説明

プラズマ処理による酸化物又は他の還元可能な汚染物質の基板からの除去

【課題】VLSI技術及びULSI技術において多段相互接続は、アスペクト比の高いバイアや他の相互接続が注意深く処理されることを要する。これらの相互接続の確実な形成技術を提供する。
【解決手段】窒素と水素を含有する化合物、一般にアンモニアを使用し、次層を上へ堆積するに先立ち相対的に低い温度で酸化物又は他の汚染物質を還元する、プラズマ還元プロセスを提供する。酸化物の層の典型的な物理的スパッタ洗浄プロセスと比較して、層の粘着特性が改善され酸素の存在が減少する。このプロセスは、デュアルダマシン構造、とりわけ銅が応用されている場合の複雑な要求に特に有効であろう。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は一般に基板上の集積回路の製造に関する。特に、本発明は、製造プロセスにおける基板上への層の堆積に先立って基板上の酸化物を除去する方法に関する。
【発明の背景】
【0002】
2分の1ミクロン以下のフィーチャ及びより小さいフィーチャを確実に生成することは、次世代の超大規模集積回路(VLSI)及び超々大規模集積回路(ULSI)の重要な技術の1つである。しかし、回路技術の二次的な物事に迫ると、VLSI技術及びULSI技術において相互接続の寸法が縮むという点で、処理能力に対する付加的な要求が提出されている。この技術の中核をなす多段相互接続は、アスペクト比の高いフィーチャ、例えばバイアや他の相互接続が注意深く処理されることを要する。これらの相互接続の確実な形成は、VLSI及びULSIの成果の為に、又、個々の基板やダイの回路密度及び品質を高める不断の努力の為に非常に重要である。
【0003】
従来の化学気相成長(CVD)及び物理気相成長(PVD)、現在の電気メッキの技術は、導電材料をコンタクト、バイア、回線、又は基板に形成された他のフィーチャに電気的に堆積する為に使用される。材料をアスペクト比が高く相互接続がより小さい状態で確実に堆積することに、相当な努力が傾けられてきた。
【0004】
フィーチャのサイズが縮む際になお改良を必要とする1つの問題は、フィーチャが非常に小さい場合の酸化物の還元である。図1は、電気的に絶縁性又は誘電性の層6内に形成されたバイア4を持つ基板2を示す。現在の技術では、x対dとして図1に示す、高さ対幅の比であるアスペクト比がおおよそ5:1まで高められている。その結果、より難しくなってきているのは、小さいフィーチャ内の表面を、特により低い相互接続部分で、例えば相互接続領域8、9で、次の処理の為に適切に整えることである。
【0005】
部分的には、洗浄を改良するこの応対処置は、導体金属の望ましい変更による。例えば、銅は現在、アルミニウムの代わりの相互接続金属とみなされており、なぜなら銅は固有抵抗がより小さく(アルミニウムが3.1μΩ−cmに対し、1.7μΩ−cm)、電流容量がより高い。しかし、銅は非常に酸化されやすい。銅の堆積に伴い、酸化は損傷とみなされ、隣接層への粘着性を妨げ、銅の特徴である導電性に影響を及ぼし、回路全体の信頼性を低減させる。更に、本プロセスは、さまざまな理由により場合によっては酸素を利用し、他の場合には、酸素は反応の副生成物である。従って、注意深く制御された環境でも酸素を含有する場合があり、この酸素が銅を酸化、又はアルミニウム等の他の導電材料を酸化し、回路の損傷となる場合がある。
【0006】
銅は他の問題も抱えている。銅は精密なパターンにエッチングしにくいので、相互接続形成用の従来の堆積/エッチングプロセスが実施不可能になってきており、従って、「デュアルダマシン」構造が銅相互接続に使用されている。典型的なデュアルダマシン構造では、誘電体層をエッチングしてコンタクト/バイア及び相互接続回線の両方を画成する。金属はその後、画成されたパターンへとはめ込まれ、任意の余分な金属は一般に、CMP等の平坦化プロセスで構造の上部から除去される。この複雑な取り組み方法では、相互接続内部で適切に洗浄された表面を得ることがますます重要になる。
【0007】
本発明以前には、アルゴン(Ar)プラズマ等の不活性ガスプラズマが、相互接続及び金属層、例えばアルミニウム及び銅の表面を物理的に洗浄し、同時に、イオンが基板表面に引き付けられて、表面に物理的に衝撃を与え最上層の表面を除去した。しかしながら、プラズマのArイオンは洗浄の指向性に依存しており、また相互接続のサイズの減少、アスペクト比の増大、及びその結果として生ずる可能性のあるシェーディングを考え合わせると、このプロセスは小さいフィーチャの酸化物の除去には効果がない。
【0008】
従って、基板の表面に形成された酸化物と基板の表面に堆積された材料を還元する洗浄プロセスを改良することが必要である。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、還元剤を含有するプラズマをチャンバで引き起こすステップと、還元可能な汚染物質を持つ基板表面の少なくとも一部を還元剤に晒すステップを含む、酸化物及び他の汚染物質を除去するプロセスを提供する。好適な実施形態では、還元剤は窒素と水素を含有する化合物、望ましくはアンモニアを含む。1つの例では、窒素と水素を含む還元剤をチャンバへと導入するステップと、プラズマをチャンバで引き起こすステップと、酸化物を還元剤に晒すステップとを含んでもよい。酸化銅等の酸化物を還元するプラズマプロセスパラメータは、アンモニアを使用し、約1mTorr〜約9mTorrの圧力範囲と、200mmのウェーハの場合にチャンバへの約100W〜約1000WのRF電力と、このRF電力は約1.43W/cm2〜14.3W/cm2の電力密度を持ち、約100℃〜約450℃の基板温度と、基板と約200mil〜約600milの間隔をとるシャワーヘッドと、約100sccm〜約1000sccmの流量の還元剤と、を含む。
【0010】
デュアルダマシン構造を形成する等の本発明の典型的なプロセス順序は、誘電体を基板に堆積するステップと、エッチング止めを堆積するステップと、エッチング止めをエッチングするステップと、障壁層を堆積するステップと、金属層を堆積するステップと、還元剤プラズマを引き起こすステップと、酸化物を還元するステップであって、該ステップはアンモニア等の還元剤を用いて少なくともいくらかの金属表面で生じる酸化物還元ステップと、窒化物層等の層を還元された表面にin situ堆積するステップとを含む。
【0011】
上述の本発明の特徴、利点、目的が実現される方法が詳細に理解できるように、以上に簡単に要約された本発明のより特定の記述は、付加された図面に図示された本発明の実施形態を参照して成される。
【0012】
しかし、注意すべきは、付加された図面は単に本発明の一般的な実施形態を図示し、従って、本発明は他の同様に効果的な実施形態を認める場合があるので、本発明の範囲を限定するとみなしてはいけない、という点である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】相互接続を有する多段基板の略図を示す。
【図2】プラズマ還元プロセスを使用する堆積/エッチングプロセスの一例のフローチャートである。
【図3】CMPプロセス後の銅のウェーハから得た酸素の準位を示す誘電性の互換性のグラフである。
【図4】図3に比較されるグラフであり、酸素の準位が低下する本発明のアンモニアプラズマ還元プロセスによる改良を示す。
【図5】本発明のプラズマ還元プロセスが行われる市販のCVDプラズマリアクタの1つの断面図である。
【図6】導体上の酸化物層を示すデュアルダマシン構造である。
【図7】洗浄された導体上に堆積された層を持つデュアルダマシン構造である。
【好適な実施形態の詳細な説明】
【0014】
本発明は、還元剤を含有するプラズマを引き起こすステップと、還元可能な汚染物質を持つ基板表面の少なくとも一部をプラズマ及び還元剤に晒すステップを含む、酸化物及び他の汚染物質を除去するプロセスを提供する。還元プロセスは、隣接層の粘着性を向上させ、また酸化層の酸素含有量を減少させることで結合層の電気抵抗を減少させると考えられている。少なくとも部分的に、これらの酸化物の悪影響は、金属酸化物、例えば酸化銅(Cu2O)のせいであると考えられており、金属、例えば銅(Cu)の移動度を減少させる。好適な実施形態では、プロセスは、次層の堆積前の再汚染が最小になるようにin situで実行される。銅は酸化の影響をすぐに受けやすいので、in situ処理は銅に関して特に重要であろう。
【0015】
集積回路(IC)の製造では、金属層は堆積プロセスのある時点で堆積され、一般にアルミニウム又は銅を含む。銅は導電材料とみなされているので、本願の考察のほとんどは銅を扱う。しかし、本発明を任意の酸化金属層、例えばTi、TiN、Ta、TaN、Al、その他に使用してもよい。本発明は、酸化ケイ素を含む他の層に使用してもよい。本発明は、アンモニアを含む窒素と水素を含有する化合物等の還元剤の化学反応洗浄を、プラズマからのイオンの物理的衝撃と組み合わせることから、酸化物等の汚染物質の還元を実現する為にさまざまな材料に使用可能である。本明細書では酸化物を分かりやすく論じているが、他の汚染物質も本発明の範囲に入る。水素と化合された窒素は、エネルギー準位を下げることで、水素結合を分離し、その他の場合は分子を解離し、汚染物質の洗浄に効果的に還元剤が利用されるのを可能にすると考えられている。
【0016】
窒化物等の金属の上に層を堆積する前に、本発明の教示に従って金属を洗浄する。「洗浄」、この用語の意味は酸化物又は他の汚染物質の還元を含む。洗浄は、酸素源(空気、2価酸素、分子化合物に含有される酸素等)に晒す為に必要であろう。この洗浄は、同一のCVDチャンバ又はプラズマ強化化学気相成長(“PECVD”)チャンバで行われてもよく、そこではin situプロセスの際に次層が堆積される。用語「in situ」は、プラズマチャンバ等の任意のチャンバで、又は、一体化されたクラスタツール装置等のシステムで、材料を介在する汚染環境に晒すことなく、ということを含むことを意図している。in situプロセスは、基板を他の処理チャンバ又は他の区域へ再配置する場合に比べて、プロセス時間及び推定汚染物質を概して最小にする。
【0017】
1つの実施形態では、還元プロセスは一般に、アンモニア等の還元剤を真空チャンバへ導入するステップと、プラズマを引き起こすステップを含み、プラズマはアンモニアをエネルギーを与えられたイオンの状態に励起する。エネルギーを与えられたイオンは化学的に酸化物と反応し、酸化物は以下の化学反応式に従って除去される:
3Cu2O+2NH3→6Cu+3H2O+N2
プラズマは、アンモニアを解離し望ましいイオン衝撃を提供するのに必要なエネルギーを提供する。イオン化粒子は、洗浄を更に強化するために還元プロセス中に酸化された表面に衝突する。化学反応とイオンの物理的衝撃との組み合わせは、小さいフィーチャの全ての表面が洗浄される可能性又は酸化物が還元される可能性を高める。
【0018】
本発明のプロセスは、少なくとも2つの利点を提供すると考えられている。第一に、洗浄された表面は隣接層への粘着性を高める準備をするのによりよい。酸化物の除去は導電基板への結合をよりよいものにできる。第二に、酸化物が層又は結合層の抵抗を増加させることは既知である。従って、酸化物の還元は結合層の抵抗又はインピーダンスを減少させる。
【0019】
少なくとも1つの実施形態のプラズマプロセスパラメータは酸化銅を還元する為にアンモニアを使用し、約1mTorr〜約9mTorrの圧力範囲と、約1.43W/cm2〜約14.3W/cm2の電力密度を持つプラズマを引き起こす反応帯を有することができる、約100W〜約1000WのチャンバへのRF電力と、約100℃〜約450℃の基板表面温度と、基板と約200mil〜約600milの間隔をとるシャワーヘッドと、約100sccm〜約1000sccmの速度でチャンバに流入する還元剤と、を含む。「シャワーヘッド」等のガス分散部品は一般に当業者に既知であり、本願では互換性を持つように使用されるので、他のガス分散部品も含む。「反応帯」は、カリフォルニア州のサンタクララのアプライドマテリアルズ社が製造し販売するCENTURADxZTMCVDリアクタのチャンバ等の、チャンバのシャワーヘッドと基板表面との間の区域である。
【0020】
望ましいプロセス範囲は、約3mTorr〜約7mTorrの圧力範囲と、200mmのウェーハの場合に約1.43W/cm2〜約7.14W/cm2の電力密度を持つ約100W〜約500WのRF電力と、約200℃〜約400℃の基板温度と、基板と約200mil〜約500milの間隔をとるシャワーヘッドと、約100sccm〜約500sccmの速度で流入する還元剤と、を含む。最も望ましいプロセス範囲は、約4mTorr〜約6mTorrの圧力範囲と、約2.86W/cm2〜約5.72W/cm2の電力密度を持つ約200W〜約400WのRF電力と、約300℃〜約400℃の基板温度と、基板と約300mil〜約400milの間隔をとるシャワーヘッドと、約200sccm〜約300sccmの速度で流入する還元剤と、を含む。追加として、キャリアガスは、ガスの流れとプラズマ反応の安定化を補佐する為に前述のプロセスパラメータと共に使われてもよい。キャリアガス、例えばヘリウム、アルゴン、窒素の流量は、おおよそ0sccm〜2000sccmであり得る。
【0021】
プラズマ還元プロセスは約5〜60秒で、表面を還元し、処理し、その他の場合は修正する。望ましくは、アンモニアプラズマを1サイクル以上の処理サイクルで発生させ、サイクルとサイクルとの間に取り除く。しかし、ほとんどの場合、10秒継続する1処理サイクルは、効果的に酸化した銅の表面から酸素を除去する。当然、パラメータは銅を除く他の材料及び酸化物を除く他の汚染物質の為に調整され得る。
【0022】
図2は、本発明の1例の堆積/プラズマ還元順序を示す。他の順序、製造技術、プロセスを使用してもよい。一般に、誘電体、例えば二酸化ケイ素、窒化ケイ素、又は炭化ケイ素が基板に堆積される。用語「基板」は本願では、文脈が示す通りに、ICベース、或いは堆積された材料又は階層をその上に含むICを含む。エッチング止めを誘電体の上に堆積し、それを通じてパターン形成の為に相互接続をエッチングする。水平な相互接続は一般に回線と呼ばれ、垂直な相互接続は一般にコンタクト又はバイアと呼ばれ、コンタクトは下に位置する基板上の装置まで達し、同時にバイアは下に位置する金属層、例えばM1、M2等まで達する。例えば図1に示すように、回線及びコンタクト/バイアをパターン成形する場合、TiN層等の障壁層を、導体の誘電体層(単数又は複数)への拡散を制限する為にパターンの上に堆積する。導電材料をその後、障壁層の上に堆積する。導電材料に対し酸化がなされ、粘着性及びコンダクタンスが妨げられる。先のプロセス又は次のプロセスと共にin situで行われてよいプラズマ洗浄に備えて、基板は処理チャンバに配置される。一般に、システムがプラズマを引き起こし、還元剤をチャンバに導入し、そこでプラズマ洗浄が行われる。プラズマは、洗浄の為、その他の場合は酸化物の還元の為に、還元剤分子へのエネルギーの付与を補佐する。
【0023】
導体が洗浄された後、窒化物等の別の層が、酸素が存在する等の悪環境から更なる汚染を還元する為に、導体上でin situ堆積されてもよい。一般に、層は誘電体層であるが、他のタイプの層、例えば障壁層、エッチング止め、又は不活性化層を含み得る。一方、還元された基板を次の処理の為に異なるチャンバに移動してもよい。洗浄は導体に制限されてはおらず、本発明の根底をなす概念を用いて導体層の前後の他の層をプラズマ洗浄してもよい。
【0024】
[例1:アンモニアプラズマ還元プロセスを伴わない場合]
図3は、CMPプロセスの後でプラズマ還元プロセスを伴わずに銅の表面に堆積された500Åの窒化物層で検出された酸素を示す。x軸は結合エネルギーをエレクトロンボルト(ev)で表し、y軸は信号毎のカウント(c/s)を表し、z軸は窒化膜層での相対的な深さプロファイルを表す。結合エネルギーを示すx軸は要素に特定したもので、基板は、酸素の存在が検出されるように酸素の結合エネルギー準位でテストされた。y軸は酸素に特定した結合エネルギーで検出された酸素の準位を表す。z軸は相対的な為、z軸に沿った2つの最大のピークの間の距離は、おおよそ窒化物層の厚さの500Åである。500Åの窒化物層を越えると、銅が導体である為に信号カウントはおおよそゼロまで減少する。図3は、ほぼ11000c/sのz軸の原点に最も接近した第1の高いピークを示す。この第1の最も高いピークは窒化物層の表面を表し、本目的の為には無視してもよい。ほぼ500Åの深さでの最後の大きいピークは、窒化物/銅の境界面でのほぼ6000c/sの酸素の準位を表す。この境界面には、本発明の教示に従った還元をされなかった多量の酸化銅がある。
【0025】
[例2:アンモニアプラズマ還元プロセスを伴う場合]
図4は図3に対応するグラフであり、本発明のアンモニアプラズマ還元プロセスにより処理された典型的な銅表面基板の結果を示す。図4は図3と比較でき、軸は同様の目盛りと値を表す。図3の基板表面と同様に、500Åの窒化物層が、本発明のアンモニアプラズマ還元プロセス適用後の銅の上に堆積されている。図4は、最初の表面ピークを越えると全体的により低い酸素の準位を示し、最初の表面ピークは本目的の為にはまた無視してもよい。注目に値するのは、深さ約500Åでの第2のピークで表される窒化物/銅の境界面での酸素の準位が、酸化物が銅の表面から除去又は還元された為にほぼ3000c/sの準位へと低下したことである。
【0026】
図5は、上述したCENTURA DxZTM等のCVDプラズマリアクタの断面図であり、前述のプラズマ還元プロセスが行われる。本発明は、ランプ加熱リアクタ等の他のリアクタでも使用され得る。リアクタ10は上述のシャワーヘッドでもよいガス分配マニホルド11を包含しており、これはプロセスガスをマニホルドに穿孔された孔(図示せず)を通じて、基板支持板又はサセプタ12に載っている基板又はウェーハ16へ分散する為である。サセプタ12は、耐熱性があり、支持ステム13に取り付けられていて、そのためサセプタ12及びサセプタ12の上面に支持されるウェーハは、下方ローディング/オフローディング位置とマニホルド11に密接に隣接して配置される上方処理位置との間で、リフトモータ14により制御可能に移動される。サセプタ12及びウェーハ16が処理位置にある時は、これらは絶縁体リング17に囲まれる。処理中に、マニホルド11へのガス口は、基板表面全体にわたって放射状に均一に分配される。ガスはポート24を通じて真空ポンプシステム32により排出される。
【0027】
リアクタ10で行われる堆積プロセスは、加熱プロセスでもプラズマ強化プロセスでもあり得る。プラズマプロセスでは、制御されたプラズマが、サセプタ12が接地された状態でRF電源25からの分配マニホルド11に加えられたRFエネルギーにより、ウェーハに隣接して形成される。ガス分配マニホルド11もまたRF電極であり、一方サセプタ12は接地される。RF電源25は、1つの又は混合した周波数のRF電力のどちらかをマニホルド11に供給でき、チャンバ15へと導入された任意の反応種の分解を強化する。混合した周波数のRF電源は一般に、13.56MHzの高いRF周波数(RF1)及び350kHzの低いRF周波数(RF2)で電力を供給する。システム制御装置34及びメモリ38は、CVDリアクタの活動を制御する。そのようなCVDリアクタの例は、Wangらに発行された米国特許5,000,113の“ThermalCVD/PECVD Reactor and Use for Thermal Chemical Vapor Deposition of Silicon Dioxideand In−situ Multi−step Planarized Process”に記述されており、この特許は本発明の譲渡人であるアプライドマテリアルズ社に譲渡され参考形式で組み込まれる。
【0028】
本発明によると、前述のチャンバは酸化物を還元剤でプラズマ還元する為に使用でき、特に酸化銅をアンモニアでプラズマ還元する為に使用できる。還元剤は、マニホルド11を通じて導入でき、前述のようなプラズマ還元プロセスの為にウェーハ表面全体にわたって放射状に均一に分配され、引き続きガスがポート24を通じて排出される。
【0029】
上述の考察は一般に、プラズマ還元プロセスにより提供された改良に該当し、複数の環境、基板、さまざまなプロセス、において使用できる。このプラズマ還元プロセスは、密度の増加及びデュアルダマシン構造の複雑さに対し特定の適用範囲を持つ。次の考察は、デュアルダマシン構造の側面とプラズマ還元プロセスをどのように利用するかについて簡潔に論じる。
【0030】
図6及び図7は、本発明の技術を用いて洗浄されるデュアルダマシン構造を表す。1つのタイプのデュアルダマシン構造の形成において、第1の誘電体層30を基板32に堆積し、引き続きエッチング止め34を堆積する。エッチング止めは、コンタクト/バイア開口40を画成する為に、又、コンタクト/バイアが形成される場所の第1の誘電体層を晒す為にパターンエッチングされる。第2の誘電体層38をエッチング止めの上に堆積し、相互接続回線を画成する為にパターン成形し、望ましくは、当業者には既知の通り、従来のフォトリソグラフィプロセスをフォトレジスト層と共に使用する。相互接続及びコンタクト/バイアをその後、反応性イオンエッチング技術又は異方性のエッチング技術を使用してエッチングし、層をパターン成形する為に使用された任意のフォトレジスト又は他の材料を、酸素剥ぎ取り又は他の適切なプロセスを使用して除去する。次いで、障壁層44を、周囲のケイ素及び/又は誘電材料への金属の移動を防止する為に、メタライゼーションパターンに一致させて堆積するのが望ましい。
【0031】
本発明によると、前述のプラズマ還元プロセスは、金属層の前又は次に堆積された障壁層又は他の層で有効であろう。導体のプラズマ還元の為の上述の領域及びパラメータは、問題になっている特定の層の為に調整できる。
【0032】
金属層47はバイア及び回線に堆積される。金属層47は、アルミニウム、銅、タングステン又はこれらの組み合わせ等の導電材料であるのが望ましく、最近の傾向では銅である。金属層は、CVD、PVD、電気メッキ、又はこれらの組み合わせのいずれかを使用して堆積され、導電構造を形成する。構造が銅又は他の金属で充填された場合、金属の表面を平坦化する為にCMPプロセスが使用されてよい。他の実施形態では、犠牲の層を金属の堆積に先立って相互接続間のフィールド域上に堆積してよく、次いで犠牲の層は、金属が堆積された後に剥がされ、表面を堆積プロセスの次の段階に適した状態にしておく。構造の表面は平坦化されてもよく、この段階及び/又は他の段階でCMPプロセスが使用される。前述のプラズマ還元プロセスは、相互接続46を含む金属層47に形成されていた酸化銅等の汚染層48の除去又は還元する為に引き起こされてもよい。好適な実施形態では、プラズマ還元プロセスは、図7に示す隣接層50の堆積にin situで適用される。この層は、別の誘電体層、障壁層、不活性化層、又は金属層以外の何か他の層であってもよい。特に、プロセスステップに含まれ得るのは、フッ素化ケイ酸塩ガラス(FSG)層等の第1の誘電体層を基板に堆積するステップ、kの低い誘電性のエッチング止めを第1の誘電体層に堆積するステップ、コンタクト/バイアを画成する為にエッチング止めをパターン形成するステップ、フォトレジスト層等のパターン形成する媒体を剥がすステップ、FSG層等の第2の誘電体層を堆積するステップ、1つ以上の相互接続を画成する為にレジスト層を第2の誘電体層にパターン形成するステップである。デュアルダマシン構造が形成された場合、プロセスに含まれ得るのは、障壁層を該構造に堆積するステップ、銅等の金属層を堆積するステップ、還元剤を用いて酸化物を還元する為に金属層の酸化された表面をプラズマに晒すステップである。次いで、窒化物等の別の層が、還元プロセスを伴ってin situで表面上に堆積されてもよい。
【0033】
上述の内容が好適な実施形態に向けられる一方、本発明の他の実施形態及び更なる実施形態が、本発明の原則の範囲からはずれることなく考案され、本発明の範囲は続く特許請求の範囲によって決定される。更に、特許請求の範囲を特に含む本明細書では、「1つの」又は「その」を伴う「含む」、及びこれらの変形物の使用が意味するのは、特にことわらない限り、参照された項目(単数又は複数)又は目録(単数又は複数)が、少なくとも列挙された項目(単数又は複数)又は目録(単数又は複数)を含み、更に複数の列挙された項目(単数又は複数)又は目録(単数又は複数)を含んでよい、ということである。
【符号の説明】
【0034】
10 リアクタ
11 ガス分配マニホルド
12 サセプタ
15 チャンバ
16 ウェーハ
17 絶縁体リング
25 RF電源
30 第1の誘電体層
32 基板
34 エッチング止め
38 第2の誘電体層
40 コンタクト/バイア開口
44 障壁層
46 相互接続
47 金属層
50 隣接層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電材料の酸化を減少させる方法であって、
窒素と水素を含む還元剤をチャンバへと導入するステップと、
上記還元剤のプラズマを上記チャンバ内で引き起こすステップと、
導電材料酸化物を上記還元剤に晒すステップと、
次層を基板上にin situ堆積するステップと、
を含み、上記次層はエッチング止め層、障壁層、不活性化層、もしくは非導電材料の層である方法。
【請求項2】
上記還元剤がアンモニアを含む、請求項1の方法。
【請求項3】
上記次層は炭化ケイ素、窒化ケイ素、酸化ケイ素、もしくはそれらの組み合わせからなる群から選択されるケイ素ベースの誘電体層を含む、請求項1の方法。
【請求項4】
200W〜400WのRF電力を上記チャンバに供給することにより上記プラズマが引き起こされる、請求項1の方法。
【請求項5】
上記酸化物を上記還元剤に晒すステップの間、基板温度が100℃〜450℃に保たれ、
上記チャンバ内の圧力が1mTorr〜9mTorrに保たれる、請求項1の方法。
【請求項6】
キャリアガスを上記チャンバへと導入するステップを更に含む、請求項1の方法。
【請求項7】
上記チャンバ内の圧力が1mTorr〜9mTorrであり、
RF発電機が平方センチメートルあたり1.4W〜14.3Wの電力密度を供給し、
基板温度が100℃〜450℃に保たれ、
アンモニアが100sccm〜1000sccmの流量で上記チャンバへと導入される、請求項1の方法。
【請求項8】
キャリアガスを上記チャンバへと導入するステップを更に含む、請求項7の方法。
【請求項9】
上記導電材料の層を晒すステップ及び上記次層を上記基板上にin situ堆積するステップが、真空を破ることなく同一チャンバ内で実行される、請求項1の方法。
【請求項10】
金属表面の汚染物質を除去する方法であって、
還元剤を用いてチャンバ内でプラズマを引き起こすステップと、
還元可能な汚染物質を有する上記金属表面の少なくとも一部を上記還元剤に晒すステップと、
次層を基板上にin situ堆積するステップと、
を含み、上記次層はエッチング止め層、障壁層、不活性化層、もしくは非導電材料の層である方法。
【請求項11】
上記金属表面は銅材料を含み、
上記次層は炭化ケイ素、窒化ケイ素、酸化ケイ素、もしくはそれらの組み合わせからなる群から選択されるケイ素ベースの誘電体層を含む、請求項10の方法。
【請求項12】
上記還元剤がアンモニアを含む、請求項10の方法。
【請求項13】
200W〜400WのRF電力を上記チャンバに供給することにより上記プラズマが引き起こされる、請求項10の方法。
【請求項14】
キャリアガスを上記チャンバへと導入するステップを更に含む、請求項10の方法。
【請求項15】
上記チャンバ内の圧力が1mTorr〜9mTorrであり、
RF発電機が平方センチメートルあたり1.4W〜14.3Wの電力密度を供給し、
基板温度が100℃〜450℃に保たれ、
アンモニアが100sccm〜1000sccmの流量で上記チャンバへと導入される、請求項10の方法。
【請求項16】
上記導電材料の層を晒すステップと上記次層を上記基板上にin situ堆積するステップが、真空を破ることなく同一チャンバ内で実行される、請求項10の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−58799(P2013−58799A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−262850(P2012−262850)
【出願日】平成24年11月30日(2012.11.30)
【分割の表示】特願2010−57725(P2010−57725)の分割
【原出願日】平成11年11月15日(1999.11.15)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】