説明

ディジタルカメラ

【課題】撮像環境要素を設定するための操作子の数を低減できるディジタルカメラを提供する。
【解決手段】モードに応じて少なくとも2つの撮像環境要素のいずれかについてパラメータを変更可能になる第一操作子74と、第一操作子74によっていずれかの撮像環境要素についてパラメータを変更可能なモードに遷移するための少なくとも2つの項目と所定の露光時間に対応する複数の項目とを含む選択対象項目のいずれか一つを選択するための第二操作子34と、第一操作子74によって設定される撮像環境要素及び前記第二操作子によって設定される露光時間で被写体を撮像したディジタル画像を作成する撮像手段と、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はディジタルカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、露光時間、絞り値、感度値、ホワイトバランス、ディジタル画像の圧縮率、ディジタル画像の解像度等の複数の撮像環境要素を設定可能なディジタルカメラが知られている。このようなディジタルカメラでは、各撮像環境要素に対応した押しボタンスイッチ等の操作子が備えられている。設定可能な撮像環境要素毎に専用の操作子を備えると、操作子の数が多くなって小型化が難しくなり、また、製造コストが増大する。
【0003】
そこで、1つの操作子を複数の撮像環境要素の設定に共用できるディジタルカメラが提案されている。例えば特許文献1に開示されているように、1つの操作子を複数の撮像環境要素の設定に共用するためには、1つの操作子の機能をモードに応じて切り替える必要がある。したがって、複数の撮像環境要素に共用される操作子以外にその操作子の機能を切り替えるための操作子が別途必要になる。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−157159号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、複数の撮像環境要素に共用される操作子とは別に、その操作子の機能を切り替えるための操作子を備えると、機能を切り替えるための操作子の分だけ操作子の数が多くなる。
本発明は、撮像環境要素を設定するための操作子の数を低減できるディジタルカメラを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、第一の発明に係るディジタルカメラは、モードに応じて少なくとも2つの撮像環境要素のいずれかについてパラメータを変更可能な第一操作子と、前記第一操作子によっていずれかの前記撮像環境要素についてパラメータを変更可能なモードに遷移するための少なくとも2つの項目と所定の露光時間に対応する複数の項目とを含む選択対象項目のいずれか一つを選択するための第二操作子と、前記第一操作子によって設定される撮像環境要素及び前記第二操作子によって設定される露光時間で被写体を撮像したディジタル画像を作成する撮像手段と、を備えることを特徴とする。第一の発明は、露光時間を設定するための第二操作子によって、露光時間以外の撮像環境要素を第一操作子で変更可能なモードに遷移させる構成である。すなわち第一の発明では、第一操作子の機能を切り替える操作子と、露光時間を設定するための操作子とを共通化しているため、操作子の数を低減することができる。また、被写体に応じて頻繁に変更される露光時間を変更可能なモードが第一操作子によって撮像環境要素を変更可能なモードの上位モードに相当するため、操作性に優れている。
【0007】
上記目的を達成するため、第二の発明に係るディジタルカメラは、モードに応じて少なくとも2つの撮像環境要素のいずれかについてパラメータを変更可能な第一操作子と、前記第一操作子によっていずれかの前記撮像環境要素についてパラメータを変更可能なモードに遷移するための少なくとも2つの項目と所定の絞り値に対応する複数の項目とを含む選択対象項目のいずれか一つを選択するための第二操作子と、前記第一操作子によって設定される撮像環境要素及び前記第二操作子によって設定される絞り値で被写体を撮像したディジタル画像を作成する撮像手段と、を備えることを特徴とする。第二の発明は、絞り値を設定するための第二操作子によって、絞り値以外の撮像環境要素を第一操作子で変更可能なモードに遷移させる構成である。すなわち第二の発明では、第一操作子の機能を切り替える操作子と、絞り値を設定するための操作子とを共通化しているため、操作子の数を低減することができる。また、被写体に応じて頻繁に変更される絞り値を変更可能なモードが第一操作子によって撮像環境要素を変更可能なモードの上位モードに相当するため、操作性に優れている。
【0008】
上記目的を達成するため、第三の発明に係るディジタルカメラは、モードに応じて少なくとも2つの撮像環境要素のいずれかについてパラメータを変更可能な第一操作子と、前記第一操作子によっていずれかの前記撮像環境要素についてパラメータを変更可能なモードに遷移するための少なくとも2つの項目と所定の感度値に対応する複数の項目とを含む選択対象項目のいずれか一つを選択するための第二操作子と、前記第一操作子によって設定される撮像環境要素及び前記第二操作子によって設定される感度値で被写体を撮像したディジタル画像を作成する撮像手段と、を備えることを特徴とする。第三の発明は、感度値を設定するための第二操作子によって、感度値以外の撮像環境要素を第一操作子で変更可能なモードに遷移させる構成である。すなわち第三の発明では、第一操作子の機能を切り替える操作子と、感度値を設定するための操作子とを共通化しているため、操作子の数を低減することができる。
【0009】
さらに第一の発明、第二の発明、又は第三の発明に係るディジタルカメラでは、前記第一操作子によって設定される複数の撮像環境要素を個別に表示するための複数の専用表示手段をさらに備えることが望ましい。第一操作子によって変更される撮像環境要素を、当該撮像環境要素が変更可能でないモードでも確認できるため、操作性に優れている。
【0010】
さらに第一の発明、第二の発明、又は第三の発明に係るディジタルカメラでは、前記第一操作子は所定のモードでホワイトバランスについてパラメータを変更可能であることが望ましい。
さらに第一の発明、第二の発明、又は第三の発明に係るディジタルカメラでは、前記第一操作子は所定のモードでディジタル画像の圧縮率についてパラメータを変更可能であることが望ましい。
【0011】
尚、本発明に備わる手段の各機能は、構成自体で機能が特定されるハードウェア資源、プログラムにより機能が特定されるハードウェア資源、又はそれらの組み合わせにより実現される。また、これら手段の各機能は、各々が物理的に互いに独立したハードウェア資源で実現されるものに限定されない。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、実施例に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図2は、本発明の一実施例によるディジタルカメラ1を示すブロック図である。
【0013】
撮像手段としてのレンズ42はイメージセンサ46の受光面に被写体を結像させる。
撮像手段としての絞り44は、チャージレバー66(図1参照)によって蓄積される弾性エネルギーを駆動源とするシャッタ駆動部28によって駆動され、シャッタスピードダイヤル34によって設定される露光時間と、シャッタスピードダイヤル34及び露出補正ダイヤル36によって設定される絞り値とに応じて開閉する。
【0014】
撮像手段としてのイメージセンサ46は、2次元空間に離散的に配置された受光セルとCCD(Charge Coupled Device)等の電荷転送素子とを備えたエリアイメージセンサである。イメージセンサ46は、センサ駆動部50によって駆動される。イメージセンサ46は、光電変換により得られる電荷を受光セル毎に蓄積し、受光セル毎の受光量に応じた電気信号を出力する。受光面にC(Cyan)、M(Magenta)、Y(Yellow)及びG(Green)の4色の補色フィルタ、又はR(Red)、G(Green)及びB(Blue)の原色フィルタを設けることによりカラー画像を形成することが可能になる。
【0015】
撮像手段としてのアナログディジタル変換器(ADC)48は、イメージセンサ46から出力されるアナログ電気信号を量子化してディジタル信号に変換する。具体的には例えば、ADC48は、電気信号に含まれる雑音の低減処理、ゲイン及びオフセットの調整による電気信号のレベル調整処理、量子化処理等を行う。
【0016】
撮像手段としてのディジタル画像処理部54は、ADC48から出力されたディジタル信号に対し、画像形成処理、ホワイトバランス補正、ガンマ補正、色空間変換等を施し、各画素についてR、G、Bの階調値や、Y、Cb、Crの階調値などを表すディジタル画像を出力する。尚、ここでいう画像形成処理とは、受光セルから出力された一色分の階調値を近傍の受光セルの異なる色の階調値で補間することにより画素毎にRGB又はYCbCrの3つの階調値を持つディジタル画像を出力する処理である。
【0017】
圧縮・伸張部52は、ディジタル画像を圧縮又は伸張する。具体的には、ディジタル画像の系列変換及びエントロピー符号化を行うことによりディジタル画像を圧縮し、それらの逆変換を施すことによりディジタル画像を伸張する。具体的には例えば離散コサイン変換、量子化、ランレングス符号化及びハフマン符号化を用いてディジタル画像を圧縮する。量子化に用いる量子化テーブルを変更することによって量子化ステップ幅を変更すると、圧縮率を変更することができる。
【0018】
リムーバブルメモリインタフェース58は、リムーバブルメモリ60を脱着自在に接続可能であって、圧縮・伸張部52によって圧縮されたディジタル画像をリムーバブルメモリ60に格納する。また、圧縮・伸張部52によって伸張されるディジタル画像は、リムーバブルメモリインタフェース58によってリムーバブルメモリ60から読み出される。
ワークメモリ56は、ディジタル画像処理部54及び圧縮・伸張部52で処理されるデータを一時的に格納するためのメモリである。
【0019】
制御部30は、図示しないCPU、ROM、RAM及びインタフェース回路を備える。制御部30はROMに記憶されているコンピュータプログラムを実行することにより、ディジタルカメラ1の全体を制御する。ROMに記憶する各種のプログラムやデータは所定のサーバからネットワークを介してダウンロードして記憶してもよいし、リムーバブルメモリ60等のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体から読み出して記憶してもよい。
【0020】
図1は、ディジタルカメラ1を示す平面図である。
チャージレバー66は、絞り44を一回開閉させるための弾性エネルギーをシャッタ駆動部28に蓄積するための操作子である。
シャッタボタン32は、絞り44を作動させるタイミングと、センサ駆動部50、ディジタル画像処理部54等を作動させてディジタル画像の生成を開始するタイミングとを制御部30に指示するための押しボタンスイッチである。
【0021】
第二操作子としてのシャッタスピードダイヤル34は、主に露光時間を設定するためのダイヤルスイッチである。シャッタスピードダイヤル34には、選択対象項目として、複数の露光時間と「WB」と「Q」とが記され、ユーザはシャッタスピードダイヤル34を回転させることにより、それらのいずれかを選択可能である。シャッタスピードダイヤル34を回転させ、ハウジング62に形成されたマーク82にシャッタスピードダイヤル34に記された露光時間を合わせると、マーク82に合った露光時間が設定される。シャッタスピードダイヤル34によって露光時間が設定されると、絞り値が露光時間に応じて自動設定される。また、シャッタスピードダイヤル34は、撮影モードからホワイトバランス設定モード及び圧縮率設定モードに遷移させるための機能を有している。シャッタスピードダイヤル34を回転させ、シャッタスピードダイヤル34に記された「WB」をマーク82に合わせると、ホワイトバランス設定モードに遷移する。シャッタスピードダイヤル34を回転させ、シャッタスピードダイヤル34に記された「Q」をマーク82に合わせると、圧縮率設定モードに遷移する。
【0022】
また、シャッタスピードダイヤル34を回転軸方向に引き上げた状態で回転させることにより感度値を調整することもできる。具体的には、シャッタスピードダイヤル34を回転軸方向に引き上げた状態で回転させることによりADC48のゲイン及びオフセットに対応する感度値を設定することができる。
文字盤76には、ホワイトバランス及び圧縮率の選択対象項目、並びにバッテリ残量を示す表記が記されている。
【0023】
専用表示手段としてのホワイトバランス指針12は、文字盤76に示されたホワイトバランスの選択対象項目のいずれか1つを指し示す回転針である。ホワイトバランス指針12は、ステッピングモータを駆動源とするホワイトバランス指針駆動部20によって駆動される。専用表示手段としての圧縮率指針14は、文字盤76に示された圧縮率の選択対象項目のいずれか1つを指し示す回転針である。圧縮率指針14は、ステッピングモータを駆動源とする圧縮率指針駆動部22によって駆動される。バッテリ残量指針16は、文字盤76に示されたバッテリ残量を示す表記を指し示す回転針である。バッテリ残量指針16は、ステッピングモータを駆動源とするバッテリ残量指針駆動部24によって駆動される。
【0024】
文字盤76の外周囲にはリムーバブルメモリ60に追加記録可能な画像ファイル数(以下、撮像可能回数という。)を示す数字が記された文字リング78が設けられている。撮像可能回数指針18は、文字リング78のいずれかの部位を指し示すことによって撮像可能回数を示す回転針である。撮像可能回数指針18は、ステッピングモータを駆動源とする撮像可能回数指針駆動部26によって駆動される。
【0025】
文字リング78の外周囲には露出補正ダイヤル36が設けられている。露出補正ダイヤル36は露光時間に応じて自動設定される絞り値を手動補正するためのダイヤルスイッチである。露出補正ダイヤル36には複数の数字(−2,−1,0,1,2)が表記され、マーク80に合わせられた数字に応じて絞り値が手動補正される。すなわち、絞り値はシャッタスピードダイヤル34及び露出補正ダイヤル36によって設定される。
第一操作子としての共用ダイヤル74は、ホワイトバランス及び圧縮率を設定するためのダイヤルスイッチである。
【0026】
ホワイトバランス設定モードにおいて共用ダイヤル74を回転させると、太陽光、白熱灯、蛍光灯、ストロボ等の光源の色温度に応じて撮像環境要素としてのホワイトバランスのパラメータを手動設定することができる。また、ホワイトバランス設定モードにおいて共用ダイヤル74を回転させてホワイトバランスを自動補正設定にすることができる。ホワイトバランス設定モードにおいて共用ダイヤル74を回転させると、共用ダイヤル74の回転角度に応じてホワイトバランス指針12が回転し、共用ダイヤル74の回転角度に応じて設定されるホワイトバランスの選択対象項目のいずれか1つがホワイトバランス指針12によって指し示される。
【0027】
圧縮率設定モードにおいて共用ダイヤル74を回転させると、圧縮・伸張部52でディジタル画像を圧縮する際に用いる量子化テーブルを変更し、撮像環境要素としての圧縮率を設定することができる。圧縮率設定モードにおいて共用ダイヤル74を回転させると、共用ダイヤル74の回転角度に応じて圧縮率指針14が回転し、共用ダイヤル74の回転角度に応じて設定される圧縮率の選択対象項目のいずれか1つが圧縮率指針14によって指し示される。
【0028】
以上、ディジタルカメラ1の構成を説明した。次に撮像環境要素を設定して被写体を撮像する作動を説明する。
ユーザがシャッタスピードダイヤル34をその回転軸方向に引き上げずに回転させると、シャッタスピードダイヤル34の軸方向の位置と回転角度に応じた信号が制御部30で検出される。制御部30で検出された信号がシャッタスピードダイヤル34に記されたいずれかの露光時間がマーク82に合った状態に対応している場合、制御部30は所定の露光時間と絞り値を設定する。制御部30で検出された信号がシャッタスピードダイヤル34に記された「Q」がマーク82に合った状態に対応している場合、圧縮率を変更可能なモードに遷移する。制御部30で検出された信号がシャッタスピードダイヤル34に記された「WB」がマーク82に合った状態に対応している場合、ホワイトバランスを変更可能なモードに遷移する。
【0029】
ユーザが露出補正ダイヤル36を回転させると、露出補正ダイヤル36の回転角度に応じた信号が制御部30で検出される。制御部30は、露出補正ダイヤル36の回転角度に応じて絞り値を設定する。
【0030】
ユーザがシャッタスピードダイヤル34をその回転軸方向に引き上げると、感度値を変更可能なモードに遷移する。感度値を変更可能なモードでユーザがシャッタスピードダイヤル34を回転させると、図示しない感度表示盤が回転し、感度表示窓64から見える感度表示板に記された感度が変わり、シャッタスピードダイヤル34の軸方向の位置と回転角度に応じた信号が制御部30で検出され、制御部30はシャッタスピードダイヤル34の回転角度に応じた感度値を設定する。
【0031】
圧縮率を変更可能なモード及びホワイトバランスを変更可能なモードでは、共用ダイヤル74の操作が有効でシャッタボタン32の操作が無効である。圧縮率を変更可能なモードでユーザが共用ダイヤル74を回転させると、共用ダイヤル74の回転角度に応じた信号が制御部30で検出され、その回転角度に応じた量子化テーブルが設定される。ホワイトバランスを変更可能なモードでユーザが共用ダイヤル74を回転させると、共用ダイヤル74の回転角度に応じた信号が制御部30で検出され、その回転角度に応じてホワイトバランス補正のパラメータが設定される。
【0032】
シャッタスピードダイヤル34に記されたいずれかの露光時間がマーク82に合ったモードでは、共用ダイヤル74の操作が無効でシャッタボタン32の操作が有効である。制御部30は、シャッタボタン32が押された時、シャッタスピードダイヤル34の回転角度に応じて設定されている露光時間とシャッタスピードダイヤル34の回転角度及び露出補正ダイヤル36の回転角度に応じて設定されている絞り値に基づいてシャッタ駆動部28を制御する。シャッタ駆動部28に駆動されて絞り44が所定面積で所定時間開口すると、イメージセンサ46の受光面に結像された被写体の光学像の濃淡に応じた電荷がイメージセンサ46に蓄積される。イメージセンサ46に蓄積された電荷は、ADC48で感度値に応じたゲイン及びオフセットでディジタル信号に変換される。ADC48から出力されるディジタル信号は、ディジタル画像処理部54に入力され、ホワイトバランスを変更可能なモードで設定されたパラメータに基づいたホワイトバランス補正等がディジタル画像処理部54で施される。ディジタル画像処理部54から出力されるディジタル画像は、圧縮・伸張部52に入力され、圧縮率を変更可能なモードで設定された量子化テーブルを用いて圧縮される。圧縮されたディジタル画像は、リムーバブルメモリインタフェース58によってリムーバブルメモリ60に格納される。
【0033】
以上説明した本発明の実施例では、露光時間を設定するためのシャッタスピードダイヤル34によって、ホワイトバランス補正のパラメータを変更可能なモード又は圧縮率を設定するための量子化テーブルを変更可能なモードに遷移させる構成である。すなわち、共用ダイヤル74の機能を切り替える操作子と、露光時間を設定するための操作子としての機能をシャッタスピードダイヤル34に備えているため、操作子の数を低減することができる。また、被写体に応じて頻繁に変更される露光時間を変更可能なモードが共用ダイヤル74によってホワイトバランス補正のパラメータ又は圧縮率を変更可能なモードの上位モードに相当するため、操作性に優れている。さらに、共用ダイヤル74によって設定されるホワイトバランスと圧縮率の設定状態を個別に表示するための複数の指針を備えているため、ホワイトバランスを変更可能なモードでなくてもホワイトバランスの設定状態を確認することができ、圧縮率を変更可能なモードでなくても圧縮率の設定状態を確認することができるため、操作性に優れている。
【0034】
なお、以上説明した実施例では、シャッタスピードダイヤル34を引き上げずに回転させることによってホワイトバランスを変更可能なモード及び圧縮率を変更可能なモードに遷移させる構成を説明したが、露出補正ダイヤル36を回転させることによってそれらのモードに遷移させる構成を採用してもよいし、シャッタスピードダイヤル34を引き上げて回転させることによってそれらのモードに遷移させる構成を採用してもよい。
【0035】
具体的には例えば露出補正ダイヤル36にWB及びQを追記し、WBがマーク80に合わせられると、ホワイトバランスを変更可能なモードに遷移し、Qがマーク80に合わせられると、圧縮率を変更可能なモードに遷移するように構成してもよい。また例えば、シャッタースピードダイヤル34が引き上げられた状態でのみシャッタースピードダイヤル34とともに回転する図示しない感度表示盤にWB及びQを追記し、シャッタースピードダイヤル34が引き上げられた状態で感度表示窓64からWBが見える角度に回転すると、ホワイトバランスを変更可能なモードに遷移し、シャッタースピードダイヤル34が引き上げられた状態で感度表示窓64からQが見える角度に回転すると、圧縮率を変更可能なモードに遷移するように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の一実施例に係る平面図であり、(B)はその部分拡大図である。
【図2】本発明の一実施例に係るブロック図である。
【符号の説明】
1 ディジタルカメラ、12 ホワイトバランス指針(専用表示手段)、14圧縮率指針(専用表示手段)、34 シャッタスピードダイヤル(第二操作子)、2 レンズ(撮像手段)、46 イメージセンサ(撮像手段)、50 センサ駆動部(撮像手段)、54 ディジタル画像処理部(撮像手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モードに応じて少なくとも2つの撮像環境要素のいずれかについてパラメータを変更可能な第一操作子と、
前記第一操作子によっていずれかの前記撮像環境要素についてパラメータを変更可能なモードに遷移するための少なくとも2つの項目と所定の露光時間に対応する複数の項目とを含む選択対象項目のいずれか一つを選択するための第二操作子と、
前記第一操作子によって設定される撮像環境要素及び前記第二操作子によって設定される露光時間で被写体を撮像したディジタル画像を作成する撮像手段と、を備えることを特徴とするディジタルカメラ。
【請求項2】
モードに応じて少なくとも2つの撮像環境要素のいずれかについてパラメータを変更可能な第一操作子と、
前記第一操作子によっていずれかの前記撮像環境要素についてパラメータを変更可能なモードに遷移するための少なくとも2つの項目と所定の絞り値に対応する複数の項目とを含む選択対象項目のいずれか一つを選択するための第二操作子と、
前記第一操作子によって設定される撮像環境要素及び前記第二操作子によって設定される絞り値で被写体を撮像したディジタル画像を作成する撮像手段と、
を備えることを特徴とするディジタルカメラ。
【請求項3】
モードに応じて少なくとも2つの撮像環境要素のいずれかについてパラメータを変更可能な第一操作子と、
前記第一操作子によっていずれかの前記撮像環境要素についてパラメータを変更可能なモードに遷移するための少なくとも2つの項目と所定の感度値に対応する複数の項目とを含む選択対象項目のいずれか一つを選択するための第二操作子と、
前記第一操作子によって設定される撮像環境要素及び前記第二操作子によって設定される感度値で被写体を撮像したディジタル画像を作成する撮像手段と、
を備えることを特徴とするディジタルカメラ。
【請求項4】
前記第一操作子によって設定される複数の撮像環境要素を個別に表示するための複数の専用表示手段をさらに備えることを特徴とする請求項1、2又は3に記載のディジタルカメラ。
【請求項5】
前記第一操作子は所定のモードでホワイトバランスについてパラメータを変更可能であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のディジタルカメラ。
【請求項6】
前記第一操作子は所定のモードでディジタル画像の圧縮率についてパラメータを変更可能であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のディジタルカメラ。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2004−363985(P2004−363985A)
【公開日】平成16年12月24日(2004.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−160369(P2003−160369)
【出願日】平成15年6月5日(2003.6.5)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】