線11が第2のコア10を巻回して接地することにより、新規に抵抗を設けることなく、既存の第2のコア10を利用して、共振周波数を降下させ、または共振のダンピングを得ることができるため、インバータ4→フィン5→接地線11→コンデンサ3→インバータ4の経路による共振周波数を所望の低い共振周波数にシフト、または共振そのものにダンピング効果を与えることができるので、放射ノイズ源を実用上問題とならない状態にすることができる。このように、部品コストをアップさせることなく放射ノイズ源に対する対策が可能となる。
【0026】
また、接地線11は電力の受け渡しが無いことから比較的細いワイヤーハーネスで構成できるため、第2のコア10に巻回することが容易であり、簡単に第2のコア10に巻回する巻数を増やすことによりインピーダンスを必要量まで増大させることができる。さらに、第2のコア10は例えばフェライトやアモルファスを材料として構成されるため、直流近傍の低周波帯域において低インピーダンスとなり、第2のコア10に巻回する巻数を増やしてもインピーダンスは顕著に増加せず、共振周波数帯域で高インピーダンスを得ながら低周波帯域で低インピーダンスとなり、直流近傍において充分な接地効果を得ることができる。
【0027】
以上のように、インバータ4を冷却するフィン5を接地する接地線11が貫通孔を有する第2のコア10に巻回されたので、接地線11の高周波インピーダンスを増大させることにより、フィン5の接地線11を介して共振を伴い発生するノイズ源電流を抑制することができる。
【0028】
実施の形態3.
図3は、この発明を実施するための実施の形態3を示す電力変換装置の構成図である。
図3において、インバータ4と負荷であるモータ6との間に第2のコア10が設置されている点で実施の形態1と異なっている。図3において、電力変換装置103は、高圧配線21及び接地配線22を通す貫通孔を有するコア8に加えて、インバータ4と負荷であるモータ6とを接続する負荷配線23a,23b,23cをまとめて通す貫通孔を有する第2のコア10を備えている。また、冷却手段であるフィン5を接地する接地線12を備えており、接地線12は、第2のコア10に巻回されてから、さらにコア8に巻回されアース7へ接地されている。なお、接地線12は、コア8に巻回され、さらに第2のコア10に巻回されてからアース7へ接地されてもよい。
【0029】
接地線12がコア8及び第2のコア10を介さずに直接接地される場合には、インバータ4とフィン5との間の浮遊容量を介して、インバータ4→フィン5→接地線12→コンデンサ3→インバータ4の経路により、浮遊容量と接地線12等における浮遊インダクタンスによる共振経路が構成される。しかしながら、本実施の形態のように、接地線12がコア8及び第2のコア10に巻回される場合には、コア8及び第2のコア10のインピーダンスにより共振経路の共振周波数が下がる。また、コア8及び第2のコア10の材質が、コア8及び第2のコア10の共振周波数でのインピーダンスの主成分が抵抗となるようなものであれば、共振経路に対してダンピング効果が得られる。
【0030】
このように接地線12がコア8及び第2のコア10を巻回して接地されることにより、新規に抵抗を設けることなく、既存のコア8及び第2のコア10を利用して、共振周波数を降下させ、または共振のダンピングを得ることができる。このため、インバータ4→フィン5→接地線12→コンデンサ3→インバータ4の経路による共振周波数を所望の低い共振周波数にシフトすること、または共振そのものにダンピング効果を与えることができるので、放射ノイズ源を実用上問題とならない状態にすることができる。このように、部品コストをアップさせることなく放射ノイズ源に対する対策が可能となる。
【0031】
また、接地線12は電力の受け渡しが無いことから比較的細いワイヤーハーネスで構成できるため、コア8及び第2のコア10のそれぞれに巻回することが容易であり、簡単にコア8及び第2のコア10のそれぞれに巻回する巻数を増やすことによりインピーダンスを必要量まで増大させることができる。さらに、コア8及び第2のコア10は例えばフェライトやアモルファスを材料として構成されるため、直流近傍の低周波帯域において低インピーダンスとなり、コア8及び第2のコア10のそれぞれに巻回する巻数を増やしてもインピーダンスは顕著に増加せず、共振周波数帯域で高インピーダンスを得ながら低周波帯域で低インピーダンスとなり、直流近傍において充分な接地効果を得ることができる。また、既設のコア8及び第2のコア10のインピーダンスを同時に利用するため、フィン5の接地線12を介して流れる共振電流に対して、より一層の減衰効果が得られる。またフィン5の接地線12を唯一の接地線とし、接地線12をコア8及び第2のコア10に巻回したので、接地線の数を増やすことなく2つのコアによるノイズ低減の効果を同時に得られる。
【0032】
以上のように、インバータ4を冷却するフィン5を接地する接地線12が貫通孔を有するコア8及び第2のコア10に巻回されたので、接地線12の高周波インピーダンスを増大させることにより、フィン5の接地線12を介して共振を伴い発生するノイズ源電流をより一層抑制することができる。
【0033】
実施の形態4.
図4は、この発明を実施するための実施の形態4を示す電力変換装置の構成図である。
図4において、接地線61がコア8に巻回されず、コア8とは別の接地線用コア60に巻回されている点で実施の形態1と異なっている。図4において、電力変換装置104は、高圧配線21及び接地配線22を通す貫通孔を有するコア8に加えて、接地線61が巻回される貫通孔を有する接地線用コア60を別途備えている。接地線61は、インバータ4の接地配線側に接続してもよいし、アース7に直接接続してもよい。
【0034】
接地線61が接地線用コア60を介さずに直接接地される場合には、インバータ4とフィン5との間の浮遊容量を介して、インバータ4→フィン5→接地線61→コンデンサ3→インバータ4の経路により、浮遊容量と接地線61等における浮遊インダクタンスによる共振経路が構成される。しかしながら、本実施の形態のように、接地線61が接地線用コア60に巻回される場合には、接地線用コア60のインピーダンスにより共振経路の共振周波数が下がる。また、接地線用コア60の材質が、接地線用コア60の共振周波数でのインピーダンスの主成分が抵抗となるようなものであれば、共振経路に対してダンピング効果が得られる。
【0035】
このように接地線61が接地線用コア60を巻回して接地されることにより共振周波数を降下させ、または共振のダンピングを得ることができる。このため、インバータ4→フィン5→接地線61→コンデンサ3→インバータ4の経路による共振周波数を所望の低い共振周波数にシフト、または共振そのものにダンピング効果を与えることができるので、放射ノイズ源を実用上問題とならない状態にすることができる。
【0036】
また、接地線61は電力の受け渡しが無いことから比較的細いワイヤーハーネスで構成できるため、接地線用コア60に巻回することが容易であり、簡単に接地線用コア60の巻数を増やすことによりインピーダンスを必要量までアップさせることができる。また、接地線用コア60は例えばフェライトやアモルファスを材料として構成されるため、直流近傍の低周波帯域において低インピーダンスとなり、接地線用コア60の巻数を増やしてもインピーダンスは顕著に増加せず、共振周波数帯域で高インピーダンスを得ながら低周波帯域で低インピーダンスとなり、従来の抵抗を介する接地と比較して直流近傍において充分な接地効果を得ることができる。
【0037】
以上のように、インバータ4を冷却するフィン5を接地する接地線61が貫通孔を有する接地線用コア60に巻回されたので、接地線用コア60を別途設置する必要があるものの、接地線61の高周波インピーダンスを増大させることにより、フィン5の接地線61を介して共振を伴い発生するノイズ源電流を抑制することができる。
【0038】
実施の形態5.
図5は、この発明を実施するための実施の形態5を示す電力変換装置の構成図である。図5において、電力変換装置105は、交流の系統電圧を集電するパンタグラフ30及び変圧器31を介して交流電源系統から受電し、直流電圧を発生するコンバータ32と、直流電圧を交流電圧に変換し、負荷であるモータ35を駆動するインバータ34と、コンデンサ33と、インバータ34を構成する半導体素子を冷却する第1の冷却手段であるフィン37と、コンバータ32を構成する半導体素子を冷却する第2の冷却手段であるフィン36とによって構成されている。また、交流電源系統に接続されている変圧器31とコンバータ32とを接続する低圧側配線51,52の2本の配線が設けられている。さらに、インバータ34と負荷であるモータ35とを接続する負荷配線53a,53b,53cが設けられている。変圧器31の一端はアース39に接地されている。
【0039】
電力変換装置105は、2本の低圧側配線51,52を通す貫通孔を有する第3のコア38と、第1の冷却手段であるフィン37を接地する第1の接地線41と、第2の冷却手段であるフィン36を接地する第2の接地線40とを備えており、第1の接地線41は、第3のコア38に巻回されてからアース45へ接地され、第2の接地線40は、第3のコア38に巻回されてからアース45へ接地されている。第3のコア38を設置することによってインバータ34が発生する電源系統側へ漏洩するコモンモード電流を低減させることができる。第3のコア38を巻回する第1の接地線41及び第2の接地線40の巻き数は、少なくとも1回以上であればノイズ低減の効果がある。巻き数が多くなればなるほど、ノイズ低減の効果も向上するが、巻回する巻き線間の浮遊容量が発生する可能性がある。
【0040】
第1の接地線41及び第2の接地線40が第3のコア38を介さずに直接接地される場合には、コンバータ32とフィン36との間の浮遊容量を介して、コンバータ32→フィン36→第2の接地線40→アース45→アース39→変圧器31→コンバータ32の経路、及びインバータ34とフィン37との間の浮遊容量を介して、インバータ34→フィン37→第1の接地線41→アース45→アース39→変圧器31→コンバータ32→コンデンサ33の経路により、浮遊容量と接地線等における浮遊インダクタンスによる共振経路が構成される。しかしながら、本実施の形態のように、第1の接地線41及び第2の接地線40が第3のコア38に巻回される場合には、第3のコア38のインピーダンスにより2つの共振経路の共振周波数が下がる。また、第3のコア38の材質が、第3のコア38の共振周波数でのインピーダンスの主成分が抵抗となるようなものであれば、共振経路に対してダンピング効果が得られる。
【0041】
このように第1の接地線41及び第2の接地線40が第3のコア38を巻回して接地されることにより、新規に抵抗を設けることなく、既存の第3のコア38を利用して、共振周波数を降下させ、または共振のダンピングを得ることができるため、コンバータ32→フィン36→第2の接地線40→アース45→アース39→変圧器31→コンバータ32の経路、及びインバータ34→フィン37→第1の接地線41→アース45→アース39→変圧器31→コンバータ32→コンデンサ33の経路による共振周波数を所望の低い共振周波数にシフト、または共振そのものにダンピング効果を与えることができるので、放射ノイズ源を実用上問題とならない状態にすることができる。このように、部品コストをアップさせることなく放射ノイズ源に対する対策が可能となる。
【0042】
また、第1の接地線41及び第2の接地線40は電力の受け渡しが無いことから比較的細いワイヤーハーネスで構成できるため、第3のコア38に巻回することが容易であり、簡単に第3のコア38に巻回する巻数を増やすことによりインピーダンスを必要量まで増大させることができる。さらに、第3のコア38は例えばフェライトやアモルファスを材料として構成されるため、直流近傍の低周波帯域において低インピーダンスとなり、第3のコア38に巻回する巻数を増やしてもインピーダンスは顕著に増加せず、共振周波数帯域で高インピーダンスを得ながら低周波帯域で低インピーダンスとなり、直流近傍において充分な接地効果を得ることができる。
【0043】
以上のように、コンバータ32及びインバータ34を冷却するフィン36,37を接地する接地線40,41が貫通孔を有する第3のコア38に巻回されたので、接地線40,41の高周波インピーダンスを増大させることにより、フィン36,37の接地線40,41を介して共振を伴い発生するノイズ源電流を抑制することができる。
【0044】
実施の形態6.
図6は、この発明を実施するための実施の形態6を示す電力変換装置の構成図である。図6において、インバータ34と負荷35との間に第4のコア42が設置され、コンバータ32の変圧器31側に第3のコアが設置されていない点で実施の形態5と異なっている。電力変換装置106は、インバータ34と負荷であるモータ35とを接続する負荷配線53a,53b,53cをまとめて通す貫通孔を有する第4のコア42を備えている。また、第1の冷却手段であるフィン37を接地する第1の接地線44と、第2の冷却手段であるフィン36を接地する第2の接地線43とを備えており、第1の接地線44は、第4のコア42に巻回されてからアース46へ接地され、第2の接地線43は、第4のコア42に巻回されてからアース46へ接地されている。第4のコア42を設置することによってインバータ34が発生する電源系統側へ漏洩するコモンモード電流を低減させることができる。
【0045】
第1の接地線44及び第2の接地線43が第4のコア42を介さずに直接接地される場合には、コンバータ32とフィン36との間の浮遊容量を介して、コンバータ32→フィン36→第2の接地線43→アース46→アース39→変圧器31→コンバータ32の経路、及びインバータ34とフィン37との間の浮遊容量を介して、インバータ34→フィン37→第1の接地線44→アース46→アース39→変圧器31→コンバータ32→コンデンサ33の経路により、浮遊容量と接地線等における浮遊インダクタンスによる共振経路が構成される。しかしながら、本実施の形態のように、第1の接地線44及び第2の接地線43に第4のコア42を介することにより、第4のコア42のインピーダンスにより2つの共振経路の共振周波数が下がる。また、第4のコア42の材質が、第4のコア42の共振周波数でのインピーダンスの主成分が抵抗となるようなものであれば、共振経路に対してダンピング効果が得られる。
【0046】
このように第1の接地線44及び第2の接地線43が第4のコア42を巻回して接地されることにより、新規に抵抗を設けることなく、既存の第4のコア42を利用して、共振周波数を降下させ、または共振のダンピングを得ることができるため、コンバータ32→フィン36→第2の接地線43→アース46→アース39→変圧器31→コンバータ32の経路、及びインバータ34→フィン37→第1の接地線44→アース46→アース39→変圧器31→コンバータ32→コンデンサ33の経路による共振周波数を所望の低い共振周波数にシフト、または共振そのものにダンピング効果を与えることができるので、放射ノイズ源を実用上問題とならない状態にすることができる。このように、部品コストをアップさせることなく放射ノイズ源に対する対策が可能となる。
【0047】
また、第1の接地線44及び第2の接地線43は電力の受け渡しが無いことから比較的細いワイヤーハーネスで構成できるため、第4のコア42に巻回することが容易であり、簡単に第4のコア42に巻回する巻数を増やすことによりインピーダンスを必要量まで増大させることができる。さらに、第4のコア42は例えばフェライトやアモルファスを材料として構成されるため、直流近傍の低周波帯域において低インピーダンスとなり、第4のコア42に巻回する巻数を増やしてもインピーダンスは顕著に増加しないため、共振周波数帯域で高インピーダンスを得ながら低周波帯域で低インピーダンスとなり、直流近傍において充分な接地効果を得ることができる。
【0048】
以上のように、コンバータ32及びインバータ34を冷却するフィン36,37を接地する接地線43,44が貫通孔を有する第4のコア42に巻回されたので、接地線43,44の高周波インピーダンスを増大させることにより、フィン36,37の接地線43,44を介して共振を伴い発生するノイズ源電流を抑制することができる。
【0049】
実施の形態7.
図7は、この発明を実施するための実施の形態7を示す電力変換装置の構成図である。図7において、インバータ34と負荷であるモータ35との間に第4のコア42が設置されている点で実施の形態5と異なっている。図7において、電力変換装置107は、2本の低圧側配線51,52を通す貫通孔を有する第3のコア38に加えて、インバータ34と負荷であるモータ35とを接続する負荷配線53a,53b,53cをまとめて通す貫通孔を有する第4のコア42を備えている。また、第1の冷却手段であるフィン37を接地する第1の接地線48を備えており、第1の接地線48は、第4のコア42に巻回されてから、さらに第3のコア38に巻回されアース49へ接地されている。さらに、第2の冷却手段であるフィン36を接地する第2の接地線47を備えており、第2の接地線47は、第4のコア42に巻回されてから、さらに第3のコア38に巻回されアース49へ接地されている。なお、第3のコア38及び第4のコア42に巻回される順番が逆でもよい。
【0050】
このような構成においても、接地線47,48の高周波インピーダンスを増大させることにより、フィン36,37の接地線47,48を介して共振を伴い発生するノイズ源電流をより一層抑制することができる。
【0051】
実施の形態8.
図8は、この発明を実施するための実施の形態8を示す電力変換装置の構成図である。
図8において、第1の接地線73が第3のコア38に巻回されず、第3のコア38とは別の第1の接地線用コア71に巻回され、第2の接地線74が第3のコア38に巻回されず、第3のコア38とは別の第2の接地線用コア72に巻回されている点で実施の形態5と異なっている。図8において、電力変換装置108は、2本の低圧側配線51,52を通す貫通孔を有する第3のコア38に加えて、第1の接地線73が巻回される貫通孔を有する第1の接地線用コア71及び第2の接地線74が巻回される貫通孔を有する第2の接地線用コア72を別途備えている。
【0052】
第1の接地線73が第1の接地線用コア71を介さず、第2の接地線74が第2の接地線用コア72を介さずに直接接地される場合には、コンバータ32とフィン36との間の浮遊容量を介して、コンバータ32→フィン36→第2の接地線74→アース45→アース39→変圧器31→コンバータ32の経路、及びインバータ34とフィン37間の浮遊容量を介して、インバータ34→フィン37→第1の接地線73→アース45→アース39→変圧器31→コンバータ32→コンデンサ33の経路により、浮遊容量と接地線等における浮遊インダクタンスによる共振経路が構成される。しかしながら、本実施の形態のように、第1の接地線73に第1の接地線用コア71を介し、第2の接地線74に第2の接地線用コア72を介することにより、2つの共振経路の共振周波数が下がる。または第1の接地線用コア71及び第2の接地線用コア72の材質が、第1の接地線用コア71及び第2の接地線用コア72の共振周波数でのインピーダンスの主成分が抵抗となるようなものであれば、共振経路に対してダンピング効果が得られる。
【0053】
このように第1の接地線73が第1の接地線用コア71を巻回して接地され、第2の接地線74が第2の接地線用コア72を巻回して接地されることにより共振周波数を降下させ、または共振のダンピングを得ることができるため、コンバータ32→フィン36→第2の接地線74→アース45→アース39→変圧器31→コンバータ32の経路、及びインバータ34→フィン37→第1の接地線73→アース45→アース39→変圧器31→コンバータ32→コンデンサ33の経路による共振周波数を所望の低い共振周波数にシフト、または共振そのものにダンピング効果を与えることができるので、放射ノイズ源を実用上問題とならない状態にすることができる。
【0054】
また、第1の接地線73及び第2の接地線74は電力の受け渡しが無いことから比較的細いワイヤーハーネスで構成できるため、第1の接地線用コア71及び第2の接地線用コア72に巻回することが容易であり、簡単に第1の接地線用コア71及び第2の接地線用コア72の巻数を増やすことによりインピーダンスを必要量までアップさせることができる。また第1の接地線用コア71及び第2の接地線用コア72は例えばフェライトやアモルファスを材料として構成されるため、直流近傍の低周波帯域において低インピーダンスとなり、第1の接地線用コア71及び第2の接地線用コア72の巻数を増やしてもインピーダンスは顕著に増加せず、共振周波数帯域で高インピーダンスを得ながら低周波帯域で低インピーダンスとなり、従来の抵抗を介する接地と比較して直流近傍において充分な接地効果を得ることができる。
【0055】
以上のように、インバータ34を冷却するフィン37を接地する第1の接地線73が貫通孔を有する第1の接地線用コア71に巻回され、コンバータ32を冷却するフィン36を接地する第2の接地線74が貫通孔を有する第2の接地線用コア72に巻回されたので、第1及び第2の接地線用コア71,72を別途設置する必要があるものの、第1及び第2の接地線73,74の高周波インピーダンスを増大させることにより、フィン36、37の第1及び第2の接地線73,74を介して共振を伴い発生するノイズ源電流を抑制することができる。
【0056】
実施の形態9.
図9は、この発明を実施するための実施の形態9を示す電力変換装置の構成図である。図9において、接地線91がコア8に巻回されていない点で実施の形態1と異なっている。電力変換装置109は、直流の系統電圧を集電するパンタグラフ1及びリアクトル2を介して直流電源系統から受電し、直流電圧を交流電圧に変換し、負荷であるモータ6を駆動するインバータ4と、コンデンサ3と、インバータ4を構成する半導体素子を冷却する冷却手段であるフィン5とによって構成されている。また、直流電源系統に接続されているリアクトル2とインバータ4とを接続する高圧配線21、及びインバータ4をアース7へ接地する接地配線22の2本の配線が設けられている。さらに、高圧配線21及び接地配線22を通す貫通孔を有するコア8と、冷却手段であるフィン5を接地する接地線91とを備えている。本実施の形態では、接地線91がコア8に巻回されていない。しかしながら、接地線91、冷却手段であるフィン5、インバータ4、及び接地配線22によって配線ループが構成されている。
【0057】
この配線ループは、接地配線22によってコア8の貫通孔を通過しているので、巻回数が1回相当のインピーダンスを得ることができる。つまり、接地線91をコア8に巻回せずにアース7に直接接地しても、巻回数が1回相当のインピーダンスを得ることができる。この場合でも、インバータ4→フィン5→接地線91→コンデンサ3→インバータ4の経路に、コア8が挿入されることにより、巻回数が1回相当の共振周波数を所望の低い共振周波数にシフトすること、または共振そのものにダンピング効果を与えることができる。なお、コンバータを配置した場合でも、本実施の形態で示したような配線ループを構成することにより、同等の効果を得ることができる。
【0058】
以上のように、接地線91、フィン5、インバータ4、及び接地配線22によって構成される配線ループがコア8の貫通孔を通過するので、フィン5の接地線91を介して共振を伴い発生するノイズ源電流を抑制することができる。
【0059】
なお、実施の形態1〜4において、アース7へ接地する接地配線22をコア8に貫通させずに直接アース7へ接地しても、フィン5の接地線を介して共振を伴い発生するノイズ源電流を抑制することができる。
【0060】
また、実施の形態5〜8において、インバータ34の半導体素子を冷却するための第1の冷却手段であるフィン37と、コンバータ32の半導体素子を冷却するための第2の冷却手段であるフィン36とが独立した構成を示したが、これらのフィン36,37が共用化されている場合においても、少なくとも1本から構成される接地線に第3のコア38及び第4のコア42のうち少なくともいずれか一方を巻回させることにより同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】この発明の実施の形態1を示す電力変換装置の構成図である。
【図2】この発明の実施の形態2を示す電力変換装置の構成図である。
【図3】この発明の実施の形態3を示す電力変換装置の構成図である。
【図4】この発明の実施の形態4を示す電力変換装置の構成図である。
【図5】この発明の実施の形態5を示す電力変換装置の構成図である。
【図6】この発明の実施の形態6を示す電力変換装置の構成図である。
【図7】この発明の実施の形態7を示す電力変換装置の構成図である。
【図8】この発明の実施の形態8を示す電力変換装置の構成図である。
【図9】この発明の実施の形態9を示す電力変換装置の構成図である。
【符号の説明】
【0062】
1,30 パンタグラフ、2 リアクトル、3,33 コンデンサ、4,34 インバータ、5,36,37 フィン、6,35 モータ、7,39,45,46,49 アース、8 コア、10 第2のコア、38 第3のコア、42 第4のコア、9,11,12,61,91 接地線、21 高圧配線、22 接地配線、23a〜23c,53a〜53c 負荷配線、31 変圧器、32 コンバータ、40,43,47,74 第2の接地線、41,44,48,73 第1の接地線、51,52 低圧側配線、60 接地線用コア、71 第1の接地線用コア、72 第2の接地線用コア、101〜109 電力変換装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電源系統から受電し、負荷を駆動するインバータと、
前記インバータを冷却する冷却手段と、
前記直流電源系統と前記インバータとを接続する高圧配線、及び前記インバータを接地する接地配線を通す貫通孔を有するコアと、
前記冷却手段を接地する接地線とを備え、
前記接地線は、前記コアに巻回されてから接地されることを特徴とする電力変換装置。
【請求項2】
前記インバータと前記負荷とを接続する負荷配線を通す貫通孔を有する第2のコアを備え、
前記接地線は、前記第2のコアに巻回されてから接地されることを特徴とする請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
直流電源系統から受電し、負荷を駆動するインバータと、
前記インバータを冷却する冷却手段と、
前記インバータと前記負荷とを接続する負荷配線を通す貫通孔を有する第2のコアと、
前記冷却手段を接地する接地線とを備え、
前記接地線は、前記第2のコアに巻回されてから接地されることを特徴とする電力変換装置。
【請求項4】
直流電源系統から受電し、負荷を駆動するインバータと、
前記インバータを冷却する冷却手段と、
前記直流電源系統と前記インバータとを接続する高圧配線、及び前記インバータを接地する接地配線を通す貫通孔を有するコアと、
前記冷却手段を接地する接地線と、
前記接地線が巻回される貫通孔を有する接地線用コアとを備えたことを特徴とする電力変換装置。
【請求項5】
交流電源系統から受電し、直流電圧を発生するコンバータと、
前記直流電圧を受電し、負荷を駆動するインバータと、
前記インバータを冷却する第1の冷却手段と、
前記コンバータを冷却する第2の冷却手段と、
前記交流電源系統と前記コンバータとを接続する低圧側配線を通す貫通孔を有する第3のコアと、
前記第1の冷却手段を接地する第1の接地線と、
前記第2の冷却手段を接地する第2の接地線とを備え、
前記第1の接地線及び前記第2の接地線は、それぞれ前記第3のコアに巻回されてから接地されることを特徴とする電力変換装置。
【請求項6】
前記インバータと前記負荷とを接続する負荷配線を通す貫通孔を有する第4のコアを備え、
前記第1の接地線及び前記第2の接地線は、それぞれ前記第4のコアに巻回されてから接地されることを特徴とする請求項5に記載の電力変換装置。
【請求項7】
交流電源系統から受電し、直流電圧を発生するコンバータと、
前記直流電圧を受電し、負荷を駆動するインバータと、
前記インバータを冷却する第1の冷却手段と、
前記コンバータを冷却する第2の冷却手段と、
前記インバータと前記負荷とを接続する負荷配線を通す貫通孔を有する第4のコアと、
前記第1の冷却手段を接地する第1の接地線と
前記第2の冷却手段を接地する第2の接地線とを備え、
前記第1の接地線及び前記第2の接地線は、それぞれ前記第4のコアに巻回されてから接地されることを特徴とする電力変換装置。
【請求項8】
交流電源系統から受電し、直流電圧を発生するコンバータと、
前記直流電圧を受電し、負荷を駆動するインバータと、
前記インバータを冷却する第1の冷却手段と、
前記コンバータを冷却する第2の冷却手段と、
前記交流電源系統と前記コンバータとを接続する低圧側配線を通す貫通孔を有する第3のコアと、
前記第1の冷却手段を接地する第1の接地線と、
前記第2の冷却手段を接地する第2の接地線と、
前記第1の接地線が巻回される貫通孔を有する第1の接地線用コアと、
前記第2の接地線が巻回される貫通孔を有する第2の接地線用コアとを備えたことを特徴とする電力変換装置。
【請求項9】
直流電源系統から受電し、負荷を駆動するインバータと、
前記インバータを冷却する冷却手段と、
前記直流電源系統と前記インバータとを接続する高圧配線、及び前記インバータを接地する接地配線を通す貫通孔を有するコアと、
前記冷却手段を接地する接地線とを備え、
前記接地線、前記冷却手段、前記インバータ、及び前記接地配線によって配線ループが構成されることを特徴とする電力変換装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−54396(P2008−54396A)
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−226776(P2006−226776)
【出願日】平成18年8月23日(2006.8.23)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】