説明

内燃機関の排気浄化制御装置及び排気浄化システム

【課題】尿素水添加弁62によって排気中に尿素水を添加することで尿素SCR52によってNOxを浄化するものにおいて、排気通路40の内壁温度が低いと、排気通路40に尿素に起因した付着物が付着すること。
【解決手段】排気温センサ58によって検出される排気温度と、吸気温センサ16によって検出される吸気温度と、車両の走行速度とに基づき、排気通路40の内壁面の温度を推定する。排気通路40の内壁面の温度が低い場合、尿素水添加弁62の1回の開弁時間を短縮する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の排気通路に設けられて且つ排気中の窒素酸化物を浄化する浄化手段と、前記浄化手段の上流側の排気中に還元剤を添加する添加手段とを備える排気浄化装置に適用され、前記添加手段の操作に基づき前記還元剤の添加量を調節しつつ前記浄化手段による窒素酸化物の浄化制御を行う内燃機関の排気浄化制御装置、及びこれを備える排気浄化システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車載内燃機関(特にディーゼル機関)において、還元剤として尿素水を用いて排気中のNOx(窒素酸化物)を選択的に浄化する選択還元型触媒(SCR:Selective Catalytic Reduction)を採用した排気浄化システム(尿素SCRシステム)の開発が進められており、一部実用化に至っている。尿素SCRシステムでは、機関本体に接続された排気管に選択還元型のNOx触媒が設けられるとともに、その上流側に、NOx還元剤としての尿素水(尿素水溶液)を排気管内に添加する尿素水添加弁が設けられている。
【0003】
上記システムにおいては、尿素水添加弁により排気管内に尿素水が添加されることで、NOx触媒上で排気中のNOxが選択的に還元除去される。すなわち、尿素水が排気熱で加水分解されることによりアンモニア(NH3)が生成され、そのアンモニアがNOx触媒に吸着するととともに同NOx触媒上にてアンモニアによる還元反応が行われることによってNOxが還元、浄化される。
【0004】
ところで、内燃機関の排気温度が低い場合には、尿素水からアンモニアへの加水分解効率が低下し、シアヌル酸等の尿素熱分解生成物が排気通路に析出するおそれがある。そこで従来は、例えば下記特許文献1に見られるように、排気通路に微少量の排気を通過させるバイパス通路を設け、バイパス通路に尿素水の加水分解触媒とヒータとを備えることも提案されている。これにより、排気温度が低い場合には、バイパス通路を介して尿素水からアンモニアを抽出し、これをNOx触媒に供給することで、排気通路に尿素熱分解生成物が析出することを好適に抑制又は回避することができる。
【特許文献1】特開2007−327377号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来技術では、排気温度が低い領域におけるNOx浄化制御のために、バイパス通路や加水分解触媒、ヒータといったハードウェアを新たに備えるため、コストパフォーマンスが落ちることも無視できない。更に、ヒータを用いるため、エネルギ消費量が増大するという問題もある。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、浄化手段の上流側の排気中に還元剤を添加する電子制御式の添加手段を操作することで浄化手段による窒素酸化物の浄化制御を行うものにあって、部品点数の増加を抑制しつつも排気通路への付着物の付着を好適に抑制することのできる内燃機関の排気浄化制御装置、及びこれを備える排気浄化システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
【0008】
請求項1記載の発明は、内燃機関の排気通路に設けられて且つ排気中の窒素酸化物を浄化する浄化手段と、前記浄化手段の上流側の排気中に還元剤を添加する添加手段とを備える排気浄化装置に適用され、前記添加手段の操作に基づき前記還元剤の添加量を調節しつつ前記浄化手段による窒素酸化物の浄化制御を行う内燃機関の排気浄化制御装置において、前記内燃機関の排気系の温度と相関を有するパラメータの値を取得する取得手段と、前記排気通路の内壁の温度が低い場合に前記還元剤が前記内壁に到達する量を低減すべく、前記取得されたパラメータの値に基づき前記添加手段の操作態様を変更する変更手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
上記発明では、排気通路の内壁に還元剤に起因した付着物が付着し易い状況下、添加手段の操作によって、上記内壁に到達する還元剤の量を低減するために、部品点数の増加を抑制しつつも付着物の付着を好適に抑制することができる。
【0010】
請求項2記載の発明は、内燃機関の排気通路に設けられて且つ排気中の窒素酸化物を浄化する浄化手段と、前記浄化手段の上流側の排気中に還元剤を添加する添加手段とを備える排気浄化装置に適用され、前記添加手段の操作に基づき前記還元剤の添加量を調節しつつ前記浄化手段による窒素酸化物の浄化制御を行う内燃機関の排気浄化制御装置において、前記内燃機関の排気系の温度と相関を有するパラメータの値を取得する取得手段と、記取得されたパラメータの値に基づき前記添加手段の操作態様を変更する変更手段とを備え、前記変更手段は、前記操作態様の変更によって、前記排気通路の内壁の温度が低い場合に前記添加手段の1回の開弁時間を短縮することを特徴とする。
【0011】
添加手段の一回の開弁時間が短いほど、添加手段から噴射された還元剤が排気通路の内壁に付着しにくくなることが発明者らによって見出されている。上記発明では、この点に着目し、排気通路の内壁の温度が低いために排気通路の内壁に還元剤に起因した付着物が付着し易い状況下、添加手段の1回の開弁時間を短縮することで、部品点数の増加を抑制しつつも付着物の付着を好適に抑制することができる。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記変更手段は、前記1回の開弁時間の短縮に伴って添加間隔の逆数にて定義される添加周波数を上昇させることを特徴とする。
【0013】
上記発明では、開弁時間の可変設定にかかわらず、所定期間内における添加量を要求添加量とすることができる。なお、要求添加量を、排気中の窒素酸化物濃度に応じて設定する手段を備えることが望ましい。
【0014】
請求項4記載の発明は、内燃機関の排気通路に設けられて且つ排気中の窒素酸化物を浄化する浄化手段と、前記浄化手段の上流側の排気中に還元剤を添加する添加手段とを備える排気浄化装置に適用され、前記添加手段の操作に基づき前記還元剤の添加量を調節しつつ前記浄化手段による窒素酸化物の浄化制御を行う内燃機関の排気浄化制御装置において、前記内燃機関の排気系の温度と相関を有するパラメータの値を取得する取得手段と、前記取得されたパラメータの値に基づき前記添加手段の操作態様を変更する変更手段とを備え、前記変更手段は、前記操作態様の変更によって、前記排気通路の内壁の温度が低い場合に前記添加手段による還元剤の噴射圧を低下させることを特徴とする。
【0015】
添加手段の噴射圧が低いほど、添加手段から噴射される還元剤の運動エネルギが小さくなるため、排気通路の内壁に到達する還元剤の量が低下する。上記発明では、この点に着目し、排気通路の内壁の温度が低いために排気通路の内壁に還元剤に起因した付着物が付着し易い状況下、添加手段の噴射圧を低下させることで、部品点数の増加を抑制しつつも付着物の付着を好適に抑制することができる。
【0016】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明において、前記変更手段は、前記パラメータとしての排気温度及び外気温度に基づき前記排気通路の内壁の温度を把握しつつ前記変更処理を行うことを特徴とする。
【0017】
排気通路の内壁が排気によって加熱されるために、排気温度は、排気通路の内壁の温度と相関を有する。また、排気通路壁面から外部への放熱量が排気通路と外気との温度勾配に依存するため、外気温度は、排気通路の内壁の温度と相関を有する。上記発明では、この点に鑑み、上記パラメータに基づき排気通路の内壁の温度を適切に把握することができる。
【0018】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、前記内燃機関は、車載内燃機関であり、前記変更手段は、前記変更処理に際して車両の走行速度を加味することを特徴とする。
【0019】
車両の走行速度が速いほど、単位時間当たりに内燃機関に吹き付けられる吸気量が増加するため、排気通路の壁面から奪われる熱量も増加する。このため、車両の走行速度は、排気通路の内壁の温度と相関を有するパラメータである。上記発明では、この点に鑑み、上記パラメータとして車両の走行速度を含めることで、排気通路の内壁の温度をより高精度に把握することができる。
【0020】
請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の発明において、前記内燃機関の排気通路のうち浄化手段の上流側に、排気を旋回させる旋回流発生手段が備えられることを特徴とする。
【0021】
上記発明では、旋回流発生手段によって還元剤を拡散させることができ、ひいては排気通路の内壁に還元剤に起因した付着物が付着することを好適に抑制することができる。また、排気の還流が、排気通路の内壁の受熱量を増加させるものであるなら、排気通路の内壁に還元剤に起因した付着物が付着することをいっそう好適に抑制することができる。
【0022】
請求項8記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載の発明において、前記還元剤が尿素水であることを特徴とする。
【0023】
尿素水を還元剤とする場合、十分に加熱されない状況下にあっては、排気通路の内壁に尿素熱分解生成物が析出することが知られている。このため、上記発明は、変更手段の利用価値が特に大きい。
【0024】
請求項9記載の発明は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化制御装置と、前記浄化手段とを備えることを特徴とする。
【0025】
上記発明は、変更手段を備えるために、信頼性の高いシステムを実現している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる内燃機関の排気浄化制御装置の第1の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
【0027】
ディーゼル機関10は、レシプロエンジン構造を有する内燃機関である。ディーゼル機関10の吸気通路12の上流には、エアクリーナ14が設けられており、エアクリーナ14には、吸気温度を検出する吸気温センサ16や、吸気流量を検出するエアフローメータ18が設けられている。エアクリーナ14の下流には、ターボチャージャ20が設けられている。そして、ターボチャージャ20によって過給された空気は、インタークーラ22によって冷却された後、吸気通路12の下流側に供給される。この空気は、吸気通路12の流路面積を調節するスロットルバルブ24やディーゼル機関10の燃焼室28及び吸気通路12間を開閉する吸気バルブ26を介して、燃焼室28に供給される。
【0028】
こうして燃焼室28に供給された空気は、燃焼室28に先端部が突出する燃料噴射弁30によって噴射された高圧(例えば「数十〜200MPa」)の燃料(例えば軽油)とともに圧縮され、燃焼に供される。この燃焼によって生成されるエネルギは、ピストン32を介してクランク軸34の回転エネルギに変換される。ちなみに、クランク軸34付近には、その回転角度を検出するクランク角センサ36が設けられている。
【0029】
燃焼室28において燃焼に供された上記空気及び燃料は、排気バルブ38の開動作に伴って、排気として排気通路40に排出される。排気通路40のうち、ターボチャージャ20の上流は、排気還流通路42を介して吸気通路12に接続されており、排気還流通路42の流路面積を調節する排気還流バルブ(EGRバルブ46)の開度に応じて、排気通路40に排出された排気の一部が、EGRクーラ44によって冷却された後に、吸気通路12に供給される。
【0030】
排気通路40のうちターボチャージャ20の下流には、後処理装置が設けられている。後処理装置は、排気通路40の上流側から順に、酸化触媒50、尿素選択還元型触媒(以下、尿素SCR52)、及びアンモニアスリップ触媒54を備えて構成される。ここで、アンモニアスリップ触媒54は、尿素SCR52においてNOxと反応しきれずに余剰となったアンモニアが尿素SCR52の下流に排出される場合に、これを除去するためのものである。アンモニアスリップ触媒54は、例えば酸化触媒にて構成されている。
【0031】
酸化触媒50と尿素SCR52との間には、排気中のNOx濃度を検出する上流側NOxセンサ56と、排気温度を検出する排気温センサ58とが設けられている。また、尿素SCR52とアンモニアスリップ触媒54との間には、NOx濃度を検出する下流側NOxセンサ60が設けられている。なお、後処理装置は、更に、排気中の粒子状物質(PM)を捕集するディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)を備えているが、これについては、酸化触媒50と一体とされるものとしてもよいし、また、その下流に備えられるとしてもよい。
【0032】
上記酸化触媒50と尿素SCR52との間には、更に、排気通路40の下流側に噴射口を設けた尿素水添加弁62が設けられている。尿素水添加弁62は、尿素水タンク64から供給される尿素水を排気通路40内に噴射することで、尿素水を排気に添加する電子制御式の弁体である。尿素水タンク64は給液キャップ付きの密閉容器にて構成されており、その内部に所定濃度(例えば32.5%)の尿素水が貯蔵されている。尿素水タンク64は、尿素水配管66を介して尿素水添加弁62に接続されており、尿素水配管66の途中には、尿素水タンク64内の尿素水を汲み上げ尿素水添加弁62に加圧供給(圧送)する電子制御式の尿素水ポンプ68が設けられている。なお、尿素水ポンプ68の下流には、圧送される尿素水の圧力を検出する圧力センサ70が設けられている。
【0033】
上記尿素水添加弁62の上流には、排気通路40内を流れる排気に旋回流を生じさせるための旋回流発生部材72が設けられている。旋回流発生部材72は、排気通路40内の流通経路の断面構造を変更することで、排気に旋回流を生成する部材である。図2に、本実施形態にかかる旋回流発生部材72の構成を示す。図示されるように、旋回流発生部材72は、複数の羽(ここでは、8枚を例示)を備える羽根部72aを備える。ここで、羽根部72aの形状としては、排気の流動エネルギの一部を、排気通路40の周方向成分に変換するものであればよい。図では、特に、羽根部72aの各羽の形状として、内部がくぼんだ楕円形状のものを例示している。
【0034】
上記尿素SCR52や尿素水添加弁62等を備えて構成される尿素SCRシステムでは、尿素水添加弁62により排気通路40内に尿素水を添加供給することで、排気通路40内において排気と共に尿素水が尿素SCR52に供給される。これにより、尿素SCR52においては、NOxの還元反応が行われることによってその排気が浄化される。
【0035】
詳しくは、尿素水添加弁62から噴射された尿素水が排気熱で加水分解され、その際、下記の式(c1)にて表現される化学反応にて、還元物質としてのアンモニア(NH3)が生成される。
【0036】
(NH2)2CO+H2O→2NH3+CO2 …(c1)
そして、尿素SCR52を排気が通過する際、アンモニアによって排気中のNOxが選択的に還元浄化される。詳しくは、以下の式(c2)〜(c4)に示すような還元反応が行われることによって、NOxが還元浄化されることになる。
【0037】
4NO+4NH3+O2→4N2+6H2O …(c2)
6NO2+8NH3→7N2+12H2O …(c3)
NO+NO2+2NH3→2N2+3H2O …(c4)
電子制御装置(ECU80)は、ディーゼル機関10を制御対象とし、燃料噴射弁30等の各種アクチュエータを操作する制御装置である。ECU80は、ディーゼル機関10の運転状態を検出する上述した各種センサの検出信号や、ユーザによるアクセル操作量を検出するためのアクセルセンサ82の検出信号、車両の走行速度を検出する車速センサ84の検出信号等を逐次入力し、これらに基づき、ディーゼル機関10の制御量(トルク、排気特性等)を制御する。
【0038】
特にECU80は、上記制御量としての排気通路40から排出される排気の特性を制御すべく、尿素水添加弁62や尿素水ポンプ68を操作することで、尿素SCR52によるNOxの浄化制御を行う。ここで、尿素水添加弁62の操作は、尿素水添加弁62に対して所定周期の開弁指令パルスを出力することで行われる。すなわち、パルス出力に伴って尿素水添加弁62の駆動部(ソレノイド部)に駆動電流が流れることで、尿素水添加弁62が開弁され、尿素水が添加(噴射)される。
【0039】
ところで、ディーゼル機関10の排気系の温度が低い場合には、尿素水からアンモニアへの加水分解効率が低下し、シアヌル酸等の尿素熱分解生成物が排気通路40の内壁面に析出するおそれがある。そこで、本実施形態では、排気通路40の内壁面温度が低い場合には、尿素水添加弁62から噴射された尿素が排気通路40に到達することを抑制するように尿素水添加弁62の操作態様を変更する。以下、これについて詳述する。
【0040】
図3は、尿素水添加弁62による尿素の1回の噴射に伴う開弁時間と、尿素の飛距離(ペネトレーション)との関係についての実験結果である。図示されるように、開弁時間が長いほどペネトレーションが拡大する。このため、開弁時間が長いほど、排気通路40の内壁面に到達する尿素の量が増大すると考えられる。そしてこの際、排気通路40の内壁面温度が低い場合には、尿素に起因する付着物が内壁面に付着すると考えられる。
【0041】
このため、本実施形態では、排気通路40の内壁面温度が低い場合には、尿素水添加弁62の1回の開弁時間を短縮する。図4に、本実施形態にかかるNOx浄化制御の処理手順を示す。この処理は、ECU80により、例えば所定周期で繰り返し実行される。
【0042】
この一連の処理では、まずステップS10において、ディーゼル機関10の回転速度が規定速度αより大きいか否かを判断する。この処理は、ディーゼル機関10が稼動しているか否かを判断するものである。ステップS10において肯定判断される場合、ステップS12において、尿素水の添加を許可する旨のフラグである添加許可フラグがオンであるか否かを判断する。そして、ステップS12において否定判断される場合には、ステップS14において、上記排気温センサ58によって検出される排気温度TEXが添加開始温度β以上であるか否かを判断する。この処理は、尿素水の添加を許可するタイミングであるか否かを判断するためのものである。ここで、添加開始温度βは、尿素SCR52がNOx浄化能力を有する下限温度以上であって極力低い値(例えば「180°C」)に設定されている。そして添加開始温度β以上であると判断される場合、ステップS16において、添加許可フラグをオンとする。
【0043】
一方、上記ステップS12において肯定判断される場合、ステップS18において、排気温度TEXが閾値温度以下であるか否かを判断する。この処理は、尿素の添加を禁止するタイミングであるか否かを判断するためのものである。ここで、閾値温度は、添加開始温度βから所定値ΔTだけ低い値に設定されている。ここで所定値ΔTは、尿素の添加の許可及び禁止が頻繁に繰り返されるいわゆるハンチング現象を回避するために設けられるヒステリシス幅である。ステップS18において肯定判断される場合には、ステップS20において、添加許可フラグをオフとする。
【0044】
これに対し上記ステップS18において否定判断される場合やステップS16の処理が完了する場合には、ステップS22において、燃焼室28からのNOx排出濃度に基づき、要求尿素量を算出する。ここで、NOx排出濃度としては、上流側NOxセンサ56の検出値を利用する。詳しくは、要求尿素量は、NOx排出濃度と、尿素SCR52のアンモニア吸蔵量とに基づき算出される。ちなみに、アンモニア吸蔵量は、周知の手法にて推定されるものである。ステップS22の処理が完了すると、ステップS24に移行する。
【0045】
ステップS24においては、排気温度TEXと外気温度と車速とに基づき、排気通路40の内壁面の温度(排気通路内壁温度TIW)を推定する。ここでは、排気温度TEXが高いほど、排気通路40の壁面が排気から受ける熱量が増加すると考えられることから、排気通路内壁温度TIWを高く推定する。また、外気温度が低いほど、排気通路40の壁面から外部へと流出する熱量が増加すると考えられることから、排気通路内壁温度TIWを低く推定する。更に、車速が大きいほど、排気通路40壁面に吹き付けられる外気の流量が増加すると考えられることから、排気通路内壁温度TIWを低く推定する。この推定は、排気通路40の壁面の比熱等に基づき、例えば熱の授受に関するモデルを用いて行えばよい。なお、上記外気温度として、本実施形態では、吸気温センサ16にて検出される吸気温度を用いる。
【0046】
排気通路内壁温度TIWが推定されると、ステップS26において、排気通路内壁温度TIWが規定温度γ以上であるか否かを判断する。この処理は、排気通路40の内壁面に尿素に起因した付着物が付着するおそれがある状況か否かを判断するためのものである。上記規定温度γは、尿素の析出する温度の上限値程度の値に設定されている。そして、排気通路内壁温度TIWが規定温度γ以上であるか否かに応じて、ステップS28、S30において、尿素水添加弁62からの尿素の添加の間隔の逆数である尿素添加周波数を選択する。ここでは、排気通路内壁温度TIWが規定温度γ以上である場合に選択される第1添加周波数f1よりも、規定温度γ未満である場合に選択される第2添加周波数f2の方が高周波とされる。これは、尿素水添加弁62の1回の開弁時間を短縮しても、上記ステップS22において算出された要求添加量を維持するための設定である。すなわち、1回の開弁時間が短いほど1回の開弁に伴う添加量が減少するため、所定期間当たりの添加量を同一とするためには、開弁時間が短いほど添加間隔を短縮する必要が生じるのである。
【0047】
上記ステップS28、S30の処理が完了する場合、ステップS32において、要求尿素量と添加周波数とに基づき、尿素水添加弁62の1回の開弁時間を算出する。図5に、要求尿素量を同一とする条件下、第1添加周波数f1、第2添加周波数f2のそれぞれについての開弁時間を例示する。ここで、所定期間当たりの尿素添加量を同一とするためには、第2添加周波数f2による添加処理時の開弁時間の上記所定期間当たりの和を、第1添加周波数f1による添加処理時の開弁時間の上記所定期間当たりの和以上とすることが望ましい。ここでこれらの和を必ずしも同一とすればよいのではない理由は、尿素水添加弁62の開弁開始時と比較して、その後のタイミングにおける噴射率の方が大きくなり得ることによる。
【0048】
先の図4の上記ステップS32の処理が完了すると、ステップS34において、尿素水添加弁62を操作することで、尿素の添加操作を実行する。なお、上記ステップS10、S14において否定判断される場合や、ステップS20、S34の処理が完了する場合には、この一連の処理を一旦終了する。
【0049】
図6に、上記処理による尿素水の添加処理態様を例示する。詳しくは、図6(a)に、車両の走行速度の推移を示し、図6(b)に、外気温度の推移を示し、図6(c)に、排気温度TEXの推移を示し、図6(d)に、排気通路内壁温度TIWの推移を示し、図6(e)に、NOx排出濃度の推移を示し、図6(f)に、尿素添加量の推移を示し、図6(g)に、尿素添加周波数の推移を示す。
【0050】
図示されるように、排気温度が添加開始温度β以上となっており尿素SCR52によるNOxの浄化が可能となっているにもかかわらず、排気通路内壁温度TIWが規定温度γ未満となることで排気通路40に尿素に起因した付着物が付着する状況が生じえる。しかし本実施形態では、こうした状況下、第2添加周波数f2を選択することで、付着物の付着を好適に抑制することができる。ここで、排気通路40の壁面に付着する付着物である尿素重合体は、「300°C」以上となることで気化してアンモニアが生成される。このため、排気通路40に付着物が付着する場合には、上記尿素SCR52のアンモニア吸蔵量の推定精度が低下したり、尿素SCR52の下流にアンモニアが漏洩するアンモニアスリップを生じたりおそれがある。これに対し、本実施形態では、排気通路内壁温度に着目することで、こうした事態を好適に回避することができる。
【0051】
ちなみに、排気通路内壁温度TIWにかかわらず第2添加周波数f2を選択することによっても、排気通路40への付着物の付着を抑制することはできるものの、この場合には、尿素水添加弁62の噴射回数が増加することから、尿素水添加弁62の消耗速度が増大し、ひいては信頼性の低下を招く事態が懸念される。
【0052】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
【0053】
(1)排気通路40の内壁の温度が低い場合に尿素水添加弁62の1回の開弁時間を短縮した。これにより、部品点数の増加を抑制しつつも、排気通路40の内壁に尿素に起因した付着物が付着し易い状況下において付着物の付着を好適に抑制することができる。
【0054】
(2)1回の開弁時間を短縮するに伴って添加間隔の逆数にて定義される添加周波数を上昇させた。これにより、所定期間内における添加量を要求添加量とすることができる。
【0055】
(3)排気温度TEX及び外気温度に基づき排気通路内壁温度を推定した。これにより、排気通路内壁温度を適切に推定することができる。
【0056】
(4)排気通路内壁温度の推定に際して、車両の走行速度を加味した。これにより、排気通路内壁温度をより高精度に推定することができる。
【0057】
(5)排気通路40のうち尿素SCR52の上流側に、排気を旋回させる旋回流発生部材72を備えた。これにより、尿素を拡散させることができ、ひいては排気通路40の内壁に尿素に起因した付着物が付着することを好適に抑制することができる。
【0058】
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
【0059】
図7に、本実施形態にかかるNOx浄化制御の処理手順を示す。この処理は、ECU80により、例えば所定周期で繰り返し実行される。なお、図7において、先の図4に示した処理に対応する処理については、便宜上同一のステップ番号を付している。
【0060】
この一連の処理では、ステップS26において排気通路内壁温度TIWが規定温度γ以上であるか否かに応じて、尿素水添加弁62から噴射される尿素の噴射圧を可変設定する。詳しくは、排気通路内壁温度TIWが規定温度γ以上である場合に選択される第1噴射圧P1(ステップS28a)よりも、規定温度γ未満である場合に選択される第2噴射圧P2(ステップS30a)の方が低い圧力とされる。これは、排気通路40の内壁面に尿素に起因した付着物が付着するおそれがある状況下、尿素水添加弁62から噴射される尿素水の初速度を低下させるための設定である。
【0061】
ステップS28a,30aの処理が完了する場合、ステップS32aにおいて、要求尿素量と噴射圧とに基づき、開弁時間を算出する。ここでは、所定期間当たりの添加量を同一とすべく、噴射圧が高い方が開弁時間を短く設定すればよい。
【0062】
なお、排気通路内壁温度TIWにかかわらず第2噴射圧P2を選択することによっても排気通路40への付着物の付着を抑制することはできる。ただし、尿素水の噴射圧が低いほど噴霧粒径が大きくなり、NOxの浄化能力が低下する。したがって、排気通路40の内壁への付着物の付着を抑制しつつ極力NOxの浄化能力を高めるべく、本実施形態では、第1噴射圧P1と第2噴射圧P2との切り替えを行う。
【0063】
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(2)〜(5)の効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
【0064】
(6)排気通路内壁温度が低い場合に尿素水添加弁62による尿素の噴射圧を低下させた。これにより、部品点数の増加を抑制しつつも、排気通路40の内壁に尿素に起因した付着物が付着し易い状況下において付着物の付着を好適に抑制することができる。
【0065】
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
【0066】
・上記第1の実施形態では、排気通路内壁温度TIWが規定温度γ以上か否かに応じて添加周波数を2通りに設定したがこれに限らない。例えば、排気通路内壁温度が低下するにつれて、添加周波数を2段階以上に段階的に増大させたり、連続的に増大させたりしてもよい。
【0067】
・上記第2の実施形態では、排気通路内壁温度TIWが規定温度γ以上か否かに応じて噴射圧を2通りに設定したがこれに限らない。例えば、排気通路内壁温度が低下するにつれて、噴射圧を2段階以上に段階的に低下させたり、連続的に低下させたりしてもよい。
【0068】
・上記第1の実施形態において、排気通路内壁温度TIWが規定温度γ以下である場合に、添加周波数を増大させるとともに、尿素水添加弁62から噴射される噴霧粒径を低減すべく噴射圧を上昇させてもよい。このように噴霧粒径を低減させることでアンモニアの生成を促進することができるため、NOxの浄化性能が低下しやすい低温時においてNOxの浄化性能を高く維持することが可能となる。もっとも、尿素水の噴射圧を上昇させると、排気通路40の内壁面に到達する尿素水量が増加するおそれがある。このため、こうした事態を回避すべく、上記第2添加周波数f2よりも添加周波数を増大させることで、1回の開弁時間をより短縮することが望ましい。
【0069】
・上記各実施形態では、排気通路40の内壁面の温度(排気通路内壁温度TIW)をディーゼル機関10の運転状態を示すパラメータに基づき推定したが、これに限らず、専用のハードウェア手段を用いて検出してもよい。
【0070】
・排気通路40の内壁面の温度を把握しつつ添加手段(尿素水添加弁62や尿素水ポンプ68)の操作態様を変更する手段としては、排気通路内壁温度TIWに基づき操作態様を変更するものに限らない。例えば、排気温度TEXと閾値との比較に基づき操作態様を変更して且つ、この閾値を、外気温度に応じて可変設定するものであってもよい。この場合であっても、排気通路40の内壁面の温度が規定温度以下であるか否かを適切に判断することができ、ひいては規定温度以下であるか否かに応じて操作態様を変更することができる。なお、上記閾値の可変設定に際し、車速を加味するなら、上記判断をより高精度に行うことができる。
【0071】
・上記各実施形態では、尿素SCR52のアンモニア吸蔵量に基づき要求尿素量を算出したがこれに限らない。例えば、NOx浄化率に基づき算出してもよい。ここで、NOx浄化率は、例えば、尿素SCR52の上流側におけるNOx排出濃度(上流側NOxセンサ56の検出値に基づく量)から下流側におけるNOx排出濃度(下流側NOxセンサ60の検出値に基づく量)を減算した値を上流側におけるNOx排出濃度にて除算した値にて定義すればよい。
【0072】
・上記各実施形態では、燃焼室28からのNOx排出濃度を、上流側NOxセンサ56を用いて検出したがこれに限らず、例えばディーゼル機関10の運転状態を示すパラメータ(例えば、噴射量及び回転速度)に基づき推定してもよい。
【0073】
・上記各実施形態では、外気温度を、吸気温センサ16の検出値にて代用したがこれに限らず、吸気温センサ16とは別に外気の温度を検出するセンサを備えるようにしてもよい。
【0074】
・上記各実施形態では、排気温度TEXを、排気温センサ58を用いて検出したがこれに限らない。例えばディーゼル機関10の運転状態を示すパラメータ(例えば、噴射量、回転速度、吸入空気量、及び吸気温)に基づき推定してもよい。
【0075】
・排気を旋回させる旋回流発生手段としては、先の図2に例示したものに限らない。例えば、図8に例示する旋回流発生部材90のように、羽根部90aの各羽根を、二等辺三角形状の薄板部材としてもよい。更に、図9(a)に例示する旋回流発生部材92のようなものであってもよい。ここでは、排気の流動方向からこれに直交する方向へと偏向した部材92a,92bを複数設けて且つ、図9(b)に示すように、この部材の偏向角度が排気通路40の中央よりも外側の方が大きくなるように設定されている。こうした構成によれば、排気通路40の壁面側の方が中央部よりも排気の流速が遅くなるため、排気の還流が、排気通路40の受熱量を増加させる構成となる。このため、排気通路40の内壁に尿素に起因した付着物が付着することをいっそう好適に抑制することができる。
【0076】
また、旋回流発生手段としては、排気通路40の断面形状を静的に変更する固定部材に限らず、羽根車のように排気が吹き付けられることで自身が回転するものであってもよい。
【0077】
・排気中の窒素酸化物を浄化する浄化手段としては、上記尿素SCR52に限らない。例えば、上流側の排気中に尿素水以外の還元剤が添加される選択還元型触媒としてもよい。この場合であっても、排気通路40の内壁面温度が低い場合に還元剤に起因した付着物が付着するおそれがあるなら、本発明の適用が有効である。
【0078】
・内燃機関としては、ディーゼル機関のような圧縮着火式内燃機関に限らない。例えば筒内噴射式ガソリン機関等の火花点火式内燃機関にあっても、NOxの浄化に選択還元型触媒を用いる場合には、本発明の適用は有効である。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】第1の実施形態にかかるシステム構成図。
【図2】同実施形態にかかる旋回流発生部材の構成を示す図。
【図3】同実施形態の原理を説明するための図。
【図4】同実施形態にかかるNOx浄化制御の処理手順を示す流れ図。
【図5】同実施形態にかかる尿素水添加弁の操作態様を示すタイムチャート。
【図6】上記NOx浄化制御の態様を例示するタイムチャート。
【図7】第2の実施形態にかかるNOx浄化制御の処理手順を示す流れ図。
【図8】上記各実施形態の変形例にかかる旋回流発生部材の構成を示す図。
【図9】上記各実施形態の変形例にかかる旋回流発生部材の構成を示す図。
【符号の説明】
【0080】
10…ディーゼル機関、52…尿素SCR(浄化手段の一実施形態)、62…尿素水添加弁、68…尿素水ポンプ、80…ECU(排気浄化装置の一実施形態)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の排気通路に設けられて且つ排気中の窒素酸化物を浄化する浄化手段と、前記浄化手段の上流側の排気中に還元剤を添加する添加手段とを備える排気浄化装置に適用され、前記添加手段の操作に基づき前記還元剤の添加量を調節しつつ前記浄化手段による窒素酸化物の浄化制御を行う内燃機関の排気浄化制御装置において、
前記内燃機関の排気系の温度と相関を有するパラメータの値を取得する取得手段と、
前記排気通路の内壁の温度が低い場合に前記還元剤が前記内壁に到達する量を低減すべく、前記取得されたパラメータの値に基づき前記添加手段の操作態様を変更する変更手段とを備えることを特徴とする内燃機関の排気浄化制御装置。
【請求項2】
内燃機関の排気通路に設けられて且つ排気中の窒素酸化物を浄化する浄化手段と、前記浄化手段の上流側の排気中に還元剤を添加する添加手段とを備える排気浄化装置に適用され、前記添加手段の操作に基づき前記還元剤の添加量を調節しつつ前記浄化手段による窒素酸化物の浄化制御を行う内燃機関の排気浄化制御装置において、
前記内燃機関の排気系の温度と相関を有するパラメータの値を取得する取得手段と、
前記取得されたパラメータの値に基づき前記添加手段の操作態様を変更する変更手段とを備え、
前記変更手段は、前記操作態様の変更によって、前記排気通路の内壁の温度が低い場合に前記添加手段の1回の開弁時間を短縮することを特徴とする内燃機関の排気浄化制御装置。
【請求項3】
前記変更手段は、前記1回の開弁時間の短縮に伴って添加間隔の逆数にて定義される添加周波数を上昇させることを特徴とする請求項2記載の内燃機関の排気浄化制御装置。
【請求項4】
内燃機関の排気通路に設けられて且つ排気中の窒素酸化物を浄化する浄化手段と、前記浄化手段の上流側の排気中に還元剤を添加する添加手段とを備える排気浄化装置に適用され、前記添加手段の操作に基づき前記還元剤の添加量を調節しつつ前記浄化手段による窒素酸化物の浄化制御を行う内燃機関の排気浄化制御装置において、
前記内燃機関の排気系の温度と相関を有するパラメータの値を取得する取得手段と、
前記取得されたパラメータの値に基づき前記添加手段の操作態様を変更する変更手段とを備え、
前記変更手段は、前記操作態様の変更によって、前記排気通路の内壁の温度が低い場合に前記添加手段による還元剤の噴射圧を低下させることを特徴とする内燃機関の排気浄化制御装置。
【請求項5】
前記変更手段は、前記パラメータとしての排気温度及び外気温度に基づき前記排気通路の内壁の温度を把握しつつ前記変更処理を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化制御装置。
【請求項6】
前記内燃機関は、車載内燃機関であり、
前記変更手段は、前記変更処理に際して車両の走行速度を加味することを特徴とする請求項5記載の内燃機関の排気浄化制御装置。
【請求項7】
前記内燃機関の排気通路のうち浄化手段の上流側に、排気を旋回させる旋回流発生手段が備えられることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化制御装置。
【請求項8】
前記還元剤が尿素水であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化制御装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化制御装置と、
前記浄化手段とを備えることを特徴とする内燃機関の排気浄化システム。

【図1】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図2】
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【図3】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−71255(P2010−71255A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−242318(P2008−242318)
【出願日】平成20年9月22日(2008.9.22)
【出願人】(000004695)株式会社日本自動車部品総合研究所 (1,981)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】