説明

電気式フォークリフト

【課題】 電気式フォークリフトに適用される荷重表示装置に於て、フルフリーマストを装備したものであっても、容易に荷重を表示できる様にする。
【解決手段】 走行用モータ2、インバータ3、走行操作検出器4、フォーク用リフトシリンダ5、マスト用リフトシリンダ6、マスト揚高検出器7、圧力センサ8、制御装置9、速度計10、荷重計11とで構成し、とりわけ、フォーク用リフトシリンダ6とマスト用リフトシリンダ5との切換え作動時のマスト揚高を検出するマスト揚高検出器7と、両リフトシリンダ5,6への作動油の圧力を検出する圧力センサ8と、マスト揚高検出器7からのマスト揚高と圧力センサ8からの圧力と両リフトシリンダ5,6のシリンダ径とに基づいてフォーク16上の荷重を演算する制御装置9と、制御装置9からの荷重を表示する荷重計11とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気式フォークリフトに適用される荷重表示装置に係り、とりわけフルフリーマストを装備したものの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の電気式フォークリフトとしては、フォークとマストが漸次上昇する標準マストを装備したものと、マスト高さまではフォークのみが上昇するフルフリーマストを装備したものが知られている(特許文献1,2参照)。
【0003】
前者の標準マストを装備した電気式フォークリフト50は、基本的には、図6に示す如く、車両を走行させる走行用モータ51と、走行用モータ51を駆動するインバータ52と、走行操作部からの操作量を検出する走行操作検出器53と、固定マストに対して移動マストを昇降させると共に移動マストに対してフォークを昇降させるリフトシリンダ54と、所定以上のマスト揚高を検出するマスト揚高検出器55と、リフトシリンダ54への作動油の圧力を検出する圧力センサ56と、走行操作検出器53に依り検出された操作量に応じてインバータ52を介して走行用モータ51を制御すると共にマスト揚高検出器55からのマスト揚高に依りインバータ52を介して走行用モータ51を減速制御し且つ圧力センサ56からの圧力とリフトシリンダ54のシリンダ径に基づいてフォーク上の荷重を演算する制御装置57と、制御装置57からの速度を表示する速度計58と、制御装置57からの荷重を表示する荷重計59と、から構成されている。
インバータ52には、バッテリ60が接続されていると共に、速度計58と荷重計59は、運転席近傍に表示部として設けられている。
【0004】
後者のフルフリーマストを装備した電気式フォークリフト70は、基本的には、図7に示す如く、車両を走行させる走行用モータ51と、走行用モータ51を駆動するインバータ52と、走行操作部からの操作量を検出する走行操作検出器53と、固定マストに対して移動マストを昇降させるマスト用リフトシリンダ71と、移動マストに対してフォークを昇降させるフォーク用リフトシリンダ72と、所定以上のマスト揚高を検出するマスト揚高検出器55と、走行操作検出器53に依り検出された操作量に応じてインバータ52を介して走行用モータ51を制御すると共にマスト揚高検出器55からのマスト揚高に依りインバータ52を介して走行用モータ51を減速制御する制御装置57と、制御装置57からの速度を表示する速度計58と、から構成されている。
インバータ52には、バッテリ60が接続されていると共に、速度計58は、運転席近傍に表示部として設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実公昭62−11919号公報
【特許文献2】特開2001−245406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この様に、従来にあっては、標準マストを備えたものは、リフトシリンダ54への作動油の圧力を検出する圧力センサ56と、圧力センサ56からの圧力とリフトシリンダ54のシリンダ径に基づいてフォーク上の荷重を演算する制御装置57と、制御装置57からの荷重を表示する荷重計59とから成る所謂荷重表示装置を備えていたが、フルフリーマストを装備したものは、この様な荷重表示装置を備えていなかった。何故ならば、フルフリーマストのリフトシリンダは、フォーク用とマスト用の二種類があって、これらが異なるシリンダ径で順次伸縮作動される様に構成されていたので、そのままではフォーク上の荷重を算出できなかったからである。その結果、フォーク上の荷重が判らず、積載超過等に依る弊害を招来するので、改善が望まれていた。
【0007】
本発明は、叙上の問題点に鑑み、これを解消する為に創案されたもので、その課題とする処は、フルフリーマストを装備したものであっても、容易に荷重を表示できる様にした電気式フォークリフトを提供する事にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の電気式フォークリフトは、基本的には、車両を走行させる走行用モータと、走行用モータを駆動するインバータと、走行操作部からの操作量を検出する走行操作検出器と、固定マストに対して移動マストを昇降させるマスト用リフトシリンダと、移動マストに対してフォークを昇降させるフォーク用リフトシリンダと、フォーク用リフトシリンダとマスト用リフトシリンダとの切換え作動時のマスト揚高を検出するマスト揚高検出器と、両リフトシリンダへの作動油の圧力を検出する圧力センサと、走行操作検出器に依り検出された操作量に応じてインバータを介して走行用モータを制御すると共にマスト揚高検出器からのマスト揚高に依りインバータを介して走行用モータを減速制御し且つマスト揚高検出器からのマスト揚高と圧力センサからの圧力と両リフトシリンダのシリンダ径とに基づいてフォーク上の荷重を演算する制御装置と、制御装置からの速度を表示する速度計と、制御装置からの荷重を表示する荷重計と、から構成した事に特徴が存する。
【0009】
走行操作部が操作されると、走行操作検出器に依りその操作量が検出されて制御装置に依りインバータが制御され、インバータに依り走行用モータが駆動されて車両が走行される。この時、速度計に依り制御装置からの速度が表示される。
フォーク用リフトシリンダに依り移動マストに対してフォークが昇降されると共に、マスト用リフトシリンダに依り固定マストに対して移動マストが昇降され、フォークがフルフリーリフトされながら昇降される。この時、フルフリーリフト状態が終わってフォーク用リフトシリンダとマスト用リフトシリンダとが切換え作動されると、マスト揚高検出器に依りこの事が検出され、制御装置に依りインバータを介して走行用モータが減速制御され、高揚高での車両が減速走行されて転倒等が防止される。
【0010】
圧力センサに依り両リフトシリンダへの作動油の圧力が検出されると共に、マスト揚高検出器に依りフォーク用リフトシリンダとマスト用リフトシリンダとの切換え作動時のマスト揚高が検出され、両リフトシリンダのシリンダ径が予め判っているので、制御装置では、これらに基づいてフォーク上の荷重が演算され、荷重計に依りその荷重が表示される。つまり、マスト揚高検出器に依りフォーク用リフトシリンダの作動が検出された時には、制御装置に依り圧力センサからの作動油の圧力とフォーク用リフトシリンダのシリンダ径からフォーク上の荷重が演算されて荷重計に依りその荷重が表示されると共に、マスト揚高検出器に依りマスト用リフトシリンダの作動が検出された時には、制御装置に依り圧力センサからの作動油の圧力とフォーク用リフトシリンダのシリンダ径からフォーク上の荷重が演算されて荷重計に依りその荷重が表示される。
【0011】
両リフトシリンダのシリンダ径を設定する為のシリンダ径設定器を備えているのが好ましい。この様にすれば、フォーク用リフトシリンダやマスト用リフトシリンダのシリンダ径が異なる場合でも、容易に変更できて荷重を表示する事ができる。
【0012】
電気式フォークリフトは、車両を走行させる走行用モータと、走行用モータを駆動するインバータと、走行操作部からの操作量を検出する走行操作検出器と、移動マストに対してフォークを昇降させると共に固定マストに対して移動マストを昇降させるリフトシリンダと、所定以上のマスト揚高を検出するマスト揚高検出器と、リフトシリンダへの作動油の圧力を検出する圧力センサと、リフトシリンダのシリンダ径を設定する為のシリンダ径設定器と、走行操作検出器に依り検出された操作量に応じてインバータを介して走行用モータを制御すると共にマスト揚高検出器からのマスト揚高に依りインバータを介して走行用モータを減速制御し且つ圧力センサからの圧力とシリンダ径設定器に依り設定されたリフトシリンダのシリンダ径に基づいてフォーク上の荷重を演算する制御装置と、制御装置からの速度を表示する速度計と、制御装置からの荷重を表示する荷重計と、から構成しても良い。この様にすれば、標準マストを装備したものに於て、リフトシリンダのシリンダ径が異なる場合でも、容易に変更できて荷重を表示する事ができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に依れば、次の様な優れた効果を奏する事ができる。
(1) 走行用モータ、インバータ、走行操作検出器、フォーク用リフトシリンダ、マスト用リフトシリンダ、マスト揚高検出器、圧力センサ、制御装置、速度計、荷重計とで構成し、とりわけ、フォーク用リフトシリンダとマスト用リフトシリンダとの切換え作動時のマスト揚高を検出するマスト揚高検出器と、両リフトシリンダへの作動油の圧力を検出する圧力センサと、マスト揚高検出器からのマスト揚高と圧力センサからの圧力と両リフトシリンダのシリンダ径とに基づいてフォーク上の荷重を演算する制御装置と、制御装置からの荷重を表示する荷重計とを備えているので、フルフリーマストを装備したものであっても、容易に荷重を表示できる。
(2) 既設のマスト揚高検出器を利用してフォーク用リフトシリンダとマスト用リフトシリンダとの切換え作動時のマスト揚高を検出する様にしたので、構造が簡単でコストが余り掛からず、既存のものへも容易に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明のフルフリーマストを装備した電気式フォークリフトの概要を示すブロック図。
【図2】フルフリーマストの概要を示す最大揚高時の説明図。
【図3】フルフリーリフト状態を示す図2と同様図。
【図4】最小揚高時の状態を示す図2と同様図。
【図5】本発明の標準マストを装備した電気式フォークリフトの概要を示すブロック図。
【図6】従来の標準マストを装備した電気式フォークリフトの概要を示すブロック図。
【図7】従来のフルフリーマストを装備した電気式フォークリフトの概要を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
図1乃至図4に於て、電気式フォークリフト1は、走行用モータ2、インバータ3、走行操作検出器4、マスト用リフトシリンダ5、フォーク用リフトシリンダ6、マスト揚高検出器7、圧力センサ8、制御装置9、速度計10、荷重計11とからその主要部が構成されて居り、フルフリーマスト12を装備したものにしてある。
【0016】
走行用モータ2は、車両を走行させるもので、この例では、車輪に連繋された三相交流モータにしてあり、インバータ3を介して正転又は逆転駆動される。
【0017】
インバータ3は、走行用モータ2を駆動するもので、この例では、走行用モータ2へ供電されるバッテリ13が接続されて居り、バッテリ13の直流電力を交流電力に変換して走行用モータ2を駆動する様にしてある。
【0018】
走行操作検出器4は、走行操作部からの操作量を検出するもので、この例では、アクセルペダルやアクセルレバーの踏み込み角度を検出するポテンショメータにしてある。
【0019】
マスト用リフトシリンダ(リアリフトシリンダ)5は、固定マスト(アウタマスト)14に対して移動マスト(インナマスト)15を昇降させるもので、この例では、左右一対のものにしてあり、固定マスト14と移動マスト15の間に介設されている。
【0020】
フォーク用リフトシリンダ(フロントリフトシリンダ)6は、移動マスト15に対してフォーク16を昇降させるもので、この例では、単一のものにしてあり、移動マスト15に設けられている。
【0021】
マスト用リフトシリンダ5とフォーク用リフトシリンダ6は、フルフリーマスト12の一部を構成している。フルフリーマスト12は、フォーク16がマスト高さまで上昇する間にマストが上昇しない様にしたもので、この例では、フルフリー二段マストを例示している。
当該フルフリーマスト12は、車体の前側に前後傾動可能に設けられた固定マスト14と、これに対して昇降可能な移動マスト15と、これに対して昇降可能な昇降体(リフトブラケット及びフィンガバー)17と、これに懸架された左右のフォーク16と、固定マスト14と移動マスト15間に介設されたマスト用リフトシリンダ5と、移動マスト15に設けられたフォーク用リフトシリンダ6と、これのピストンロッドの先端に軸設されたシーブ18と、一端がフォーク用リフトシリンダ6等の固定側に止着されると共に他端が昇降体17に止着されて途中がシーブ18に掛渡されたリフトチェーン19と、作動油が貯溜されたタンク20と、これからの作動油を加圧するポンプ21と、これからの作動油を両リフトシリンダ5,6へ給排する為の切換弁22と、これからの作動油を等分に両リフトシリンダ5,6に供給する為のフローコントロールバルブ23とを備えている。
【0022】
マスト用リフトシリンダ5とフォーク用リフトシリンダ6とは、夫々そのテール室が油管に依りフローコントロールバルブ23に接続され、フォーク用リフトシリンダ6のストロークは、マスト用リフトシリンダ5の略半分にしてあると共に、そのピストン受圧面積はマスト用リフトシリンダ5より大きく為されて居り、最初にフォーク用リフトシリンダ6が伸長してこれが伸長しきるとマスト用リフトシリンダ5が伸長して行き、逆に、短縮する場合は、マスト用リフトシリンダ5が短縮した後に、フォーク用リフトシリンダ6が短縮される様に構成されている。
【0023】
マスト揚高検出器7は、フォーク用リフトシリンダ6とマスト用リフトシリンダ5との切換え作動時のマスト揚高を検出するもので、この例では、既設されているリミットスイッチを利用して固定マスト14に設けられて居り、固定マスト14に対して移動マスト15が上昇する時に作動(オン)する様に取付位置を変更している。つまり、フォーク用リフトシリンダ6が伸長しきってフォーク16が移動マスト15の上端に達した所謂フルフリーリフト状態の後、マスト用リフトシリンダ5が伸長しようとする時に作動する様にしてある。
【0024】
圧力センサ8は、両リフトシリンダ5,6への作動油の圧力を検出するもので、この例では、両リフトシリンダ5,6とフローコントロールバルブ23との間に設けられている。
【0025】
制御装置9は、走行操作検出器4に依り検出された操作量に応じてインバータ3を介して走行用モータ2を制御すると共にマスト揚高検出器7からのマスト揚高に依りインバータ3を介して走行用モータ2を減速制御し且つマスト揚高検出器7からのマスト揚高と圧力センサ8からの圧力と両リフトシリンダ5,6のシリンダ径とに基づいてフォーク16上の荷重を演算するもので、この例では、マイクロコンピュータ等に依り構成されて居り、入力側には、走行操作検出器4とマスト揚高検出器7と圧力センサ8とシリンダ径設定器24が接続されていると共に、出力側には、速度計10と荷重計11が接続され、入出力側には、インバータ3が接続されている。制御装置9は、図略しているが、バッテリ13にも接続されている。
【0026】
シリンダ径設定器24は、両リフトシリンダ5,6のシリンダ径を設定する為のものであり、制御装置9の記憶部(メモリ)に異なるシリンダ径を記憶させる為に設けられている。
【0027】
速度計10は、制御装置9からの速度を表示するもので、この例では、運転席付近に表示部として設けられている。
【0028】
荷重計11と、制御装置9からの荷重を表示するもので、この例では、速度計10と同様に運転席付近に表示部として設けられている。
【0029】
次に、この様な構成に基づいてその作用を述解する。
走行操作部が操作されると、走行操作検出器4に依りその操作量が検出されて制御装置9に依りインバータ3が制御され、インバータ3に依り走行用モータ2が駆動されて車両が走行される。この時、速度計10に依り制御装置9からの速度が表示される。
【0030】
フルフリーマスト12にあっては、フォーク用リフトシリンダ6が伸長された後にマスト用リフトシリンダ5が伸長される。フォーク用リフトシリンダ6が伸長されると、移動マスト15に対してフォーク16が上昇されると共に、マスト用リフトシリンダ5が伸長されると、固定マスト14に対して移動マスト15が上昇される。この時、フォーク16が移動マスト15の上端に達して所謂フルフリーリフト状態になり、フォーク用リフトシリンダ6とマスト用リフトシリンダ5とが切換え作動されると、マスト揚高検出器7に依りこの事が検出され、制御装置9に依りインバータ3を介して走行用モータ2が減速制御され、高揚高での車速が制限されて転倒等が防止される。
【0031】
圧力センサ8に依り両リフトシリンダ5,6への作動油の圧力が検出されると共に、マスト揚高検出器7に依りフォーク用リフトシリンダ6とマスト用リフトシリンダ5との切換え作動時のマスト揚高が検出され、両リフトシリンダ5,6のシリンダ径がシリンダ径設定器24に依り設定されているので、制御装置9では、これらに基づいてフォーク16上の荷重が演算され、荷重計11に依りその荷重が表示される。つまり、フォーク用リフトシリンダ6が作動されている時には、マスト揚高検出器7に依りこの事が検出されて制御装置9に依り圧力センサ8からの作動油の圧力とフォーク用リフトシリンダ6のシリンダ径からフォーク16上の荷重が演算されて荷重計11に依りその荷重が表示されると共に、マスト用リフトシリンダ5が作動されている時には、マスト揚高検出器7に依りこの事が検出されて制御装置9に依り圧力センサ8からの作動油の圧力とマスト用リフトシリンダ5のシリンダ径からフォーク16上の荷重が演算されて荷重計11に依りその荷重が表示される。
【0032】
制御装置9には、両リフトシリンダ5,6のシリンダ径を設定する為のシリンダ径設定器24が接続されているので、異なるシリンダ径を設定する事ができる。その結果、フォーク用リフトシリンダ6やマスト用リフトシリンダ5のシリンダ径が異なる場合でも、容易に変更できて荷重を表示する事ができる。
【0033】
次に、本発明の第二例を、図5に基づいて説明する。
第二例は、標準マスト25を装備した電気式フォークリフト1に係るものである。
つまり、当該電気式フォークリフト1は、車両を走行させる走行用モータ2と、走行用モータ2を駆動するインバータ3と、走行操作部からの操作量を検出する走行操作検出器4と、固定マスト14に対して移動マスト15を昇降させると共に移動マスト15に対してフォーク16を昇降させるリフトシリンダ26と、所定以上のマスト揚高を検出するマスト揚高検出器7と、リフトシリンダ26への作動油の圧力を検出する圧力センサ8と、リフトシリンダ26のシリンダ径を設定する為のシリンダ径設定器24と、走行操作検出器4に依り検出された操作量に応じてインバータ3を介して走行用モータ2を制御すると共にマスト揚高検出器7からのマスト揚高に依りインバータ3を介して走行用モータ2を減速制御し且つ圧力センサ8からの圧力とシリンダ径設定器24に依り設定されたリフトシリンダ26のシリンダ径に基づいてフォーク16上の荷重を演算する制御装置9と、制御装置9からの速度を表示する速度計10と、制御装置9からの荷重を表示する荷重計11と、から構成したものである。
【0034】
つまり、これは、固定マスト14に対して移動マスト15を昇降させると共に移動マスト15に対してフォーク16を昇降させるリフトシリンダ26と、リフトシリンダ26のシリンダ径を設定する為のシリンダ径設定器24とを備えた点が第一例と異なる。
この様なものは、第一例と同様に、フォーク16上の荷重を表示する事ができると共に、リフトシリンダ26のシリンダ径が異なる場合でも、容易に変更できて荷重を表示する事ができる。
【0035】
尚、インバータ3は、先の例では、バッテリ13から給電されていたが、これに限らず、例えばエンジンに依り駆動される発電機から給電される様にしても良い。
フルフリーマスト12は、先の例では、フルフリー二段マストであったが、これに限らず、例えばフルフリー三段マストやフルフリー四段マスト等でも良い。
【符号の説明】
【0036】
1…電気式フォークリフト、2…走行用モータ、3…インバータ、4…走行操作検出器、5…マスト用リフトシリンダ、6…フォーク用リフトシリンダ、7…マスト揚高検出器、8…圧力センサ、9…制御装置、10…速度計、11…荷重計、12…フルフリーマスト、13…バッテリ、14…固定マスト、15…移動マスト、16…フォーク、17…昇降体、18…シーブ、19…リフトチェーン、20…タンク、21…ポンプ、22…切換弁、23…フローコントロールバルブ、24…シリンダ径設定器、25…標準マスト、26…リフトシリンダ、50…電気式フォークリフト、51…走行用モータ、52…インバータ、53…走行操作検出器、54…リフトシリンダ、55…マスト揚高検出器、56…圧力センサ、57…制御装置、58…速度計、59…荷重計、60…バッテリ、70…電気式フォークリフト、71…マスト用リフトシリンダ、72…フォーク用リフトシリンダ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両を走行させる走行用モータと、走行用モータを駆動するインバータと、走行操作部からの操作量を検出する走行操作検出器と、移動マストに対してフォークを昇降させるフォーク用リフトシリンダと、固定マストに対して移動マストを昇降させるマスト用リフトシリンダと、フォーク用リフトシリンダとマスト用リフトシリンダとの切換え作動時のマスト揚高を検出するマスト揚高検出器と、両リフトシリンダへの作動油の圧力を検出する圧力センサと、走行操作検出器に依り検出された操作量に応じてインバータを介して走行用モータを制御すると共にマスト揚高検出器からのマスト揚高に依りインバータを介して走行用モータを減速制御し且つマスト揚高検出器からのマスト揚高と圧力センサからの圧力と両リフトシリンダのシリンダ径とに基づいてフォーク上の荷重を演算する制御装置と、制御装置からの速度を表示する速度計と、制御装置からの荷重を表示する荷重計と、から構成した事を特徴とする電気式フォークリフト。
【請求項2】
両リフトシリンダのシリンダ径を設定する為のシリンダ径設定器を備えている請求項1に記載の電気式フォークリフト。
【請求項3】
車両を走行させる走行用モータと、走行用モータを駆動するインバータと、走行操作部からの操作量を検出する走行操作検出器と、移動マストに対してフォークを昇降させると共に固定マストに対して移動マストを昇降させるリフトシリンダと、所定以上のマスト揚高を検出するマスト揚高検出器と、リフトシリンダへの作動油の圧力を検出する圧力センサと、リフトシリンダのシリンダ径を設定する為のシリンダ径設定器と、走行操作検出器に依り検出された操作量に応じてインバータを介して走行用モータを制御すると共にマスト揚高検出器からのマスト揚高に依りインバータを介して走行用モータを減速制御し且つ圧力センサからの圧力とシリンダ径設定器に依り設定されたリフトシリンダのシリンダ径に基づいてフォーク上の荷重を演算する制御装置と、制御装置からの速度を表示する速度計と、制御装置からの荷重を表示する荷重計と、から構成した事を特徴とする電気式フォークリフト。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2011−111249(P2011−111249A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−266897(P2009−266897)
【出願日】平成21年11月25日(2009.11.25)
【出願人】(000003241)TCM株式会社 (319)
【Fターム(参考)】