説明

AC高圧電源装置、帯電装置、現像装置及び画像形成装置

【課題】小型化及び消費電力の低減を可能とする。
【解決手段】比較回路107によって正弦波信号と三角波信号が比較され、その比較結果に基づいてスイッチング増幅回路109にてスイッチング動作及び信号増幅が行われる。そして、スイッチング増幅回路109の出力信号は、ローパスフィルタ(LPF)111によってその波形形状が正弦波形状に変換された後、ACトランス113で昇圧される。また、制御回路105によってACトランス113の出力信号のピークレベルが所望のピークレベルとなるように比較回路107に入力される正弦波信号がフィードバック制御される。この場合には、スイッチング増幅回路109でのスイッチング動作はフルスイッチング動作となり、スイッチング増幅回路109での発熱を抑制することができ、温度上昇及び電力損失を従来よりも小さくすることができる。そして、放熱板を不要あるいは従来よりも小さくすることが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、AC高圧電源装置、帯電装置、現像装置及び画像形成装置に係り、更に詳しくは、ACの高電圧を発生するAC高圧電源装置、該AC高圧電源装置を有する帯電装置及び現像装置、前記帯電装置及び現像装置の少なくとも一方を備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、ファックス、複写機、及びこれらの複合機等の画像形成装置では、帯電装置を用いて感光体ドラムを帯電させ、その帯電された感光体ドラムの表面を画像情報に応じて変調されたレーザ光により走査し、感光体ドラムの表面に静電潜像を形成する方法が一般的に行われている。
【0003】
そして、現像装置を用いて、感光体ドラムの表面に形成された静電潜像にトナーを付着させて顕像化(現像)し、記録紙に転写している。
【0004】
上記帯電及び現像では、一般的にACの高電圧とDC電圧とが重畳された電圧が用いられている。そこで、画像形成装置は、通常、ACの高電圧を発生させるためのAC高圧電源装置を有している(例えば、特許文献1〜特許文献4参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2001−117325号公報
【特許文献2】特開2001−312123号公報
【特許文献3】特開2007−171936号公報
【特許文献4】特開2007−199377号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のAC高圧電源装置は、増幅回路での発熱による電力損失が大きいため、消費電力が大きいという不都合があった。また、温度上昇を抑制するために大きな放熱板が必要であり、小型化が困難であった。
【0007】
本発明は、かかる事情の下になされたもので、その第1の目的は、小型化及び消費電力の低減が可能なAC高圧電源装置を提供することにある。
【0008】
また、本発明の第2の目的は、小型化及び消費電力の低減が可能な帯電装置を提供することにある。
【0009】
また、本発明の第3の目的は、小型化及び消費電力の低減が可能な現像装置を提供することにある。
【0010】
また、本発明の第4の目的は、小型化及び消費電力の低減が可能な画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、第1の観点からすると、正弦波形状の第1信号と三角波形状の第2信号を比較し、その比較結果を出力する比較回路と;前記比較回路の出力信号に基づいてスイッチング動作及び信号増幅を行うスイッチング増幅回路と;前記スイッチング増幅回路の出力信号の波形形状を正弦波形状に変換する変換回路と;前記変換回路の出力信号の電圧を昇圧するトランスと;前記トランスの入力信号または出力信号をモニタ用信号とし、該モニタ用信号に基づいて、前記トランスの出力信号のピークレベルが所望のピークレベルとなるように前記比較回路に入力される前記第1信号をフィードバック制御する制御回路と;を備えるAC高圧電源装置である。
【0012】
これによれば、比較回路によって正弦波形状の第1信号と三角波形状の第2信号が比較され、その比較結果に基づいてスイッチング増幅回路にてスイッチング動作及び信号増幅が行われる。そして、スイッチング増幅回路の出力信号は、その波形形状が変換回路によって正弦波形状に変換された後、トランスで昇圧される。また、制御回路によってトランスの出力信号のピークレベルが所望のピークレベルとなるように比較回路に入力される第1信号がフィードバック制御される。この場合には、スイッチング増幅回路において、電流が流れるときの電圧をほぼ0とすることが可能となり、スイッチング増幅回路での発熱を抑制することができる。その結果、温度上昇及び電力損失を従来よりも小さくすることができる。そして、放熱板を不要あるいは従来よりも大幅に小さくすることが可能となる。従って、小型化及び消費電力の低減が可能となる。
【0013】
本発明は、第2の観点からすると、物体を帯電させる帯電装置であって、本発明のAC高圧電源装置と;前記AC高圧電源装置のトランスで昇圧されたAC電圧に重畳されるDC電圧を発生させるDCバイアス回路と;前記AC電圧と前記DC電圧とが重畳された電圧が印加され、前記物体を帯電させる帯電部材と;を備える帯電装置である。
【0014】
これによれば、本発明のAC高圧電源装置を備えているため、結果として、小型化及び消費電力の低減が可能となる。
【0015】
本発明は、第3の観点からすると、物体上の静電潜像を現像する現像装置であって、トナーと、本発明のAC高圧電源装置と;前記AC高圧電源装置のトランスで昇圧されたAC電圧に重畳されるDC電圧を発生させるDCバイアス回路と;前記AC電圧と前記DC電圧とが重畳された電圧が印加され、前記トナーを前記静電潜像に付着させる現像部材と;を備える現像装置である。
【0016】
これによれば、本発明のAC高圧電源装置を備えているため、結果として、小型化及び消費電力の低減が可能となる。
【0017】
本発明は、第4の観点からすると、少なくとも1つの像担持体と;前記少なくとも1つの像担持体の表面を帯電させる少なくとも1つの本発明の帯電装置と;前記帯電された少なくとも1つの像担持体に対して画像情報が含まれる光束を走査する少なくとも1つの光走査装置と;を備える第1の画像形成装置である。
【0018】
本発明は、第5の観点からすると、少なくとも1つの像担持体と;前記少なくとも1つの像担持体に対して画像情報が含まれる光束を走査し、前記少なくとも1つの像担持体の表面に静電潜像を形成する少なくとも1つの光走査装置と;前記静電潜像を現像する少なくとも1つの本発明の現像装置と;を備える第2の画像形成装置である。
【0019】
本発明は、第6の観点からすると、少なくとも1つの像担持体と;前記少なくとも1つの像担持体の表面を帯電させる少なくとも1つの本発明の帯電装置と;前記帯電された少なくとも1つの像担持体に対して画像情報が含まれる光束を走査し、前記少なくとも1つの像担持体の表面に静電潜像を形成する少なくとも1つの光走査装置と;前記静電潜像を現像する少なくとも1つの本発明の現像装置と;を備える第3の画像形成装置である。
【0020】
上記第1〜第3の画像形成装置によれば、少なくとも1つの本発明の帯電装置及び少なくとも1つの本発明の現像装置の少なくとも一方を備えているため、結果として、小型化及び消費電力の低減が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
《第1の実施形態》
以下、本発明の第1の実施形態を図1〜図24に基づいて説明する。図1には、本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置としてのレーザプリンタ1000の概略構成が示されている。
【0022】
このレーザプリンタ1000は、光走査装置1010、感光体ドラム1030、帯電装置1031、現像装置1032、転写装置1033、除電ユニット1034、クリーニングユニット1035、給紙コロ1037、給紙トレイ1038、レジストローラ対1039、定着ローラ1041、排紙ローラ1042、排紙トレイ1043、通信制御装置1050、及び上記各部を統括的に制御するプリンタ制御装置1060などを備えている。なお、これらは、プリンタ筐体1044の中の所定位置に収容されている。
【0023】
通信制御装置1050は、ネットワークなどを介した上位機器(例えばパソコン)との双方向の通信を制御する。
【0024】
感光体ドラム1030は、円柱状の部材であり、その表面には感光層が形成されている。すなわち、感光体ドラム1030の表面が被走査面である。そして、感光体ドラム1030は、図1における矢印方向に回転するようになっている。
【0025】
帯電装置1031、現像装置1032、転写装置1033、除電ユニット1034及びクリーニングユニット1035は、それぞれ感光体ドラム1030の表面近傍に配置されている。そして、感光体ドラム1030の回転方向に沿って、帯電装置1031→現像装置1032→転写装置1033→除電ユニット1034→クリーニングユニット1035の順に配置されている。
【0026】
帯電装置1031は、感光体ドラム1030の表面を均一に帯電させる。なお、この帯電装置1031の構成については後述する。
【0027】
光走査装置1010は、帯電装置1031で帯電された感光体ドラム1030の表面を、上位装置からの画像情報に基づいて変調された光束で走査する。これにより、画像情報に対応した静電潜像が感光体ドラム1030の表面に形成される。ここで形成された静電潜像は、感光体ドラム1030の回転に伴って現像装置1032の方向に移動する。
【0028】
現像装置1032は、感光体ドラム1030の表面に形成された静電潜像にトナーを付着させて静電潜像を現像する。ここでトナーが付着した像(以下では、便宜上「トナー像」ともいう)は、感光体ドラム1030の回転に伴って転写装置1033の方向に移動する。なお、この現像装置1032の構成については後述する。
【0029】
給紙トレイ1038には記録紙1040が格納されている。この給紙トレイ1038の近傍には給紙コロ1037が配置されており、該給紙コロ1037は、記録紙1040を給紙トレイ1038から1枚づつ取り出し、レジストローラ対1039に搬送する。該レジストローラ対1039は、給紙コロ1037によって取り出された記録紙1040を一旦保持するとともに、該記録紙1040を感光体ドラム1030の回転に合わせて感光体ドラム1030と転写装置1033との間隙に向けて送り出す。
【0030】
転写装置1033は、感光体ドラム1030の表面上のトナーを電気的に記録紙1040に引きつけるために、トナーとは逆極性の電圧が印加されている。そして、この電圧により、感光体ドラム1030の表面のトナー像が記録紙1040に転写される。ここで転写された記録紙1040は、定着ローラ1041に送られる。
【0031】
この定着ローラ1041では、熱と圧力とが記録紙1040に加えられ、これによってトナーが記録紙1040上に定着される。ここで定着された記録紙1040は、排紙ローラ1042を介して排紙トレイ1043に送られ、排紙トレイ1043上に順次スタックされる。
【0032】
除電ユニット1034は、感光体ドラム1030の表面を除電する。
【0033】
クリーニングユニット1035は、感光体ドラム1030の表面に残ったトナー(残留トナー)を除去する。残留トナーが除去された感光体ドラム1030の表面は、再度帯電装置1031に対向する位置に戻る。
【0034】
「帯電装置」
次に、前記帯電装置1031の構成について説明する。
【0035】
この帯電装置1031は、一例として図2に示されるように、電源装置1031a、及び帯電ローラ1031bを有している。ここでは、いわゆる近接帯電法によって感光体ドラム1030が帯電されるものとする。なお、接触帯電法によって感光体ドラム1030が帯電されても良い。
【0036】
帯電ローラ1031bは、一例として図3に示されるように、棒状の芯金と、該芯金をくるむように設けられ、中抵抗に抵抗が設定されている円柱状の弾性層と、該弾性層の外周を被覆し、耐摩耗性を向上させ、かつ異物付着性を低減させる被覆層(保護層)とを有している。そして、感光体ドラム1030における不要な部分(像が形成されない部分)が帯電されないようにスペーサが設けられている。なお、スペーサは、帯電ローラ1031bではなく、感光体ドラム1030に設けても良い。また、帯電ローラ1031bと感光体ドラム1030との間に例えばベルトのようなシート状の部材をスペーサとして配置しても良い。
【0037】
電源装置1031aは、一例として図4に示されるように、正弦波信号生成回路101、三角波信号生成回路103、制御回路105、比較回路107、スイッチング増幅回路109、ローパスフィルタ(LPF)111、ACトランス113及びDCバイアス回路115を有している。
【0038】
正弦波信号生成回路101は、所定周波数の正弦波形状の信号(以下では、便宜上「正弦波信号」ともいう)を生成する。ここでは、一例として図5に示されるように、正弦波信号生成回路101は、複数の抵抗(R21〜R26、VR21)、複数のコンデンサ(C21、C22、C23)、複数のツェナーダイオード(ZD21、ZD22)、及びオペアンプIC21を有している。そして、図6には、この正弦波信号生成回路101から出力される正弦波信号s101の電圧波形が例示されている。
【0039】
三角波信号生成回路103は、三角波形状の信号(以下では、便宜上「三角波信号」ともいう)を生成する。ここでは、一例として図7に示されるように、三角波信号生成回路103は、複数の抵抗(R31〜R39)、複数のコンデンサ(C31、C32)、トランジスタQ31、及びオペアンプIC31を有している。そして、図8には、この三角波信号生成回路103から出力される三角波信号s103の電圧波形が例示されている。なお、三角波信号の波形(ピーク値、周期等)は、正弦波信号の波形(ピーク値、周波数等)に応じて設定されている。
【0040】
比較回路107は、正弦波信号生成回路101から出力され制御回路105を介した正弦波信号と三角波信号生成回路103から出力された三角波信号を比較し、その比較結果を出力する。ここでは、比較回路107は、一例として図9に示されるように、複数の抵抗(R3〜R6)、複数のオペアンプ(IC1、IC2)を有している。また、ここでは、比較回路107からは、2つの信号(信号s107a、信号s107b)が出力される。なお、信号s107aの電圧波形が図10に、信号s107bの電圧波形が図11にそれぞれ例示されている。信号s107bの電圧波形は、信号s107aの電圧波形を反転させたものと同じである。
【0041】
スイッチング増幅回路109は、比較回路107の出力信号(ここでは、信号s107aと信号s107bの2つの信号)に応じてスイッチング動作を行い、ACトランス113の駆動が可能となる程度に電流を増幅する。ここでは、一例として図9に示されるように、スイッチング増幅回路109は、複数の抵抗(R7〜R18)、複数のトランジスタ(Q1〜Q7)、複数のダイオード(D1、D2)を有している。そして、図12には、このスイッチング増幅回路109から出力される信号s109の電圧波形が例示されている。この電圧波形からわかるように、スイッチング増幅回路109の出力信号s109は、ローレベルが0Vのパルス形状の信号、いわゆる「フルスイッチングされた信号(フルスイッチ信号)」である。すなわち、スイッチング増幅回路109は、スイッチングに関してはフルスイッチング動作を行う。
【0042】
ローパスフィルタ111は、スイッチング増幅回路109の出力信号の波形形状を正弦波形状に変換する。ここでは、一例として図13に示されるように、ローパスフィルタ111は、抵抗R19、コイルL1、コンデンサC2を有している。そして、図14には、このローパスフィルタ111から出力される信号s111aの電圧波形が例示されている。
【0043】
ローパスフィルタ111の出力信号s111aは、コンデンサC1を介してACトランス113に供給される。すなわち、コンデンサC1の出力信号s111bが、ACトランス113の駆動信号となる。図15には、コンデンサC1から出力される信号s111bの電圧波形が例示されている。
【0044】
ACトランス113は、信号s111bを昇圧する。ここでは、図16に示されるように、±1.5kVに昇圧されている。なお、ACトランス113の1次側を流れる電流情報が含まれる信号は、モニタ用信号として制御回路105にフィードバックされる(図13参照)。
【0045】
制御回路105は、レベル調整回路105a、及び帰還回路105bを有している(図4参照)。ここでは、帰還回路105bには、ACトランス113からの上記モニタ用信号が入力される。そして、レベル調整回路105aは、帰還回路105bの出力信号に応じて、ACトランス113の出力信号の電圧波形におけるピークレベルが所望のレベルとなるように、正弦波信号生成回路101の出力信号s101の電圧波形におけるピークレベルを調整する。
【0046】
帰還回路105bは、一例として、モニタ用信号の電流値を検出し電圧情報に変換する電流検出抵抗(不図示)、及び電流検出抵抗の出力信号を半波整流し、ピーク値(実効値)を出力する半波整流回路(不図示)を有している(例えば、前記特許文献1(特開2001−117325号公報)参照)。
【0047】
また、レベル調整回路105aは、一例として、前記所望のレベルに対応する基準電圧の信号を生成する基準電圧信号生成回路(不図示)、該基準電圧信号生成回路の出力信号と上記半波整流回路の出力信号との差を検出するオペアンプ(不図示)、及び該オペアンプの検出結果が0となるように正弦波信号生成回路101の出力信号s101を調整して比較回路107に出力する調整回路(不図示)を有している。
【0048】
DCバイアス回路115は、ACトランス113で昇圧された電圧(AC電圧)に重畳されるDC電圧を発生する。ここでは、一例として図13に示されるように、DCバイアス回路115は、複数の抵抗(R50〜R53)、複数のコンデンサ(C50〜C52)、トランジスタQ50、ダイオードD50、トランスT50を有している。そして、図17には、AC電圧とDC電圧とが重畳され、帯電ローラ1031b(正確には帯電ローラ1031bの芯金)に印加される電圧の波形が例示されている。ここでは、一例としてDC電圧は、−600(V)である。
【0049】
以上の説明から明らかなように、本第1の実施形態に係る帯電装置1031では、正弦波信号生成回路101と三角波信号生成回路103と制御回路105と比較回路107とスイッチング増幅回路109とローパスフィルタ(LPF)111とACトランス113とによってAC高圧電源装置が構成されている。
【0050】
ところで、比較のために、従来の帯電装置に用いられているAC高圧電源装置の一例が図18に示されている。このAC高圧電源装置は、正弦波信号生成回路201、制御回路205、増幅回路209、及びACトランス213を有している。このAC高圧電源装置では、一例として図19に示されるように、増幅回路209の出力信号は、電流波形と電圧波形の重なり部分(面積)が大きく、電流が流れるときの電圧が大きいため、増幅回路209での発熱及び電力損失が大きい。
【0051】
一方、上記のように構成される帯電装置1031では、一例として図20に示されるように、スイッチング増幅回路109において、電流波形と電圧波形の重なり部分(面積)が極めて少なく、電流が流れるときの電圧がほぼ0となるため、スイッチング増幅回路109での発熱及び電力損失を極めて小さくすることができる。
【0052】
なお、DC電圧及びAC電圧は、プロセススピードによって異なる。例えば、30〜60(cpm)のプロセススピードでは、DC電圧は−450〜−1500(V)、AC電圧は800〜4500(Hz)で800〜2000(V)程度である。
【0053】
「現像装置」
次に、前記現像装置1032の構成について説明する。
【0054】
この現像装置1032は、電源装置1032a(図21参照)、現像ローラ1032b(図1参照)、及びトナーカートリッジ1032c(図1参照)を有している。
【0055】
トナーカートリッジ1032cには、トナーが格納されている。
【0056】
電源装置1032aは、図21に示されるように、正弦波信号生成回路301、三角波信号生成回路303、制御回路305、比較回路307、スイッチング増幅回路309、ローパスフィルタ(LPF)311、ACトランス313、及びDCバイアス回路315を有している。
【0057】
正弦波信号生成回路301は、上記正弦波信号生成回路101と同様な構成であり、正弦波信号を生成する。
【0058】
三角波信号生成回路303は、上記三角波信号生成回路103と同様な構成であり、三角波信号を生成する。
【0059】
比較回路307は、上記比較回路107と同様な構成であり、正弦波信号生成回路301から出力され制御回路305を介した正弦波信号と三角波信号生成回路303から出力された三角波信号を比較し、その比較結果を出力する。
【0060】
スイッチング増幅回路309は、上記スイッチング増幅回路109と同様な構成であり、比較回路307の出力信号に応じてスイッチング動作を行い、ACトランス313の駆動が可能となる程度に電流を増幅する。このスイッチング増幅回路309の出力信号は、フルスイッチ信号である。すなわち、スイッチング増幅回路309は、スイッチングに関してはフルスイッチング動作を行う。
【0061】
ローパスフィルタ311は、上記ローパスフィルタ111と同様な構成であり、スイッチング増幅回路309の出力信号の波形形状を正弦波形状に変換する。ローパスフィルタ311の出力信号は、上記コンデンサC1と同様なコンデンサ(不図示)を介してACトランス313に供給される。すなわち、該コンデンサ(不図示)の出力信号が、ACトランス313の駆動信号となる。
【0062】
ACトランス313は、上述の駆動信号を昇圧する。ここでは、図22に示されるように、±0.5kVに昇圧されている。なお、ACトランス313の1次側を流れる電流情報が含まれる信号は、モニタ用信号として制御回路305にフィードバックされる。
【0063】
制御回路305は、レベル調整回路305a、及び帰還回路305bを有している。帰還回路305bには、ACトランス313からのモニタ用信号が入力される。そして、レベル調整回路305aは、帰還回路305bの出力信号に応じて、ACトランス313の出力信号の電圧波形におけるピークレベルが所望のレベルとなるように、正弦波信号生成回路301の出力信号の電圧波形におけるピークレベルを調整する。
【0064】
DCバイアス回路315は、上記DCバイアス回路115と同様な構成であり、ACトランス313で昇圧された電圧(AC電圧)に重畳されるDC電圧を発生する。そして、図23には、AC電圧とDC電圧とが重畳され、現像ローラ1032bに印加される電圧の波形が例示されている。ここでは、一例としてDC電圧は−500(V)である。
【0065】
以上の説明から明らかなように、本第1の実施形態に係る現像装置1032では、正弦波信号生成回路301と三角波信号生成回路303と制御回路305と比較回路307とスイッチング増幅回路309とローパスフィルタ(LPF)311とACトランス313とによってAC高圧電源装置が構成されている。
【0066】
そして、上記のように構成される現像装置1032では、上記帯電装置1031と同様に、スイッチング増幅回路309において、電流が流れるときに電圧がほぼ0となるため、スイッチング増幅回路309での発熱及び電力損失を極めて小さくすることができる。
【0067】
プリンタ制御装置1060は、印刷要求があると、一例として図24に示されるように、帯電装置1031、現像装置1032、及び転写装置1033を制御する。なお、図24における「出力切換」では、電源の極性を変更する。具体的には、例えばクリーニング状態から転写状態に移行する時には、電源を「+」出力から一旦出力停止とし、その後「−」出力とする。
【0068】
以上説明したように、本第1の実施形態に係る電源装置1031aによると、比較回路107によって正弦波信号と三角波信号が比較され、その比較結果に基づいてスイッチング増幅回路109にてスイッチング動作が行われる。そして、スイッチング増幅回路109の出力信号は、ローパスフィルタ(LPF)111によって正弦波形状の信号に変換された後、ACトランス113で昇圧される。また、制御回路105によってACトランス113の出力信号のピークレベルが所望のピークレベルとなるように比較回路107に入力される正弦波信号がフィードバック制御される。この場合には、上述したように、スイッチング増幅回路109での発熱を抑制することができ、温度上昇及び電力損失を従来よりも小さくすることができる。そして、放熱板を不要あるいは従来よりも小さくすることが可能となる。従って、装置の小型化及び消費電力の低減が可能となる。
【0069】
また、本第1の実施形態に係る電源装置1032aによると、比較回路307によって正弦波信号と三角波信号が比較され、その比較結果に基づいてスイッチング増幅回路309にてスイッチング動作が行われる。そして、スイッチング増幅回路309の出力信号は、ローパスフィルタ(LPF)311によって正弦波形状の信号に変換された後、ACトランス313で昇圧される。また、制御回路305によってACトランス313の出力信号のピークレベルが所望のピークレベルとなるように比較回路307に入力される正弦波信号がフィードバック制御される。この場合には、上述したように、スイッチング増幅回路309での発熱を抑制することができ、温度上昇及び電力損失を従来よりも小さくすることができる。そして、放熱板を不要あるいは従来よりも小さくすることが可能となる。従って、装置の小型化及び消費電力の低減が可能となる。
【0070】
また、本第1の実施形態に係る帯電装置1031によると、温度上昇及び電力損失を従来よりも小さくすることができるAC高圧電源装置を備えているため、結果として小型化及び消費電力の低減が可能となる。
【0071】
また、本第1の実施形態に係る現像装置1032によると、温度上昇及び電力損失を従来よりも小さくすることができるAC高圧電源装置を備えているため、結果として小型化及び消費電力の低減が可能となる。
【0072】
また、本第1の実施形態に係るレーザプリンタ1000によると、小型化及び消費電力の低減ができる帯電装置1031及び現像装置1032を備えているため、結果として小型化及び消費電力の低減が可能となる。
【0073】
なお、上記第1の実施形態では、スイッチング増幅回路109の出力信号s109が、ローレベルが0Vのパルス形状の信号である場合について説明したが、これに限定されるものではない。ローレベルが0V近傍であれば、温度上昇及び電力損失を従来よりも小さくすることができる。同様に、スイッチング増幅回路309の出力信号についても、ローレベルが0V近傍であれば、温度上昇及び電力損失を従来よりも小さくすることができる。
【0074】
また、上記第1の実施形態において、帯電装置1031は、前記正弦波信号を外部から供給できるときに、前記正弦波信号生成回路101を省いても良い。また、帯電装置1031は、前記三角波信号を外部から供給できるときに、前記三角波信号生成回路103を省いても良い。
【0075】
同様に、現像装置1032は、前記正弦波信号を外部から供給できるときに、前記正弦波信号生成回路301を省いても良い。また、現像装置1032は、前記三角波信号を外部から供給できるときに、前記三角波信号生成回路303を省いても良い。
【0076】
また、上記第1の実施形態において、帯電装置1031の正弦波信号生成回路101と制御回路105を一体化させても良い。例えば、前記正弦波信号生成回路101と前記制御回路105に代えて、一例として図25に示されるように、ACトランス113からのモニタ用信号に基づいて、ACトランス113の出力信号の電圧波形におけるピークレベルが所望のレベルとなるように調整された正弦波信号を生成する正弦波信号生成回路101´を用いても良い。
【0077】
同様に、現像装置1032の正弦波信号生成回路301と制御回路305を一体化させても良い。例えば、前記正弦波信号生成回路301と前記制御回路305に代えて、一例として図26に示されるように、ACトランス313からのモニタ用信号に基づいて、ACトランス313の出力信号の電圧波形におけるピークレベルが所望のレベルとなるように調整された正弦波信号を生成する正弦波信号生成回路301´を用いても良い。
【0078】
また、上記第1の実施形態では、帯電部材が帯電ローラの場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、帯電ブラシ、帯電フイルム、及び帯電ブレードのいずれかであっても良い。
【0079】
また、上記第1の実施形態では、現像部材が現像ローラの場合について説明したが、これに限定されるものではない。
【0080】
また、上記第1の実施形態では、レーザプリンタ1000が、帯電装置1031と現像装置1032を備えている場合について説明したが、帯電装置及び現像装置の一方が従来の装置であっても良い。この場合であっても、従来よりも小型化及び消費電力の低減が可能となる。
【0081】
また、上記第1の実施形態では、三角波信号が、いわゆる「のこぎり波」の場合について説明したが、これに限定されるものではない。
【0082】
また、上記第1の実施形態では、ACトランスの1次側を流れる電流情報が含まれる信号をモニタ用信号とする場合について説明したが、これに限らず、例えば、ACトランスの2次側を流れる電流情報が含まれる信号をモニタ用信号としても良い。
【0083】
《第2の実施形態》
次に、本発明の第2の実施形態を図27〜図29に基づいて説明する。図27には、本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置としてのカラープリンタ2000の概略構成が示されている。
【0084】
このカラープリンタ2000は、中間転写ベルトを用いた4連タンデム方式のカラープリンタであり、4色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)を重ね合わせてフルカラーの画像を形成する。
【0085】
カラープリンタ2000は、光走査装置2010、4つの感光体ドラム(2030a、2030b、2030c、2030d)、帯電装置2031(不図示)、現像装置2032(不図示)、感光体ドラムに対応した4つのクリーニングユニット(2035a、2035b、2035c、2035d)、感光体ドラムに対応した4つの除電ランプ(2034、2034、2034、2034)、中間転写ベルト2040、レジストローラ対2056、転写ベルト2061、搬送ベルト2062、定着ユニット2070、通信制御装置2050、及び上記各部を統括的に制御するプリンタ制御装置2060などを備えている。なお、各感光体ドラムは、図27における矢印方向に回転するようになっている。
【0086】
「帯電装置」
帯電装置2031は、電源装置2031a(図28参照)、及び感光体ドラムに対応した4つの帯電ローラ(2031、2031、2031、2031)(図27参照)を有している。
【0087】
電源装置2031aは、図28に示されるように、正弦波信号生成回路2101、三角波信号生成回路2103、4つの制御回路(2105、2105、2105、2105)、4つの比較回路(2107、2107、2107、2107)、4つのスイッチング増幅回路(2109、2109、2109、2109)、4つのローパスフィルタ(LPF)(2111、2111、2111、2111)、4つのACトランス(2113、2113、2113、2113)、及び4つのDCバイアス回路(2115、2115、2115、2115)を有している。
【0088】
ここでは、制御回路2105、比較回路2107、スイッチング増幅回路2109、ローパスフィルタ2111、ACトランス2113、DCバイアス回路2115、及び帯電ローラ2031は、感光体ドラム2030aに対応している。
【0089】
また、制御回路2105、比較回路2107、スイッチング増幅回路2109、ローパスフィルタ2111、ACトランス2113、DCバイアス回路2115、及び帯電ローラ2031は、感光体ドラム2030bに対応している。
【0090】
また、制御回路2105、比較回路2107、スイッチング増幅回路2109、ローパスフィルタ2111、ACトランス2113、DCバイアス回路2115、及び帯電ローラ2031は、感光体ドラム2030cに対応している。
【0091】
そして、制御回路2105、比較回路2107、スイッチング増幅回路2109、ローパスフィルタ2111、ACトランス2113、DCバイアス回路2115、及び帯電ローラ2031は、感光体ドラム2030dに対応している。
【0092】
正弦波信号生成回路2101は、上記第1の実施形態における正弦波信号生成回路101と同様な構成であり、正弦波信号を生成する。ここで生成された正弦波信号は各制御回路(2105〜2105)に供給される。
【0093】
三角波信号生成回路2103は、上記第1の実施形態における三角波信号生成回路103と同様な構成であり、三角波信号を生成する。ここで生成された三角波信号は各比較回路(2107〜2107)に供給される。
【0094】
各比較回路(2107〜2107)は、上記第1の実施形態における比較回路107と同様な構成であり、正弦波信号生成回路2101から出力され対応する制御回路を介した正弦波信号と三角波信号生成回路2103から出力された三角波信号を比較し、その比較結果を出力する。
【0095】
各スイッチング増幅回路(2109〜2109)は、上記第1の実施形態におけるスイッチング増幅回路109と同様な構成であり、対応する比較回路の出力信号に応じてスイッチング動作を行い、対応するACトランスの駆動が可能となる程度に電流を増幅する。各スイッチング増幅回路(2109〜2109)の出力信号は、フルスイッチ信号である。すなわち、各スイッチング増幅回路(2109〜2109)は、スイッチングに関してはフルスイッチング動作を行う。
【0096】
各ローパスフィルタ(2111〜2111)は、上記第1の実施形態におけるローパスフィルタ111と同様な構成であり、対応するスイッチング増幅回路の出力信号の波形形状を正弦波形状に変換する。各ローパスフィルタ(2111〜2111)の出力信号は、上記第1の実施形態におけるコンデンサC1と同様なコンデンサ(不図示)を介して対応するACトランスに供給される。
【0097】
各ACトランス(2113〜2113)は、入力信号を昇圧する。なお、各ACトランス(2113〜2113)の1次側を流れる電流情報が含まれる信号は、モニタ用信号として対応する制御回路にフィードバックされる。
【0098】
各制御回路(2105〜2105)は、上記第1の実施形態における制御回路105と同様な構成であり、対応するACトランスからのモニタ用信号に応じて、対応するACトランスの出力信号の電圧波形におけるピークレベルが所望のレベルとなるように、正弦波信号生成回路2101の出力信号の電圧波形におけるピークレベルを調整する。
【0099】
各DCバイアス回路(2115〜2115)は、上記第1の実施形態におけるDCバイアス回路115と同様な構成であり、対応するACトランスで昇圧されたAC電圧に重畳されるDC電圧を発生する。AC電圧とDC電圧とが重畳された電圧は、対応する帯電ローラに印加される。
【0100】
以上の説明から明らかなように、本第2の実施形態に係る帯電装置2031では、正弦波信号生成回路2101と三角波信号生成回路2103と4つの制御回路(2105〜2105)と4つの比較回路(2107〜2107)と4つのスイッチング増幅回路(2109〜2109)と4つのローパスフィルタ(LPF)(2111〜2111)と4つのACトランス(2113〜2113)とによってAC高圧電源装置が構成されている。
【0101】
そして、帯電装置2031は、帯電ローラ2031によって感光体ドラム2030aを帯電させ、帯電ローラ2031によって感光体ドラム2030bを帯電させる。また、帯電装置2031は、帯電ローラ2031によって感光体ドラム2030cを帯電させ、帯電ローラ2031によって感光体ドラム2030dを帯電させる。
【0102】
光走査装置2010は、イエローの画像情報に基づいて、帯電されている感光体ドラム2030aを光走査し、マゼンタの画像情報に基づいて、帯電されている感光体ドラム2030bを光走査する。また、光走査装置2010は、シアンの画像情報に基づいて、帯電されている感光体ドラム2030cを光走査し、ブラックの画像情報に基づいて、帯電されている感光体ドラム2030dを光走査する。
【0103】
「現像装置」
現像装置2032は、電源装置2032a(図27では不図示、図29参照)、感光体ドラムに対応した4つの現像ローラ(2032、2032、2032、2032)、及び現像ローラに対応した4つのトナーカートリッジ(2034、2034、2034、2034、図示省略)を有している。
【0104】
トナーカートリッジ2034には、イエローのトナーが格納されている。トナーカートリッジ2034には、マゼンタのトナーが格納されている。トナーカートリッジ2034には、シアンのトナーが格納されている。トナーカートリッジ2034には、ブラックのトナーが格納されている。
【0105】
電源装置2032aは、一例として図29に示されるように、正弦波信号生成回路2201、三角波信号生成回路2203、4つの制御回路(2205、2205、2205、2205)、4つの比較回路(2207、2207、2207、2207)、4つのスイッチング増幅回路(2209、2209、2209、2209)、4つのローパスフィルタ(LPF)(2211、2211、2211、2211)、4つのACトランス(2213、2213、2213、2213)、及び4つのDCバイアス回路(2215、2215、2215、2215)を有している。
【0106】
ここでは、制御回路2205、比較回路2207、スイッチング増幅回路2209、ローパスフィルタ2211、ACトランス2213、DCバイアス回路2215、現像ローラ2032、及びトナーカートリッジ2034は、感光体ドラム2030aに対応している。
【0107】
また、制御回路2205、比較回路2207、スイッチング増幅回路2209、ローパスフィルタ2211、ACトランス2213、DCバイアス回路2215、現像ローラ2032、及びトナーカートリッジ2034は、感光体ドラム2030bに対応している。
【0108】
また、制御回路2205、比較回路2207、スイッチング増幅回路2209、ローパスフィルタ2211、ACトランス2213、DCバイアス回路2215、現像ローラ2032、及びトナーカートリッジ2034は、感光体ドラム2030cに対応している。
【0109】
そして、制御回路2205、比較回路2207、スイッチング増幅回路2209、ローパスフィルタ2211、ACトランス2213、DCバイアス回路2215、現像ローラ2032、及びトナーカートリッジ2034は、感光体ドラム2030dに対応している。
【0110】
正弦波信号生成回路2201は、上記第1の実施形態における正弦波信号生成回路301と同様な構成であり、正弦波信号を生成する。ここで生成された正弦波信号は各制御回路(2205〜2205)に供給される。
【0111】
三角波信号生成回路2203は、上記第1の実施形態における三角波信号生成回路303と同様な構成であり、三角波信号を生成する。ここで生成された三角波信号は各比較回路(2207〜2207)に供給される。
【0112】
各比較回路(2207〜2207)は、上記第1の実施形態における比較回路307と同様な構成であり、正弦波信号生成回路2201から出力され対応する制御回路を介した正弦波信号と三角波信号生成回路2203から出力された三角波信号を比較し、その比較結果を出力する。
【0113】
各スイッチング増幅回路(2209〜2209)は、上記第1の実施形態におけるスイッチング増幅回路309と同様な構成であり、対応する比較回路の出力信号に応じてスイッチング動作を行い、対応するACトランスの駆動が可能となる程度に電流を増幅する。各スイッチング増幅回路(2209〜2209)の出力信号は、フルスイッチ信号である。すなわち、各スイッチング増幅回路(2209〜2209)は、スイッチングに関してはフルスイッチング動作を行う。
【0114】
各ローパスフィルタ(2211〜2211)は、上記第1の実施形態におけるローパスフィルタ311と同様な構成であり、対応するスイッチング増幅回路の出力信号の波形形状を正弦波形状に変換する。各ローパスフィルタ(2211〜2211)の出力信号は、上記第1の実施形態におけるコンデンサC1と同様なコンデンサ(不図示)を介して対応するACトランスに供給される。
【0115】
各ACトランス(2213〜2213)は、入力信号を昇圧する。なお、各ACトランス(2213〜2213)の1次側を流れる電流情報が含まれる信号は、モニタ用信号として対応する制御回路にフィードバックされる。
【0116】
各制御回路(2205〜2205)は、上記第1の実施形態における制御回路305と同様な構成であり、対応するACトランスからのモニタ用信号に応じて、対応するACトランスの出力信号の電圧波形におけるピークレベルが所望のレベルとなるように、正弦波信号生成回路2201の出力信号の電圧波形におけるピークレベルを調整する。
【0117】
各DCバイアス回路(2215〜2115)は、上記第1の実施形態におけるDCバイアス回路315と同様な構成であり、対応するACトランスで昇圧されたAC電圧に重畳されるDC電圧を発生する。AC電圧とDC電圧とが重畳された電圧は、対応する現像ローラに印加される。
【0118】
以上の説明から明らかなように、本第2の実施形態に係る現像装置2032では、正弦波信号生成回路2201と三角波信号生成回路2203と4つの制御回路(2205〜2205)と4つの比較回路(2207〜2207)と4つのスイッチング増幅回路(2209〜2209)と4つのローパスフィルタ(LPF)(2211〜2211)と4つのACトランス(2213〜2213)とによってAC高圧電源装置が構成されている。
【0119】
現像装置2032は、感光体ドラム2030aに形成された静電潜像をイエローのトナーで現像し、感光体ドラム2030bに形成された静電潜像をマゼンタのトナーで現像する。また、現像装置2032は、感光体ドラム2030cに形成された静電潜像をシアンのトナーで現像し、感光体ドラム2030dに形成された静電潜像をブラックのトナーで現像する。
【0120】
各感光体ドラムのトナー像は、中間転写ベルト2040に重なるように転写され、レジストローラ対2056を介して転写ベルト2061上に供給された印刷用紙2065に転写される。この印刷用紙2065は、搬送ベルト2062によって定着ユニット2070に送られ、印刷用紙2065に転写されたトナー像が定着される。
【0121】
各クリーニングユニット(2035a〜2035d)は、対応する感光体ドラムの表面に残ったトナー(残留トナー)を除去する。
【0122】
各除電ランプ(2034〜2034)は、対応する感光体ドラムの表面を除電する。
【0123】
なお、図27における符号2041は従動ローラ、符号2042はバイアスローラ、符号2043は駆動ローラ、符号2044はファーブラシ、符号2045はテンションローラ、符号2046は転写対向ローラ、符号2063は紙転写バイアスローラである。
【0124】
以上説明したように、本第2の実施形態に係る電源装置2031aによると、上記第1の実施形態に係る電源装置1031aを、感光体ドラムの数に応じた複数個有していることと等価である。従って、上記第1の実施形態に係る電源装置1031aと同様な効果を得ることができる。また、この場合には、同種類の部品を1チップ化することができるため、更に低コスト化を図ることができる。
【0125】
また、本第2の実施形態に係る電源装置2032aによると、上記第1の実施形態に係る電源装置1032aを、感光体ドラムの数に応じた複数個有していることと等価である。従って、上記第1の実施形態に係る電源装置1032aと同様な効果を得ることができる。また、この場合には、同種類の部品を1チップ化することができるため、更に低コスト化を図ることができる。
【0126】
また、本第2の実施形態に係る帯電装置2031は、実質的に、上記第1の実施形態に係る帯電装置1031を、感光体ドラムの数に応じた複数個有していることと等価である。従って、上記第1の実施形態に係る帯電装置1031と同様な効果を得ることができる。
【0127】
また、本第2の実施形態に係る現像装置2032は、実質的に、上記第1の実施形態に係る現像装置1032を、感光体ドラムの数に応じた複数個有していることと等価である。従って、上記第1の実施形態に係る現像装置1032と同様な効果を得ることができる。
【0128】
また、本第2の実施形態に係るカラープリンタ2000は、帯電装置2031及び現像装置2032を備えているため、結果として上記第1の実施形態におけるレーザプリンタ1000と同様な効果を得ることができる。
【0129】
なお、上記第2の実施形態において、光走査装置を1色毎に設けても良いし、2色毎に設けても良い。
【0130】
また、上記第2の実施形態において、帯電装置2031は、前記正弦波信号を外部から供給できるときに、前記正弦波信号生成回路2101を省いても良い。また、帯電装置2031は、前記三角波信号を外部から供給できるときに、前記三角波信号生成回路2103を省いても良い。
【0131】
同様に、現像装置2032は、前記正弦波信号を外部から供給できるときに、前記正弦波信号生成回路2201を省いても良い。また、現像装置2032は、前記三角波信号を外部から供給できるときに、前記三角波信号生成回路2203を省いても良い。
【0132】
また、上記第2の実施形態では、カラープリンタ2000が、帯電装置2031と現像装置2032を備えている場合について説明したが、帯電装置及び現像装置の一方が従来の装置であっても良い。この場合であっても、従来よりも小型化及び消費電力の低減が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0133】
以上説明したように、本発明のAC高圧電源装置によれば、小型化、消費電力の低減に適している。また、本発明の帯電装置及び現像装置によれば、小型化、消費電力の低減に適している。また、本発明の画像形成装置によれば、小型化、消費電力の低減に適している。
【図面の簡単な説明】
【0134】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るレーザプリンタの概略構成を説明するための図である。
【図2】図1における帯電装置の構成を説明するための図である。
【図3】図2における帯電ローラの構成を説明するための図である。
【図4】図2における電源装置を説明するためのブロック図である。
【図5】図4における正弦波信号生成回路を説明するための回路図である。
【図6】図5の正弦波信号生成回路の出力信号を説明するための電圧波形図である。
【図7】図4における三角波信号生成回路を説明するための回路図である。
【図8】図7の三角波信号生成回路の出力信号を説明するための電圧波形図である。
【図9】図2における比較回路及びスイッチング増幅回路を説明するための回路図である。
【図10】図9におけるIC1の出力信号を説明するための電圧波形図である。
【図11】図9におけるIC2の出力信号を説明するための電圧波形図である。
【図12】図9におけるスイッチング増幅回路の出力信号を説明するための電圧波形図である。
【図13】図4におけるLPF、ACトランス及びDCバイアス回路を説明するための回路図である。
【図14】図13におけるLPFの出力信号を説明するための電圧波形図である。
【図15】図13におけるコンデンサC1を介した信号を説明するための電圧波形図である。
【図16】図13におけるACトランスの昇圧を説明するための電圧波形図である。
【図17】AC電圧とDC電圧の重畳を説明するための電圧波形図である。
【図18】従来のAC高圧電源装置を説明するための図である。
【図19】図18における電力の損失を説明するための図である。
【図20】本実施形態における帯電装置の効果を説明するための図である。
【図21】図1における現像装置の電源装置を説明するためのブロック図である。
【図22】図21におけるACトランスの昇圧を説明するための電圧波形図である。
【図23】図21におけるAC電圧とDC電圧の重畳を説明するための電圧波形図である。
【図24】印刷要求があったときのプリンタ制御装置の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図25】図4の電源装置の変形例を説明するためのブロック図である。
【図26】図21の電源装置の変形例を説明するためのブロック図である。
【図27】本発明の第2の実施形態に係るカラープリンタの概略構成を説明するための図である。
【図28】カラープリンタにおける帯電装置の電源装置を説明するためのブロック図である。
【図29】カラープリンタにおける現像装置の電源装置を説明するためのブロック図である。
【符号の説明】
【0135】
101…正弦波信号生成回路(第1信号生成回路)、103…三角波信号生成回路(第2信号生成回路)、105…制御回路、105a…レベル調整回路、105b…帰還回路、107…比較回路、109…スイッチング増幅回路、111…ローパスフィルタ(LPF)、113…ACトランス(トランス)、115…DCバイアス回路、301…正弦波信号生成回路(第1信号生成回路)、303…三角波信号生成回路(第2信号生成回路)、305…制御回路、305a…レベル調整回路、305b…帰還回路、307…比較回路、309…スイッチング増幅回路、311…ローパスフィルタ(LPF)、313…ACトランス(トランス)、315…DCバイアス回路、1000…レーザプリンタ(画像形成装置)、1010…光走査装置、1030…感光体ドラム(像担持体)、1031…帯電装置、1031a…電源装置、1031b…帯電ローラ(帯電部材)、1032…現像装置、1032a…電源装置、1032b…現像ローラ(現像部材)、1032c…トナーカートリッジ、2000…カラープリンタ(画像形成装置)、2010…光走査装置、2030a,2030b,2030c,2030d…感光体ドラム(像担持体)、2031…帯電装置、2031a…電源装置、2031,2031,2031,2031…帯電ローラ(帯電部材)、2032…現像装置、2032a…電源装置、2032,2032,2032,2032…現像ローラ(現像部材)、2034,2034,2034,2034…トナーカートリッジ、2101…正弦波信号生成回路(第1信号生成回路)、2103…三角波信号生成回路(第2信号生成回路)、2105,2105,2105,2105…制御回路、2107,2107,2107,2107…比較回路、2109,2109,2109,2109…スイッチング増幅回路、2111,2111,2111,2111…ローパスフィルタ(LPF)、2113,2113,2113,2113…ACトランス(トランス)、2115,2115,2115,2115…DCバイアス回路、2201…正弦波信号生成回路(第1信号生成回路)、2203…三角波信号生成回路(第2信号生成回路)、2205,2205,2205,2205…制御回路、2207,2207,2207,2207…比較回路、2209,2209,2209,2209…スイッチング増幅回路、2211,2211,2211,2211…ローパスフィルタ(LPF)、2213,2213,2213,2213…ACトランス(トランス)、2215,2215,2215,2215…DCバイアス回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正弦波形状の第1信号と三角波形状の第2信号を比較し、その比較結果を出力する比較回路と;
前記比較回路の出力信号に基づいてスイッチング動作及び信号増幅を行うスイッチング増幅回路と;
前記スイッチング増幅回路の出力信号の波形形状を正弦波形状に変換する変換回路と;
前記変換回路の出力信号の電圧を昇圧するトランスと;
前記トランスの入力信号または出力信号をモニタ用信号とし、該モニタ用信号に基づいて、前記トランスの出力信号のピークレベルが所望のピークレベルとなるように前記比較回路に入力される前記第1信号をフィードバック制御する制御回路と;を備えるAC高圧電源装置。
【請求項2】
前記変換回路は、ローパスフィルタであることを特徴とする請求項1に記載のAC高圧電源装置。
【請求項3】
前記制御回路は、前記モニタ用信号が入力される帰還回路と、該帰還回路の出力信号に応じて前記第1信号のピークレベルを調整するレベル調整回路とを有することを特徴とする請求項1又は2に記載のAC高圧電源装置。
【請求項4】
前記第1信号を生成する第1信号生成回路と;
前記第2信号を生成する第2信号生成回路と;を更に備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のAC高圧電源装置。
【請求項5】
前記比較回路と前記スイッチング増幅回路と前記ローパスフィルタと前記トランスと前記制御回路とを組として複数組有し、
前記第1信号生成回路で生成された前記第1信号及び前記第2信号生成回路で生成された前記第2信号は、それぞれ前記複数組の各比較回路に供給されることを特徴とする請求項4に記載のAC高圧電源装置。
【請求項6】
物体を帯電させる帯電装置であって、
請求項1〜5のいずれか一項に記載のAC高圧電源装置と;
前記AC高圧電源装置のトランスで昇圧されたAC電圧に重畳されるDC電圧を発生させるDCバイアス回路と;
前記AC電圧と前記DC電圧とが重畳された電圧が印加され、前記物体を帯電させる帯電部材と;を備える帯電装置。
【請求項7】
物体上の静電潜像を現像する現像装置であって、
トナーと、
請求項1〜5のいずれか一項に記載のAC高圧電源装置と;
前記AC高圧電源装置のトランスで昇圧されたAC電圧に重畳されるDC電圧を発生させるDCバイアス回路と;
前記AC電圧と前記DC電圧とが重畳された電圧が印加され、前記トナーを前記静電潜像に付着させる現像部材と;を備える現像装置。
【請求項8】
少なくとも1つの像担持体と;
前記少なくとも1つの像担持体の表面を帯電させる少なくとも1つの請求項6に記載の帯電装置と;
前記帯電された少なくとも1つの像担持体に対して画像情報が含まれる光束を走査する少なくとも1つの光走査装置と;を備える画像形成装置。
【請求項9】
少なくとも1つの像担持体と;
前記少なくとも1つの像担持体に対して画像情報が含まれる光束を走査し、前記少なくとも1つの像担持体の表面に静電潜像を形成する少なくとも1つの光走査装置と;
前記静電潜像を現像する少なくとも1つの請求項7に記載の現像装置と;を備える画像形成装置。
【請求項10】
少なくとも1つの像担持体と;
前記少なくとも1つの像担持体の表面を帯電させる少なくとも1つの請求項6に記載の帯電装置と;
前記帯電された少なくとも1つの像担持体に対して画像情報が含まれる光束を走査し、前記少なくとも1つの像担持体の表面に静電潜像を形成する少なくとも1つの光走査装置と;
前記静電潜像を現像する少なくとも1つの請求項7に記載の現像装置と;を備える画像形成装置。
【請求項11】
前記画像情報は、多色の画像情報であることを特徴とする請求項8〜10のいずれか一項に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2009−122564(P2009−122564A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−298839(P2007−298839)
【出願日】平成19年11月19日(2007.11.19)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】