説明

ガス遮断装置とそれを用いた位置検知システム

【課題】ガスメータを設置するだけで基地局からの指令で特定端末の位置がメータの設置場所単位で検知できるガス遮断装置を用いた位置検知システムを提供する。
【解決手段】流量を計測する流量計測手段17と、流路を遮断するガス遮断弁2cと、計測結果に基づき各種情報を生成、記憶する制御回路10aと、複数の相手先と送受信を行う無線モジュール11と、相手先に応じて通信周波数帯を切り替える通信切替手段10cとを備え、無線モジュール11は制御回路10aと共にガスメータ2内に収納し、基地局14との通信用の広域通信周波数帯と所定のエリア内の通信用の特定小電力無線通信周波数帯を有し、基地局14からの指令で特定端末装置からの認証信号を受信する認証信号受信手段を設け、認証信号を受信したとき所在確認信号を基地局に送信する構成としてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス遮断装置に関し、特に、基地局及び特定エリア内の端末装置との通信手段を利用した位置検知システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の位置検知システムとしては、自電話の現在位置を管理エリアとしている無線基地局の識別番号を、その無線基地局から所定周波数帯の電波により無線で受信する受信手段と、所定の指示に応じて少なくとも前記受信手段により受信された前記無線基地局の識別番号を含む位置情報を、前記無線基地局に所定周波数帯の電波により無線で送信する位置情報送信手段とを有する移動電話を用いて、この移動電話から送信された位置情報を、所定の通信網を介して受信する位置情報受信手段と、該位置情報受信手段により受信された位置情報に基づき、予め移動電話もしくは移動電話の携帯者とその移動電話の現在位置とを対応付けて管理する位置情報データベースの登録・更新を行うデータベース管理手段とを有する位置情報管理システムがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
そして、移動電話の受信手段は、例えば特定のキーが操作されると、自電話の現在位置を管理エリアとしている無線基地局と所定のプロトコルで無線により交信し、その無線基地局からその無線基地局に予め割り当てられている識別番号を、所定周波数帯の電波により無線で受信する。続いて、例えば、他の特定キーの操作等により位置情報発信の指示がなされると、位置情報発信手段は、少なくとも受信手段が受信した上記無線基地局の識別番号を含む位置情報を、前記無線基地局に送信する。したがって、移動電話の携帯者が、その移動電話を用いて、自分の現在位置をカバー(管理)している無線基地局に自分の現在位置を示す位置情報を送信することができるというものであり、位置情報管理システムの位置情報受信手段は、個々の移動電話が送信してくる位置情報を、一般加入者電話網やISDN等の通信網を介して、逐次受信し、データベース管理手段に出力する。
【0004】
このとき、位置情報受信手段は、上記通信網がISDNであり、移動電話が自電話の現在位置をカバーしている無線基地局の識別番号のみを送信してきた場合には、ISDNから発信者すなわちその移動電話の電話番号も受信し、上記無線基地局の識別番号と共にその移動電話の電話番号も位置情報として、データベース管理手段に出力する。
【0005】
データベース管理手段は、入力される上記位置情報に含まれる上記無線基地局の識別番号及び上記移動電話の識別番号もくしは上記移動電話の携帯者の識別番号(社員番号等)により、位置情報データベースの上記移動電話または上記移動電話の携帯者の位置情報の登録・更新を行う。
【0006】
したがって、一般加入者電話網またはISDN等の固定網に接続されている情報処理装置が、上記移動電話から送信されてくる位置情報を受信し、その位置情報に基づき各移動電話の携帯者の現在位置を管理することができるというものである。
【特許文献1】特開平5−167704号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1に開示された従来の構成では、所在確認端末である移動電話がPHS基地局を代表とする移動電話の無線基地局を利用するシステムであるため、常時無線基地局からの電波を受信して位置情報の登録を行わなくてはならず、位置情報が利用されないときも通信を行なう結果となるため電流の消費が大きくなり、所在確認端末
の電源を容量の大きいものにするか、定期的に充電する必要があり、大型化やメンテナンスが必要となり、利用しづらいものとなっていた。
【0008】
また、使用者がボタン等を押すことにより無線基地局と通信を行って登録する仕組みも提案されているが、利用者がボタンを押して登録する手間が必要であり、登録を忘れると所在が不明になり正確な情報が得られないといった課題があった。
【0009】
また、本システムにおける位置情報は、現在位置をカバーしている無線基地局毎に管理されることになるため、無線基地局の所在地単位でしか管理できず、さらに細かな位置情報を入手することは困難であった。
【0010】
さらに、電話回線を使用することに伴う、回線が混雑した場合における位置情報の入手が困難になるという課題も有していた。
【0011】
本発明は上記課題を解決するもので、ガスメータを設置するだけで監視センターや隣接するガスメータ、さらには特定の端末装置との通信が可能となり、かつこの通信情報を利用して位置検知を行うことで、ガスメータの設置位置毎の細かな位置情報が入手可能なガス遮断装置とそれを用いた位置検知システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記従来の課題を解決するために本発明のガス遮断装置は、ガスメータを経由した後の配管に接続される複数のガス器具の使用状況を監視するとともに、基地局および隣接する複数のガスメータさらには特定の端末装置との間で直接送受信が可能な無線モジュールを搭載したガス遮断装置であって、ガスメータには、ガス流量を計測する流量計測手段と、異常時にガス流路を遮断するガス遮断弁と、流量計測手段の計測結果に基づき各種情報を生成、記憶する制御回路と、複数の相手先と情報の送受信を行う無線モジュールと、相手先に応じて通信周波数帯を切り替える通信切替手段とを備え、無線モジュールは、制御回路と一体的に構成してガスメータ内に収納し、基地局との通信用の広域通信周波数帯と所定のエリア内で通信が可能な特定小電力無線通信周波数帯を有し、制御回路には、基地局からの特定端末装置の追尾指令情報を受信したときのみ作動する位置検知モードにおいて特定端末装置からの認証信号を受信する認証信号受信手段を設け、認証信号受信手段が特定端末装置からの認証信号を受信したときガスメータ内蔵の無線モジュールを用いて位置の特定が可能な所在確認信号として基地局に送信するようにしたものである。
【0013】
上記発明によれば、電話回線以外の無線通信手段を用いて基地局との通信が可能な無線モジュールと、所定のエリア内において隣接する複数のガスメータあるいは特定の端末装置との間で通信が可能な無線モジュールとを、ガスメータ内の制御回路基板に一体的に組み込んだ形態としているため、ガスメータを設置するだけで基地局と電話回線を用いることなく通信が可能となり、回線の混雑状況に影響を受けず基地局と情報のやり取りを行うことができ、また限定された通信エリア内で他のガスメータ、特定の端末装置と情報のやり取りを行うことができ、この通信情報を利用して各種機能を付加することが可能で、ガスメータを介在させて特定端末装置が発する情報を特定の信号として基地局に送信することで、特定端末装置を携帯している人の位置をガスメータの設置場所単位で検知することができ、ガスメータ特有の情報通信網を利用したより細かな位置検知が可能となる。また、基地局からの追尾指令情報を受信したときのみ位置検知モードを作動するようにしているため、ガスメータの基本機能である流量計測への影響を極力抑えることができ、かつ電池消耗への影響も軽減できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明のガス遮断装置は、ガスメータを設置するだけで基地局と電話回線を用いること
なく通信が可能となり、回線の混雑状況に影響を受けず基地局と情報のやり取りを行うことができ、また限定された通信エリア内で他のガスメータ、特定の端末装置と情報のやり取りを行うことができ、この通信情報を利用して各種機能を付加することが可能で、ガスメータを介在させて特定端末装置が発する情報を特定の信号として基地局に送信することで、特定端末装置を携帯している人の位置をガスメータの設置場所単位で検知することができ、ガスメータ特有の情報通信網を利用したより細かな位置検知が可能となる。また、基地局からの追尾指令情報を受信したときのみ位置検知モードを作動するようにしているため、ガスメータの基本機能である流量計測への影響を極力抑えることができ、かつ電池消耗への影響も軽減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
第1の発明は、ガスメータを経由した後の配管に接続される複数のガス器具の使用状況を監視するとともに、基地局および隣接する複数のガスメータさらには特定の端末装置との間で直接送受信が可能な無線モジュールを搭載したガス遮断装置であって、ガスメータには、ガス流量を計測する流量計測手段と、異常時にガス流路を遮断するガス遮断弁と、前記流量計測手段の計測結果に基づき各種情報を生成、記憶する制御回路と、複数の相手先と情報の送受信を行う無線モジュールと、相手先に応じて通信周波数帯を切り替える通信切替手段とを備え、前記無線モジュールは、前記制御回路と一体的に構成して前記ガスメータ内に収納し、基地局との通信用の広域通信周波数帯と所定のエリア内で通信が可能な特定小電力無線通信周波数帯を有し、前記制御回路には、基地局からの特定端末装置の追尾指令情報を受信したときのみ作動する位置検知モードにおいて特定端末装置からの認証信号を受信する認証信号受信手段を設け、認証信号受信手段が特定端末装置からの認証信号を受信したときガスメータ内蔵の無線モジュールを用いて位置の特定が可能な所在確認信号として基地局に送信するようにしたことを特徴とするものである。
【0016】
そして、電話回線以外の無線通信手段を用いて基地局との通信が可能な無線モジュールと、所定のエリア内において隣接する複数のガスメータあるいは特定の端末装置との間で通信が可能な無線モジュールとを、ガスメータ内の制御回路基板に一体的に組み込んだ形態としているため、ガスメータを設置するだけで基地局と電話回線を用いることなく通信が可能となり、回線の混雑状況に影響を受けず基地局と情報のやり取りを行うことができ、また限定された通信エリア内で他のガスメータ、特定の端末装置と情報のやり取りを行うことができ、この通信情報を利用して各種機能を付加することが可能で、ガスメータを介在させて特定端末装置が発する情報を特定の信号として基地局に送信することで、特定端末装置を携帯している人の位置をガスメータの設置場所単位で検知することができ、ガスメータ特有の情報通信網を利用したより細かな位置検知が可能となる。また、基地局からの追尾指令情報を受信したときのみ位置検知モードを作動するようにしているため、ガスメータの基本機能である流量計測への影響を極力抑えることができ、かつ電池消耗への影響も軽減できる。
【0017】
第2の発明は、制御回路には、基地局からの特定端末装置の追尾指令情報を受信したときのみ作動し特定端末装置に所定の起動信号を送信する起動信号送信手段を設け、特定端末装置は前記起動信号送信手段からの起動信号を受信したとき所定周期で認証信号を送信するようにしたことを特徴とするものである。
【0018】
そして、位置検知モードにおける特定端末装置の作動はガスメータから送信される起動信号を受信したとき開始するようにしているため、特定端末装置の電池消耗を軽減することができる。
【0019】
第3の発明は、起動信号送信手段が送信する起動信号には追尾対象の特定端末装置固有の識別コードを付与し、この識別コードと合致する特定端末装置が作動を開始するように
したことを特徴とするものである。
【0020】
そして、起動信号に識別コードを付与することで、追尾対象の特定端末装置のみが作動を開始することになり、他の特定端末装置への影響をなくしつつ、正確な位置検出を行うことができる。
【0021】
第4の発明は、認証信号受信手段は、特定端末装置からの認証信号を受信したときガスメータ固有の識別コードを付与し所在確認信号として基地局に送信するようにしたことを特徴とするものである。
【0022】
そして、特定端末装置の所在を確認する情報として、特定端末装置からの認証信号を受信したガスメータ固有の識別コードを付与して基地局に送信するようにしているため、予め登録してあるガスメータの設置場所から特定端末装置の所在位置を特定することができ、ガスメータの設置場所単位で所在位置を把握することができ、より細かな位置検出が可能となる。
【0023】
第5の発明は、基地局との通信用の広域通信周波数帯を有する広域通信無線モジュールと所定のエリア内で通信が可能な特定小電力無線通信周波数帯を有するエリア通信無線モジュールをそれぞれ別々に備えたことを特徴とするものである。
【0024】
そして、ガスメータへの収納形態として、広域通信無線モジュールとエリア通信無線モジュールをそれぞれ別々に組み込む構成としているため、伝達情報に対応して無線モジュールを選択するだけで基地局あるいは特定の端末装置との通信を容易に行うことができ、かつ基地局と特定の端末装置との通信を同時に行うことも可能となり、使い勝手の向上が図れる。
【0025】
第6の発明は、基地局と所定のエリア内との通信を通信周波数帯を切り替えることで1つの無線モジュールを用いて行うようにしたことを特徴とするものである。
【0026】
そして、ガスメータへの収納形態として、広域通信無線モジュールとエリア通信無線モジュールを1つの無線モジュールで通信周波数帯を切り替えて行うようにしているため、基板構成の簡素化が図れると共に電池消耗を抑えることができる。
【0027】
第7の発明は、請求項1〜6のいずれか1項記載のガス遮断装置を用いた位置検知システムとしたものである。
【0028】
そして、特定端末装置を携帯している人の位置をガスメータの設置場所単位で検知することができ、ガスメータ特有の情報通信網を利用したより細かな位置検知が可能となる。
【0029】
第8の発明は、基地局と専用回線で接続された監視センターは、基地局が受信する所在確認信号を所定のエリア画面上に時系列で表示し移動情報として確認可能な移動情報確認手段を有したことを特徴とするものである。
【0030】
そして、ガスメータから送信される所在確認信号を追尾対象エリアの画面上に時系列で表示することにより、移動情報としてリアルタイムに把握することができ、より正確に位置検出が可能となる。
【0031】
第9の発明は、特定端末装置には、ガスメータに内蔵の所定のエリア内で通信が可能な特定小電力無線通信周波数帯と同じ通信周波数帯を有する無線モジュールを内蔵し、この無線モジュールで特定端末装置とガスメータとの通信を行うことを特徴とするものである

【0032】
そして、所定のエリア内に限定して特定端末装置からの認証信号を受信可能としているため、特定端末装置の位置情報を比較的ピンポイントで捕らえることができ、より正確に位置の特定が可能となる。
【0033】
第10の発明は、基地局からの特定端末装置の追尾指令情報は、少なくともガス遮断弁の遮断動作に関連する動作を除いて優先的に実行するようにしたことを特徴とするものである。
【0034】
そして、地震や異常流量等の異常時にガス遮断弁を遮断する動作を最優先で実行することで安全性を確保しつつ、その他の処理モードのうち、基地局からの追尾指令情報による位置検知モードを優先的に実行することで、緊急性を有する追尾機能を想定した場合の対応を迅速に処理することができる。
【0035】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0036】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1におけるガス遮断装置と基地局及び需要家宅との通信形態の全体構成図、図2は同ガス遮断装置における隣接するガスメータとの通信形態を示す図、図3は同ガス遮断装置と特定の端末装置の通信形態を示す図、図4は各地域別の基地局とガスメータとの通信形態を示す図、図5は同ガス遮断装置の外観及び構成部品を示す図、図6は同ガス遮断装置の内部構成図、図7は同ガス遮断装置の制御回路基板の構成ブロック図である。
【0037】
各家庭13のガス供給管1の入口部分にガスメータ2が設置され、このガスメータ2を経由した後のガス配管3から分岐して家庭で使用する種々のガス器具が設置された場所まで配管されガスが供給される。例えば、屋外にはガス給湯器4が設置され、このガス給湯器4で生成される湯が水配管を介して台所の給湯栓5、浴槽やシャワー装置が設置された風呂6、リビング等に設置された床暖房7に供給され、種々の使用形態を形成している。
【0038】
また、屋内にあっては、台所に設置されたガステーブル8、リビングや寝室等に設置されたガスファンヒータ9にガスが供給され、必要に応じて適宜使用される。
【0039】
そして、設置されたガス器具が使用されガスの消費が発生するとガスメータ2でその使用量が計測され、そのデータが所定期間毎に累積記憶されている。このガスメータ2に記憶されたデータはガス事業者15からの定期的なデータ要求指令に基づいて所定の情報処理を行った後、ガス料金やガス使用量あるいはガス事業者15が提供する割引サービス等の情報として需要家13及びガス事業者に送信される。
【0040】
この送信手段としては、例えば図5に示すようにガスメータ2に内蔵された流量計測手段を構成する制御回路基板10に一体的に組み込まれた無線モジュール11を用いて行うようにしている。
【0041】
そして、図2、図3、図7に示すように無線モジュール11は、基地局14と通信するために電話回線とは異なる、例えば200MHzの通信周波数帯を有する広域通信無線モジュール11aと、需要家宅13内に情報を伝達するためにテレビ12aやパソコンあるいは携帯電話12b等の特定の端末装置12と通信するため、あるいは隣接するガスメータ2A〜2Dと各種情報の授受を行うために直接通信をするための、例えば429MHz
の特定小電力無線通信周波数帯を有するエリア通信無線モジュール11bで構成し、流量信号やセンサ信号に基づいてガス使用量の算出あるいは地震、ガス漏れ等の異常検知を行う制御回路10aからデータを受信すると、そのデータに応じて、例えばガス料金、ガス使用量あるいは地震、ガス漏れ等の異常発生に伴うガス遮断弁の作動等、需要家に報知すべき内容の場合はエリア通信無線モジュール11bを用いて需要家宅13内のテレビ12aあるいは携帯電話12b等の特定の端末装置12に表示データを送信し、さらに流量変動幅が規定値より大きく供給ガスに脈動が発生していると判断したときは隣接するガスメータ2A〜2Dに対して脈動信号を送信するようにしている。
【0042】
そして、図3に示すように特定の端末装置12にもガスメータ2に内蔵してあるエリア通信無線モジュール11bと同一の通信周波数帯を有する無線モジュール11cを内蔵あるいは一体的に取り付けることで、ガスメータ2との情報通信が可能となり、例えば制御回路10aのデータを表示データとしてテレビ12aあるいは携帯電話12bに送信し各端末装置の画面を通じて表示することで、ガスメータ2から直接需要家に対して情報の伝達を行うことができ、従来のように、ガスメータ2からガス事業者にデータを送信し、ガス事業者でデータ処理を行った情報、例えば料金通知等の葉書を郵送等で需要家に送付するという情報伝達方法を採用する必要がなくなるため、通知作業に要する工数を削減でき、かつ通知用葉書等の郵送費用の発生もなくなり、通知業務の合理化を実現することでガス料金の低減に寄与するものである。
【0043】
また、隣接するガスメータから脈動信号が送られてきた場合は、エリア通信無線モジュール11bで受信し、その情報を制御回路10aに送ってガス流量を計測するときの計測周期に反映することで計測精度を上げて流量計測を行い、流量バラツキを低減するようにしている。
【0044】
また、ガスメータ2から特定の端末装置12に各種情報を送信した場合は、エリア通信無線モジュール11bから広域通信無線モジュール11aに報知完了信号を送り、広域通信無線モジュール11aはこの報知完了信号を基地局14に送信し、ガス事業者15に需要家への情報伝達が完了したことを通知する。なお、この場合、特定の端末装置12からの応答信号を受信して報知完了信号を送信することが好ましく、より確実に需要家への情報伝達を行うことができる。
【0045】
また、ガスメータ2に無線モジュール11を内蔵させたことで、本来の機能である流量計測や異常時のガス遮断機能以外に情報端末装置としても利用可能であり、各家庭に設置されたガスメータを情報端末として利用することできめ細かな情報収集、伝達ができ、この情報収集、伝達機能を用いて各種サービスを提供することができる。
【0046】
その一例を示すと、特定の端末装置12として携帯電話12b等、人が持ち歩きする携帯端末にガスメータ2に内蔵のエリア通信無線モジュール11bと同じ通信周波数帯を有する無線モジュール11cを内蔵し、ガスメータ2の制御回路10cに、基地局14からの情報として追尾指令情報が送信され、その情報をガスメータ2に内蔵の広域通信無線モジュール11aが受信したときのみ作動する起動信号送信手段10iと認証信号受信手段10jを設けることで、追尾指令情報を受信したときに制御回路10cの処理モードとして位置検知モードを選択して、ガスメータ2を介在させて携帯電話12bからの認証信号を基地局14に送信することができ、携帯電話12bを持った人の所在がガスメータ2を設置した場所単位で把握することができる位置検知システムを構築することが可能となる。
【0047】
具体的には、図4に示すように、需要家からの所在確認の要請でガス事業者(監視センター)15が各地域A〜E毎に設置した基地局14に対して専用回線を用いて追尾指令情
報を送り、この追尾指令情報を各基地局14から一斉に同報信号として各家庭に設置されたガスメータ2に送信する。この信号を受信したガスメータ2は起動信号送信手段10iを作動させて所在確認の対象となる携帯電話12bに予め付与した固有の識別コードを含む起動信号をエリア通信無線モジュール11bを用いて送信する。このエリア通信無線モジュール11bを用いて携帯電話12bと信号のやり取りを行うことで、特定小電力無線通信周波数帯で通信可能な比較的狭い範囲で通信を行うことができ、携帯電話12bの位置の特定が行い易くなる。
【0048】
そして、起動信号を受信した携帯電話12bは作動を開始し、所定周期で認証信号が送信される。この認証信号には自身の固有識別コードを含んでもよく、予め定めた認証信号だけでもよい。
【0049】
図4に示す実施形態においては、地域Aの基地局14から送信された追尾指令情報で作動したガスメータ2Gの起動信号送信手段10iから送信された起動信号でYさんが携帯している携帯電話12bが作動を開始して所定周期で所定の認証信号が発信されることになる。
【0050】
そして、発信された認証信号はガスメータ2に内蔵の認証信号受信手段10jが受信し、例えばガスメータ2Gの認証信号受信手段10jが受信すると、この受信情報をガスメータ2Gに内蔵の広域通信無線モジュール11aを用いて基地局14に送信する。このとき基地局14に送信する情報としてガスメータ2Gに付与されている固有の識別コードを含む信号として送信することで、ガスメータ固有の識別コードから所在地を的確に把握することができ、より細かな位置検知が可能となる。
【0051】
また、他のガスメータ、例えばガスメータ2Fが特定小電力無線通信周波数帯で通信可能な範囲外である場合はガスメータ2Jからの受信情報が基地局14に送信に送信されることがなく、ガスメータ2Gからの情報だけで位置の特定ができ、精度の高い位置検知も可能となる。
【0052】
そして、Yさんが移動した場合はガスメータ2Gの認証信号受信手段10jによる受信が途切れ、次のガスメータ2Fの認証信号受信手段10jによる認証信号の受信が行われ、上記同様にこの受信情報をガスメータ2Fに内蔵の広域通信無線モジュール11aを用いてガスメータ2Fに付与されている固有の識別コードを含む信号として基地局14に送信する。さらに、Yさんが移動した場合はガスメータ2Fの認証信号受信手段10jによる認証信号の受信が途切れ、次のガスメータ2Hの認証信号受信手段10jによる認証信号の受信が行われ、上記同様にこの受信情報をガスメータ2Hに内蔵の広域通信無線モジュール11aを用いてガスメータ2Hに付与されている固有の識別コードを含む信号として基地局14に送信する。
【0053】
この一連の情報により、Yさんはガスメータ2Gが設置されている場所からガスメータ2Fが設置されている場所を経由してガスメータ2Hが設置されている場所に移動したことが把握できる。そして、ガスメータが設置されている住所は予め登録された固有の識別コードから容易に確認できるため、Yさんが現在いる住所を容易に特定できる。
【0054】
そして、ガス事業者(監視センター)15は基地局14を経由して入手した所在確認信号を所定の地域、例えば地域Aを示すエリア画面上に時系列で表示する移動情報確認手段を備えることで、所在確認対象の携帯端末の移動情報として把握することができる。
【0055】
そして、上記位置検知モードは以下に記述する各種処理モードのうち、少なくともガス遮断弁2cの遮断動作に関連する処理モードを除いて優先的に実行するようにして、地震
や異常流量等の異常時にガス遮断弁2cを遮断する動作を最優先で実行することで安全性を確保しつつ、その他の処理モードのうち、基地局14からの追尾指令情報による位置検知モードを優先的に実行することで、緊急性を有する追尾機能を想定した場合の対応を迅速に処理することができるようにしたものである。
【0056】
また、上記位置検知モード以外に無線モジュール11を内蔵したガスメータ2の他の機能を実行するために多くの処理モードが準備されており、以下にその一例及びその処理規定について説明する。
【0057】
ガス事業者15が管理する集中監視センターと専用回線を通じて接続された基地局14からは、例えば200MHzの広域通信周波数帯を用いてガス事業者が発信する各種情報が各需要家宅に設置のガスメータ2に一斉に送信され、ガスメータ2はこの各種情報を内蔵の広域通信無線モジュール11aで受信し、受信データを制御回路10aに入力する。制御回路10aには受信情報に対応して予め定めた処理モードを記憶した処理モード記憶手段10gが設けられている。この処理モード記憶手段10gに記憶された処理モードには優先順位が定められており、優先順位の高い、例えば処理モード1>処理モード2>処理モード3>・・>処理モードnの順番に処理が実行され、処理モード3を実行中に処理モード2の情報を受信したときは処理モード3を中断または中止して処理モード2を優先して実行するようにしている。そして、この処理モードにおいては、大規模な地震発生等で広域に災害が波及すると判断して集中監視センター15が一斉に同報信号として災害情報を送信し、その災害情報に対応して少なくともガス遮断弁2cの遮断動作を含み、特定の端末装置に災害情報を伝達する等の処理を実行する処理モードを処理モード1として全ての処理モードに優先させることで、緊急度に応じた適切な対応が可能となり、安全性を優先したガスの供給管理が可能となる。
【0058】
そして、基地局14から送信される情報として、時刻設定情報や検針指示情報、さらにはガス工事等に伴うガス遮断弁2cの一斉遮断情報等があり、その各情報に対応した処理モードが処理モード記憶手段10gに記憶され、例えば処理モード2としてガス工事等に伴うガス遮断弁2cの一斉遮断情報に対応した処理として、表示端末装置12に遮断関連情報を送信するとともに、基地局14に報知完了信号を送信することが定められ、処理モード3として検針指示情報に対応した処理として、制御回路10aに記憶された料金情報ないし/およびガス使用量情報を表示端末装置12に送信するとともに、基地局14に報知完了信号を送信することが定められ、処理モード4として時刻設定情報に対応した処理として、制御回路10aに内蔵の時計機能10hの時刻設定を一斉に実行することが定められている。
【0059】
また、基地局14以外に隣接するガスメータや特定の端末装置から送信される情報も受信することができ、例えば、他のガスメータからの情報として、脈動情報や遮断情報、さらには生活情報があり、これら受信情報に対しても同様に、優先順位を付与した処理モードを処理モード記憶手段10gに記憶しておくことで、脈動情報を用いた計測精度の向上が図れたり、遮断情報を用いて地震と衝撃による振動の区別が図れたり、あるいはガス使用実態による生活確認情報で近所の独り住まいの高齢者の異常有無の確認が可能になる。
【0060】
このように、基地局14や他のガスメータ等から送信される情報に応じて予め定めた優先順位を有する処理モードを選択して所定の動作を実行するようにしているため、受信情報の緊急度に応じて適切に対処することが可能となり、検針要求指令等の一般的な情報と地震等の災害情報を区別して対応することができ、地震等の異常時に回線の混雑で通報できないという不具合を解消し迅速な処理で安全性を確保できるとともに、一般情報に対する処理もガスメータ2に内蔵した無線モジュール11を介してスムーズに実行することができ、合理的な情報伝達システムを構築することができる。
【0061】
具体的には、ガス工事等により広域でガスの遮断を行う場合、事前に需要家宅に郵送等で日時を指定したガス遮断情報を伝達していたが、基地局14から同報信号として一斉遮断情報を送信することで、受信可能領域に設置されたガスメータ2はテレビ12aや携帯電話12b等の表示端末装置12に日時を指定したガス遮断情報を送信する処理モードを実行することで、このテレビ12aや携帯電話12b等を用いて表示することが可能となり、従来のようにセンター15から郵送等で行っていた一斉遮断情報の送付作業を省略することができ、かつ表示端末装置12への報知完了信号を基地局14に送信することで、センター15において需要家への情報伝達が完了したことを確認することができる。
【0062】
また、センター(ガス事業者)15が所定期間毎に行う検針作業を、同報信号として検針指示情報を送信することで、受信可能領域に設置されたガスメータ2は一斉に所定の検針処理モードを実行することが可能となり、検針情報を基地局14に送信するとともに、基地局14に送信した検針情報をテレビ12aや携帯電話12b等の表示端末装置12に送信することができるため、このテレビ12aや携帯電話12b等を用いて表示することで、従来のようにセンター15から郵送等で行っていた検針情報の送付作業を省略することができ、かつ表示端末装置12への報知完了信号を基地局14に送信することで、センター15において需要家への情報伝達が完了したことを確認することができる。
【0063】
さらに、センター15から時刻設定情報を同報信号として送信することで、受信可能領域に設置されたガスメータ2は一斉に時刻設定を実行することが可能となり、時刻情報を用いて実行する処理の精度を高め、誤差の少ない情報を入手することができる。
【0064】
ここで、情報伝達の一例を説明すると、まずガス事業者15からの同報信号として検針指示情報が基地局14を介して広域通信周波数帯(200MHz)で送信された場合、ガスメータ2に内蔵してある広域通信無線モジュール11aが受信し、その検針指示情報が同一基板に搭載してある制御回路10aに送られる。制御回路10aには受信情報に応じた処理モードが処理モード記憶手段10gに記憶されており、検針指示情報に対応した処理モード3が選択され、具体的処理として、流量計測手段で計測された流量データが所定期間毎に累積され、その累積データ、あるいは料金データに変換した情報が情報記憶手段10bに記憶されており、ガス事業者15からの検針指示情報が入力されると制御回路10aは情報記憶手段10bの流量累積データ、あるいは料金データに変換した情報を通信切替手段10cを介してエリア通信無線モジュール11b及び広域通信無線モジュール11aに送り、広域通信無線モジュール11aは広域通信周波数帯(200MHz)で基地局14に送信し、基地局14から専用回線を用いてガス事業者15に検針情報が伝達される。
【0065】
また、エリア通信無線モジュール11bは特定小電力無線通信周波数帯(429MHz)でテレビ12a等の表示端末装置12に一体的に取り付けた無線モジュール11cに送信し、画面上に例えば、図7(a)に示すような料金情報や使用量を表示する。そして、表示端末装置12への送信が完了すると、上記した如く、報知完了信号をガス事業者15に送信し、需要家への情報伝達が完了したことを通知する。
【0066】
この一連の検針処理モードを実行中に基地局14から同報信号として災害情報が送信され、広域通信無線モジュール11aがその情報を受信すると、その情報に対応した処理モード1が処理モード記憶手段10gから選択されることになり、この処理モード1は全ての処理に優先して実行されるため、検針処理用の諸モード3は中断または中止され、処理モード1であるガス遮断弁2cの遮断動作とエリア通信無線モジュール11bを用いて表示端末装置12への災害情報の実行される。
【0067】
また、別の一例として、ガス事業者15からの同報信号として時刻設定情報が基地局14を介して広域通信周波数帯(200MHz)で送信された場合、ガスメータ2に内蔵してある広域通信無線モジュール11aが受信し、その時刻設定情報が同一基板に搭載してある制御回路10aに送られる。制御回路10aには受信情報に応じた処理モードが処理モード記憶手段10gに記憶されており、時刻設定情報に対応した処理モード4が選択され、具体的処理として、制御回路10aに内蔵の時計機能10hの時刻が所定の時刻になるように一斉に設定される。この場合も同様に処理モード4を実行中に優先順位の高いガス工事に伴うガス遮断弁2cの一斉遮断情報が同報信号として送信され、広域通信無線モジュール11aがその情報を受信すると、処理モード記憶手段10gから処理モード2が選択されるため、実行中の処理モード4は中断されて処理モード2が優先して実行され、エリア通信無線モジュール11bを用いて表示端末装置12に日時を指定したガス遮断弁2cの一斉遮断情報が送信され、テレビ12aあるいは携帯電話12bの画面を通じてガス工事に伴うガスの停止情報が事前に通知される。
【0068】
また、その他の処理モードとして、処理モード1で遮断弁2cを強制的に作動させた場合において、原因が排除され安全が確認されたとき、ガス事業者15からの復帰指示が同報信号として基地局14を介して広域通信周波数帯(200MHz)で送信される場合があり、この場合も処理モード記憶手段10gに処理モード5として記憶させておくことで、基地局14からの同報信号で複数のガスメータ2に対して一斉に復帰処理を案内することができる。具体的には、ガスメータ2に内蔵してある広域通信無線モジュール11aが受信し、その復帰指示情報が同一基板に搭載してある制御回路10aに送られ、処理モード記憶手段10gの処理モード5が選択されることで、情報記憶手段10bに記憶されている復帰作業に関する情報を通信切替手段10cを介してエリア通信無線モジュール11bに送り、エリア通信無線モジュール11bは特定小電力無線通信周波数帯(429MHz)でテレビ12a等の表示端末装置12に一体的に取り付けた無線モジュール11cに送信し、画面上に例えば、図7(b)に示すような復帰作業の手順を表示する。そして、表示端末装置12への送信が完了すると、上記した如く、報知完了信号をガス事業者15に送信し、需要家への情報伝達が完了したことを通知する。
【0069】
さらに、ガスメータ2に内蔵のエリア通信無線モジュール11bは所定のエリア内において隣接するガスメータ2との相互通信が可能であり、このガスメータ間の通信機能を利用して、例えば流量計測手段を構成する制御回路10aが脈動に起因する流量変動を検出した場合は、エリア通信無線モジュール11bを用いて隣接するガスメータに対して脈動信号を送信し、脈動信号を受信したガスメータはそのエリアで供給されるガスに脈動が発生していると判断し、計測流量値が予め定めた判定値を超える場合に脈動に起因する流量変動であると判定して直ちに計測周期を短くした高精度計測モードに切り替えて流量計測を行うようにすることも可能であり、その他、ガスメータ間で直接情報の送受信を行うことでその情報を利用した各種機能、例えば地震と衝撃による振動の区別、あるいはガス使用情報による高齢者等の生活情報確認等に活用することも可能となる。
【0070】
なお、無線モジュール11が受信する情報として本実施の形態に限定されるものではなく、想定される全ての情報を対象としてよく、処理モードの優先順位も本実施の形態に限定されるものではなく自由に設定することが可能であることはいうまでもない。
【0071】
以上のように、制御回路10aには伝達する情報に応じて通信する相手先に対応して通信周波数帯の異なる無線モジュールを選択すべく通信切替手段10cを有しており、例えば、ガス事業者15からの情報において、検針指示情報の場合は、ガス事業者15と表示端末装置12に制御回路10aに内蔵の情報記憶手段10bの記憶情報を伝達する必要があり、この場合は、例えば200MHzの通信周波数帯を有する広域通信無線モジュール11aと、例えば429MHzの特定小電力無線通信周波数帯を有するエリア通信無線モ
ジュール11bを選択し、ガス事業者15からの復帰指示情報の場合は、表示端末装置12に情報記憶手段10bの記憶情報を伝達するだけでよく、この場合は、例えば429MHzの特定小電力無線通信周波数帯を有するエリア通信無線モジュール11bを選択すればよい。さらに、脈動信号の送受信というように隣接するガスメータ間での通信の場合はエリア通信無線モジュール11bを選択してメータ間で各種情報のやり取りを直接行うことができ、周囲の環境の変化を反映させたガスメータの管理を行うことができる。
【0072】
なお、広域通信無線モジュール11aとエリア通信無線モジュール11bはそれぞれ別々に設けてもよく、共通の無線モジュールとし通信周波数帯を広域通信周波数帯と特定小電力無線通信周波数帯で切替えるようにしてもよいもので、前者の場合、通信切替手段10cは広域通信無線モジュール11aとエリア通信無線モジュール11bを選択する必要があり、同時通信が可能というメリットがある反面、設置スペース大やコスト高というデメリットを有している。後者の場合、通信切替手段10cは通信相手先に応じて通信周波数帯を切替える必要があり、設置スペース小やコスト安というメリットがある反面、同時通信ができず交互通信になるというデメリットを有している。
【0073】
次に、制御回路10aに内蔵されたガス流量を計測する流量計測手段について簡単に説明すると、ガスメータ2には、図3、図4に示すように、ガス入口2aとガス出口2bを有し、その間のガス流路内に異常時にガスを遮断する遮断弁2cとガス流量を計測する一対の超音波センサ17A、17Bが設けられ、その下流側にガス圧を検出する圧力センサ2dが配置されている。また、超音波センサ17A、17Bからの信号でガス流量を算出する制御回路10aを搭載した制御回路基板10がガスメータ2の表示部2eに液晶表示器10eを臨ますように配置され、さらに、制御回路10aを駆動させるための電池2fが収納されている。また、遮断弁2cが作動した後の復帰動作を手動で行う手段として復帰ボタン2gが配置されている。
【0074】
そして、ガス流量を計測する流量計測部17と制御回路10aは、例えば図8に示すように、ガス流路に一対の超音波センサを配置し流路を流れる流量に応じて変化する伝播時間を計測することで流量を測定するものがある。以下、その構成を説明すると、超音波を送信または受信する第1送受信器17Aと受信または送信する第2送受信器17Bが流れ方向に配置され、制御回路10aを構成する切換手段を有する計測制御部18によって送受信の切り換えが可能になっており、ガス等の流体の流れ状態を検出している。この第1送受信器17Aと第2送受信器17Bの信号を処理して流量を計測するもので、具体的には、まず計測制御部18により第1送受信器17Aを駆動し、第2送受信器17Bに向け、すなわち上流から下流に超音波を送信する。そして第2送受信器17Bで受信した信号を計測制御部18に設けた増幅手段により増幅し、この増幅された信号は基準信号と比較され、基準信号以上の信号が検出された後、計測制御部18に設けた繰り返し手段により上記の送受信を所定の回数を繰り返し、それぞれの時間値を計測制御部18に設けたタイマカウンタのような計時手段で計測する。
【0075】
次に、切換手段を有する計測制御部18で第1送受信器17Aと第2送受信器17Bの送受信を切り換えて、第2送受信器17Bから第1送受信器17A、すなわち下流から上流に向かって超音波信号を送信し、この送信を前述のように繰り返し、それぞれの時間値を計測する。そして、第1送受信器17Aと第2送受信器17Bとの超音波の伝搬時間差から流路16の大きさや流体の流れ状態を考慮して信号処理手段19で流量値を求める。求められた流量データは情報記憶手段10bで累積され、所定期間毎の累積データとして記憶される。
【0076】
また、流量計測部17が配置された流路16内には異常時等にガスの流れを遮断する遮断弁2cが設けられ、信号処理手段19で求められる流量値が異常に多い場合や通常考え
られる使用時間を超えて流量値が検出されるような場合に異常と判断して遮断弁2cを作動させてガス流路16を遮断する。また、振動センサや圧力センサ2dから地震や衝撃、あるいは異常なガス圧の信号が入力されると、情報記憶手段10bを介して遮断弁2cを作動させてガス流路16を遮断する。
【0077】
次に、脈動現象に起因する流量変動について簡単に説明する。
【0078】
同じガス配管1に接続された需要家にGHP(ガスヒートポンプ)等が設置されている場合、このGHPが使用されると供給ガス圧に圧力変動が発生し、この圧力変動がガス配管1を介して他の需要家の供給ガス圧にも影響を及ぼし、脈動現象としてガス流速、すなわちガス流量が変動する。この場合、所定の計測周期でガス流量を計測しているため、計測周期よりも短い周期で脈動が発生すると計測周期の間で変動する流量は計測値に反映されないこととなり、流量バラツキが大きくなる。このため、一般的には計測周期を短くして対応するようにしているが、計測周期を短くすると電池消耗が激しくなり電池保証期間を満足できなくなるという別の問題が発生する。
【0079】
そこで、脈動が発生したときだけ計測周期を短くするように切り替えればよいが、脈動の発生と終結のタイミングが正確に検出することが困難なため、一度脈動が発生し計測周期を短くした高精度計測モードに入ると所定期間その計測モードを継続して流量変動が安定したことが確認できてからでないと通常計測モードに復帰することができないものであった。そのため、不必要な高精度計測モードでの流量計測を強いられるものであった。
【0080】
本発明は、脈動の発生と終結のタイミングを隣接するガスメータからの脈動信号の受信によって特定のエリア内で発生する脈動現象を確認し、その確認結果に基づいて計測モードの切り替えを行うようにしたものであり、具体的には、特定のエリア内に高精度計測モードを頻繁に行っても電池寿命が保証期間を十分満足できる電池容量を持ったガスメータを設置し、このガスメータが同じ系統のガス配管1の脈動現象を検出するようにする。そして、脈動現象を検出した場合は、エリア通信無線モジュール11bから隣接するガスメータに対して脈動信号を送信する。
【0081】
そして、上記特定のガスメータにおける脈動現象の検出手段としては、計測周期を長く設定した通常計測モードにおいて上記方法で計測された流量値と予め設定した脈動判定値を脈動判定部25で比較し、脈動判定値を単数回あるいは複数回超えるような流量変動がある場合に脈動に起因する異常流量であると判断して脈動信号を出力する。脈動判定部25から脈動信号が出力されると無線モジュール11に送って、エリア通信無線モジュール11bを用いて隣接する他のガスメータに対して外部脈動判定信号として送信する。そして、脈動現象を判定すると制御回路10aは計測制御部18に対して計測周期を通常計測モードより短い周期で超音波センサ17A、17Bを駆動して計測する高精度計測モードに切り替えるべく指示信号を出力する。以降、計測周期を短くした高精度計測モードにて流量計測が行われ、計測流量値が所定期間安定した状態が継続すると、通常計測モードに復帰するようにしている。
【0082】
次に、上記特定のガスメータから送信される脈動信号を受信して脈動現象を判定するガスメータについて説明する。脈動信号をエリア通信無線モジュール11bで受信すると、その情報を制御回路10aに送り、外部脈動信号判定部10fで外部脈動判定信号ありとして登録する。この状態で通常計測モードで計測された流量値が脈動判定値を超えた場合は、脈動判定部25が制御回路10aに脈動信号を出力する。つまり、隣接するガスメータから脈動信号が送信される状態はそのエリアで脈動の原因となる器具、例えばGHPが使用されていることであり、流量変動が発生した場合の原因として脈動を特定することができるため、直ちに高精度計測モードに切り替えて精度よく流量計測を行うことで流量バ
ラツキの低減を図ることができる。
【0083】
また、エリア通信無線モジュール11bが脈動信号を受信しない状態の場合は、外部脈動判定信号なしとして制御回路10aの外部脈動信号判定部10fに登録する。この状態においては脈動判定部25の判定結果に関係なく、つまり、脈動判定値を超えるような流量変動が発生しても高精度計測モードに切り替えることなく、通常計測モードを継続して流量計測を行う。つまり、隣接するガスメータから脈動信号が送信されない状態は、そのエリアで脈動の原因となる器具、例えばGHPが使用されていないことであり、流量変動が発生した場合の原因は自分の家における器具使用等による一過性のものであると判断できるため、通常計測モードを継続することで、電池消耗の抑制を図ることができる。
【0084】
また、高精度計測モード中に外部脈動判定信号なしが登録された場合は、所定の安定期間を経過するまでもなく、直ちに通常計測モードに復帰させることで、電池消耗の抑制を図ることができる。
【0085】
また、外部脈動判定信号により高精度計測モードと通常計測モードの切り替えを行う場合に、外部脈動判定信号の受信回数に応じて高精度計測モードと通常計測モードの切替タイミングを変更するようにしてもよく、この場合、エリア通信無線モジュール11bを介して隣接するガスメータの脈動発生回数よりそのエリアのガス供給系統における脈動の影響度合いを判断し、影響度合いに応じて高精度流量計測モードと通常流量計測モードの切り替えを行うことができるため、精度よく流量変動の原因を特定することが可能となり、実際の使用状況に適した流量計測条件を選択することが可能となり、電池消耗を抑制しつつ、流量バラツキの低減を図ることができる。
【0086】
また、エリア通信無線モジュール11bを用いた通信の相手として、隣接するガスメータのうち、予め特定したガスメータと脈動信号の送受信を行い、この特定のガスメータからの脈動判定信号と脈動判定部の判定結果に応じて高精度流量計測モードと通常流量計測モードを切り替えるようにしてもよく、この場合、受信レベルの強さや器具使用頻度の条件等から予め特定したガスメータの脈動情報に基づいて計測モードの切り替えを行うようにしているため、正確な流量変動の原因を特定することができ、実使用に適した計測モードの選択で電池消耗を抑制しつつ、流量バラツキの低減を図ることができる。
【0087】
また、隣接するガスメータのうち、予め特定したガスメータと脈動信号の送受信を行い、流量計測指示部は、特定のガスメータからの脈動判定信号の回数と脈動判定部の判定結果に応じて高精度流量計測モードと通常流量計測モードを切り替えるようにしてもよく、この場合、特定のガスメータからの脈動情報の頻度に応じて計測モードの切り替えを行うようにしているため、より正確な流量変動の原因を特定することができ、実使用に適した計測モードの選択で電池消耗を抑制しつつ、流量バラツキの低減を図ることができる。
【0088】
さらに、流量計測モードとして高精度流量計測モードと通常流量計測モード以外に、中精度流量計測モードを設け、隣接するガスメータからの外部脈動判定信号に応じて選択するようにしてもよく、この場合、中精度流量計測モードを設けることで計測周期を多段階に設定することが可能となり、隣接するガスメータからの外部脈動判定信号に応じて選択することで、脈動に起因する流量変動が特定しづらい場合等の電池消耗の抑制と流量バラツキの低減をバランスよく実現することができる。
【0089】
また近年、超音波センサを用いたガスメータにあっては瞬時流量が簡単に測定できるため、ガス漏れ等の保安機能以外に、器具判別機能を利用して各種サービスの提供が検討されている。
【0090】
その一例を示すと、使用器具や用途に応じてガス料金の割引率を設定しようとするもので、超音波センサによる瞬時流量計測機能を用いた器具判別手段で使用ガス器具あるいは用途を特定し、器具別或いは用途別に使用量を求め、予め定めた割引率を適用してガス料金を算出することで、ガス利用の促進と需要家へのサービス提供を行うものである。
【0091】
その具体的手段の一例として、使用するガス器具の種類を特定する器具信号を設定し登録する器具信号登録手段21と、使用するガス器具の用途別に使用形態を特定する用途別信号登録手段22と、この器具信号登録手段21及び用途別信号登録手段22の登録情報より予め定めた分類毎に家庭内の使用ガス器具を分類する器具分類手段23とを有する器具判別手段24が設けられている。
【0092】
ここで、器具信号登録手段21は、例えば下表(表1)のように、器具の種類に応じて信号を設定登録する。
【0093】
【表1】

【0094】
また、用途別信号登録手段22は、例えば下表(表2)のように、器具の用途別に使用形態を特定する信号を設定登録する。
【0095】
【表2】

【0096】
また、器具分類手段23は、ガス事業者がガス器具の種類及び使用形態等からガス料金の割引対象分野を予め設定し分類したものに、上記(表1)及び(表2)で得られる情報より家庭内で使用するガス器具を当てはめ分類するもので、例えば下表(表3)のように、給湯器を用いて床暖房を行っている場合は割引Aとし、ガスファンヒータ等で温風暖房を行っている場合は割引Bとし、それ以外は標準として分類し、家庭内で使用しているガス器具を設定登録する。
【0097】
【表3】

【0098】
そして、器具信号登録手段21、用途別信号登録手段22、器具分類手段23で構成される器具判別手段24からの登録信号に基づいてガス器具の使用状況に応じたガス使用量を監視する情報記憶手段10bを有している。この情報記憶手段10bは、流量計測部17の信号処理手段19で求められるガス流量値を入力し、器具分類手段23で分類された
分野に該当するガス器具の登録情報と共に管理され、ガス事業者15から定期的に要求される検針指示情報を無線モジュール11、詳細には広域通信無線モジュール11aが受信すると、情報記憶手段10bの所定期間毎の累積流量データや割引率を反映した料金データ等の情報を取り出し、無線モジュール11、詳細には広域通信無線モジュール11aとエリア通信無線モジュール11bから基地局14と表示端末装置12に送信し、基地局14から専用回線を用いてガス事業者15に通知すると共に、表示端末装置12の画面を用いて需要家に所定期間のガス料金情報を通知する。
【0099】
また、上記情報記憶手段10bで行う器具判別について概略を説明すると、器具判別手段24に記憶する登録データとして、例えば図9に示すような流量パターンを用いる。実際の登録データとしては、器具スタート時から例えば0.2秒毎の流量値のデータを所定時間分記憶したものである。なお、データの時間間隔としては0.2秒に限定する必要はなく、要求される器具判別能力により任意に設定できるものである。
【0100】
流量計測部17では一定間隔毎にガス流量を計測し、新たに計測されたガス流量値が直前の値から所定値以上増加すると、新たな器具が使用されたと判断し、その流量変化と器具判別手段24に登録された器具のコードに対応する流量パターンと比較を行い、使用されている器具の判別を行う。
【0101】
なお、本実施の形態では情報記憶手段10bは、分類された項目毎にガス器具の使用登録が有るか否かの情報と、トータルのガスの使用量を所定期間毎に管理するようにし、例えば冬場の暖房期間中は表3に示すように、床暖房と温風暖房の使用器具が登録された状態でガス使用量が管理され、夏場は割引対象分野の使用登録器具がない状態でガス使用量が管理されることになるが、これ以外にも、例えば、情報記憶手段10bに器具判別手段24で分類されたガス器具毎にガス使用量を求める機能を付加することで、より細かな分類が可能となり、多様なサービスの提供ができ、保安面においても充実させることができる。
【0102】
また、本実施の形態では器具判別手段24の分類項目として、料金割引サービスを対象としたが、これに限定されるものではなく、保安サービス等、ガス事業者等が必要と考えるサービスを対象に器具別の監視方法を採用することができるものである。
【0103】
以上のように、電話回線以外の無線通信手段を用いて基地局14との通信が可能な無線モジュール11aと、制御回路10aに内蔵した流量計測手段の計測結果に基づく各種情報を特定小電力無線等の無線通信手段を用いてテレビ12aや携帯電話12b等の特定の端末装置12、あるいは隣接するガスメータ2A〜2Dとの通信が可能な無線モジュール11bとを、ガスメータ2内の流量計測用制御回路基板10に一体的に組み込んだ形態としているため、ガスメータ2を設置するだけで基地局14と電話回線を用いることなく通信が可能となり、回線の混雑状況に影響を受けず基地局14からの検針要求指令情報や異常復帰指示情報等の同報信号をスムーズに伝達することができ、ガスメータ2からは基地局14からの指令に基づく器具判別情報を反映した検針値データや異常発生時の情報をスムーズに伝達することができ、従来のように検針員が需要家宅まで出向いて検針を行う必要がなく、かつガス漏れ等の異常時に回線の混雑でセンターに通報することができないという不具合を解消することができる。
【0104】
また、ガスメータ2からは基地局14に送信した検針値データに基づく器具判別情報を反映した所定期間毎の料金情報をテレビ12aや携帯電話12b等の特定の端末装置12に送信することができるため、このテレビ12aや携帯電話12b等を用いて表示することで、従来のようにガス事業者15から郵送等で行っていた料金情報の送付作業を省略することができ、かつガス遮断弁20が作動した場合の復帰方法に関してもテレビ12aや
携帯電話12bでビジュアルに表示することで復帰作業に伴う作業員の出動を低減することができ、合理的な情報伝達システムを構築することができる。
【0105】
また、無線モジュール11bを介して隣接するガスメータの脈動発生状況を容易に取得することが可能となるため、広範囲にガス圧変動に影響を及ぼすGHP等の器具の設置あるいは使用状況を把握することができ、この情報を基に一過性の流量変動か、脈動に起因する継続的な流量変動かを短期間で判別することができるため、電池消耗を抑制しつつ、流量バラツキの低減を図ることができる。
【0106】
さらに、ガスメータを介在させて特定端末装置が発する情報を特定の信号として基地局に送信することで、特定端末装置を携帯している人の位置をガスメータの設置場所単位で検知することができ、ガスメータ特有の情報通信網を利用したより細かな位置検知が可能となる。また、基地局からの追尾指令情報を受信したときのみ位置検知モードを作動するようにしているため、ガスメータの基本機能である流量計測への影響を極力抑えることができ、かつ電池消耗への影響も軽減できる。
【産業上の利用可能性】
【0107】
以上のように、本発明に係るガス遮断装置は、ガスメータを設置するだけで基地局や他のガスメータ、さらには特定の端末装置からの各種情報を受信することができ、受信情報に応じて設定された処理モードを実行することで、位置検知等、受信情報の緊急度に応じて適切に対処することが可能となり、1対Nの情報伝達システム全般に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】本発明の実施の形態1におけるガス遮断装置の通信形態を示す全体構成図
【図2】同ガス遮断装置における隣接するガスメータ間の通信形態を示す図
【図3】同ガス遮断装置と特定の端末装置の通信形態を示す図
【図4】各地域別の基地局とガスメータとの通信形態を示す図
【図5】同ガス遮断装置の外観及び構成部品を示す図
【図6】同ガス遮断装置の内部構成図
【図7】同ガス遮断装置の制御回路基板の構成ブロック図
【図8】(a)同表示端末装置における料金情報表示形態を示す図(b)同表示端末装置における復帰情報表示形態を示す図
【図9】同ガス遮断装置の制御ブロック図
【図10】同ガス遮断装置における器具判別用の流量パターンの一例を示す図
【符号の説明】
【0109】
2 ガスメータ
2A〜2D 隣接するガスメータ
2c ガス遮断弁
10 制御回路基板
10a 制御回路
10b 情報記憶手段
10c 通信切替手段
10g 処理モード記憶手段
10i 起動信号送信手段
10j 認証信号受信手段
11 無線モジュール
11a 広域通信無線モジュール(無線モジュール)
11b エリア通信無線モジュール(無線モジュール)
12 表示端末装置(特定の端末装置)
12a テレビ(特定の端末装置)
12b 携帯電話(特定の端末装置)
17A、17B 超音波センサ(流量計測手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスメータを経由した後の配管に接続される複数のガス器具の使用状況を監視するとともに、基地局および隣接する複数のガスメータさらには特定の端末装置との間で直接送受信が可能な無線モジュールを搭載したガス遮断装置であって、
ガスメータには、ガス流量を計測する流量計測手段と、異常時にガス流路を遮断するガス遮断弁と、前記流量計測手段の計測結果に基づき各種情報を生成、記憶する制御回路と、複数の相手先と情報の送受信を行う無線モジュールと、相手先に応じて通信周波数帯を切り替える通信切替手段とを備え、
前記無線モジュールは、前記制御回路と一体的に構成して前記ガスメータ内に収納し、基地局との通信用の広域通信周波数帯と所定のエリア内で通信が可能な特定小電力無線通信周波数帯を有し、
前記制御回路には、基地局からの特定端末装置の追尾指令情報を受信したときのみ作動する位置検知モードにおいて特定端末装置からの認証信号を受信する認証信号受信手段を設け、
認証信号受信手段が特定端末装置からの認証信号を受信したときガスメータ内蔵の無線モジュールを用いて位置の特定が可能な所在確認信号として基地局に送信するガス遮断装置。
【請求項2】
制御回路には、基地局からの特定端末装置の追尾指令情報を受信したときのみ作動し特定端末装置に所定の起動信号を送信する起動信号送信手段を設け、
特定端末装置は前記起動信号送信手段からの起動信号を受信したとき所定周期で認証信号を送信する請求項1記載のガス遮断装置。
【請求項3】
起動信号送信手段が送信する起動信号には追尾対象の特定端末装置固有の識別コードを付与し、この識別コードと合致する特定端末装置が作動を開始する請求項2記載のガス遮断装置。
【請求項4】
認証信号受信手段は、特定端末装置からの認証信号を受信したときガスメータ固有の識別コードを付与し所在確認信号として基地局に送信する請求項1記載のガス遮断装置。
【請求項5】
基地局との通信用の広域通信周波数帯を有する広域通信無線モジュールと所定のエリア内で通信が可能な特定小電力無線通信周波数帯を有するエリア通信無線モジュールをそれぞれ別々に備えた請求項1〜4のいずれか1項記載のガス遮断装置。
【請求項6】
基地局と所定のエリア内との通信を通信周波数帯を切り替えることで1つの無線モジュールを用いて行うようにした請求項1〜4のいずれか1項記載のガス遮断装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項記載のガス遮断装置を用いた位置検知システム。
【請求項8】
基地局と専用回線で接続された監視センターは、基地局が受信する所在確認信号を所定のエリア画面上に時系列で表示し移動情報として確認可能な移動情報確認手段を有した請求項7記載の位置検知システム。
【請求項9】
特定端末装置には、ガスメータに内蔵の所定のエリア内で通信が可能な特定小電力無線通信周波数帯と同じ通信周波数帯を有する無線モジュールを内蔵し、この無線モジュールで特定端末装置とガスメータとの通信を行う請求項7記載の位置検知システム。
【請求項10】
基地局からの特定端末装置の追尾指令情報は、少なくともガス遮断弁の遮断動作に関連する動作を除いて優先的に実行する請求項7記載の位置検知システム。

【図7】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−112244(P2008−112244A)
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−293663(P2006−293663)
【出願日】平成18年10月30日(2006.10.30)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】