説明

電池蓋の取付構造

【課題】 電池蓋を電池収納部にガタツクことなく確実に且つ良好に取り付けることができる電池蓋の取付構造を提供する。
【解決手段】 機器ケース1に設けられた電池収納部5を電池蓋6で開閉可能に塞いで、電池蓋6を電池収納部5に取り付ける際に、電池収納部5の外周に位置する箇所に設けられた取付凹部12に、電池蓋6の内面に突出して設けられた弾性圧入部13を弾力的に圧入させることができる。このため、電池蓋6と電池収納部5との寸法にバラツキが生じても、その寸法のバラツキによる電池蓋6のガタツキを弾性圧入部13の弾力によって吸収することができ、これにより電池蓋6を電池収納部5にガタツクことなく確実に且つ良好に取り付けることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子辞書、電子式小型計算機、携帯情報端末機(PDA:パーソナル・デジタル・アシスタント)、携帯電話機、パーソナルコンピュータなどの各種の電子機器に用いられる電池蓋の取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、電子辞書においては、特許文献1に記載されているように、機器ケース内に電池収納部を設け、この電池収納部を電池蓋で開閉可能に塞ぐように構成されている。このような電子辞書における機器ケースは、上部ケースと下部ケースとをヒンジ部によって開閉可能に取り付けられている。電池収納部は、下部ケースと下部ケースとにおけるヒンジ部間に位置する箇所に細長く形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−118809号公報
【0004】
この場合、電池収納部は、その内部がほぼ丸棒状の空間部に形成され、下部ケースの裏面側および上部ケースの背面側に開放されている。これにより、電池収納部は、円柱状の電池を複数直線的に並べて収納するように構成されている。これに伴って、電池蓋は、一側部がほぼ半円弧状に湾曲した細長い板状に形成され、電池収納部の開放部分を塞ぐように構成されている。
【0005】
また、電池収納部における長手方向と直交する幅方向の両側縁部には、複数の係止部がそれぞれ設けられている。一方、電池蓋における長手方向と直交する幅方向の両側縁部には、電池収納部の複数の係止部に係脱可能に係止される係合部がそれぞれ設けられている。これにより、電池蓋は、その複数の係合部を電池収納部の複数の係止部に係合させることにより、電池収納部を塞いだ状態で、電池収納部に着脱可能に取り付けられるように構成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような電子辞書における電池蓋の取付構造では、電池蓋が細長い板状であるため、この電池蓋を成型用の金型で成型した際に、成型後の電池蓋の寸法にバラツキが生じやすい。このように電池蓋の寸法にバラツキが生じた場合、電池蓋の寸法公差が最小で、下部ケースの寸法公差が最大であると、電池収納部に電池蓋を取り付けた際に電池収納部と電池蓋との間に隙間が生じ、この隙間によって電池蓋がガタツキやすくなり、機器ケースの振動によって異音を発生するなどの問題がある。
【0007】
この発明が解決しようとする課題は、電池蓋を電池収納部にガタツクことなく確実に且つ良好に取り付けることができる電池蓋の取付構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、機器ケースに設けられた電池収納部と、この電池収納部を開閉可能に塞ぐ電池蓋と、前記電池収納部における両側の縁部にそれぞれ設けられた複数の係止部と、前記電池蓋の両側の縁部にそれぞれ設けられて前記複数の係止部にそれぞれ係脱可能に係止される複数の係合部とを備えた電池蓋の取付構造において、前記電池収納部の外周に位置する箇所に設けられた取付凹部と、前記電池蓋の内面に突出して設けられ、前記電池蓋が前記電池収納部を塞いだ際に、前記取付凹部に弾力的に圧入する弾性圧入部とを備えていることを特徴とする電池蓋の取付構造である。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、電池収納部を塞いで電池蓋が電池収納部に取り付けられる際に、電池蓋の弾性圧入部を電池収納部の取付凹部に弾力的に圧入させることができる。このため、電池蓋と電池収納部との寸法にバラツキが生じても、その寸法のバラツキによる電池蓋のガタツキを弾性圧入部の弾力によって吸収することができる。これにより、電池蓋を電池収納部にガタツクことなく確実に且つ良好に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明を電子辞書に適用した一実施形態における裏面側を示した斜視図である。
【図2】図1に示された電子辞書において電池蓋を取り外した状態を示した斜視図である。
【図3】図2に示された電子辞書において電池収納部側から見て示した斜視図である。
【図4】図1に示された電子辞書のA部を示した拡大斜視図である。
【図5】図4に示された電子辞書の要部における断面を示し、(a)はそのA−A矢視の拡大断面図、(b)はそのB−B矢視の拡大断面図である。
【図6】図1に示された電子辞書の電池蓋を示し、(a)はその拡大斜視図、(b)はその電池蓋を内側から見た拡大斜視図である。
【図7】図6(a)に示された電池蓋の弾性圧入部と足部との箇所における断面を示し、(a)はそのC−C矢視における拡大断面図、(b)はそのD−D矢視における拡大断面図である。
【図8】図2に示された電子辞書の下部ケースを示した拡大斜視図である。
【図9】図8に示された下部ケースにおけるB部を示した拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図1〜図9を参照して、この発明を電子辞書に適用した一実施形態について説明する。
この電子辞書は、図1および図2に示すように、機器ケース1を備えている。この機器ケース1は、下部ケース2(図1では上部側)と上部ケース3(図1では下部側)とを一対のヒンジ部4によって開閉可能に連結した構成になっている。
【0012】
下部ケース2は、図1および図2に示すように、ほぼ平板状に形成されており、上部ケース3も、下部ケース2と同じ大きさの平板状に形成されている。一対のヒンジ部4は、下部ケース2と上部ケース3との一端部(図1では上辺部)における両側部に設けられ、下部ケース2と上部ケース3とを回転可能に連結するように構成されている。これにより、下部ケース2と上部ケース3とは、一対のヒンジ部4を中心に回転して閉じた際に、互いに重なり合うように形成されている。
【0013】
この場合、一対のヒンジ部4間に位置する箇所の機器ケース1には、図2に示すように、電池収納部5が設けられている。この電池収納部5は、その内部がほぼ丸棒状の空間部に形成され、下部ケース2の裏面側(図2では上面側)および上部ケース3の背面側(図2では上辺側)に開放されている。これにより、電池収納部5は、円柱状の電池(図示せず)を複数直線的に並べた状態で収納するように構成されている。
【0014】
この電池収納部5には、図1および図4に示すように、電池蓋6が着脱可能に取り付けられるように構成されている。この電池蓋6は、図6(a)および図6(b)に示すように、その一側部(図6(b)では上辺部)がほぼ半円弧状に湾曲した細長いほぼ板状に形成されている。これにより、この電池蓋6は、電池収納部5の裏面および背面を塞いだ状態で、機器ケース1に着脱可能に取り付けられるように構成されている。
【0015】
この場合、電池蓋6の一側部(図6(b)では上辺部)には、図6(a)および図6(b)に示すように、複数の係合凹部7が電池蓋6の一側部に位置する縁部に沿って設けられている。また、この電池蓋6の他側部(図6(b)では下辺側)には、複数の係合フック8が電池蓋6の他側部に位置する縁部からそれぞれ突出して設けられている。
【0016】
電池蓋6の一側部に設けられた複数の係合凹部7は、図2および図3に示すように、電池収納部5の背面側に開放された上部ケース3の縁部に設けられた係止凸部10に係脱可能に係合するように形成されている。また、電池蓋6の他側部に設けられた複数の係合フック8は、電池収納部5の裏面(図2では上面)に開放された下部ケース2の縁部に設けられた係止孔部11に係脱可能に挿入して係止されるように構成されている。
【0017】
ところで、電池収納部5の長手方向の両側に位置する外周部、つまり一対のヒンジ部4に隣接する電池収納部5の外部両側には、図2および図8に示すように、取付凹部12が電池収納部5の長手方向と直交する幅方向に沿って設けられている。一方、電池蓋6には、図5および図7に示すように、電池収納部5の取付凹部12内に弾力的に圧入する弾性圧入部13が設けられている。
【0018】
この弾性圧入部13は、図5および図7に示すように、電池蓋6の内面(図5(a)では下面)に突出して設けられ、電池蓋6が電池収納部5を塞いだ際に、電池収納部5の取付凹部12内に弾力的に圧入するように構成されている。また、この弾性圧入部13は、その一部が電池蓋6の貫通孔6aを通して電池蓋6の外面(図5(a)では上面)に露出し、この露出した部分に弾力性を有する足部14が一体に形成されている。
【0019】
この弾性圧入部13および足部14は、ゴムやエラストマーなどの弾性を有する合成樹脂によって一体に形成されている。また、弾性圧入部13と足部14との間には、図5および図7に示すように、括れ部15が設けられている。この括れ部15は、電池蓋6に設けられた貫通孔6aに嵌め込まれることにより、弾性圧入部13と足部14とを電池蓋6に取り付けるように構成されている。
【0020】
この場合、足部14は、図4〜図7に示すように、ほぼ円形の板状に形成され、電池蓋6の外面(図4では上面)に設けられた円形状の枠部16内に配置され、この状態で枠部16の外部(図5(a)では上部)に突出して設けられている。また、弾性圧入部13は、足部14の円形内に位置する長方形の板状に形成されている。この弾性圧入部13と足部14とは、弾性圧入部13の外形よりも小さい長方形の括れ部15によって連結されている。電池蓋6の貫通孔6aは、括れ部15とほぼ同じ大きさに形成されている。
【0021】
一方、電池収納部5の取付凹部12は、図8および図9に示すように、電池収納部5の長手方向と直交する幅方向に沿って弾性圧入部13の長手方向の長さよりも長く、且つ弾性圧入部13の長手方向と直交する幅方向の長さよりも、少し狭い幅で形成されている。また、この取付凹部12は、図5(a)および図5(b)に示すように、その深さが弾性圧入部13の厚み(つまり電池蓋6からの突出長さ)とほぼ同じ大きさに形成されている。これにより、弾性圧入部13は、電池蓋6が電池収納部5を塞ぐ際に、取付凹部12内に弾力的に圧入するように構成されている。
【0022】
また、この取付凹部12内には、図5、図8および図9に示すように、弾性圧入部13を側方から押圧して食い込む押圧突起部17が設けられている。この押圧突起部17は、取付凹部12の内側面におけるほぼ中間部に、この内側面と対向する内側面に向けて突出して設けられている。これにより、この押圧突起部17は、図5(b)に示すように、弾性圧入部13が取付凹部12内に弾力的に圧入する際に、弾性圧入部13に食い込んで押圧するように構成されている。
【0023】
次に、このような電池蓋6を電池収納部5に取り付ける場合について説明する。
この場合には、予め、弾性圧入部13と足部14とを電池蓋6に取り付ける。すなわち、弾性圧入部13を電池蓋6の枠部16内から電池蓋6の貫通孔6aに押し込み、この弾性圧入部13を貫通孔6aの下側に押し出す。
【0024】
このときには、電池蓋6の貫通孔6aが弾性圧入部13の外形よりも少し小さい長方形状に形成されているので、弾性圧入部13を貫通孔6aに押し込むと、弾性圧入部13が弾性変形しながら貫通孔6aを通り抜けて押し出される。すると、括れ部15が電池蓋6の貫通孔6aに嵌め込まれる。これにより、弾性圧入部13と足部14とが電池蓋6に取り付けられる。
【0025】
そして、電池収納部5内に電池(図示せず)を直線的に配列させた状態で収納し、この後、電池収納部5を電池蓋6で塞ぐ。このときには、電池蓋5の長手方向に沿う端部に設けられた複数の係合フック8を、電池収納部5の長手方向に沿う縁部に設けられた複数の係止孔部11にそれぞれ挿入させ、この状態で複数の係止孔部11に挿入された複数の係合フック8を中心に電池蓋6を回転させて、電池収納部5を電池蓋6で塞ぐ。
【0026】
すなわち、複数の係合フック8を中心に電池蓋6を回転させると、電池蓋6の弾性圧入部13が電池収納部5の外周に位置する取付凹部12内に弾力的に圧入した後、電池蓋5の長手方向に沿う端部に設けられた複数の係合凹部7が、電池収納部5の長手方向に沿う縁部に設けられた複数の係止凸部10にそれぞれ係止される。これにより、電池蓋6が電池収納部5にこれを塞いで取り付けられる。
【0027】
この場合、弾性圧入部13は、その長手方向の長さが取付凹部12の長手方向の長さよりも少し短く、弾性圧入部13の長手方向と直交する幅方向の長さが取付凹部12の幅方向の長さよりも少し長い長方形の板状に形成されているので、弾性圧入部13を取付凹部12に圧入する際に、弾性圧入部13がその長手方向に伸び、その幅方向に圧縮するように弾性変形する。これにより、弾性圧入部13が弾性変形しながら取付凹部12内に押し込まれる
【0028】
また、このときには、図5(b)に示すように、取付凹部12内に設けられた押圧突起部17が弾性圧入部13に側方から食い込む。このため、弾性圧入部13は取付凹部12内にその長手方向と直交する幅方向に押圧されて位置規制されると共に、取付凹部12内の長手方向にも位置規制される。これにより、電池蓋6は、取付凹部12に対する弾性圧入部13の圧入により、電池蓋6の長手方向とこれに直交する幅方向との位置が確実に且つ良好に規制される。
【0029】
この場合、電池蓋6が細長い板状であることにより、この電池蓋6を成型用の金型で成型した際に、成型後の電池蓋6の寸法にバラツキが生じやすい。例えば、電池蓋6の寸法公差が最小で、下部ケース2の寸法公差が最大である場合に、電池収納部5に電池蓋6を取り付けると、電池収納部5と電池蓋6との間に隙間が生じる。このように寸法公差によって電池蓋6にガタツキが生じても、そのガタツキが弾性圧入部13の弾力によって吸収される。
【0030】
すなわち、電池蓋6が電池収納部5に取り付けられている際に、電池蓋6の弾性圧入部13が電池収納部5の取付凹部12に弾力的に圧入するので、電池収納部5と電池蓋6との間に隙間が生じても、その隙間によって電池蓋6がガタツクことなく、電池収納部5に電池蓋6が弾力的に取り付けられる。このため、機器ケース1が外部から衝撃などを受けて振動しても、その振動によって電池蓋6がガタツイて異音などを発生することがなく、良好に使用することができる。
【0031】
このように、この電池蓋6の取付構造によれば、機器ケース1に設けられた電池収納部5を電池蓋6で開閉可能に塞いで、電池蓋6を電池収納部5に取り付ける際に、電池収納部5の外周に位置する箇所に設けられた取付凹部12に、電池蓋6の内面に突出して設けられた弾性圧入部13を弾力的に圧入させることにより、電池蓋6を電池収納部5にガタツクことなく確実に且つ良好に取り付けることができる。
【0032】
すなわち、この電池蓋6の取付構造では、電池収納部5を塞いで電池蓋6が電池収納部5に取り付けられる際に、電池蓋6の弾性圧入部13を電池収納部5の取付凹部12に弾力的に圧入させることができるので、電池蓋6と電池収納部5との各寸法にバラツキが生じても、その寸法のバラツキによる電池蓋6のガタツキを弾性圧入部13の弾力によって吸収することができ、これにより電池蓋6を電池収納部5にガタツクことなく確実に且つ良好に取り付けることができる。
【0033】
この場合、電池収納部5の取付凹部12は、電池収納部5の長手方向と直交する幅方向に沿って長い長方形状に形成されており、電池蓋6の弾性圧入部13は、その長手方向の長さが取付凹部12の長手方向の長さよりも少し短く、弾性圧入部13の長手方向と直交する幅方向の長さが取付凹部12の幅方向の長さよりも少し長い長方形の板状に形成されているので、弾性圧入部13を取付凹部12に圧入する際に、弾性圧入部13をその長手方向に伸ばし、その幅方向に圧縮させるように弾性変形させることができ、これにより弾性圧入部13を取付凹部12に確実に且つ良好に弾力的に圧入させることができる。
【0034】
また、この電池蓋6の取付構造では、弾性圧入部13に側方から食い込む押圧突起部17が取付凹部12内に設けられていることにより、弾性圧入部13を取付凹部12に弾力的に圧入させる際に、押圧突起部17を弾性圧入部13に側方から食い込ませることができる。これにより、電池収納部5に対する電池蓋6の長手方向とこれに直交する幅方向との位置を確実に且つ良好に規制することができる。これにより、電池収納部5に対する電池蓋6のガタツキを、より一層、確実に且つ良好に防ぐことができる。
【0035】
この場合、弾性圧入部13は、取付凹部12の長手方向の長さよりも少し短く、取付凹部12の長手方向と直交する幅方向の長さが取付凹部12の幅方向の長さよりも少し長い長方形の板状に形成されており、この弾性圧入部13の長手方向におけるほぼ中間部に押圧突起部17が食い込むので、弾性圧入部13を取付凹部12に圧入する際に、押圧突起部17が弾性圧入部13をその長手方向に伸ばし、その幅方向に圧縮させるように弾性変形させことができ、これにより弾性圧入部13に押圧突起部17を確実に且つ良好に食い込ませることができる。
【0036】
また、弾性圧入部13は、その一部が電池蓋6の貫通孔6aを通して電池蓋6の外面に露出し、この露出した部分に弾力性を有する足部14が一体に形成されていることにより、弾性圧入部13を別部品として製作する必要がなく、足部14をゴムやエラストマーなどの弾性を有する合成樹脂で製作する際に、これと同時に製作することができる。このため、生産性が良く、部品点数の増加を防ぐことができるので、低コスト化を図ることができる。
【0037】
さらに、弾性圧入部13と足部14との間には、括れ部15が設けられており、この括れ部15は、電池蓋6に設けられた貫通孔6aに嵌め込まれていることにより、弾性圧入部13と足部14とを電池蓋6に簡単に取り付けることができる。すなわち、弾性圧入部13を電池蓋6の枠部16内から電池蓋6の貫通孔6aに押し込み、この弾性圧入部13を貫通孔6aの下側に押し出すと、括れ部15を電池蓋6の貫通孔6aに嵌め込むことができる。このため、弾性圧入部13と足部14とを電池蓋6に簡単に且つ確実に取り付けることができる。
【0038】
なお、上述した実施形態では、取付凹部12が電池収納部5の長手方向と直交する幅方向に沿って細長い長方形状に形成され、弾性圧入部13が取付凹部12の長手方向と直交する幅方向に沿って細長い長方形状に形成されている場合について述べたが、これに限らず、例えば取付凹部12を電池収納部5の長手方向に沿って細長い長方形状に形成し、弾性圧入部13を取付凹部12の長手方向に沿って細長い長方形状に形成しても良い。
【0039】
また、これに限らず、取付凹部12と弾性圧入部13とは、弾性圧入部13が取付凹部12に弾力的に圧入する形状であれば、長方形状に限らず、四角形、五角形などの多角形状や、星形形状、楕円形状など、任意の形状に形成しても良い。
【0040】
さらに、上述した実施形態では、電子辞書に適用した場合について述べたが、必ずしも電子辞書である必要はなく、例えば電子式小型計算機、携帯情報端末機(PDA:パーソナル・デジタル・アシスタント)、携帯電話機などの携帯型の電子機器に適用することができる。また、これに限らず、パーソナルコンピュータなどの電子機器にも広く適用することができる。
【0041】
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は、これに限られるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下に、本願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0042】
(付記)
請求項1に記載の発明は、機器ケースに設けられた電池収納部と、この電池収納部を開閉可能に塞ぐ電池蓋と、前記電池収納部における両側の縁部にそれぞれ設けられた複数の係止部と、前記電池蓋の両側の縁部にそれぞれ設けられて前記複数の係止部にそれぞれ係脱可能に係止される複数の係合部とを備えた電池蓋の取付構造において、
前記電池収納部の外周に位置する箇所に設けられた取付凹部と、前記電池蓋の内面に突出して設けられ、前記電池蓋が前記電池収納部を塞いだ際に、前記取付凹部に弾力的に圧入する弾性圧入部とを備えていることを特徴とする電池蓋の取付構造である。
【0043】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電池蓋の取付構造において、前記取付凹部内には、前記弾性圧入部に側方から食い込む押圧突起部が設けられていることを特徴とする電池蓋の取付構造である。
【0044】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の電池蓋の取付構造において、前記弾性圧入部は、その一部が前記電池蓋を通して外面に露出し、この露出した部分に弾力性を有する足部が一体に形成されていることを特徴とする電池蓋の取付構造である。
【0045】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の電池蓋の取付構造において、前記弾性圧入部と前記足部との間には、括れ部が設けられており、この括れ部は、前記電池蓋に設けられた貫通孔に嵌め込まれていることを特徴とする電池蓋の取付構造である。
【符号の説明】
【0046】
1 機器ケース
2 下部ケース
3 上部ケース
4 ヒンジ部
5 電池収納部
6 電池蓋
6a 貫通孔
7 係合凹部
8 係合フック
10 係止凸部
11 係止孔部
12 取付凹部
13 弾性圧入部
14 足部
15 括れ部
17 押圧突起部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器ケースに設けられた電池収納部と、この電池収納部を開閉可能に塞ぐ電池蓋と、前記電池収納部における両側の縁部にそれぞれ設けられた複数の係止部と、前記電池蓋の両側の縁部にそれぞれ設けられて前記複数の係止部にそれぞれ係脱可能に係止される複数の係合部とを備えた電池蓋の取付構造において、
前記電池収納部の外周に位置する箇所に設けられた取付凹部と、
前記電池蓋の内面に突出して設けられ、前記電池蓋が前記電池収納部を塞いだ際に、前記取付凹部に弾力的に圧入する弾性圧入部と
を備えていることを特徴とする電池蓋の取付構造。
【請求項2】
請求項1に記載の電池蓋の取付構造において、前記取付凹部内には、前記弾性圧入部に側方から食い込む押圧突起部が設けられていることを特徴とする電池蓋の取付構造。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の電池蓋の取付構造において、前記弾性圧入部は、その一部が前記電池蓋を通して外面に露出し、この露出した部分に弾力性を有する足部が一体に形成されていることを特徴とする電池蓋の取付構造。
【請求項4】
請求項3に記載の電池蓋の取付構造において、前記弾性圧入部と前記足部との間には、括れ部が設けられており、この括れ部は、前記電池蓋に設けられた貫通孔に嵌め込まれていることを特徴とする電池蓋の取付構造。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−77437(P2013−77437A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−216478(P2011−216478)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】