説明

ヒンジ

【課題】回動角度が予め設定された角度に到達したことを音で知らせることが可能なヒンジを提供する。
【解決手段】ヒンジ1に、第一連結対象物に固定される固定ブラケット11、第二連結対象物に固定される回動ブラケット13、固定ブラケット11に相対回転不能に固定されるとともに回動ブラケット13に回転可能に軸支されるシャフト14、および固定ブラケット11に対する回動ブラケット13の回動角度が予め設定された音発生角度に到達したときに音を発生させる音発生機構20を具備した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二つの部材を回動可能に連結するヒンジに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機、ファクシミリ、スキャナー等、オフィスで使用される事務機器の本体と、原稿を事務機器の本体上部の読み取り部に圧着するための原稿圧着板と、を回動可能に連結するヒンジが知られている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
特許文献1に記載のヒンジは、下部固定部材と中間部材との間に設けられた巻きバネの付勢力によって原稿圧着板の重量を支え、フリーストップ機能(任意の回動角度で原稿圧着板を保持する機能)を達成する。
【0003】
また、事務機器の本体と、作業者が事務機器を操作するための操作パネルと、を回動可能に連結するヒンジも知られている。例えば、特許文献2に記載の如くである。
特許文献2に記載のヒンジは、アーム部材に或る程度の大きさのトルクが作用した場合に本体側取り付け部材に対してアーム部材が回動することを許容する回動規制機構として、回動軸に貫装された皿ばね座金を備える。
【0004】
しかし、特許文献2に記載のヒンジの場合、作業者は本体側取り付け部材に対するアーム部材の回動角度を目視で大まかに見当を付けなければならず、本体側取り付け部材に対するアーム部材の回動角度を所望の角度に精度良く調整しにくい(所望の回動角度になったのかどうか確認しにくい)。
【0005】
このような問題を解消する方法の一つとしては、回動可能に連結される二つの部材の一方に目盛を形成し、他方に当該目盛を指す突起を形成し、当該突起が指す目盛に基づいて二つの部材の回動角度を視認する方法が挙げられる。
しかし、ヒンジの用途によっては、美観上の理由等から視認可能な位置に目盛および突起を形成することが出来ない場合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−237046号公報
【特許文献2】特開2011−007309号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明が解決しようとする課題は、回動角度が予め設定された角度に到達したことを音で知らせることが可能なヒンジを提供すること、である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下では、上記課題を解決するための手段を説明する。
【0009】
即ち、請求項1においては、
第一連結対象物に固定される第一固定部材と、
第二連結対象物に固定される第二固定部材と、
前記第一固定部材に相対回転不能に固定されるとともに前記第二固定部材に回転可能に軸支される軸部材と、
前記第一固定部材に対する前記第二固定部材の回動角度が予め設定された音発生角度に到達したときに音を発生させる音発生機構と、
を具備する。
【0010】
請求項2においては、
前記音発生機構は、
前記軸部材に相対回転不能に支持される本体部、一端部が前記本体部に連なり他端部が前記軸部材の半径方向に延びるとともに前記本体部に対して前記軸部材の軸線方向に弾性変形可能な延長部、および、前記延長部の他端部に連なる嵌合凸部を有する第一音発生部材と、
前記第二固定部材に着脱可能に固定され、当接面を有し、前記当接面には嵌合凹部が形成される第二音発生部材と、
を備え、
前記第一固定部材に対して前記第二固定部材が回動するとき、前記嵌合凸部が前記当接面に当接するとともに前記延長部が弾性変形した状態を保持しつつ、前記嵌合凸部が前記当接面に沿って移動し、
前記第一固定部材に対する前記第二固定部材の回動角度が予め設定された音発生角度に到達したとき、前記延長部の弾性変形量が小さくなるように前記嵌合凸部が前記嵌合凹部に嵌合することにより音が発生する。
【0011】
請求項3においては、
前記軸部材の外周面には係合面が形成され、
前記第一音発生部材の本体部には貫装孔が形成され、
前記貫装孔の内周面には係合端面が形成され、
前記軸部材が前記貫装孔に貫装され、前記係合端面が前記係合面に係合することにより、前記本体部が前記軸部材に相対回転不能に支持される。
【0012】
請求項4においては、
前記軸部材の軸線方向に弾性変形し、前記第一固定部材および前記第二固定部材の間に摩擦力を発生させることにより、前記第一固定部材に対する前記第二固定部材の回動に抗するトルクを付与するトルク付与部材を具備する。
【0013】
請求項5においては、
前記音発生機構が音を発生させるときの前記第一固定部材に対する前記第二固定部材の回動に抗するトルクの変動量は、前記トルク付与部材が付与するトルクよりも小さい。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、回動角度が予め設定された角度に到達したことを音で知らせることが可能である、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係るヒンジの実施の一形態を示す左前上方からの斜視図。
【図2】本発明に係るヒンジの実施の一形態における一方の回動連結部分を示す左前上方からの要部斜視図。
【図3】本発明に係るヒンジの実施の一形態における他方の回動連結部分を示す左前上方からの要部斜視図。
【図4】(a)第一音発生部材の実施の一形態を示す左前上方からの斜視図、(b)第一音発生部材の実施の一形態を示す右後下方からの斜視図。
【図5】(a)第一音発生部材の実施の一形態を示す左側面図、(b)第一音発生部材の実施の一形態を示す背面図。
【図6】(a)第二音発生部材の実施の一形態を示す左前上方からの斜視図、(b)第二音発生部材の実施の一形態を示す右後下方からの斜視図。
【図7】(a)第二音発生部材の実施の一形態を示す左側面図、(b)第二音発生部材の実施の一形態を示す正面図。
【図8】(a)θ=0°のときの本発明に係るヒンジの実施の一形態を示す左側面断面図、(b)θ=15°のときの本発明に係るヒンジの実施の一形態を示す左側面断面図、(c)θ=40°のときの本発明に係るヒンジの実施の一形態を示す左側面断面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下では図面を参照しつつ、本発明に係るヒンジの実施の一形態であるヒンジ1について説明する。図1に示すヒンジ1は事務機器の本体と、事務機器の操作パネル(いずれも不図示)と、を回動可能に連結する。
ここで、「事務機器の本体」は本発明に係る第一連結対象物の実施の一形態に相当し、「事務機器の操作パネル」は本発明に係る第二連結対象物の実施の一形態に相当する。「事務機器」の具体例としては、スキャナー、ファクス、プリンタ、複合機等が挙げられる。
なお、本発明に係る第一連結対象物および第二連結対象物は事務機器の本体および操作パネルに限定されず、「ヒンジにより回動可能に連結され得る二つの物品」を広く含む。
本発明に係る第一連結対象物および第二連結対象物の別の実施形態としては乗用車のダッシュボードおよびカーナビゲーションの液晶モニタが挙げられる。
【0017】
図1から図3に示す如く、ヒンジ1は固定ブラケット11・12、回動ブラケット13、シャフト14、ストッパ15、ワッシャ16、摩擦板17・18、ワッシャ19、音発生機構20、ウェーブワッシャ23、ワッシャ24、ナット25、シャフト26、スペーサ27・28およびナット29を具備する。
以下では便宜上、図1に示す上下方向、前後方向および左右方向を用いてヒンジ1を構成する各部材の詳細について説明する。
また、以下では図1に示すときの固定ブラケット11に対する回動ブラケット13の回動角度θ=0°とし、固定ブラケット11に対して回動ブラケット13が左側面視で反時計回りに回動する場合に回動角度θが増加するものとし(図8参照)、ヒンジ1を構成する各部材の形状については回動角度θ=0°のときの姿勢を基準として説明する。
【0018】
固定ブラケット11は本発明に係る第一固定部材の実施の一形態である。
固定ブラケット11は底板11aおよび側板11bを備える。底板11aは上下一対の板面を有する。側板11bは左右一対の板面を有し、側板11bの下端部は底板11aの右端部に連なる。本実施形態の固定ブラケット11は金属板を折り曲げることにより製造される。図2に示す如く、底板11aには上下一対の板面を貫通する貫通孔11c・11c・・・が形成される。貫通孔11c・11c・・・にネジ(不図示)を貫装し、当該ネジを事務機器の本体に形成されたネジ穴(不図示)にねじ込むことにより、固定ブラケット11は事務機器の本体に固定される。側板11bには左右一対の板面を貫通する貫通孔11dが形成される。貫通孔11dの側面視形状は一対の平行な直線および一対の円弧を交互に繋げた形状である。
【0019】
固定ブラケット12は底板12aおよび側板12bを備える。底板12aは上下一対の板面を有する。側板12bは左右一対の板面を有し、側板12bの下端部は底板12aの右端部に連なる。本実施形態の固定ブラケット12は金属板を折り曲げることにより製造される。図3に示す如く、底板12aには上下一対の板面を貫通する貫通孔12c・12c・・・が形成される。貫通孔12c・12c・・・にネジ(不図示)を貫装し、当該ネジを事務機器の本体に形成されたネジ穴(不図示)にねじ込むことにより、固定ブラケット12は事務機器の本体に固定される。側板12bには左右一対の板面を貫通する貫通孔12dが形成される。貫通孔12dの側面視形状は一つの平行な直線および一つの円弧をそれぞれの端部で繋げた形状である。
【0020】
回動ブラケット13は本発明に係る第二固定部材の実施の一形態であり、固定ブラケット11・12に回動可能に連結される。
回動ブラケット13は底板13aおよび一対の側板13b・13cを備える。底板13aは上下一対の板面を有する。側板13b・13cはいずれも左右一対の板面を有する。側板13bの下端部は底板13aの右端部に連なり、側板13cの下端部は底板13aの左端部に連なる。本実施形態の回動ブラケット13は金属板を折り曲げることにより製造される。
【0021】
図1に示す如く、底板13aには上下一対の板面を貫通する貫通孔13d・13dが形成される。貫通孔13d・13dにネジ(不図示)を貫装し、当該ネジを事務機器の操作パネルに形成されたネジ穴(不図示)にねじ込むことにより、回動ブラケット13は事務機器の操作パネルに固定される。
【0022】
図2に示す如く、側板13bには左右一対の板面を貫通する貫通孔13e、回動規制溝13fおよび係止孔13g・13h・13i・13j・13k・13mが形成される。
貫通孔13eは側板13bの前半部に配置される側面視円形の孔である。回動規制溝13fは側板13bの左右一対の板面を切り通すとともに側板13bの前端面に開口する溝であり、上下一対の壁面、および貫通孔13eと同心の円弧状の底面を有する。係止孔13g・13hはそれぞれ貫通孔13eの後下方および後上方に配置される側面視矩形の孔である。係止孔13iは貫通孔13eの後方、係止孔13gの後上方かつ係止孔13hの後下方に配置される側面視円形の孔である。係止孔13jは係止孔13iの後方に配置される側面視円形の孔である。係止孔13kは係止孔13hの後方かつ係止孔13jの上方に配置される側面視矩形の孔である。係止孔13mは係止孔13gの後方かつ係止孔13jの下方に配置される側面視矩形の孔である。
【0023】
図3に示す如く、側板13cには左右一対の板面を貫通する貫通孔13nが形成される。
貫通孔13nは側板13cの前半部に配置される側面視円形の孔である。
【0024】
図2に示すシャフト14は本発明に係る軸部材の実施の一形態である。シャフト14は第一胴体部14a、フランジ部14bおよび第二胴体部14cを備える。本実施形態のシャフト14は金属材料のブロックに切削加工を施すことにより製造された概ね左右方向に延びた(軸線方向が左右方向に平行な)円柱形状の部材である。第一胴体部14aはシャフト14の右半部を成し、第一胴体部14aの外周面の右端部には一対の平行な平面である係止面14d・14dが形成される。フランジ部14bはシャフト14の左右中央部を成し、左右一対の盤面を有する概ね円盤形状の部分であり、第一胴体部14aの左端部に連なる。フランジ部14bの直径は第一胴体部14aの直径よりも大きい。第二胴体部14cはシャフト14の左半部を成し、フランジ部14bの左端部に連なる。第二胴体部14cの直径は第一胴体部14aの直径に概ね等しい。第二胴体部14cの外周面には雄ネジが形成される。また、第二胴体部14cの外周面の右端部には一対の平行な平面である係合面14e・14eが形成される。係合面14e・14eは本発明に係る(軸部材の外周面に形成された)係合面の実施の一形態に相当する。
【0025】
図1および図2に示す如く、シャフト14の第一胴体部14aの右端部を固定ブラケット11の側板11bに形成された貫通孔11dに嵌装することにより、係止面14d・14dは貫通孔11dの内周面のうち側面視で一対の平行な直線を成す部分に係合し、シャフト14は固定ブラケット11に対して相対回転不能に支持される。そして、第一胴体部14aの外周面と貫通孔11dの内周面との隙間においてろう付けを施すことにより、シャフト14は固定ブラケット11に相対回転不能、かつ軸線方向に相対位相不能に(脱落不能に)固定される。
【0026】
図2に示すストッパ15は固定ブラケット11に対する回動ブラケット13の回動角度を予め設定された範囲内(本実施形態の場合、0°≦θ≦40°)に規制する部材である(図8の(a)および(c)参照)。
本実施形態のストッパ15は本体部15aおよび突起部15bを備える。本実施形態のストッパ15は金属板に孔空け加工および折り曲げ加工を施すことにより製造される。
本体部15aは左右一対の盤面を有する概ね円盤形状の部分である。本体部15aには左右一対の盤面を貫通する貫通孔15cが形成される。貫通孔15cの側面視形状は一対の平行な直線および一対の円弧を交互に繋げた形状である。突起部15bは本体部15aの外周部の前端部から左側方に延びた板状の部分である。シャフト14の第二胴体部14cをストッパ15の本体部15aに形成された貫通孔15cに貫装することにより、係合面14e・14eは貫通孔15cの内周面のうち側面視で一対の平行な直線を成す部分に係合し、ストッパ15はシャフト14に対して相対回転不能に支持される。第二胴体部14cが貫通孔15cに貫装されたとき、本体部15aの右側の盤面はフランジ部14bの左側の盤面に当接する。
【0027】
ワッシャ16は左右一対の盤面を有する概ね円盤形状の部材である。本実施形態のワッシャ16は金属板に孔空け加工を施すことにより製造される。ワッシャ16には左右一対の盤面を貫通する貫通孔16aが形成される。貫通孔16aの側面視形状は一対の平行な直線および一対の円弧を交互に繋げた形状である。シャフト14の第二胴体部14cをワッシャ16に形成された貫通孔16aに貫装することにより、係合面14e・14eは貫通孔16aの内周面のうち側面視で一対の平行な直線を成す部分に係合し、ワッシャ16はシャフト14に対して相対回転不能に支持される。第二胴体部14cが貫通孔16aに貫装されたとき、ワッシャ16の右側の盤面はストッパ15の本体部15aの左側の盤面に当接する。
【0028】
摩擦板17は本体部17aおよび突起部17bを備える。本実施形態の摩擦板17は軟らかい銅板に孔空け加工および折り曲げ加工を施すことにより製造される。本体部17aは左右一対の盤面を有する概ね円盤形状の部分である。本体部17aには左右一対の盤面を貫通する側面視円形の貫通孔17cが形成される。突起部17bは本体部17aの外周部の後下端部から左側方に延びた板状の部分である。第二胴体部14cが貫通孔17cに貫装されたとき、摩擦板17はシャフト14に対して相対回転可能に支持され、本体部17aの右側の盤面はワッシャ16の左側の盤面に当接する。
【0029】
図2に示す如く、シャフト14の第二胴体部14cは回動ブラケット13の側板13bに形成された貫通孔13eに貫装される。
第二胴体部14cが貫通孔13eに貫装されたとき、シャフト14は回動ブラケット13に回転可能に軸支される。また、側板13bの右側の板面は摩擦板17の本体部17aの左側の盤面に当接し、摩擦板17の突起部17bは回動ブラケット13の側板13bに形成された係止孔13gに嵌合し、摩擦板17は回動ブラケット13(の側板13b)に相対回転不能に係止される。さらに、ストッパ15の突起部15bが回動ブラケット13の側板13bに形成された回動規制溝13fに嵌合する。
【0030】
摩擦板18は本体部18aおよび突起部18bを備える。本実施形態の摩擦板18は軟らかい銅板に孔空け加工および折り曲げ加工を施すことにより製造される。本体部18aは左右一対の盤面を有する概ね円盤形状の部分である。本体部18aには左右一対の盤面を貫通する側面視円形の貫通孔18cが形成される。突起部18bは本体部18aの外周部の後上端部から右側方に延びた板状の部分である。第二胴体部14cが貫通孔18cに貫装されたとき、摩擦板18はシャフト14に対して相対回転可能に支持され、本体部18aの右側の盤面は回動ブラケット13の側板13bの左側の板面に当接し、摩擦板18の突起部18bは回動ブラケット13の側板13bに形成された係止孔13hに嵌合し、摩擦板18は回動ブラケット13(の側板13b)に相対回転不能に係止される。
【0031】
ワッシャ19は左右一対の盤面を有する概ね円盤形状の部材である。本実施形態のワッシャ19は金属板に孔空け加工を施すことにより製造される。ワッシャ19には左右一対の盤面を貫通する貫通孔19aが形成される。貫通孔19aの側面視形状は一対の平行な直線および一対の円弧を交互に繋げた形状である。シャフト14の第二胴体部14cをワッシャ19に形成された貫通孔19aに貫装することにより、係合面14e・14eは貫通孔19aの内周面のうち側面視で一対の平行な直線を成す部分に係合し、ワッシャ19はシャフト14に対して相対回転不能に支持される。第二胴体部14cが貫通孔19aに貫装されたとき、ワッシャ19の右側の盤面は摩擦板18の本体部18aの左側の盤面に当接する。
【0032】
音発生機構20は本発明に係る音発生機構の実施の一形態である。音発生機構20は固定ブラケット11に対する回動ブラケット13の回動角度θが予め設定された音発生角度に到達したとき(本実施形態の場合、θ=15°のとき)に音を発生させる。図1および図2に示す如く、本実施形態の音発生機構20は第一音発生部材21および第二音発生部材22を備える。
【0033】
第一音発生部材21は本発明に係る第一音発生部材の実施の一形態である。図2、図4および図5に示す如く、第一音発生部材21は本体部21a、延長部21bおよび嵌合凸部21cを有する。本実施形態の第一音発生部材21は弾性変形可能な薄い金属板に孔空け加工および折り曲げ加工を施すことにより製造される。
本体部21aは左右一対の盤面を有する概ね円盤形状の部分である。本体部21aには左右一対の盤面を貫通する貫装孔21dが形成される。貫装孔21dは本発明に係る(第一音発生部材の本体部に形成された)貫装孔の実施の一形態である。貫装孔21dの側面視形状は一対の平行な直線および一対の円弧を交互に繋げた形状である。換言すれば、本実施形態の貫装孔21dの内周面は「一対の平行な平面および一対の円弧状の曲面」からなり、これらを交互に繋げたものである。「貫装孔21dの内周面における一対の平行な平面」は本発明に係る(第一音発生部材の貫装孔の内周面に形成された)係合端面の実施の一形態である。シャフト14の第二胴体部14cを第一音発生部材21の本体部21aに形成された貫装孔21dに貫装することにより、係合面14e・14eは「貫装孔21dの内周面における一対の平行な平面」に係合し、本体部21a、ひいては第一音発生部材21はシャフト14に対して相対回転不能に支持される。第二胴体部14cが貫装孔21dに貫装されたとき、本体部21aの右側の盤面はワッシャ19の左側の盤面に当接する。
延長部21bは一端部が本体部21aの外周部の後上端部に連なり、他端部が当該一端部に対して後上方(第一音発生部材21がシャフト14に相対回転不能に支持されたときにおけるシャフト14の半径方向)に延びている。図4および図5の(b)に示す如く延長部21bの中途部から他端部までの部分は、延長部21bの一端部から中途部までの部分に対して少し右側方に屈曲している。延長部21bは本体部21aに対して左右方向に(第一音発生部材21がシャフト14に相対回転不能に支持されたときにおけるシャフト14の軸線方向)に弾性変形可能である。
嵌合凸部21cは延長部21bの他端部に連なる部分である。本実施形態の嵌合凸部21cは右側方に突出し、かつその長手方向が「第一音発生部材21がシャフト14に相対回転不能に支持されたときにおけるシャフト14の半径方向」に平行となる突条(長手方向に延びた形状の突起)であり、延長部21bの他端部に連なる部分に対応する金属板を適宜折り曲げることにより形成される(図5の(b)参照)。
【0034】
図2、図6および図7に示す第二音発生部材22は本発明に係る第二音発生部材の実施の一形態である。本実施形態の第二音発生部材22は樹脂材料を射出成形することにより製造され、左右一対の板面を有する板状の部材である。
第二音発生部材22には位置決め突起22a・22bが形成される。位置決め突起22a・22bはいずれも概ね円柱形状の突起であり、それぞれ第二音発生部材22の右側の板面における前半部および後半部から右側方に突出する。
第二音発生部材22には係止突起22c・22dが形成される。係止突起22c・22dはそれぞれ第二音発生部材22の後上部および後下部から右側方に突出する板状の突起であり、その先端部には係止爪が形成される。
第二音発生部材22は当接面22eを有する。本実施形態の場合、第二音発生部材22の左側の板面が当接面22eを成す。当接面22eには嵌合凹部22fが形成される。本実施形態の嵌合凹部22fは当接面22eの前後中央部かつ上下中央部となる位置から当接面22eの前端部かつ上下中央部となる位置まで切り通された溝である。
【0035】
位置決め突起22a・22bをそれぞれ側板13bの係止孔13i・13j(図2参照)に嵌装することにより、第二音発生部材22は回動ブラケット13(側板13b)に対して上下方向および前後方向に相対移動不能に支持される。また、係止突起22c・22dをそれぞれ側板13bの係止孔13k・13mに嵌装することにより、係止突起22c・22dの係止爪がそれぞれ係止孔13k・13mに係止され、第二音発生部材22は回動ブラケット13(側板13b)に対して左右方向に移動不能に支持される。
このように、第二音発生部材22は回動ブラケット13(側板13b)に固定される。
【0036】
また、本実施形態の場合、係止突起22c・22dを弾性変形させつつ第二音発生部材22を回動ブラケット13の側板13bに対して左側方に引き出すことにより、「係止突起22c・22dの係止爪がそれぞれ係止孔13k・13mに係止された状態」を解除し、第二音発生部材22を回動ブラケット13(側板13b)から取り外すことが可能である。
このように、第二音発生部材22は回動ブラケット13(側板13b)に着脱可能に固定される。なお、第一音発生部材21がシャフト14に支持され、かつ第二音発生部材22が回動ブラケット13に固定されたとき、第一音発生部材21の嵌合凸部21cは第二音発生部材22の当接面22eに対向する。
【0037】
ウェーブワッシャ23は本発明に係るトルク付与部材の実施の一形態である。図2に示す如く、ウェーブワッシャ23は左右一対の盤面を有する概ね円盤形状の部材である。本実施形態のウェーブワッシャ23は弾性変形可能な金属板にプレス加工および孔空け加工を施すことにより製造される。ウェーブワッシャ23には一対の盤面を貫通する側面視円形の貫通孔23aが形成される。ウェーブワッシャ23には、ウェーブワッシャ23を構成する金属板にプレス加工を施すことにより、ウェーブワッシャ23の貫通孔23aから外周端部まで半径方向に延びるとともにウェーブワッシャ23の左側の盤面から左側方に突出した形状の複数の突条が形成される。第二胴体部14cが貫通孔23aに貫装されたとき、ウェーブワッシャ23はシャフト14に対して相対回転可能に支持され、ウェーブワッシャ23の右側の盤面は第一音発生部材21の本体部21aの左側の盤面に当接する。
【0038】
ワッシャ24は左右一対の盤面を有する概ね円盤形状の部材である。本実施形態のワッシャ24は金属板に孔空け加工を施すことにより製造される。ワッシャ24には左右一対の盤面を貫通する貫通孔24aが形成される。貫通孔24aの側面視形状は一対の平行な直線および一対の円弧を交互に繋げた形状である。シャフト14の第二胴体部14cをワッシャ24に形成された貫通孔24aに貫装することにより、係合面14e・14eは貫通孔24aの内周面のうち側面視で一対の平行な直線を成す部分に係合し、ワッシャ24はシャフト14に対して相対回転不能に支持される。第二胴体部14cが貫通孔24aに貫装されたとき、ワッシャ24の右側の盤面はウェーブワッシャ23の左側の盤面(より詳細には、ウェーブワッシャ23に形成された複数の突条の頂部)に当接する。
【0039】
ナット25は左右一対の端面および六つの平面からなる外周面を有する概ね六角柱形状の部材である。ナット25には左右一対の端面を貫通するネジ孔25aが形成され、ネジ孔25aの内周面には雌ネジが形成される。
図1および図2示す如く、ナット25をシャフト14の第二胴体部14cに締め付けたとき(ナット25がシャフト14の第二胴体部14cに螺装されたとき)、ストッパ15、ワッシャ16、摩擦板17、回動ブラケット13、摩擦板18、ワッシャ19、第一音発生部材21、ウェーブワッシャ23およびワッシャ24はシャフト14から脱落不能に支持され、ナット25の右側の端面はワッシャ24の左側の盤面に当接する。
ナット25をシャフト14の第二胴体部14cに更に締め付けたとき、シャフト14、ストッパ15、ワッシャ16、摩擦板17、回動ブラケット13の側板13b、摩擦板18、ワッシャ19、第一音発生部材21、ウェーブワッシャ23およびワッシャ24は左側方、すなわちナット25に接近する方向に引き寄せられ、第一音発生部材21およびワッシャ24に挟まれた位置に配置されたウェーブワッシャ23は左右方向(シャフト14の軸線方向)に圧縮されるように弾性変形する。その結果、「ワッシャ16の左側の盤面と摩擦板17の本体部17aの右側の盤面との間」および「摩擦板18の本体部18aの左側の盤面とワッシャ19の右側の盤面との間」には摩擦力が発生し、ひいては固定ブラケット11に対する回動ブラケット13の回動に抗するトルクが付与される。
【0040】
以下では、図8を用いて固定ブラケット11に対して回動ブラケット13が回動するときの音発生機構20の動作について説明する。
【0041】
図8の(a)に示す如く、固定ブラケット11に対する回動ブラケット13の回動角度θ=0°のとき、第一音発生部材21の嵌合凸部21cは第二音発生部材22の当接面22e(より詳細には、当接面22eのうち嵌合凹部22fよりも上方となる部分)に当接している。また、このとき、第一音発生部材21の延長部21bは、延長部21bの他端部(嵌合凸部21cに連なる方の端部)が延長部21bの一端部(本体部21aに連なる方の端部)よりも左側方(図8の(a)における紙面手前側)に突出するように弾性変形している。すなわち、回動角度θ=0°のとき、第一音発生部材21の嵌合凸部21cは延長部21bの弾性力(弾性変形している延長部21bが元の形状に戻ろうとする力)により当接面22eに押しつけられている。
なお、回動角度θ=0°のとき、ストッパ15の突起部15bは回動規制溝13fの下側の壁面に当接するため、回動ブラケット13はこれ以上固定ブラケット11に対して左側面視で時計回りに回動することはできない。
図8の(a)に示す状態から固定ブラケット11に対して回動ブラケット13が左側面視で反時計回りに(回動角度θが増加する方向に)回動するとき、「嵌合凸部21cが当接面22eに当接するとともに延長部21bが弾性変形した状態」を保持しつつ、嵌合凸部21cが当接面22eに沿って相対的に嵌合凹部22fに接近する方向に移動する。
【0042】
図8の(b)に示す如く、固定ブラケット11に対して回動ブラケット13が左側面視で反時計回りに更に回動し、回動角度θが15°(本実施形態における「予め設定された音発生角度」)に到達したとき、嵌合凸部21cは延長部21bの弾性力により嵌合凹部22fに嵌合する。その結果、延長部21bの弾性変形量が小さくなり、延長部21bの弾性エネルギーの一部が解放されて嵌合凸部21cが嵌合凹部22fの底に衝突し、音(打撃音)が発生する。
【0043】
図8の(b)および(c)に示す如く、固定ブラケット11に対して回動ブラケット13が回動角度θ=15°から左側面視で反時計回りに更に回動したとき、嵌合凸部21cは延長部21bの弾性力に抗して嵌合凹部22fに嵌合した状態を脱し、当接面22e(より詳細には、当接面22eのうち嵌合凹部22fよりも下方となる部分)に当接する。
なお、回動角度θ=40°のとき、ストッパ15の突起部15bは回動規制溝13fの上側の壁面に当接するため、回動ブラケット13はこれ以上固定ブラケット11に対して左側面視で反時計回りに回動することはできない。
【0044】
このように、本実施形態では、固定ブラケット11に対する回動ブラケット13の回動角度θが予め設定された音発生角度に到達したときに音発生機構20が音を発生させることにより、「固定ブラケット11に対する回動ブラケット13の回動角度が音発生角度に到達したこと」を作業者に知らせることが可能である。
【0045】
本実施形態では、第二音発生部材22が回動ブラケット13(側板13b)に着脱可能に固定される。このように構成することにより、第二音発生部材22において嵌合凸部21cと当接する部分(当接面22eおよび嵌合凹部22f)が摩耗した場合でも容易に交換することが可能であり、作業性に優れる。また、当接面22eにおいて嵌合凹部22fが形成された位置が相互に異なる複数の第二音発生部材22・22・・・を用意し、これら複数の第二音発生部材22・22・・・の中から回動ブラケット13に固定されるものを適宜選択することにより、「音発生角度」を容易に変更することが可能である。
なお、本実施形態では第二音発生部材22の当接面22eに形成される嵌合凹部22fは一箇所であるが、本発明はこれに限定されず、複数の音発生角度を設定したい場合には第二音発生部材の当接面の複数箇所に嵌合凹部を形成すれば良い。
【0046】
本実施形態の場合、第一音発生部材21を薄い金属板で構成し、嵌合凸部21cが当接面22eに当接しているときの延長部21bの弾性力を小さくすることにより、嵌合凸部21cが嵌合凹部22fに嵌合した状態から脱するときの抵抗力、すなわち音発生機構20が音を発生させるときの「固定ブラケット11に対する回動ブラケット13の回動に抗するトルクの変動量」を『ウェーブワッシャ23が固定ブラケット11および回動ブラケット13に付与する「固定ブラケット11に対する回動ブラケット13の回動に抗するトルク」』よりも小さくしている。 このように構成することにより、作業者が固定ブラケット11に対して回動ブラケット13を回動させ、回動角度θが「予め設定された音発生角度」に到達したときに、作業者にトルクの変動をあまり感じさせずに音を発生させることが可能である。
【0047】
本発明に係る嵌合凹部は本実施形態の嵌合凹部22fの如き溝に限定されない。
すなわち、本発明に係る嵌合凹部は、嵌合凸部が嵌合することにより音を発生させることが可能であれば他の構成でも良い。本発明に係る嵌合凹部の他の実施形態としては、穴(孔)、窪み、段差等が挙げられる。
【0048】
本発明に係るトルク付与部材は本実施形態の如きウェーブワッシャ23に限定されない。
すなわち、本発明に係るトルク付与部材は、軸部材の軸線方向に弾性変形し、第一固定部材および前記第二固定部材の間に摩擦力を発生させることにより、第一固定部材に対する第二固定部材の回動に抗するトルクを付与することが可能であれば他の構成でも良い。
本発明に係るトルク付与部材の他の実施形態としては種々のバネ座金、波形バネ座金、皿バネ座金、コイルスプリング、あるいは、ゴム、プラスチック等の弾性変形可能な樹脂材料からなるリング(例えば、Oリング)等が挙げられる。
【0049】
本実施形態では、ウェーブワッシャ23が弾性変形することにより、「ワッシャ16の左側の盤面と摩擦板17の本体部17aにおける右側の盤面との間」および「摩擦板18の本体部18aにおける左側の盤面とワッシャ19の右側の盤面との間」に摩擦力が発生し、ひいては固定ブラケット11に対する回動ブラケット13の回動に抗するトルクが付与されるが、本発明はこれに限定されない。
すなわち、「本発明に係るトルク付与部材が第一固定部材および第二固定部材の間に摩擦力を発生させる」とは、「第一固定部材と、第二固定部材と、の当接部分で摩擦力が発生する場合」、「第一固定部材と、第二固定部材に固定された別の部材と、の当接部分で摩擦力が発生する場合」、「第一固定部材に固定された別の部材と、第二固定部材と、の当接部分で摩擦力が発生する場合」、「第一固定部材に固定された別の部材と、第二固定部材に固定されたさらに別の部材と、の当接部分で摩擦力が発生する場合」、「(第一固定部材に固定された)軸部材と、第二固定部材と、の当接部分で摩擦力が発生する場合」、「軸部材と、第二固定部材に固定された別の部材と、の当接部分で摩擦力が発生する場合」、「軸部材に固定された別の部材と、第二固定部材と、の当接部分で摩擦力が発生する場合」、「軸部材に固定された別の部材と、第二固定部材に固定されたさらに別の部材と、の当接部分で摩擦力が発生する場合」を含む。
【0050】
図3に示す如く、シャフト26は胴体部26a、固定部26bおよび軸支部26cを備える。本実施形態のシャフト26は金属材料のブロックに切削加工を施すことにより製造された概ね左右方向に延びた(軸線方向が左右方向に平行な)円柱形状の部分である。
胴体部26aはシャフト26の主たる構造体を成す部分である。固定部26bは胴体部26aの一端部(左端部)に連なり、胴体部26aよりも直径が小さい概ね円柱形状の部分である。固定部26bの外周面には係止面26dが形成される。軸支部26cは胴体部26aの他端部(右端部)に連なり、胴体部26aよりも直径が小さい概ね円柱形状の部分である。軸支部26cの外周面の右半部には雄ネジが形成される。
【0051】
図1および図3に示す如く、シャフト26の固定部26bを固定ブラケット12の側板12bに形成された貫通孔12dに嵌装することにより、係止面26dは貫通孔12dの内周面のうち側面視で直線を成す部分に係合し、シャフト26は固定ブラケット12に対して相対回転不能に支持される。そして、固定部26bの外周面と貫通孔12dの内周面との隙間においてろう付けを施すことにより、シャフト26は固定ブラケット12に相対回転不能、かつ軸線方向に相対位相不能に(脱落不能に)固定される。
【0052】
スペーサ27・28は樹脂材料からなり、貫通孔が形成されたリング状の部材である。
ナット29は左右一対の端面および六つの平面からなる外周面を有する概ね六角柱形状の部材である。ナット29には左右一対の端面を貫通するネジ孔29aが形成され、ネジ孔29aの内周面には雌ネジが形成される。
【0053】
シャフト26の軸支部26cをスペーサ27の貫通孔、回動ブラケット13の側板13cの貫通孔13n、スペーサ27の貫通孔の順に貫装し、次いでナット29をシャフト26の軸支部26cに締め付けたとき(ナット29がシャフト26の軸支部26cに螺装されたとき)、スペーサ27・28および回動ブラケット13はシャフト26から脱落不能に支持される。ナット29をシャフト26の軸支部26cに更に締め付けたとき、シャフト26、スペーサ27・28および回動ブラケット13は右側方、すなわちナット29に接近する方向に引き寄せられ、隣り合う部材が当接する。その結果、これらの当接部分において固定ブラケット12に対する回動ブラケット13の回動に抗するトルクが発生する。
【符号の説明】
【0054】
1 ヒンジ、11 固定ブラケット(第一固定部材)、12 固定ブラケット、13 回動ブラケット(第二固定部材)、14 シャフト(軸部材)、20 音発生機構、21 第一音発生部材、21a 本体部、21b 延長部、21c 嵌合凸部、22 第二音発生部材、22e 当接面、22f 嵌合凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一連結対象物に固定される第一固定部材と、
第二連結対象物に固定される第二固定部材と、
前記第一固定部材に相対回転不能に固定されるとともに前記第二固定部材に回転可能に軸支される軸部材と、
前記第一固定部材に対する前記第二固定部材の回動角度が予め設定された音発生角度に到達したときに音を発生させる音発生機構と、
を具備するヒンジ。
【請求項2】
前記音発生機構は、
前記軸部材に相対回転不能に支持される本体部、一端部が前記本体部に連なり他端部が前記軸部材の半径方向に延びるとともに前記本体部に対して前記軸部材の軸線方向に弾性変形可能な延長部、および、前記延長部の他端部に連なる嵌合凸部を有する第一音発生部材と、
前記第二固定部材に着脱可能に固定され、当接面を有し、前記当接面には嵌合凹部が形成される第二音発生部材と、
を備え、
前記第一固定部材に対して前記第二固定部材が回動するとき、前記嵌合凸部が前記当接面に当接するとともに前記延長部が弾性変形した状態を保持しつつ、前記嵌合凸部が前記当接面に沿って移動し、
前記第一固定部材に対する前記第二固定部材の回動角度が予め設定された音発生角度に到達したとき、前記延長部の弾性変形量が小さくなるように前記嵌合凸部が前記嵌合凹部に嵌合することにより音が発生する、
請求項1に記載のヒンジ。
【請求項3】
前記軸部材の外周面には係合面が形成され、
前記第一音発生部材の本体部には貫装孔が形成され、
前記貫装孔の内周面には係合端面が形成され、
前記軸部材が前記貫装孔に貫装され、前記係合端面が前記係合面に係合することにより、前記本体部が前記軸部材に相対回転不能に支持される、
請求項2に記載のヒンジ。
【請求項4】
前記軸部材の軸線方向に弾性変形し、前記第一固定部材および前記第二固定部材の間に摩擦力を発生させることにより、前記第一固定部材に対する前記第二固定部材の回動に抗するトルクを付与するトルク付与部材を具備する、
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のヒンジ。
【請求項5】
前記音発生機構が音を発生させるときの前記第一固定部材に対する前記第二固定部材の回動に抗するトルクの変動量は、前記トルク付与部材が付与するトルクよりも小さい、
請求項4に記載のヒンジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−108526(P2013−108526A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−251887(P2011−251887)
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【出願人】(592264101)下西技研工業株式会社 (108)
【Fターム(参考)】