説明

作業機械の表示装置

【課題】 変速装置が複数の変速状態のうちのどの変速状態にあるかを判り易い状態で表示することができる作業機械の表示装置を提供する。
【解決手段】 複数の変速状態に切換え自在な変速装置42の変速状態を表示する表示手段FHが、複数の変速状態に対応させて並設した複数の変速表示部16〜18と、それら複数の変速表示部16〜18のうち、現在の変速状態に対応する変速表示部を変速対応表示状態とし且つ他の変速表示部を非変速対応状態とするように、複数の変速表示部16〜18の表示作動を制御する表示制御手段とを備えて構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の変速状態に切換え自在な変速装置の変速状態を表示する表示手段を備えた作業機械の表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記構成の作業機械の表示装置の従来例としては、作業機械の一例であるコンバインに適用したものとして次のように構成されたものがあった。
すなわち、機体の運転部に液晶表示装置が設けられ、その液晶表示装置に、複数の変速状態に切り換え自在な変速装置の変速状態を表示する変速表示部が備えられ、その変速表示部が、前記変速装置における複数の変速状態のうちの現在の変速状態だけを表示する構成となっていた(例えば、特許文献1参照。)。尚、液晶表示装置には、変速装置の変速状態以外にも、刈取作業時等のように作業を行うときの車体の走行速度である作業速度やエンジン負荷等の各種の報知情報を表示する構成となっている。
【0003】
説明を加えると、前記変速装置が、エンジンの出力を主変速装置にて変速した変速動力を変速したのちに走行装置に伝達する副変速装置、及び、エンジンの出力を主変速装置にて変速した変速動力を変速したのちに刈取部に伝達する刈取変速装置にて構成されており、前記変速状態表示部が、副変速装置の変速状態を表示する副変速装置用の変速表示部、及び、刈取変速装置の変速状態を表示する刈取変速装置用の変速表示部にて構成されるものであり、副変速装置用の変速表示部及び刈取変速装置用の変速表示部の夫々が、副変速装置及び刈取変速装置における複数の変速状態のうちの現在の変速状態だけを表示する構成であった。
【0004】
例えば、副変速装置の場合では、複数の変速状態として、路上走行用の高速状態、刈取作業用の標準状態、低速作業用の低速状態、中立状態の夫々に切り換え自在であり、前記実変速状態が高速状態であれば「H」の文字、標準状態であれば「M」の文字、低速状態であれば「L」の文字、及び、中立状態であれば「N」の文字を表示する構成である。一方、刈取変速装置の場合には、複数の変速状態として、例えば植立茎稈が倒伏している作業条件等に対応する高速状態と植立茎稈が直立している標準的な作業条件に対応する低速状態とがあり、高速状態であれば「H」の文字、低速状態であれば「L」の文字を表示する構成である。
【0005】
【特許文献1】特開2005−80549号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来構成においては、前記変速表示部に現在の変速状態だけを文字情報によって表示するものであるから、作業者は、その表示内容を目視して確認する際に、複数の変速状態のうちで現在はそのうちのどの変速状態にあるかについて感覚的に判り難いものになっていた。
【0007】
説明を加えると、上記従来構成に記載されるような作業機械の一例としてのコンバインにおいて、前記副変速装置は、複数の変速状態として、前記高速状態のような路上走行用の変速状態と前記標準状態や前記低速状態のような刈取作業用の変速状態とがあるが、圃場内で植立茎稈を刈取る刈取作業を行うときは、刈取作業用の変速状態に設定して作業を行い、枕地や畦等を走行するときには能率よく移動するために路上走行用の変速状態に設定して走行する等、そのときの作業状況に応じて変速状態を切り換えて使用することになる。
【0008】
例えば、枕地を走行するときに路上走行用の変速状態に切り換え、刈取作業を実行するときには刈取作業用の変速状態に切り換えて使用する等、頻繁に変速状態を切り換えることもあるが、上記したような従来構成のように、複数の変速状態のうちの現在の変速状態だけを文字で表示する形態であれば、現在の変速状態が路上走行用の変速状態であるか刈取作業用の変速状態であるかが感覚的に判り難いものとなり、作業者が勘違いして、枕地を走行するときに刈取作業用の変速状態に切り換え、刈取作業を実行するときに路上走行用の変速状態に切り換える等、そのときの作業状況に適合していない変速状態に誤って切り換えるおそれがあった。特に、作業に不慣れな未熟練者にとっては、上記したような勘違いにより変速状態を誤って操作するおそれがあった。
【0009】
又、刈取変速装置は、圃場内で植立茎稈を刈取る刈取作業を行うときに、そのときの植立茎稈の倒伏状態の違い等に応じて、高速状態に切り換えたり、低速状態に切り換えたりすることがあるが、この刈取変速装置についても、副変速装置と同様にして、上記したような従来構成のように、複数の変速状態のうちの現在の変速状態だけを文字で表示する形態であれば、現在の変速状態が高速状態であるか低速状態であるかが感覚的に判り難いものとなり、作業者が勘違いして、植立茎稈が倒伏している作業条件のときに低速状態に切り換えたり、植立茎稈が直立している標準的な作業条件のときに高速状態に切り換える等、そのときの作業状況に適合していない変速状態に誤って切り換えるおそれがあった。
【0010】
本発明の目的は、変速装置の変速状態を判り易い状態で表示することにより、作業状況に適合していない変速状態に誤って切り換えるおそれを少なくすることが可能となる作業機械の表示装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る作業機械の表示装置は、複数の変速状態に切換え自在な変速装置の変速状態を表示する表示手段を備えたものであって、その第1特徴構成は、前記表示手段が、前記複数の変速状態に対応させて並設した複数の変速表示部と、それら複数の変速表示部のうち、現在の変速状態に対応する変速表示部を変速対応表示状態とし且つ他の変速表示部を非変速対応状態とするように、前記複数の変速表示部の表示作動を制御する表示制御手段とを備えて構成されている点にある。
【0012】
第1特徴構成によれば、複数の変速状態に対応する複数の変速表示部が備えられ、それら複数の変速表示部のうち、現在の変速状態に対応する変速表示部を変速対応表示状態とし且つ他の変速表示部を非変速対応状態とするように、複数の変速表示部の表示作動が表示制御手段によって制御されることになる。
【0013】
すなわち、変速装置が複数の変速状態のうちのいずれかの変速状態に切り換え操作されると、現在の変速状態に対応する変速表示部が変速対応表示状態となり、それ以外の変速表示部は非変速対応状態となるから、作業者は、現在の変速状態に対応する変速表示部だけでなく、それ以外の変速表示部についてもその存在は判るので、変速操作される変速状態が全部でいくつ存在しているかが判り、且つ、現在の変速状態に対応する変速表示部とそれ以外の変速表示部の表示形態の違いから、現在は複数の変速状態のうちのどの変速状態であるかを容易に判別することができる。その結果、現在の変速状態が複数の変速状態のうちのどの変速状態であるかが容易に判別できるから、作業者がそのときの作業状況に適合していない不適切な変速状態に誤って切り換えることを回避し易いものにできる。
【0014】
従って、変速装置の変速状態を判り易い状態で表示することにより、作業状況に適合していない変速状態に誤って切り換えるおそれを少なくすることが可能となる作業機械の表示装置を提供できるに至った。
【0015】
本発明の第2特徴構成は、第1特徴構成に加えて、複数の前記変速表示部の夫々が、対応する前記変速状態を文字情報として表し、且つ、明るい表示状態と暗い表示状態とに切換え自在に構成され、前記表示制御手段が、前記複数の変速表示部のうちの、現在の変速状態に対応する変速表示部を前記変速対応表示状態として前記明るい表示状態とし且つ他の変速表示部を非変速対応状態として暗い表示状態とするように構成されている点にある。
【0016】
第2特徴構成によれば、複数の変速表示部のうちの、現在の変速状態に対応する変速表示部は、変速状態を文字情報として表し且つ明るい表示状態で表示することになる。そして、現在の変速状態に対応する変速表示部以外の他の変速表示部は、変速状態を文字情報として表し且つ暗い表示状態で表示することになる。
【0017】
その結果、作業者は、現在の変速状態に対応する変速表示部だけでなく、それ以外の変速表示部もその存在が判るので、全ての変速状態が全部でいくつ存在しているかを容易に判別することができる。又、前記変速対応表示状態として前記明るい表示状態とし且つ他の変速表示部を非変速対応状態として暗い表示状態とするように構成しているから、目視したときの明るさの違いから、現在の変速状態に対応する変速表示部とそれ以外の変速表示部との差がわかり易く、現在の変速状態がどの変速状態であるかを容易に判別することができる。
【0018】
本発明の第3特徴構成は、第1特徴構成又は第2特徴構成に加えて、作業機械が、エンジンの動力により駆動される走行装置及び刈取部を備えたコンバインにて構成され、前記変速装置が、前記エンジンの出力を主変速装置にて変速した変速動力を変速したのちに前記走行装置に伝達する副変速装置、及び、前記エンジンの出力を主変速装置にて変速した変速動力を変速したのちに前記刈取部に伝達する刈取変速装置にて構成され、前記表示手段が、前記副変速装置の変速状態を表示する副変速装置用の表示手段、及び、前記刈取変速装置の変速状態を表示する刈取変速装置用の表示手段にて構成されている点にある。
【0019】
第3特徴構成によれば、作業機械としてのコンバインでは、エンジンの出力を主変速装置にて変速した変速動力を副変速装置にてさらに変速したのちに走行装置に伝達するように構成され、一方、エンジンの出力を主変速装置にて変速した変速動力を刈取変速装置にてさらに変速したのちに刈取部に伝達するように構成されている。そして、副変速装置の複数の変速状態としては、例えば、路上走行用の変速状態や刈取作業用の変速状態等がある。一方、刈取変速装置の複数の変速状態としては、例えば、植立茎稈が直立状態になっている作業条件に対応する高速状態や、植立茎稈が倒伏状態になっている作業条件に対応する低速状態等がある。
【0020】
そして、前記副変速装置の変速状態を表示する表示手段と、前記刈取変速装置の変速状態を表示する刈取変速装置用の表示手段とが備えられるから、作業者は、副変速装置の変速状態と刈取変速装置の変速状態の夫々について、変速操作される変速状態が全部でいくつ存在しているかが判り、且つ、現在は複数の変速状態のうちのどの変速状態であるかを容易に判別することができる。
【0021】
従って、副変速装置及び刈取変速装置の夫々について、変速状態を判り易い状態で表示することにより、作業状況に適合していない変速状態に誤って切り換えるおそれを少なくすることが可能となる。
【0022】
本発明の第4特徴構成は、第3特徴構成に加えて、運転席の前部に設けた表示パネルに、作業速度表示部、エンジン回転速度表示部、及び、燃料残存量を表示する燃料表示部が、前記エンジン回転速度表示部と前記燃料表示部との間に前記作業速度表示部を位置させる横並び状態で設けられ、前記副変速用の表示手段における変速状態表示部及び前記刈取変速装置用の表示手段における変速状態表示部が、それらの一方を前記エンジン回転速度表示部の下方に、且つ、他方を前記燃料表示部の下方に位置させる状態で設けられている点にある。
【0023】
第4特徴構成によれば、運転席の前部に設けた表示パネルに、作業速度表示部、エンジン回転速度表示部、及び、燃料残存量を表示する燃料表示部が、前記エンジン回転速度表示部と前記燃料表示部との間に前記作業速度表示部を位置させる横並び状態で設けられるから、刈取作業時等のように作業を行うときの車体の走行速度である作業速度、作業機械の動力源であるエンジンの回転速度、エンジンに供給すべき燃料の残量である燃料残存量の夫々を横方向に並んで位置する状態で表示することで、作業者は、そのような作業を適正に且つ継続して行うために作業者が頻繁に確認する必要がある報知情報を容易に確認することができる。
【0024】
そして、前記副変速用の表示手段における変速表示部及び前記刈取変速装置用の表示手段における変速表示部が、それらの一方を前記エンジン回転速度表示部の下方に、且つ、他方を前記燃料表示部の下方に位置させる状態で設けられているから、作業速度表示部を間にして左右両側に振り分け配置されることになるエンジン回転速度表示部及び燃料表示部夫々の下方側に位置するので、副変速用の表示手段における変速表示部と刈取変速装置用の表示手段における変速表示部とが左右方向に離間した状態で配置されることになる。
【0025】
従って、副変速用の表示手段における変速表示部及び刈取変速装置用の表示手段における変速表示部を近接する状態で並べて表示するものに比べて、目視する作業者が両者を混同するおそれが少なく適正に識別した状態で、副変速装置の変速状態及び刈取変速装置の変速状態を夫々確認することができる。
【0026】
本発明の第5特徴構成は、第3特徴構成又は第4特徴構成に加えて、前記作業速度表示部の下方に、画像表示式の情報表示部が設けられ、前記表示制御手段が、作業機械の運転において作業者に知らせるべき複数種の報知情報を切換え表示させるように、前記情報表示部の表示作動を制御するように構成されている点にある。
【0027】
第5特徴構成によれば、作業速度表示部の下方側に並設されて画像表示式に構成された補助表示部に、作業機械の運転において作業者に知らせるべき複数種の報知情報を切換え表示させるようにしたので、表示スペースを広くすることなく作業者に知らせるべき複数の報知情報を適切に表示することができる。
【0028】
本発明の第6特徴構成は、第4特徴構成又は第5特徴構成に加えて、前記作業速度表示部が、最低速度表示位置と最高速度表示位置とに亘りかつ上向き突出の円弧状の作業速度表示用設定経路に沿って作業速度表示用指示部を、作業速度に応じて移動させるように構成され、エンジン負荷用表示部が、最低負荷表示位置と最高負荷表示位置とに亘り且つ前記作業速度表示用設定経路の外方側に並ぶ上向き突出の円弧状の負荷表示用設定経路に沿って負荷表示用指示部をエンジン負荷に応じて移動させるように設けられている。
【0029】
第6特徴構成によれば、前記作業速度表示部が、最低速度表示位置と最高速度表示位置とに亘りかつ上向き突出の円弧状の作業速度表示用設定経路に沿って作業速度表示用指示部を作業速度に応じて移動させる形態で作業速度を表示するものであるから、作業速度表示用指示部の移動状態を目視することによって作業速度を感覚的に判別し易いものになる。
【0030】
すなわち、作業速度表示用指示部が最低速度表示位置と最高速度表示位置との間のうちのどの位置にあるのか、言い換えると、現在の作業速度が最低速度と最高速度との間の速度調整可能範囲の中でどの程度の割合の速度であるのかを感覚的に判り易いものとなる。又、作業速度についての作業用適正値は、最低速度と最高速度との間の中間部における所定の速度にて予め定められるものであるから、作業速度が作業用適正値からどの程度差があるのかを容易に判別することができる。又、円弧状に形成された作業速度表示用設定経路に沿って作業速度用指示部を移動させて作業速度を表示するので、例えば直線状の経路に構成するものに比べて、限られた表示スペースを有効に利用して作業速度表示用設定経路を極力長くすることができる。
【0031】
又、エンジン負荷表示部も作業速度と同様に、最小負荷表示位置と最大負荷表示位置とに亘る負荷表示用設定経路に沿って負荷表示用指示部をエンジン負荷に応じて移動させる形態でエンジン負荷を表示する構成であるから、エンジン負荷表示用指示部が最小負荷表示位置と最大負荷表示位置との間のうちのどの位置にあるのか、言い換えると、現在のエンジン負荷が最小負荷と最大負荷との間の負荷変更可能範囲の中でどの程度の割合のエンジン負荷であるのかを感覚的に判り易いものとなる。又、エンジン負荷についての作業用適正値も、作業速度と同様に、最小負荷と最大負荷の中間部における所定のエンジン負荷として予め定められるものであるから、エンジン負荷が作業用適正値からどの程度差があるのかを容易に判別することができる。
【0032】
従って、このように作業速度及びエンジン負荷が共に作業用適正値からどの程度差があるのかを容易に判別することができるから、そのときのエンジン負荷及び作業速度について、例えば作業速度を増速あるいは減速させるときにどの程度速度を変更すればよいかについて感覚的に判り易い状態で表示することが可能であり、適正な作業状態にすることを迅速に行い易いものとなる。
【0033】
しかも、前記エンジン負荷表示部は、負荷表示用設定経路が上向き突出の円弧状に形成されて作業速度表示部における作業速度表示用設定経路の外方側に並ぶ状態で備えられているので、作業速度表示用設定経路の外方側のスペースを有効利用してエンジン負荷表示部を合理的に配置することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明に係る作業機械の表示装置の実施形態を作業機械としてのコンバインに適用した場合について図面に基づいて説明する。
図1に示すように、コンバインは、左右一対のクローラ走行装置30を備えた機体Vの前部に、刈取昇降シリンダ5によって横軸心X周りに上下揺動操作自在な状態で刈取部1が設けられ、機体Vには、運転部31、刈取穀稈の扱処理並びに穀粒選別処理を行う脱穀部2、脱穀部2から供給される穀粒を貯留する貯留部としてのグレンタンク3、及び、グレンタンク3から穀粒を排出するための排出用のアンローダ32等が装備されて構成されている。前記グレンタンク3にはその内部に貯留されている穀粒(もみ)の量を検出するモミセンサS6が設けられている。
【0035】
刈取部1は、先端部に付設された分草具33、穀稈の引き起こし装置34、引き起こした穀稈の株元を切断する刈り刃35、先端側で刈取穀稈を受け取って脱穀部2のフィードチェーン52に受け渡す縦搬送装置36等を備えている。又、刈取部1の地面に対する高さを検出するための超音波センサS1と、穀稈が触れるとオン作動して刈取り作業中であることを検出する株元センサS2とが設けられている。そして、超音波センサS1の情報に基づいて、刈取部1の対地高さが目標設定高さに維持されるように刈取昇降シリンダ5の作動を制御する刈高制御が実行される。
【0036】
前記アンローダ32は、先端部に下向き姿勢の排出口32aを備え、基端側が横軸心Z周りに上下揺動自在な状態で支持部32bに支持され、その支持部32bが縦軸心Y周りに旋回操作自在な状態で機体Vに支持されている。そして、前記アンローダ32を上下揺動駆動するためのアンローダ用油圧シリンダ62、旋回駆動用のアンローダ旋回用モータM3、その支持部32bの旋回位置を検出するためのポテンショメータ式のアンローダ位置センサS3が設けられている。そして、上記アンローダ位置センサS3以外にも上昇方向や左右方向への旋回操作の限界位置を検出するリミットスイッチ(図示しない)等も備えられ、それらの情報に基づいてアンローダ32の作動を制御するアンローダ制御が実行されるように構成されている。
【0037】
脱穀部2は、図2に示すように、扱胴51を収納する扱室A、刈取部1から供給される穀稈を搬送するフィードチェーン52、トウミ53及び揺動選別板54等からなる選別装置B、穀粒回収用の一番口55、及び、穀粒と藁屑との混合物(二番物)を回収するための二番口56等を備えている。そして、扱室Aで扱処理された処理物は、扱室Aの下部に設けられた受網57から選別装置Bに漏下し、それ以外の処理物は受網57の後端部より選別装置Bに落下する。尚、上記一番口55にて回収された穀粒は、図示しないスクリュー式の搬送装置によってグレンタンク3に搬送され、二番口56にて回収された二番物は、スクリュー式の二番搬送装置63によって、上記揺動選別板54の始端側に戻されるように構成されている。又、脱穀部2の後方側には、図1に示すように、脱穀部2から排出される排藁を切断する排ワラカッタ部64が設けられ、その排ワラカッタ部64の詰まりを検出するための排ワラ詰まり検出スイッチS15が設けられている。
【0038】
選別装置Bの揺動選別板54は、トウミ53の上方に位置するグレンパン58、そのグレンパン58の後方に位置するチャフシーブ59、そのチャフシーブ59の下方に位置するグレンシーブ61等を備えている。チャフシーブ59は、処理物移送方向に並置された複数個の帯板状部材からなり、その隣接する帯板状部材の間隔(チャフ開度)がチャフ開度調節モータM4によって変更されるように構成されている。尚、S8は、揺動選別板54上の選別処理物量を検出するシーブセンサである。トウミ53は、選別風を送風するためのものであり、後方側のファンケースカバー53aをトウミ風力調節モータM5にて開閉操作することにより、揺動選別板54上の処理物に及ぼす風力(トウミ風力)が変更されるように構成されている。
【0039】
そして、選別装置Bでの選別処理が適正に行われるように、扱室Aからの漏下処理物量に応じて、チャフ開度調節モータM4及びトウミ風力調節モータM5の作動を制御する脱穀制御が実行される。
【0040】
次に、動力伝達系を図3に示す。機体Vに搭載されたエンジンEの出力は、脱穀クラッチ37を介して脱穀部2に伝達されるとともに、走行クラッチ38及び主変速装置としての無段変速装置39を介してクローラ走行装置30のミッション部40に伝達される。ミッション部40に伝達された出力は、ミッション部40内に設けられた副変速装置42を介してクローラ走行装置30に伝達される一方、刈取変速装置43及び刈取クラッチ41を介して刈取部1に伝達される。そして、副変速装置42にて変速された後の動力にて駆動されるクローラ走行装置30の入力軸の回転速度に基づいて作業速度を検出する車速センサS4、エンジンEの回転速度を検出するエンジン回転速度センサS5、エンジンEの冷却水の水温を検出する水温センサS7等が設けられている。
【0041】
前記車速センサS4は、詳述はしないが、電磁ピックアップコイルの作用によりクローラ走行装置30の入力軸に備えられたギアの歯部と溝部との間での近接距離の変化に対応するパルス信号をギアの回転速度に対応した信号として出力するように構成されており、そのパルス信号のパルス周期の長さに基づいて作業速度を検出する構成となっている。
【0042】
前記エンジン回転速度センサS5についても、車速センサS4と同様に、電磁ピックアップコイルの作用によりエンジンEの出力軸と一体的に回転するように備えられたギアの歯部と溝部との間での近接距離の変化に対応するパルス信号を出力するように構成されており、そのパルス信号のパルス周期の長さに基づいて作業速度を検出する構成となっている。
【0043】
前記無段変速装置39は、運転部31に設けられた手動操作式の主変速レバー7にて手動で変速操作可能に構成されている。又、変速モータM6によっても速操作可能である。前記副変速装置42は、アクチュエータとしての副変速用油圧シリンダ65の伸縮操作により図示しない変速用シフトギアをシフト操作させて、路上走行用の高速状態、刈取作業用の低速状態、クローラ走行装置30への動力伝達を断つ中立状態の3つの変速状態に切り換え自在に構成されている。そして、副変速装置42がどの変速位置にあるかを検出する副変速センサS10が設けられている。
【0044】
前記刈取変速装置43は、アクチュエータとしての刈取変速用油圧シリンダ66の伸縮操作により図示しない変速用シフトギアをシフト操作させて、高速状態と低速状態とに切り換え自在に構成され、コンバインの作業速度に対する刈取部1の刈取作業速度の相対速度を作物の種類の違いや植立穀稈の倒伏状態の違い等に応じて高低2段階に切り換えることができる。そして、刈取変速装置43がどの変速状態にあるかを検出する刈取変速センサS11が設けられている。
【0045】
前記副変速装置42は、図14及び図15に示すように、主変速レバー7の握り部に指操作可能に設けられたトグル操作式の副変速切換スイッチ9及び運転部31における主変速レバー7とは別の箇所に設けられた副変速中立スイッチ10による指令に基づいて変速状態が切り換わる構成であり、副変速中立スイッチ10を切操作している状態で副変速切換スイッチ9を切り換え操作することで高速状態と低速状態とに切り換え自在であり、副変速中立スイッチ10を入操作することで中立状態に切り換える構成となっている。尚、副変速中立スイッチ10は押し操作する毎に入状態と切状態とに交互に切り換わる押し操作式のスイッチにて構成され、入状態であるか切状態であるかは図示しないランプにより表示するようになっている。
【0046】
又、刈取変速装置43は、副変速切換スイッチ9と同様に、図14及び図15に示すように、主変速レバー7の握り部7aに指操作可能に設けられたトグル操作式の刈取変速切換スイッチ11を切り換え操作することで高速状態と低速状態とに切り換え自在に構成されている。
【0047】
運転部31には、刈取部1を昇降操作する刈取昇降指令具と機体Vを左右に旋回操作する旋回操作指令具とに兼用構成された十字操作式の刈高操向レバー8が設けられている。つまり、この刈高操向レバー8を後方側に揺動操作すると刈取部1が上昇し、前方側に揺動操作すると刈取部1が下降する。又、刈高操向レバー8を左側に揺動操作すると機体が左旋回し、右側に揺動操作すると機体が右旋回するように構成されている。
【0048】
そして、このコンバインには、運転部31における運転席29の前方側に設けられた表示パネルに、コンバインの運転において作業者に知らせるべき複数種の報知情報を表示する報知情報表示手段としての表示ユニットCが設けられている。
この表示ユニットCは、主表示部C1と、その主表示部C1に並設される補助表示部C3とを備えて構成され、前記主表示部C1が、前記報知情報として、作業速度を表示するように構成され、前記補助表示部C3が、画像表示式に構成され、且つ、前記報知情報として、前記主表示部C1にて表示される報知情報以外の複数種の報知情報を並べて表示するように構成されている。
【0049】
又、補助表示部C3が、主表示部C1の下方側に並設される状態で備えられ、主表示部C1の左右両側に並設される状態で一対の副表示部C2、C2が備えられ、それら一対の副表示部C2、C2が、前記報知情報として、主表示部C1にて表示される報知情報及び補助表示部C3にて表示される複数種の報知情報以外の報知情報を表示するように構成されている。
【0050】
そして、前記主表示部C1が、報知情報として、作業速度に加えてエンジン負荷を表示するように構成されている。すなわち、前記主表示部C1が、最低速度表示位置と最高速度表示位置とに亘る作業速度表示用設定経路Q1に沿って作業速度表示用指示部を作業速度に応じて移動させる作業速度表示部としての作業速度計12と、最小負荷表示位置と最大負荷表示位置とに亘る負荷表示用設定経路Q2に沿って負荷表示用指示部をエンジン負荷に応じて移動させるエンジン負荷表示部としてのエンジン負荷表示計13とを備えて構成されている。
【0051】
説明を加えると、図4に示すように、表示ユニットCの左右方向の中央部に位置する主表示部C1には、前記車速センサS4にて検出される作業速度を表示する作業速度用表示部としての作業速度計12が設けられている。この作業速度計12は、作業速度表示用設定経路Q1を上向き突出の円弧状として、作業速度表示用指示部としての指示針12aを速度表示用設定経路Q1に沿って移動させるように構成されている。
【0052】
すなわち、指示針12aがその長手方向一端側を回動支点として長手方向他端側が上向き突出の円弧状の軌跡を描くように回動する構成となっており、その回動支点となる箇所における背面板の内奥側には、図示はしないが、車速センサS4にて検出される作業速度が大きいほど大きい回動角となるように指示針12aを回動駆動する回動駆動部が備えられている。そして、背面板に表示した目盛12bと対応させて指示針12aの長手方向他端側がどの位置にあるかを判別することにより現在の作業速度を読み取ることができる構成となっている。
【0053】
又、作業速度が零速のときは指示針12aは最も反時計方向に回動した零速位置にあり、作業速度が大きいほど回動角が大になる状態で指示針12aが時計方向に回動移動する構成であり、前記指示針12aは、零速位置においては水平方向よりも少し左下方側に傾いた姿勢となり、最大速度位置においては水平方向よりも少し右下方側に傾いた姿勢となるように回動位置が設定されており、180度を越える広い範囲にわたって回動可能な構成となっており、分解能を高めて精度よく表示することができる構成となっている。尚、この実施形態では最大速度位置にあるときの作業速度は4m/secに設定されている。
【0054】
前記主表示部C1には、前記作業速度計12の円弧状の外周部に沿うようにエンジン負荷を表示するエンジン負荷用表示部としてのエンジン負荷表示計13が設けられている。
このエンジン負荷表示計13は、負荷表示用設定経路Q2を速度表示用設定経路Q1の外方側に並ぶ上向き突出の円弧状とし、且つ、点灯状態と消灯状態とに切り換え自在な複数の点灯部としてのセグメント表示部13aを負荷表示用指示部として負荷表示用設定経路Q2に沿って並設して、前記最小負荷表示位置から前記最大負荷表示位置に向けて並ぶ複数のセグメント表示部13aのうちで負荷が増大するほど前記最大負荷表示位置に近い側のセグメント表示部13aを消灯状態から点灯状態に切り換える形態で、点灯状態とするセグメント表示部13aの位置を前記負荷表示用設定経路Q2に沿って移動させるように構成されている。
【0055】
すなわち、エンジン負荷表示計13は、複数(具体的には13個)のセグメント表示部13aを一列に並べる状態で備えており、複数のセグメント表示部13aは、夫々に発光ダイオ−ド(LED)が各別に内装されており、各別に点灯状態と消灯状態とに切り換え自在な構成となっている。
【0056】
説明を加えると、エンジン負荷表示計13は、図5、図6に示すように、作業速度計12の円弧状の外周部に沿うように円弧状に屈曲する状態で一体的に形成されたケーシング70が設けられ、このケーシング70には、13個のセグメント表示部13aを形成するための13個の光透過用開口部が円弧状に一列に並ぶ状態で区画形成されている。そして、ケーシング70にて区画形成された光透過用開口部の夫々に、その内奥側箇所に位置させて発光ダイオード71が各別に設けられ、表面側箇所に位置させて発光ダイオード71が発光した光を拡散する拡散板72が設けられる構成となっている。そして、このエンジン負荷表示計13は、後述するように、反時計方向側端部に位置する1番目のものから点灯表示するセグメント表示部13aの個数を順次多くする形態でエンジン負荷を表示する構成となっている。
【0057】
又、13個のセグメント表示部13aのうち反時計方向側端部に位置する1番目のものから時計方向に向けて8番目に位置するものまでは表示色が緑色(G)となり、9番目から11番目までのものは表示色が黄色(Y)となり、12番目と13番目のものは表示色が赤色(R)となるように夫々異なる色の発光ダイオード71を用いて構成されている。
【0058】
前記主表示部C1の左右両側に位置する副表示部C2のうち主表示部C1の左側に位置する副表示部C2には、前記エンジン回転速度センサS5にて検出されるエンジン回転速度を表示する指示針式のエンジン回転速度計14が設けられ、主表示部C1の右側に位置する副表示部C2には、エンジンEに供給するための燃料を貯留している燃料タンク内の燃料残量を示す指示針式の燃料計15が設けられている。従って、一対の副表示部C2が、報知情報として、エンジン回転速度及び燃料残量を表示するように構成されている。
前記燃料タンクは図示は省略しているが、この燃料タンク内の燃料残量を検出する燃料残量センサS9が設けられている(図9参照)。
【0059】
前記エンジン回転速度計14は、作業速度計12と同様に、指示針14aがその長手方向一端側を回動支点として長手方向他端側が円弧状の軌跡を描くように回動する構成となっており、その回動支点となる箇所における背面板の内奥側には、図示はしないが、エンジン回転速度センサS5にて検出されるエンジン回転速度が大きいほど大きい回動角となるように指示針14aを回動駆動する回動駆動部が備えられている。そして、背面板に表示した目盛14bと対応させて指示針14aの長手方向他端側がどの位置にあるかを判別することにより現在のエンジン回転速度を読み取ることができる構成となっている。
【0060】
エンジン回転速度が零速のときは指示針14aは最も反時計方向に回動した零速位置にあり、エンジン回転速度が大きいほど回動角が大になる状態で指示針14aが時計方向に回動する構成となっており、この実施形態では最大回転速度は3000rpmに設定されている。
【0061】
前記燃料計15は、作業速度計12と同様に、指示針15aがその長手方向一端側を回動支点として長手方向他端側が円弧状の軌跡を描くように回動する構成となっており、その回動支点となる箇所における背面板の内奥側には、図示はしないが、燃料残量センサS9にて検出される燃料残量が残り少ないほど大きい回動角となるように指示針15aを回動駆動する回動駆動部が備えられている。そして、背面板に表示した目盛15bと対応させて指示針15aの長手方向他端側がどの位置にあるかを判別することにより現在の燃料残量を読み取ることができる構成となっている。
【0062】
燃料残量が満量であるときは指示針15aは最も反時計方向に回動した位置にあり、燃料残量が減少するとその減少量に応じて指示針15aが時計方向に回動する構成となっており、指示針15aは最も時計方向に回動した位置になると、燃料残量が零又は略零であることを示すことになる。
【0063】
前記作業速度計12に対してその下方側に並ぶ状態で、作業者に報知すべき複数の報知情報のうちの燃料残量、エンジン回転速度、エンジン負荷、作業速度の各情報を除く他の報知情報を表示する情報表示部としての補助表示部C3が設けられている。この補助表示部C3は、画像情報を表示可能なドットマトリクス形式の液晶表示装置にて構成され、画像表示により報知情報を表示するように構成されている。
【0064】
前記補助表示部C3は、複数種の報知情報を並べて表示する複数情報表示状態と、複数種の報知情報のうちの複数情報表示状態にて表示する報知情報の数よりも少ない数の報知情報を表示する少数情報表示状態とに切り換え自在に構成され、且つ、少数情報表示状態において、表示する報知情報を複数情報表示状態にて表示する複数種の報知情報のうちから変更自在に構成されている。尚、補助表示部C3の表示状態の切り換えは、後述するようなモード切換スイッチ80の操作により行われる。
【0065】
具体的な表示形態について説明すると、前記複数情報表示状態においては、図10(イ)に示すように、前記グレンタンク3内に貯留される穀粒(図では「もみ」と表記している)の貯留量、シーブセンサS8にて検出される揺動選別板54上の選別処理物量(図では「シーブ」と表記している)、及び、水温センサS7にて検出されるエンジンEにおける冷却水の温度(図では「水温」と表記している)の各情報を表示する。又、補助表示部C3には、それらの情報に加えて、左右のウインカー表示74、コンバインの累計稼動時間を示すアワーメータ75、バッテリーの充電量が残り少ないことを表す充電警報表示76、オイルの異常を表示するオイル警報表示77も並べて表示する構成となっている。
【0066】
前記少数情報表示状態においては、図12に示すように、穀粒貯留量、選別処理物量、エンジン冷却水の水温のうちの1つの情報を複数情報表示状態のときよりも拡大させた状態で表示する。表示する情報の切り換えは、後述する表示切換スイッチ81の操作により行われる。又、この補助表示部C3は、コンバインに異常が発生している異常状態においては、上記したような各種の報知情報に代えて、前記異常に対応するためのメッセージ情報を表示するように構成されている。
【0067】
そして、このコンバインには、複数の変速状態に切換え自在な変速装置の変速状態を表示する変速用表示手段が備えられている。そして、変速用表示手段が、複数の変速状態に対応させて並設した複数の変速表示部と、それら複数の変速表示部のうち、現在の変速状態に対応する変速表示部を変速対応表示状態とし且つ他の変速表示部を非変速対応状態とするように、前記複数の変速表示部の表示作動を制御する表示制御手段とを備えて構成されている。すなわち、複数の前記変速表示部の夫々が、対応する前記変速状態を文字情報として表し、且つ、明るい表示状態と暗い表示状態とに切換え自在に構成され、前記表示制御手段が、前記複数の変速表示部のうちの、現在の変速状態に対応する変速表示部を前記変速対応表示状態として前記明るい表示状態とし且つ他の変速表示部を非変速対応状態として暗い表示状態とするように構成されている。
【0068】
そして、前記変速装置が、前記副変速装置42及び前記刈取変速装置43にて構成されており、変速用表示手段が、副変速装置用の変速用表示手段FH及び刈取変速装置用の変速用表示手段KHにて構成されている。
【0069】
次に、表示ユニッCトにおける副変速装置42の変速状態を表示するための構成について説明する。
図4に示すように、表示ユニットCの一部を利用して副変速装置42の変速状態を表示する副変速表示部C4、及び、刈取変速装置42の変速状態を表示する刈取変速表示部C5が構成されている。副変速表示部C4は、エンジン回転計14の下方側に位置する状態で設けられ、前記複数の変速表示部として、高速状態を示す高速表示部分16、低速状態を示す低速表示部分17、中立状態を示す中立表示部分18の夫々を横方向に並べる状態で備えられ、それらの3つの各表示部分16、17、18には、LEDランプ等からなる照明ランプ73が内装されており、3つの各表示部分のうちの現在の変速状態に対応する表示部分の照明ランプ73を点灯させて明るく表示し、それ以外の表示部分の照明ランプ73を消灯させて暗く表示することで、副変速装置42の現在の変速状態を表示するように構成されている。
【0070】
具体的には、図7に示すように、副変速表示部C4の表示面は、光を透過しない遮光性の板体19にて覆われる構成となっており、高速表示部分16は、その表示面部分の板体19の一部が、照明ランプ73が点灯すると「H」の文字が明るく表示されるようなH字状の透光性部材20にて構成され、照明ランプ73を消灯すると「H」の文字が陰影表示となるように構成されている。
【0071】
低速表示部分17も同様に、その表示面部分の板体19の一部が、照明ランプ73が点灯すると「L」の文字が明るく表示されるようなL字状の透光性部材21にて構成され、照明ランプ73を消灯すると「L」の文字が陰影表示となるように構成されている。又、中立表示部分18は、その表示面部分の板体19の一部が照明ランプ73が点灯すると「N」の文字が明るく表示されるようなN字状の透光性部材22にて構成され、照明ランプ73を消灯すると「N」の文字が陰影表示となるように構成されている。
【0072】
このように横方向に並べて備えられる高速表示部分16、低速表示部分17、中立表示部分18は、夫々、照明ランプ73が点灯すると文字情報が明るく照明表示される表示状態となり、照明ランプ73を消灯すると陰影表示となるように切り換わる構成となっており、作業者は、明るく表示される表示部分は勿論、陰影表示される表示部分もその存在は判るので、変速操作される変速段数がいくつ存在し、現在はそのうちのどの変速状態にあるかが判り易い状態で表示できるものになる。
【0073】
上記したような副変速表示部C4の各照明ランプ73は、後述するように、制御部28によって点灯並びに消灯が切り換え制御される構成となっている。従って、この制御部28が表示制御手段を構成しており、副変速表示部C4の高速表示部分16、低速表示部分17、中立表示部分18の夫々と前記制御部28により、前記副変速装置用の変速用表示手段FHが構成されている。
【0074】
次に、表示ユニットにおける刈取変速装置の変速状態を表示するための構成について説明する。
前記刈取変速表示部C5は、前記燃料計15に対してその下方側に並ぶ状態で設けられており、刈取変速表示部C5は、副変速表示部C4と同様に、複数の単位表示部として、高速状態を示す高速表示部分23及び低速状態を示す低速表示部分24の夫々が、照明ランプ73を内装する状態で備えられており、現在の変速状態に対応する表示部分の照明ランプ73を点灯させ、それ以外の表示部分の照明ランプ73を消灯することで、刈取変速装置43の現在の変速状態を表示するように構成されている。
【0075】
具体的には、図8に示すように、刈取変速表示部C5は、表示面が遮光性の板体25にて覆われる構成となっており、高速表示部分23は、その板体25の一部が照明ランプ73が点灯すると「H」の文字が明るく表示されるようなH字状の透光性部材26にて構成され、照明ランプ73を消灯すると「H」の文字が陰影表示となるように構成されている。低速表示部分24も同様に、板体25の一部が照明ランプ73が点灯すると「L」の文字が明るく表示されるようなL字状の透光性部材27にて構成され、照明ランプ73を消灯すると「L」の文字が陰影表示となるように構成されている。
【0076】
上記したような刈取変速表示部C5の各照明ランプ73は、後述するように、制御部28によって点灯並びに消灯が切り換え制御される構成となっている。従って、この制御部28が表示制御手段を構成しており、刈取変速表示部C5の高速表示部分23及び低速表示部分24の夫々と前記制御部28とにより、前記刈取変速装置用の変速用表示手段KHが構成されている。
【0077】
又、表示ユニットCの横側方には、補助表示部C3における表示状態の切り換えを指令するモード切換スイッチ80と、表示内容の切り換えを指令する表示切換スイッチ81とが設けられ、この両スイッチ80,81は、押し操作されているときだけオン状態になり、押し操作されないときはオフ状態となる押ボタン式のスイッチに構成されている。
【0078】
図9に示すように、マイクロコンピュータを利用して構成された制御部28が設けられ、この制御部28に、超音波センサS1、株元センサS2、アンローダ位置センサS3、車速センサS4、エンジン回転速度センサS5、シーブセンサS8の各検出情報が入力され、モミセンサS6、水温センサS7、燃料残量センサS9、副変速センサS10、刈取変速センサS11の各検出情報も制御部28に入力されている。又、副変速切換スイッチ9、副変速中立スイッチ10、刈取変速切換スイッチ11、モード切換スイッチ80、表示切換スイッチ81の情報も制御部28に入力されている。
【0079】
一方、前記制御部28からは、刈取昇降シリンダ5、アンローダ用油圧シリンダ62、アンローダ旋回用モータM3、チャフ開度調節モータM4、トウミ風力調節モータM5、車速変速用の変速モータM6、副変速用油圧シリンダ65、刈取変速用油圧シリンダ66、表示ユニットCに対する各駆動信号が出力されている。そして、制御部28が、上記各センサの情報に基づいて、上記各シリンダや各モータを駆動して、刈高制御、アンローダ制御、脱穀制御等の各種制御を実行するように構成されている。
【0080】
そして、前記制御部28は表示ユニットCにおける表示状態を制御する表示制御を実施する構成となっている。以下、制御部28による表示制御の具体内容について、図11のフローチャートを参照しながら説明する。
【0081】
前記制御部28は、車速センサS4の検出情報に基づいて現在の作業速度に対応するように作業速度計12を作動させ、エンジン回転速度センサS5の検出情報に基づいてエンジンEの回転速度に対応するようにエンジン回転速度計14を作動させ、燃料残量センサS9の検出情報に基づいて燃料タンクの燃料残量に対応するように燃料計15を作動させる(ステップ1)。
【0082】
作業速度の表示について説明を加えると、制御部28は、作業速度計12の指示針12aの回動角が車速センサS4にて検出される現在の作業速度に対応する回動角になるように、作業速度計12の回動駆動部の作動を制御するのである。
【0083】
エンジン回転速度計14についても同様にして、エンジン回転速度計14の指示針14aの回動角が、エンジン回転速度センサS5にて検出される現在のエンジン回転速度に対応する回動角になるようにエンジン回転速度計14の回動駆動部の作動を制御する。又、燃料計についても同様に、燃料計15の指示針15aの回動角が、燃料残量センサS9にて検出される現在の燃料残量に対応する回動角になるように燃料計15の回動駆動部の作動を制御する。
【0084】
次に、副変速切換スイッチ9及び副変速中立スイッチ10の指令情報に基づいて対応する変速状態になるように副変速用油圧シリンダ65の作動を制御して副変速装置42を変速操作することになるが、そのとき副変速センサS10の検出情報に基づいて現在の副変速装置42がどの変速状態であるかを判別することができるから、その判別結果に基づいて副変速表示部C4にて現在の副変速装置42がどの変速状態であるかを表示する(ステップ2)。つまり、副変速表示部C4の高速表示部分16、低速表示部分17、中立表示部分18のいずれか対応するものについて照明ランプ73を点灯して明るく表示し、それ以外のものは照明ランプ73を消灯して暗くする。
【0085】
又、制御部28は、刈取変速切換スイッチ11の指令情報に基づいて対応する変速状態になるように刈取変速用油圧シリンダ66の作動を制御して刈取変速装置43を変速操作することになるが、刈取変速センサS11の検出情報に基づいて現在の刈取変速装置43がどの変速状態であるかを判別することができるから、その判別結果に基づいて刈取変速表示部C5にて現在の刈取変速装置43がどの変速状態であるかを表示する(ステップ2)。具体的には、刈取変速表示部C5の高速表示部分19及び低速表示部分20のいずれか対応するものの照明ランプ73を点灯し、それ以外のものの照明ランプ73を消灯する。
【0086】
そして、制御部28は、コンバインが正常に作動している通常状態においては、例えば図5に示すように、エンジン負荷表示計13における複数のセグメント表示部13aをその並び方向の一端側から点灯表示するセグメント表示部13aの個数を順次多くすることによりエンジン負荷を表示し、コンバインに異常が発生している異常状態においては、複数のセグメント表示部13aの全てのものを点滅表示する(ステップ3、4)。
【0087】
エンジン負荷を検出する構成について説明を加えると、このコンバインにおいては、エンジンEに負荷が掛かっていない無負荷状態になっているときに、作業者がアクセル操作を行うことによって、エンジン回転速度が予め設定されている基準回転速度になるようにエンジンEのアクセル操作位置が調整され、エンジン回転速度が基準回転速度になると、そのアクセル操作位置にて位置固定して、その後の作業を行う構成となっている。
【0088】
そして、エンジンEに負荷が掛かると、エンジン負荷の大きさに応じてエンジン回転速度がこの基準回転速度から低下することになるので、予め実験データ等により基準回転速度からのエンジン回転速度低下量とエンジン負荷の大きさとを対応付けた状態でマップデータとして設定されている。そこで、制御部28は、エンジン回転速度センサS5により検出されるエンジン回転速度と前記基準回転速度との差、つまり、エンジン回転速度低下量を演算にて求めて、そのエンジン回転速度低下量と前記マップデータとに基づいてエンジン負荷を求める構成となっている。
【0089】
このようにして求めたエンジン負荷を表示するときは、制御部28は、13個のセグメント表示部13aをその並び方向の一端側、すなわち、反時計方向側端部に位置する1番目のものから点灯表示するセグメント表示部13aの個数を順次多くする形態でエンジン負荷を表示するのである。エンジン負荷が適正負荷であるときには緑色のセグメント表示部13aが点灯することになり、エンジン負荷が大きくなり設定値を越えて注意負荷状態になると、8個の緑色のセグメント表示部13aに加えて黄色のセグメント表示部13aが点灯する。さらに、エンジン負荷が大きくなり上限値を超えて過大負荷になると、8個の緑色のセグメント表示部13a、3個の黄色のセグメント表示部13aに加えて赤色のセグメント表示部13aが点灯することになる。
【0090】
さらに、制御部28は、コンバインが正常に作動している通常状態においては、補助表示部C3にて、上記したような各種の報知情報を表示する表示処理を実行する(ステップ5)。
【0091】
この表示処理では、モード切換スイッチ80が押し操作される毎に前記複数情報表示状態と前記少数情報表示状態とに交互に切り換わることになる。
具体的には、前記複数情報表示状態では、複数種の報知情報として、図10(イ)に示すように、前記グレンタンク3内に貯留される穀粒(図では「もみ」と表記している)の量、シーブセンサS8にて検出される揺動選別板54上の選別処理物量(図では「シーブ」と表記している)、及び、水温センサS7にて検出されるエンジンEにおける冷却水の水温の各情報が表示される。又、それらの情報に加えて、左右のウインカー表示74、コンバインの累計稼動時間を示すアワーメータ75、バッテリーの充電量が残り少ないことを表す充電警報表示76、オイルの異常を表示するオイル警報表示77も並べて表示される。又、前記少数情報表示状態に切り換わっている状態では、表示切換スイッチ81が押し操作される毎に、図12に示すような、選別処理物量、穀粒貯留量、冷却水の温度のうちのいずれかの情報が拡大表示された状態で、予め設定された順序で表示内容が順次切り換わることになる。
【0092】
尚、前記少数情報表示状態としては、前記複数の報知情報のうちのいずれか1つを拡大させた状態で表示させる構成に限らず、図13に示すように、エンジンEの冷却水の温度(水温)と穀粒貯留量(モミ)とを並べて表示する状態、揺動選別板54上の選別処理物量(シーブ)と穀粒貯留量(モミ)とを並べて表示する状態等、前記複数の報知情報のうちの2つの報知情報を表示する状態にて、表示切換スイッチ81を操作する毎に予め設定される順序で切り換わる構成としてもよい。
【0093】
そして、制御部28は、コンバインに異常が発生している異常状態においては、エンジン負荷表示計13における13個のセグメント表示部13aの全てのものを点滅表示する(ステップ6)。ここでいう異常状態とは、コンバインのいずれかの箇所において、刈取作業を継続して実行することが困難となるような異常が発生しているような場合であり、例えば、排ワラ詰り検出スイッチS15がオンして排ワラカッタ部64において排ワラが詰まっている排ワラ詰り異常等がある。前記異常には、この排ワラ詰り以外にも、刈取部1における刈取穀稈の詰まり異常やエンジンがオーバーヒートしている異常等がある。
【0094】
又、制御部28は、コンバインに異常が発生している異常状態においては、上記したような貯留穀粒量、選別処理物量、水温等の複数種の報知情報に代えて、前記異常に対応するためのメッセージ情報を補助表示部C3に表示する(ステップ7)。上記したような排ワラが詰まっている異常が発生したときには、図10(ロ)に示すように、そのときに発生した異常に対応するためのメッセージ情報、例えば、「排ワラカッタにワラが詰まっています。ワラを取り除いて下さい。」というようなメッセージ情報を表示する。
【0095】
〔別実施形態〕
次に、別実施形態について説明する。
【0096】
(1)上記実施形態では、前記複数の変速表示部として、自己が担当する変速状態を文字情報にて表示する透光性部材と、その透光性部材を背面より照明する照明ランプとを備えて構成されるものを例示したが、このような構成に代えて、次のように構成するものでもよい。
例えば、複数の変速表示部の全体を液晶表示装置やCRT表示装置等の画像表示装置にて構成して、画像情報によって複数の変速表示部の夫々を構成して、変速対応表示状態及び非変速対応状態として、互いに異なる色で表示したり、互いに異なる周期で点滅させて表示する等、各種の形態で表示してもよい。
【0097】
(2)上記実施形態では、前記副変速装置が、路上走行用の高速状態、刈取作業用の低速状態、中立状態の3つの変速状態に切り換え自在に構成されるものを例示したが、このような構成に代えて、路上走行用の高速状態、刈取作業用の標準状態、刈取作業用の低速状態、中立状態の4つの変速状態に切り換える構成、あるいは、刈取作業用変速状態の段数を増やして5個以上の変速状態に切り換える構成等であってもよい。
【0098】
(3)上記実施形態では、前記刈取変速装置が、高速状態と低速状態とに切り換える構成としたが、このような構成に代えて、3段以上の変速状態に切り換え自在な構成としてもよい。
【0099】
(4)上記実施形態では、前記補助表示部が、作業機械に異常が発生している異常状態においては、前記複数種の報知情報に代えて、前記異常に対応するためのメッセージ情報を表示する構成としたが、このようなメッセージ情報を表示しない構成としてもよい。
【0100】
(5)上記実施形態では、前記作業速度表示部が指示針が移動する形式の表示構成とし、エンジン負荷用表示部が点灯状態と消灯状態に切り換わる複数の点灯部としてのセグメント表示部を並べて構成されるものを例示したが、このような構成に代えて、作業速度用表示部とエンジン負荷用表示部とを夫々、指示針が移動する形式の表示構成としてもよい。又、作業速度用表示部とエンジン負荷用表示部とを夫々、点灯状態と消灯状態とに切り換わる複数の点灯部を並べて構成されるものとしてもよい。又、作業速度用表示部を点灯状態と消灯状態に切り換わる複数の点灯部を並べて構成されるものとして、エンジン負荷用表示部を指示針が移動する形式の表示構成としてもよい。
【0101】
又、点灯状態と消灯状態に切り換わる複数の点灯部を並べる構成として、上記実施形態のようにセグメント表示部に構成するものではなく、表示面に例えば丸形の表示ランプを間隔をあけて複数並べる構成として、その表示ランプを点灯状態と消灯状態とに切り換える形態等、各種の形態で実施してもよい。
【0102】
(6)上記実施形態では、エンジン負荷を検出する構成として、無負荷時のエンジン回転速度(基準回転速度)からのエンジン回転速度低下量によって、エンジンの負荷を検出する構成を例示したが、このような構成に限らず、エンジン負荷を検出する構成としては種々の構成が適用可能である。例えば、エンジンの回転速度を予め定めた目標値になるように燃料供給量を自動調整するように制御する構成として、そのときの燃料供給量からエンジン負荷を求める構成としたり、エンジンの出力軸に掛かる軸トルクを検出してその軸トルクから負荷を求める等、種々の構成を用いることができる。
【0103】
(7)上記実施形態では、前記主表示部の左右両側に一対の副表示部が設けられ、それらの副表示部に、報知情報として、エンジン回転速度と燃料残量とを表示するように構成されるものを例示したが、報知情報として、エンジン回転速度及び燃料残量以外の報知情報を表示するものでもよく、副表示部を主表示部の左右両側に設けることなく、主表示部から離間させて設けてもよい。又、このような副表示部を備えない構成としてもよい。
【0104】
(8)上記実施形態では、前記エンジン負荷用表示部が、コンバインに異常が発生している異常状態においては、複数の点灯部の全てのものが点滅表示する構成としたが、このような異常用の点滅表示を行わない構成としてもよい。
【0105】
(9)上記実施形態では、前記補助表示部が、複数種の報知情報として、揺動選別板上の選別処理物量(シーブ)、グレンタンクにおける穀粒貯留量(モミ)、及び、エンジンの冷却水の温度(水温)の情報等を並べて表示するようにしたが、複数種の報知情報としては、例示したこれらの報知情報に限るものではなく、これらの報知情報並びに作業速度以外の他の各種の報知情報を表示するようにしてもよい。
【0106】
(10)上記実施形態では、前記補助表示部が、液晶表示装置にて構成するものを例示したが、補助表示部は、液晶表示装置に限らず、例えばCRT表示装置等の画像表示装置を用いて構成してもよい。
又、補助表示部に限らず、表示ユニット全体を液晶表示装置やCRT表示装置等の画像表示装置を用いて画像情報にて表示する構成としてもよい。
【0107】
(11)上記実施形態では、本発明を作業機械としての刈取収穫用のコンバインに適用したが、本発明はコンバイン以外のトラクタや建設機械などの作業機械に適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】全体側面図
【図2】脱穀部の構成図
【図3】動力伝達系を示す図
【図4】表示ユニットの正面図
【図5】エンジン負荷表示計の構成を示す図
【図6】エンジン負荷表示計の構成を示す図
【図7】副変速表示部の構成を示す図
【図8】刈取変速表示部の構成を示す図
【図9】制御ブロック図
【図10】補助表示部の表示状態を示す図
【図11】制御動作のフローチャート
【図12】補助表示部の表示状態を示す図
【図13】補助表示部の表示状態を示す図
【図14】運転部の平面図
【図15】主変速レバーの斜視図
【符号の説明】
【0109】
1 刈取部
12 作業速度表示部
12a 指示部
13 エンジン負荷表示部
14 エンジン回転速度表示部
15 燃料表示部
16、17、18 変速表示部
23、24 変速表示部
28 表示制御手段
30 走行装置
39 主変速装置
42 副変速装置
43 刈取変速装置
E エンジン
FH 副変速装置用の表示手段
KH 刈取変速装置用の表示手段
Q1 作業速度表示用設定経路
Q2 負荷表示用設定経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の変速状態に切換え自在な変速装置の変速状態を表示する表示手段を備えた作業機械の表示装置であって、
前記表示手段が、
前記複数の変速状態に対応させて並設した複数の変速表示部と、それら複数の変速表示部のうち、現在の変速状態に対応する変速表示部を変速対応表示状態とし且つ他の変速表示部を非変速対応状態とするように、前記複数の変速表示部の表示作動を制御する表示制御手段とを備えて構成されている作業機械の表示装置。
【請求項2】
複数の前記変速表示部の夫々が、対応する前記変速状態を文字情報として表し、且つ、明るい表示状態と暗い表示状態とに切換え自在に構成され、
前記表示制御手段が、前記複数の変速表示部のうちの、現在の変速状態に対応する変速表示部を前記変速対応表示状態として前記明るい表示状態とし且つ他の変速表示部を非変速対応状態として暗い表示状態とするように構成されている請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
作業機械が、エンジンの動力により駆動される走行装置及び刈取部を備えたコンバインにて構成され、
前記変速装置が、
前記エンジンの出力を主変速装置にて変速した変速動力を変速したのちに前記走行装置に伝達する副変速装置、及び、前記エンジンの出力を主変速装置にて変速した変速動力を変速したのちに前記刈取部に伝達する刈取変速装置にて構成され、
前記表示手段が、
前記副変速装置の変速状態を表示する副変速装置用の表示手段、及び、前記刈取変速装置の変速状態を表示する刈取変速装置用の表示手段にて構成されている請求項1又は2記載の作業機械の表示装置。
【請求項4】
運転席の前部に設けた表示パネルに、作業速度表示部、エンジン回転速度表示部、及び、燃料残存量を表示する燃料表示部が、前記エンジン回転速度表示部と前記燃料表示部との間に前記作業速度表示部を位置させる横並び状態で設けられ、
前記副変速装置用の表示手段における前記変速表示部及び前記刈取変速装置用の表示手段における前記変速表示部が、それらの一方を前記エンジン回転速度表示部の下方に、且つ、他方を前記燃料表示部の下方に位置させる状態で設けられている請求項3記載の作業機械の表示装置。
【請求項5】
前記作業速度表示部の下方に、画像表示式の情報表示部が設けられ、
前記表示制御手段が、作業機械の運転において作業者に知らせるべき複数種の報知情報を切換え表示させるように、前記情報表示部の表示作動を制御するように構成されている請求項3又は4に記載の作業機械の表示装置。
【請求項6】
前記作業速度表示部が、最低速度表示位置と最高速度表示位置とに亘りかつ上向き突出の円弧状の作業速度表示用設定経路に沿って作業速度表示用指示部を、作業速度に応じて移動させるように構成され、
エンジン負荷用表示部が、最低負荷表示位置と最高負荷表示位置とに亘り且つ前記作業速度表示用設定経路の外方側に並ぶ上向き突出の円弧状の負荷表示用設定経路に沿って負荷表示用指示部をエンジン負荷に応じて移動させるように設けられている請求項4又は5に記載の作業機械の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2007−82448(P2007−82448A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−273805(P2005−273805)
【出願日】平成17年9月21日(2005.9.21)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】