電源ユニットの制御装置、制御方法、制御プログラム、制御回路及び電源システム
【課題】 本発明の目的は、上述した問題点を解決した、並列接続された電源ユニットの制御を行う電源制御装置、電源制御方法、電源制御プログラム、電源制御回路、及び並列接続された電源ユニットとそれらの制御を行う電源制御装置を含む電源システムを提供することにある。
【解決手段】 本発明の電源制御装置は、同一の負荷に対して並列に接続された複数の電源ユニットのうちの少なくとも一つの電力供給が減少して、当該電源ユニットに含まれる冷却のためのファンが停止した場合に、他の前記電源ユニットの前記負荷への電力供給が均等になるよう制御を行う電源制御手段を含む。
【解決手段】 本発明の電源制御装置は、同一の負荷に対して並列に接続された複数の電源ユニットのうちの少なくとも一つの電力供給が減少して、当該電源ユニットに含まれる冷却のためのファンが停止した場合に、他の前記電源ユニットの前記負荷への電力供給が均等になるよう制御を行う電源制御手段を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電源ユニットの制御装置、制御方法、制御プログラム、制御回路及び電源システムに関し、特に、複数の並列接続された電源ユニットにおいて冗長な電源のファンの駆動電力と騒音を削減する電源制御装置、制御方法、制御プログラム、制御回路、及び並列接続された電源ユニットとそれらの制御を行う電源制御装置を含む電源システムに関する。
【背景技術】
【0002】
必要な電力が異なる機器への柔軟な対応と電源の信頼性向上のために、必要とされる電力と同等以下の容量の電源ユニットを、必要な電力と冗長性に合わせて必要な個数だけ組み合わせて並列に接続した並列接続冗長電源システムの開発が行われている。
【0003】
複数の電源ユニットを並列運転する方式の一例が特許文献1に記載されている。
【0004】
特許文献1に記載されている複数の電源ユニットのそれぞれは、調整可能な基準電圧を発生する回路と、該回路の出力である基準電圧を自己を含む全ての電源ユニットに対して送信する回路と、他の電源ユニットから送信される基準電圧を受信する回路と、受信した基準電圧に基づいて出力電力を決定する回路とを含む。また、上記電源ユニットは、さらに、自らの出力電流値を表す第1の電圧を検出する出力電流検出回路と、並列運転される他の電源装置の出力電流を表す第2の電圧を検出する端子と、受信した基準電圧を第1および第2の電圧間の差が無くなるよう上昇させて出力電流のバランスを取る回路を含む。
【0005】
特許文献1に記載の並列運転方式においては、複数の電源ユニットのうちの1台がマスター、他がスレーブとされ、マスターが発生し送信する基準電圧を、マスター及び各スレーブは受信する。マスター及び各スレーブは、マスターが発生する基準電圧に出力電圧を合わせ、更に前記第1および第2の電圧間に差がある場合はその差が無くなるよう基準電圧を上昇させ、各電源ユニットの出力電流のバランスをとるように動作する。
【0006】
また、特許文献2には負荷に対する出力電流の変動がある場合に、出力電圧を所定の要求精度内に維持する並列冗長電源システムの例が記載されている。
【0007】
特許文献2に記載の並列冗長電源システムは、外部交流電源及び目的の負荷に並列に接続された冗長構成の複数のAC−DCスイッチング電源を含む。該AC−DCスイッチング電源は、自電源出力電流検出部、比較部、最大電流追従制御部、出力電圧安定化制御部、基準電圧生成部、および基準電圧補正部を含み、並列動作する他の電源と相互に信号線により接続されており、概略以下のように動作する。
【0008】
自電源出力電流検出部は自電源の出力電流を検出し、比較部へ出力すると共にダイオードを経由して信号線上に出力する。信号線上の電圧は、接続されている複数の電源の最大電流に相当する電圧になっている。比較部は自電源の出力電流信号と信号線上の最大電流信号とを比較する。自電源の出力電流の方が小さければ、最大電流追従制御部は出力電圧安定化制御部に出力電圧を上昇させる信号を送信することで、並列接続されている電源の出力電流のバランスを取る。
【0009】
しかし、出力電圧安定化制御部が出力電圧を決めるために基準電圧生成部から得る基準電圧は、出力電流の変化により変動する。基準電圧補正部は出力電圧の変化による基準電圧の変化を最小化し、並列化電源に通常組み込まれている逆電流防止用ダイオードによる電圧降下の変化を打ち消すよう動作することで、平衡状態での動作時における出力電圧の精度を高める。
【0010】
特許文献3には、複数の電源モジュールを並列接続した並列電源システムの例が記載されている。
【0011】
特許文献3に記載の並列電源システムは、並列に接続された複数の電源モジュールを含む。電源モジュールはモジュールの出力電流および出力電圧を感知する電流感知回路及び電圧感知回路と、マイクロプロセッサと、複数の電源モジュールのマイクロプロセッサ間を接続し通信を可能にする通信リンクと、ファンとを含む。ファンには、回転数を出力するタコメータと、温度計が取り付けられている。この並列電源システムは以下のように動作する。
【0012】
電流感知回路又は電圧感知回路で感知した電源モジュールの出力電流又は出力電圧の値は、マイクロプロセッサに与えられる。マイクロプロセッサは、電源モジュールの出力電流又は出力電圧が所定の範囲から逸脱しないよう制御する。また、マイクロプロセッサは、複数の電源モジュールから選択されたマスタ・モジュールのマイクロプロセッサにより計算された各電源モジュールの平均出力電流に、各電源モジュールの出力電流が近接するよう電源モジュールの出力電圧を制御する。
【0013】
また、マイクロプロセッサは、ファンに取り付けられている温度計で計測される温度に基づいてファンの適切な回転速度を決定し、ファンに与える電圧を制御することで適切な回転速度になるようファンの回転速度を制御する。更に、マイクロプロセッサはファンに最大電圧を与えた時の回転数が低下しているか否かにより、ファンの故障を予想する。
【0014】
特許文献4には、複数の電源装置を含む電子機器における電源冷却システムの例が記載されている。
【0015】
特許文献4に記載の電源冷却システムは、複数の電源装置と、冷却制御部と、電源搭載数検出部と、電源稼働数検出部とを含み、PCサーバ等の電子機器に組み込まれる。該電子機器に搭載される電源装置の台数は、負荷や電源に要求される冗長性に応じて変更することができる。電源装置は、回転数の外部からの制御が可能な複数の冷却ファンと、電源装置が実装されている位置を検出する位置検出部とを含む。この電源冷却装置は、以下のように動作する。
【0016】
電源搭載数検出部はPCサーバ等の電子機器に搭載されている電源装置の台数を検出し、電源稼働数検出部は故障し停止している電源装置を除いた稼働中の電源装置の台数を検出する。さらに、位置検出部は、電源装置が搭載されている位置を検出する。冷却制御部は、負荷と電源装置の搭載台数に応じた負荷への出力と、電源装置が搭載される場所の条件や環境とによって、各電源装置に対して最適な冷却能力を設定し、各電源装置に含まれる冷却ファンの回転数の制御を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特開平4−322129号公報
【特許文献2】特開平9−93929号公報
【特許文献3】特開平10−94252号公報
【特許文献4】特開2000−307283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
しかしながら、特許文献1及び2に記載の技術は、並列接続された複数の電源装置間で、全ての電源装置の出力電力を均等にしてバランスを取るものであり、全ての電源装置を駆動するので全ての電源装置に含まれるファンを稼働させ続けて冷却を行う必要があった。そのため、電源装置の台数が負荷に対して冗長であっても、冗長分の電源のファンを停止してファンの駆動電力を削減することはできないという問題があった。
【0019】
また、特許文献3に記載の技術は電源装置の出力が均等になるよう制御し、電源装置の出力に対して最適な回転速度でファンを動作させるものであり、さらに、特許文献4に記載の技術は電源装置の出力と設置位置に対して最適な回転数でファンを動作させるものであるが、正常な全ての電源装置の出力電力が均等であることを前提としていた。そのため、電源装置の台数が負荷に対して冗長であっても、冗長分の電源のファンを停止してファンの駆動電力を削減することはできないという問題があった。
【0020】
本発明の目的は、上述した問題点を解決した、並列接続された電源ユニットの制御を行う電源制御装置、電源制御方法、電源制御プログラム、電源制御回路、及び並列接続された電源ユニットとそれらの制御を行う電源制御装置を含む電源システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の電源制御装置は、同一の負荷に対して並列に接続された複数の電源ユニットのうちの少なくとも一つの電力供給が減少して、当該電源ユニットに含まれる冷却のためのファンが停止した場合に、他の前記電源ユニットの前記負荷への電力供給が均等になるよう制御を行う電源制御手段を含む。
【0022】
本発明の電源制御方法は、同一の負荷に対して並列に接続された複数の電源ユニットのうちの少なくとも一つの電力供給が減少して、当該電源ユニットに含まれる冷却のためのファンが停止した場合に、他の前記電源ユニットの前記負荷への電力供給が均等になるよう制御を行う。
【0023】
本発明の電源システムは、同一の負荷に対して並列に接続された複数の電源ユニットと、電源制御装置とを含み、前記複数の電源ユニットのそれぞれは、出力電圧を設定する信号を受信し、該受信した出力電圧を設定する信号により自身が出力する電圧を決定する電圧調整手段と、自身が出力する電力を測定する電力測定手段と、前記電力測定手段により測定した電力値を送信する電力値送信手段と、冷却のためのファンとを備え、前記電源制御装置は、前記複数の電源ユニットのうちの少なくとも一つの電力供給が減少して、当該電源ユニットに含まれる前記ファンが停止した場合に、他の前記電源ユニットの前記負荷への電力供給が均等になるよう制御を行う電源制御手段を備える。
【0024】
本発明の電源システム制御方法は、同一の負荷に対して並列に接続された複数の電源ユニットのそれぞれにおいて、出力電圧を設定する信号を受信し、該受信した出力電圧を設定する信号により自身が出力する電圧を決定するステップと、各前記電源ユニットにおいて、自身が出力する電力を測定し、測定した電力値を送信するステップと、電源制御装置において、前記複数の電源ユニットのうちの少なくとも一つの電力供給が減少して、当該電源ユニットに含まれるファンが停止した場合に、他の前記電源ユニットの前記負荷への電力供給が均等になるよう制御を行うステップとを含む。
【0025】
本発明のプログラムは、同一の負荷に対して並列接続された複数の電源ユニットのうちの少なくとも一つの出力電力を低下させる処理と、他の前記電源ユニットの前記負荷への電力供給が均等になるよう制御を行う処理とをコンピュータに行わせる。
【0026】
本発明の回路は、同一の負荷に対して並列接続された複数の電源ユニットのうちの少なくとも一つの出力電力を低下させ、他の前記電源ユニットの前記負荷への電力供給が均等になるよう制御する電源制御手段を備える。
【発明の効果】
【0027】
本発明は、負荷に対して冗長な台数の電源装置を並列接続した電源システムにおいて、冗長台数分のファンの駆動電力を削減できるという効果を奏する。また、冗長台数分のファンの騒音を削減できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】第1の実施形態における電源制御装置1を示す図である。
【図2】第1の実施形態における電源装置1の動作例を示す図である。
【図3】第2の実施形態における電源システムの構成例を示す図である。
【図4】第2の実施形態における電源ユニットの構成例を示す図である。
【図5】第2、第3の実施形態における電源制御装置の構成例を示す図である。
【図6】第2の実施形態における電源システムの動作例を示す図である。
【図7】第3の実施形態における電源システムの動作例を示す図である。
【図8】第4、第5の実施形態における電源システムの構成例を示す図である。
【図9】第4の実施形態における電源システムの動作例を示す図である。
【図10】第5の実施形態における電源システムの動作例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
次に、本発明について図面を参照して詳細に説明する。
【0030】
図1は本発明の電源制御装置の第1の実施形態の構成を示す図である。
【0031】
図1を参照すると、第1の実施形態に係る電源制御装置1は電圧制御線21〜23に接続されており、電源制御手段11を含む。電圧制御線21〜23は、それぞれ電源ユニット3A〜3Cと接続されている。
【0032】
電源ユニットは交流を直流に変換して負荷に対して供給する機器である。本実施形態における電源制御装置1は、電源制御手段11により、電圧制御線21〜23を介して、いわゆるN+1冗長構成になっている複数台の電源ユニットの制御を行う。
【0033】
N+1冗長構成とは、全ての電源ユニットの出力電力の合計は必要な電力より電源ユニット1台分多く、各電源ユニットは電流の逆流防止のダイオードを介して負荷に対して並列接続されている構成のことを指す。図1の電源ユニットの数は3台であるが、これは一例であり、3台に限られるものではない。
【0034】
電源制御手段11は、電圧制御線21〜23を介して、それぞれの電圧制御線に接続されている電源ユニットに対して、個別に出力電圧を設定する信号を送信することで、電源ユニットの出力電圧の制御を行う。
【0035】
電源ユニットは、出力電圧を設定する信号を受信すると、該受信した信号に従って出力電圧を決定する。
【0036】
電源ユニットにはファンが含まれ、該ファンは、該ファンが含まれる電源ユニットの出力電力が低下し、該電源ユニットが自然空冷で動作することが可能になると、回転を停止するものとする。
【0037】
自然空冷での動作が可能かどうかの判定は、出力電力が所定の値以下であるか否か、電源ユニットに取り付けられた温度計により計測された温度が所定の値以下であるか否かなど、周知の方法で行う。
【0038】
また、ファンはファンが含まれる電源ユニットが自然空冷で動作可能である場合に停止するものであればよく、その回転速度は、所定の測定値等に所定の範囲で比例するものであってもよく、所定の測定値等が閾値を超えるか否かによって所定の速度で回転するか停止するかが決定されるものであってもよい。
【0039】
また、ファンは停止せずに回転速度を減少させるものであってもよい。ファンが停止せず、回転速度を減少させるものである場合は、以下の説明におけるファンを停止させるという記述は、ファンの回転速度を最低速度まで減少させると読み替えるものとする。
【0040】
次に本実施形態における電源制御装置の動作について図面を参照して詳細に説明する。
【0041】
図2は電源制御装置1の動作を示すフローチャートである。
【0042】
電源制御装置1は、ユーザの操作により動作を開始すると(ステップA1)、電源制御手段11により、まず全ての電源ユニットの出力電力が均等になるように各電源ユニットを制御し(ステップA2)、次に各電源ユニットが正常に動作していることを確認する(ステップA3)。
【0043】
故障している電源ユニットが存在する場合は(ステップA4、N)、電源制御装置1は正常に動作している各電源ユニットの出力電力が均等になるよう、電源制御手段11により、該正常な電源ユニットの出力電圧を制御する(ステップA8)。
【0044】
一方、全ての電源ユニットが正常に動作していることが確認されると(ステップA4、Y)、電源制御装置1は、所定の方法で1台の電源ユニットを選択し(ステップA5)、該選択した電源ユニットに対して、電源制御手段11により出力電圧を低下させる信号を送信する(ステップA6)。
【0045】
出力電圧を低下させる信号を受け取った電源ユニットは、自らの出力電圧を低下させる。各電源ユニットは並列に接続されているので、1台の電源ユニットの出力電圧が低下し始めると、出力電圧が低下した電源ユニットからの電力供給は減少し、減少分の電力は他の電源ユニットから供給が行われるようになる。
【0046】
電源ユニットはN+1冗長構成になっているので、冗長な1台の電源ユニットからの電力供給が停止しても、他の電源ユニットによって電力供給が可能である。出力電圧が低下し供給電力が減少した電源ユニットは、自然空冷での動作が可能な状態になると自身に含まれるファンを停止する(ステップA7)。
【0047】
出力電圧が低下した電源ユニットからの電力供給は、該電源ユニットに含まれるファンの回転が停止するのであれば、減少したまま継続してもよいし、停止してもよい。電源制御手段11は、電源ユニット出力電圧を低下させるのではなく、電源ユニットの動作を停止させてよい。
【0048】
以上、本実施の形態には、N+1冗長構成で並列接続された電源ユニットにおいて、冗長分の1台の電源ユニットのファンを駆動する電力を削減できるという効果がある。また、電源ユニット1台分のファンを停止することによる騒音を削減できるという効果もある。
【0049】
その理由は、冗長分の1台の電源ユニットの電圧を低下させることで、該電源ユニットの出力電圧が低下して自然空冷での動作が可能になり、ファンが停止するからである。
【0050】
次に、本発明の第2の実施形態に係る電源システムについて、図面を参照して詳細に説明する。
【0051】
図3は本発明の第2の実施形態に係る電源システムの構成を示す図である。
【0052】
図3を参照すると、本実施形態における電源システムは、電源制御装置1と、複数の電源ユニット3A〜3Cと、電圧制御線21〜23と、電力測定値送信線41〜43とを含む。本実施形態の全ての電源ユニットは、電流逆流防止用のダイオードを介して、負荷に対して並列に接続されている。
【0053】
電源制御装置1と電源ユニット3A〜3Cとは、それぞれ電圧制御線21〜23を介して、電源制御装置1が、電源ユニット3A〜3Cの出力電圧を設定可能なように接続されている。
【0054】
電源制御装置1と電源ユニット3A〜3Cとは、さらに、電力測定値送信線41〜43を介して、電源制御装置1が電源ユニット3A〜3Cの出力電力の測定値を読み取り可能なように接続されている。
【0055】
なお、本実施の形態では電源ユニットの台数は3台の例を示しているが、3台に限られるものではなく、負荷が必要とする電力をまかなえる電源ユニットの台数に1を加えた台数であればよい。また、電圧制御線21と電力測定値送信線41とは同じ線を共有するようにしてもよい。電圧制御線22と電力測定値送信線42、および、電圧制御線23と電力測定値送信線43についても同様に、それぞれ、同じ線を共有するようにしてもよい。
【0056】
図4は本実施形態における電源ユニット3Aの構成を示す図である。なお、他の電源ユニット3Bおよび3Cも同様の構成を有する。
【0057】
図4を参照すると、電源ユニットは出力電圧調整手段31と、出力電力測定手段32と、ファン33と、ファン制御手段34とを含む。
【0058】
出力電圧調整手段31は、電源制御装置1によって送信された出力電圧の設定値を受信し、自電源ユニットの出力電圧が受信した設定値になるように、出力電圧を調整する。出力電力測定手段32は自電源ユニットの出力電力の測定を行い、測定した結果の測定値を電力測定値送信手段41を介して電源制御装置1に対して送信する。
【0059】
ファン制御手段34は、自身が含まれる電源ユニットの出力電力が低下し、自然空冷で動作可能な状態になると、回転を停止するようにファン33を制御する。
【0060】
自然空冷で動作可能かどうかの判断は、例えば、温度計を取り付けて計測された温度や、出力電力測定手段32により測定された出力電力が、それぞれ所定の値を超えているか否かによって行うなど、公知の任意の方法で行うことが可能である。
【0061】
図5は本実施形態における電源制御装置1の構成を示す図である。
【0062】
図5を参照すると、電源制御装置1は、電源制御手段11と、電力測定値受信手段12と、故障検出手段13とを含む。電源制御手段11は、所定の方法で電源ユニットの出力電圧を決定し、電圧制御線21〜23を介して各電源ユニットの出力電圧調整手段31に対して出力電圧の設定値を送信し、各電源ユニットの出力電圧を設定する。
【0063】
電力測定値受信手段12は、電力測定値送信線41〜43を介して、各電源ユニットから出力電力の測定値を受け取る。故障検出手段13は、電力測定値受信手段12が受信した電力測定値と電源制御手段11が設定した出力電圧とを基に、各電源ユニットの故障を検出する。
【0064】
一般に、電源ユニットや関係する回路にはばらつきがあり、全ての電源ユニットの出力電圧を同じに設定したとしても、実際の出力電圧が同じになるとは限らない。そこで、電源制御手段11が各電源ユニットの出力電力が均等になるような制御は、例えば、電力測定値受信手段12によって得られる電力の測定値が均等になるように、各電源ユニットの出力電圧を個別に微調整して設定するなどの方法で行う。
【0065】
全ての電源ユニットが故障せず正常に動作している場合は、出力電力測定手段32によって測定される各電源ユニットの出力電力は、おおむね等しいものとなっているはずである。
【0066】
電源ユニットが故障した場合、故障した電源ユニットからの電力の供給が正常時より減少する、あるいは電力の供給が行われないといったことが起きる。このような場合に、該故障した電源ユニットに含まれる出力電力測定手段によって得られる出力電力の測定値は、小さなものとなるはずである。
【0067】
従って、電源制御手段による出力電圧の低下の制御が行われていないのに出力電力の減少が発生している場合に、電源ユニットに故障が発生したとみなすことで、故障の検出を行うことができる。
【0068】
故障検出手段13における故障の検出は、例えば、各電源ユニットの出力電圧が均等になるように各電源ユニットの出力電圧の設定値の調整を行う時に、出力電圧の設定値を他の電源ユニットの設定値と同等あるいはより大きくしても、測定される電力の値が他の電源ユニットより小さい、あるいは供給される電力がゼロのまま変化しない場合を故障とするなど、公知の任意の方法で行うことが可能である。
【0069】
電源ユニットおよび電源制御装置は、ハードウェア回路、または、プログラムにより制御されるコンピュータにより実現できる。
【0070】
次に、本実施形態における電源システムの動作について図面を参照して詳細に説明する。
【0071】
図6は本実施形態における電源システムの動作を示すフローチャートである。
【0072】
図6を参照すると、ユーザによって電源を投入され電源システムが動作を開始すると(ステップB1)、電源制御装置1は、全ての電源ユニットの出力電力が均等になるように、電源制御手段11により各電源ユニットの出力電圧を制御する(ステップB2)。次に、電源制御装置1は、各電源ユニットが正常に動作しているか確認を行う(ステップB3)。
【0073】
全ての電源ユニットが正常に動作している場合(ステップB4、Y)は、電源制御装置1は、所定の方法で1台の電源ユニットを選択し(ステップB5)、該選択した電源ユニットの出力電圧を低下させ(ステップB6)、他の電源ユニットの出力電力が均等になるように各電源ユニットの出力電圧を制御し(ステップB8)、該他の電源ユニットが故障していないか確認を行う(ステップB9)。
【0074】
ステップB5で選択した1台の電源ユニットの出力電圧が低下すると、該電源ユニットからの電力の供給はなくなり、該電源ユニット内でのエネルギーの損失も少なくなる。熱として放出されるエネルギーが少なくなり、自然空冷による電源ユニットの動作が可能になると、該電源ユニットに含まれるファンは回転を中止する(ステップB7)。
【0075】
故障している電源ユニットが1台存在する場合(ステップB4、N)、電源制御装置1は、正常な各電源ユニットの出力電力が均等になるよう各電源ユニットの出力電圧を制御する(ステップB11)。
【0076】
また、ステップB9での確認の結果、出力電圧が均等になるよう制御されている電源ユニットのいずれかに故障が検出されると(ステップB10、N)、電源制御装置1は、電源制御手段11により出力電圧を低下させていた電源ユニットの出力電圧を上昇させ、他の正常な電源ユニットと出力電力が均等になるように、故障した電源ユニット以外の各電源ユニットの出力電圧を制御する(ステップB11)。
【0077】
故障の検出は、上記のように、例えば、電源制御手段11の制御によらない電源ユニットの出力電力の低下を検出するなど、公知の方法によって行うことが可能である。
【0078】
以上、本実施の形態には、電源ユニット1台のファンを駆動する電力を削減できるという効果がある。また、電源ユニット1台のファンが動作することによる騒音を削減できるという効果もある。
【0079】
その理由は、冗長分の1台の電源ユニットの電圧を低下させることで、該電源ユニットの出力電圧が低下して自然空冷での動作が可能になり、ファンが停止するからである。
【0080】
次に、本発明の第3の実施形態に係る電源システムについて、図面を参照して詳細に説明する。
【0081】
本発明の第3の実施形態に係る電源システムの構成は、図3に示す第2の実施形態と同じである。また、電源ユニット3A〜3Cの構成は、図4に示す電源ユニットの構成と同じであり、電源制御装置1の構成は、図5に示す電源制御装置の構成と同じである。
【0082】
次に、本実施形態の電源システムの動作について、図面を参照して詳細に説明する。
【0083】
図7は本実施形態の電源システムの動作を示すフローチャートである。ここでは第2の実施形態に係る電源システムの動作との相違点を中心に説明する。
【0084】
本実施形態の電源システムは、ユーザの操作により動作を開始すると(ステップC1)、電源制御装置1が、まず全ての電源ユニットの出力電力が均等になるよう、電源制御手段により各電源ユニットの出力電圧の制御を行う(ステップC2)。
【0085】
次に、各電源ユニットが正常に動作しているか確認を行い(ステップC3)、全ての電源ユニットが正常に動作している場合は(ステップC4、Y)、所定の手段で選択した(ステップC5)1台の電源ユニットの出力電圧を低下させる(ステップC6)。
【0086】
出力電圧が低下し、出力電力が低下した電源ユニットに含まれるファンは停止する(ステップC7)。
【0087】
電源制御装置は、他の電源ユニットの出力電流が均一になるよう制御を行い(ステップC8)、該電源ユニットが全て正常に動作しているか確認を行う(ステップC9)。
【0088】
前記選択した1台の電源ユニットの出力電圧を低下させて一定時間経過後(ステップC12、Y)、該出力電圧を低下させていた電源ユニットの出力電圧を上昇させ(、他の電源ユニットと出力電力が均等になるように各電源ユニットの出力電圧を制御する(ステップC13)。
【0089】
次に電圧を低下させる電源ユニットを所定の方法で1台選択し(ステップC14)、出力電圧を低下させて自然空冷で動作する状態にする(ステップC6)。該出力電圧が低下した電源ユニットに含まれるファンは停止する(ステップC7)。更に、電源制御装置1は、他の電源ユニットの出力電力が均等になるよう制御する(ステップC8)。
【0090】
以上のように、電源制御手段1は、上記の出力電圧を低下させる電源ユニットを切り替える動作を、一定時間毎に繰り返す。ステップC14における次に出力電圧を低下させる電源ユニットの選択は、例えば、各電源ユニットの出力電圧が低下している時間が全ての電源ユニットで均等になるよう、予め定めた順番に選択するような方法などで行う。
【0091】
以上、本実施の形態には、冗長分の1台の電源ユニットのファンを駆動する電力を削減できるという効果がある。また、電源ユニット1台分のファンを停止することによる騒音を削減できるという効果もある。
【0092】
その理由は、冗長分の1台の電源ユニットの電圧を低下させることで、該電源ユニットの出力電圧が低下して自然空冷での動作が可能になり、ファンが停止するからである。
【0093】
さらに、本実施の形態には、電源ユニットの劣化を均等にできるという効果がある。
【0094】
その理由は、全ての電源ユニットにおいて、電力供給を行っている時間を均等にするからである。
【0095】
次に、本発明の第4の実施形態に係る電源システムについて、図面を参照して詳細に説明する。
【0096】
図8は本発明の第4の実施形態の構成を示す図である。電源ユニット3A〜3Dの構成は、図4に示す電源ユニットの構成と同じであり、電源制御装置1の構成は、図5に示す電源制御装置の構成と同じである。以下、本発明の電源システムの第2の実施形態との相違点中心に説明する。
【0097】
図8を参照すると、本実施形態に係る電源システムは、電源制御装置1と、電源ユニット3A〜3Dと、電圧制御線21〜24と、電力測定値送信線41〜44とを含む。
【0098】
本実施形態では、電源ユニットは4台であり、これら電源ユニットの出力電力の合計は、必要な電力より電源ユニット2台分多いものとする。ここでは、一例として、電源ユニットの台数は4台、冗長な台数はその内の2台としたが、これらの台数に限定されるものではない。
【0099】
本実施形態と第2の実施形態との相違点は、電源ユニットの必要な台数に対して冗長な台数が、第2の実施形態では1台であるのに対し、本実施形態では複数台である点である。
【0100】
本実施形態における電源制御装置1と電源ユニット3A〜3Dとは、それぞれ電圧制御線21〜24および電力測定値送信線41〜44で接続されている。本実施形態において、全ての電源ユニットは、第2の実施形態と同様に、電流の逆流防止のためのダイオードを介して負荷に対して並列に接続されている。
【0101】
次に、本実施形態に係る電源システムの動作について、図面を参照して詳細に説明する。
【0102】
図9は本実施形態の電源システムの動作を示すフローチャートである。
【0103】
図9を参照すると、ユーザによって電源を投入され電源システムが動作を開始すると(ステップD1)、電源制御装置1は、全ての電源ユニットの出力電力が均等になるように、電源制御手段11により各電源ユニットの出力電圧を制御する(ステップD2)。
【0104】
次に、各電源ユニットが正常に動作しているか確認を行い、故障している電源ユニットが存在するなら故障台数の確認を行う(ステップD3)。電源制御装置1は、電源ユニットの故障台数と必要な電力から、所定の方法により出力電圧を低下させる電源ユニットの台数を決定する(ステップD4)。
【0105】
電源制御装置1は、決定した台数の電源ユニットを所定の方法で選択し、該選択した複数台の電源ユニットの出力電圧を低下させる(ステップD5)。出力電圧が低下し出力電力が減少して自然空冷での動作が可能になった電源ユニットに含まれるファンは、動作を停止する(ステップD6)。
【0106】
なお、出力電圧を低下させずに動作する電源ユニットの台数は、負荷に対して最低限必要な台数にしてもよいし、電源ユニットにおいて熱として失われるエネルギーの割合が最も小さくなるような、負荷に対して電源ユニットが最も効率よく動作する台数にしてもよい。
【0107】
電源制御装置1は、出力電圧を低下させた電源ユニット以外の電源ユニットの出力電圧が均等になるように、電源制御手段11により該電源ユニットの出力電力制御する(ステップD7)。電源制御装置1は、故障検出手段13により、出力電力が均等になるよう制御している電源が正常であるか確認し(ステップD8)、全て正常であるなら(ステップD9、Y)、各電源ユニットの出力電力を均等に保つ(ステップD7)。
【0108】
ステップD9で故障が検出された場合は(ステップD9、N)、電源制御装置1は、出力電圧を低下させている電源ユニットから故障が検出された電源ユニットの台数だけ選択し、該選択した電源ユニットの出力電圧を上昇させ(ステップD10)、他の電源ユニットと出力電力が均等になるよう制御する(ステップD7)。
【0109】
以上、本実施の形態には、冗長分の複数の電源ユニットのファンを駆動する電力を削減できるという効果がある。また、電源ユニット複数台分のファンを停止することによる騒音を削減できるという効果がある。
【0110】
その理由は、冗長な複数の電源ユニットの電圧を低下させることで、該電源ユニットの出力電圧が低下して自然空冷での動作が可能になり、ファンが停止するからである。
【0111】
次に、第5の実施形態に係る電源システムについて、図面を参照して説明する。
【0112】
第5の実施形態に係る電源システムの構成は、図8に示す第4の実施形態に係る電源システムの構成と同じである。また、電源ユニット3A〜3Dの構成は、図4に示す電源ユニットの構成と同じであり、電源制御装置1の構成は、図5に示す電源制御装置の構成と同じである。
【0113】
次に、第5の実施形態に係る電源システムの動作について、図面を参照して詳細に説明する。
【0114】
図10は第5の実施形態に係る電源システムの動作を示すフローチャートである。ここでは、第3の実施形態に係る電源システムとの相違点を中心に説明する。
【0115】
図10を参照すると、ユーザによって電源を投入され電源システムが動作を開始すると(ステップE1)、電源制御装置1は、全ての電源ユニットの出力電力が均等になるように、電源制御手段11により各電源ユニットの出力電圧を制御する(ステップE2)。
【0116】
次に、各電源ユニットが正常に動作しているか確認を行い、故障している電源ユニットが存在するなら故障台数の確認を行う(ステップE3)。電源制御装置1は、電源ユニットの故障台数と必要な電力から所定の方法により出力電圧を低下させる電源ユニットの台数を決定する(ステップE4)。
【0117】
電源制御装置1は、決定した台数の電源ユニットを所定の方法で選択し、該選択した複数台の電源ユニットの出力電圧を低下させる(ステップE5)。出力電圧が低下し出力電力が減少して自然空冷での動作が可能になった電源ユニットに含まれるファンは、動作を停止する(ステップE6)。
【0118】
電源制御装置1は、電源制御手段11により、出力電圧を低下させた電源ユニット以外の電源ユニットの出力電圧を制御し、該電源ユニットの出力電力が均等になるようにする(ステップE7)。
【0119】
電源制御装置1は、故障検出手段13により、出力電力が均等になるよう制御している電源が正常であるか確認し(ステップE8)、全て正常であるなら(ステップE9、Y)、各電源ユニットの出力電力を均等に保つ。
【0120】
ステップE9で故障が検出された場合は(ステップE9、N)、電源制御装置1は、出力電圧を低下させている電源ユニットから故障が検出された電源ユニットの台数だけ選択し、該選択した電源ユニットの出力電圧を上昇させ(ステップE10)、他の電源ユニットと出力電力が均等になるよう制御する。
【0121】
電源ユニットの出力電圧を低下させて一定時間が経過すると(ステップE11、Y)、電源制御装置1は、該電源ユニットの電圧を上昇させ、他の電源ユニットと出力電力が均等になるよう各電源ユニットの出力電圧を制御する(ステップE12)。
【0122】
電源制御装置1は、所定の方法で、次に出力電圧を低下させる電源ユニットを、ステップE11で電圧を上昇させた電源ユニットと同じ台数だけ選択し(ステップE13)、該選択した電源ユニットの出力電圧を降下させ(ステップE5)、自然空冷で動作する状態にする。出力電圧が低下し自然空冷で動作する状態になった電源ユニットに含まれるファンは停止する。
【0123】
ステップE12における電源ユニットの選択方法は、例えば、全ての電源ユニットから順番に選択するなど、各電源ユニットで出力電圧が低下している時間が偏らないような方法とする。
【0124】
ステップE11、ステップE12、ステップE5の出力電圧を低下させる電源ユニットの切り替えは、出力電圧が低下させている複数台に対して同時に行ってもいいし、時間をずらして1台ずつ行ってもよい。
【0125】
以上、本実施の形態には、冗長分の複数の電源ユニットのファンを駆動する電力を削減できるという効果がある。また、電源ユニット複数台分のファンを停止することによる騒音を削減できるという効果がある。
【0126】
その理由は、冗長な複数の電源ユニットの電圧を低下させることで、該電源ユニットの出力電圧が低下して自然空冷での動作が可能になり、ファンが停止するからである。
【0127】
さらに、本実施の形態には、電源ユニットの劣化を均等にできるという効果がある。
【0128】
その理由は、出力電圧が低下している時間を全ての電源ユニットで均等にするからである。
【符号の説明】
【0129】
1 電源制御装置
3A、3B、3C、3D 電源ユニット
11 電源制御手段
12 電力測定値受信手段
13 故障検出手段
21、22、23、24 電圧制御線
31 出力電圧調整手段
32 出力電力測定手段
33 ファン
34 ファン制御手段
41、42、43、44 電力測定値送信線
【技術分野】
【0001】
本発明は電源ユニットの制御装置、制御方法、制御プログラム、制御回路及び電源システムに関し、特に、複数の並列接続された電源ユニットにおいて冗長な電源のファンの駆動電力と騒音を削減する電源制御装置、制御方法、制御プログラム、制御回路、及び並列接続された電源ユニットとそれらの制御を行う電源制御装置を含む電源システムに関する。
【背景技術】
【0002】
必要な電力が異なる機器への柔軟な対応と電源の信頼性向上のために、必要とされる電力と同等以下の容量の電源ユニットを、必要な電力と冗長性に合わせて必要な個数だけ組み合わせて並列に接続した並列接続冗長電源システムの開発が行われている。
【0003】
複数の電源ユニットを並列運転する方式の一例が特許文献1に記載されている。
【0004】
特許文献1に記載されている複数の電源ユニットのそれぞれは、調整可能な基準電圧を発生する回路と、該回路の出力である基準電圧を自己を含む全ての電源ユニットに対して送信する回路と、他の電源ユニットから送信される基準電圧を受信する回路と、受信した基準電圧に基づいて出力電力を決定する回路とを含む。また、上記電源ユニットは、さらに、自らの出力電流値を表す第1の電圧を検出する出力電流検出回路と、並列運転される他の電源装置の出力電流を表す第2の電圧を検出する端子と、受信した基準電圧を第1および第2の電圧間の差が無くなるよう上昇させて出力電流のバランスを取る回路を含む。
【0005】
特許文献1に記載の並列運転方式においては、複数の電源ユニットのうちの1台がマスター、他がスレーブとされ、マスターが発生し送信する基準電圧を、マスター及び各スレーブは受信する。マスター及び各スレーブは、マスターが発生する基準電圧に出力電圧を合わせ、更に前記第1および第2の電圧間に差がある場合はその差が無くなるよう基準電圧を上昇させ、各電源ユニットの出力電流のバランスをとるように動作する。
【0006】
また、特許文献2には負荷に対する出力電流の変動がある場合に、出力電圧を所定の要求精度内に維持する並列冗長電源システムの例が記載されている。
【0007】
特許文献2に記載の並列冗長電源システムは、外部交流電源及び目的の負荷に並列に接続された冗長構成の複数のAC−DCスイッチング電源を含む。該AC−DCスイッチング電源は、自電源出力電流検出部、比較部、最大電流追従制御部、出力電圧安定化制御部、基準電圧生成部、および基準電圧補正部を含み、並列動作する他の電源と相互に信号線により接続されており、概略以下のように動作する。
【0008】
自電源出力電流検出部は自電源の出力電流を検出し、比較部へ出力すると共にダイオードを経由して信号線上に出力する。信号線上の電圧は、接続されている複数の電源の最大電流に相当する電圧になっている。比較部は自電源の出力電流信号と信号線上の最大電流信号とを比較する。自電源の出力電流の方が小さければ、最大電流追従制御部は出力電圧安定化制御部に出力電圧を上昇させる信号を送信することで、並列接続されている電源の出力電流のバランスを取る。
【0009】
しかし、出力電圧安定化制御部が出力電圧を決めるために基準電圧生成部から得る基準電圧は、出力電流の変化により変動する。基準電圧補正部は出力電圧の変化による基準電圧の変化を最小化し、並列化電源に通常組み込まれている逆電流防止用ダイオードによる電圧降下の変化を打ち消すよう動作することで、平衡状態での動作時における出力電圧の精度を高める。
【0010】
特許文献3には、複数の電源モジュールを並列接続した並列電源システムの例が記載されている。
【0011】
特許文献3に記載の並列電源システムは、並列に接続された複数の電源モジュールを含む。電源モジュールはモジュールの出力電流および出力電圧を感知する電流感知回路及び電圧感知回路と、マイクロプロセッサと、複数の電源モジュールのマイクロプロセッサ間を接続し通信を可能にする通信リンクと、ファンとを含む。ファンには、回転数を出力するタコメータと、温度計が取り付けられている。この並列電源システムは以下のように動作する。
【0012】
電流感知回路又は電圧感知回路で感知した電源モジュールの出力電流又は出力電圧の値は、マイクロプロセッサに与えられる。マイクロプロセッサは、電源モジュールの出力電流又は出力電圧が所定の範囲から逸脱しないよう制御する。また、マイクロプロセッサは、複数の電源モジュールから選択されたマスタ・モジュールのマイクロプロセッサにより計算された各電源モジュールの平均出力電流に、各電源モジュールの出力電流が近接するよう電源モジュールの出力電圧を制御する。
【0013】
また、マイクロプロセッサは、ファンに取り付けられている温度計で計測される温度に基づいてファンの適切な回転速度を決定し、ファンに与える電圧を制御することで適切な回転速度になるようファンの回転速度を制御する。更に、マイクロプロセッサはファンに最大電圧を与えた時の回転数が低下しているか否かにより、ファンの故障を予想する。
【0014】
特許文献4には、複数の電源装置を含む電子機器における電源冷却システムの例が記載されている。
【0015】
特許文献4に記載の電源冷却システムは、複数の電源装置と、冷却制御部と、電源搭載数検出部と、電源稼働数検出部とを含み、PCサーバ等の電子機器に組み込まれる。該電子機器に搭載される電源装置の台数は、負荷や電源に要求される冗長性に応じて変更することができる。電源装置は、回転数の外部からの制御が可能な複数の冷却ファンと、電源装置が実装されている位置を検出する位置検出部とを含む。この電源冷却装置は、以下のように動作する。
【0016】
電源搭載数検出部はPCサーバ等の電子機器に搭載されている電源装置の台数を検出し、電源稼働数検出部は故障し停止している電源装置を除いた稼働中の電源装置の台数を検出する。さらに、位置検出部は、電源装置が搭載されている位置を検出する。冷却制御部は、負荷と電源装置の搭載台数に応じた負荷への出力と、電源装置が搭載される場所の条件や環境とによって、各電源装置に対して最適な冷却能力を設定し、各電源装置に含まれる冷却ファンの回転数の制御を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特開平4−322129号公報
【特許文献2】特開平9−93929号公報
【特許文献3】特開平10−94252号公報
【特許文献4】特開2000−307283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
しかしながら、特許文献1及び2に記載の技術は、並列接続された複数の電源装置間で、全ての電源装置の出力電力を均等にしてバランスを取るものであり、全ての電源装置を駆動するので全ての電源装置に含まれるファンを稼働させ続けて冷却を行う必要があった。そのため、電源装置の台数が負荷に対して冗長であっても、冗長分の電源のファンを停止してファンの駆動電力を削減することはできないという問題があった。
【0019】
また、特許文献3に記載の技術は電源装置の出力が均等になるよう制御し、電源装置の出力に対して最適な回転速度でファンを動作させるものであり、さらに、特許文献4に記載の技術は電源装置の出力と設置位置に対して最適な回転数でファンを動作させるものであるが、正常な全ての電源装置の出力電力が均等であることを前提としていた。そのため、電源装置の台数が負荷に対して冗長であっても、冗長分の電源のファンを停止してファンの駆動電力を削減することはできないという問題があった。
【0020】
本発明の目的は、上述した問題点を解決した、並列接続された電源ユニットの制御を行う電源制御装置、電源制御方法、電源制御プログラム、電源制御回路、及び並列接続された電源ユニットとそれらの制御を行う電源制御装置を含む電源システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の電源制御装置は、同一の負荷に対して並列に接続された複数の電源ユニットのうちの少なくとも一つの電力供給が減少して、当該電源ユニットに含まれる冷却のためのファンが停止した場合に、他の前記電源ユニットの前記負荷への電力供給が均等になるよう制御を行う電源制御手段を含む。
【0022】
本発明の電源制御方法は、同一の負荷に対して並列に接続された複数の電源ユニットのうちの少なくとも一つの電力供給が減少して、当該電源ユニットに含まれる冷却のためのファンが停止した場合に、他の前記電源ユニットの前記負荷への電力供給が均等になるよう制御を行う。
【0023】
本発明の電源システムは、同一の負荷に対して並列に接続された複数の電源ユニットと、電源制御装置とを含み、前記複数の電源ユニットのそれぞれは、出力電圧を設定する信号を受信し、該受信した出力電圧を設定する信号により自身が出力する電圧を決定する電圧調整手段と、自身が出力する電力を測定する電力測定手段と、前記電力測定手段により測定した電力値を送信する電力値送信手段と、冷却のためのファンとを備え、前記電源制御装置は、前記複数の電源ユニットのうちの少なくとも一つの電力供給が減少して、当該電源ユニットに含まれる前記ファンが停止した場合に、他の前記電源ユニットの前記負荷への電力供給が均等になるよう制御を行う電源制御手段を備える。
【0024】
本発明の電源システム制御方法は、同一の負荷に対して並列に接続された複数の電源ユニットのそれぞれにおいて、出力電圧を設定する信号を受信し、該受信した出力電圧を設定する信号により自身が出力する電圧を決定するステップと、各前記電源ユニットにおいて、自身が出力する電力を測定し、測定した電力値を送信するステップと、電源制御装置において、前記複数の電源ユニットのうちの少なくとも一つの電力供給が減少して、当該電源ユニットに含まれるファンが停止した場合に、他の前記電源ユニットの前記負荷への電力供給が均等になるよう制御を行うステップとを含む。
【0025】
本発明のプログラムは、同一の負荷に対して並列接続された複数の電源ユニットのうちの少なくとも一つの出力電力を低下させる処理と、他の前記電源ユニットの前記負荷への電力供給が均等になるよう制御を行う処理とをコンピュータに行わせる。
【0026】
本発明の回路は、同一の負荷に対して並列接続された複数の電源ユニットのうちの少なくとも一つの出力電力を低下させ、他の前記電源ユニットの前記負荷への電力供給が均等になるよう制御する電源制御手段を備える。
【発明の効果】
【0027】
本発明は、負荷に対して冗長な台数の電源装置を並列接続した電源システムにおいて、冗長台数分のファンの駆動電力を削減できるという効果を奏する。また、冗長台数分のファンの騒音を削減できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】第1の実施形態における電源制御装置1を示す図である。
【図2】第1の実施形態における電源装置1の動作例を示す図である。
【図3】第2の実施形態における電源システムの構成例を示す図である。
【図4】第2の実施形態における電源ユニットの構成例を示す図である。
【図5】第2、第3の実施形態における電源制御装置の構成例を示す図である。
【図6】第2の実施形態における電源システムの動作例を示す図である。
【図7】第3の実施形態における電源システムの動作例を示す図である。
【図8】第4、第5の実施形態における電源システムの構成例を示す図である。
【図9】第4の実施形態における電源システムの動作例を示す図である。
【図10】第5の実施形態における電源システムの動作例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
次に、本発明について図面を参照して詳細に説明する。
【0030】
図1は本発明の電源制御装置の第1の実施形態の構成を示す図である。
【0031】
図1を参照すると、第1の実施形態に係る電源制御装置1は電圧制御線21〜23に接続されており、電源制御手段11を含む。電圧制御線21〜23は、それぞれ電源ユニット3A〜3Cと接続されている。
【0032】
電源ユニットは交流を直流に変換して負荷に対して供給する機器である。本実施形態における電源制御装置1は、電源制御手段11により、電圧制御線21〜23を介して、いわゆるN+1冗長構成になっている複数台の電源ユニットの制御を行う。
【0033】
N+1冗長構成とは、全ての電源ユニットの出力電力の合計は必要な電力より電源ユニット1台分多く、各電源ユニットは電流の逆流防止のダイオードを介して負荷に対して並列接続されている構成のことを指す。図1の電源ユニットの数は3台であるが、これは一例であり、3台に限られるものではない。
【0034】
電源制御手段11は、電圧制御線21〜23を介して、それぞれの電圧制御線に接続されている電源ユニットに対して、個別に出力電圧を設定する信号を送信することで、電源ユニットの出力電圧の制御を行う。
【0035】
電源ユニットは、出力電圧を設定する信号を受信すると、該受信した信号に従って出力電圧を決定する。
【0036】
電源ユニットにはファンが含まれ、該ファンは、該ファンが含まれる電源ユニットの出力電力が低下し、該電源ユニットが自然空冷で動作することが可能になると、回転を停止するものとする。
【0037】
自然空冷での動作が可能かどうかの判定は、出力電力が所定の値以下であるか否か、電源ユニットに取り付けられた温度計により計測された温度が所定の値以下であるか否かなど、周知の方法で行う。
【0038】
また、ファンはファンが含まれる電源ユニットが自然空冷で動作可能である場合に停止するものであればよく、その回転速度は、所定の測定値等に所定の範囲で比例するものであってもよく、所定の測定値等が閾値を超えるか否かによって所定の速度で回転するか停止するかが決定されるものであってもよい。
【0039】
また、ファンは停止せずに回転速度を減少させるものであってもよい。ファンが停止せず、回転速度を減少させるものである場合は、以下の説明におけるファンを停止させるという記述は、ファンの回転速度を最低速度まで減少させると読み替えるものとする。
【0040】
次に本実施形態における電源制御装置の動作について図面を参照して詳細に説明する。
【0041】
図2は電源制御装置1の動作を示すフローチャートである。
【0042】
電源制御装置1は、ユーザの操作により動作を開始すると(ステップA1)、電源制御手段11により、まず全ての電源ユニットの出力電力が均等になるように各電源ユニットを制御し(ステップA2)、次に各電源ユニットが正常に動作していることを確認する(ステップA3)。
【0043】
故障している電源ユニットが存在する場合は(ステップA4、N)、電源制御装置1は正常に動作している各電源ユニットの出力電力が均等になるよう、電源制御手段11により、該正常な電源ユニットの出力電圧を制御する(ステップA8)。
【0044】
一方、全ての電源ユニットが正常に動作していることが確認されると(ステップA4、Y)、電源制御装置1は、所定の方法で1台の電源ユニットを選択し(ステップA5)、該選択した電源ユニットに対して、電源制御手段11により出力電圧を低下させる信号を送信する(ステップA6)。
【0045】
出力電圧を低下させる信号を受け取った電源ユニットは、自らの出力電圧を低下させる。各電源ユニットは並列に接続されているので、1台の電源ユニットの出力電圧が低下し始めると、出力電圧が低下した電源ユニットからの電力供給は減少し、減少分の電力は他の電源ユニットから供給が行われるようになる。
【0046】
電源ユニットはN+1冗長構成になっているので、冗長な1台の電源ユニットからの電力供給が停止しても、他の電源ユニットによって電力供給が可能である。出力電圧が低下し供給電力が減少した電源ユニットは、自然空冷での動作が可能な状態になると自身に含まれるファンを停止する(ステップA7)。
【0047】
出力電圧が低下した電源ユニットからの電力供給は、該電源ユニットに含まれるファンの回転が停止するのであれば、減少したまま継続してもよいし、停止してもよい。電源制御手段11は、電源ユニット出力電圧を低下させるのではなく、電源ユニットの動作を停止させてよい。
【0048】
以上、本実施の形態には、N+1冗長構成で並列接続された電源ユニットにおいて、冗長分の1台の電源ユニットのファンを駆動する電力を削減できるという効果がある。また、電源ユニット1台分のファンを停止することによる騒音を削減できるという効果もある。
【0049】
その理由は、冗長分の1台の電源ユニットの電圧を低下させることで、該電源ユニットの出力電圧が低下して自然空冷での動作が可能になり、ファンが停止するからである。
【0050】
次に、本発明の第2の実施形態に係る電源システムについて、図面を参照して詳細に説明する。
【0051】
図3は本発明の第2の実施形態に係る電源システムの構成を示す図である。
【0052】
図3を参照すると、本実施形態における電源システムは、電源制御装置1と、複数の電源ユニット3A〜3Cと、電圧制御線21〜23と、電力測定値送信線41〜43とを含む。本実施形態の全ての電源ユニットは、電流逆流防止用のダイオードを介して、負荷に対して並列に接続されている。
【0053】
電源制御装置1と電源ユニット3A〜3Cとは、それぞれ電圧制御線21〜23を介して、電源制御装置1が、電源ユニット3A〜3Cの出力電圧を設定可能なように接続されている。
【0054】
電源制御装置1と電源ユニット3A〜3Cとは、さらに、電力測定値送信線41〜43を介して、電源制御装置1が電源ユニット3A〜3Cの出力電力の測定値を読み取り可能なように接続されている。
【0055】
なお、本実施の形態では電源ユニットの台数は3台の例を示しているが、3台に限られるものではなく、負荷が必要とする電力をまかなえる電源ユニットの台数に1を加えた台数であればよい。また、電圧制御線21と電力測定値送信線41とは同じ線を共有するようにしてもよい。電圧制御線22と電力測定値送信線42、および、電圧制御線23と電力測定値送信線43についても同様に、それぞれ、同じ線を共有するようにしてもよい。
【0056】
図4は本実施形態における電源ユニット3Aの構成を示す図である。なお、他の電源ユニット3Bおよび3Cも同様の構成を有する。
【0057】
図4を参照すると、電源ユニットは出力電圧調整手段31と、出力電力測定手段32と、ファン33と、ファン制御手段34とを含む。
【0058】
出力電圧調整手段31は、電源制御装置1によって送信された出力電圧の設定値を受信し、自電源ユニットの出力電圧が受信した設定値になるように、出力電圧を調整する。出力電力測定手段32は自電源ユニットの出力電力の測定を行い、測定した結果の測定値を電力測定値送信手段41を介して電源制御装置1に対して送信する。
【0059】
ファン制御手段34は、自身が含まれる電源ユニットの出力電力が低下し、自然空冷で動作可能な状態になると、回転を停止するようにファン33を制御する。
【0060】
自然空冷で動作可能かどうかの判断は、例えば、温度計を取り付けて計測された温度や、出力電力測定手段32により測定された出力電力が、それぞれ所定の値を超えているか否かによって行うなど、公知の任意の方法で行うことが可能である。
【0061】
図5は本実施形態における電源制御装置1の構成を示す図である。
【0062】
図5を参照すると、電源制御装置1は、電源制御手段11と、電力測定値受信手段12と、故障検出手段13とを含む。電源制御手段11は、所定の方法で電源ユニットの出力電圧を決定し、電圧制御線21〜23を介して各電源ユニットの出力電圧調整手段31に対して出力電圧の設定値を送信し、各電源ユニットの出力電圧を設定する。
【0063】
電力測定値受信手段12は、電力測定値送信線41〜43を介して、各電源ユニットから出力電力の測定値を受け取る。故障検出手段13は、電力測定値受信手段12が受信した電力測定値と電源制御手段11が設定した出力電圧とを基に、各電源ユニットの故障を検出する。
【0064】
一般に、電源ユニットや関係する回路にはばらつきがあり、全ての電源ユニットの出力電圧を同じに設定したとしても、実際の出力電圧が同じになるとは限らない。そこで、電源制御手段11が各電源ユニットの出力電力が均等になるような制御は、例えば、電力測定値受信手段12によって得られる電力の測定値が均等になるように、各電源ユニットの出力電圧を個別に微調整して設定するなどの方法で行う。
【0065】
全ての電源ユニットが故障せず正常に動作している場合は、出力電力測定手段32によって測定される各電源ユニットの出力電力は、おおむね等しいものとなっているはずである。
【0066】
電源ユニットが故障した場合、故障した電源ユニットからの電力の供給が正常時より減少する、あるいは電力の供給が行われないといったことが起きる。このような場合に、該故障した電源ユニットに含まれる出力電力測定手段によって得られる出力電力の測定値は、小さなものとなるはずである。
【0067】
従って、電源制御手段による出力電圧の低下の制御が行われていないのに出力電力の減少が発生している場合に、電源ユニットに故障が発生したとみなすことで、故障の検出を行うことができる。
【0068】
故障検出手段13における故障の検出は、例えば、各電源ユニットの出力電圧が均等になるように各電源ユニットの出力電圧の設定値の調整を行う時に、出力電圧の設定値を他の電源ユニットの設定値と同等あるいはより大きくしても、測定される電力の値が他の電源ユニットより小さい、あるいは供給される電力がゼロのまま変化しない場合を故障とするなど、公知の任意の方法で行うことが可能である。
【0069】
電源ユニットおよび電源制御装置は、ハードウェア回路、または、プログラムにより制御されるコンピュータにより実現できる。
【0070】
次に、本実施形態における電源システムの動作について図面を参照して詳細に説明する。
【0071】
図6は本実施形態における電源システムの動作を示すフローチャートである。
【0072】
図6を参照すると、ユーザによって電源を投入され電源システムが動作を開始すると(ステップB1)、電源制御装置1は、全ての電源ユニットの出力電力が均等になるように、電源制御手段11により各電源ユニットの出力電圧を制御する(ステップB2)。次に、電源制御装置1は、各電源ユニットが正常に動作しているか確認を行う(ステップB3)。
【0073】
全ての電源ユニットが正常に動作している場合(ステップB4、Y)は、電源制御装置1は、所定の方法で1台の電源ユニットを選択し(ステップB5)、該選択した電源ユニットの出力電圧を低下させ(ステップB6)、他の電源ユニットの出力電力が均等になるように各電源ユニットの出力電圧を制御し(ステップB8)、該他の電源ユニットが故障していないか確認を行う(ステップB9)。
【0074】
ステップB5で選択した1台の電源ユニットの出力電圧が低下すると、該電源ユニットからの電力の供給はなくなり、該電源ユニット内でのエネルギーの損失も少なくなる。熱として放出されるエネルギーが少なくなり、自然空冷による電源ユニットの動作が可能になると、該電源ユニットに含まれるファンは回転を中止する(ステップB7)。
【0075】
故障している電源ユニットが1台存在する場合(ステップB4、N)、電源制御装置1は、正常な各電源ユニットの出力電力が均等になるよう各電源ユニットの出力電圧を制御する(ステップB11)。
【0076】
また、ステップB9での確認の結果、出力電圧が均等になるよう制御されている電源ユニットのいずれかに故障が検出されると(ステップB10、N)、電源制御装置1は、電源制御手段11により出力電圧を低下させていた電源ユニットの出力電圧を上昇させ、他の正常な電源ユニットと出力電力が均等になるように、故障した電源ユニット以外の各電源ユニットの出力電圧を制御する(ステップB11)。
【0077】
故障の検出は、上記のように、例えば、電源制御手段11の制御によらない電源ユニットの出力電力の低下を検出するなど、公知の方法によって行うことが可能である。
【0078】
以上、本実施の形態には、電源ユニット1台のファンを駆動する電力を削減できるという効果がある。また、電源ユニット1台のファンが動作することによる騒音を削減できるという効果もある。
【0079】
その理由は、冗長分の1台の電源ユニットの電圧を低下させることで、該電源ユニットの出力電圧が低下して自然空冷での動作が可能になり、ファンが停止するからである。
【0080】
次に、本発明の第3の実施形態に係る電源システムについて、図面を参照して詳細に説明する。
【0081】
本発明の第3の実施形態に係る電源システムの構成は、図3に示す第2の実施形態と同じである。また、電源ユニット3A〜3Cの構成は、図4に示す電源ユニットの構成と同じであり、電源制御装置1の構成は、図5に示す電源制御装置の構成と同じである。
【0082】
次に、本実施形態の電源システムの動作について、図面を参照して詳細に説明する。
【0083】
図7は本実施形態の電源システムの動作を示すフローチャートである。ここでは第2の実施形態に係る電源システムの動作との相違点を中心に説明する。
【0084】
本実施形態の電源システムは、ユーザの操作により動作を開始すると(ステップC1)、電源制御装置1が、まず全ての電源ユニットの出力電力が均等になるよう、電源制御手段により各電源ユニットの出力電圧の制御を行う(ステップC2)。
【0085】
次に、各電源ユニットが正常に動作しているか確認を行い(ステップC3)、全ての電源ユニットが正常に動作している場合は(ステップC4、Y)、所定の手段で選択した(ステップC5)1台の電源ユニットの出力電圧を低下させる(ステップC6)。
【0086】
出力電圧が低下し、出力電力が低下した電源ユニットに含まれるファンは停止する(ステップC7)。
【0087】
電源制御装置は、他の電源ユニットの出力電流が均一になるよう制御を行い(ステップC8)、該電源ユニットが全て正常に動作しているか確認を行う(ステップC9)。
【0088】
前記選択した1台の電源ユニットの出力電圧を低下させて一定時間経過後(ステップC12、Y)、該出力電圧を低下させていた電源ユニットの出力電圧を上昇させ(、他の電源ユニットと出力電力が均等になるように各電源ユニットの出力電圧を制御する(ステップC13)。
【0089】
次に電圧を低下させる電源ユニットを所定の方法で1台選択し(ステップC14)、出力電圧を低下させて自然空冷で動作する状態にする(ステップC6)。該出力電圧が低下した電源ユニットに含まれるファンは停止する(ステップC7)。更に、電源制御装置1は、他の電源ユニットの出力電力が均等になるよう制御する(ステップC8)。
【0090】
以上のように、電源制御手段1は、上記の出力電圧を低下させる電源ユニットを切り替える動作を、一定時間毎に繰り返す。ステップC14における次に出力電圧を低下させる電源ユニットの選択は、例えば、各電源ユニットの出力電圧が低下している時間が全ての電源ユニットで均等になるよう、予め定めた順番に選択するような方法などで行う。
【0091】
以上、本実施の形態には、冗長分の1台の電源ユニットのファンを駆動する電力を削減できるという効果がある。また、電源ユニット1台分のファンを停止することによる騒音を削減できるという効果もある。
【0092】
その理由は、冗長分の1台の電源ユニットの電圧を低下させることで、該電源ユニットの出力電圧が低下して自然空冷での動作が可能になり、ファンが停止するからである。
【0093】
さらに、本実施の形態には、電源ユニットの劣化を均等にできるという効果がある。
【0094】
その理由は、全ての電源ユニットにおいて、電力供給を行っている時間を均等にするからである。
【0095】
次に、本発明の第4の実施形態に係る電源システムについて、図面を参照して詳細に説明する。
【0096】
図8は本発明の第4の実施形態の構成を示す図である。電源ユニット3A〜3Dの構成は、図4に示す電源ユニットの構成と同じであり、電源制御装置1の構成は、図5に示す電源制御装置の構成と同じである。以下、本発明の電源システムの第2の実施形態との相違点中心に説明する。
【0097】
図8を参照すると、本実施形態に係る電源システムは、電源制御装置1と、電源ユニット3A〜3Dと、電圧制御線21〜24と、電力測定値送信線41〜44とを含む。
【0098】
本実施形態では、電源ユニットは4台であり、これら電源ユニットの出力電力の合計は、必要な電力より電源ユニット2台分多いものとする。ここでは、一例として、電源ユニットの台数は4台、冗長な台数はその内の2台としたが、これらの台数に限定されるものではない。
【0099】
本実施形態と第2の実施形態との相違点は、電源ユニットの必要な台数に対して冗長な台数が、第2の実施形態では1台であるのに対し、本実施形態では複数台である点である。
【0100】
本実施形態における電源制御装置1と電源ユニット3A〜3Dとは、それぞれ電圧制御線21〜24および電力測定値送信線41〜44で接続されている。本実施形態において、全ての電源ユニットは、第2の実施形態と同様に、電流の逆流防止のためのダイオードを介して負荷に対して並列に接続されている。
【0101】
次に、本実施形態に係る電源システムの動作について、図面を参照して詳細に説明する。
【0102】
図9は本実施形態の電源システムの動作を示すフローチャートである。
【0103】
図9を参照すると、ユーザによって電源を投入され電源システムが動作を開始すると(ステップD1)、電源制御装置1は、全ての電源ユニットの出力電力が均等になるように、電源制御手段11により各電源ユニットの出力電圧を制御する(ステップD2)。
【0104】
次に、各電源ユニットが正常に動作しているか確認を行い、故障している電源ユニットが存在するなら故障台数の確認を行う(ステップD3)。電源制御装置1は、電源ユニットの故障台数と必要な電力から、所定の方法により出力電圧を低下させる電源ユニットの台数を決定する(ステップD4)。
【0105】
電源制御装置1は、決定した台数の電源ユニットを所定の方法で選択し、該選択した複数台の電源ユニットの出力電圧を低下させる(ステップD5)。出力電圧が低下し出力電力が減少して自然空冷での動作が可能になった電源ユニットに含まれるファンは、動作を停止する(ステップD6)。
【0106】
なお、出力電圧を低下させずに動作する電源ユニットの台数は、負荷に対して最低限必要な台数にしてもよいし、電源ユニットにおいて熱として失われるエネルギーの割合が最も小さくなるような、負荷に対して電源ユニットが最も効率よく動作する台数にしてもよい。
【0107】
電源制御装置1は、出力電圧を低下させた電源ユニット以外の電源ユニットの出力電圧が均等になるように、電源制御手段11により該電源ユニットの出力電力制御する(ステップD7)。電源制御装置1は、故障検出手段13により、出力電力が均等になるよう制御している電源が正常であるか確認し(ステップD8)、全て正常であるなら(ステップD9、Y)、各電源ユニットの出力電力を均等に保つ(ステップD7)。
【0108】
ステップD9で故障が検出された場合は(ステップD9、N)、電源制御装置1は、出力電圧を低下させている電源ユニットから故障が検出された電源ユニットの台数だけ選択し、該選択した電源ユニットの出力電圧を上昇させ(ステップD10)、他の電源ユニットと出力電力が均等になるよう制御する(ステップD7)。
【0109】
以上、本実施の形態には、冗長分の複数の電源ユニットのファンを駆動する電力を削減できるという効果がある。また、電源ユニット複数台分のファンを停止することによる騒音を削減できるという効果がある。
【0110】
その理由は、冗長な複数の電源ユニットの電圧を低下させることで、該電源ユニットの出力電圧が低下して自然空冷での動作が可能になり、ファンが停止するからである。
【0111】
次に、第5の実施形態に係る電源システムについて、図面を参照して説明する。
【0112】
第5の実施形態に係る電源システムの構成は、図8に示す第4の実施形態に係る電源システムの構成と同じである。また、電源ユニット3A〜3Dの構成は、図4に示す電源ユニットの構成と同じであり、電源制御装置1の構成は、図5に示す電源制御装置の構成と同じである。
【0113】
次に、第5の実施形態に係る電源システムの動作について、図面を参照して詳細に説明する。
【0114】
図10は第5の実施形態に係る電源システムの動作を示すフローチャートである。ここでは、第3の実施形態に係る電源システムとの相違点を中心に説明する。
【0115】
図10を参照すると、ユーザによって電源を投入され電源システムが動作を開始すると(ステップE1)、電源制御装置1は、全ての電源ユニットの出力電力が均等になるように、電源制御手段11により各電源ユニットの出力電圧を制御する(ステップE2)。
【0116】
次に、各電源ユニットが正常に動作しているか確認を行い、故障している電源ユニットが存在するなら故障台数の確認を行う(ステップE3)。電源制御装置1は、電源ユニットの故障台数と必要な電力から所定の方法により出力電圧を低下させる電源ユニットの台数を決定する(ステップE4)。
【0117】
電源制御装置1は、決定した台数の電源ユニットを所定の方法で選択し、該選択した複数台の電源ユニットの出力電圧を低下させる(ステップE5)。出力電圧が低下し出力電力が減少して自然空冷での動作が可能になった電源ユニットに含まれるファンは、動作を停止する(ステップE6)。
【0118】
電源制御装置1は、電源制御手段11により、出力電圧を低下させた電源ユニット以外の電源ユニットの出力電圧を制御し、該電源ユニットの出力電力が均等になるようにする(ステップE7)。
【0119】
電源制御装置1は、故障検出手段13により、出力電力が均等になるよう制御している電源が正常であるか確認し(ステップE8)、全て正常であるなら(ステップE9、Y)、各電源ユニットの出力電力を均等に保つ。
【0120】
ステップE9で故障が検出された場合は(ステップE9、N)、電源制御装置1は、出力電圧を低下させている電源ユニットから故障が検出された電源ユニットの台数だけ選択し、該選択した電源ユニットの出力電圧を上昇させ(ステップE10)、他の電源ユニットと出力電力が均等になるよう制御する。
【0121】
電源ユニットの出力電圧を低下させて一定時間が経過すると(ステップE11、Y)、電源制御装置1は、該電源ユニットの電圧を上昇させ、他の電源ユニットと出力電力が均等になるよう各電源ユニットの出力電圧を制御する(ステップE12)。
【0122】
電源制御装置1は、所定の方法で、次に出力電圧を低下させる電源ユニットを、ステップE11で電圧を上昇させた電源ユニットと同じ台数だけ選択し(ステップE13)、該選択した電源ユニットの出力電圧を降下させ(ステップE5)、自然空冷で動作する状態にする。出力電圧が低下し自然空冷で動作する状態になった電源ユニットに含まれるファンは停止する。
【0123】
ステップE12における電源ユニットの選択方法は、例えば、全ての電源ユニットから順番に選択するなど、各電源ユニットで出力電圧が低下している時間が偏らないような方法とする。
【0124】
ステップE11、ステップE12、ステップE5の出力電圧を低下させる電源ユニットの切り替えは、出力電圧が低下させている複数台に対して同時に行ってもいいし、時間をずらして1台ずつ行ってもよい。
【0125】
以上、本実施の形態には、冗長分の複数の電源ユニットのファンを駆動する電力を削減できるという効果がある。また、電源ユニット複数台分のファンを停止することによる騒音を削減できるという効果がある。
【0126】
その理由は、冗長な複数の電源ユニットの電圧を低下させることで、該電源ユニットの出力電圧が低下して自然空冷での動作が可能になり、ファンが停止するからである。
【0127】
さらに、本実施の形態には、電源ユニットの劣化を均等にできるという効果がある。
【0128】
その理由は、出力電圧が低下している時間を全ての電源ユニットで均等にするからである。
【符号の説明】
【0129】
1 電源制御装置
3A、3B、3C、3D 電源ユニット
11 電源制御手段
12 電力測定値受信手段
13 故障検出手段
21、22、23、24 電圧制御線
31 出力電圧調整手段
32 出力電力測定手段
33 ファン
34 ファン制御手段
41、42、43、44 電力測定値送信線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一の負荷に対して並列に接続された複数の電源ユニットのうちの少なくとも一つの電力供給が減少して、当該電源ユニットに含まれる冷却のためのファンが停止した場合に、他の前記電源ユニットの前記負荷への電力供給が均等になるよう制御を行う電源制御手段
を含むことを特徴とする電源制御装置。
【請求項2】
前記電源制御手段は、出力電圧を設定する信号を前記電源ユニットに送信して該電源ユニットの出力電圧を制御することにより該電源ユニットの出力電力の制御を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の電源制御装置。
【請求項3】
自身が制御しているそれぞれの前記電源ユニットから送信される、該電源ユニットの出力電力の測定値の信号を受信する電力信号受信手段
を含むことを特徴とする請求項2に記載の電源制御装置。
【請求項4】
自電源制御装置の制御によるものではない電源ユニットの出力電力の低下を検出することにより電源ユニットの故障を検出する故障検出手段
を含み、
前記故障検出手段が、負荷に対して電力を供給している電源ユニットの故障を検出した場合に、前記電源制御手段が、出力電力を減少させている電源ユニットの出力電力を増大させ、該電源ユニットが出力する電力が、前記故障した電源ユニット以外の、負荷に対して電力供給中である他の電源ユニットの出力電力と均等になるように、各電源ユニットを制御する
ことを特徴とする請求項3に記載の電源制御装置。
【請求項5】
出力電力を減少させるべき電源ユニットを、自身の制御下にある複数の電源ユニットから所定の時間間隔で順次選択する
ことを特徴とする請求項1乃至4に記載の電源制御装置。
【請求項6】
同一の負荷に対して並列に接続された複数の電源ユニットと、
電源制御装置と
を含み、
前記複数の電源ユニットのそれぞれは、
出力電圧を設定する信号を受信し、該受信した出力電圧を設定する信号により自身が出力する電圧を決定する電圧調整手段と、
自身が出力する電力を測定する電力測定手段と、
前記電力測定手段により測定した電力値を送信する電力値送信手段と、
冷却のためのファンと
を備え、
前記電源制御装置は、
前記複数の電源ユニットのうちの少なくとも一つの電力供給が減少して、当該電源ユニットに含まれる前記ファンが停止した場合に、他の前記電源ユニットの前記負荷への電力供給が均等になるよう制御を行う電源制御手段
を備える、
ことを特徴とする電源システム。
【請求項7】
同一の負荷に対して並列に接続された複数の電源ユニットのうちの少なくとも一つの電力供給が減少して、当該電源ユニットに含まれる冷却のためのファンが停止した場合に、他の前記電源ユニットの前記負荷への電力供給が均等になるよう制御を行う
ことを特徴とする電源制御方法。
【請求項8】
出力電圧を設定する信号を前記電源ユニットに送信して該電源ユニットの出力電圧を制御することにより該電源ユニットの出力電力の制御を行う
請求項7に記載の電源制御方法。
【請求項9】
自身が制御しているそれぞれの前記電源ユニットから送信される、該電源ユニットの出力電力の測定値の信号を受信する
ことを特徴とする請求項8に記載の電源制御方法。
【請求項10】
自電源制御装置の制御によるものではない電源ユニットの出力電力の低下を検出することにより電源ユニットの故障を検出し、
負荷に対して電力を供給している電源ユニットの故障を検出した場合に、出力電力を減少させている電源ユニットの出力電力を増大させ、該電源ユニットが出力する電力が、前記故障した電源ユニット以外の、負荷に対して電力供給中である他の電源ユニットの出力電力と均等になるように、各電源ユニットを制御する
ことを特徴とする請求項9に記載の電源制御方法。
【請求項11】
出力電力を減少させるべき電源ユニットを、自身の制御下にある複数の電源ユニットから所定の時間間隔で順次選択する
ことを特徴とする請求項7乃至10に記載の電源制御方法。
【請求項12】
同一の負荷に対して並列に接続された複数の電源ユニットのそれぞれにおいて、出力電圧を設定する信号を受信し、該受信した出力電圧を設定する信号により自身が出力する電圧を決定するステップと、
各前記電源ユニットにおいて、自身が出力する電力を測定し、測定した電力値を送信するステップと、
電源制御装置において、前記複数の電源ユニットのうちの少なくとも一つの電力供給が減少して、当該電源ユニットに含まれるファンが停止した場合に、他の前記電源ユニットの前記負荷への電力供給が均等になるよう制御を行うステップと
を含むことを特徴とする電源システム制御方法。
【請求項13】
同一の負荷に対して並列接続された複数の電源ユニットのうちの少なくとも一つの出力電力を低下させる処理と、
他の前記電源ユニットの前記負荷への電力供給が均等になるよう制御を行う処理と
をコンピュータに行わせることを特徴とするプログラム。
【請求項14】
同一の負荷に対して並列接続された複数の電源ユニットのうちの少なくとも一つの出力電力を低下させ、他の前記電源ユニットの前記負荷への電力供給が均等になるよう制御する電源制御手段
を備えたことを特徴とする回路。
【請求項1】
同一の負荷に対して並列に接続された複数の電源ユニットのうちの少なくとも一つの電力供給が減少して、当該電源ユニットに含まれる冷却のためのファンが停止した場合に、他の前記電源ユニットの前記負荷への電力供給が均等になるよう制御を行う電源制御手段
を含むことを特徴とする電源制御装置。
【請求項2】
前記電源制御手段は、出力電圧を設定する信号を前記電源ユニットに送信して該電源ユニットの出力電圧を制御することにより該電源ユニットの出力電力の制御を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の電源制御装置。
【請求項3】
自身が制御しているそれぞれの前記電源ユニットから送信される、該電源ユニットの出力電力の測定値の信号を受信する電力信号受信手段
を含むことを特徴とする請求項2に記載の電源制御装置。
【請求項4】
自電源制御装置の制御によるものではない電源ユニットの出力電力の低下を検出することにより電源ユニットの故障を検出する故障検出手段
を含み、
前記故障検出手段が、負荷に対して電力を供給している電源ユニットの故障を検出した場合に、前記電源制御手段が、出力電力を減少させている電源ユニットの出力電力を増大させ、該電源ユニットが出力する電力が、前記故障した電源ユニット以外の、負荷に対して電力供給中である他の電源ユニットの出力電力と均等になるように、各電源ユニットを制御する
ことを特徴とする請求項3に記載の電源制御装置。
【請求項5】
出力電力を減少させるべき電源ユニットを、自身の制御下にある複数の電源ユニットから所定の時間間隔で順次選択する
ことを特徴とする請求項1乃至4に記載の電源制御装置。
【請求項6】
同一の負荷に対して並列に接続された複数の電源ユニットと、
電源制御装置と
を含み、
前記複数の電源ユニットのそれぞれは、
出力電圧を設定する信号を受信し、該受信した出力電圧を設定する信号により自身が出力する電圧を決定する電圧調整手段と、
自身が出力する電力を測定する電力測定手段と、
前記電力測定手段により測定した電力値を送信する電力値送信手段と、
冷却のためのファンと
を備え、
前記電源制御装置は、
前記複数の電源ユニットのうちの少なくとも一つの電力供給が減少して、当該電源ユニットに含まれる前記ファンが停止した場合に、他の前記電源ユニットの前記負荷への電力供給が均等になるよう制御を行う電源制御手段
を備える、
ことを特徴とする電源システム。
【請求項7】
同一の負荷に対して並列に接続された複数の電源ユニットのうちの少なくとも一つの電力供給が減少して、当該電源ユニットに含まれる冷却のためのファンが停止した場合に、他の前記電源ユニットの前記負荷への電力供給が均等になるよう制御を行う
ことを特徴とする電源制御方法。
【請求項8】
出力電圧を設定する信号を前記電源ユニットに送信して該電源ユニットの出力電圧を制御することにより該電源ユニットの出力電力の制御を行う
請求項7に記載の電源制御方法。
【請求項9】
自身が制御しているそれぞれの前記電源ユニットから送信される、該電源ユニットの出力電力の測定値の信号を受信する
ことを特徴とする請求項8に記載の電源制御方法。
【請求項10】
自電源制御装置の制御によるものではない電源ユニットの出力電力の低下を検出することにより電源ユニットの故障を検出し、
負荷に対して電力を供給している電源ユニットの故障を検出した場合に、出力電力を減少させている電源ユニットの出力電力を増大させ、該電源ユニットが出力する電力が、前記故障した電源ユニット以外の、負荷に対して電力供給中である他の電源ユニットの出力電力と均等になるように、各電源ユニットを制御する
ことを特徴とする請求項9に記載の電源制御方法。
【請求項11】
出力電力を減少させるべき電源ユニットを、自身の制御下にある複数の電源ユニットから所定の時間間隔で順次選択する
ことを特徴とする請求項7乃至10に記載の電源制御方法。
【請求項12】
同一の負荷に対して並列に接続された複数の電源ユニットのそれぞれにおいて、出力電圧を設定する信号を受信し、該受信した出力電圧を設定する信号により自身が出力する電圧を決定するステップと、
各前記電源ユニットにおいて、自身が出力する電力を測定し、測定した電力値を送信するステップと、
電源制御装置において、前記複数の電源ユニットのうちの少なくとも一つの電力供給が減少して、当該電源ユニットに含まれるファンが停止した場合に、他の前記電源ユニットの前記負荷への電力供給が均等になるよう制御を行うステップと
を含むことを特徴とする電源システム制御方法。
【請求項13】
同一の負荷に対して並列接続された複数の電源ユニットのうちの少なくとも一つの出力電力を低下させる処理と、
他の前記電源ユニットの前記負荷への電力供給が均等になるよう制御を行う処理と
をコンピュータに行わせることを特徴とするプログラム。
【請求項14】
同一の負荷に対して並列接続された複数の電源ユニットのうちの少なくとも一つの出力電力を低下させ、他の前記電源ユニットの前記負荷への電力供給が均等になるよう制御する電源制御手段
を備えたことを特徴とする回路。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2011−30367(P2011−30367A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−173884(P2009−173884)
【出願日】平成21年7月27日(2009.7.27)
【出願人】(000168285)エヌイーシーコンピュータテクノ株式会社 (572)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月27日(2009.7.27)
【出願人】(000168285)エヌイーシーコンピュータテクノ株式会社 (572)
【Fターム(参考)】
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