説明

アクティブプローブ集積回路を用いた電子回路試験

自動試験機器(ATE)と被試験デバイス(DUT)との間での信号の送信/受信のための方法及び装置が提供される。プローブカードは、複数のプローブに接続された複数の付随の近接したアクティブプローブ集積回路(APIC)を有する。各APICは、プローブを介して、DUT上の1つ以上の試験接続点にインタフェース接続される。各APICは、ATEとDUTとの間で通信される信号の受信及び処理を行う。ATEから送信された低い情報コンテンツ量の信号が、APICに直に隣接するプローブに送信される高い情報コンテンツ量の信号へと処理され、APICによって受信されたDUTからの高い情報コンテンツ量又はタイムクリティカルな信号が、低い情報コンテンツ量の信号としてATEに送信される。APICはプローブに直に隣接しているので、DUTからの信号内には、最小限の情報損失又は情報歪みが存在するのみである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクティブプローブ集積回路を用いた電子回路試験に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路(“IC”)デバイスがより複雑になるにつれ、試験のコストが、技術限界及び試験コストの双方の点で産業的な懸案事項を生じさせるレベルまで上昇してきている。結果として、試験装置の総コストを抑制するために絶え間ない努力が為されている。これらの取り組みは、部品のコストを削減しようとする絶えざる動機付けによって更に活発化されている。故に、試験及びパッケージ化による如何なる廃棄物の諸経費をも排除することが、近年かなりの注目を集めており、今後も主要な役割を果たし続けるであろう。産業及び市場のデータにより、試験機器の操作及び維持が全体的な試験コストの主要な部分をもたらすことが示されている。現在の実施中の解決策及び提案されている解決策の各々は技術的な限界を有している。集積回路(すなわち、被試験デバイス(“DUT”))は、典型的に、試験コントローラと試験ヘッドとの間で試験データを伝送することによって一度に一つずつ試験される。ウェハ全体を試験するために複数回の着地(タッチダウン)が行われる。信号が行き来する距離に起因して、信号の劣化とともに潜在的なノイズ干渉が存在する。複数の試験を並行して試験する複数チャネルによる解決策は、実施するのにコストが掛かるとともに、信号の乏しい完全性(インテグリティ)又は潜在的なクロストーク干渉に起因する更なる信頼性問題を有する。これらの高試験コスト及び信頼性問題の結果として、並行試験のための解決策は並列性(位置の数)の点で制限される。また、一般的に、採用はメモリ試験等のニッチな市場に限られている。
【0003】
高速且つ複合化された信号測定の性質は、高速デバイスのコスト効率の良いウェハ試験を得ることは難しいことを意味してきた。ウェハ試験のコストを削減する最も効果的な手法の1つは、試験の並列性を高めることである。なお、これらの問題は、ウェハ、IC、パッケージデバイス、又は更にはパッケージデバイスの細切れ(ストリップ)若しくは集合体の何れを測定しようと当てはまる。しかしながら、従来技術に係るデバイスは、高度の並列性が不可能であるか、莫大なコストを費やしてのみそれが可能であった。
【0004】
信号インテグリティの問題、コストのかかる高速器具、及び複雑なプローブカード構成は全て、高い並列性の高速ウェハ試験の支障となる。今日の高速デバイスは、典型的に、単一位置、又は場合により2倍の並列性の何れかで試験されている。他の例では、一部の製造者は高速デバイスに関して、DC又は低周波数での測定のみをウェハレベルで行うことを選択しており、許容できないほど高いパッケージ歩留り損失を生じさせている。高速試験はRF試験、メモリ試験、又はシリアル配線試験を含む。
【0005】
高まる産業トレンドは、複数位置での試験を容易にする先進的なプローブカードの調達リードタイムが急激に増大することを目にしている。このことは産業的に大きな問題を提示する。何故なら、これらのリードタイムは、集積回路設計の製造サイクルに、設計段階で有意な時間を追加し、新たなチップ設計の市販までの時間における有意なファクタとなるためである。
【0006】
従来技術に係るプローブカードは、典型的に、各プローブが被試験デバイス(DUT)の特定の位置に接触するように位置付けられるという柔軟性のないアーキテクチャを有する。プローブは、特許文献1に記載されているように、自動化された試験機器(automated test equipment;ATE)とDUTとの間でのプローブを介しての信号が伝送のために調整あるいはその他の方法で処理されるように、集積回路(IC)に結合され得る。この技術の限界は、異なる設計のDUTチップは異なる設計の事前調整用IC(pre-conditioning IC;“PCIC”)を必要とし、受け入れがたいほど高い臨時エンジニアリング(non-recurring engineering;“NRE”)コストをもたらすため、この解法はコスト効率的でないということである。
【0007】
特許文献1に記載されたPCICは、ICプロセスの最終製造工程によってカスタマイズされなければならない。このカスタマイズは、設計、工作機械の据え付け、資本及びノウハウにおいて多大な投資を必要とするIC製造の最後の金属相互接続層群である。これはまた、PCICの有用性を固定させ、その使用を特定のDUT設計及び特定のDUT用途に制限してしまう。
【0008】
また、特許文献1における接触(コンタクト)点は、DUTのパッド及びPCICの双方に物理的に一致するようにカスタマイズされなければならない。この“鏡”像コンタクトの概念は、PCICが企画あるいは構築されるのに先立ってDUTに関する具体的且つ詳細な予備知識を必要とし、特別注文の集積回路を調達する必要性によってプローブカードの調達に許容できないほど長いリードタイムをもたらすため、実現の経済性に負荷をかけるものである。
【0009】
最後に、特許文献1の実施形態は、PCICのアクティブ領域上に配置されたプローブの機械的応力によるダイのクラック及びその他の応力誘起故障モードの結果としてのPCICの電子故障により、許容できないほど高いPCICの故障率を生じさせやすい。
【0010】
特許文献2には、プローブカード上に配置されたプログラム可能なFPGA回路基板を用いた、DUTの試験方法が記載されている。この装置は、信号を分配するために、プローブカード上に回路基板及びICを採用している。試験装置に対する高周波リソース要求を排除するために高速信号を分析し且つ低速に変換する処理は行われていない。
【0011】
非特許文献1には、複合的なRF及び混合信号通信におけるインテグリティの必要性が記載されている。非特許文献1は、急速に拡張する電子部品市場により、高コストを招くことのない、高い信頼性と試験信号及び応答の最小限の歪みとを有する一層高速な試験に対する要求が生じていることを示している。これらの回路は、ウェハ形態のデバイスを試験するために半導体デバイス上に実装するものではなく、パッケージ部品を試験するために使用される負荷基板上に配置されるPCB上に実装するものであるため、PCBを介しての信号の伝送及び劣化の問題が依然として存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第6747469号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2005/027073号明細書
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】Harame等、「Design automation methodology and RF/analog modeling for RF CMOS and SiGe BiCMOS technologies」、IBM Journal of Research and Development、第47巻、第2/3号、2003年、p.139-175
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
アクティブプローブ集積回路を用いた、試験用の装置及び方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
一実施形態に従ってプローブカードが提供される。当該プローブカードは、多様なプローブ配列のうちの1つ以上に結合されることが可能な少なくとも1つの再プログラム可能なアクティブプローブ集積回路(APIC)を有する。前記1つ以上のプローブ配列は被試験デバイス(DUT)に適合するように選択され、APICは1つのプローブ配列及びDUTに適合するようにプログラムされる。
【0016】
他の一実施形態に従って、被試験デバイス(DUT)を試験するプローブが提供される。当該プローブは、アクティブプローブ集積回路(APIC)を内部に組み込んだプローブボディを有する。
【0017】
他の一実施形態に従って、プローブカードを形成する方法が提供される。当該方法は、プログラム可能なアクティブプローブ集積回路(APIC)を設ける段階、少なくとも1つのAPICと通信する再構成可能なプローブ配列を設ける段階、被試験デバイス(DUT)を特徴付ける段階、DUTの特徴に基づいて前記少なくとも1つのAPICを再プログラムする段階、及びDUTの特徴に基づいてプローブ配列を再構成する段階を有する。
【0018】
他の一実施形態によれば、アクティブプローブ集積回路(APIC)デバイスは、信号の劣化又は損失を抑制あるいは排除するために、自動化された試験機器テスター(“ATE”)からの制御信号を、1つ以上のDUTを刺激するための必要とされる信号に変換するよう、また、1つ以上のDUTからの応答信号を、ATEに送信される制御信号に変換するよう、プローブ点に近接して配置される。APICデバイスは、例えば、カンチレバープローブ、垂直プローブ、MEMSプローブ及び非接触プローブ等の様々なプロービング技術とともに使用されることが可能である。APICデバイスを用いることのその他の利点は、それが高周波信号をDUTに供給するために使用されることである。低速で低コストの試験機器の使用を促進するよう、高速な高周波処理の大部分はAPICによって実行される。例えばグランド−信号の組み合わせ、グランド−信号−グランドの組み合わせ、又はグランド−信号−信号−グランドの組み合わせ等の強化されたプローブ針構成と組み合わせてAPICデバイスを用いることにより、性能及び高周波信号インテグリティの更なる改善が実現され得る。他の実施形態は、(以下に限られないが)1)プローブ針及びAPICを単一のモノリシック回路内に形成すること、2)プローブ針へのAPICの直接的な取付け、3)プローブ針内へのAPICの埋込みを含む。
【図面の簡単な説明】
【0019】
添付の図面を参照しての以下の説明により、上述及びその他の特徴が一層と明らかになる。図面は、単に例示のためのものであり、限定的なものではない。
【図1a】従来技術に係る、接触による試験の準備が整ったDUTの上方に位置付けられたプローブヘッドを断面的に示す模式図である。
【図1b】従来の試験システムを示す模式図である。
【図2】従来技術に係る、DUT上の対応する接触点に接触させる複数のプローブを有するプローブヘッドを示す底面図である。
【図3a】例示的にカンチレバープローブを用いるプローブヘッドを示す模式図である。
【図3b】単一DUT用プローブカードを示す図である。
【図3c】複数DUT用プローブカードを示す図である。
【図3d】単一のDUTを試験する複数のAPICを示す図である。
【図3e】一例に係る付随グランド線を備えたAPICを示す図である。
【図3f】他の一例に係る付随グランド線を備えたAPICを示す図である。
【図3g】他の一例に係る付随グランド線を備えたAPICを示す図である。
【図4a】プローブカードの第1実施形態を示すブロック図である。
【図4b】プローブカードの第2実施形態を示すブロック図である。
【図4c】プローブカードの第3実施形態を示すブロック図である。
【図4d】高度な試験機器との間での制御信号と、DUTとの間での刺激信号及び応答信号とを変換するためのICの構成要素を示すブロック図である。
【図5a】DUTに接触させるためのプローブ及びICの相互位置付けアーキテクチャの一例を示す図である。
【図5b】DUTに接触させるためのプローブ及びICの相互位置付けアーキテクチャの他の一例を示す図である。
【図5c】DUTに接触させるためのプローブ及びICの相互位置付けアーキテクチャの他の一例を示す図である。
【図5d】DUTに接触させるためのプローブ及びICの相互位置付けアーキテクチャの他の一例を示す図である。
【図5e】DUTに接触させるためのプローブ及びICの相互位置付けアーキテクチャの他の一例を示す図である。
【図5f】DUTに接触させるためのプローブ及びICの相互位置付けアーキテクチャの他の一例を示す図である。
【図5g】DUTに接触させるためのプローブ及びICの相互位置付けアーキテクチャの他の一例を示す図である。
【図6a】入力/出力ポート、並びに高度な試験機器との間での制御信号とDUTとの間での刺激信号及び応答信号とを変換するために使用されるIC、を有するチップを示す模式図である。
【図6b】図6aに示したチップの側面図である。
【図6c】図6aに示したチップの上面図である。
【図6d】図6dに示したチップの底面図である。
【図6e】図6dに示したチップの側面図である。
【図6f】被試験回路に近接してシリアライゼーション機能及びデシリアライゼーション機能を提供するAPICチップを示す図である。
【図6g】図6fに示したチップの側面図である。
【図6h】被試験回路に近接してシリアライゼーション機能及びデシリアライゼーション機能とともにメモリ試験機能を提供するAPICチップを示す図である。
【図6i】図6hに示したチップの側面図である。
【図6j】モノリシックのAPIC及びプローブを示す斜視図である。
【図6k】分割信号処理を用いるモノリシックのAPIC及びプローブを示す斜視図である。
【図6l】モノリシックのAPIC及びプローブを示す斜視図である。
【図6m】分割信号処理を用いるモノリシックのAPIC及びプローブを示す斜視図である。
【図7a】DUTからのデータを解釈するように設計されたチップの構成要素を示す模式図である。
【図7b】ソース測定ユニット(SMU)を含むAPICを示す図である。
【図8a】それぞれがバスを介して高度な試験機器とハードワイヤード通信する複数のチップを示す模式図である。
【図8b】高度な試験機器と、そして必要に応じて互いに、シーケンシャルに通信する複数のチップを示す模式図である。
【図8c】バスを介して高度な試験機器と、そして互いにシーケンシャルに通信する複数のチップを示す模式図である。
【図8d】それぞれが高度な試験機器と、そして必要に応じて互いに、無線通信する複数のチップを示す模式図である。
【図9a】高度な試験機器からの低周波信号がDUTへの通信のために高周波信号に変換される、ICにおける変換を例示する図である。
【図9b】DUTからの高周波信号が、ICにおいて、高度な試験機器への同一信号の通信のために低周波信号に変換されることを例示する図である。
【図9c】DUTからの高周波信号がICによって解釈され、試験の結果が高度な試験機器に通信されることを例示する図である。
【図10a】送信モードにおけるアクティブプローブICを用いた信号変換の種類を例示する図である。
【図10b】受信モードにおけるアクティブプローブICを用いた信号変換の種類を例示する図である。
【図11】一連のn個のDUTのうちの1つのDUTへの1つの試験の順次実行を例示する図である。
【図12】DUTの順次試験を実行するプロトコルを示す図である。
【図13a】複数のアクティブプローブを用いた、複数のDUTへの試験の同時並列実行を例示する図である。
【図13b】必要に応じて構成され得る複数のアクティブプローブを用いた、複数のDUTへの試験の同時並列実行を例示する図である。
【図14】アクティブプローブを用いたDUTの順次試験用のプロトコルを示す図である。
【図15】アクティブプローブを用いた複数のDUTの並列試験用のプロトコルを示す図である。
【図16】単一カンチレバープローブの典型的なモデルを示す図である。
【図17】単一カンチレバープローブの挿入損失(dB)−周波数(GHz)特性を例示するグラフである。
【図18】平衡カンチレバープローブの典型的なモデルを示す図である。
【図19】平衡カンチレバープローブの挿入損失(dB)−周波数(GHz)特性を例示するグラフである。
【図20】単一カンチレバープローブの改善された挿入損失(dB)−周波数(GHz)特性を例示するグラフである。
【図21】平衡カンチレバープローブの改善された挿入損失(dB)−周波数(GHz)特性を例示するグラフである。
【図22a】2つのグランドを備えたコブラプローブを用いるプローブ構成を示す斜視図である。
【図22b】接地されたガードを備えた垂直プローブを用いるプローブ構成を示す斜視図である。
【図22c】垂直プローブと、グランドと接触パッドとの間に空隙(誇張されている)を有する2つのグランドガード分離とを用いるプローブ構成を示す斜視図である。
【図22d】垂直プローブと、グランドと接触パッドとの間に誘電体を有する2つのグランドガード分離とを用いるプローブ構成を示す斜視図である。
【図23a】コブラプローブを用いるグランド−信号−信号−グランド構成を示す図である。
【図23b】垂直プローブを用いるグランド−信号−信号−グランド構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下の説明は、電子デバイス、特に集積回路(IC)を試験するための新たなプローブカード構成に関する。この概念を“アクティブプローブ”と称する。
【0021】
装置及び方法の何れの原理も、以下に限られないが例えばRF、シリアライザ/デシリアライザ(SerDes)、メモリ、ロジック、パラメトリック、デジタル信号処理、アナログ回路、及びデジタル装置などの用途のためのICを含む複数種類のICの調査及びそれによる試験に適用可能である。ここでは、処理及び装置を、高周波信号としてRFを用いるRFウェハ試験用のアクティブプローブを有するプローブカードを一例として用いて説明する。当業者に認識されるように、これらの原理は、例えば高速デジタル回路、ネットワーク回路、マイクロプロセッサ、高周波回路、高精度アナログ、記憶装置、及び混合信号回路などの幾つかのその他の用途にも適用され得るものである。
【0022】
用途の一例としてRFを用いることにより、何れもが、従来のプローブカードを用いるときに高い並列性のRFウェハ試験能力の支障となる、信号インテグリティの問題、コストのかかる高速器具、及び複雑なプローブカード構成が解決され、それにより、RFウェハ試験のコストが大いに低減される。この解決策は、ウェハレベルでの例えば周波数、電力レベル及び雑音指数などの重要なRFパラメータの品質測定を、高い並列性で可能にする。認識されるように、ここで説明する教示は、RF用途に加え、その他の信号伝達及びIC技術との関連においても用いられ得る。
【0023】
先ず、図1a、1b及び2を参照して従来技術を説明する。その後、図3−15を参照して装置の例示的な実施形態を説明する。
【0024】
図1aは、プローブカード10を有する1つの種類の高度な試験システムを示しており、プローブカード10は、PCB基板104と、集積回路(IC)106と、IC106と連通した複数の接触点108とを有する試験ヘッド102を有している。図示されるように、基板104によって、信号が、例えば自動試験機器(ATE)等の試験コントローラ110から、リード線112を介して受信される。リード線112は、デジタル、高周波、高精度アナログ、RF、及び電力の経路を含み得る。基板104及びIC106は同様に電気的に連通している。接触点108は、弾性を有する導電性コンタクト手段から選択され得る。接触点108は、DUT116上の接触点114の配列の鏡像をなす配列状に位置付けられており、その結果、プローブカード10がDUT116と接触させられるとき、各接触点108が対応する接触点114に接触し、プローブカード10とDUT116との間に電気的な連通状態が構築される。
【0025】
図1aに示したものを含む従来技術に係る方法及び装置は、システム構成によって課される制約を有する。従来のプローブカード10は、DUT116の固有設計に従った対応する接触点114を映し出す特定の配列状に接触点108を有する。故に、従来のプローブカード10は、1つのレイアウトを有するDUT116を試験することのみに制限される。プローブ基板上には、図2に示すように、ICを介した伝送のために、かなりの信号経路が必要となるため、信号の更なる処理を要する信号歪みが生じる。試験は必然的に、順次に、あるいは低い度合いの並列性で行われる。
【0026】
図1bは、ATE110と、ATE110を制御するコンピュータユニット115と、テストユニット111とを含むシステム全体を示している。ATE110とDUT116との間で、リード線及びプローブカードを介して、試験制御信号及び試験データが伝達される。DUT116は制御可能なウェハスタンド117状に搭載される。
【0027】
図2を参照するに、プローブカード10は、RF電子回路120と、片持ち梁状のカンチレバープローブ124の遠位端122の位置に配置された複数の接触点108とを有している。電気信号は、プローブ124に、そしてプローブ124から、プローブカード10上の1つ以上のIC106への配線126及びビア128に沿って伝達される。
【0028】
図1及び2に示した装置種類の一例が特許文献1に記載されている。特許文献1には、接触点108が事前調整用の集積回路106に電気的に接続されたプローブカード10を有する試験システムが記載されている。プローブカード10及びIC106の幾何学配置又は物理的なレイアウト、並びにIC106の構成の各々は、1つの種類、幾何学配置、又は物理レイアウトのDUT116を試験するように特別に設計される。故に、異なるDUT116を試験するときには異なるIC106を用いなければならず、そのとき、IC106は、選択されたDUT116の具体的な構成に対応するように設定若しくは幾何学配置又はこれら双方の再設計を必要とし得る。従って、IC106の設計に関する臨時エンジニアリング(“NRE”)コストが有限数の試験で償却されることになる。
【0029】
故に、部品の開発コストが複数の異なる種類のDUT116の試験で償却されるようなDUT116を試験する装置及び方法を使用することには、それにより生じるコストの優位性が存在する。
【0030】
図3aを参照するに、DUT116を試験するためのプローブカード100は、複数のプローブ202と、複数のアクティブプローブ集積回路(APIC)204とを有している。各APIC204に対して複数のプローブが存在していてもよいし、各プローブ202に対して複数のAPIC204が存在していてもよいし、これらが一対一の関係で存在していてもよい。各プローブ202は、対応するAPIC204に直に隣接しており、これらの間に延在する信号配線長を最小化するようになっている。故に、APIC204と対応するプローブ202との間には最小限の信号歪みのみが存在し、故に、DUT116との間で伝送される信号には最小限の歪みのみが存在する。各APIC204は、DUT116に特定の試験を行うように設計されてもよいし、複数の試験のうちの1つ以上の試験を行うように設計されてもよい。
【0031】
図3aは、カンチレバープローブ202及び基板220の使用を例示している。認識されるように、例えば半田ボール、微小なバネ、その他の導電性の弾性コンタクト、及び非接触プローブ等のその他の種類のプローブが用いられてもよい。また、認識されるように、APIC204は、基板(すなわち、“インターポーザ”)220を用いることなく、プローブカード100に直接的に実装されてもよい。図示したAPIC204は各プローブ202の近位端210の位置にある。認識されるように、APIC204は、図5に示して後述するように、プローブ202に対して異なる相対位置に配置されてもよい。APIC204は、基板220と基板218との間での電気的な連通によって連通され得る。代替的に、基板220は、ビア128を用いて、基板218の反対側の面に位置する部品(図示せず)に電気的に連通していてもよい。
【0032】
プローブ202は、当該プローブを再位置決めすることによって再構成され得る。また、プローブ202は、当該プローブを電気機械的に作動させること、又は当該プローブを屈曲させることによって再構成されてもよい。
【0033】
図3bは、プローブカード100が1つのDUT116を試験するために複数のプローブ202とAPIC204とを有する他の一実施形態を示している。
【0034】
図3cは、プローブカード100が2つ以上のDUT116を試験するために複数のAPIC204と複数のプローブ202とを有する他の一実施形態を示している。
【0035】
図3dは、単一のDUT(図示せず)を試験する複数のAPIC204を示す図である。図3e−3gは、代替の付随グランド(接地)線を備えたAPICを示している。図3eは単一のグランド225を備えた単一のプローブ202を示し、図3fは二重のグランド225を備えた単一のプローブ202を示し、図3gは二重のグランド225を備えた二重のプローブ202を示している。プローブ端202におけるこれらの種類の構成は、それぞれ、GS、GSG、GSSGとして知られている。
【0036】
図4a−4dは、異なる種類のプローブ202を有するプローブカード100の4つの実施形態を示すブロック図である。認識されるように、図示した例は、利用可能な構成のうちの幾つかを説明目的で示すものであり、非限定的なものである。例えば、図示のように、プローブカード100は、プローブ針202と、無線プローブ202Aと、アクティブプローブ204上に搭載されるか否かに拘わらない無線通信を可能にするアンテナ222を有し得る。
【0037】
図5a−fは、プローブ202と対応するAPIC204との組み合わせ、又はプローブ202とAPIC204を有する対応する基板220との組み合わせの相対配置に関する様々な取り得る選択肢のうちの6個を示している。典型的にはエポキシ樹脂である機械的な支持体206が、カンチレバープローブ202を基板208に固定している。APIC204は、図5aに示すようにプローブ202の近位端210の位置、図5bに示すように機械的支持体206内、図5dに示すように機械的支持体206上、図5cに示すように機械的支持体206に隣接した位置、又は機械的支持体206とプローブ202の遠位端212との間、に配置することができる。図5a−5dにおいて、プローブ202は、遠位端212がDUT116上の選択された接触点114に接触することができるように位置付けられている。図5eは、各APIC204上に位置するアンテナ222及びDUT116の接触点114上のアンテナ222の使用によって、APIC204がDUT116と非接触で通信する選択肢を例示している。この実施形態において、APIC204は、DUT116の非接触試験用の、基板220の1つの要素とし得る。代替的に、アンテナ222は、APIC204とDUT116との間での通信を容易にするように基板220上に配置されてもよい。この実施形態において、基板220がDUT116に近接しているとき、信号は、基板220及びDUT116の各々の上に位置するアンテナ222を用いて、ATE110とDUT116との間で伝送される。図5fは他の一実施形態を示しており、プローブ202の遠位端212にあるAPIC204が、電気通信の目的でDUT116に接触させるコンタクト202Bを有している。図5gは他の一実施形態を示しており、プローブ202の遠位端212にある基板220が、電気通信の目的でDUT116に接触させるコンタクト202Bを有している。
【0038】
図6a−6iは、入力/出力ポート、並びに高度な試験機器との間での制御信号とDUTとの間での刺激信号及び応答信号とを変換するために使用されるICを有するプローブの様々な実施形態を示す模式図である。
【0039】
図6a−6cを参照するに、基板220は、テスターインタフェース214と、DUTインタフェース216と、信号試験プロセッサ224とし得るAPIC204とを有している。故に、APIC204のDUTインタフェース216が、APIC204とDUT116との間での刺激(例えば、高周波数)信号218の通信のために、プローブ202に電気的に接続される。テスターインタフェース214は、APIC204とATE110との間での、有線接続を電気的に用いての、あるいは無線周波数又は光を用いて伝送される無線信号による、制御信号(例えば、低周波アナログ信号、デジタル信号、又はデジタル信号とアナログ信号との組み合わせ等)219の通信のためのものである。信号試験プロセッサ224は、ATE110から受信した信号219を、プローブ202を介してDUT116に伝送する信号218に変換するとともに、DUT116から受信した信号218を、ATE110に送信する信号219に変換する。その一連の動作は図9a−9cに例示されている。信号219及び219は、低周波数、高周波数、無線周波数、低精度、高精度、DC、又はデジタルとし得る。
【0040】
DUTインタフェース216は、アンテナ、図6bに示すような基板220上のMEMSプローブ202C、電気通信用配線、又はこれらの選択肢を複合化したものとし得る。代替的に、APIC204は、“フリップチップ”の向きにされ、半田ボール又は当業者に知られたその他の手段を用いて基板220に電気的に接続されていてもよい。
【0041】
図6d及び6eは、複数の入力/出力ポートと、図6a−6cに示したのと同様に高度な試験機器との間での制御信号とDUT116との間での刺激信号及び応答信号とを変換するために用いられるICと、を備える集積化された高速プローブ構造を有するチップの他の一実施形態を示している。図6d及び6eに示した実施形態においては、一体的に組み込まれたプローブ202dが、数多の既知のMEMS製造技術のうちの1つを用いて、APIC204のボディから作り出されている。これらの技術は、製造中に微細加工されたプローブ先端構造を付加するため、あるいはサブトラクティブプロセスを用いて微細加工されたプロープ先端構造を作り出すために用いることができる。プローブ先端202dは、APIC204のボディから作り出された、変更されたプローブコンタクトを有する。
【0042】
図6f及び6gは、基板220及びAPIC204を有するAPICチップの更なる一実施形態を示しており、被試験回路に近接してシリアライゼーション(信号のシリアル化)機能及びデシリアライゼーション(シリアル化の解除)機能を提供するものである。この実施形態において、APIC204は、ATE110側とのインタフェースのための複数の並列低速信号用の電気通信チャネル219aを有し、DUT116側はシリアル高速回線218を有している。回線219a及び202aは、ATE110とのインタフェース用の複数の信号チャネルを示している。
【0043】
図6h及び6iは、被試験回路に近接してのシリアライゼーション機能及びデシリアライゼーション機能とともにメモリ試験機能を提供するAPIC204チップの他の一実施形態を示している。この場合、APIC204は、ATE110側とのインタフェースのための複数の並列低速信号を有し、DUT116側はシリアル高速回線を有する。この実施形態において、構成要素220aは、高速なメモリ試験パターンをDUT116に提供する。これは、低速回線がAPIC204チップと相互作用することを可能にし、テスター110からメモリ試験の負荷が取り除かれる。品目224aはAPIC204IC内のメモリ試験ブロックである。
【0044】
図6jは、既知の技術を用いて1つの一体的なシリコン片から構築されることが可能な、一体型(モノリシック)のAPIC及びプローブを示す斜視図である。この場合、プローブの先端、アーム及び本体はAPIC処理素子と一体的であり、製造及び信号処理において大容量の極めて高い精度が可能にされる。
【0045】
図6kは、プローブ、プローブアーム及びAPIC処理素子のモノリシック構造によって実現される分割信号処理を用いるモノリシックのAPIC及びプローブを示す斜視図である。この図は、APIC素子204Aが、ATE機器に結合する後端部をなし、且つAPIC素子204Bが、先端部において信号を処理するのに使用される前端部をなす二段階処理のAPICを作り出している。これは、信号損失やノイズがほとんどない非常に高忠実な信号処理を可能にする。モノリシック構造を有するAPICの概念の利点は、同一のベースAPIC基板から様々なプローブ形状を作り出すことを可能にすることである。分割処理の例示的な一実施形態は、APIC204Aにデジタル信号処理を内包させながら、APIC204Bを前置増幅器とするものである。これは、RF、メモリ及びSerDes等を含む多様な用途で使用され得る。
【0046】
図6lは、モノリシックボディのプローブ側に直線状のハンドルアームを備えたモノリシックのAPIC及びプローブを示す斜視図である。これは、アーム長をDUTの技術に基づいてDUTプローブのダメージを最小化するように作り出すことができる点で有用である。
【0047】
図6mは、直線状のハンドルアームプローブを備えた、分割信号処理を用いるモノリシックのAPIC及びプローブを示す斜視図である。
【0048】
図6j−6mはAPICの大量生産のための方法を示している。強化された信号処理に加えて、モノリシック素子は、個別のプローブ針より取扱が容易なモノリシック素子の‘ハンドル’のため、より容易にプローブカード内に配置することができる。
【0049】
生み出され得る多様な実施形態から認識されるように、これらの装置は用途的に高速RF信号に限定されるものではない。ここで説明した装置は、APIC ICが特定の用途を最適化するように設計され得る複数の応用分野に利点をもたらす。
【0050】
図6f及び6gは、SerDesはこれらの装置が現行技術に対する利点を提供し得る応用分野であることを示している。この場合、非常に高速なSerDes信号が、標準的なATEを用いてこれらの高速信号を効率的に試験することを可能にするAPICデバイスによって調整される。APIC204のこの実施形態は、プローブカードを介して低速信号をATE110に送信することによって低速ATE110の使用を可能にするよう、局所的なシリアライゼーション機能又はデシリアライゼーション機能を調整、増大あるいは提供するために使用され得る。
【0051】
RF又はSerDesのインタフェース接続の場合と実質的に同様にして、APIC204は、例えばスタティックRAM又はダイナミックRAM等のメモリシステムに使用される高速信号とのインタフェース用に設計されることが可能である。このようなデバイスは、テスターからの信号の速度に関して非常に高い要求を有する。この場合、少なくとも1つのAPIC204が、DUT116内での非常に高速な信号及びレベルの試験を提供し得る。この応用分野はまた、図6h及び6iに示した低速試験の実行を可能にするSerDes機能とともに、メモリ試験に幾らかの知能を提供するAPIC204による恩恵を受け得る。
【0052】
同様に、APIC204の様々な実施形態を、デバイスのパラメトリック試験を容易にするように設計することができる。これは、電源ラインの提供、調整及び送信を行うAPICを含む。現在、パラメトリック試験は、プローブカード及びATEの速度限界によって低周波数に制限されている。対照的に、この用途では、APIC204は、通常のATE設備を用いて非常に高速なパラメトリック試験を可能にし得る。また、上記限界はパッケージ試験又はストリップ試験をも制限してしまう。APICの一用途として、パッケージ試験又はストリップ試験の信号試験が促進され得る。従来は、特別なプローブカード及び単一位置を使用し得るのみであった。APIC204を用いると、複数の高速パラメトリック試験を行うことができる。SerDesの場合と同様にして、APIC ICはパラメータの測定又は調整を含むように設計されることが可能である。この一例は、低速な方法を用いてでは高速パラメータを得ることが困難な高速トランジスタ試験である。
【0053】
図7bは、典型的にはATE機器上にあるソース測定ユニット(SMU)244aをこの場合には含むAPICの他の一実施形態を示している。この実施形態において、SMU244aは、APIC204とともに組み込まれ、あるいはAPIC204の一部であり、より高い速度、及び長い信号ランからのより低い干渉の双方を提供する。
【0054】
この説明はウェハ又はIC上でAPIC技術を用いることの利点を示しているが、恩恵を受ける応用分野は高度なパッケージングの分野である。高度なパッケージングにおいては、複数のICがモジュール又は複合型のICを形成するように組み合わされる。これらのパッケージング技術は低速試験に制限されている。APICはこれらのデバイスの高速試験に使用され得る。能動的あるいは受動的な基板を備えた様々な種類のシステム・イン・パッケージ(SiP)や、例えば再分配チップパッケージ(Redistributed Chip Package;RCP)、チップ・オン・サブストレート、又は積層パッケージング等の信号を再分配するパッケージング技術などに適用される。別の用途に複数のICのストリップ試験がある。この場合、高速及び中/低速の双方で製造中あるいは最終的なパッケージ部分を試験するために、APIC204の適切な実施形態が使用され、現在利用可能なものより大きい対象範囲がもたらされる。
【0055】
更なる選択肢として、部品はチップ・イン・チップとして構築されてもよい。
【0056】
有利には、図7a、7b、8a、8b、8c及び8dに示した例に示されるように、APIC204はプログラム可能である。図7aは、プログラム可能なAPIC204の構成要素を概略的に示している。図7a及び7bは、APIC204は、例えば電力調整/監視、RFの信号伝送及び変換/監視、高速シリアル信号伝送、又は高速メモリインタフェース調整などの様々な処理を実行することが可能な1つのICボディ内に、信号処理・調整素子を含むことができることを示している。これらの機能は、個別に作り出される必要はなく、ATEインタフェース信号219によって、アクティブになるように制御されることができる。
【0057】
図7bは、APIC204の他の一実施形態を示しており、図7aに示した比較器244に代えてソース測定ユニット(SMU)244aを含んでいる。図8aは、高速バス250を介してそれぞれが独立してATE110と通信する一連のAPIC204を概略的に示している。図8bは、ATE110に直列に接続された一連のAPIC204を示している。図8cは、バス250を介してATE110と通信し、且つ互いに通信する一連のAPIC204を示している。図8dは、複数のAPICとATEプローブカードとの間の通信信号219aのための無線インタフェースを示している。
【0058】
図7aを参照するに、基板220は、テスターインタフェース214、DUTインタフェース216、信号調整224用にプログラムされたAPIC204、メモリ240、コントローラ242、比較器244、及びA/D−D/A切換機能246を含み得る。
【0059】
好ましくは、基板220は、図7aに概略的に示した構成要素を有する。ATE110が、特定の1つ又は複数の試験を行うように個々のAPIC204をプログラムするために信号を送信する。各プローブ202は、対応する異なるAPIC204に連通している。対応するAPIC204は各々、特定の1つ又は複数の試験を行うように個別にプログラムされることが可能であり、1つ以上のDUT116上での複数の試験が、複数のプローブ202を用いて並列に実行され得る。例えば、ATE110は1つの特定のAPIC204を、その機能を低雑音増幅器、高周波信号発生器、I/Oセル、又はその他の機能として設定するようにプログラムし得る。同時に、ATE110は別のAPIC204を、その機能を異なるように設定するようにプログラムし得る。斯くして、ATE110は複数のAPIC204を、1つ以上のDUT116上で複数の異なる試験を実行するように順序付け且つプログラムし得る。
【0060】
ATE110の複数の試験を並列に実行する能力は、従来のシステムの使用に対する試験ヘッド200の使用による利点をもたらす。従来のATE110においては、DUT116の試験は逐次的に実行される。
【0061】
ここでの説明の大部分は高速配線信号を説明するものであったが、これらの装置はハードワイヤードシステムに限定されるものではない。他の例では、APIC204は無線ATEインタフェースとともに実装され得る。図8dは、通信信号219aを示す複数のAPIC204とATEプローブカードとの間の無線インタフェース接続を示している。認識されるように、このリンク上で無線通信が送られ得るだけでなく、APIC204及びそれに接続されるDUT116に電力を供給するように電力を送ることも可能である。RF電力が、内部及び外部での使用のために、APIC204内でDC電力に変換され得る。これは、非常に高い分離性及び信号インテグリティを提供し、ハードワイヤード技術と比較して、APIC204のより多くの応用を可能にする。
【0062】
APIC204がDUT116からの応答を分析するようにプログラムされるとき、更なる利点が生じる。図9a−9cを参照するに、図7aに示した特徴を有する基板220が用いられるとき、基板220は、入力信号(図9a)とDUT116からの出力信号(図9b)とを比較したり、DUT116からのデータを標準データと比較したり、あるいはその他の分析機能を実行したりするようにプログラムされてもよい。APIC204はDUT116からのデータを分析し、分析結果をATE110に伝える。故に、DUT116からのデータをATE110に伝送する必要はなく、結果として、伝送時間及び信号帯域幅が低減される。例えば、DUT116上で行われる試験は、単純な合格/不合格の決定をもたらしてもよい。この場合、APIC204は、図9cに示すように、この結果をもたらした複数のデータに代えて該結果をATE110に送信することになり、ATE110の機能にとっての時間節減、及びより高速な試験シーケンスがもたらされる。
【0063】
図10aは、ATE110からDUT116に信号を送信する送信モードにおける、APIC204を用いた信号変換の例を示している。図10bは、DUT116からATE110に信号を送信する受信モードにおける、APIC204を用いた信号変換の例を示している。
【0064】
図11は、試験機器として、高速ATEとし得るが信号変換/調整を改善するためにAPICを用いるものを用いたときの、複数のDUT116の試験を概略的に示している。
【0065】
図12は、従来の試験機器を用いてDUT116の試験を実行する1つのプロトコルを示している。試験は必然的に、如何なるときも一度に1つ又は非常に少ないDUT116上で行われ、2つ以上の試験が必要な場合、それらの試験は順次行われる。結果的に、試験は時間を消費する処理となる。
【0066】
図13a及び13bは、複数のDUT116の同時並列試験のための、各々がAPIC204を有する複数のアクティブプローブの使用を示している。場合に応じて、1つの試験が複数のDUT116上で行われ、複数の試験が何れか1つのDUT116上で行われ、あるいは複数の試験が複数のDUT116上で並列に行われることが可能である。
【0067】
図14は、アクティブプローブ202を用いた複数のDUT116の従来の順次試験用の1つのプロトコルを示している。図15は、複数のアクティブプローブ202を用いた複数のDUT116の同時並列試験用の1つのプロトコルを示している。
【0068】
図16を参照するに、単一のカンチレバープローブ300が示されている。カンチレバープローブ300は典型的に、支持アーム302と接触針304とを有している。支持アーム302は、試験ユニット構造へのベース端306の位置に取り付けられている。接触針304は、支持アーム302の遠位端308の位置に取り付けられており、DUTに接触させるように用いられるプローブ端310まで延在している。これは、接触プローブを用いてウェハを試験するための現行手段を表す基準のケースである。図16は、プローブ構造の典型的なモデルであり、限定的なものではない。単一のカンチレバープローブ300は300Ωの特性インピーダンスを有し、典型的に、50Ωのソース抵抗を有する電源によって駆動され、50Ωの負荷抵抗を有する負荷によって終端される。50Ωというのは、RF部品とのインタフェースのために産業的に使用される基準インピーダンスである。これは、非常に良好な高周波特性を有する同軸ケーブルのインピーダンスに一致する。50Ωの抵抗はまた、やはり良好な高周波特性を有する共平面導波路のインピーダンスと同等である。故に、従来技術に係る標準的な試験プローブカードを用いて高速信号を試験する場合にはインピーダンス整合が問題となる。同様に、現行技術の場合、スルー(slew)及び基本帯域幅が問題を生じさせ得る。単一のプローブ300が用いられる場合、それは高周波においてかなりの信号損失を有し、また、特性インピーダンスは所望の50Ωに一致しない。このことは図17から見て取れる。図17は、プローブ針に対して電源及び負荷にインピーダンス不整合がある場合の、高周波における単一カンチレバープローブ針のシミュレーションを示している。
【0069】
図18に示すように、信号プローブに近接させてグランド帰路を含ませることによって改善がなされ得る。ウェハとプローブカードとの間で信号エネルギーの送達を行う平衡伝送線路としてモデル化され得る“平衡カンチレバー”プローブ320が形成される。平衡プロープ320の特性インピーダンスは200Ωである。これが、50Ωのソース抵抗を有する電源によって駆動され、且つ50Ωの負荷抵抗を有する負荷によって終端される場合、図19に示すシミュレーションにて見て取れるように、単一プローブに対して改善される。信号プローブに近接する信号帰路プローブは必ずしもDUT116に接触する必要はなく、それに代えて、図22に示すように、小さい間隙324によって、あるいは誘電体326を用いて接続されてもよい。
【0070】
様々な種類のプローブ針が用いられ得る。例えば、高周波数における性能の改善は、図22a、22b、22c及び22dに示すような、通常は接地されたグランドガード332を備えた、垂直プローブ328又は“コブラ”型プローブ330の使用によって実現され得る。同様に、微細加工されたプローブ針及びメンブレンプローブ針が性能を改善するために用いられてもよい。
【0071】
この手法はまた、例えば平衡配線や図23に示すような‘ダブル’プローブ等の複数のプローブの状況にも有効である。
【0072】
図20を参照するに、単一のカンチレバープローブがモデル化され、300Ωの特性インピーダンスを有し、300Ωのソース抵抗を有する電源によって駆動され、且つ300Ωの負荷抵抗を有する負荷によって終端されるとしてシミュレーションされている。なお、ソース抵抗及び負荷抵抗はプローブの特性インピーダンスに等しくしているが、これは限定的なものではない。例えば、ソース抵抗を50Ωとし、負荷抵抗を300Ωとしてもよい。後者のケースは、APICがプローブ針とのインタフェースをとるために設計され、APICのインピーダンスがプローブ針のインピーダンス(この場合、300Ω)に整合される場合に達成され得る。図20を参照するに、電源及び負荷に整合された配線を用いることにより、5GHzにて−9dBから−1.5dBへの挿入損失の改善が見られる。
【0073】
同様に、平衡カンチレバープローブの性能も改善され得る。図21を参照するに、平衡カンチレバープローブがモデル化され、200Ωの特性インピーダンスを有し、200Ωのソース抵抗を有する電圧源によって駆動され、且つ200Ωの負荷抵抗を有する負荷によって終端されるとしてシミュレーションされている。なお、ソース抵抗及び負荷抵抗はプローブの特性インピーダンスに等しくしているが、これは限定的なものではない。例えば、ソース抵抗を50Ωとし、負荷抵抗を200Ωとしてもよい。後者のケースは、APICがプローブ針とのインタフェースをとるために設計され、APICのインピーダンスがプローブ針のインピーダンス(この場合、200Ω)に整合される場合に達成され得る。図21を参照するに、電源及び負荷に整合された配線を用いることにより、5GHzでの挿入損失が−4dBから−0.1dBに改善されている。
【0074】
複数の試験の並列処理と、DUT試験からのデータのより迅速な収集及び報告との組み合わせは、新しい大量並列分散試験パラダイムである。相俟って、複数のプローブ202及び付随する複数のAPIC204を用いて複数の試験を同時に実行できる能力、及びDUT116からのデータを解釈して試験結果をATE110に送信するAPIC204の能力は、各DUT116の試験において相当な時間の節減をもたらす。
【0075】
図5に示した構成の更なる利点は、開発及び製造のコストの多数のチップ220にわたっての償却によるコストの節減、及びそれによる試験当たりのコストの削減である。図1に示したような従来のシステムの欠点は、従来のシステムは各設計のDUT116を試験することに特化した基板104及びIC106を有するチップ設計を必要とすることである。対照的に、各プローブ202は図5に示したように別個の基板220に接触するため、基板220の構成は複数の異なる種類のDUT116に対して共通になり得る。試験ヘッド200は、各々が個別にプログラム可能な複数のAPIC204を有し、その各々が、別個のプローブ202がDUT116上で複数の並列試験を行うようにプログラムされる。試験ヘッド200上のプローブ202は必然的に、DUT116の要求接触点114の各々との接触を可能にする空間配置を有する。
【0076】
利点:
上述の装置を用いることにより幾つかの利点が得られる。RF又はその他の測定回路及び電源回路を、プローブに非常に近接したプローブカード上の位置に移動させることは、ウェハ試験環境を大幅に単純化する。例えばシリコン及びSiGe回路上に集積されたRF部品が、まさにプローブカード上で必要な電源及び測定機能を実行する。アクティブプローブ構成により、DC、デジタル及び電力の信号のみがATEシステムに経路付けられればよい。これは、より低コストのATE構成、より単純な配線、及び例えば少なくとも64倍の並列性といった一層高い試験並列性を可能にする。アクティブプローブは、多数の異なる伝統的なプローブカード技術とともに使用されることが可能である。相俟って、これらの特徴は、少なくとも10倍高速なDUT試験を可能にする。
【0077】
APICデバイスはDUTに非常に近接して配置されるので、DUTとの間での高速/RF信号を、ATEとの間での低速/DC信号に変換することができる。これにより、APICは高速/RFデータ変換及び処理を実行することができるので、高速な高周波試験に経済的な低速テスターを使用することが可能になる。
【0078】
プローブヘッド上に配置されたAPICは、ノイズとチャネル干渉の可能性とを低減する。APICはATEとDUTとの間での信号の設定可能な変換を提供する。必要に応じて、ATEとAPICとの間で、信号の劣化、ファンアウト、及びノイズ干渉を除去するために、RFに代えて、デジタル又はアナログチャネルが用いられる。必要に応じて、試験データの処理及び分析の大部分はAPICによって実行され、それにより、限られたデータ信号のみがATEとAPICとの間で通信されればよいので、信号情報の容量が低減される。これは、並列試験に低速テスターと複数のAPICデバイスの並列接続とを使用することを可能にし、タッチダウン当たりの単一デバイスに対する大きなコスト上の利点、及びウェハ試験の総時間の短縮がもたらされる。APICは、ATEからの信号を、DUTによって理解され得る様式に変換し、また、その逆の変換を行う。市場で利用可能な現行策より高い信頼性を実現するためにプローブヘッドの先端に一層近付けてAPICを用いることにより、更なる利点が得られる。より先進的なAPICの変形例では、先進的な解法のAPICデバイスの、構成可能性、プログラム可能性及び制御の強化のため、アナログ信号に代えて、デジタル信号が用いられ得る。
【0079】
APICはまた、インピーダンスを整合させるために用いられてもよい。例えば、APICは、RFプローブ針の特性インピーダンスをAPICに整合させるように特別に設計されてもよい。そのようなインピーダンス整合は挿入損失の有意な改善を実現することができ、ひいては、改善された信号忠実性及び信号インテグリティがもたらされ得る。
【0080】
本出願において、用語“有する”は、該用語に続く品目が含まれ、且つ特に言及されない品目が排除されないことを意味するように、その非限定的な意味で用いられる。不定冠詞“a”によって参照される要素は、文脈が1つ且つ唯一の該要素が存在することを要求しない限り、該要素が2つ以上存在する可能性を排除するものではない。
【0081】
請求項は、具体的に図示され上述されたもの、概念的に等価なもの、及び明らかに代用され得るものを含むと理解されるべきである。当業者に認識されるように、請求項の範囲を逸脱することなく、上述の実施形態の様々な適応及び改変が構成され得る。例示した実施形態は、単なる例として説明されたものであり、本発明を限定するものとして理解されるべきではない。理解されるように、請求項の範囲内で、本発明は、具体的に図示され説明されたものとは異なるように実施され得るものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多様なプローブ配列のうちの1つ以上に結合されることが可能な少なくとも1つの再プログラム可能なアクティブプローブ集積回路(APIC)であり、前記1つ以上のプローブ配列が被試験デバイス(DUT)に適合するように選択され、且つ当該APICが1つのプローブ配列及び前記DUTに適合するようにプログラムされる、少なくとも1つのAPIC、
を有するプローブカード。
【請求項2】
前記プローブ配列は2つ以上のDUTに適合するように再構成可能である、請求項1に記載のプローブカード。
【請求項3】
前記APICは前記プローブと一体的に形成される、請求項1又は2に記載のプローブカード。
【請求項4】
2つ以上のAPICが前記プローブと一体的に形成され、動作時、前記プローブは複数レベルの処理能力を提供する、請求項3に記載のプローブカード。
【請求項5】
前記APICに、前記プローブ配列内の対応するプローブが直に隣接する、請求項1乃至3の何れかに記載のプローブカード。
【請求項6】
少なくとも1つの制御信号チャネルを更に有し、動作時:
前記プローブ配列は、前記APICからの試験信号を前記DUTに伝送し、且つ前記DUTからの試験応答信号を前記APICに伝送し;且つ
前記制御信号チャネルは、試験コントローラからの制御信号を前記APICに伝送し、且つ前記APICからの制御応答信号を前記試験コントローラに伝送する;
請求項1乃至5の何れかに記載のプローブカード。
【請求項7】
前記APICは、前記試験コントローラからの前記制御信号を、より高い周波数の試験信号に変換するように構成されている、請求項6に記載のプローブカード。
【請求項8】
前記試験信号及び前記試験応答信号は、RF信号、アナログ信号、デジタル信号からなる群から選択され、且つ前記制御信号及び前記制御応答信号は、RF信号より低い周波数を有する信号である、請求項6又は7に記載のプローブカード。
【請求項9】
前記制御信号チャネルは無線チャネルである、請求項6乃至8の何れかに記載のプローブカード。
【請求項10】
前記試験コントローラは自動化された試験機器である、請求項6乃至9の何れかに記載のプローブカード。
【請求項11】
少なくとも1つのAPICと少なくとも1つの制御信号チャネルとに結合された少なくとも1つのテスターインタフェース;
該少なくとも1つのAPICと前記DUTとに結合された少なくとも1つのDUTインタフェースであり、信号試験プロセッサAPICと前記DUTとの間での高周波信号の通信のために、該信号試験プロセッサを少なくとも1つのプローブに電気的に接続する少なくとも1つのDUTインタフェース;
を更に有し、
前記テスターインタフェースは、低周波信号、高周波信号、無線周波数信号、低精度信号、高精度信号、DC信号、デジタル信号、及びデジタル信号とアナログ信号との組み合わせのうちの1つを、前記制御信号チャネルに沿って伝送するように構成されている、
請求項6乃至10の何れかに記載のプローブカード。
【請求項12】
前記プローブ配列は、1つ以上のプローブを屈曲させることによって、1つ以上のプローブを作動させることによって、あるいは1つ以上のプローブの除去及び再配置を行うことによって再構成可能である、請求項1乃至11の何れかに記載のプローブカード。
【請求項13】
前記プローブ配列は1つ以上のプローブを有する、請求項1乃至12の何れかに記載のプローブカード。
【請求項14】
前記プローブのうちの少なくとも1つは2つ以上のAPICに結合される、請求項13に記載のプローブカード。
【請求項15】
2つ以上のAPICを有し、各APICは前記DUT上で少なくとも1つの特定の試験を実行するようにプログラムされる、請求項1乃至14の何れかに記載のプローブカード。
【請求項16】
各プローブは、カンチレバープローブ、垂直プローブ、コブラプローブ、半田ボール、微小なバネ、及び弾性コンタクトのうちの1つである、請求項13又は14に記載のプローブカード。
【請求項17】
少なくとも1つのプローブは非接触プローブである、請求項1乃至16の何れかに記載のプローブカード。
【請求項18】
前記非接触プローブは、結合されたAPIC上にアンテナを有し、前記アンテナは前記DUTのアンテナ点と通信するように構成されている、請求項17に記載のプローブカード。
【請求項19】
前記APICは、結合されるプローブの近位端、結合されるプローブの遠位端、又は結合されるプローブの近位端と遠位端との間の位置に位置付けられる、請求項1乃至18の何れかに記載のプローブカード。
【請求項20】
前記制御信号チャネルは、電気チャネル、RFチャネル、又は光チャネルのうちの1つである、請求項1乃至19の何れかに記載のプローブカード。
【請求項21】
前記制御信号チャネルは、配線、アンテナ、電気通信のために配線接続されたMEMSプローブ、及びそれらの組み合わせを有する、請求項1乃至20の何れかに記載のプローブカード。
【請求項22】
前記APICはフリップチップ構成をしている、請求項1乃至21の何れかに記載のプローブカード。
【請求項23】
少なくとも1つのその他のAPICと通信する少なくとも1つのAPICを有する、請求項1乃至22の何れかに記載のプローブカード。
【請求項24】
該少なくとも1つのAPICは、少なくとも1つのその他のAPICと無線通信する、請求項23に記載のプローブカード。
【請求項25】
被試験デバイス(DUT)を試験するプローブであって:
アクティブプローブ集積回路(APIC)を内部に組み込んだプローブボディ
を有するプローブ。
【請求項26】
当該プローブは、カンチレバープローブ、垂直プローブ、コブラプローブ、半田ボール、微小なバネ、及び弾性コンタクトのうちの1つである、請求項25に記載のプローブ。
【請求項27】
前記プローブボディは、動作時に当該プローブが複数レベルの処理能力を提供するよう、当該プローブボディ内に組み込まれた2つ以上のAPICを有する、請求項25又は26に記載のプローブ。
【請求項28】
少なくとも1つの、請求項25乃至27の何れかに記載のプローブ;及び
試験コントローラからの制御信号を前記APICに伝送する少なくとも1つの制御信号チャネルを有し、
動作時:
前記プローブは、前記APICからの試験信号を前記DUTに伝送し、且つ前記DUTからの試験応答信号を前記APICに伝送し;且つ
前記制御信号チャネルは、試験コントローラからの制御信号を前記APICに伝送し、且つ前記APICからの制御応答信号を前記試験コントローラに伝送する;
プローブカード。
【請求項29】
前記APICは、前記試験コントローラからの前記制御信号を、より高い周波数の試験信号に変換するように構成されている、請求項28に記載のプローブカード。
【請求項30】
前記試験信号及び前記試験応答信号は、RF信号、アナログ信号、デジタル信号からなる群から選択され、且つ前記制御信号及び前記制御応答信号は、RF信号より低い周波数を有する信号である、請求項28又は29に記載のプローブカード。
【請求項31】
再構成可能なプローブ配列を有する請求項28乃至30の何れかに記載のプローブカード。
【請求項32】
前記プローブ配列は、1つ以上のプローブを屈曲させることによって、1つ以上のプローブを作動させることによって、あるいは1つ以上のプローブの除去及び再配置を行うことによって再構成可能である、請求項31に記載のプローブカード。
【請求項33】
少なくとも1つのAPICと少なくとも1つの制御信号チャネルとに結合された少なくとも1つのテスターインタフェース;
該少なくとも1つのAPICと前記DUTとに結合された少なくとも1つのDUTインタフェースであり、信号試験プロセッサAPICと前記DUTとの間での高周波信号の通信のために、該信号試験プロセッサを少なくとも1つのプローブに電気的に接続する少なくとも1つのDUTインタフェース;
を更に有し、
前記テスターインタフェースは、低周波信号、高周波信号、無線周波数信号、低精度信号、高精度信号、DC信号、デジタル信号、及びデジタル信号とアナログ信号との組み合わせのうちの1つを、前記制御信号チャネルに沿って伝送するように構成されている、
請求項28乃至32の何れかに記載のプローブカード。
【請求項34】
前記制御信号チャネルは、電気チャネル、RFチャネル、又は光チャネルのうちの1つである、請求項28乃至33の何れかに記載のプローブカード。
【請求項35】
前記制御信号チャネルは、配線、アンテナ、電気通信のために配線接続されたMEMSプローブ、及びそれらの組み合わせを有する、請求項28乃至34の何れかに記載のプローブカード。
【請求項36】
前記プローブカードはフリップチップ構成をしている、請求項28乃至35の何れかに記載のプローブカード。
【請求項37】
プローブカードを形成する方法であって:
プログラム可能な少なくとも1つのアクティブプローブ集積回路(APIC)を設ける段階;
前記少なくとも1つのAPICと通信する再構成可能なプローブ配列を設ける段階;
被試験デバイス(DUT)を特徴付ける段階;
前記DUTの特徴に基づいて前記少なくとも1つのAPICを再プログラムする段階;及び
前記DUTの特徴に基づいて前記プローブ配列を再構成する段階;
を有する方法。
【請求項38】
少なくとも1つのAPICが前記プローブ配列内のプローブと一体的に形成される、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
動作時に前記プローブが複数レベルの処理能力を提供するよう、2つ以上のAPICが前記プローブ配列内の前記プローブと一体的に形成される、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記プローブ配列内の少なくとも1つのプローブは、前記APICに直に隣接して設けられる、請求項37に記載の方法。
【請求項41】
少なくとも1つの制御信号チャネルを設ける段階;
前記制御信号チャネルを介して試験コントローラから前記APICに制御信号を伝送する段階;
前記制御信号に応答して、前記プローブ配列内の少なくとも1つのプローブを介して前記APICから前記DUTに試験信号を伝送する段階;
前記試験信号に応答して、前記プローブ配列内の少なくとも1つのプローブを介して前記DUTから前記APICに試験応答信号を伝送する段階;
前記制御信号チャネルを介して前記APICから前記試験コントローラに制御応答信号を伝送する段階;
を更に有する請求項37乃至40の何れかに記載の方法。
【請求項42】
前記試験信号を伝送する段階は、前記試験コントローラからの前記制御信号を、より高い周波数の試験信号に変換する段階を有する、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記試験信号を伝送する段階及び前記試験応答信号を伝送する段階のうちの少なくとも一方は、RF信号、アナログ信号、デジタル信号からなる群から選択された信号を伝送することを有し、且つ前記制御信号及び前記制御応答信号は、RF信号より低い周波数を有する信号である、請求項41又は42に記載の方法。
【請求項44】
前記プローブ配列を再構成する段階は、1つ以上のプローブを屈曲させる段階、又は1つ以上のプローブの除去及び再配置を行う段階を有する、請求項37乃至43の何れかに記載の方法。
【請求項45】
前記プローブ配列は1つ以上のプローブを有する、請求項37乃至44の何れかに記載の方法。
【請求項46】
前記プローブのうちの少なくとも1つは2つ以上のAPICに結合される、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
2つ以上のAPICが設けられ、各APICは前記DUT上で少なくとも1つの特定の試験を実行するようにプログラムされる、請求項37乃至46の何れかに記載の方法。
【請求項48】
各プローブは、カンチレバープローブ、垂直プローブ、コブラプローブ、半田ボール、微小なバネ、及び弾性コンタクトのうちの1つである、請求項46又は47に記載の方法。
【請求項49】
少なくとも1つのプローブは非接触プローブである、請求項37乃至48の何れかに記載の方法。
【請求項50】
前記非接触プローブは、結合されたAPIC上にアンテナを有し、前記アンテナは前記DUTの接触点と通信するように構成される、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記APICは、結合されるプローブの近位端、結合されるプローブの遠位端、又は結合されるプローブの近位端と遠位端との間の位置に位置付けられる、請求項37乃至50の何れかに記載の方法。
【請求項52】
前記制御信号チャネルは、電気チャネル、RFチャネル、又は光チャネルのうちの1つである、請求項37乃至51の何れかに記載の方法。
【請求項53】
前記制御信号チャネルは、配線、アンテナ、電気通信のために配線接続されたMEMSプローブ、及びそれらの組み合わせを有する、請求項37乃至52の何れかに記載の方法。
【請求項54】
前記APICはフリップチップ構成をしている、請求項37乃至53の何れかに記載の方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図3e】
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【図3f】
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【図3g】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図4d】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図5d】
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【図5e】
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【図5f】
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【図5g】
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【図6a】
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【図6b】
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【図6c】
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【図6d】
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【図6e】
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【図6f】
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【図6g】
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【図6h】
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【図6i】
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【図6j】
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【図6k】
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【図6l】
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【図6m】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8a】
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【図8b】
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【図8c】
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【図8d】
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【図9a】
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【図9b】
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【図9c】
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【図10a】
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【図10b】
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【図11】
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【図12】
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【図13a】
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【図13b】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22a】
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【図22b】
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【図22c】
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【図22d】
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【図23a】
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【図23b】
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【公表番号】特表2010−523945(P2010−523945A)
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−501338(P2010−501338)
【出願日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際出願番号】PCT/CA2008/000609
【国際公開番号】WO2008/119179
【国際公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【出願人】(508269972)スキャニメトリクス,インコーポレイテッド (4)
【Fターム(参考)】