説明

サファイア基板の平坦化加工方法

【課題】サファイア基板をスループット20枚/時以上の市場要求を満足させる最適加工条件で平坦化加工して、薄肉化した反りのない加工基板を製造する方法および装置を提供する。
【解決手段】3軸の研削砥石ヘッド34h,34h,34hを備える研削装置で研削工程を行った後、2基のワーク吸着ヘッド22,22を備えるラップ盤とダイヤモンド砥粒を分散させたスラリーを用いてラップ加工を行い、表面粗さ(Ra)が20nm以下のサファイア基板を製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、400〜525μm厚みのサファイア基板の表面を平坦化加工して厚み5〜90μm厚みまで減らし、反りが極めて小さく、表面粗さ(Ra)が20nm以下のサファイア基板を得る平坦化加工方法に関する。この平坦化加工されるサファイア基板としては、サファイア基板の表面に光デバイス層を形成した光デバイス基板の裏面のサファイア基板も対象物として含まれる。
【背景技術】
【0002】
LEDに利用されるサファイア基板は、特開2007−137736号公報(特許文献1)に開示されるように、次のS01からS09の工程を経て調製される。
(S01)サファイアインゴットの結晶棒を引き上げる。
(S02)インゴットの表面をアニール処理する。
(S03)インゴットの結晶方位を切断してC軸端面を垂直面とし、インゴットブロックとする。
(S04)インゴットブロックの外周面を円筒研削して表面平滑な円柱状ブロックとする。
(S05)円柱状ブロックの結晶方位をX線方位測定機器(XRD機)で測定し、インゴットブロックに砥石でオリフラを形成する。
(S06)オリフラが形成されたインゴットブロックをC軸に垂直な面にワイヤー切断して多数の400〜525μm厚みのサファイア基板とする。
(S07)サファイア基板の表面を研削加工またはラップ加工して表面を平坦化する。表面を平坦化したサファイア基板をエッチング処理またはアニール処理する。
(S08)処理されたサファイア基板を片面ポリッシング(研磨)して表面をより平坦化する。
および、
(S09)研磨加工されたサファイア基板を洗浄する。
【0003】
特開2009−263534号公報(特許文献2)は、粒径が、0.05〜10μmのダイヤモンド砥粒および脂肪酸と多価アルコールとのエステル研磨促進剤分散をベースオイルに分散させた研磨剤スラリーを用い、研磨パッドでサファイア基板を研磨加工して表面粗さ(Ra)が3〜5nmのサファイア基板を得る方法を提案する。
【0004】
特表2010−514581号公報(特許文献3)は、ワイヤー切断して得られたサファイア基板を吸着チャックに保持させ、粗研削砥石を用いてサファイア基板表面を粗研削加工して表面厚み30μm以上を除去した後、仕上げ研削砥石を用いてサファイア基板表面を5μm以上除去し、表面粗さRaが0.1μm以下のサファイア基板とし、さらに、研磨パッドを用いて仕上げ研削表面をCMP研磨してa面、r面、m面、及びc面配向からなる群から選択される結晶配向を有し且つ約0.037μm/cm2以下のnTTVを有し、10.0Å以下の粗さRaを有する表面を含むサファイア基板の製造方法を提案する。
【0005】
特開2010−46744号公報(特許文献4)は、サファイア基板上に複数の光デバイスが分割予定ラインによって区画された半導体層が積層されたサファイアウエーハの裏面(サファイア基盤面)を研削する研削方法であって、該半導体層の分割予定ラインの全部又は一部を切削して応力を分散させる応力分散工程と、該半導体層の表面に保護粘着易剥離テープを貼着する保護テープ貼着工程と、該保護テープ側を下にして研削装置のチャックテーブル上にサファイアウエーハを保持し、研削砥石でサファイアウエーハの裏面を研削する研削工程と、を具備したことを特徴とするサファイアウエーハの研削方法を提案する。
【0006】
また、特開2011−44473号公報(特許文献5)は、保護粘着易剥離テープが光デバイス層側に貼付されたサファイア基板をサファイア基板面を上方に向けて保持し回転可能なチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持されたサファイア基板面を研削する研削砥石を有する研削ホイールを回転可能に支持する研削手段とを備えたサファイア基板の裏面研削装置であって、該チャックテーブルは、サファイア基板を吸引保持する保持面を有する吸引板と、該吸引板の保持面以外を囲繞するとともに該保持面の反対面を支持する底部を有する枠体とを含み、該枠体の底部には、該吸引板の中央部の吸引力が外周部の吸引力よりも強くなるように吸引溝が外周部に比較して中央部で密になる様に形成されており、該チャックテーブルの該吸引板は、該枠体に形成された吸引溝を介して吸引源に連通されていることを特徴とする、サファイア基板の裏面研削装置を提案する。
【0007】
更に、特開2011−151151号公報(特許文献6)は、III族窒化物半導体を含むn型半導体層が積層されているサファイア基板(厚みが1,000μm)の反り量(約120μm)を測定する反り量測定工程と、
前記サファイア基板のn型半導体層面にワックスでセラミック製基板支持板を貼着し、吸着チャック上に前記サファイア基板の基板支持板を載置し、砥番(JIS一般砥粒粒度)が270〜1,800番のメタルボンドカップホイール型砥石を用いて約5〜120分かけて厚み約160μmの厚みとなるまでサファイア基板面の研削加工を行い、
ついで、該被研削サファイア基板面を下方に向けてラップ定盤上にサファイア基板を載置し、サファイア基板の前記セラミック製基板支持板に50〜300g/cmの荷重を錘でかけ、回転する前記ラップ定盤上に砥粒径1〜15μmのダイヤモンド砥粒を分散させたスラリーを供給しつつ前記被研削サファイア基板面を定盤に約5〜120分間摺擦させて厚み約120μmのサファイア基板とする第1のラッピング工程と、
前記第1のラッピング工程によりラップ加工された前記サファイア基板の被研削面を、当該サファイア基板の前記反り量に応じた荷重下(30〜230g/cm)で回転する前記ラップ定盤上に砥粒径1〜15μmのダイヤモンド砥粒を分散させたスラリーを供給しつつ前記被研削サファイア基板面を定盤に10秒〜5分間、ラップ加工速度0.5〜5μm/分で摺擦させて厚みをさらに0.1〜4.5μm減少させて反り量を減少(約70μm)させる第2のラッピング工程と、
を有するサファイア基板の表面平坦化加工方法を提案する。
【0008】
更に、特開2011−171324号公報(特許文献7)は、
平坦化加工装置を据え付ける部屋を屋外に基板の収納カセットの複数が据え付けられている前方部より左側部にギリシャ文字のΓ字状の基板のローディング/アンローディングステージ室を、右側部の基板のラップ加工ステージ室および奥部の基板の研削加工ステージ室の3室に仕切り壁で区分けし、前記各ステージ室間の仕切り壁には隣接するステージ室に通じる基板を出し入れできる開口部が設けられ、前記ローディング/アンローディングステージ室の前方左側部壁には前記複数の基板の収納カセットに通じるロードポートを設けた化合物半導体基板の平坦化加工装置であって、
前記基板のローディング/アンローディングステージ室内には前記ロードポート背後より室内奥方向に向って、第二基板洗浄機と第二仮置台を併設、研磨剤液供給機構と吸着パッドおよび反転機能を有する搬送アームを供える多関節型基板搬送ロボットを併設、縦型吸着パッド洗浄機と第一仮置台を併設、および第一基板洗浄機と回動式吸着パッドを併設し、
前記基板のラップ加工ステージ室内には、中央部にラップ定盤ポリシャ面のコンディショニングを行なうコンディショナーリングを搭載するラップ定盤を設け、このラップ定盤の前方に吸着機構を有するテンプレートと振り子揺動および上下移動可能な第二基板吸着チャック機構と前記吸着機構を有するテンプレートを洗浄する第二基板吸着チャック洗浄機構を、かつ、前記ラップ定盤の後方に吸着機構を有するテンプレートと振り子揺動および上下移動可能な第一基板吸着チャック機構と前記吸着機構を有するテンプレートを洗浄する第一基板吸着チャック洗浄機構を設け、
前記基板の研削加工ステージ室内には、1台のインデックス型ターンテーブルに3組の基板吸着チャックテーブルを同一円周上に等間隔に回転可能に設けた基板吸着チャック定盤を設け、前記3組の基板吸着チャックテーブルをローディング/アンローディングステージチャック(s)、基板粗研削ステージチャック(s)、基板仕上げ研削チャック(s)位置であると数値制御装置にインデックス記憶し、および、前記ローディング/アンローディングステージチャック(s)の上方にブラシ洗浄機器およびチャック洗浄機器を横方向移動、上下移動可能および回転可能に設け、前記基板粗研削ステージチャック(s)の上方にカップホイール型粗研削砥石を上下昇降移動および回転可能に設け、かつ、前記基板仕上げ研削ステージチャック(s)の上方にカップホイール型仕上げ研削砥石を上下昇降移動および回転可能に設け、
前記ローディング/アンローディングステージ室内の中央部に設けられた多関節型基板搬送ロボットの吸着パッドにより、収納カセット内に収納されていた基板を吸着し、第一駆台上へ搬送、第一仮置台上の基板を研削加工ステージ室内のローディング/アンローディングステージチャック(s)上へ搬送、第一基板洗浄機上の基板を吸着してラップ加工ステージ室内の第一基板吸着チャック機構へ搬送し受け渡し、第一基板洗浄機上の基板を吸着してラップ加工ステージ室内の第二基板吸着チャック機構へ搬送し受け渡し、第一基板吸着チャック機構に吸着されていた基板を受け取り第二基板洗浄機へ搬送、第二基板吸着チャック機構に吸着されていた基板を受け取り第二基板洗浄機へ搬送、第二基板洗浄機上の基板を吸着し第二仮置台上へ搬送、第二仮置台上の基板を吸着し基板収納カセットへ搬送する作業を行い、
前記ローディング/アンローディングステージ室内の回動式吸着パッドを用いてローディング/アンローディングステージチャック(s)上の化合物半導体基板を吸着し、回動させて第一基板洗浄機上へ化合物半導体基板を移送する、
ことを特徴とする化合物半導体基板の平坦化加工装置を提案する。
【0009】
本願特許出願人は、前記特許文献6記載のサファイア基板の表面平坦化加工方法を応用して、半導体基板加工メーカー要求の4インチ径や6インチ径のサファイア基板の30枚/時のスループットを満たすサファイア基板の表面平坦化加工装置として、特願2011−174463号明細書(特許文献8)で、
平坦化加工装置を据え付ける部屋を前方部より後方部に向かって、部屋の前方左半部をワーク搬送室兼ワーク洗浄室とし、前方右半部をワークのラップ加工室に区分けし、後方部をワークの研削加工室と3区画化し、
前記ワーク搬送室兼ワーク洗浄室には、前方から後方に向かって
最前列にはワークの収納カセットの複数を、
第二列目には、中央に多関節型アーム式ワーク搬送ロボットを、
第三列目には、左側から右側に向かって、
左側1番列目に部室の壁上部に第二案内レールを滑走可能なワーク吸着搬送器を、
2番列目の前方に仮置台を、2番列目の後方にロール回転式ワーク表面洗浄器を、
3番列目の前記多関節型ワーク搬送ロボット後ろに多関節型アーム式ワーク搬送ロボット用アーム洗浄器を、
4番列目にラップ加工ワーク裏面のスピン洗浄器と、ラップ加工ワーク表面用のベルクリン洗浄器を設け、
第四列目には、左側から右側に向かって、
前記ワーク吸着搬送器の右横側であって、かつ、前記ロール回転式ワーク表面洗浄器の後方に、研削加工されたワークのスピナー洗浄器を設け、
この研削加工されたワークのスピナー洗浄器の右横側であって、かつ、前記多関節型アーム式ワーク搬送ロボット用アーム洗浄器の後方に、センタリング装置付き仮置台を設け、
前述の前方右半部のラップ加工室を囲繞する四壁の左側壁には、ワーク搬入口窓が設けられ、このラップ加工室内には、金属製回転定盤1個に対してワーク吸着ヘッドを昇降および回転軸に揺動可能に備えたワーク押圧手段の一対と、前記ワーク吸着ヘッド下部を洗浄する回転ブラシを備えたワーク吸着ヘッド洗浄器の一対と、2個の金属製回転定盤リング状コンディショナと、金属製回転定盤洗浄機構と、金属製回転定盤のフェーシング装置1台を備え、
前記後方部の研削加工室内には、
1台のインデックステーブル、およびインデックステーブルの回転軸を回転駆動させる駆動手段、
このインデックステーブルの回転軸心を中心点とする同一円周上に等間隔に設置した4つの円筒刳り貫き空間内に設けた吸着チャックテーブル4台、およびそれら吸着チャックテーブル4台の回転軸を回転駆動させる駆動手段、
前記4台の吸着チャックテーブルの内、前記ワーク搬送室兼ワーク洗浄室内の研削ワーク洗浄器およびセンタリング装置付き仮置台に近い位置にある第一吸着チャックテーブルをローデイング/アンローデイングステージ(s)位置とし、このローデイング/アンローデイングステージ(s)位置を囲む壁の左半部のL字状側壁および天井は削除されており、壁天上部には昇降可能なアームを前記第一吸着チャックテーブルの中心点と前記センタリング装置付き仮置台の中心点の間を移動できる第一案内レールを備えた第一ワーク搬送機構を設け、前記第一吸着チャックテーブルと第一ワーク搬送機構とでローデイング/アンローデイングステージ(s)を構成し、
第二吸着チャックテーブルの上方にはカップホイール型粗研削砥石を砥石軸に軸承させた粗研削ヘッドを設けて第二吸着チャックテーブルと粗研削ヘッドとで粗研削ステージ(s)を構成し、
第三吸着チャックテーブルの上方にはカップホイール型中仕上げ研削砥石を砥石軸に軸承させた中仕上げ研削ヘッドを設けて第三吸着チャックテーブルと中仕上げ研削ヘッドとで中仕上げ研削ステージ(s)を構成し、

および、
第四吸着チャックテーブルの上方にはカップホイール型仕上げ研削砥石を砥石軸に軸承させた仕上げ研削ヘッドを設けて第四吸着チャックテーブルと仕上げ研削ヘッドとで仕上げ研削ステージ(s)を構成した研削ステージを設け、
前記ローデイング/アンローデイングステージ(s)を構成する第一吸着チャックテーブルの傍には吸着パッドをアームに支持させたペンダント揺動回転方式のワーク吸着搬送パッド機構を設け、この吸着パッドが前記第一吸着チャック上と前記研削加工されたワークのスピン洗浄器上間を揺動回転移動するように設置し、
前述のワーク搬送室兼ワーク洗浄室内の多関節型アーム式ワーク搬送ロボットのアームは、収納カセット、センタリング装置付き仮置台、研削加工ワークの洗浄器、仮置台、および、ラップ加工ワーク表面の洗浄器上のワーク、並びに一対のワーク吸着ヘッド下部に吸着されたワークを搬送できる軌跡を移動、並びに、前記のこれらの機器にワークを移送できる軌跡を移動できるものであり、
前述のワーク搬送室兼ワーク洗浄室内の第二案内レールを滑走可能なワーク吸着搬送器は、仮置台の中心点、ロール回転式ワーク表面洗浄器、および、スピナー洗浄器の中心点を結ぶ線上を移動できるように設計されている、
ことを特徴とするサファイア基板の平坦化加工装置を提案した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2007−137736号公報
【特許文献2】特開2009−263534号公報
【特許文献3】特表2010−514581号公報
【特許文献4】特開2010−46744号公報
【特許文献5】特開2011−44473号公報
【特許文献6】特開2011−151151号公報
【特許文献7】特開2011−171324号
【特許文献8】特願2011−174463号明細書(非公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
シリコン基板の素材の単結晶シリコンとは異なり、サファイア基板は六方位結晶であるので、砥石による研削加工の場合、基板と砥石が摺擦する摩擦熱により研削加工されたサファイア基板が反り易い欠点がある。それゆえ、特許文献1および特許文献6の一段研削方法より、特許文献2および特許文献7記載の粗研削工程と仕上げ研削工程の2段研削工程を採用する方が研削得られる加工して得られるサファイア基板の反りが小さいゆえ好ましい。
【0012】
特許文献4および特許文献5の保護粘着易剥離テープを光デバイス層表面に貼付したサファイア基板、特許文献6のセラミック製基板支持板をワックスで光デバイス層表面に貼付したサファイア基板は、前記研削加工されたサファイア基板の反りの程度を更により小さくする上で好ましい。
【0013】
特許文献6記載のサファイア基板の表面平坦化加工装置では、4インチ、6インチ径のサファイア基板のスループットが20枚/時であり、市場要求の30枚/時を満足するものではない。また、半導体基板メーカーからは、研削砥石の交換時期(寿命)が短いので、より寿命が長い研削砥石の提供を望まれている。特許文献8記載のサファイア基板の平坦化加工装置は、研削工程を3段階に分けてサファイア基板の1枚当たりのスループット時間を短縮させ、4インチ径のサファイア基板でスループット30枚/時以上、6インチ径のサファイア基板でスループット20枚/時以上の市場要求を満足させるとともに、サファイア基板の1枚当たりの研削時の砥石磨耗量を減少させて砥石寿命(砥石交換時期)を長くさせる利点を有する。
【0014】
本願発明の第一目的は、特許文献8記載のサファイア基板の平坦化加工装置を用いて、反りが小さく、表面粗さ(Ra)が20nm以下のサファイア基板を加工する際の研削砥石の選択、および、研磨剤スラリーを選択して4インチ径のサファイア基板でスループット30枚/時以上、6インチ径のサファイア基板でスループット20枚/時以上の市場要求を満足させる最適加工条件を定めたサファイア基板の平坦化加工方法を提供するものである。
【0015】
本願発明の第二目的は、半導体製造装置メーカーにおいては、表面粗さ(Ra)が6nm以下のサファイア基板を要求する者もいるので、ラップ加工工程の後に、10μm以上の厚みを減らす研磨工程を加えて表面粗さ(Ra)が2〜6nmのサファイア基板を製造する方法の提供にある。本願発明者らが平坦化加工工程の条件を、研削工程、研磨工程、ラップ工程の順序にして実験したところ、サファイア基板の研磨加工後に、ラップ加工を施すとラップ加工速度が低下し、4インチ径のサファイア基板でスループット25枚/時以下となるとともに、表面粗さ(Ra)が20〜36nmのサファイア基板しか得られないことを確認した。
【課題を解決するための手段】
【0016】
請求項1の発明は、次の工程を経てサファイア基板の表面を平坦加工してサファイア基板の厚みを減らすことを特徴とする、サファイア基板の平坦化加工方法を提供するものである。
1).易剥離性粘着テープまたはワックス貼付基板支持板が表面に貼付されたサファイア基板(ワーク)を第一吸着チャックテーブル上に移送し、前記ワークの易剥離性粘着テープ面または基板支持板が下面に、サファイア基板面が上面となるように前記ワークを第一吸着チャックテーブル上に載置する。
2).インデックステーブルを90度回転させてローデイング/アンローデイングステージ(s)位置にあるワークを搭載する前記第一チャックテーブルを第一研削ステージ(s)位置にある第二チャックテーブル位置へ移動させる。
3).前記第二チャックテーブルを回転させ、ついで、砥番が280〜360番のダイヤモンド砥粒カップホイール型メタルボンド削砥石を軸承する第一砥石軸を回転および下降させて該ダイヤモンド砥粒カップホイール型メタルボンド削砥石をワークのサファイア基板面に当接、摺擦させて第一研削加工を開始し、更に前記ダイヤモンド砥粒カップホイール型メタルボンド削砥石を下降させてサファイア基板面のインフィード研削をする第一研削加工を行う。
4).前記インデックステーブルを90度回転させて前記第一研削ステージ(s)位置にある第二チャックテーブルを第二研削ステージ(s)位置にある第三チャックテーブル位置へ移動させる。
5).前記第三チャックテーブルを回転させ、ついで、砥番が680〜800番のダイヤモンド砥粒カップホイール型メタルボンド削砥石を軸承する第二砥石軸を回転および下降させて該ダイヤモンド砥粒カップホイール型メタルボンド削砥石をワークのサファイア基板面に当接、摺擦させて第二研削加工を開始し、更に前記ダイヤモンド砥粒カップホイール型メタルボンド削砥石を下降させてサファイア基板面のインフィード研削をする第二研削加工を行う。
6).前記インデックステーブルを時計廻り方向に90度回転させて第二研削ステージ(s)位置にある前記第三チャックテーブルを仕上げ研削ステージ(s)位置にある第四チャックテーブル位置へ移動させる。
7).前記第四チャックテーブルを回転させ、ついで、砥番が680〜800番のダイヤモンド砥粒カップホイール型メタルボンド削砥石を軸承する第三砥石軸を回転および下降させて該ダイヤモンド砥粒カップホイール型メタルボンド削砥石をワークのサファイア基板面に当接、摺擦させて第三研削加工を開始し、更に前記ダイヤモンド砥粒カップホイール型メタルボンド削砥石を下降させてサファイア基板面のインフィード研削をする第三研削加工を行う。
8).前記インデックステーブルを時計廻り方向に90度、または時計逆周り方向に270度回転させて第三研削ステージ(s)位置にある前記第四チャックテーブルをローデイング/アンローデイングステージ(s)位置にある第一チャックテーブル位置へ移動させる。
9).ローデイング/アンローデイングステージ(s)位置にある第一チャックテーブルに搭載された研削加工されたワークをスピン洗浄する。
10).スピン洗浄された被研削加工サファイア基板をその被研削加工サファイア面が金属製ラップ回転定盤面に向くようにして金属製ラップ回転定盤上へ移動する。
11).金属製回転定盤上の被研削加工サファイア基板の前記テープ面または基板支持板面に50〜300g/cmの荷重をかけ、回転する前記ラップ定盤上に砥粒径1〜15μmのダイヤモンド砥粒を分散させたスラリーを供給しつつ前記被研削サファイア基板面を前記金属製回転定盤に摺擦させて厚み5〜90μm、表面粗さ(Ra)が20〜36nmのサファイア基板とするラッピング工程を行う。
【0017】
請求項2の発明は、次の工程を経てサファイア基板の表面を平坦加工してサファイア基板の厚みを減らすことを特徴とする、サファイア基板の平坦化加工方法を提供するものである。
1).易剥離性粘着テープまたはワックス貼付基板支持板が表面に貼付されたサファイア基板(ワーク)を第一吸着チャックテーブル上に移送し、前記ワークの易剥離性粘着テープ面または基板支持板が下面に、サファイア基板面が上面となるように前記ワークを第一吸着チャックテーブル上に載置する。
2).インデックステーブルを90度回転させてローデイング/アンローデイングステージ(s)位置にあるワークを搭載する前記第一チャックテーブルを第一研削ステージ(s)位置にある第二チャックテーブル位置へ移動させる。
3).前記第二チャックテーブルを回転させ、ついで、砥番が280〜360番のダイヤモンド砥粒カップホイール型メタルボンド削砥石を軸承する第一砥石軸を回転および下降させて該ダイヤモンド砥粒カップホイール型メタルボンド削砥石をワークのサファイア基板面に当接、摺擦させて第一研削加工を開始し、更に前記ダイヤモンド砥粒カップホイール型メタルボンド削砥石を下降させてサファイア基板面のインフィード研削をする第一研削加工を行う。
4).前記インデックステーブルを90度回転させて前記第一研削ステージ(s)位置にある第二チャックテーブルを第二研削ステージ(s)位置にある第三チャックテーブル位置へ移動させる。
5).前記第三チャックテーブルを回転させ、ついで、砥番が680〜800番のダイヤモンド砥粒カップホイール型メタルボンド削砥石を軸承する第二砥石軸を回転および下降させて該ダイヤモンド砥粒カップホイール型メタルボンド削砥石をワークのサファイア基板面に当接、摺擦させて第二研削加工を開始し、更に前記ダイヤモンド砥粒カップホイール型メタルボンド削砥石を下降させてサファイア基板面のインフィード研削をする第二研削加工を行う。
6).前記インデックステーブルを時計廻り方向に90度回転させて第二研削ステージ(s)位置にある前記第三チャックテーブルを仕上げ研削ステージ(s)位置にある第四チャックテーブル位置へ移動させる。
7).前記第四チャックテーブルを回転させ、ついで、砥番が680〜800番のダイヤモンド砥粒カップホイール型メタルボンド削砥石を軸承する第三砥石軸を回転および下降させて該ダイヤモンド砥粒カップホイール型メタルボンド削砥石をワークのサファイア基板面に当接、摺擦させて第三研削加工を開始し、更に前記ダイヤモンド砥粒カップホイール型メタルボンド削砥石を下降させてサファイア基板面のインフィード研削をする第三研削加工を行う。
8).前記インデックステーブルを時計廻り方向に90度、または時計逆周り方向に270度回転させて第三研削ステージ(s)位置にある前記第四チャックテーブルをローデイング/アンローデイングステージ(s)位置にある第一チャックテーブル位置へ移動させる。
9).ローデイング/アンローデイングステージ(s)位置にある第一チャックテーブルに搭載された研削加工されたワークをスピン洗浄する。
10).スピン洗浄された被研削加工サファイア基板をその被研削加工サファイア面が金属製ラップ回転定盤面に向くようにして金属製ラップ回転定盤上へ移動する。
11).金属製回転定盤上の被研削加工サファイア基板の前記テープ面または基板支持板面に50〜300g/cmの荷重をかけ、回転する前記ラップ定盤上に砥粒径1〜15μmのダイヤモンド砥粒を分散させたスラリーを供給しつつ前記被研削サファイア基板面を前記金属製回転定盤に摺擦させて厚み5〜90μm、表面粗さ(Ra)が20〜36nmのサファイア基板とするラッピング工程を行う。
12).前記の被研削加工・ラップ加工サファイア基板(ワーク)の前記テープ面または基板支持板面を吸着チャックで保持し、ついで、前記ワークの被研削加工・ラップ加工サファイア面を下降、回転させて研磨装置の回転している研磨定盤に摺擦させ、この研磨定盤上に粒径0.05〜3μmのダイヤモンド砥粒を分散した研磨スラリーを供給してサファイア基板厚みを10〜30μm減少させる表面粗さ(Ra)が2〜6nmのサファイア基板とする研磨加工工程を行う。
【発明の効果】
【0018】
研削工程段階のワークに蓄熱される熱履歴により加工ワークに反りが発生し易い影響を防止するため、研削加工ステージを3段階として各々の研削加工段階での初滅を低減させるとともに、易剥離製粘着テープまたは基板支持板でワークをバッキングしたことにより反りの発生も更に低減される。
【0019】
ダイヤモンド砥粒カップホイール型ビトリファイドボンド研削砥石よりダイヤモンド砥粒カップホイール型メタルボンド削砥石研削の方がサファイア基板の研削時の磨耗量が少ないので、研削砥石の交換時期を遅くすることができる。
【0020】
基板厚みの取り代速度は、研磨加工よりラップ加工の方が高速であるが、ラップ加工よりも研磨加工の方がより鏡面(Ra値が小さい)なサファイア基板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1はサファイア基板の平坦化加工装置の平面図である。
【図2】図2は第一案内レールを滑走可能なワーク吸着搬送器の右側面図である。
【図3】図3は多関節型アーム式ワーク搬送ロボットと仮置台の右側面図である。
【図4】図4は多関節型アーム式ワーク搬送ロボットとラップ盤の右側面図である。
【図5】図5はラップ加工室内のラップ盤の一部を切り欠いた右側面図である。
【図6】図6はラップ盤を後ろ方向から見た一部を切り欠いた背面図である。
【図7】図7は研削装置の一部を切り欠いた正面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、図を用いて本発明をさらに詳細に説明する。
図1に示すサファイア基板の平坦化加工装置1は、平坦化加工装置を据え付ける部屋2を前方部より後方部に向かって、部屋2の前方左半部をワーク搬送室兼ワーク洗浄室2a、前方右半部をワークのラップ加工室2cに区分けし、後方部をワークの研削加工室2bと3区画化している。
【0023】
研削屑の発生量が多い研削加工室2bを後方にし、最終工程のラップ加工室を前方に持って来ることにより、最終加工ワークへの加工屑がワークに付着する機会を減じている。
【0024】
前記ワーク搬送室兼ワーク洗浄室2aには、前方から後方に向かって、最前列にはワークの収納カセットの複数3,3を、第二列目には、中央に多関節型アーム式ワーク搬送ロボット4を、第三列目には、左側から右側に向かって、左側1番列目に部室の壁上部に第二案内レール7bを滑走可能な吸着パッド7aを備えるワーク吸着搬送器7を、2番列目の前方に仮置台9を、2番列目の後方にロール回転式ワーク表面洗浄器8を、3番列目の前記多関節型ワーク搬送ロボット4の後ろに多関節型アーム式ワーク搬送ロボットの吸着アーム4a用アーム洗浄器10を、4番列目にラップ加工ワーク裏面のスピン洗浄器11aと、このスピン洗浄器用のベルクリン洗浄器11bを設け、第四列目には、左側から右側に向かって、前記ワーク吸着搬送器7の右横側であって、かつ、前記ロール回転式ワーク表面洗浄器8の後方に、研削加工されたワークのスピナー洗浄器6を設け、この研削加工されたワークのスピナー洗浄器6の右横側であって、かつ、前記多関節型アーム式ワーク搬送ロボット用アーム洗浄器10の後方に、センタリング装置付き仮置台5を設けてある。前記収納カセット3,3は前記多関節型アーム式ワーク搬送ロボット4のアーム4aによるワークの搬出、搬入を容易とするため、傾斜機構台3a上に設置される。
【0025】
前記多関節型アーム式ワーク搬送ロボット4のアーム4aによるワークの把持は、アーム下面に真空孔を穿ったアーム4aによる減圧吸着でもよいし、アーム4a先端に設けたアーム両爪によってワーク外周を把持するタイプの多関節型アーム式ワーク搬送ロボットも利用できる。
【0026】
前記スピン洗浄器11aはワークの下面および上面にノズルより線浄水を吹き付けながらスピナーによりワークを回転させてワークの表裏洗浄を行い、前記ベルクリン洗浄器11bはワーク上面に洗浄ブラシを進出させてワーク上面をスクラブ洗浄する。
【0027】
前方右半部のラップ加工室2cを囲繞する四壁の左側壁には、ワーク搬入口窓2cが設けられ、このラップ加工室内には、1個の金属製回転定盤21に対してワーク吸着ヘッド22を昇降および回転軸23に回動可能に備えたワーク押圧手段の一対24,24と、前記ワーク吸着ヘッド下部を洗浄する回転ブラシ25aを備えたワーク吸着ヘッド洗浄器の一対25,25と、2個の金属製回転定盤リング状コンディショナ26,26と、金属製回転定盤洗浄機構27と、1台の金属製回転定盤のフェーシング装置28を備えたラップ盤20が設置されている。
【0028】
金属製回転定盤21素材の金属としては、銅、錫、真鍮、鉄等の鋳物定盤、これら金属の粉と樹脂との混合鋳物、例えばケメット定盤が使用できる。
【0029】
前記後方部の研削加工室2b内には、1台のインデックステーブル31、このインデックステーブルの回転軸32を回転駆動させる駆動手段33、このインデックステーブルの回転軸心を中心点とする同一円周上に等間隔に設置した4つの円筒刳り貫き空間内に設けた4台の吸着チャックテーブル34a,34b,34c,34d、およびそれら吸着チャックテーブル4台の回転軸35を回転駆動させる駆動手段36を具備する。
【0030】
前記4台の吸着チャックテーブル34a,34b,34c,34dの内、前記ワーク搬送室兼ワーク洗浄室2a内の研削ワーク洗浄器6およびセンタリング装置付き仮置台5に近い位置にある第一吸着チャックテーブル34aをローデイング/アンローデイングステージ(s)位置とし、このローデイング/アンローデイングステージ(s)位置を囲む壁の左半部2bのL字状側壁および天井は削除されており、壁天上部には昇降可能なワークを把持する前後移動可能な爪、または吸着パッドを備えるアーム39aを有する搬送パッド機構39を前記第一吸着チャックテーブル34aの中心点と前記センタリング装置付き仮置台5の中心点の間を移動させる第二案内レール39bを備え、この搬送パッド機構39と、前記第一吸着チャックテーブル34aとでローデイング/アンローデイングステージ(s)を構成する。
【0031】
第二吸着チャックテーブル34bの上方には、砥番が280〜360番のダイヤモンド砥粒カップホイール型メタルボンド削砥石34gを軸承する第一砥石軸34oに軸承させた粗研削ヘッド34hを設けて第二吸着チャックテーブル34bと粗研削ヘッド34hとで第一研削ステージ(s)を構成する。前記第一砥石軸34oはビルトインモータ34mにより回転駆動される。
【0032】
第三吸着チャックテーブル34cの上方には、砥番が680〜800番のダイヤモンド砥粒カップホイール型メタルボンド削砥石34gを軸承する第二砥石軸34oに軸承させた中仕上げ研削ヘッド34hを設けて第三吸着チャックテーブル34cと中仕上げ研削ヘッド34hとで第二研削ステージ(s)を構成する。
【0033】
第四吸着チャックテーブル34dの上方には、砥番が680〜800番のダイヤモンド砥粒カップホイール型メタルボンド削砥石34gを軸承する第三砥石軸34oに軸承させた仕上げ研削ヘッド34hを設けて第四吸着チャックテーブル34cと仕上げ研削ヘッド34hとで第三研削ステージ(s)を構成する。
【0034】
前記ローデイング/アンローデイングステージ(s)を構成する第一吸着チャックテーブル34aの傍であってインデックステーブル31外側には回動軸廻りにワーク吸着搬送パッド34pを支えるアーム34kが旋回揺動できるペンダント方式のワーク吸着搬送パッド機構34tを設け、このワーク吸着搬送パッド34tが前記第一吸着チャックテーブル34a上と前記研削加工されたワークのスピン洗浄器6上の間を揺動回転移動するように設置する。
【0035】
前記のワーク搬送室兼ワーク洗浄室2a内の多関節型アーム式ワーク搬送ロボット4のアームは、収納カセット4、センタリング装置付き仮置台5、研削加工ワークの洗浄器6、仮置台9、および、ラップ加工ワーク表面の洗浄器25上のワーク、並びに一対のワーク吸着ヘッド22,22下部に吸着されたワークを搬送できる軌跡を移動、並びに、前記のこれらの機器にワークを移送できる軌跡を移動できるものである。
【0036】
前述のワーク搬送室兼ワーク洗浄室2a内の第二案内レールを滑走可能なワーク吸着搬送器は、仮置台9の中心点、ロール回転式ワーク表面洗浄器8、および、スピナー洗浄器6の中心点を結ぶ線上を移動できるように設計されている。
【0037】
研磨装置は図1に示されていないが、金属製定盤の表面に研磨布を貼付した研磨パッド定盤と基板吸着ヘッド、研磨剤スラリーを供給するノズルを備える研磨装置で、例えば、株式会社岡本工作機械製作所の研磨装置“600s”(商品名)が使用できる。
【0038】
各工程でのサファイア基板の面取り代は、第一研削工程で、総取り代量の35〜60%、第二研削工程で、総取り代量の15〜25%、第三研削工程で、総取り代量の15〜25%、ラップ工程で総取り代量の10〜25%、研磨工程では10〜25μmとするのが、スループットを達成する上で好ましい。
【実施例】
【0039】
実施例1
上述のサファイア基板の平坦化加工装置1を用い、易剥離性粘着テープが貼付された厚み500μm、6インチ径のサファイア基板のサファイア基板面を平坦化加工する工程は、次の工程を経て行われる。
【0040】
厚み500μmにワイヤーカットソウされた6インチ径のサファイア基板の表面に易剥離性粘着テープを貼付したものをワークとして使用する。易剥離性粘着テープとしては、丸石産業株式会社のQ―チャック(商品名)、フジコピアン株式会社のFIXFILM(商品名)シリーズのSTD1、STD2、HG1、HG2(グレード名)等のワークと粘着剤層間の剥離力(JIS K−6854に準拠)が10mN/12.7mm幅以下であって、ワークを吸着する吸着パッドを横方向にずらす際のサファイア基板と粘着剤層間のせん断力が1.0N/cm以上であるものが好ましい。
【0041】
1).収納カセット3内の易剥離性粘着テープが表面に貼付されたサファイア基板(ワーク)wを多関節型アーム式ワーク搬送ロボット4のアーム4aに吸着させ、センタリング装置付き仮置台5上に移送し、アームの減圧を解除して前記センタリング装置付き仮置台5上にワークを載置する。
【0042】
2).ワーク第一搬送機構39のアームを下降させて前記センタリング装置付き仮置台5上のワークを吸着パッド39aで吸着した後、前記アームを上昇させる。ついで、ワークを吸着するアームを第一案内レール39b上で移動させて第一吸着チャックテーブル34aの中心点上方に位置させた後、ワークを吸着する吸着パッド39aを下降させて第一吸着チャックテーブル上に易剥離性粘着テープ面が下面に、サファイア基板面が上面となるようにワークwを載置する。その後、吸着パッドの減圧を停止し、吸着パッドを上昇させてワーク表面より遠ざける。
【0043】
3).インデックステーブル31を90度回転させてローデイング/アンローデイングステージ(s)位置にあるワークを搭載する第一チャックテーブル34aを第一研削ステージ(s)位置にある第二チャックテーブル34b位置へ移動させる。
【0044】
4).第二チャックテーブル34bを300rpmで回転させ、ついで、砥番が325番のダイヤモンド砥粒カップホイール型メタルボンド削砥石34gを軸承する第一砥石軸34gを3,000rpmで回転および下降させて該ダイヤモンド砥粒カップホイール型メタルボンド削砥石34gをワークのサファイア基板面に当接、摺擦させて第一研削加工を開始し、更に前記ダイヤモンド砥粒カップホイール型メタルボンド削砥石を下降させてサファイア基板面のインフィード研削をし、250μm厚みの粗研削取り代となったら粗研削ヘッド34hを上昇させることによりワーク表面より遠ざけて第一研削加工を終了させる。ついで、第二チャックテーブル34bの回転を停止する。この第一研削加工がなされている間に、ローデイング/アンローデイングステージ(s)位置にある第一チャックテーブル34a上には、新たなワークが載置される。
【0045】
5).インデックステーブル31を90度回転させて第一研削ステージ(s)位置にある第二チャックテーブル34bを第二研削ステージ(s)位置にある第三チャックテーブル34c位置へ移動させる。
【0046】
6).第三チャックテーブル34cを280rpmで回転させ、ついで、砥番が700番のダイヤモンド砥粒カップホイール型メタルボンド削砥石34gを軸承する第二砥石軸34hを備える中仕上げ研削ヘッド34hを2,800rpmで回転および下降させて該ダイヤモンド砥粒カップホイール型メタルボンド削砥石をワークのサファイア基板面に当接、摺擦させて第二研削加工を開始し、更に前記ダイヤモンド砥粒カップホイール型メタルボンド削砥石を下降させてサファイア基板面のインフィード研削をする第二研削加工を行う。70μm厚みの中仕上げ研削取り代となったら中仕上げ研削ヘッド34hを上昇させることによりワーク表面より遠ざけて第二研削加工を終了させる。ついで、第三チャックテーブル34cの回転を停止する。この第二研削加工がなされている間に、ローデイング/アンローデイングステージ(s)位置にある第一チャックテーブル34a上には、新たなワークが載置され、第一研削ステージ(s)位置にある第二チャックテーブル34bではワークの第一研削加工が行われる。
【0047】
7).インデックステーブル31を時計廻り方向に90度回転させて第二研削ステージ(s)位置にある第三チャックテーブル34cを第三研削ステージ(s)位置にある第四チャックテーブル位置へ移動させる。
【0048】
8).第四チャックテーブル34dを280rpmで回転させ、ついで、砥番が700番のダイヤモンド砥粒カップホイール型メタルボンド削砥石34gを軸承する第三砥石軸34hを備える仕上げ研削ヘッド34hを2,800rpmで回転および下降させて該ダイヤモンド砥粒カップホイール型メタルボンド削砥石34gをワークのサファイア基板面に当接、摺擦させて第三研削加工を開始し、更に前記ダイヤモンド砥粒カップホイール型メタルボンド削砥石34gを下降させてサファイア基板面のインフィード研削をする第三研削加工を行う。70μm厚みの仕上げ研削取り代となったら仕上げ研削ヘッド34hを上昇させることによりワーク表面より遠ざけて第三研削加工を終了させる。ついで、第四チャックテーブル34dの回転を停止する。この第三研削加工がなされている間に、ローデイング/アンローデイングステージ(s)位置にある第一チャックテーブル34a上には、新たなワークが載置され、第一研削ステージ(s)位置にある第二チャックテーブル34bではワークの第一(粗)研削加工が行われ、第二研削ステージ(s)位置にある第三チャックテーブル34cではワークの第二(中仕上げ)研削加工が行われる。
【0049】
9).インデックステーブルを時計廻り方向に90度、または時計逆周り方向に270度回転させて第三研削ステージ(s)位置にある第四チャックテーブル34dをローデイング/アンローデイングステージ(s)位置にある第一チャックテーブル34a位置へ移動させる。
【0050】
10).ローデイング/アンローデイングステージ(s)位置にある第一チャックテーブル34aに搭載された研削加工されたワーク面をワーク吸着搬送パッド機構34tの吸着パッド34pで吸着し、ついでワーク吸着搬送パッド機構のアーム34kを左方向に旋回させて研削加工されたワークのスピナー洗浄器6上へ移動させた後、ワーク吸着搬送パッド34pの減圧を解除してワークの吸着固定を解いてワークをワークのスピナー洗浄器6上に載置する。ついで、ワーク吸着搬送パッド機構34tのアームを右方向に回転させてワーク吸着搬送パッド機構のアームを待機位置へ戻す。
【0051】
11).ワークのスピナー洗浄器6により研削加工されたワーク面に洗浄水を吹き付けながらワークをスピン洗浄する。ワーク吸着搬送パッド機構34tのアームを待機位置へ戻す前にこのスピン洗浄を開始すれば、ワークのスピン洗浄とともにワーク吸着搬送パッド34pを水洗浄できる。
【0052】
12).ワーク吸着搬送器7の吸着パッド7aを第二案内レール7b上で後退させて前記ワークのスピナー洗浄器6上へ移動させ、スピナー洗浄器6に載置されているワークの研削加工・洗浄された面を吸着する。
【0053】
13).ワーク吸着搬送器7の吸着パッド7aを第二案内レール上で後退させてロール回転式ワーク表面洗浄器8上を通過させ、ワーク裏面の易剥離性粘着テープ面をロール回転水洗浄する。
【0054】
14).ワーク吸着搬送器7の吸着パッド7aを第二案内レール7b上で更に後退させて仮置台9上で停止させ、ついで、ワーク吸着搬送器の吸着パッド7aの減圧を開放することにより前記仮置台9上にワークのテープ面を下方に、研削加工・洗浄サファイア基板面を上方に向けてワークを載置する。
【0055】
15).前記多関節型アーム式ワーク搬送ロボット4のアーム4aに研削加工・洗浄サファイア基板面を吸着させ、ラップ加工室2c内のワーク吸着ヘッド22の下方位置へワークを移送中に前記ワークwのテープ貼付面が上方を向くように前記アーム4aを旋回させた後、前記ラップ加工室内のワーク吸着ヘッド22の下方にワークを位置させ、ワーク吸着ヘッドを減圧してワークのテープ貼付面を吸着固定する。
【0056】
16).ワーク吸着ヘッド22の旋回アームを回動軸23廻りに回動させてワークを金属製回転定盤21上へ位置させる。
【0057】
17).前記仮置台9上に新たに研削加工・洗浄サファイア基板面を上方に向けて載置されたワークwを前記多関節型アーム式ワーク搬送ロボット4のアーム4aに吸着させ、ラップ加工室内のワーク吸着ヘッド22の下方位置へワークを移送中に前記ワークのテープ貼付面が上方を向くように前記アームを旋回させた後、前記ラップ加工室内の空いているワーク吸着ヘッド22の下方にワークを位置させ、ワーク吸着ヘッドを減圧してワークのテープ貼付面を吸着固定する。
【0058】
18).上記ワーク吸着ヘッド22の旋回アームを回動させてワークを金属製回転定盤21上へ位置させる。
【0059】
19).前記ワーク吸着ヘッドの一対22,22を下降させて180mm/分の速度で回転している金属製回転定盤21上にワークのサファイア基板面を当接させるとともに摺擦させて2枚の前記ワークのラップ加工を開始し、20μm厚みのラップ取り代量のラップ加工となったら金属製回転定盤21の回転を停止するとともに、前記ワーク吸着ヘッドの一対22,22を上昇させた後、ワーク吸着ヘッド22の旋回アームを前記と逆方向に回動してワーク吸着ヘッド待機位置へ戻し、ラップ加工を終了する。ラップ加工の際、金属製回転定盤21の表面には、株式会社レジトン製ダイヤモンド砥粒水分散液が供給される。
【0060】
20).前記多関節型アーム式ワーク搬送ロボット4のアーム4aを前記ワーク吸着ヘッド22の下方へ移動させ、ついで、ワーク吸着ヘッド22の下方に吸着されているワークのラップ加工サファイア基板面を前記アーム4aで吸着した後にワーク吸着ヘッド22の減圧を解除し、その後、前記多関節型アーム式ワーク搬送ロボット4のアームをラップ加工ワーク裏面のスピン洗浄器11a上へ移動させ、そこで、前記アーム4aの減圧を解除してワークのラップ加工面を上に向けてスピナー仮置台11a上に載置する。
【0061】
21).前記スピン洗浄器11aおよびベルクリン洗浄器11bを用いて前記ワークの表裏面に洗浄水を吹き付けながらワークのスピン洗浄を行うとともに、ベルクリンでワークに付着した洗浄水を拭き取る。
【0062】
22).前記多関節型アーム式ワーク搬送ロボット4のアーム4aをラップ加工ワーク裏面のスピン洗浄器11a上へ移動させ、前記アームを減圧してワークのラップ加工面を吸着した後、前記多関節型アーム式ワーク搬送ロボットのアームを収納カセット3の棚内へ移送させ、そこで前記アーム4aの減圧を解除してサファイア基板厚みが90μmのワークを収納カセット3内に収納する。
【0063】
23).前記多関節型アーム式ワーク搬送ロボット4のアームを多関節型アーム式ワーク搬送ロボット用アーム洗浄器10上へと移送し、前記アーム4a洗浄する。
【0064】
24).前記アームが洗浄された多関節型アーム式ワーク搬送ロボット4のアーム4aを前述の他方のワーク吸着ヘッド22の下方へ移動させ、ついで、ワーク吸着ヘッドの下方に吸着されているワークのラップ加工サファイア基板面を前記アーム4aで吸着した後にワーク吸着ヘッド22の減圧を解除し、その後、前記多関節型アーム式ワーク搬送ロボットのアーム4aをラップ加工ワーク裏面のスピン洗浄器11a上へ移動させ、そこで、前記アームの減圧を解除してワークのラップ加工面を上に向けてスピナー仮置台11a上に載置する。
【0065】
25).前記スピン洗浄器11aおよびベルクリン洗浄器11bを用いて前記ワークの表裏面に洗浄水を吹き付けながらワークのスピン洗浄を行うとともにベルクリンでワークに付着した洗浄水を拭き取る。
【0066】
26).前記多関節型アーム式ワーク搬送ロボット4のアーム4aをラップ加工ワーク裏面のスピン洗浄器11a上へ移動させ、前記アームを減圧してワークのラップ加工面を吸着した後、前記多関節型アーム式ワーク搬送ロボットのアーム4aを収納カセット3の棚内へ移送させ、そこで前記アーム4aの減圧を解除してサファイア基板厚みが90μmのワークを収納カセット3内に収納する。
【0067】
27).前記多関節型アーム式ワーク搬送ロボット4のアーム4aを多関節型アーム式ワーク搬送ロボット用アーム洗浄器10上へと移送し、前記アームを洗浄する。洗浄後、アーム4aは多関節型アーム式ワーク搬送ロボットのアーム待機位置へと戻される。
【0068】
28).上記20)工程から27)工程が行われている間に、前記ラップ加工室2c内では、金属製回転定盤21が回転され、金属製回転定盤用洗浄器27より洗浄水が供給されて金属製回転定盤の洗浄が行われるとともに、ワーク吸着ヘッド洗浄器25によるワーク吸着ヘッド22下部の洗浄が行われる。また、ワークのラップ加工が行われていない間にフェーシング装置28で金属製回転定盤21面の溝切補修加工が行われる。
【0069】
平坦化加工され、易剥離性テープを取り除いた厚み90μmの6インチ径サファイア基板の反りは、20μm程度であり、表面粗さ(Ra)は、18nmであった。スループットは、約22枚/時であった。
【0070】
29)上記28工程で得られた被研削・ラップ加工サファイア基板のテープ面を研磨装置の吸着ヘッドにバキューム吸着し、ついで、前記吸着ヘッドを100rpmで回転および下降させて120rpmで回転している研磨定盤上に被研削・ラップ加工サファイア面を摺擦し、120g/cmの圧力を掛けながら研磨加工を開始し、12μmの取り代となったところで研磨加工を終了させた。研磨加工の際、研磨定盤上には0.5〜1.5μm径のダイヤモンド砥粒分散研磨剤スラリー液を供給した。研磨加工され、易剥離性テープを取り除いた厚み78μmの6インチ径サファイア基板の反りは、18μm程度であり、表面粗さ(Ra)は、3.4nmであった。
【0071】
実施例2
上述のサファイア基板の平坦化加工装置1を用い、易剥離性粘着テープが貼付された厚み500μm、4インチ径のサファイア基板を6インチ径のサファイア基板の代りに用いる外は、実施例1と同様の加工条件でサファイア基板面を平坦化加工したところ、スループット約31枚/時の割合で、厚み90μmの4インチ径サファイア基板の反り82μm程度であり、表面粗さ(Ra)が約20nmの被研削・ラップ加工サファイア基板を得た。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明のサファイア基板の平坦化加工方法は、サファイア基板面の研削・ラップ・研磨加工を高スループットで割れを生じさせることなく行うことが可能である。また、得られる平坦化加工されたサファイア基板の反りは小さいものであり、従来、研削加工またはラップ加工後に行われていたアニーリング処理工程は不要となる。
【符号の説明】
【0073】
1 基板の平坦化加工装置
2a ワーク搬送兼ワーク洗浄室
2b 研削加工室ラップ加工室
2c ラップ加工室
3 収納カセット
4 多関節型搬送ロボット
5 センタリング装置付き仮置台
20 ラップ盤
21 金属製回転定盤
22 ワーク吸着ヘッド
30 研削装置
31 インデックステーブル
34a,34b,34c,34d 吸着チャックテーブル
ローディング/アンローディングステージ
第一(粗)研削加工ステージ
第二(中仕上げ)研削加工ステージ
第三(仕上げ)研削加工ステージ
34h 粗研削砥石ヘッド
34h 中仕上げ研削砥石ヘッド
34h 仕上げ研削砥石ヘッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の工程を経てサファイア基板の表面を平坦加工してサファイア基板の厚みを減らすことを特徴とする、サファイア基板の平坦化加工方法。
1).易剥離性粘着テープまたはワックス貼付基板支持板が表面に貼付されたサファイア基板(ワーク)を第一吸着チャックテーブル上に移送し、前記ワークの易剥離性粘着テープ面または基板支持板が下面に、サファイア基板面が上面となるように前記ワークを第一吸着チャックテーブル上に載置する。
2).インデックステーブルを90度回転させてローデイング/アンローデイングステージ(s)位置にあるワークを搭載する前記第一チャックテーブルを第一研削ステージ(s)位置にある第二チャックテーブル位置へ移動させる。
3).前記第二チャックテーブルを回転させ、ついで、砥番が280〜360番のダイヤモンド砥粒カップホイール型メタルボンド削砥石を軸承する第一砥石軸を回転および下降させて該ダイヤモンド砥粒カップホイール型メタルボンド削砥石をワークのサファイア基板面に当接、摺擦させて第一研削加工を開始し、更に前記ダイヤモンド砥粒カップホイール型メタルボンド削砥石を下降させてサファイア基板面のインフィード研削をする第一研削加工を行う。
4).前記インデックステーブルを90度回転させて前記第一研削ステージ(s)位置にある第二チャックテーブルを第二研削ステージ(s)位置にある第三チャックテーブル位置へ移動させる。
5).前記第三チャックテーブルを回転させ、ついで、砥番が680〜800番のダイヤモンド砥粒カップホイール型メタルボンド削砥石を軸承する第二砥石軸を回転および下降させて該ダイヤモンド砥粒カップホイール型メタルボンド削砥石をワークのサファイア基板面に当接、摺擦させて第二研削加工を開始し、更に前記ダイヤモンド砥粒カップホイール型メタルボンド削砥石を下降させてサファイア基板面のインフィード研削をする第二研削加工を行う。
6).前記インデックステーブルを時計廻り方向に90度回転させて第二研削ステージ(s)位置にある前記第三チャックテーブルを仕上げ研削ステージ(s)位置にある第四チャックテーブル位置へ移動させる。
7).前記第四チャックテーブルを回転させ、ついで、砥番が680〜800番のダイヤモンド砥粒カップホイール型メタルボンド削砥石を軸承する第三砥石軸を回転および下降させて該ダイヤモンド砥粒カップホイール型メタルボンド削砥石をワークのサファイア基板面に当接、摺擦させて第三研削加工を開始し、更に前記ダイヤモンド砥粒カップホイール型メタルボンド削砥石を下降させてサファイア基板面のインフィード研削をする第三研削加工を行う。
8).前記インデックステーブルを時計廻り方向に90度、または時計逆周り方向に270度回転させて第三研削ステージ(s)位置にある前記第四チャックテーブルをローデイング/アンローデイングステージ(s)位置にある第一チャックテーブル位置へ移動させる。
9).ローデイング/アンローデイングステージ(s)位置にある第一チャックテーブルに搭載された研削加工されたワークをスピン洗浄する。
10).スピン洗浄された被研削加工サファイア基板をその被研削加工サファイア面が金属製ラップ回転定盤面に向くようにして金属製ラップ回転定盤上へ移動する。
11).金属製回転定盤上の被研削加工サファイア基板の前記テープ面または基板支持板面に50〜300g/cmの荷重をかけ、回転する前記ラップ定盤上に砥粒径1〜15μmのダイヤモンド砥粒を分散させたスラリーを供給しつつ前記被研削サファイア基板面を前記金属製回転定盤に摺擦させて厚み5〜90μm、表面粗さ(Ra)が20〜36nmのサファイア基板とするラッピング工程を行う。
【請求項2】
次の工程を経てサファイア基板の表面を平坦加工してサファイア基板の厚みを減らすことを特徴とする、サファイア基板の平坦化加工方法。
1).易剥離性粘着テープまたはワックス貼付基板支持板が表面に貼付されたサファイア基板(ワーク)を第一吸着チャックテーブル上に移送し、前記ワークの易剥離性粘着テープ面または基板支持板が下面に、サファイア基板面が上面となるように前記ワークを第一吸着チャックテーブル上に載置する。
2).インデックステーブルを90度回転させてローデイング/アンローデイングステージ(s)位置にあるワークを搭載する前記第一チャックテーブルを第一研削ステージ(s)位置にある第二チャックテーブル位置へ移動させる。
3).前記第二チャックテーブルを回転させ、ついで、砥番が280〜360番のダイヤモンド砥粒カップホイール型メタルボンド削砥石を軸承する第一砥石軸を回転および下降させて該ダイヤモンド砥粒カップホイール型メタルボンド削砥石をワークのサファイア基板面に当接、摺擦させて第一研削加工を開始し、更に前記ダイヤモンド砥粒カップホイール型メタルボンド削砥石を下降させてサファイア基板面のインフィード研削をする第一研削加工を行う。
4).前記インデックステーブルを90度回転させて前記第一研削ステージ(s)位置にある第二チャックテーブルを第二研削ステージ(s)位置にある第三チャックテーブル位置へ移動させる。
5).前記第三チャックテーブルを回転させ、ついで、砥番が680〜800番のダイヤモンド砥粒カップホイール型メタルボンド削砥石を軸承する第二砥石軸を回転および下降させて該ダイヤモンド砥粒カップホイール型メタルボンド削砥石をワークのサファイア基板面に当接、摺擦させて第二研削加工を開始し、更に前記ダイヤモンド砥粒カップホイール型メタルボンド削砥石を下降させてサファイア基板面のインフィード研削をする第二研削加工を行う。
6).前記インデックステーブルを時計廻り方向に90度回転させて第二研削ステージ(s)位置にある前記第三チャックテーブルを仕上げ研削ステージ(s)位置にある第四チャックテーブル位置へ移動させる。
7).前記第四チャックテーブルを回転させ、ついで、砥番が680〜800番のダイヤモンド砥粒カップホイール型メタルボンド削砥石を軸承する第三砥石軸を回転および下降させて該ダイヤモンド砥粒カップホイール型メタルボンド削砥石をワークのサファイア基板面に当接、摺擦させて第三研削加工を開始し、更に前記ダイヤモンド砥粒カップホイール型メタルボンド削砥石を下降させてサファイア基板面のインフィード研削をする第三研削加工を行う。
8).前記インデックステーブルを時計廻り方向に90度、または時計逆周り方向に270度回転させて第三研削ステージ(s)位置にある前記第四チャックテーブルをローデイング/アンローデイングステージ(s)位置にある第一チャックテーブル位置へ移動させる。
9).ローデイング/アンローデイングステージ(s)位置にある第一チャックテーブルに搭載された研削加工されたワークをスピン洗浄する。
10).スピン洗浄された被研削加工サファイア基板をその被研削加工サファイア面が金属製ラップ回転定盤面に向くようにして金属製ラップ回転定盤上へ移動する。
11).金属製回転定盤上の被研削加工サファイア基板の前記テープ面または基板支持板面に50〜300g/cmの荷重をかけ、回転する前記ラップ定盤上に砥粒径1〜15μmのダイヤモンド砥粒を分散させたスラリーを供給しつつ前記被研削サファイア基板面を前記金属製回転定盤に摺擦させて厚み5〜90μm、表面粗さ(Ra)が20〜36nmのサファイア基板とするラッピング工程を行う。
12).前記の被研削加工・ラップ加工サファイア基板(ワーク)の前記テープ面または基板支持板面を吸着チャックで保持し、ついで、前記ワークの被研削加工・ラップ加工サファイア面を下降、回転させて研磨装置の回転している研磨定盤に摺擦させ、この研磨定盤上に粒径0.05〜3μmのダイヤモンド砥粒を分散した研磨スラリーを供給してサファイア基板厚みを10〜30μm減少させる表面粗さ(Ra)が2〜6nmのサファイア基板とする研磨加工工程を行う。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2013−84688(P2013−84688A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−222281(P2011−222281)
【出願日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【出願人】(391011102)株式会社岡本工作機械製作所 (161)
【Fターム(参考)】