二輪車自動保管システム、上記システムに適用される二輪車および上記二輪車のドッキング構造
【課題】公共電力システムから供給される電力の消費を低減する二輪車自動保管システムを提供する。
【解決手段】二輪車自動保管システムは、バッテリーを有する二輪車1と、上記二輪車が施錠されるドッキング構造7とを備えており、ドッキング構造7は、中央処理装置に接続される電力蓄積装置と電気接点とを備えており、二輪車がドッキング構造に施錠されたときに、二輪車の電気接点とドッキング構造の電気接点とが互いに接触し、二輪車の電力蓄積装置から供給される電力によってドッキング構造の電力蓄積装置が充電される。
【解決手段】二輪車自動保管システムは、バッテリーを有する二輪車1と、上記二輪車が施錠されるドッキング構造7とを備えており、ドッキング構造7は、中央処理装置に接続される電力蓄積装置と電気接点とを備えており、二輪車がドッキング構造に施錠されたときに、二輪車の電気接点とドッキング構造の電気接点とが互いに接触し、二輪車の電力蓄積装置から供給される電力によってドッキング構造の電力蓄積装置が充電される。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は、二輪車自動保管システム、上記システムに適用される二輪車および上記二輪車のドッキング構造に関するものである。
【0002】
より具体的には、本発明は、電力蓄積装置と、電気接点と、上記電力蓄積装置と上記電気接点とを接続する電力供給回路とを有する複数台の二輪車(例えば自転車)と、上記複数台の二輪車を取り付けることのできる複数の据え付けられたドッキング構造とを備え、上記ドッキング構造が、少なくとも1つの中央処理装置と、当該ドッキング構造の上記中央処理装置に接続された電力供給回路と、当該ドッキング構造に施錠される二輪車の電気接点との間で相互に電気的に接触する電気接点とを有している二輪車自動保管システムに関するものである。
【0003】
このような二輪車保管システムは、例えば、二輪車の借り手の認証(場合によっては借り手の認証に加えてレンタル料金の支払い)に応じて二輪車を公衆に利用可能にするために使用できる。
【0004】
〔背景技術〕
欧州特許出願公開第1820722号明細書には、このような二輪車保管システムの一例が開示されている。
【0005】
〔発明の目的〕
本発明の目的は、公共電力システムから供給される電力を用いるそれらのシステムの電力消費を低減することにある。
【0006】
上記の目的のために、本発明の二輪車保管システムは、二輪車に設けられた電力供給回路と、ドッキング構造に設けられた電力供給回路とを備えており、これら両電力供給回路が、二輪車がドッキング構造に施錠されたときに、二輪車の電力蓄積装置からドッキング構造の電力供給回路に電力を供給するように機能する。
【0007】
上記の構成によれば、上記ドッキング構造は、当該ドッキング構造に施錠された二輪車から電力の供給を受けることができる。これにより、上記ドッキング構造における公用電力システムから供給される電力の消費量を低減、あるいは完全にゼロにすることができる。
【0008】
なお、本発明の二輪車自動保管システムの実施形態として、以下に示す構成のうちの1または複数の構成を用いてもよい(これらの構成は、互いに独立に使用されてもよく、上述した構成と独立して使用されてもよい)。
【0009】
例えば、二輪車の電力供給回路およびドッキング構造の電力供給回路は、二輪車の電力蓄積装置からドッキング構造の電力供給回路への電力供給を行える一方、逆方向への電力供給は行えない構成としてもよい。
【0010】
また、ドッキング構造の電力供給回路は二輪車の電力蓄積装置以外の電源に接続されておらず、ドッキング構造は外部制御装置との無線通信を行う中央処理装置を備え、上記外部制御装置は上記ドッキング構造の上記中央処理装置と通信して当該ドッキング構造に施錠される二輪車の貸し出しの認証処理を選択的に行う構成としてもよい(この構成では、ドッキング構造を電力システムに接続する必要がなくなる。また、地下に電力ケーブルを設けなくてもドッキング構造と外部制御装置との間の通信を実現できる)。
【0011】
また、各ドッキング構造が、当該ドッキング構造の電力供給回路に接続された、当該ドッキング構造の中央処理装置に電力を供給するための電力蓄積装置を備え、二輪車の電力供給回路およびドッキング構造の電力供給回路が、二輪車がドッキング構造に施錠されたときに、当該二輪車の電力蓄積装置から供給される電力によって当該ドッキング構造の電力蓄積装置を充電させる構成であってもよい。
【0012】
また、各二輪車が、当該二輪車が走行することによって発電して当該二輪車の電力蓄積装置を充電する機能を有する発電機を備えている構成としてもよい。
【0013】
また、上記無線通信はラジオ通信であってもよい。
【0014】
また、上記二輪車が当該二輪車の電気接点に接続された電気回路を備え、上記二輪車の電気接点と上記ドッキング構造の電気接点とが相互に接触しているときに、上記ドッキング構造の上記中央処理装置がこれら両電気接点を介して上記二輪車の電気回路と情報交換を行う構成としてもよい。
【0015】
また、上記外部制御装置は、少なくとも1つの中央サーバー装置と、それぞれが二輪車保管ステーションに対応する複数の中央ステーション端末装置とを備え、上記中央ステーション端末装置は、上記中央サーバー装置と通信可能であり、かつ当該中央ステーション端末装置に対応するドッキング構造の少なくとも1つの中央処理装置と通信可能である構成としてもよい。
【0016】
また、上記各二輪車は施錠部材を備え、上記各ドッキング構造は、当該ドッキング構造の中央処理装置によって制御され、当該ドッキング構造に施錠される上記二輪車の上記施錠部材を保持する、少なくとも1つの電気施錠部を備えており、上記電気施錠部は上記ドッキング構造の電力蓄積装置から電力を供給される構成としてもよい。
【0017】
また、上記各ドッキング構造は上記二輪車を保持する少なくとも1つの施錠ステーションを備えており、上記施錠ステーションは、係合方向に開口した、上記係合方向に挿入された上記二輪車の施錠部材を保持する保持部を備えており、上記電気施錠部は、上記保持部内で上記二輪車の施錠部材の移動を規制する施錠位置と、上記施錠部材の上記保持部外から上記保持部内への移動および上記保持部内から上記保持部外への移動が可能な開錠位置との間を移動できるように設けられた規制部材を備えている構成としてもよい。
【0018】
また、上記二輪車および上記ドッキング構造に電気接点がそれぞれ設けられており、上記二輪車が上記ドッキング構造に施錠されたときに、上記二輪車の電気接点と上記ドッキング構造の電気接点とが係合方向に実質的に垂直な方向において相互に接触する構成としてもよい。
【0019】
また、上記二輪車の電気接点および上記ドッキング構造の電気接点が、上記二輪車が上記ドッキング構造に施錠されたときに係合方向において相互に接触する構成としてもよい。
【0020】
また、上記保持部は上方に向いた開口部を有しており、上記係合方向は実質的に鉛直方向である構成としてもよい。
【0021】
また、上記二輪車の上記施錠部材は、軸方向に沿って延伸し、両端部を有する横棒を備え、上記保持部は、上記係合方向に開口した、上記横棒を受け入れる少なくとも1つの受入開口部を備え、上記横棒は、上記軸方向が上記受入開口部によって規定される固定水平軸方向に実質的に沿うように上記受入開口部に受け入れられるようになっており、上記電気施錠部は、上記規制部材に接続された少なくとも1つの可動部材を備え、上記可動部材は、上記固定水平軸方向に垂直な垂直面内において上記規制部材を第1位置と第2位置との間で移動させ、上記第1位置は、上記施錠部材の上記横棒が上記受入開口部に対して上記係合方向に係合されるときに上記可動部材が上記施錠部材に干渉する上記電気施錠部の開錠位置に対応する位置であり、上記第2位置は、上記施錠部材の上記横棒が上記受入開口部に挿入されるときに当該横棒が上記可動部材を第1位置から第2位置へ移動させ、上記可動部材が第1位置から第2位置に移動するときに当該可動部材が上記規制部材を上記施錠位置に移動させることが可能となる上記電気施錠部の施錠位置に対応する位置である構成としてもよい。
【0022】
また、上記規制部材および上記可動部材が、上記受入開口部によって規定される上記固定水平軸に平行な回転軸を軸として施錠位置と開錠位置との間で回動可能に設けられた共通の施錠部に備えられている構成としてもよい。
【0023】
また、上記電気施錠部は開錠位置の方向に弾性力を付与されており、かつ上記電気施錠部には、上記施錠部材が施錠位置に保持される当接位置と上記施錠部材が施錠位置に移動することを許容する離間位置との間で移動可能に設けられたタンブラーを備え、上記タンブラーは上記当接位置に向かう方向に弾性力を付与されており、上記電気施錠部は、上記タンブラーを上記当接位置から上記離間位置に移動させる機能を有する電動アクチュエータを備えている構成としてもよい。
【0024】
また、上記電気施錠部は、上記固定水平軸方向に実質的に垂直な方向に延伸し、上記横棒を受け入れる溝部を有する施錠プレートを備え、上記施錠プレートは、上記規制部材および上記可動部材をそれぞれ構成する溝を形作る2つのリップ部を備えている構成としてもよい。
【0025】
また、上記二輪車の施錠部材は、上記横棒に一体化された接続部材を備え、上記横棒と上記接続部材とが略T字型をなすように一体化されており、上記電気施錠部は、上記横棒に対して上記接続部材の一方の面側から係合される、互いに接続された2つの施錠プレートを備えている構成としてもよい。
【0026】
また、上記受入開口部および上記施錠プレートの上記溝は、上記横棒が当該横棒の延伸方向を軸として回転することを許容する構成であってもよい。
【0027】
また、上記保持部材は、上記横棒の一端側および他端側をそれぞれ保持する2つの受入開口部を備えていてもよい。
【0028】
また、上記保持部材は、上記二輪車が上記施錠ステーションに施錠されたときに上記横棒の中心を位置合わせするための、上記横棒の一端側および他端側にそれぞれ当接する側壁部を備えていてもよい。
【0029】
また、上記二輪車は、前輪を支持するフロントフォークと一体化されたハンドルレバーを備え、上記二輪車の施錠部材が当該二輪車の上記フロントフォークと一体化されている構成であってもよい。
【0030】
また、上記ドッキング構造は、上記二輪車を当該ドッキング構造に施錠するときに当該二輪車の前輪を受け入れる溝を有するスタンドであってもよい。
【0031】
また、上記ドッキング構造は、実質的に水平方向に延伸する、複数の施錠ステーションを含む梁部材を有していてもよい。
【0032】
また、上記ドッキング構造は少なくとも1つの電力蓄積装置を備え、上記二輪車の電力供給回路および上記ドッキング構造の電力供給回路は、上記二輪車の電力蓄積装置の充電レベルがゼロよりも大きい値に設定される最小充電レベル以上である場合に、上記ドッキング構造の電力蓄積装置を上記二輪車の電力蓄積装置から供給される電力によって充電する構成としてもよい。
【0033】
また、上記ドッキング構造は、少なくとも1つの電源に接続され、かつ少なくとも1つの電力蓄積装置を備えており、上記ドッキング構造の上記電力供給回路は、上記ドッキング構造の上記電力蓄積装置が充電下限閾値に達したときに、上記電源から供給される電力によって上記ドッキング構造の電力蓄積装置を充電させる構成としてもよい。
【0034】
また、本発明のドッキング構造は、上述した二輪車自動保管システムに用いられる、電力蓄積装置と、電気接点と、上記電力蓄積装置と上記電気接点とを接続する電力供給回路とを備えた二輪車を施錠する機能を有するドッキング構造であって、当該ドッキング構造に施錠された二輪車の貸し出しを選択的に認証する機能を有する少なくとも1つの中央処理装置と、当該ドッキング構造の上記中央処理装置に接続された電力供給回路と、当該ドッキング構造に施錠される二輪車に備えられる電気接点と相互に接触し、上記二輪車の電力供給回路を当該ドッキング構造の電力供給回路に接続するように設けられた電気接点とを備え、当該ドッキング構造の上記電力供給回路は、上記二輪車が当該ドッキング構造に施錠されたときに、当該二輪車の電力蓄積装置から電力を供給される。
【0035】
なお、本発明のドッキング構造の実施形態として、以下に示す構成のうちの1または複数の構成を用いてもよい(これらの構成は、互いに独立に使用されてもよく、上述した構成と独立して使用されてもよい)。
【0036】
例えば、上記ドッキング構造の上記電力供給回路は、上記二輪車の電力蓄積装置から当該ドッキング構造の電力供給回路への電力供給を行える一方、逆方向の電力供給は行えない構成としてもよい。
【0037】
また、ドッキング構造の電力供給回路は二輪車の電力蓄積装置以外の電源に接続されておらず、当該ドッキング構造の中央処理装置は、外部制御装置と無線リンクを介して通信を行う機能を有する通信インターフェースに接続されている構成としてもよい。
【0038】
また、上記ドッキング構造は、当該ドッキング構造の上記電力供給回路に接続された、上記中央処理装置に電力を供給するための電力蓄積装置を備え、当該ドッキング構造の上記電力供給回路は、二輪車が当該ドッキング構造に施錠されたときに、当該二輪車の上記電力蓄積装置から供給される電力によって当該ドッキング構造の上記電力蓄積装置を充電させる構成であってもよい。
【0039】
また、上記無線通信はラジオ通信であってもよい。
【0040】
また、上記ドッキング構造の上記中央処理装置は、当該ドッキング構造に備えられる上記電気接点を介して、当該ドッキング構造に施錠された二輪車の電気回路と情報通信を行う機能を有していていてもよい。
【0041】
また、上記ドッキング構造は、二輪車の施錠部材を保持することによって二輪車をドッキング構造に施錠する機能を有する、当該ドッキング構造の中央処理部によって制御される少なくとも1つの電気施錠部を備えていてもよい。
【0042】
また、上記ドッキング構造は二輪車を保持する少なくとも1つの施錠ステーションを備えており、上記施錠ステーションは、係合方向に開口した、上記係合方向に挿入された上記二輪車の施錠部材を保持する保持部を備えており、上記電気施錠部は、上記保持部内で上記二輪車の施錠部材の移動を規制する施錠位置と、上記施錠部材の上記保持部外から上記保持部内への移動および上記保持部内から上記保持部外への移動が可能な開錠位置との間を移動可能に設けられた規制部材を備えている構成としてもよい。
【0043】
また、上記保持部は、上記係合方向に開口した、二輪車に備えられる横棒を受け入れる少なくとも1つの受入開口部を備え、上記横棒は、軸方向が上記受入開口部によって規定される固定水平軸方向に実質的に沿うように上記受入開口部に受け入れられるようになっており、上記電気施錠部は、上記規制部材に接続された少なくとも1つの可動部材を備え、上記可動部材は、上記固定水平軸方向に垂直な垂直面内において上記規制部材を第1位置と第2位置との間で移動させ、上記第1位置は、上記施錠部材の上記横棒が上記受入開口部に対して上記係合方向に係合されるときに上記可動部材が上記施錠部材に干渉する上記電気施錠部の開錠位置に対応する位置であり、上記第2位置は、上記施錠部材の上記横棒が上記受入開口部に挿入されるときに当該横棒が上記可動部材を第1位置から第2位置へ移動させ、上記可動部材が第1位置から第2位置に移動するときに当該可動部材が上記規制部材を上記施錠位置に移動させることが可能となる上記電気施錠部の施錠位置に対応する位置である構成としてもよい。
【0044】
また、上記規制部材および上記可動部材が、上記受入開口部によって規定される上記固定水平軸に平行な回転軸を軸として施錠位置と開錠位置との間で回動可能に設けられた共通の施錠部に備えられている構成としてもよい。
【0045】
また、上記電気施錠部は開錠位置の方向に弾性力を付与されており、かつ上記電気施錠部には、上記施錠部材が施錠位置に保持される当接位置と上記施錠部材が施錠位置に移動することを許容する離間位置との間で移動可能に設けられたタンブラーを備え、上記タンブラーは上記当接位置に向かう方向に弾性力を付与されており、上記電気施錠部は、上記タンブラーを上記当接位置から上記離間位置に移動させる機能を有する弾性アクチュエータを備えている構成としてもよい。
【0046】
また、上記電気施錠部は、上記固定水平軸方向に実質的に垂直な方向に延伸し、上記横棒を受け入れる溝部を有する施錠プレートを備え、上記施錠プレートは、上記規制部材および上記可動部材をそれぞれ構成する溝を形作る2つのリップ部を備えている構成としてもよい。
【0047】
また、上記電気施錠部は、互いに接続された2つの施錠プレートを備えており、上記二輪車における略T字型をなす接続部の一方の面側から係合される構成としてもよい。
【0048】
また、上記施錠プレートにおける上記受入開口部および上記溝は上記固定水平軸を中心とする円形の輪郭を形成するように設けられていてもよい。
【0049】
また、上記保持部材は、上記横棒の一端側および他端側に対応する位置に配置された2つの受入開口部を備えていてもよい。
【0050】
また、上記保持部材は、上記二輪車が上記施錠ステーションに施錠されたときに上記横棒の中心を位置合わせするための、上記横棒の一端側および他端側にそれぞれ当接する側壁部を備えていてもよい。
【0051】
また、上記ドッキング構造は、上記二輪車を当該ドッキング構造に施錠するときに当該二輪車の前輪を受け入れる溝を有するスタンドであってもよい。
【0052】
また、上記ドッキング構造は、実質的に水平方向に延伸する、複数の施錠ステーションを含む梁部材を有していてもよい。
【0053】
また、本発明の二輪車は、上述した二輪車自動保管システムで用いられる二輪車であって、少なくとも1つの中央処理装置と、上記中央処理装置に接続される電力供給回路と、電気接点とを有するドッキング構造に施錠される機能を有し、電力蓄積装置と、当該二輪車が上記ドッキング構造に施錠されたときに上記ドッキング構造の電気接点に当接する電気接点と、当該二輪車の上記電力蓄積装置を当該二輪車の上記電気接点に接続する電力供給回路とを備え、当該二輪車の上記電力供給回路は、当該二輪車が上記ドッキング構造に施錠されたときに、当該二輪車の上記電力蓄積装置から上記ドッキング構造の上記電力供給回路に電力を供給する。
【0054】
なお、本発明の二輪車の実施形態として、以下に示す構成のうちの1または複数の構成を用いてもよい(これらの構成は、互いに独立に使用されてもよく、上述した構成と独立して使用されてもよい)。
【0055】
上記二輪車の上記電力供給回路は、当該二輪車の電力蓄積装置から上記ドッキング構造の上記電力蓄積装置に電力供給できる一方、逆方向の電力供給は行えない構成としてもよい。
【0056】
また、上記二輪車は、当該二輪車が走行することによって発電して当該二輪車の電力蓄積装置を充電する機能を有する発電機を備えている構成としてもよい。
【0057】
また、上記二輪車が当該二輪車の上記電気接点に接続される電気回路を備えており、当該二輪車の電気接点を介して上記ドッキング構造の上記中央処理装置と情報交換する機能を有している構成としてもよい。
【0058】
また、上記二輪車の電気接点が鉛直下方を向いていてもよい。
【0059】
また、上記二輪車は、当該二輪車を使用する際の通常位置において実質的に水平方向に延伸する横棒からなる施錠部材を備えていてもよい。
【0060】
また、上記二輪車の施錠部材は、上記横棒と一体化された接続部材を備え、上記横棒と上記接続部材とが略T字型をなすように一体化されている構成としてもよい。
【0061】
また、上記二輪車は、前輪を支持するフロントフォークと一体化されたハンドルレバーを備え、上記二輪車の施錠部材が当該二輪車の上記フロントフォークと一体化されている構成であってもよい。
【0062】
また、上記施錠部材は、上記横棒を上記二輪車のフロントフォークと一体化されたブラケットに接続する接続部材を備え、この接続部材は当該二輪車を使用する際の通常位置において実質的に水平方向に延伸しており、かつ当該接続部材の垂直方向への移動を許容する可動接続部によって上記ブラケットに接続されている構成としてもよい。
【0063】
また、本発明の他の二輪車自動保管システムは、それぞれが接続部材を有する複数の二輪車(例えば自転車)と、二輪車を保持する機能を有する少なくとも1つの施錠ステーションを備えた、上記二輪車を施錠可能な複数の据え付けられたドッキング構造とを備えており、上記施錠ステーションは、実質的に鉛直方向である係合方向に開口した、上記係合方向に挿入された二輪車の施錠部材を保持する保持部と、上記保持部内で上記二輪車の施錠部材の移動を規制する施錠位置と、上記施錠部材の上記保持部外から上記保持部内への移動および上記保持部内から上記保持部外への移動が可能な開錠位置との間を移動可能に設けられた規制部材を有する電気施錠部とを備え、上記二輪車の上記施錠部材は、軸方向に沿って延伸する、両端部を有する横棒を備え、上記保持部は、上方に向けて開口した、上記横棒を受け入れる少なくとも1つの受入開口部を備え、上記横棒は、上記軸方向が上記受入開口部によって規定される固定水平軸方向に実質的に沿うように上記受入開口部に受け入れられるようになっており、上記横棒、上記受入開口部、および上記電気施錠部は、上記二輪車が上記ドッキング構造に施錠されているときに、上記横棒の長手方向を軸とした回転を許容するように形成されている構成としてもよい。
【0064】
また、本発明の他の二輪車は、当該二輪車を使用する際の通常位置において実質的に水平方向に延伸する横棒からなる施錠部材を有する二輪車であって、前輪を支持するフロントフォークと一体化されたハンドルレバーと、上記横棒を上記二輪車のフロントフォークと一体化されたブラケットに接続する接続部材を有する施錠部材とを備え、上記接続部材は当該二輪車を使用する際の通常位置において実質的に水平な方向に延伸しており、かつ当該接続部材の垂直方向への移動を許容する可動接続部によって上記ブラケットに接続されている。
【0065】
なお、上記した本発明の他の二輪車自動保管システムの実施形態として、以下に示す構成のうちの1または複数の構成を用いてもよい(これらの構成は、互いに独立に使用されてもよく、上述した構成と独立して使用されてもよい)。
【0066】
例えば、規制部材に接続された、上記可動接続部に垂直な垂直面内において第1位置と第2位置との間で移動可能な少なくとも1つの可動部材を備えた電気施錠部を備えており、上記第1位置は、上記施錠部材の上記横棒が上記受入開口部に対して上記係合方向に係合されるときに上記可動部材が上記施錠部材に干渉する上記電気施錠部の開錠位置に対応する位置であり、上記第2位置は、上記施錠部材の上記横棒が上記受入開口部に挿入されるときに当該横棒が上記可動部材を第1位置から第2位置へ移動させ、上記可動部材が第1位置から第2位置に移動するときに当該可動部材が上記規制部材を上記施錠位置に移動させることが可能となる上記電気施錠部の施錠位置に対応する位置である構成としてもよい。
【0067】
また、上記規制部材および上記可動部材が、上記受入開口部によって規定される上記固定水平軸に平行な回転軸を軸として施錠位置と開錠位置との間で回動可能に設けられた共通の施錠部に備えられている構成としてもよい。
【0068】
また、上記電気施錠部は開錠位置の方向に弾性力を付与されており、かつ上記電気施錠部には、上記施錠部材が施錠位置に保持される当接位置と上記施錠部材が施錠位置に移動することを許容する離間位置との間で移動可能に設けられたタンブラーを備え、上記タンブラーは上記当接位置に向かう方向に弾性力を付与されており、上記電気施錠部は、上記タンブラーを上記当接位置から上記離間位置に移動させる機能を有する電動アクチュエータを備えている構成としてもよい。
【0069】
また、上記電気施錠部は、上記固定水平軸方向に実質的に垂直な方向に延伸する、上記横棒を受け入れる溝部を有する施錠プレートを備え、上記施錠プレートは、上記規制部材および上記可動部材をそれぞれ構成する溝を形作る2つのリップ部を備えている構成としてもよい。
【0070】
また、上記二輪車の施錠部材は、上記横棒に一体化された接続部材を備え、上記横棒と上記接続部材とが略T字型をなすように一体化されており、上記電気施錠部は、上記横棒に対して上記接続部材の一方の面側から係合される、互いに接続された2つの施錠プレートを備えている構成としてもよい。
【0071】
また、上記保持部材は、上記横棒の一端側および他端側に対応する位置に配置された2つの受入開口部を備えていてもよい。
【0072】
また、上記保持部材は、上記二輪車が上記施錠ステーションに施錠されたときに上記横棒の中心を位置合わせするための、上記横棒の一端側および他端側にそれぞれ当接する側壁部を備えていてもよい。
【0073】
また、上記横棒は実質的に円形の断面形状を有していてもよい。
【0074】
また、上記ドッキング構造は、上記二輪車を当該ドッキング構造に施錠するときに当該二輪車の前輪を受け入れる溝を有するスタンドであってもよい。
【0075】
また、上記二輪車は、前輪を支持するフロントフォークと一体化されたハンドルレバーを備え、上記二輪車の施錠部材が当該二輪車の上記フロントフォークと一体化されている構成であってもよい。
【0076】
また、上記ドッキング構造は、実質的に水平方向に延伸し、複数の施錠ステーションを含む梁部材を有していてもよい。
【0077】
〔図面の簡単な説明〕
本発明の更なる特徴および利点は、図面に関連する各実施形態(これら各実施形態は本発明を限定するものではない)の説明により明白になるであろう。
【0078】
図1は、本発明の第1実施形態にかかる二輪車自動保管システムを示す図である。
【0079】
図2は、図1における二輪車ドッキング構造を構成するスタンドの1つに二輪車を固定した状態を示す図である。
【0080】
図3は、図2の二輪車に装着されている施錠部材を示す図である。
【0081】
図4は、図2の自転車が施錠されるスタンドを示す図である。
【0082】
図5は、図4のスタンドに備えられる保持部材を示す図である。
【0083】
図6は、図5の保持部材におけるVI−VI断面の断面図、および当該保持部材の操作部を示す図である。
【0084】
図7は、図1〜図6の二輪車保管システムにおける主な電気部材を示すブロック図である。
【0085】
図8は、本発明の第2実施形態にかかる二輪車自動保管システムを示す図である。
【0086】
図9は、図8のシステムで用いられる二輪車を示す図である。
【0087】
図10は、図9の二輪車に備えられる施錠部材を斜め下方から見た図である。
【0088】
図11は、図10の施錠部材および当該施錠部材に備えられる電気接点の断面図である。
【0089】
図12は、図8のシステムに備えられる二輪車ドッキング構造に設けられているスタンドの1つに施錠された図9の二輪車の側面図である。
【0090】
図13は、図12のスタンドにおける二輪車を施錠している状態(明瞭にするために二輪車は省略している)を示す図である。
【0091】
図14は、図13のスタンドに備えられる保持部材の電気接点を含む保持面の高さでの縦断面図である。
【0092】
図15は、図13の固定スタンドに備えられる保持部材が施錠位置にある状態を斜め下方から見た図である。
【0093】
図16および図17は、図13の固定スタンドに備えられる保持部材に取り付けられた電気施錠部を異なる2方向から見た図である。
【0094】
図18は、図16および図17の電気施錠部の中央部の断面図である。
【0095】
図19は、本発明の第2実施形態にかかる二輪車保管システムのブロック図である。
【0096】
図20は、図13の施錠スタンドに備えられる保持部材の電気施錠部を開錠位置にした状態における図18と同じ断面の断面図である。
【0097】
図21は、上記保持部材を図19と同じ視点から見た断面図である。
【0098】
図22は、本発明の第3実施形態にかかる二輪車保管システムのブロック図である。
【0099】
図23および図24は、本発明の第4実施形態についての図10および図13と同様の図である。
【0100】
図25は、本発明の第5実施形態におけるドッキング構造に施錠された二輪車を示す図である。
【0101】
図26および図27は、図25の二輪車をドッキング構造に固定した状態を示す断面図であり、ドッキング構造に備えられる電気施錠部を開錠位置にした状態と施錠位置にした場合とをそれぞれ示している。
【0102】
図28および図29は、本発明の第5実施形態の変形例を示す図である。
【0103】
図30は、本発明の第5実施形態にかかる二輪車の付属部品を示す図である。
【0104】
図31は、図30の付属部品の断面図である。
【0105】
図32および図33は、本発明の第6実施形態についての図1および図7と同様の図である。
【0106】
図34は、図33と同様のブロック図であり、本発明の第6実施形態の変形例を示している。
【0107】
〔詳細な説明〕
上記の各図面において、同じ符号は同一または同様の部材であることを示している。
【0108】
<第1実施形態>
図1に示すように、本発明は、例えば、公衆が利用できるように二輪車を公道上で保管することができる、二輪車(例えば自転車)のための二輪車自動保管システム1に関するものである。
【0109】
この二輪車自動保管システムは、各種の二輪車保管ステーションを含み、図1はそのうちの1つを示している。各二輪車保管ステーションは、中央ステーション端末装置2を含んでいる。本実施形態における中央ステーション端末装置2は、キーボード3、表示画面4、携帯型電子カードリーダ5、およびチケット印刷装置6などのユーザーインターフェースを有する対話型の端末装置である。変形例として、対話型の端末装置2はユーザーインターフェースを含まなくてもよく、上記二輪車保管ステーションと中央サーバー装置Sとの間の単純な通信を行うための接続点であってもよい。
【0110】
対話型の端末装置2は、二輪車の予約および貸し出しを管理する中央サーバー装置S、および、保管時に二輪車を施錠する機能を有する複数のドッキング構造7との通信を行う。上記複数のドッキング構造7は、例えば公道上の地面に据え付けられた施錠スタンドの形態を有している。ここで、各施錠スタンドは、1台の二輪車1を施錠する機能を有する1つの二輪車施錠ステーションを構成している。
【0111】
図2に示したように、各ドッキング構造7は保持部材8を有している。この保持部材8は、水平方向に開いた切欠開口部9を有する堅牢なハウジングを形成しており、1台の二輪車1のフレーム1aに一体化された施錠装置11に備えられる施錠部材10を収容して保持する機能を有している。
【0112】
図3に示すように、施錠装置11は、例えば二輪車のフレーム1aを構成するパイプの一部を取り囲むように互いに結合する2つの部材12aおよび12bを有するブラケット12を備えている。上記施錠部材10は、例えば上記した欧州特許出願公開第1820722号明細書に示されている例と同様、少なくとも上記二輪車に対して垂直方向に適切な移動量だけ移動できるようにブラケット12に移動可能に取り付けられていてもよい。
【0113】
より具体的には、上記施錠部材10は、当該施錠部材10の中間面に垂直な水平方向の回転軸X1を軸としてブラケット12に対して旋回可能に備えられていてもよい。図3に示した例では、施錠部材10は上記回転軸X1に対してずれた位置に配置された上記回転軸X1に平行な中心軸X2を軸として回転する円筒状ハブ13に一体化された垂直金属プレート10aを備えている。上記ハブ13は、回転軸X1を軸として回転可能にブラケット12に備えられたレバーアーム14と一体化されている。
【0114】
上記施錠部材10は前方に延伸している。すなわち、上記施錠部材10はハブ13から回転軸X1の軸方向に向かって延伸している。施錠部材10は、当該施錠部材10の前端部に、上記軸X1およびX2に平行な方向に貫通した穴部15を備えている。この穴部15は、上記中心軸X2を実質的に中心として放射状に広がる方向の内側および外側に円弧状の端部を有している。また、上記施錠部材10の上記プレート10aは、ハウジング12から離れた位置において当該ハウジング12に対向するように配置された絶縁領域18を備えている。絶縁領域18内には、電力インターフェース20を構成する、金属性の電気接点19が配置されている。例えば、これらの電気接点を3つ備え、中央接点と2つの湾曲接点とを構成してもよい。上記中央接点は、上記中心軸X2上に配置された平らな接点であり、実質的に水平方向の広がりを有することが好ましい。上記2つの湾曲接点は、実質的に水平方向の広がりを有しており、上記中央接点の両側に配置されており、これら両湾曲接点の表面は平らであり、上記中心軸X2に面する側が凹型に湾曲した輪郭を有している。
【0115】
なお、施錠部材10に備えられる電気接点の数は3つに限るものではない(例えば2つであってもよい)。
【0116】
上記電気接点19は、図7に示したように、二輪車1がドッキング構造7に施錠されたときに、上記ドッキング構造を二輪車1に備えられている電気回路22に電気的に接続する。
【0117】
上記電気回路22は、例えば、ドッキング構造7と通信する機能を有する、マイクロプロセッサあるいはマイクロコントローラなどの中央処理装置(CPU)23と、中央処理装置23に電力(例えば電圧6Vあるいは3Vの電力)を供給する低電圧電力供給回路(AL)24と、上記低電圧電力供給回路24に接続された低電圧バッテリー(BATT.)25と、ダイナモ(二輪車のハブ(図2参照)に設けられ、二輪車に人が乗ったときに電流を発生するハブダイナモ(D)26)などの発電装置とを備えている。また、上記発電装置は、バッテリー25を充電するための電力供給回路に接続されている。
【0118】
図4および図5に示したように、保持部材8に設けられた切欠開口部9は水平方向である係合方向Eにおいて互いに一体化した傾斜路を形成する2つのガイド部27aを備えている。これら各ガイド部27aは、施錠部材のプレート10aと協同して施錠部材10の回転軸X1を保持部材8における所定の施錠位置に移動させるように調整されている。これにより、施錠部材10(より具体的には当該施錠部材10の穴部15)は保持部材8に対して係合方向Eに挿入された後、比較的正確な高さに保持される。
【0119】
図5に示したように、保持部材8は、例えば切欠開口部9およびガイド部27aを有するハウジング28aと、ベース部29aとを備えている。
【0120】
図6および図7に示したように、ベース部29aは電気回路30を備えている。この電気回路30は、例えば、マイクロプロセッサあるいはマイクロコントローラなどの中央処理装置(CPU)31と、中央処理装置31に電力(二輪車の低電圧電力供給回路24と同じ電圧(例えば3Vあるいは6V)の電力)を供給する低電圧電力供給回路(AL)32と、低電圧電力供給回路32から電力が供給され、中央処理装置31によって制御される施錠制御電磁石(LCK)33と、例えば3つの接点からなり、低電圧電力供給回路32に接続される電力インターフェース35を構成する電気接点34と、低電圧電力供給回路32に低電圧を供給するバッテリー(BATT.)36と、中央処理装置31に接続され、短距離無線プロトコル(例えば、BLUETOOTH(登録商標)、ZIGBEE(登録商標)、あるいはその他のプロトコルなど)を用いて対話型端末装置2との間で通信を行うことができる無線通信インターフェース(COM2)40とを備えている。また、電気回路30は、例えば開錠認証処理に成功したときにスタンド7に施錠された二輪車1の開錠を行うために用いられる、中央処理装置31に接続される各種の付属品(例えばスタンド7の上面に配置される非接触カードリーダ7a、インジケーター7b、および制御ボタン7cなど(図2参照))を備えていてもよい。
【0121】
電気接点34は、二輪車が施錠スタンド7に施錠されるときに、施錠部材の電気接点19にそれぞれ当接するように形成された、ベース部29から突出するピン形状であってもよい。これら各電気接点34は、例えば実質的に鉛直方向に並ぶように配置されており、例えば電気絶縁性の材料からなるベース部29aのハウジングなどによって互いに電気的に絶縁されている。
【0122】
また、ベース部29は、取付部材37(例えば延長方向の軸Zを回転軸として回転可能に備えられた、ベース部29aから突出したリップ部38を有するフックなど)を備えている。フック37は、リップ部38がベース部29から突出する状態になる非利用位置の方向への弾性力が付与されている。これにより、施錠部材10が保持部材8において係合方向Eに結合されたときに、プレート10aの前面によってリップ部38の傾斜面38aが押されてリップ部38が引っ込み、その後、上記リップ部38がプレート10aの穴部15に係合し、リップ部の係合エッジ38bと穴部15の外側エッジ17とが当接して施錠部材10が保持部材8に保持される。
【0123】
この状態では、二輪車1は施錠スタンド7に施錠される際の遊びを小さくするために、施錠部材のハブ13はカバー28aにおける切欠開口部9の終端エッジ27bに当接していることが好ましい。図7は、リップ部38および電気接点34〜36の施錠部材10に対する相対位置が二輪車1を施錠スタンド7に施錠する位置である状態を一点鎖線で示している。
【0124】
二輪車1を施錠スタンド7から取り外すことができるように、電磁石33によって取付部材37を引っ込んだ位置に移動できるようにしてもよい。
【0125】
図8および図9に示すように、施錠部材10はバネ39によって非利用位置の方向に弾性力を付与されている。
【0126】
各施錠スタンド7は独立しており、各施錠スタンド7には外部と接続される電力ケーブルあるいは低電流データ送信ケーブルなどは接続されていない。したがって、スタンド7の設置は非常に簡単である。
【0127】
この点に関し、対話型端末装置2は、キーボード3、表示画面4、カードリーダ5、および印刷装置6との通信を行うマイクロプロセッサあるいはその他の部材からなる中央処理装置(UC)42と、各スタンド7の通信インターフェース40と同じ通信プロトコルを用いて通信インターフェース40との通信を行う無線通信インターフェース(COM2)41と、例えばGPRSモデムあるいは他の装置からなり、中央サーバー装置Sとの間で通信を行う機能を有する通信インターフェース(COM1)43とを備えている。
【0128】
上記のシステムは、以下のように動作する。
【0129】
ユーザーが施錠スタンド7の1つから二輪車1を借りたい場合、ユーザーは、例えば携帯型電子カードを対話型端末装置2のカードリーダ5に挿入し、この対話型端末装置に当該ユーザーの認証処理を行わせるためにキーボード3を用いて認証コードを入力する。対話型端末装置2は、サーバー装置Sに当該ユーザーの権利を確認させ、施錠スタンド7の1つを開錠する許可を与える。これにより、ユーザーは、上述のボタン7cを押すことによって当該スタンドに施錠されている二輪車1を開錠することができる。その後、ユーザーは二輪車1に乗ることができる。施錠スタンド7の中央処理装置31は、取り外された二輪車1との通信ができなくなることにより、当該二輪車1が取り外されたことを検出する。その後、施錠スタンド7の中央処理装置31は、二輪車1が取り外されたことを対話型端末装置2に通知する。
【0130】
ユーザーが二輪車1を施錠スタンド7に返却する場合、ユーザーは施錠部材10を施錠スタンドの保持部材8に係合させる。この動作の間、施錠部材10は回転軸X1のまわりを回りながら保持部材8のガイド部27aによって案内される。これにより、施錠部材の穴部15は取付部材のリップ部38の位置に配置され、二輪車の電気接点19が保持部材の電気接点34に当接する。
【0131】
その後、施錠スタンドの中央処理装置31は、二輪車を識別して当該二輪車が返却されたことを対話型端末装置2に通知するために、電気接点19および34を介して二輪車の中央処理装置23との通信を行う。
【0132】
また、二輪車1の電力供給回路22は、施錠スタンド7の電力供給回路30に電気接点19,34を介して電力を供給する。これら両回路は、二輪車の発電機26によって二輪車のバッテリー25に予め充電された電力によってスタンド7のバッテリー36を充電することができるように設計されている。二輪車の電力供給回路24とドッキング構造の電力供給回路32とは、二輪車の電力蓄積装置の充電電力が0ではない最小充電レベル(例えば公称充電電力の10%)よりも大きい限り、二輪車のバッテリー25によってドッキング構造のバッテリー36を充電できるようになっている。これにより、バッテリー36を充電することによって二輪車のバッテリー25が完全に放電されることを防止するようになっている。
【0133】
なお、二輪車の中央処理装置23とスタンドの中央処理装置31との間の情報交換に用いる電気接点とバッテリー36の充電に用いる電気接点とを異ならせてもよい。あるいは、二輪車の中央処理装置23とスタンドの中央処理装置との間の情報交換とバッテリー36の充電とを同じ電気接点を用いて行い、二輪車の中央処理装置23とスタンドの中央処理装置との間の情報交換信号をフィルタ処理によって分離するようにしてもよい。
【0134】
変形例として、本発明の全実施形態において、中央処理装置23と中央処理装置31との間のデータ通信を無線リンク(例えばRFIDリンク等の短距離無線リンク)を用いて行い、二輪車ドッキング構造に対する電力供給のみを二輪車の電気接点とスタンドのドッキング構造の電気接点を介して行うようにしてもよい。
【0135】
他の変形例として、二輪車のバッテリー25および/またはドッキング構造のバッテリー36を他の蓄電装置(例えばスーパーキャパシター(登録商標)など)に置き換えてもよい。
【0136】
また、ドッキング構造のバッテリー36あるいは他の蓄電装置を省略してもよい。この場合、ドッキング構造7は、当該ドッキング構造7に二輪車が施錠されているときにのみ、この二輪車のバッテリー25あるいは他の蓄電装置から電力供給を受けることができる。
【0137】
なお、上述した全ての変形例は、本実施形態だけでなく、後述するすべての実施形態にも適用することができる。
【0138】
<第2実施形態>
図8〜図21は、本発明の第2実施形態を示している。なお、二輪車自動保管システムの全体的な構成および動作原理は上述した第1実施形態と同様なので、その詳細な説明は省略する。
【0139】
本実施形態では、二輪車自動保管システムは、上述した各中央ステーション端末装置2と間で通信を行う中央サーバー装置Sを備えている。各ステーション端末装置2は、典型的には上述した短距離無線リンクを用いて複数の二輪車ドッキング構造(施錠スタンド)107との通信を行う。
【0140】
上記二輪車自動保管システムにおける二輪車(例えば自転車)101としては、図9に示すように、フレーム101aと、ハンドルレバー101cと一体化された、前輪101dを支持するフォーク101bとを備えている。
【0141】
図9〜図11に示すように、二輪車のフロントフォーク101bは、施錠部材110と一体化されている。施錠部材110は例えば金属からなり、略T字型の形状を有している。
この施錠部材110は、水平方向の軸線Y1に平行、かつ二輪車の通常の進行方向に垂直な方向に沿って延伸する、剛性を有する横棒110を備えている。横棒110の断面形状は軸線Y1を中心とする略円形状であり、剛性を有する接続部材112と一体化されている。接続部材112は、二輪車のフロントフォーク101bと一体化された剛性を有するブラケット113から実質的に水平方向に延伸した金属製の棒状部材からなる。施錠部材110は導電性材料からなる複数の電気接点119を備えている。本実施形態では、横棒111における一方の端部の近傍に2つの電気接点119が設けられている。
【0142】
より具体的には、各電気接点119は横棒111の下部に設けられている。横棒111は軸方向の一方の端部近傍に切欠部121を有する金属製の管状部材であり、電気接点119はこの切欠部121内に設けられている。電気接点119を、例えば、管状の横棒111の内部に成型あるいは埋め込まれた、例えば合成樹脂などからなる絶縁材118によって支持してもよい。
【0143】
電気接点119は、第1実施形態における電気接点19と同様、二輪車の電気回路22に接続されている。この電気回路22は、図19に示すように、上述した構成と同様のものである。
【0144】
図8および図13に示すように、各施錠スタンド107は、上方に開口した保持部材108を備えている。この保持部材108に対して二輪車の施錠部材110に備えられる横棒111が実質的に鉛直方向である係合方向Eに係合され、保持部材108がこの横棒111を保持するようになっている。
【0145】
保持部材108は、スタンド107の上部前面に形成された上面部材123を備えた、剛性を有する金属製のハウジング122を備えている。上面部材123は、側面が鉛直方向に延伸している地面に固定された2つの鉛直構造部材124の間に水平方向に延伸するように設けられている。図8および図12に示すように、これら各鉛直構造部材124同士の間には地面まで延伸する垂直溝部125が形成されており、二輪車101を施錠スタンド107も施錠させるためにこの二輪車101の前輪101dをこの垂直溝部125に受け入れるようになっている。垂直溝部125の幅は、例えば7cm〜12cm程度である。
【0146】
スタンド107は、スタンド7と同様、例えば開錠認証処理に成功したときにスタンド7に施錠された二輪車1の開錠を行うために用いられる、非接触カードリーダ107a、インジケーター107b、および制御ボタン107cなどの付属品(例えばスタンド7の上面に配置される非接触カードリーダ7a、インジケーター7b、および制御ボタン7cなど)を備えていてもよい。
【0147】
図13および図14に示すように、保持部材108のハウジング122は、二輪車の施錠部材110が保持部材108に係合されたときに横棒111の軸Y1に平行になる、実質的に鉛直方向に延伸する前面壁部126を備えている。この前面壁部126は、施錠スタンド107の前方(すなわち、この施錠スタンド107に施錠される二輪車101側)に突出する2つの側面壁部127によって形作られている。すなわち、2つの側面壁部127は、実質的に鉛直方向かつ前面壁部126に垂直な方向に延伸しており、横棒111の水平方向の長さに応じた距離だけ互いに離間している。これにより、保持部材108は、側面壁部127同士の間に横棒111を実質的に遊びがないか、あるいはほとんど遊びがない状態で受け入れることができるようになっている。
【0148】
また、各側面壁部127の下部に、前面壁部126の一部が上方に略J字型に開口した支持溝部128を備えていてもよい。これら各支持溝部128は、鉛直方向下方に向かう係合方向Eに向けて係合される二輪車の施錠部材に備えられる横棒111における軸方向の両端部を支持する機能を有している。
【0149】
また、保持部材108は、電力インターフェース135を形成する、導電性材料からなる電気接点134を備えている。電気接点134は例えば2つの接点からなる。これら各電気接点134は、例えば合成樹脂などの絶縁材136内に埋め込まれており、図19に示すように、施錠スタンド107の電気回路30に接続される。電気回路30は、第1実施形態における電気回路と同一または類似するものである。
【0150】
電力インターフェース135は一方の支持溝部128の底面に形成された、上方に向けて開口している切欠部137に設けられている。そして、電気接点134は、施錠スタンド107における二輪車の施錠部材に設けられた電気接点119に対向する位置に設けられている。支持溝部128の底面は、二輪車が施錠スタンド107に施錠されたときにこの二輪車に備えられる横棒111の軸Y1と一致する水平方向の軸Y2を中心とする円形形状であることが好ましい。また、電気接点134は、電気接点119と電気接点134とが二輪車を施錠スタンド107に施錠するときに軸Y1,Y2を中心とする横棒111の回転動作に干渉しないように、軸Y2を中心とする円に沿って配置されている。
【0151】
また、電気接点119,134は、横棒111と保持部材108との相対角度が所定範囲内(例えば10度〜20度)であるときに互いに接触する形状であることが好ましい。これにより、二輪車の施錠部材に備えられる横棒111の位置がスタンド107における正規の位置からずれている場合であっても、二輪車101と施錠スタンド107との電気的接続を維持することができる。
【0152】
また、図13に示すように、保持部材108のハウジングにおける前面壁部126は2つの垂直溝部129を備えており、これら各垂直溝部129を通って2つの施錠プレート130が施錠スタンド107の前方(すなわち二輪車101の方向)に向かって2つの側面壁部127に平行に突出している。
【0153】
図15〜図18に示すように、2つの施錠プレート130は、前面壁部126の背面を横断する背面壁部131によって互いに接続された金属部材であってもよい。これにより、上記施錠プレート130および背面壁部131とにより、合成を有する1つの施錠部132が形成される。また、各施錠プレート130には、前面壁部126に設けられた溝部129から前方に突出する部分に円弧状の切欠部133が設けられている。この円弧状の切欠部133は、約180度以上にわたって形成されており、その直径は二輪車に備えられる横棒111の外径に実質的に対応している。これにより、以下に説明するように、切欠部133によって横棒を支持することができる。
【0154】
各施錠プレート130は、切欠部133の両側に、施錠部材および可動部材として機能する上側リップ部と下側リップ部とを備えている。施錠部132が施錠位置にある場合、切欠部133は、この切欠部133に係合された横棒111が支持溝部128において2つの施錠プレートからなる規制部材130aによって規制され、支持溝部128から外れることを防止するように略水平にされる(図14参照)。
【0155】
切欠部133は、上述したように、支持溝部128とともに軸Y2を中心とする円弧形状を形成し、この円弧形状内において横棒111は軸Y1を中心として自由に回転することができる。また、二輪車101のフレーム101aは、ハンドルレバー101cに垂直な軸を中心として自由に回転することができる。これにより、破壊活動によって二輪車が容易に破壊されてしまったり、スタンド107から取り外されてしまったりすることを防止することができる。すなわち、二輪車のフレーム101aが破壊活動者によって二輪車101とスタンド107との施錠部に過剰な力を生じさせるための梃子として用いられることを防止できる。
【0156】
また、スタンド107によって二輪車の少なくとも前輪101dを部分的に保護することができるので、保管中の二輪車101の保護効果を高めることができる。
【0157】
施錠部132は、例えば2つの平行な垂直フランジ137(図15参照)上で回転するように設けられた、ハウジング122の前面壁部126から背面側に垂直に延伸する回転ロッド136により、上述した軸Y2に平行な回転軸Y3を軸として回転できるように設けられている。施錠部132は、バネ138によって上方(後述する開錠位置に向かう方向)に付勢されている。バネ138は、例えば、施錠部132の背面壁部131における軸Y3の延伸方向両側に巻き付けられた2つの巻線部139を有する金属製ワイヤーからなる。これら各巻線部139の一端であるエンドアーム139a(図15および図16参照)は対応するフランジ137上に係止されており、他端である弾性金属ワイヤーからなる鐙型の中央部140は背面壁部131の下部に係止されている。
【0158】
施錠部132の背面壁部131の上部には、背面側に向かう方向の位置を規定する接合領域141が設けられている。また、この接合領域141には、上方に向かう方向の位置を規定する底面を有する肩部142が設けられている(図17および図18参照)。
【0159】
また、施錠部132には、タンブラー143と電動アクチュエータ146とを有する電気施錠部が設けられている。
【0160】
タンブラー143は、回転軸Y2およびY3に平行な回転軸Y4を軸としてスタンド107に対して相対的に回転できるように設けられた、剛性を有する金属性プレートからなる。このタンブラー143は、例えば、上述したフランジ137同士の間で回転できるように設けられた回転ロッド144によって回転可能に設けられている。このタンブラー143は、実質的に前方に向かう方向に延伸する前端部145を有している。この前端部145は施錠部の背面止め部141に当接し、当該施錠部をバネ138の弾性力に打ち勝って施錠位置に保持する機能を有している。
【0161】
電動アクチュエータ146は、例えば本体147と本体147内を縦方向にスライドする作動ロッド148とを備えたソレノイドアクチュエータである。作動ロッド148は、例えばシート状金属レバー149を介してタンブラー143に接続されている。作動ロッド148の端部は上記レバー149内の溝149aに接合されており、上記レバー149を構成するシート状金属プレートの両面側に配置された2つの止め部材148aを備えている。
【0162】
作動ロッド148は、通常時には背面側に弾性力を付与されている。すなわち、アクチュエータ146の本体内に備えられた内部バネ部材(図示せず)によって張り出した位置にされる。これにより、タンブラー143は、当該タンブラー143の前端部145が施錠部の止め部141に当接する当接位置にされる。また、アクチュエータ146の本体147は、電力が付与されたときに、作動ロッド148を引き込み、タンブラー143が施錠部の止め部141から離間した解除位置へ回転させる。これにより、施錠部132は、回転軸Y3を軸として後方に回転し、施錠プレート130の溝133が実質的に上方を向いた開錠位置にされる。
【0163】
開錠位置に移行させる際、タンブラー143が止め部141に干渉して施錠部が後方に回転し始めることを阻害しないようにするだけでいいので、電動アクチュエータ146に電力が供給される時間は短時間である。例えば、10秒未満あり、5秒未満であることがより好ましい。タンブラー143の回転が開始したら、アクチュエータ146への通電を停止してもよい。その後、タンブラー143は再び下方へ押され、施錠部132の回転を阻害することなく、施錠プレート130における円形の上面に単に寄り掛かった状態になる。
【0164】
したがって、アクチュエータ146の電力消費量は非常に少ない。
【0165】
この開錠位置では、図20および図21から明らかなように、施錠プレート130の規制部材130aは前面壁部126の背面に引っ込み、施錠プレートの始動部材130bのみが前方に出ている。したがって、二輪車の横棒111を保持部材108から自由に取り外すこと(すなわち、対応する二輪車101を解放すること)ができ、逆に、係合方向Eである鉛直下方に係合させることもできる。後者の場合、施錠スタンド107に施錠される二輪車の横棒111によって施錠プレートの始動部材130bが下方へ押され、タンブラー143が施錠部の肩部142上で止め部141に係合するまで施錠部132がバネ138の弾性力に反して下方へ回転し、その後、施錠部は図13および図18に示したように再び施錠位置とされる。
【0166】
図8〜図21に示したシステムにおける操作方法は、図1〜図7と同様なのでここではその説明は省略する。実施形態1における電気接点19,34は、スタンド107のバッテリー36に電力を伝えるとともに、スタンド107の中央処理装置31が二輪車101の中央処理装置23と通信することを可能にするための電気接点119,134に置き換えられている。
【0167】
<第3実施形態>
図22は本発明の第3実施形態を示している。第2実施形態と異なる点は、ドッキング構造207は、鉛直構造部材207aによって地面に固定された水平金属棒を備えており、この水平金属棒が、当該水平金属棒の上面および/または下面に固定された、上述した保持部材108に対応する二輪車施錠ステーションを複数含んでいる点である。
【0168】
この例では、各二輪車保管ステーションは、1または複数のドッキング構造207を備えることができる。
【0169】
なお、第3実施形態では、電気回路30は保持部材108毎に設けられていてもよく、電気回路30の一部(特に、中央処理装置31、電力供給回路32の少なくとも一部、バッテリー36、および通信インターフェース40)が全ての保持部材108によって共有されていてもよい。
【0170】
<第4実施形態>
図23および図24は本発明の第4実施形態を示している。第2実施形態と異なる点は、電気接点119が側面電気接点119aに置き換えられ、ドッキング構造の電気接点134が側面電気接点134aに置き換えられている点である。側面電気接点119aは、横棒111の軸方向両端部において当該横棒111の軸方向外側にわずかに突出するように備えられた、軸Y1に沿う方向に弾性力を付与された2つのボール状の金属部材からなる。側面電気接点134aは、各側面壁部127の内面において軸Y2上に配置されており、これら各電気接点134aと二輪車の各電気接点119aとがそれぞれ当接するようになっている。
【0171】
<第5実施形態>
図25は本発明の第5実施形態を示している。この第5実施形態にかかる二輪車保管システムの構造および動作は上述した二輪車保管システムと同様なのでここではその詳細な説明は省略する。
【0172】
この第5実施形態における二輪車301は、上述した二輪車101の構成と同様、フロントフォーク301bおよび前輪301dを支持するフレーム301aを備えている。フロントフォーク301bは剛性を有するブラケット313と一体化されている。ブラケット313は、フロントフォーク301bの2つのアームから前方かつ上方へ突出する、互いに平行に配置された2つの側面フランジを備えている。図26および図27に示したように、これら側面フランジ313は、略T字型の施錠部材310を支持している。施錠部材310は、上述した横棒111と同様の剛性を有する横棒311と、フランジ313から前方に延伸する剛性を有する接続部材312とを備えている。二輪車301は二輪車ドッキング構造(施錠スタンド)307に施錠することができる。図25は二輪車ドッキング構造307に施錠された二輪車301の1つを示している。
【0173】
この施錠スタンド307は、第2実施形態において詳述した施錠スタンド107と略同様の構成であり、二輪車の施錠部材310を支持して施錠する機能を有する保持部材308を支持する上面部材323を備えている。この上面部材323は、ベース部324aと一体化された、地面に固定されている2つの側面部材324の間に水平方向に延伸するように設けられている。
【0174】
二輪車を施錠スタンド307に施錠する場合、二輪車の前輪301dをベース部324a上に載せる。ベース部324aは、二輪車の施錠部材310の高さが保持部材308に対応する高さになるように高さを調整されている。
【0175】
図26に示すように、保持部材308は、利用可能な場合には水平方向(係合方向E)に開口している。また、保持部材308は、横棒311の軸方向両端に対応する位置に水平方向の開口部328を備えている。この開口部328の下側壁部328aは、図26および図27に示すように、横棒311が開口部328係合されるときに横棒311を案内するガイドとして機能する。
【0176】
また、保持部材308は電気施錠部を備えている。上記電気施錠部は、例えば、上述した施錠プレート130と同様の2枚の施錠プレート330を備えた構成であり、各施錠プレート330が横棒311を受け入れる溝部333を備えている構成であってもよい。図27に示したように、各施錠プレート330は、回転軸Y3を軸として、横棒311を受け入れるために溝部333が水平方向に開口する開錠位置(図26参照)と、溝部333が下方に約90度回転し、開口部328の下側壁部328aとの間で横棒311を閉じ込める施錠位置とに回転可能に設けられている。電気施錠部および施錠プレート330の動作は第2実施形態と同様である。第2実施形態と同様、二輪車301のフレームが破壊活動によって持ち上げられた場合には横棒311が回転軸Y1,Y2を軸として回転するので、二輪車あるいは施錠スタンド307が損傷することを防止できる。
【0177】
上述した施錠プレート330は制御機構350によって制御される。制御機構350は、第2実施形態に示した制御機構と同様の構成であってもよく、仏国特許出願公開第2905927号明細書に開示されているものと同様の制御機構であってもよい。
【0178】
図28に示すように、1つの二輪車保管ステーションにおける複数の施錠スタンド307を、地面に固定された接続プレート324bを用いて互いにベース部324aで固定してもよい。これにより、本発明の二輪車保管システムの設置を容易にすることができる。
【0179】
また、図29に示すように、2つの施錠スタンド307を、これら両施錠スタンド307の一方または両方における上述した保持部材308の垂直面に設けられた梁部材307aによって接続してもよい。図29の例では、ドッキング構造は、梁部材307a上の保持部材308に応じて二輪車の前輪を案内するガイド324dを備えている。図28に示すように、ベース部324a、324cは、地面に固定された接続プレート324bによって互いに接続されている。
【0180】
図30および図31に両方向矢印311aで示したように、第5実施形態では、二輪車の施錠部材310は軸Y1に平行な水平方向の軸Y5を軸として回転可能なように側面フランジ313に弾性的に接続されている。
【0181】
施錠部材310は、弾性スリーブによって上記フランジ313に接続されている。上記弾性スリーブは、例えば、外部補強部材312aと、内部補強部材313aと、弾性体312bとを備えている。外部補強部材312aは、接続部材312と一体的に設けられた、軸Y5の方向に延伸する断面形状が略正方形の管状部材である。内部補強部材313aは、側面フランジ313と一体的に設けられた、軸Y5の方向に延伸する断面形状が略正方形の管状部材である。また、内部補強部材313aの表面は、外部補強部材312aの表面に対して45°ずれた角度になるように配置されている。弾性体312bは、外部補強部材312aと内部補強部材313aとの間の空間に充填されている。弾性体312bは、弾性を増すために空洞を有していてもよい。
【0182】
本発明の全実施形態において、二輪車およびドッキング構造の電気回路(特にそれらの電気回路に備えられるバッテリー)は、同じ電圧で駆動される。また、この電圧は、電気接点19、119、119a、34、134、134aが水に対して過敏にならないように、低電圧(例えば3Vあるいは6V)であることが好ましい。
【0183】
<第6実施形態>
図32および図34は本発明の第6実施形態を示している。第6実施形態にかかる二輪車自動保管システムの構成および動作は上述した実施形態と同様なので、ここではその詳細な説明は省略する。
【0184】
より具体的には、二輪車1、施錠スタンド7、および保持部材8は、実施形態1と同様の構成である。また、中央ステーション端末装置2も実施形態1と同様の構成であり、中央サーバーSとの間で無線リンク(GPRS)あるいは有線接続(本発明の全実施形態において、中央ステーション端末装置2と遠隔サーバー装置Sとをケーブルで接続することが可能である)を用いて通信を行う。
【0185】
この第6実施形態では、スタンド7および中央ステーション端末装置2は、全て地面上に配置された共通の基台55によって支持されている。なお、基台55は地面に固定されていてもよく、移動可能であってもよい。
【0186】
図示した例では、基台55は、比較的細い幅を有しており、中央ステーション端末装置2と複数の施錠スタンド7とが並ぶ方向、かつこれら各施錠スタンド7に施錠される二輪車1の取付方向に垂直な方向に延伸している。基台55は互いに当接する複数の支持プレート56,57を備えていてもよい。支持プレート56は中央ステーション端末装置2を支持しており、各支持プレート57は1台の施錠スタンド7を支持している。なお、支持プレート57が複数の施錠スタンド(例えば、3台、4台、あるいは5台の施錠スタンド)を支持するようにしてもよい。
【0187】
ここで、基台55は、施錠スタンド7および中央ステーション端末装置2とともに、二輪車1の保管期間中、当該二輪車を支持するドッキング構造を構成する。
【0188】
また、このドッキング構造は、太陽電池パネル50を備えている。この太陽電池パネル50は、中央ステーション端末装置2の支持プレート56に固定された鉛直方向に延伸する支柱51によって支持されている。
【0189】
変形例として、太陽電池パネル50が中央ステーション端末装置2によって直接支持されていてもよい。また、他の変形例として、太陽電池パネル50に代えて、あるいは太陽電池パネル50に加えて、風車、燃料電池、あるいは他の独立した電源を備えていてもよい。
【0190】
図33に示したように、太陽電池パネル50は、中央ステーション端末装置2に備えられる各種電気器具に電力供給回路53を介して電力を供給するためのバッテリー52に電力を供給する。電力供給回路53は少なくとも中央処理装置42に接続されている。また、電力供給回路53は、中央ステーション端末装置2に備えられる電気機器のうちの一部または全部に接続されていてもよい。
【0191】
また、中央ステーション端末装置2の電力供給回路53は、基台55中を通るケーブルによって各施錠スタンド7の電力供給回路32に接続されている。
【0192】
電力供給回路53および32は、バッテリー36が第1充電下限閾値(例えば充電容量の10%)に達したときにバッテリー52から施錠スタンド7のバッテリー36に電力を供給できるように設計されている。電力供給回路53および32は、バッテリー52から施錠スタンド7のバッテリー36にだけ電力を供給することができるが、逆方向の電力供給はできないようになっている。
【0193】
また、電力供給回路53および32は、バッテリー36の充電が公称充電容量の100%よりも低い値に設定される第2閾値に達したときに、中央ステーション端末装置2のバッテリー52から各バッテリー36への充電を中断するように設計されている。上記第2閾値は、例えば、公称充電容量の例えば50%以上の値(例えば公称充電容量の7%)に設定される。これにより、各施錠スタンド7のバッテリー36の充電は好ましくは上述したように二輪車1から行われ、中央ステーション端末装置2のバッテリー52は好ましくは当該中央ステーション端末装置の電気部品に電力を供給する。
【0194】
なお、施錠スタンド7のバッテリー36を省略してもよく、その場合にはバッテリー52はドッキング構造55,7,2のバッテリーとしてのみ用いられ、バッテリー52は二輪車1が施錠スタンド7に施錠されたときにこの二輪車1によって充電される。
【0195】
もちろん、第6実施形態において、施錠スタンド7を図22および図29に示したドッキング構造207,307aと同様のドッキング構造に置き換えてもよく、二輪車の施錠を行うことができる他の任意の構造に置き換えてもよい。
【0196】
変形例として、図34に示すように、施錠スタンドあるいは他の施錠構造の通信インターフェース40,41が、基台55内に配置された通信ケーブルによって中央ステーション端末装置2の通信インターフェース41と通信を行えるようにしてもよい。
【0197】
また、二輪車自動保管ステーションは、二輪車、太陽電池パネル50、あるいは他の発電手段による電力を補うために、公共電力システムなどの外部電力システム54から電力を供給されてもよい。上記外部電力システム54は、例えば中央ステーション端末装置2の電力供給回路53に接続される。この場合、電力供給回路53は、例えば、バッテリー52の充電量が下限閾値(例えば公称充電容量の10%)に達したときにだけ外部電力システム54がバッテリー52を充電するように設計される。この外部電力システム54による電力供給は、バッテリー52の充電レベルが上限閾値(例えば公称充電容量の70%)に達すると即座に停止される。
【0198】
図示しない他の変形例として、二輪車自動保管ステーションは、太陽電池パネル50あるいは他の独立した発電手段を備えない構成としてもよい。
この場合、二輪車自動保管ステーションは、ドッキング構造に施錠された二輪車1(二輪車1がドッキング構造に施錠されている場合)、および外部電力システム54から電力を供給される。
【図面の簡単な説明】
【0199】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる二輪車自動保管システムを示す図である。
【図2】図1における二輪車ドッキング構造を構成するスタンドの1つに二輪車を固定した状態を示す図である。
【図3】図2の二輪車に装着されている固定部材を示す図である。
【図4】図2の自転車が固定されるスタンドを示す図である。
【図5】図4のスタンドに備えられる保持部材を示す図である。
【図6】図5の保持部材におけるVI−Vi断面の断面図、および当該保持部材の操作部を示す図である。
【図7】図1〜図6の二輪車保管システムにおける主な電気的要素を示すブロック図である。
【図8】本発明の第2実施形態にかかる二輪車自動保管システムを示す図である。
【図9】図8のシステムで用いられる二輪車を示す図である。
【図10】図9の二輪車に備えられる固定部材を斜め下方から見た図である。
【図11】図10の固定部材および当該固定部材に備えられる電気接点の断面図である。
【図12】図8のシステムに備えられる二輪車ドッキング構造に設けられているスタンドの1つに施錠された図9の二輪車の側面図である。
【図13】図12のスタンドにおける二輪車を固定している状態(明瞭にするために二輪車は省略している)を示す図である。
【図14】図13のスタンドに備えられる保持部材の電気接点を含む保持面の高さでの縦断面図である。
【図15】図13の固定スタンドに備えられる保持部材が施錠位置にある状態を斜め下方から見た図である。
【図16】図13の固定スタンドに備えられる保持部材に取り付けられた電気施錠部の図である。
【図17】図13の固定スタンドに備えられる保持部材に取り付けられた電気施錠部の図である。
【図18】図16および図17の電気施錠部の中央部の断面図である。
【図19】本発明の第2実施形態にかかる二輪車保管システムのブロック図である。
【図20】図13の固定スタンドに備えられる保持部材の電気施錠部を開錠位置にした状態における図18と同じ断面の断面図である。
【図21】図20の保持部材を図19と同じ視点から見た断面図である。
【図22】本発明の第3実施形態にかかる二輪車保管システムのブロック図である。
【図23】本発明の第4実施形態についての図10と同様の図である。
【図24】本発明の第4実施形態についての図13と同様の図である。
【図25】本発明の第5実施形態におけるドッキング構造に施錠された二輪車を示す図である。
【図26】図25の二輪車をドッキング構造に固定した状態を示す断面図であり、ドッキング構造に備えられる電気施錠部を開錠位置にした状態を示している。
【図27】図25の二輪車をドッキング構造に固定した状態を示す断面図であり、ドッキング構造に備えられる電気施錠部を施錠位置にした場合を示している。
【図28】本発明の第5実施形態の変形例を示す図である。
【図29】本発明の第5実施形態の変形例を示す図である。
【図30】本発明の第5実施形態にかかる二輪車の付属部品を示す図である。
【図31】図30の付属部品の断面図である。
【図32】本発明の第6実施形態についての図1と同様の図である。
【図33】本発明の第6実施形態についての図7と同様の図である。
【図34】図33と同様のブロック図であり、本発明の第6実施形態の変形例を示している。
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は、二輪車自動保管システム、上記システムに適用される二輪車および上記二輪車のドッキング構造に関するものである。
【0002】
より具体的には、本発明は、電力蓄積装置と、電気接点と、上記電力蓄積装置と上記電気接点とを接続する電力供給回路とを有する複数台の二輪車(例えば自転車)と、上記複数台の二輪車を取り付けることのできる複数の据え付けられたドッキング構造とを備え、上記ドッキング構造が、少なくとも1つの中央処理装置と、当該ドッキング構造の上記中央処理装置に接続された電力供給回路と、当該ドッキング構造に施錠される二輪車の電気接点との間で相互に電気的に接触する電気接点とを有している二輪車自動保管システムに関するものである。
【0003】
このような二輪車保管システムは、例えば、二輪車の借り手の認証(場合によっては借り手の認証に加えてレンタル料金の支払い)に応じて二輪車を公衆に利用可能にするために使用できる。
【0004】
〔背景技術〕
欧州特許出願公開第1820722号明細書には、このような二輪車保管システムの一例が開示されている。
【0005】
〔発明の目的〕
本発明の目的は、公共電力システムから供給される電力を用いるそれらのシステムの電力消費を低減することにある。
【0006】
上記の目的のために、本発明の二輪車保管システムは、二輪車に設けられた電力供給回路と、ドッキング構造に設けられた電力供給回路とを備えており、これら両電力供給回路が、二輪車がドッキング構造に施錠されたときに、二輪車の電力蓄積装置からドッキング構造の電力供給回路に電力を供給するように機能する。
【0007】
上記の構成によれば、上記ドッキング構造は、当該ドッキング構造に施錠された二輪車から電力の供給を受けることができる。これにより、上記ドッキング構造における公用電力システムから供給される電力の消費量を低減、あるいは完全にゼロにすることができる。
【0008】
なお、本発明の二輪車自動保管システムの実施形態として、以下に示す構成のうちの1または複数の構成を用いてもよい(これらの構成は、互いに独立に使用されてもよく、上述した構成と独立して使用されてもよい)。
【0009】
例えば、二輪車の電力供給回路およびドッキング構造の電力供給回路は、二輪車の電力蓄積装置からドッキング構造の電力供給回路への電力供給を行える一方、逆方向への電力供給は行えない構成としてもよい。
【0010】
また、ドッキング構造の電力供給回路は二輪車の電力蓄積装置以外の電源に接続されておらず、ドッキング構造は外部制御装置との無線通信を行う中央処理装置を備え、上記外部制御装置は上記ドッキング構造の上記中央処理装置と通信して当該ドッキング構造に施錠される二輪車の貸し出しの認証処理を選択的に行う構成としてもよい(この構成では、ドッキング構造を電力システムに接続する必要がなくなる。また、地下に電力ケーブルを設けなくてもドッキング構造と外部制御装置との間の通信を実現できる)。
【0011】
また、各ドッキング構造が、当該ドッキング構造の電力供給回路に接続された、当該ドッキング構造の中央処理装置に電力を供給するための電力蓄積装置を備え、二輪車の電力供給回路およびドッキング構造の電力供給回路が、二輪車がドッキング構造に施錠されたときに、当該二輪車の電力蓄積装置から供給される電力によって当該ドッキング構造の電力蓄積装置を充電させる構成であってもよい。
【0012】
また、各二輪車が、当該二輪車が走行することによって発電して当該二輪車の電力蓄積装置を充電する機能を有する発電機を備えている構成としてもよい。
【0013】
また、上記無線通信はラジオ通信であってもよい。
【0014】
また、上記二輪車が当該二輪車の電気接点に接続された電気回路を備え、上記二輪車の電気接点と上記ドッキング構造の電気接点とが相互に接触しているときに、上記ドッキング構造の上記中央処理装置がこれら両電気接点を介して上記二輪車の電気回路と情報交換を行う構成としてもよい。
【0015】
また、上記外部制御装置は、少なくとも1つの中央サーバー装置と、それぞれが二輪車保管ステーションに対応する複数の中央ステーション端末装置とを備え、上記中央ステーション端末装置は、上記中央サーバー装置と通信可能であり、かつ当該中央ステーション端末装置に対応するドッキング構造の少なくとも1つの中央処理装置と通信可能である構成としてもよい。
【0016】
また、上記各二輪車は施錠部材を備え、上記各ドッキング構造は、当該ドッキング構造の中央処理装置によって制御され、当該ドッキング構造に施錠される上記二輪車の上記施錠部材を保持する、少なくとも1つの電気施錠部を備えており、上記電気施錠部は上記ドッキング構造の電力蓄積装置から電力を供給される構成としてもよい。
【0017】
また、上記各ドッキング構造は上記二輪車を保持する少なくとも1つの施錠ステーションを備えており、上記施錠ステーションは、係合方向に開口した、上記係合方向に挿入された上記二輪車の施錠部材を保持する保持部を備えており、上記電気施錠部は、上記保持部内で上記二輪車の施錠部材の移動を規制する施錠位置と、上記施錠部材の上記保持部外から上記保持部内への移動および上記保持部内から上記保持部外への移動が可能な開錠位置との間を移動できるように設けられた規制部材を備えている構成としてもよい。
【0018】
また、上記二輪車および上記ドッキング構造に電気接点がそれぞれ設けられており、上記二輪車が上記ドッキング構造に施錠されたときに、上記二輪車の電気接点と上記ドッキング構造の電気接点とが係合方向に実質的に垂直な方向において相互に接触する構成としてもよい。
【0019】
また、上記二輪車の電気接点および上記ドッキング構造の電気接点が、上記二輪車が上記ドッキング構造に施錠されたときに係合方向において相互に接触する構成としてもよい。
【0020】
また、上記保持部は上方に向いた開口部を有しており、上記係合方向は実質的に鉛直方向である構成としてもよい。
【0021】
また、上記二輪車の上記施錠部材は、軸方向に沿って延伸し、両端部を有する横棒を備え、上記保持部は、上記係合方向に開口した、上記横棒を受け入れる少なくとも1つの受入開口部を備え、上記横棒は、上記軸方向が上記受入開口部によって規定される固定水平軸方向に実質的に沿うように上記受入開口部に受け入れられるようになっており、上記電気施錠部は、上記規制部材に接続された少なくとも1つの可動部材を備え、上記可動部材は、上記固定水平軸方向に垂直な垂直面内において上記規制部材を第1位置と第2位置との間で移動させ、上記第1位置は、上記施錠部材の上記横棒が上記受入開口部に対して上記係合方向に係合されるときに上記可動部材が上記施錠部材に干渉する上記電気施錠部の開錠位置に対応する位置であり、上記第2位置は、上記施錠部材の上記横棒が上記受入開口部に挿入されるときに当該横棒が上記可動部材を第1位置から第2位置へ移動させ、上記可動部材が第1位置から第2位置に移動するときに当該可動部材が上記規制部材を上記施錠位置に移動させることが可能となる上記電気施錠部の施錠位置に対応する位置である構成としてもよい。
【0022】
また、上記規制部材および上記可動部材が、上記受入開口部によって規定される上記固定水平軸に平行な回転軸を軸として施錠位置と開錠位置との間で回動可能に設けられた共通の施錠部に備えられている構成としてもよい。
【0023】
また、上記電気施錠部は開錠位置の方向に弾性力を付与されており、かつ上記電気施錠部には、上記施錠部材が施錠位置に保持される当接位置と上記施錠部材が施錠位置に移動することを許容する離間位置との間で移動可能に設けられたタンブラーを備え、上記タンブラーは上記当接位置に向かう方向に弾性力を付与されており、上記電気施錠部は、上記タンブラーを上記当接位置から上記離間位置に移動させる機能を有する電動アクチュエータを備えている構成としてもよい。
【0024】
また、上記電気施錠部は、上記固定水平軸方向に実質的に垂直な方向に延伸し、上記横棒を受け入れる溝部を有する施錠プレートを備え、上記施錠プレートは、上記規制部材および上記可動部材をそれぞれ構成する溝を形作る2つのリップ部を備えている構成としてもよい。
【0025】
また、上記二輪車の施錠部材は、上記横棒に一体化された接続部材を備え、上記横棒と上記接続部材とが略T字型をなすように一体化されており、上記電気施錠部は、上記横棒に対して上記接続部材の一方の面側から係合される、互いに接続された2つの施錠プレートを備えている構成としてもよい。
【0026】
また、上記受入開口部および上記施錠プレートの上記溝は、上記横棒が当該横棒の延伸方向を軸として回転することを許容する構成であってもよい。
【0027】
また、上記保持部材は、上記横棒の一端側および他端側をそれぞれ保持する2つの受入開口部を備えていてもよい。
【0028】
また、上記保持部材は、上記二輪車が上記施錠ステーションに施錠されたときに上記横棒の中心を位置合わせするための、上記横棒の一端側および他端側にそれぞれ当接する側壁部を備えていてもよい。
【0029】
また、上記二輪車は、前輪を支持するフロントフォークと一体化されたハンドルレバーを備え、上記二輪車の施錠部材が当該二輪車の上記フロントフォークと一体化されている構成であってもよい。
【0030】
また、上記ドッキング構造は、上記二輪車を当該ドッキング構造に施錠するときに当該二輪車の前輪を受け入れる溝を有するスタンドであってもよい。
【0031】
また、上記ドッキング構造は、実質的に水平方向に延伸する、複数の施錠ステーションを含む梁部材を有していてもよい。
【0032】
また、上記ドッキング構造は少なくとも1つの電力蓄積装置を備え、上記二輪車の電力供給回路および上記ドッキング構造の電力供給回路は、上記二輪車の電力蓄積装置の充電レベルがゼロよりも大きい値に設定される最小充電レベル以上である場合に、上記ドッキング構造の電力蓄積装置を上記二輪車の電力蓄積装置から供給される電力によって充電する構成としてもよい。
【0033】
また、上記ドッキング構造は、少なくとも1つの電源に接続され、かつ少なくとも1つの電力蓄積装置を備えており、上記ドッキング構造の上記電力供給回路は、上記ドッキング構造の上記電力蓄積装置が充電下限閾値に達したときに、上記電源から供給される電力によって上記ドッキング構造の電力蓄積装置を充電させる構成としてもよい。
【0034】
また、本発明のドッキング構造は、上述した二輪車自動保管システムに用いられる、電力蓄積装置と、電気接点と、上記電力蓄積装置と上記電気接点とを接続する電力供給回路とを備えた二輪車を施錠する機能を有するドッキング構造であって、当該ドッキング構造に施錠された二輪車の貸し出しを選択的に認証する機能を有する少なくとも1つの中央処理装置と、当該ドッキング構造の上記中央処理装置に接続された電力供給回路と、当該ドッキング構造に施錠される二輪車に備えられる電気接点と相互に接触し、上記二輪車の電力供給回路を当該ドッキング構造の電力供給回路に接続するように設けられた電気接点とを備え、当該ドッキング構造の上記電力供給回路は、上記二輪車が当該ドッキング構造に施錠されたときに、当該二輪車の電力蓄積装置から電力を供給される。
【0035】
なお、本発明のドッキング構造の実施形態として、以下に示す構成のうちの1または複数の構成を用いてもよい(これらの構成は、互いに独立に使用されてもよく、上述した構成と独立して使用されてもよい)。
【0036】
例えば、上記ドッキング構造の上記電力供給回路は、上記二輪車の電力蓄積装置から当該ドッキング構造の電力供給回路への電力供給を行える一方、逆方向の電力供給は行えない構成としてもよい。
【0037】
また、ドッキング構造の電力供給回路は二輪車の電力蓄積装置以外の電源に接続されておらず、当該ドッキング構造の中央処理装置は、外部制御装置と無線リンクを介して通信を行う機能を有する通信インターフェースに接続されている構成としてもよい。
【0038】
また、上記ドッキング構造は、当該ドッキング構造の上記電力供給回路に接続された、上記中央処理装置に電力を供給するための電力蓄積装置を備え、当該ドッキング構造の上記電力供給回路は、二輪車が当該ドッキング構造に施錠されたときに、当該二輪車の上記電力蓄積装置から供給される電力によって当該ドッキング構造の上記電力蓄積装置を充電させる構成であってもよい。
【0039】
また、上記無線通信はラジオ通信であってもよい。
【0040】
また、上記ドッキング構造の上記中央処理装置は、当該ドッキング構造に備えられる上記電気接点を介して、当該ドッキング構造に施錠された二輪車の電気回路と情報通信を行う機能を有していていてもよい。
【0041】
また、上記ドッキング構造は、二輪車の施錠部材を保持することによって二輪車をドッキング構造に施錠する機能を有する、当該ドッキング構造の中央処理部によって制御される少なくとも1つの電気施錠部を備えていてもよい。
【0042】
また、上記ドッキング構造は二輪車を保持する少なくとも1つの施錠ステーションを備えており、上記施錠ステーションは、係合方向に開口した、上記係合方向に挿入された上記二輪車の施錠部材を保持する保持部を備えており、上記電気施錠部は、上記保持部内で上記二輪車の施錠部材の移動を規制する施錠位置と、上記施錠部材の上記保持部外から上記保持部内への移動および上記保持部内から上記保持部外への移動が可能な開錠位置との間を移動可能に設けられた規制部材を備えている構成としてもよい。
【0043】
また、上記保持部は、上記係合方向に開口した、二輪車に備えられる横棒を受け入れる少なくとも1つの受入開口部を備え、上記横棒は、軸方向が上記受入開口部によって規定される固定水平軸方向に実質的に沿うように上記受入開口部に受け入れられるようになっており、上記電気施錠部は、上記規制部材に接続された少なくとも1つの可動部材を備え、上記可動部材は、上記固定水平軸方向に垂直な垂直面内において上記規制部材を第1位置と第2位置との間で移動させ、上記第1位置は、上記施錠部材の上記横棒が上記受入開口部に対して上記係合方向に係合されるときに上記可動部材が上記施錠部材に干渉する上記電気施錠部の開錠位置に対応する位置であり、上記第2位置は、上記施錠部材の上記横棒が上記受入開口部に挿入されるときに当該横棒が上記可動部材を第1位置から第2位置へ移動させ、上記可動部材が第1位置から第2位置に移動するときに当該可動部材が上記規制部材を上記施錠位置に移動させることが可能となる上記電気施錠部の施錠位置に対応する位置である構成としてもよい。
【0044】
また、上記規制部材および上記可動部材が、上記受入開口部によって規定される上記固定水平軸に平行な回転軸を軸として施錠位置と開錠位置との間で回動可能に設けられた共通の施錠部に備えられている構成としてもよい。
【0045】
また、上記電気施錠部は開錠位置の方向に弾性力を付与されており、かつ上記電気施錠部には、上記施錠部材が施錠位置に保持される当接位置と上記施錠部材が施錠位置に移動することを許容する離間位置との間で移動可能に設けられたタンブラーを備え、上記タンブラーは上記当接位置に向かう方向に弾性力を付与されており、上記電気施錠部は、上記タンブラーを上記当接位置から上記離間位置に移動させる機能を有する弾性アクチュエータを備えている構成としてもよい。
【0046】
また、上記電気施錠部は、上記固定水平軸方向に実質的に垂直な方向に延伸し、上記横棒を受け入れる溝部を有する施錠プレートを備え、上記施錠プレートは、上記規制部材および上記可動部材をそれぞれ構成する溝を形作る2つのリップ部を備えている構成としてもよい。
【0047】
また、上記電気施錠部は、互いに接続された2つの施錠プレートを備えており、上記二輪車における略T字型をなす接続部の一方の面側から係合される構成としてもよい。
【0048】
また、上記施錠プレートにおける上記受入開口部および上記溝は上記固定水平軸を中心とする円形の輪郭を形成するように設けられていてもよい。
【0049】
また、上記保持部材は、上記横棒の一端側および他端側に対応する位置に配置された2つの受入開口部を備えていてもよい。
【0050】
また、上記保持部材は、上記二輪車が上記施錠ステーションに施錠されたときに上記横棒の中心を位置合わせするための、上記横棒の一端側および他端側にそれぞれ当接する側壁部を備えていてもよい。
【0051】
また、上記ドッキング構造は、上記二輪車を当該ドッキング構造に施錠するときに当該二輪車の前輪を受け入れる溝を有するスタンドであってもよい。
【0052】
また、上記ドッキング構造は、実質的に水平方向に延伸する、複数の施錠ステーションを含む梁部材を有していてもよい。
【0053】
また、本発明の二輪車は、上述した二輪車自動保管システムで用いられる二輪車であって、少なくとも1つの中央処理装置と、上記中央処理装置に接続される電力供給回路と、電気接点とを有するドッキング構造に施錠される機能を有し、電力蓄積装置と、当該二輪車が上記ドッキング構造に施錠されたときに上記ドッキング構造の電気接点に当接する電気接点と、当該二輪車の上記電力蓄積装置を当該二輪車の上記電気接点に接続する電力供給回路とを備え、当該二輪車の上記電力供給回路は、当該二輪車が上記ドッキング構造に施錠されたときに、当該二輪車の上記電力蓄積装置から上記ドッキング構造の上記電力供給回路に電力を供給する。
【0054】
なお、本発明の二輪車の実施形態として、以下に示す構成のうちの1または複数の構成を用いてもよい(これらの構成は、互いに独立に使用されてもよく、上述した構成と独立して使用されてもよい)。
【0055】
上記二輪車の上記電力供給回路は、当該二輪車の電力蓄積装置から上記ドッキング構造の上記電力蓄積装置に電力供給できる一方、逆方向の電力供給は行えない構成としてもよい。
【0056】
また、上記二輪車は、当該二輪車が走行することによって発電して当該二輪車の電力蓄積装置を充電する機能を有する発電機を備えている構成としてもよい。
【0057】
また、上記二輪車が当該二輪車の上記電気接点に接続される電気回路を備えており、当該二輪車の電気接点を介して上記ドッキング構造の上記中央処理装置と情報交換する機能を有している構成としてもよい。
【0058】
また、上記二輪車の電気接点が鉛直下方を向いていてもよい。
【0059】
また、上記二輪車は、当該二輪車を使用する際の通常位置において実質的に水平方向に延伸する横棒からなる施錠部材を備えていてもよい。
【0060】
また、上記二輪車の施錠部材は、上記横棒と一体化された接続部材を備え、上記横棒と上記接続部材とが略T字型をなすように一体化されている構成としてもよい。
【0061】
また、上記二輪車は、前輪を支持するフロントフォークと一体化されたハンドルレバーを備え、上記二輪車の施錠部材が当該二輪車の上記フロントフォークと一体化されている構成であってもよい。
【0062】
また、上記施錠部材は、上記横棒を上記二輪車のフロントフォークと一体化されたブラケットに接続する接続部材を備え、この接続部材は当該二輪車を使用する際の通常位置において実質的に水平方向に延伸しており、かつ当該接続部材の垂直方向への移動を許容する可動接続部によって上記ブラケットに接続されている構成としてもよい。
【0063】
また、本発明の他の二輪車自動保管システムは、それぞれが接続部材を有する複数の二輪車(例えば自転車)と、二輪車を保持する機能を有する少なくとも1つの施錠ステーションを備えた、上記二輪車を施錠可能な複数の据え付けられたドッキング構造とを備えており、上記施錠ステーションは、実質的に鉛直方向である係合方向に開口した、上記係合方向に挿入された二輪車の施錠部材を保持する保持部と、上記保持部内で上記二輪車の施錠部材の移動を規制する施錠位置と、上記施錠部材の上記保持部外から上記保持部内への移動および上記保持部内から上記保持部外への移動が可能な開錠位置との間を移動可能に設けられた規制部材を有する電気施錠部とを備え、上記二輪車の上記施錠部材は、軸方向に沿って延伸する、両端部を有する横棒を備え、上記保持部は、上方に向けて開口した、上記横棒を受け入れる少なくとも1つの受入開口部を備え、上記横棒は、上記軸方向が上記受入開口部によって規定される固定水平軸方向に実質的に沿うように上記受入開口部に受け入れられるようになっており、上記横棒、上記受入開口部、および上記電気施錠部は、上記二輪車が上記ドッキング構造に施錠されているときに、上記横棒の長手方向を軸とした回転を許容するように形成されている構成としてもよい。
【0064】
また、本発明の他の二輪車は、当該二輪車を使用する際の通常位置において実質的に水平方向に延伸する横棒からなる施錠部材を有する二輪車であって、前輪を支持するフロントフォークと一体化されたハンドルレバーと、上記横棒を上記二輪車のフロントフォークと一体化されたブラケットに接続する接続部材を有する施錠部材とを備え、上記接続部材は当該二輪車を使用する際の通常位置において実質的に水平な方向に延伸しており、かつ当該接続部材の垂直方向への移動を許容する可動接続部によって上記ブラケットに接続されている。
【0065】
なお、上記した本発明の他の二輪車自動保管システムの実施形態として、以下に示す構成のうちの1または複数の構成を用いてもよい(これらの構成は、互いに独立に使用されてもよく、上述した構成と独立して使用されてもよい)。
【0066】
例えば、規制部材に接続された、上記可動接続部に垂直な垂直面内において第1位置と第2位置との間で移動可能な少なくとも1つの可動部材を備えた電気施錠部を備えており、上記第1位置は、上記施錠部材の上記横棒が上記受入開口部に対して上記係合方向に係合されるときに上記可動部材が上記施錠部材に干渉する上記電気施錠部の開錠位置に対応する位置であり、上記第2位置は、上記施錠部材の上記横棒が上記受入開口部に挿入されるときに当該横棒が上記可動部材を第1位置から第2位置へ移動させ、上記可動部材が第1位置から第2位置に移動するときに当該可動部材が上記規制部材を上記施錠位置に移動させることが可能となる上記電気施錠部の施錠位置に対応する位置である構成としてもよい。
【0067】
また、上記規制部材および上記可動部材が、上記受入開口部によって規定される上記固定水平軸に平行な回転軸を軸として施錠位置と開錠位置との間で回動可能に設けられた共通の施錠部に備えられている構成としてもよい。
【0068】
また、上記電気施錠部は開錠位置の方向に弾性力を付与されており、かつ上記電気施錠部には、上記施錠部材が施錠位置に保持される当接位置と上記施錠部材が施錠位置に移動することを許容する離間位置との間で移動可能に設けられたタンブラーを備え、上記タンブラーは上記当接位置に向かう方向に弾性力を付与されており、上記電気施錠部は、上記タンブラーを上記当接位置から上記離間位置に移動させる機能を有する電動アクチュエータを備えている構成としてもよい。
【0069】
また、上記電気施錠部は、上記固定水平軸方向に実質的に垂直な方向に延伸する、上記横棒を受け入れる溝部を有する施錠プレートを備え、上記施錠プレートは、上記規制部材および上記可動部材をそれぞれ構成する溝を形作る2つのリップ部を備えている構成としてもよい。
【0070】
また、上記二輪車の施錠部材は、上記横棒に一体化された接続部材を備え、上記横棒と上記接続部材とが略T字型をなすように一体化されており、上記電気施錠部は、上記横棒に対して上記接続部材の一方の面側から係合される、互いに接続された2つの施錠プレートを備えている構成としてもよい。
【0071】
また、上記保持部材は、上記横棒の一端側および他端側に対応する位置に配置された2つの受入開口部を備えていてもよい。
【0072】
また、上記保持部材は、上記二輪車が上記施錠ステーションに施錠されたときに上記横棒の中心を位置合わせするための、上記横棒の一端側および他端側にそれぞれ当接する側壁部を備えていてもよい。
【0073】
また、上記横棒は実質的に円形の断面形状を有していてもよい。
【0074】
また、上記ドッキング構造は、上記二輪車を当該ドッキング構造に施錠するときに当該二輪車の前輪を受け入れる溝を有するスタンドであってもよい。
【0075】
また、上記二輪車は、前輪を支持するフロントフォークと一体化されたハンドルレバーを備え、上記二輪車の施錠部材が当該二輪車の上記フロントフォークと一体化されている構成であってもよい。
【0076】
また、上記ドッキング構造は、実質的に水平方向に延伸し、複数の施錠ステーションを含む梁部材を有していてもよい。
【0077】
〔図面の簡単な説明〕
本発明の更なる特徴および利点は、図面に関連する各実施形態(これら各実施形態は本発明を限定するものではない)の説明により明白になるであろう。
【0078】
図1は、本発明の第1実施形態にかかる二輪車自動保管システムを示す図である。
【0079】
図2は、図1における二輪車ドッキング構造を構成するスタンドの1つに二輪車を固定した状態を示す図である。
【0080】
図3は、図2の二輪車に装着されている施錠部材を示す図である。
【0081】
図4は、図2の自転車が施錠されるスタンドを示す図である。
【0082】
図5は、図4のスタンドに備えられる保持部材を示す図である。
【0083】
図6は、図5の保持部材におけるVI−VI断面の断面図、および当該保持部材の操作部を示す図である。
【0084】
図7は、図1〜図6の二輪車保管システムにおける主な電気部材を示すブロック図である。
【0085】
図8は、本発明の第2実施形態にかかる二輪車自動保管システムを示す図である。
【0086】
図9は、図8のシステムで用いられる二輪車を示す図である。
【0087】
図10は、図9の二輪車に備えられる施錠部材を斜め下方から見た図である。
【0088】
図11は、図10の施錠部材および当該施錠部材に備えられる電気接点の断面図である。
【0089】
図12は、図8のシステムに備えられる二輪車ドッキング構造に設けられているスタンドの1つに施錠された図9の二輪車の側面図である。
【0090】
図13は、図12のスタンドにおける二輪車を施錠している状態(明瞭にするために二輪車は省略している)を示す図である。
【0091】
図14は、図13のスタンドに備えられる保持部材の電気接点を含む保持面の高さでの縦断面図である。
【0092】
図15は、図13の固定スタンドに備えられる保持部材が施錠位置にある状態を斜め下方から見た図である。
【0093】
図16および図17は、図13の固定スタンドに備えられる保持部材に取り付けられた電気施錠部を異なる2方向から見た図である。
【0094】
図18は、図16および図17の電気施錠部の中央部の断面図である。
【0095】
図19は、本発明の第2実施形態にかかる二輪車保管システムのブロック図である。
【0096】
図20は、図13の施錠スタンドに備えられる保持部材の電気施錠部を開錠位置にした状態における図18と同じ断面の断面図である。
【0097】
図21は、上記保持部材を図19と同じ視点から見た断面図である。
【0098】
図22は、本発明の第3実施形態にかかる二輪車保管システムのブロック図である。
【0099】
図23および図24は、本発明の第4実施形態についての図10および図13と同様の図である。
【0100】
図25は、本発明の第5実施形態におけるドッキング構造に施錠された二輪車を示す図である。
【0101】
図26および図27は、図25の二輪車をドッキング構造に固定した状態を示す断面図であり、ドッキング構造に備えられる電気施錠部を開錠位置にした状態と施錠位置にした場合とをそれぞれ示している。
【0102】
図28および図29は、本発明の第5実施形態の変形例を示す図である。
【0103】
図30は、本発明の第5実施形態にかかる二輪車の付属部品を示す図である。
【0104】
図31は、図30の付属部品の断面図である。
【0105】
図32および図33は、本発明の第6実施形態についての図1および図7と同様の図である。
【0106】
図34は、図33と同様のブロック図であり、本発明の第6実施形態の変形例を示している。
【0107】
〔詳細な説明〕
上記の各図面において、同じ符号は同一または同様の部材であることを示している。
【0108】
<第1実施形態>
図1に示すように、本発明は、例えば、公衆が利用できるように二輪車を公道上で保管することができる、二輪車(例えば自転車)のための二輪車自動保管システム1に関するものである。
【0109】
この二輪車自動保管システムは、各種の二輪車保管ステーションを含み、図1はそのうちの1つを示している。各二輪車保管ステーションは、中央ステーション端末装置2を含んでいる。本実施形態における中央ステーション端末装置2は、キーボード3、表示画面4、携帯型電子カードリーダ5、およびチケット印刷装置6などのユーザーインターフェースを有する対話型の端末装置である。変形例として、対話型の端末装置2はユーザーインターフェースを含まなくてもよく、上記二輪車保管ステーションと中央サーバー装置Sとの間の単純な通信を行うための接続点であってもよい。
【0110】
対話型の端末装置2は、二輪車の予約および貸し出しを管理する中央サーバー装置S、および、保管時に二輪車を施錠する機能を有する複数のドッキング構造7との通信を行う。上記複数のドッキング構造7は、例えば公道上の地面に据え付けられた施錠スタンドの形態を有している。ここで、各施錠スタンドは、1台の二輪車1を施錠する機能を有する1つの二輪車施錠ステーションを構成している。
【0111】
図2に示したように、各ドッキング構造7は保持部材8を有している。この保持部材8は、水平方向に開いた切欠開口部9を有する堅牢なハウジングを形成しており、1台の二輪車1のフレーム1aに一体化された施錠装置11に備えられる施錠部材10を収容して保持する機能を有している。
【0112】
図3に示すように、施錠装置11は、例えば二輪車のフレーム1aを構成するパイプの一部を取り囲むように互いに結合する2つの部材12aおよび12bを有するブラケット12を備えている。上記施錠部材10は、例えば上記した欧州特許出願公開第1820722号明細書に示されている例と同様、少なくとも上記二輪車に対して垂直方向に適切な移動量だけ移動できるようにブラケット12に移動可能に取り付けられていてもよい。
【0113】
より具体的には、上記施錠部材10は、当該施錠部材10の中間面に垂直な水平方向の回転軸X1を軸としてブラケット12に対して旋回可能に備えられていてもよい。図3に示した例では、施錠部材10は上記回転軸X1に対してずれた位置に配置された上記回転軸X1に平行な中心軸X2を軸として回転する円筒状ハブ13に一体化された垂直金属プレート10aを備えている。上記ハブ13は、回転軸X1を軸として回転可能にブラケット12に備えられたレバーアーム14と一体化されている。
【0114】
上記施錠部材10は前方に延伸している。すなわち、上記施錠部材10はハブ13から回転軸X1の軸方向に向かって延伸している。施錠部材10は、当該施錠部材10の前端部に、上記軸X1およびX2に平行な方向に貫通した穴部15を備えている。この穴部15は、上記中心軸X2を実質的に中心として放射状に広がる方向の内側および外側に円弧状の端部を有している。また、上記施錠部材10の上記プレート10aは、ハウジング12から離れた位置において当該ハウジング12に対向するように配置された絶縁領域18を備えている。絶縁領域18内には、電力インターフェース20を構成する、金属性の電気接点19が配置されている。例えば、これらの電気接点を3つ備え、中央接点と2つの湾曲接点とを構成してもよい。上記中央接点は、上記中心軸X2上に配置された平らな接点であり、実質的に水平方向の広がりを有することが好ましい。上記2つの湾曲接点は、実質的に水平方向の広がりを有しており、上記中央接点の両側に配置されており、これら両湾曲接点の表面は平らであり、上記中心軸X2に面する側が凹型に湾曲した輪郭を有している。
【0115】
なお、施錠部材10に備えられる電気接点の数は3つに限るものではない(例えば2つであってもよい)。
【0116】
上記電気接点19は、図7に示したように、二輪車1がドッキング構造7に施錠されたときに、上記ドッキング構造を二輪車1に備えられている電気回路22に電気的に接続する。
【0117】
上記電気回路22は、例えば、ドッキング構造7と通信する機能を有する、マイクロプロセッサあるいはマイクロコントローラなどの中央処理装置(CPU)23と、中央処理装置23に電力(例えば電圧6Vあるいは3Vの電力)を供給する低電圧電力供給回路(AL)24と、上記低電圧電力供給回路24に接続された低電圧バッテリー(BATT.)25と、ダイナモ(二輪車のハブ(図2参照)に設けられ、二輪車に人が乗ったときに電流を発生するハブダイナモ(D)26)などの発電装置とを備えている。また、上記発電装置は、バッテリー25を充電するための電力供給回路に接続されている。
【0118】
図4および図5に示したように、保持部材8に設けられた切欠開口部9は水平方向である係合方向Eにおいて互いに一体化した傾斜路を形成する2つのガイド部27aを備えている。これら各ガイド部27aは、施錠部材のプレート10aと協同して施錠部材10の回転軸X1を保持部材8における所定の施錠位置に移動させるように調整されている。これにより、施錠部材10(より具体的には当該施錠部材10の穴部15)は保持部材8に対して係合方向Eに挿入された後、比較的正確な高さに保持される。
【0119】
図5に示したように、保持部材8は、例えば切欠開口部9およびガイド部27aを有するハウジング28aと、ベース部29aとを備えている。
【0120】
図6および図7に示したように、ベース部29aは電気回路30を備えている。この電気回路30は、例えば、マイクロプロセッサあるいはマイクロコントローラなどの中央処理装置(CPU)31と、中央処理装置31に電力(二輪車の低電圧電力供給回路24と同じ電圧(例えば3Vあるいは6V)の電力)を供給する低電圧電力供給回路(AL)32と、低電圧電力供給回路32から電力が供給され、中央処理装置31によって制御される施錠制御電磁石(LCK)33と、例えば3つの接点からなり、低電圧電力供給回路32に接続される電力インターフェース35を構成する電気接点34と、低電圧電力供給回路32に低電圧を供給するバッテリー(BATT.)36と、中央処理装置31に接続され、短距離無線プロトコル(例えば、BLUETOOTH(登録商標)、ZIGBEE(登録商標)、あるいはその他のプロトコルなど)を用いて対話型端末装置2との間で通信を行うことができる無線通信インターフェース(COM2)40とを備えている。また、電気回路30は、例えば開錠認証処理に成功したときにスタンド7に施錠された二輪車1の開錠を行うために用いられる、中央処理装置31に接続される各種の付属品(例えばスタンド7の上面に配置される非接触カードリーダ7a、インジケーター7b、および制御ボタン7cなど(図2参照))を備えていてもよい。
【0121】
電気接点34は、二輪車が施錠スタンド7に施錠されるときに、施錠部材の電気接点19にそれぞれ当接するように形成された、ベース部29から突出するピン形状であってもよい。これら各電気接点34は、例えば実質的に鉛直方向に並ぶように配置されており、例えば電気絶縁性の材料からなるベース部29aのハウジングなどによって互いに電気的に絶縁されている。
【0122】
また、ベース部29は、取付部材37(例えば延長方向の軸Zを回転軸として回転可能に備えられた、ベース部29aから突出したリップ部38を有するフックなど)を備えている。フック37は、リップ部38がベース部29から突出する状態になる非利用位置の方向への弾性力が付与されている。これにより、施錠部材10が保持部材8において係合方向Eに結合されたときに、プレート10aの前面によってリップ部38の傾斜面38aが押されてリップ部38が引っ込み、その後、上記リップ部38がプレート10aの穴部15に係合し、リップ部の係合エッジ38bと穴部15の外側エッジ17とが当接して施錠部材10が保持部材8に保持される。
【0123】
この状態では、二輪車1は施錠スタンド7に施錠される際の遊びを小さくするために、施錠部材のハブ13はカバー28aにおける切欠開口部9の終端エッジ27bに当接していることが好ましい。図7は、リップ部38および電気接点34〜36の施錠部材10に対する相対位置が二輪車1を施錠スタンド7に施錠する位置である状態を一点鎖線で示している。
【0124】
二輪車1を施錠スタンド7から取り外すことができるように、電磁石33によって取付部材37を引っ込んだ位置に移動できるようにしてもよい。
【0125】
図8および図9に示すように、施錠部材10はバネ39によって非利用位置の方向に弾性力を付与されている。
【0126】
各施錠スタンド7は独立しており、各施錠スタンド7には外部と接続される電力ケーブルあるいは低電流データ送信ケーブルなどは接続されていない。したがって、スタンド7の設置は非常に簡単である。
【0127】
この点に関し、対話型端末装置2は、キーボード3、表示画面4、カードリーダ5、および印刷装置6との通信を行うマイクロプロセッサあるいはその他の部材からなる中央処理装置(UC)42と、各スタンド7の通信インターフェース40と同じ通信プロトコルを用いて通信インターフェース40との通信を行う無線通信インターフェース(COM2)41と、例えばGPRSモデムあるいは他の装置からなり、中央サーバー装置Sとの間で通信を行う機能を有する通信インターフェース(COM1)43とを備えている。
【0128】
上記のシステムは、以下のように動作する。
【0129】
ユーザーが施錠スタンド7の1つから二輪車1を借りたい場合、ユーザーは、例えば携帯型電子カードを対話型端末装置2のカードリーダ5に挿入し、この対話型端末装置に当該ユーザーの認証処理を行わせるためにキーボード3を用いて認証コードを入力する。対話型端末装置2は、サーバー装置Sに当該ユーザーの権利を確認させ、施錠スタンド7の1つを開錠する許可を与える。これにより、ユーザーは、上述のボタン7cを押すことによって当該スタンドに施錠されている二輪車1を開錠することができる。その後、ユーザーは二輪車1に乗ることができる。施錠スタンド7の中央処理装置31は、取り外された二輪車1との通信ができなくなることにより、当該二輪車1が取り外されたことを検出する。その後、施錠スタンド7の中央処理装置31は、二輪車1が取り外されたことを対話型端末装置2に通知する。
【0130】
ユーザーが二輪車1を施錠スタンド7に返却する場合、ユーザーは施錠部材10を施錠スタンドの保持部材8に係合させる。この動作の間、施錠部材10は回転軸X1のまわりを回りながら保持部材8のガイド部27aによって案内される。これにより、施錠部材の穴部15は取付部材のリップ部38の位置に配置され、二輪車の電気接点19が保持部材の電気接点34に当接する。
【0131】
その後、施錠スタンドの中央処理装置31は、二輪車を識別して当該二輪車が返却されたことを対話型端末装置2に通知するために、電気接点19および34を介して二輪車の中央処理装置23との通信を行う。
【0132】
また、二輪車1の電力供給回路22は、施錠スタンド7の電力供給回路30に電気接点19,34を介して電力を供給する。これら両回路は、二輪車の発電機26によって二輪車のバッテリー25に予め充電された電力によってスタンド7のバッテリー36を充電することができるように設計されている。二輪車の電力供給回路24とドッキング構造の電力供給回路32とは、二輪車の電力蓄積装置の充電電力が0ではない最小充電レベル(例えば公称充電電力の10%)よりも大きい限り、二輪車のバッテリー25によってドッキング構造のバッテリー36を充電できるようになっている。これにより、バッテリー36を充電することによって二輪車のバッテリー25が完全に放電されることを防止するようになっている。
【0133】
なお、二輪車の中央処理装置23とスタンドの中央処理装置31との間の情報交換に用いる電気接点とバッテリー36の充電に用いる電気接点とを異ならせてもよい。あるいは、二輪車の中央処理装置23とスタンドの中央処理装置との間の情報交換とバッテリー36の充電とを同じ電気接点を用いて行い、二輪車の中央処理装置23とスタンドの中央処理装置との間の情報交換信号をフィルタ処理によって分離するようにしてもよい。
【0134】
変形例として、本発明の全実施形態において、中央処理装置23と中央処理装置31との間のデータ通信を無線リンク(例えばRFIDリンク等の短距離無線リンク)を用いて行い、二輪車ドッキング構造に対する電力供給のみを二輪車の電気接点とスタンドのドッキング構造の電気接点を介して行うようにしてもよい。
【0135】
他の変形例として、二輪車のバッテリー25および/またはドッキング構造のバッテリー36を他の蓄電装置(例えばスーパーキャパシター(登録商標)など)に置き換えてもよい。
【0136】
また、ドッキング構造のバッテリー36あるいは他の蓄電装置を省略してもよい。この場合、ドッキング構造7は、当該ドッキング構造7に二輪車が施錠されているときにのみ、この二輪車のバッテリー25あるいは他の蓄電装置から電力供給を受けることができる。
【0137】
なお、上述した全ての変形例は、本実施形態だけでなく、後述するすべての実施形態にも適用することができる。
【0138】
<第2実施形態>
図8〜図21は、本発明の第2実施形態を示している。なお、二輪車自動保管システムの全体的な構成および動作原理は上述した第1実施形態と同様なので、その詳細な説明は省略する。
【0139】
本実施形態では、二輪車自動保管システムは、上述した各中央ステーション端末装置2と間で通信を行う中央サーバー装置Sを備えている。各ステーション端末装置2は、典型的には上述した短距離無線リンクを用いて複数の二輪車ドッキング構造(施錠スタンド)107との通信を行う。
【0140】
上記二輪車自動保管システムにおける二輪車(例えば自転車)101としては、図9に示すように、フレーム101aと、ハンドルレバー101cと一体化された、前輪101dを支持するフォーク101bとを備えている。
【0141】
図9〜図11に示すように、二輪車のフロントフォーク101bは、施錠部材110と一体化されている。施錠部材110は例えば金属からなり、略T字型の形状を有している。
この施錠部材110は、水平方向の軸線Y1に平行、かつ二輪車の通常の進行方向に垂直な方向に沿って延伸する、剛性を有する横棒110を備えている。横棒110の断面形状は軸線Y1を中心とする略円形状であり、剛性を有する接続部材112と一体化されている。接続部材112は、二輪車のフロントフォーク101bと一体化された剛性を有するブラケット113から実質的に水平方向に延伸した金属製の棒状部材からなる。施錠部材110は導電性材料からなる複数の電気接点119を備えている。本実施形態では、横棒111における一方の端部の近傍に2つの電気接点119が設けられている。
【0142】
より具体的には、各電気接点119は横棒111の下部に設けられている。横棒111は軸方向の一方の端部近傍に切欠部121を有する金属製の管状部材であり、電気接点119はこの切欠部121内に設けられている。電気接点119を、例えば、管状の横棒111の内部に成型あるいは埋め込まれた、例えば合成樹脂などからなる絶縁材118によって支持してもよい。
【0143】
電気接点119は、第1実施形態における電気接点19と同様、二輪車の電気回路22に接続されている。この電気回路22は、図19に示すように、上述した構成と同様のものである。
【0144】
図8および図13に示すように、各施錠スタンド107は、上方に開口した保持部材108を備えている。この保持部材108に対して二輪車の施錠部材110に備えられる横棒111が実質的に鉛直方向である係合方向Eに係合され、保持部材108がこの横棒111を保持するようになっている。
【0145】
保持部材108は、スタンド107の上部前面に形成された上面部材123を備えた、剛性を有する金属製のハウジング122を備えている。上面部材123は、側面が鉛直方向に延伸している地面に固定された2つの鉛直構造部材124の間に水平方向に延伸するように設けられている。図8および図12に示すように、これら各鉛直構造部材124同士の間には地面まで延伸する垂直溝部125が形成されており、二輪車101を施錠スタンド107も施錠させるためにこの二輪車101の前輪101dをこの垂直溝部125に受け入れるようになっている。垂直溝部125の幅は、例えば7cm〜12cm程度である。
【0146】
スタンド107は、スタンド7と同様、例えば開錠認証処理に成功したときにスタンド7に施錠された二輪車1の開錠を行うために用いられる、非接触カードリーダ107a、インジケーター107b、および制御ボタン107cなどの付属品(例えばスタンド7の上面に配置される非接触カードリーダ7a、インジケーター7b、および制御ボタン7cなど)を備えていてもよい。
【0147】
図13および図14に示すように、保持部材108のハウジング122は、二輪車の施錠部材110が保持部材108に係合されたときに横棒111の軸Y1に平行になる、実質的に鉛直方向に延伸する前面壁部126を備えている。この前面壁部126は、施錠スタンド107の前方(すなわち、この施錠スタンド107に施錠される二輪車101側)に突出する2つの側面壁部127によって形作られている。すなわち、2つの側面壁部127は、実質的に鉛直方向かつ前面壁部126に垂直な方向に延伸しており、横棒111の水平方向の長さに応じた距離だけ互いに離間している。これにより、保持部材108は、側面壁部127同士の間に横棒111を実質的に遊びがないか、あるいはほとんど遊びがない状態で受け入れることができるようになっている。
【0148】
また、各側面壁部127の下部に、前面壁部126の一部が上方に略J字型に開口した支持溝部128を備えていてもよい。これら各支持溝部128は、鉛直方向下方に向かう係合方向Eに向けて係合される二輪車の施錠部材に備えられる横棒111における軸方向の両端部を支持する機能を有している。
【0149】
また、保持部材108は、電力インターフェース135を形成する、導電性材料からなる電気接点134を備えている。電気接点134は例えば2つの接点からなる。これら各電気接点134は、例えば合成樹脂などの絶縁材136内に埋め込まれており、図19に示すように、施錠スタンド107の電気回路30に接続される。電気回路30は、第1実施形態における電気回路と同一または類似するものである。
【0150】
電力インターフェース135は一方の支持溝部128の底面に形成された、上方に向けて開口している切欠部137に設けられている。そして、電気接点134は、施錠スタンド107における二輪車の施錠部材に設けられた電気接点119に対向する位置に設けられている。支持溝部128の底面は、二輪車が施錠スタンド107に施錠されたときにこの二輪車に備えられる横棒111の軸Y1と一致する水平方向の軸Y2を中心とする円形形状であることが好ましい。また、電気接点134は、電気接点119と電気接点134とが二輪車を施錠スタンド107に施錠するときに軸Y1,Y2を中心とする横棒111の回転動作に干渉しないように、軸Y2を中心とする円に沿って配置されている。
【0151】
また、電気接点119,134は、横棒111と保持部材108との相対角度が所定範囲内(例えば10度〜20度)であるときに互いに接触する形状であることが好ましい。これにより、二輪車の施錠部材に備えられる横棒111の位置がスタンド107における正規の位置からずれている場合であっても、二輪車101と施錠スタンド107との電気的接続を維持することができる。
【0152】
また、図13に示すように、保持部材108のハウジングにおける前面壁部126は2つの垂直溝部129を備えており、これら各垂直溝部129を通って2つの施錠プレート130が施錠スタンド107の前方(すなわち二輪車101の方向)に向かって2つの側面壁部127に平行に突出している。
【0153】
図15〜図18に示すように、2つの施錠プレート130は、前面壁部126の背面を横断する背面壁部131によって互いに接続された金属部材であってもよい。これにより、上記施錠プレート130および背面壁部131とにより、合成を有する1つの施錠部132が形成される。また、各施錠プレート130には、前面壁部126に設けられた溝部129から前方に突出する部分に円弧状の切欠部133が設けられている。この円弧状の切欠部133は、約180度以上にわたって形成されており、その直径は二輪車に備えられる横棒111の外径に実質的に対応している。これにより、以下に説明するように、切欠部133によって横棒を支持することができる。
【0154】
各施錠プレート130は、切欠部133の両側に、施錠部材および可動部材として機能する上側リップ部と下側リップ部とを備えている。施錠部132が施錠位置にある場合、切欠部133は、この切欠部133に係合された横棒111が支持溝部128において2つの施錠プレートからなる規制部材130aによって規制され、支持溝部128から外れることを防止するように略水平にされる(図14参照)。
【0155】
切欠部133は、上述したように、支持溝部128とともに軸Y2を中心とする円弧形状を形成し、この円弧形状内において横棒111は軸Y1を中心として自由に回転することができる。また、二輪車101のフレーム101aは、ハンドルレバー101cに垂直な軸を中心として自由に回転することができる。これにより、破壊活動によって二輪車が容易に破壊されてしまったり、スタンド107から取り外されてしまったりすることを防止することができる。すなわち、二輪車のフレーム101aが破壊活動者によって二輪車101とスタンド107との施錠部に過剰な力を生じさせるための梃子として用いられることを防止できる。
【0156】
また、スタンド107によって二輪車の少なくとも前輪101dを部分的に保護することができるので、保管中の二輪車101の保護効果を高めることができる。
【0157】
施錠部132は、例えば2つの平行な垂直フランジ137(図15参照)上で回転するように設けられた、ハウジング122の前面壁部126から背面側に垂直に延伸する回転ロッド136により、上述した軸Y2に平行な回転軸Y3を軸として回転できるように設けられている。施錠部132は、バネ138によって上方(後述する開錠位置に向かう方向)に付勢されている。バネ138は、例えば、施錠部132の背面壁部131における軸Y3の延伸方向両側に巻き付けられた2つの巻線部139を有する金属製ワイヤーからなる。これら各巻線部139の一端であるエンドアーム139a(図15および図16参照)は対応するフランジ137上に係止されており、他端である弾性金属ワイヤーからなる鐙型の中央部140は背面壁部131の下部に係止されている。
【0158】
施錠部132の背面壁部131の上部には、背面側に向かう方向の位置を規定する接合領域141が設けられている。また、この接合領域141には、上方に向かう方向の位置を規定する底面を有する肩部142が設けられている(図17および図18参照)。
【0159】
また、施錠部132には、タンブラー143と電動アクチュエータ146とを有する電気施錠部が設けられている。
【0160】
タンブラー143は、回転軸Y2およびY3に平行な回転軸Y4を軸としてスタンド107に対して相対的に回転できるように設けられた、剛性を有する金属性プレートからなる。このタンブラー143は、例えば、上述したフランジ137同士の間で回転できるように設けられた回転ロッド144によって回転可能に設けられている。このタンブラー143は、実質的に前方に向かう方向に延伸する前端部145を有している。この前端部145は施錠部の背面止め部141に当接し、当該施錠部をバネ138の弾性力に打ち勝って施錠位置に保持する機能を有している。
【0161】
電動アクチュエータ146は、例えば本体147と本体147内を縦方向にスライドする作動ロッド148とを備えたソレノイドアクチュエータである。作動ロッド148は、例えばシート状金属レバー149を介してタンブラー143に接続されている。作動ロッド148の端部は上記レバー149内の溝149aに接合されており、上記レバー149を構成するシート状金属プレートの両面側に配置された2つの止め部材148aを備えている。
【0162】
作動ロッド148は、通常時には背面側に弾性力を付与されている。すなわち、アクチュエータ146の本体内に備えられた内部バネ部材(図示せず)によって張り出した位置にされる。これにより、タンブラー143は、当該タンブラー143の前端部145が施錠部の止め部141に当接する当接位置にされる。また、アクチュエータ146の本体147は、電力が付与されたときに、作動ロッド148を引き込み、タンブラー143が施錠部の止め部141から離間した解除位置へ回転させる。これにより、施錠部132は、回転軸Y3を軸として後方に回転し、施錠プレート130の溝133が実質的に上方を向いた開錠位置にされる。
【0163】
開錠位置に移行させる際、タンブラー143が止め部141に干渉して施錠部が後方に回転し始めることを阻害しないようにするだけでいいので、電動アクチュエータ146に電力が供給される時間は短時間である。例えば、10秒未満あり、5秒未満であることがより好ましい。タンブラー143の回転が開始したら、アクチュエータ146への通電を停止してもよい。その後、タンブラー143は再び下方へ押され、施錠部132の回転を阻害することなく、施錠プレート130における円形の上面に単に寄り掛かった状態になる。
【0164】
したがって、アクチュエータ146の電力消費量は非常に少ない。
【0165】
この開錠位置では、図20および図21から明らかなように、施錠プレート130の規制部材130aは前面壁部126の背面に引っ込み、施錠プレートの始動部材130bのみが前方に出ている。したがって、二輪車の横棒111を保持部材108から自由に取り外すこと(すなわち、対応する二輪車101を解放すること)ができ、逆に、係合方向Eである鉛直下方に係合させることもできる。後者の場合、施錠スタンド107に施錠される二輪車の横棒111によって施錠プレートの始動部材130bが下方へ押され、タンブラー143が施錠部の肩部142上で止め部141に係合するまで施錠部132がバネ138の弾性力に反して下方へ回転し、その後、施錠部は図13および図18に示したように再び施錠位置とされる。
【0166】
図8〜図21に示したシステムにおける操作方法は、図1〜図7と同様なのでここではその説明は省略する。実施形態1における電気接点19,34は、スタンド107のバッテリー36に電力を伝えるとともに、スタンド107の中央処理装置31が二輪車101の中央処理装置23と通信することを可能にするための電気接点119,134に置き換えられている。
【0167】
<第3実施形態>
図22は本発明の第3実施形態を示している。第2実施形態と異なる点は、ドッキング構造207は、鉛直構造部材207aによって地面に固定された水平金属棒を備えており、この水平金属棒が、当該水平金属棒の上面および/または下面に固定された、上述した保持部材108に対応する二輪車施錠ステーションを複数含んでいる点である。
【0168】
この例では、各二輪車保管ステーションは、1または複数のドッキング構造207を備えることができる。
【0169】
なお、第3実施形態では、電気回路30は保持部材108毎に設けられていてもよく、電気回路30の一部(特に、中央処理装置31、電力供給回路32の少なくとも一部、バッテリー36、および通信インターフェース40)が全ての保持部材108によって共有されていてもよい。
【0170】
<第4実施形態>
図23および図24は本発明の第4実施形態を示している。第2実施形態と異なる点は、電気接点119が側面電気接点119aに置き換えられ、ドッキング構造の電気接点134が側面電気接点134aに置き換えられている点である。側面電気接点119aは、横棒111の軸方向両端部において当該横棒111の軸方向外側にわずかに突出するように備えられた、軸Y1に沿う方向に弾性力を付与された2つのボール状の金属部材からなる。側面電気接点134aは、各側面壁部127の内面において軸Y2上に配置されており、これら各電気接点134aと二輪車の各電気接点119aとがそれぞれ当接するようになっている。
【0171】
<第5実施形態>
図25は本発明の第5実施形態を示している。この第5実施形態にかかる二輪車保管システムの構造および動作は上述した二輪車保管システムと同様なのでここではその詳細な説明は省略する。
【0172】
この第5実施形態における二輪車301は、上述した二輪車101の構成と同様、フロントフォーク301bおよび前輪301dを支持するフレーム301aを備えている。フロントフォーク301bは剛性を有するブラケット313と一体化されている。ブラケット313は、フロントフォーク301bの2つのアームから前方かつ上方へ突出する、互いに平行に配置された2つの側面フランジを備えている。図26および図27に示したように、これら側面フランジ313は、略T字型の施錠部材310を支持している。施錠部材310は、上述した横棒111と同様の剛性を有する横棒311と、フランジ313から前方に延伸する剛性を有する接続部材312とを備えている。二輪車301は二輪車ドッキング構造(施錠スタンド)307に施錠することができる。図25は二輪車ドッキング構造307に施錠された二輪車301の1つを示している。
【0173】
この施錠スタンド307は、第2実施形態において詳述した施錠スタンド107と略同様の構成であり、二輪車の施錠部材310を支持して施錠する機能を有する保持部材308を支持する上面部材323を備えている。この上面部材323は、ベース部324aと一体化された、地面に固定されている2つの側面部材324の間に水平方向に延伸するように設けられている。
【0174】
二輪車を施錠スタンド307に施錠する場合、二輪車の前輪301dをベース部324a上に載せる。ベース部324aは、二輪車の施錠部材310の高さが保持部材308に対応する高さになるように高さを調整されている。
【0175】
図26に示すように、保持部材308は、利用可能な場合には水平方向(係合方向E)に開口している。また、保持部材308は、横棒311の軸方向両端に対応する位置に水平方向の開口部328を備えている。この開口部328の下側壁部328aは、図26および図27に示すように、横棒311が開口部328係合されるときに横棒311を案内するガイドとして機能する。
【0176】
また、保持部材308は電気施錠部を備えている。上記電気施錠部は、例えば、上述した施錠プレート130と同様の2枚の施錠プレート330を備えた構成であり、各施錠プレート330が横棒311を受け入れる溝部333を備えている構成であってもよい。図27に示したように、各施錠プレート330は、回転軸Y3を軸として、横棒311を受け入れるために溝部333が水平方向に開口する開錠位置(図26参照)と、溝部333が下方に約90度回転し、開口部328の下側壁部328aとの間で横棒311を閉じ込める施錠位置とに回転可能に設けられている。電気施錠部および施錠プレート330の動作は第2実施形態と同様である。第2実施形態と同様、二輪車301のフレームが破壊活動によって持ち上げられた場合には横棒311が回転軸Y1,Y2を軸として回転するので、二輪車あるいは施錠スタンド307が損傷することを防止できる。
【0177】
上述した施錠プレート330は制御機構350によって制御される。制御機構350は、第2実施形態に示した制御機構と同様の構成であってもよく、仏国特許出願公開第2905927号明細書に開示されているものと同様の制御機構であってもよい。
【0178】
図28に示すように、1つの二輪車保管ステーションにおける複数の施錠スタンド307を、地面に固定された接続プレート324bを用いて互いにベース部324aで固定してもよい。これにより、本発明の二輪車保管システムの設置を容易にすることができる。
【0179】
また、図29に示すように、2つの施錠スタンド307を、これら両施錠スタンド307の一方または両方における上述した保持部材308の垂直面に設けられた梁部材307aによって接続してもよい。図29の例では、ドッキング構造は、梁部材307a上の保持部材308に応じて二輪車の前輪を案内するガイド324dを備えている。図28に示すように、ベース部324a、324cは、地面に固定された接続プレート324bによって互いに接続されている。
【0180】
図30および図31に両方向矢印311aで示したように、第5実施形態では、二輪車の施錠部材310は軸Y1に平行な水平方向の軸Y5を軸として回転可能なように側面フランジ313に弾性的に接続されている。
【0181】
施錠部材310は、弾性スリーブによって上記フランジ313に接続されている。上記弾性スリーブは、例えば、外部補強部材312aと、内部補強部材313aと、弾性体312bとを備えている。外部補強部材312aは、接続部材312と一体的に設けられた、軸Y5の方向に延伸する断面形状が略正方形の管状部材である。内部補強部材313aは、側面フランジ313と一体的に設けられた、軸Y5の方向に延伸する断面形状が略正方形の管状部材である。また、内部補強部材313aの表面は、外部補強部材312aの表面に対して45°ずれた角度になるように配置されている。弾性体312bは、外部補強部材312aと内部補強部材313aとの間の空間に充填されている。弾性体312bは、弾性を増すために空洞を有していてもよい。
【0182】
本発明の全実施形態において、二輪車およびドッキング構造の電気回路(特にそれらの電気回路に備えられるバッテリー)は、同じ電圧で駆動される。また、この電圧は、電気接点19、119、119a、34、134、134aが水に対して過敏にならないように、低電圧(例えば3Vあるいは6V)であることが好ましい。
【0183】
<第6実施形態>
図32および図34は本発明の第6実施形態を示している。第6実施形態にかかる二輪車自動保管システムの構成および動作は上述した実施形態と同様なので、ここではその詳細な説明は省略する。
【0184】
より具体的には、二輪車1、施錠スタンド7、および保持部材8は、実施形態1と同様の構成である。また、中央ステーション端末装置2も実施形態1と同様の構成であり、中央サーバーSとの間で無線リンク(GPRS)あるいは有線接続(本発明の全実施形態において、中央ステーション端末装置2と遠隔サーバー装置Sとをケーブルで接続することが可能である)を用いて通信を行う。
【0185】
この第6実施形態では、スタンド7および中央ステーション端末装置2は、全て地面上に配置された共通の基台55によって支持されている。なお、基台55は地面に固定されていてもよく、移動可能であってもよい。
【0186】
図示した例では、基台55は、比較的細い幅を有しており、中央ステーション端末装置2と複数の施錠スタンド7とが並ぶ方向、かつこれら各施錠スタンド7に施錠される二輪車1の取付方向に垂直な方向に延伸している。基台55は互いに当接する複数の支持プレート56,57を備えていてもよい。支持プレート56は中央ステーション端末装置2を支持しており、各支持プレート57は1台の施錠スタンド7を支持している。なお、支持プレート57が複数の施錠スタンド(例えば、3台、4台、あるいは5台の施錠スタンド)を支持するようにしてもよい。
【0187】
ここで、基台55は、施錠スタンド7および中央ステーション端末装置2とともに、二輪車1の保管期間中、当該二輪車を支持するドッキング構造を構成する。
【0188】
また、このドッキング構造は、太陽電池パネル50を備えている。この太陽電池パネル50は、中央ステーション端末装置2の支持プレート56に固定された鉛直方向に延伸する支柱51によって支持されている。
【0189】
変形例として、太陽電池パネル50が中央ステーション端末装置2によって直接支持されていてもよい。また、他の変形例として、太陽電池パネル50に代えて、あるいは太陽電池パネル50に加えて、風車、燃料電池、あるいは他の独立した電源を備えていてもよい。
【0190】
図33に示したように、太陽電池パネル50は、中央ステーション端末装置2に備えられる各種電気器具に電力供給回路53を介して電力を供給するためのバッテリー52に電力を供給する。電力供給回路53は少なくとも中央処理装置42に接続されている。また、電力供給回路53は、中央ステーション端末装置2に備えられる電気機器のうちの一部または全部に接続されていてもよい。
【0191】
また、中央ステーション端末装置2の電力供給回路53は、基台55中を通るケーブルによって各施錠スタンド7の電力供給回路32に接続されている。
【0192】
電力供給回路53および32は、バッテリー36が第1充電下限閾値(例えば充電容量の10%)に達したときにバッテリー52から施錠スタンド7のバッテリー36に電力を供給できるように設計されている。電力供給回路53および32は、バッテリー52から施錠スタンド7のバッテリー36にだけ電力を供給することができるが、逆方向の電力供給はできないようになっている。
【0193】
また、電力供給回路53および32は、バッテリー36の充電が公称充電容量の100%よりも低い値に設定される第2閾値に達したときに、中央ステーション端末装置2のバッテリー52から各バッテリー36への充電を中断するように設計されている。上記第2閾値は、例えば、公称充電容量の例えば50%以上の値(例えば公称充電容量の7%)に設定される。これにより、各施錠スタンド7のバッテリー36の充電は好ましくは上述したように二輪車1から行われ、中央ステーション端末装置2のバッテリー52は好ましくは当該中央ステーション端末装置の電気部品に電力を供給する。
【0194】
なお、施錠スタンド7のバッテリー36を省略してもよく、その場合にはバッテリー52はドッキング構造55,7,2のバッテリーとしてのみ用いられ、バッテリー52は二輪車1が施錠スタンド7に施錠されたときにこの二輪車1によって充電される。
【0195】
もちろん、第6実施形態において、施錠スタンド7を図22および図29に示したドッキング構造207,307aと同様のドッキング構造に置き換えてもよく、二輪車の施錠を行うことができる他の任意の構造に置き換えてもよい。
【0196】
変形例として、図34に示すように、施錠スタンドあるいは他の施錠構造の通信インターフェース40,41が、基台55内に配置された通信ケーブルによって中央ステーション端末装置2の通信インターフェース41と通信を行えるようにしてもよい。
【0197】
また、二輪車自動保管ステーションは、二輪車、太陽電池パネル50、あるいは他の発電手段による電力を補うために、公共電力システムなどの外部電力システム54から電力を供給されてもよい。上記外部電力システム54は、例えば中央ステーション端末装置2の電力供給回路53に接続される。この場合、電力供給回路53は、例えば、バッテリー52の充電量が下限閾値(例えば公称充電容量の10%)に達したときにだけ外部電力システム54がバッテリー52を充電するように設計される。この外部電力システム54による電力供給は、バッテリー52の充電レベルが上限閾値(例えば公称充電容量の70%)に達すると即座に停止される。
【0198】
図示しない他の変形例として、二輪車自動保管ステーションは、太陽電池パネル50あるいは他の独立した発電手段を備えない構成としてもよい。
この場合、二輪車自動保管ステーションは、ドッキング構造に施錠された二輪車1(二輪車1がドッキング構造に施錠されている場合)、および外部電力システム54から電力を供給される。
【図面の簡単な説明】
【0199】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる二輪車自動保管システムを示す図である。
【図2】図1における二輪車ドッキング構造を構成するスタンドの1つに二輪車を固定した状態を示す図である。
【図3】図2の二輪車に装着されている固定部材を示す図である。
【図4】図2の自転車が固定されるスタンドを示す図である。
【図5】図4のスタンドに備えられる保持部材を示す図である。
【図6】図5の保持部材におけるVI−Vi断面の断面図、および当該保持部材の操作部を示す図である。
【図7】図1〜図6の二輪車保管システムにおける主な電気的要素を示すブロック図である。
【図8】本発明の第2実施形態にかかる二輪車自動保管システムを示す図である。
【図9】図8のシステムで用いられる二輪車を示す図である。
【図10】図9の二輪車に備えられる固定部材を斜め下方から見た図である。
【図11】図10の固定部材および当該固定部材に備えられる電気接点の断面図である。
【図12】図8のシステムに備えられる二輪車ドッキング構造に設けられているスタンドの1つに施錠された図9の二輪車の側面図である。
【図13】図12のスタンドにおける二輪車を固定している状態(明瞭にするために二輪車は省略している)を示す図である。
【図14】図13のスタンドに備えられる保持部材の電気接点を含む保持面の高さでの縦断面図である。
【図15】図13の固定スタンドに備えられる保持部材が施錠位置にある状態を斜め下方から見た図である。
【図16】図13の固定スタンドに備えられる保持部材に取り付けられた電気施錠部の図である。
【図17】図13の固定スタンドに備えられる保持部材に取り付けられた電気施錠部の図である。
【図18】図16および図17の電気施錠部の中央部の断面図である。
【図19】本発明の第2実施形態にかかる二輪車保管システムのブロック図である。
【図20】図13の固定スタンドに備えられる保持部材の電気施錠部を開錠位置にした状態における図18と同じ断面の断面図である。
【図21】図20の保持部材を図19と同じ視点から見た断面図である。
【図22】本発明の第3実施形態にかかる二輪車保管システムのブロック図である。
【図23】本発明の第4実施形態についての図10と同様の図である。
【図24】本発明の第4実施形態についての図13と同様の図である。
【図25】本発明の第5実施形態におけるドッキング構造に施錠された二輪車を示す図である。
【図26】図25の二輪車をドッキング構造に固定した状態を示す断面図であり、ドッキング構造に備えられる電気施錠部を開錠位置にした状態を示している。
【図27】図25の二輪車をドッキング構造に固定した状態を示す断面図であり、ドッキング構造に備えられる電気施錠部を施錠位置にした場合を示している。
【図28】本発明の第5実施形態の変形例を示す図である。
【図29】本発明の第5実施形態の変形例を示す図である。
【図30】本発明の第5実施形態にかかる二輪車の付属部品を示す図である。
【図31】図30の付属部品の断面図である。
【図32】本発明の第6実施形態についての図1と同様の図である。
【図33】本発明の第6実施形態についての図7と同様の図である。
【図34】図33と同様のブロック図であり、本発明の第6実施形態の変形例を示している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二輪車自動保管システムであって、
複数台の二輪車(1;101;301)と、
上記二輪車(1;101;301)が取り付けられる複数の据え付けられたドッキング構造(7;107;207;307;307a;7,55,2)とを備え、
上記各二輪車は、
電力蓄積装置(25)と、
電気接点(19;119;119a)と、
上記電力蓄積装置(25)と上記電気接点(19;119;119a)とを接続する電力供給回路(24)とを備えており、
上記各ドッキング構造(7;107;207;307;307a;7,55,2)は、
少なくとも1つの中央処理装置(31)と、
上記中央処理装置(31)に接続された電力供給回路(32)と、
当該ドッキング構造に施錠された二輪車(1;101;301)における上記電気接点(19;119;119a)と電気的に接続されることにより、上記二輪車における上記電力供給回路(24)と当該ドッキング構造における上記電力供給回路(32)とを接続する電気接点(34,134,134a)とを備えており、
上記二輪車の上記電力供給回路(24)および上記ドッキング構造の上記電力供給回路(32)は、上記二輪車が上記ドッキング構造に施錠されたときに、上記二輪車における上記電力蓄積装置が上記ドッキング構造の上記電力供給回路(32)に電力を供給できるように構成されていることを特徴とする二輪車自動保管システム。
【請求項2】
上記二輪車の上記電力供給回路(24)および上記ドッキング構造の上記電力供給回路(32)は、上記二輪車の上記電力蓄積装置(25)から上記ドッキング構造の上記電力供給回路(32)への電力供給を行える一方、逆方向への電力供給は行えないように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の二輪車自動保管システム。
【請求項3】
上記ドッキング構造の上記電力供給回路は、上記二輪車の上記電力蓄積装置(25)以外の外部電力供給源に接続されておらず、
上記ドッキング構造の上記中央処理装置(31)は、無線通信手段によって外部制御装置(2,S;S)と通信可能であり、
上記外部制御装置(2,S;S)は、上記ドッキング構造の中央処理装置(31)と通信可能であり、かつ、上記ドッキング構造に施錠された二輪車(1;101;301)の貸し出しを選択的に認証する機能を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の二輪車自動保管システム。
【請求項4】
上記ドッキング構造(7;107;207;307;307a)は、当該ドッキング構造の電力供給回路(32)に接続された、当該ドッキング構造の中央処理装置(31)に電力を供給するための電力蓄積装置(36)を備え、
上記二輪車の上記電力供給回路(24)および上記ドッキング構造の電力供給回路(32)は、上記二輪車が上記ドッキング構造に施錠されたときに上記二輪車の電力蓄積装置(25)から供給される電力によって上記ドッキング構造の電力蓄積装置(36)を充電する機能を備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の二輪車自動保管システム。
【請求項5】
上記各二輪車(1;101)は、当該二輪車が走行することによって発電して上記電力蓄積装置(25)を充電する機能を有する発電機(26)を備えていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の二輪車自動保管システム。
【請求項6】
上記二輪車(1;101;301)は、当該二輪車の上記電気接点(19;119;119a)に接続された電気回路(23)を備え、
上記ドッキング構造の中央処理装置(31)は、上記二輪車の上記電気接点(19;119;119a)および上記ドッキング構造の電気接点(34,134,134a)が相互に接触しているときに、これら各電気接点を介して上記二輪車の電気回路(23)と情報交換する機能を備えていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の二輪車自動保管システム。
【請求項7】
上記外部制御装置は、少なくとも1つの中央サーバー装置(S)と、それぞれが二輪車保管ステーションに対応する複数の中央ステーション端末装置(2)とを備え、
上記中央ステーション端末装置は、上記中央サーバー装置(S)と通信可能であり、かつ当該中央ステーション端末装置と共通のドッキング構造(7;107;207;307;307a)に備えられる少なくとも1つの中央処理装置(31)と通信可能であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の二輪車自動保管システム。
【請求項8】
上記各二輪車(1;101;301)は施錠部材(10;110;310)を備え、
上記各ドッキング構造(7;107;207;307;307a)は、当該ドッキング構造の中央処理装置(31)によって制御される、当該ドッキング構造に施錠される上記二輪車の上記施錠部材(10;110;310)を保持する、少なくとも1つの電気施錠部(33;37;132;143;146;330;350)を備えており、
上記電気施錠部は、上記ドッキング構造の電力蓄積装置(36)から電力を供給されることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の二輪車自動保管システム。
【請求項9】
上記各ドッキング構造は、上記二輪車を保持する少なくとも1つの施錠ステーションを備えており、
上記施錠ステーションは、係合方向(E)に開口した、上記係合方向(E)に挿入された上記二輪車の施錠部材(10;110;310)を保持する保持部(8;108;308)を備えており、
上記電気施錠部は、上記保持部内で上記二輪車の施錠部材(10;110)の移動を規制する施錠位置と、上記施錠部材(10;110)の上記保持部外から上記保持部内への移動および上記保持部内から上記保持部外への移動が可能な開錠位置との間を移動可能に設けられた規制部材(38;130a)を備えていることを特徴とする請求項8に記載の二輪車自動保管システム。
【請求項10】
上記二輪車の上記施錠部材(110;310)は、軸方向(Y1)に沿って延伸し、両端部を有する横棒(111;311)を備え、
上記保持部(108;308)は、上記係合方向(E)に開口した、上記横棒(111;311)を受け入れる少なくとも1つの受入開口部(128;328)を備え、
上記横棒(111;311)は、上記軸方向(Y1)が上記受入開口部(128;328)によって規定される固定水平軸方向(Y2)に実質的に沿うように上記受入開口部(128;328)に受け入れられるようになっており、
上記電気施錠部は、上記規制部材(130a)に接続された少なくとも1つの可動部材(130b)を備え、
上記可動部材(130b)は、上記固定水平軸方向(Y2)に垂直な垂直面内において上記規制部材(130a)を第1位置と第2位置との間で移動させ、
上記第1位置は、上記施錠部材の上記横棒(111;311)が上記受入開口部(128)に対して上記係合方向(E)に係合されるときに上記可動部材(130b)が上記施錠部材に干渉する上記電気施錠部の開錠位置に対応する位置であり、
上記第2位置は、上記施錠部材の上記横棒(111;311)が上記受入開口部(128)に挿入されるときに当該横棒(111;311)が上記可動部材(130b)を第1位置から第2位置へ移動させ、上記可動部材(130b)が第1位置から第2位置に移動するときに当該可動部材(130b)が上記規制部材(130a)を上記施錠位置に移動させることが可能となる上記電気施錠部の施錠位置に対応する位置であることを特徴とする請求項9に記載の二輪車自動保管システム。
【請求項11】
上記ドッキング構造は、少なくとも1つの電力蓄積装置(36;36,52)を備え、
上記二輪車の電力供給回路(24)および上記ドッキング構造の電力供給回路(32)は、上記二輪車の電力蓄積装置の充電レベルがゼロよりも大きい値に設定される最小充電レベル以上である場合に、上記二輪車の電力蓄積装置から供給される電力によって上記ドッキング構造の電力蓄積装置を充電させることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の二輪車自動保管システム。
【請求項12】
上記ドッキング構造は、少なくとも1つの電源(50,54)に接続されており、かつ少なくとも1つの電力蓄積装置(36;36,52)を備えており、
上記ドッキング構造の上記電力供給回路(32,53)は、上記ドッキング構造の上記電力蓄積装置が充電下限閾値に達したときに、上記電源から供給される電力によって上記ドッキング構造の電力蓄積装置(36)を充電させることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の二輪車自動保管システム。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか1項に記載の二輪車自動保管システムで用いられるドッキング構造であって、
電力蓄積装置を備えた二輪車(1;101;301)を施錠する機能を有し、
電気接点と、
上記電力蓄積装置と上記電気接点とを接続する電力供給回路と、
当該ドッキング構造に施錠された二輪車の貸し出しを選択的に認証する機能を有する少なくとも1つの中央処理装置(31)と、
当該ドッキング構造の上記中央処理装置(31)に接続された電力供給回路(32)と、
当該ドッキング構造に施錠される二輪車に備えられる電気接点と相互に接触し、上記二輪車の電力供給回路を当該ドッキング構造の電力供給回路(32)に接続するように設けられた電気接点(34;134;134a)とを備え、
当該ドッキング構造の上記電力供給回路(32)は、上記二輪車が当該ドッキング構造に施錠されたときに、当該二輪車の電力蓄積装置から電力を供給されることを特徴とするドッキング構造。
【請求項14】
請求項1から12のいずれか1項に記載の二輪車自動保管システムで用いられる二輪車であって、
少なくとも1つの中央処理装置と、上記中央処理装置に接続される電力供給回路と、電気接点とを有するドッキング構造に施錠される機能を有し、
電力蓄積装置(25)と、
当該二輪車が上記ドッキング構造に施錠されたときに上記ドッキング構造の電気接点に当接する電気接点(19;119;119a)と、
当該二輪車の上記電力蓄積装置を当該二輪車の上記電気接点(19;119;119a)に接続する電力供給回路(24)とを備え、
当該二輪車の上記電力供給回路(24)は、当該二輪車が上記ドッキング構造に施錠されたときに、当該二輪車の上記電力蓄積装置(25)から上記ドッキング構造の上記電力供給回路に電力を供給することを特徴とする二輪車。
【請求項15】
上記電力供給回路(24)は、当該二輪車の電力蓄積装置(25)から上記ドッキング構造の電力供給回路への電力供給を行える一方、逆方向への電力供給は行えないことを特徴とする請求項14に記載の二輪車。
【請求項1】
二輪車自動保管システムであって、
複数台の二輪車(1;101;301)と、
上記二輪車(1;101;301)が取り付けられる複数の据え付けられたドッキング構造(7;107;207;307;307a;7,55,2)とを備え、
上記各二輪車は、
電力蓄積装置(25)と、
電気接点(19;119;119a)と、
上記電力蓄積装置(25)と上記電気接点(19;119;119a)とを接続する電力供給回路(24)とを備えており、
上記各ドッキング構造(7;107;207;307;307a;7,55,2)は、
少なくとも1つの中央処理装置(31)と、
上記中央処理装置(31)に接続された電力供給回路(32)と、
当該ドッキング構造に施錠された二輪車(1;101;301)における上記電気接点(19;119;119a)と電気的に接続されることにより、上記二輪車における上記電力供給回路(24)と当該ドッキング構造における上記電力供給回路(32)とを接続する電気接点(34,134,134a)とを備えており、
上記二輪車の上記電力供給回路(24)および上記ドッキング構造の上記電力供給回路(32)は、上記二輪車が上記ドッキング構造に施錠されたときに、上記二輪車における上記電力蓄積装置が上記ドッキング構造の上記電力供給回路(32)に電力を供給できるように構成されていることを特徴とする二輪車自動保管システム。
【請求項2】
上記二輪車の上記電力供給回路(24)および上記ドッキング構造の上記電力供給回路(32)は、上記二輪車の上記電力蓄積装置(25)から上記ドッキング構造の上記電力供給回路(32)への電力供給を行える一方、逆方向への電力供給は行えないように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の二輪車自動保管システム。
【請求項3】
上記ドッキング構造の上記電力供給回路は、上記二輪車の上記電力蓄積装置(25)以外の外部電力供給源に接続されておらず、
上記ドッキング構造の上記中央処理装置(31)は、無線通信手段によって外部制御装置(2,S;S)と通信可能であり、
上記外部制御装置(2,S;S)は、上記ドッキング構造の中央処理装置(31)と通信可能であり、かつ、上記ドッキング構造に施錠された二輪車(1;101;301)の貸し出しを選択的に認証する機能を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の二輪車自動保管システム。
【請求項4】
上記ドッキング構造(7;107;207;307;307a)は、当該ドッキング構造の電力供給回路(32)に接続された、当該ドッキング構造の中央処理装置(31)に電力を供給するための電力蓄積装置(36)を備え、
上記二輪車の上記電力供給回路(24)および上記ドッキング構造の電力供給回路(32)は、上記二輪車が上記ドッキング構造に施錠されたときに上記二輪車の電力蓄積装置(25)から供給される電力によって上記ドッキング構造の電力蓄積装置(36)を充電する機能を備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の二輪車自動保管システム。
【請求項5】
上記各二輪車(1;101)は、当該二輪車が走行することによって発電して上記電力蓄積装置(25)を充電する機能を有する発電機(26)を備えていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の二輪車自動保管システム。
【請求項6】
上記二輪車(1;101;301)は、当該二輪車の上記電気接点(19;119;119a)に接続された電気回路(23)を備え、
上記ドッキング構造の中央処理装置(31)は、上記二輪車の上記電気接点(19;119;119a)および上記ドッキング構造の電気接点(34,134,134a)が相互に接触しているときに、これら各電気接点を介して上記二輪車の電気回路(23)と情報交換する機能を備えていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の二輪車自動保管システム。
【請求項7】
上記外部制御装置は、少なくとも1つの中央サーバー装置(S)と、それぞれが二輪車保管ステーションに対応する複数の中央ステーション端末装置(2)とを備え、
上記中央ステーション端末装置は、上記中央サーバー装置(S)と通信可能であり、かつ当該中央ステーション端末装置と共通のドッキング構造(7;107;207;307;307a)に備えられる少なくとも1つの中央処理装置(31)と通信可能であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の二輪車自動保管システム。
【請求項8】
上記各二輪車(1;101;301)は施錠部材(10;110;310)を備え、
上記各ドッキング構造(7;107;207;307;307a)は、当該ドッキング構造の中央処理装置(31)によって制御される、当該ドッキング構造に施錠される上記二輪車の上記施錠部材(10;110;310)を保持する、少なくとも1つの電気施錠部(33;37;132;143;146;330;350)を備えており、
上記電気施錠部は、上記ドッキング構造の電力蓄積装置(36)から電力を供給されることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の二輪車自動保管システム。
【請求項9】
上記各ドッキング構造は、上記二輪車を保持する少なくとも1つの施錠ステーションを備えており、
上記施錠ステーションは、係合方向(E)に開口した、上記係合方向(E)に挿入された上記二輪車の施錠部材(10;110;310)を保持する保持部(8;108;308)を備えており、
上記電気施錠部は、上記保持部内で上記二輪車の施錠部材(10;110)の移動を規制する施錠位置と、上記施錠部材(10;110)の上記保持部外から上記保持部内への移動および上記保持部内から上記保持部外への移動が可能な開錠位置との間を移動可能に設けられた規制部材(38;130a)を備えていることを特徴とする請求項8に記載の二輪車自動保管システム。
【請求項10】
上記二輪車の上記施錠部材(110;310)は、軸方向(Y1)に沿って延伸し、両端部を有する横棒(111;311)を備え、
上記保持部(108;308)は、上記係合方向(E)に開口した、上記横棒(111;311)を受け入れる少なくとも1つの受入開口部(128;328)を備え、
上記横棒(111;311)は、上記軸方向(Y1)が上記受入開口部(128;328)によって規定される固定水平軸方向(Y2)に実質的に沿うように上記受入開口部(128;328)に受け入れられるようになっており、
上記電気施錠部は、上記規制部材(130a)に接続された少なくとも1つの可動部材(130b)を備え、
上記可動部材(130b)は、上記固定水平軸方向(Y2)に垂直な垂直面内において上記規制部材(130a)を第1位置と第2位置との間で移動させ、
上記第1位置は、上記施錠部材の上記横棒(111;311)が上記受入開口部(128)に対して上記係合方向(E)に係合されるときに上記可動部材(130b)が上記施錠部材に干渉する上記電気施錠部の開錠位置に対応する位置であり、
上記第2位置は、上記施錠部材の上記横棒(111;311)が上記受入開口部(128)に挿入されるときに当該横棒(111;311)が上記可動部材(130b)を第1位置から第2位置へ移動させ、上記可動部材(130b)が第1位置から第2位置に移動するときに当該可動部材(130b)が上記規制部材(130a)を上記施錠位置に移動させることが可能となる上記電気施錠部の施錠位置に対応する位置であることを特徴とする請求項9に記載の二輪車自動保管システム。
【請求項11】
上記ドッキング構造は、少なくとも1つの電力蓄積装置(36;36,52)を備え、
上記二輪車の電力供給回路(24)および上記ドッキング構造の電力供給回路(32)は、上記二輪車の電力蓄積装置の充電レベルがゼロよりも大きい値に設定される最小充電レベル以上である場合に、上記二輪車の電力蓄積装置から供給される電力によって上記ドッキング構造の電力蓄積装置を充電させることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の二輪車自動保管システム。
【請求項12】
上記ドッキング構造は、少なくとも1つの電源(50,54)に接続されており、かつ少なくとも1つの電力蓄積装置(36;36,52)を備えており、
上記ドッキング構造の上記電力供給回路(32,53)は、上記ドッキング構造の上記電力蓄積装置が充電下限閾値に達したときに、上記電源から供給される電力によって上記ドッキング構造の電力蓄積装置(36)を充電させることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の二輪車自動保管システム。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか1項に記載の二輪車自動保管システムで用いられるドッキング構造であって、
電力蓄積装置を備えた二輪車(1;101;301)を施錠する機能を有し、
電気接点と、
上記電力蓄積装置と上記電気接点とを接続する電力供給回路と、
当該ドッキング構造に施錠された二輪車の貸し出しを選択的に認証する機能を有する少なくとも1つの中央処理装置(31)と、
当該ドッキング構造の上記中央処理装置(31)に接続された電力供給回路(32)と、
当該ドッキング構造に施錠される二輪車に備えられる電気接点と相互に接触し、上記二輪車の電力供給回路を当該ドッキング構造の電力供給回路(32)に接続するように設けられた電気接点(34;134;134a)とを備え、
当該ドッキング構造の上記電力供給回路(32)は、上記二輪車が当該ドッキング構造に施錠されたときに、当該二輪車の電力蓄積装置から電力を供給されることを特徴とするドッキング構造。
【請求項14】
請求項1から12のいずれか1項に記載の二輪車自動保管システムで用いられる二輪車であって、
少なくとも1つの中央処理装置と、上記中央処理装置に接続される電力供給回路と、電気接点とを有するドッキング構造に施錠される機能を有し、
電力蓄積装置(25)と、
当該二輪車が上記ドッキング構造に施錠されたときに上記ドッキング構造の電気接点に当接する電気接点(19;119;119a)と、
当該二輪車の上記電力蓄積装置を当該二輪車の上記電気接点(19;119;119a)に接続する電力供給回路(24)とを備え、
当該二輪車の上記電力供給回路(24)は、当該二輪車が上記ドッキング構造に施錠されたときに、当該二輪車の上記電力蓄積装置(25)から上記ドッキング構造の上記電力供給回路に電力を供給することを特徴とする二輪車。
【請求項15】
上記電力供給回路(24)は、当該二輪車の電力蓄積装置(25)から上記ドッキング構造の電力供給回路への電力供給を行える一方、逆方向への電力供給は行えないことを特徴とする請求項14に記載の二輪車。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【公開番号】特開2011−172468(P2011−172468A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−281657(P2010−281657)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【出願人】(510333601)ジセドコー ソシエテ アノニム (1)
【氏名又は名称原語表記】JCDecaux SA
【住所又は居所原語表記】17 Rue Soyer,92200 NEUILLY SUR SEINE,France
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−281657(P2010−281657)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【出願人】(510333601)ジセドコー ソシエテ アノニム (1)
【氏名又は名称原語表記】JCDecaux SA
【住所又は居所原語表記】17 Rue Soyer,92200 NEUILLY SUR SEINE,France
【Fターム(参考)】
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