説明

内視鏡装置

【課題】光源における蛍光体の励起光量を変化させたとしても、色味の変わらない、ホワイトバランスが保たれた撮像画像を取得することができる内視鏡装置を提供する。
【解決手段】第1の狭帯域光を出射する第1の光源42と、第1の狭帯域光の少なくとも一部を透過すると共に、第1の狭帯域光によって励起された蛍光光を発光し、第1の光源の出射光量に応じて蛍光特性が変化する蛍光体20と、第1の光源とは異なる第2の狭帯域光を出射する第2の光源44と、第1及び第2の狭帯域光及び蛍光光を混合した光が照明光として照射された被写体からの、照明光の戻り光により撮像を行い、撮像画像信号を出力する撮像部26と、撮像画像信号が基準のホワイトバランスを維持するように、第1の光源42の出射光量による蛍光体20の蛍光特性の変化に基づいて、第2の光源44の出射光量を制御する制御部50と、を備えることにより、上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ光源等の励起光源から発せられる狭帯域波長の励起光と、励起光で励起されて蛍光体から発せられる蛍光光とを混合して照明光とする光源装置を備える内視鏡装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
内視鏡装置に用いられる光源装置として、例えば、発光ダイオードや半導体レーザダイオードを光源とした白色光源装置が開発されている。白色光源装置は、光源から発せられる励起光(例えば、青色レーザ光)で蛍光体を励起させて、緑色、黄色、赤色などの蛍光を生じさせ、励起光と蛍光光を混合することで白色光(疑似白色光)を作り出している。
【0003】
内視鏡装置において、体腔内を照明する照明部の光源には、従来、キセノンランプやメタルハライドランプが用いられるが、内視鏡の更なる小型化、高輝度化、そしてコストダウンを推進するために、光源に発光ダイオードや半導体レーザダイオードなどの励起光源を用いた白色光源装置を採用する働きが活発になっている。
また、発光ダイオードや半導体レーザダイオードを用いた白色光源装置は、キセノンランプやメタルハライドランプに比べて発熱量が低く抑えられ、発熱による内視鏡の劣化が抑えられるというメリットがある。
【0004】
特許文献1では、前述のとおり励起光源を用いた白色光源装置において、励起光源における励起光の発振波長が白色光源装置間でばらつくと、蛍光体の発光光量が変化し、結果として最終的に出力される白色光の光量や色度が変化してしまうという問題がある。これに対して、特許文献1では、励起光源を駆動する駆動電流をパルスとして入力し、パルス数、パルス幅、パルス振幅及びデューティ比の少なくとも1つを変化させることで、発光光量を一定とし、白色光源装置間での白色光の色味を安定化させ、撮像画像のホワイトバランスを安定化させている。また、光量とは発光の強度はもちろん、その分布である発光のスペクトルも含む概念である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−56248号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
白色光源装置に用いられる蛍光体は、励起光源からの発振波長及び発光強度の少なくとも1つが変化すると、蛍光特性が変化し、結果として最終的に出力される白色光の発光スペクトルが変化し、撮像画像のホワイトバランスが変化してしまうという問題がある。ここで、蛍光特性とは蛍光光の発光強度、発光スペクトル及び発光光量を含む蛍光体の特性をいう。
特に、撮像画像のホワイトバランスが、励起光量を最大とした場合を基準として設定されている場合には、励起光量を低下させることで、青味の足りない、診断に適さない光が照射されてしまう。また、励起光量とは、励起光の発光強度を含む概念である。
【0007】
特許文献1に記載の方法は、白色光の積算光量及び色度を基準に常に適切な光量及び色度の照明光を得ることができ、励起光の発振波長の異なる白色光源装置間において、励起光の発振波長のばらつきによる白色光の積算光量及び色度を補正し、色味を安定化することで画像の見え方のばらつきを補正するために有効な方法である。しかし、特許文献1の方法では、例えば、パルス振幅を大きく変化させた場合に色度が大きく変化し、その色度の変化をパルス数及びパルス幅の変化によって修正することが困難である場合が多い(特許文献1、図12参照)。
つまり、励起光量を変えた途端に、その蛍光光の発光強度や発光光量が変化し、被写体へ照射される白色光の色度が変化し、撮像画像のホワイトバランスも変化してしまうため、被写体の距離や反射率に応じて励起光量を大きく変える必要がある内視鏡装置においては、うまく作用するとはいえない。
【0008】
そこで、本発明は、第1の光源から発せられる第1の狭帯域光と、第1の狭帯域光で励起されて蛍光体から発せられる蛍光光とを混合して照明光とする光源装置を備える内視鏡装置であって、たとえ第1の狭帯域光の出射光量を変えたとしても、撮像画像のホワイトバランスの変わらない内視鏡装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は、狭帯域化された所定の波長帯域幅を持つ第1の狭帯域光を出射する第1の光源と、前記第1の狭帯域光の少なくとも一部を透過すると共に、前記第1の狭帯域光によって励起された蛍光光を発光し、前記第1の光源の出射光量に応じて蛍光特性が変化する蛍光体と、狭帯域化された、前記第1の光源とは異なる所定の波長帯域幅を持つ第2の狭帯域光を出射する第2の光源と、前記蛍光体を透過した前記第1の狭帯域光及び前記蛍光体で発光した前記蛍光光を混合した光、又は前記第1及び第2の狭帯域光及び前記蛍光光を混合した光が照明光として照射された被写体からの、前記照明光の戻り光により撮像を行い、撮像画像信号を出力する撮像部と、前記撮像画像信号が基準のホワイトバランスを維持するように、前記第1の光源の出射光量による前記蛍光体の前記蛍光特性の変化に基づいて、前記第2の光源の出射光量を制御する制御部と、を備えることを特徴とする内視鏡装置を提供する。
【0010】
前記蛍光特性は、前記蛍光光の発光光量を含むことが好ましい。
【0011】
さらに、前記第1の光源の出射光量と、前記撮像画像信号が基準のホワイトバランスを維持するために必要な前記第2の光源の出射光量との対応関係が記録された補正テーブルを記憶する補正情報記憶部を備え、前記制御部は、前記補正情報記憶部に記憶された前記補正テーブルと、前記第1の光源の出射光量とから前記第2の光源の必要な出射光量を求め、前記必要な出射光量に基づいて、前記第2の光源の出射光量を制御することが好ましい。
【0012】
また、前記基準のホワイトバランスは、前記第2の光源からの出射を停止し、前記第1の光源の出射光量を最大とした場合の前記撮像画像信号のホワイトバランスであることが好ましい。
【0013】
また、前記第2の狭帯域光の波長帯域は、前記第1の狭帯域光の波長帯域よりも短波長側にあることが好ましく、さらに、前記第1の光源は、中心波長を445nmとする青色レーザ光源であり、前記第2の光源は、中心波長を405nmとする青紫色レーザ光源であることが好ましい。
【0014】
また、前記第2の狭帯域光の波長帯域は、前記第1の狭帯域光の波長帯域よりも長波長側にあることが好ましい。
【0015】
また、前記ホワイトバランスとして、前記撮像画像信号の緑色光成分と青色光成分との比であるG/B比を用いることが好ましい。
【0016】
また、前記照明光は、所定波長帯域の赤色光成分、緑色光成分及び青色光成分をそれぞれ含む疑似白色光であることが好ましい。
【0017】
また、本発明は、狭帯域化された所定の波長帯域幅を持つ第1の狭帯域光を出射する第1の光源と、前記第1の狭帯域光の少なくとも一部を透過すると共に、前記第1の狭帯域光によって励起された蛍光光を発光し、前記第1の光源の出射光量に応じて蛍光特性が変化する蛍光体と、前記蛍光体を透過した前記第1の狭帯域光及び前記蛍光体で発光した前記蛍光光を混合した光が照明光として照射された被写体からの、前記照明光の戻り光により撮像を行い、撮像画像信号を出力する撮像部と、前記撮像画像信号が基準のホワイトバランスを維持するように、前記第1の光源の出射光量による前記蛍光体の前記蛍光特性の変化に基づいて、前記撮像部の撮像ゲインを制御する制御部と、を備えることを特徴とする内視鏡装置を提供する。
【0018】
前記蛍光特性は、前記蛍光光の発光光量を含むことが好ましい。
【0019】
さらに、前記第1の光源の出射光量と、前記撮像画像信号が基準のホワイトバランスを維持するために必要な前記撮像部の撮像ゲインとの対応関係が記録された補正テーブルを記憶する補正情報記憶部を備え、前記制御部は、前記補正情報記憶部に記憶された前記補正テーブルと、前記第1の光源の出射光量とから必要な撮像ゲインを求め、前記必要な撮像ゲインに基づいて、前記撮像部の撮像ゲインを制御することが好ましい。
【0020】
また、前記基準のホワイトバランスは、前記第1の光源の出射光量を最大とした場合の前記撮像画像信号のホワイトバランスであることが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明の内視鏡装置によれば、光源における蛍光体の励起光量を変化させたとしても、色味の変わらない、ホワイトバランスが保たれた撮像画像を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の第1実施形態に係る内視鏡装置の構成を示す外観図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る内視鏡装置の内部構成を示すブロック図である。
【図3】(A)は、本発明の内視鏡装置に係る青色レーザ光源からの青色レーザ光の青紫色レーザ光源からの青紫色レーザ光の波長プロファイルを示すグラフであり、(B)は、本発明の青色レーザ光源からの青色レーザ光及び青色レーザ光が蛍光体により波長変換された発光スペクトルの波長プロファイルを示すグラフである。
【図4】本発明の第1実施形態において、励起光量(青色レーザ光の出射光量)に対する追加レーザ光量(青紫色レーザ光の出射光量)を補正する補正テーブルの情報を算出する手順を定めたフローチャートである。
【図5】本発明に係る内視鏡装置において、撮像画像(信号)のホワイトバランスを算出することにより、蛍光体の蛍光特性を計測する場合の説明図である。
【図6】(A)は、本発明の第1実施形態に係る内視鏡装置において、励起光量と、蛍光体からの蛍光光とを含む照明光のG/B比(G光成分/B光成分)との関係を示すグラフであり、(B)は、追加レーザ光量と、蛍光体からの蛍光光を含む照明光のG/B比との関係を示すグラフであり、(C)は、励起光量と、撮像画像(信号)を基準のホワイトバランスに維持するために必要な追加レーザ光量との関係を示すグラフである。
【図7】本発明の第2実施形態に係る内視鏡装置の内部構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第2実施形態において、励起光量に対する撮像画像信号のB光成分(B光画像信号)のゲインを補正する補正テーブルの情報を算出する手順を定めたフローチャートである。
【図9】(A)は、本発明の第2実施形態に係る内視鏡装置において、励起光量と、照明光のG/B比との関係を示すグラフであり、(B)は、励起光量と、撮像画像(信号)を基準のホワイトバランスに維持するために必要なB光ゲインとの関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明に係る内視鏡装置について、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて以下に詳細に説明する。
【0024】
図1は、本発明の内視鏡装置の一例としての外観図であり、図2は、本発明の内視鏡装置の第1実施形態を説明するための図で、内視鏡装置の概念的なブロック図である。
図1、図2に示すように、本発明の第1実施形態に係る内視鏡装置10は、内視鏡11と、光源装置12と、プロセッサ装置13とを有する。プロセッサ装置13には、画像情報等を表示する表示部15と、入力操作を受け付ける入力部17とが接続されている。内視鏡11は、内視鏡挿入部19の先端から照明光を出射する照明光学系と、被観察領域を撮像する撮像素子26(図2参照)を含む撮像光学系とを有する、電子内視鏡である。
また、照明光とは、狭帯域光と、白色光とを問わず、内視鏡11から被写体に向けて照射される光をいう。
【0025】
また、内視鏡11は、被写体内に挿入される可撓性の内視鏡挿入部19と、内視鏡挿入部の先端の湾曲操作や観察のための操作を行う操作部23と、内視鏡11を光源装置12及びプロセッサ装置13に着脱自在に接続するコネクタ部25A、25Bを備える。なお、図示はしないが、操作部23及び内視鏡挿入部19の内部には、組織採取用処置具等を挿入する鉗子チャンネルや、送気・送水用のチャンネル等、各種のチャンネルが設けられる。
【0026】
内視鏡挿入部19は、可撓性を持つ軟性部31と、湾曲部33と、先端部(以降、内視鏡先端部とも呼称する)35とから構成される。内視鏡先端部35には、図2に示すように、被観察領域へ照明光を照射する照射口21と、被観察領域の画像情報を取得するCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の撮像素子26が配置されている。照射口21の奥には、光源装置からの励起光を受けて蛍光発光する蛍光体20が、光ファイバ18の先端に配置され、撮像素子26の受光面には対物レンズユニット24が配置される。
【0027】
また、図2に示すように、内視鏡11は、撮像素子26からの撮像画像の画像信号の信号処理系として、アナログ信号である撮像画像信号に相関二重サンプリング(CDS)や自動利得制御(AGC)を行うためのCDS・AGC回路27と、CDS・AGC回路27でサンプリングと利得制御が行われたアナログ画像信号をデジタル画像信号に変換するA/D変換器(A/Dコンバータ)28とを有する。A/D変換器28でA/D変換されたデジタル画像信号は、コネクタ部25Bを介してプロセッサ装置13の画像処理部52に入力される。
【0028】
湾曲部33は、軟性部31と先端部35との間に設けられ、操作部23に配置されたアングルノブ22の回転動作により湾曲自在にされている。この湾曲部33は、内視鏡11が使用される被検体の部位等に応じて、任意の方向、任意の角度に湾曲でき、内視鏡先端35の照射口21、及び撮像素子26の観察方向を、所望の観察部位に向けることができる。また、図示は省略するが、内視鏡挿入部19の照射口21にはカバーガラスやレンズが配置される。
【0029】
光源装置12は、内視鏡先端部35の照射口21に供給する照明光を発生し、プロセッサ装置13は、撮像素子26からの画像信号を画像処理する画像処理部52を備える。光源装置12は、コネクタ部25Aを介して、プロセッサ装置13はコネクタ部25Bを介して、それぞれ内視鏡11と接続される。また、プロセッサ装置13には前述の表示部15と入力部17が接続されている。プロセッサ装置13は、入力部15や操作部23からの指示に基づいて、内視鏡11から伝送されてくる撮像信号を画像処理し、表示部15へ表示用画像を生成して供給する。
【0030】
図2に示すように、光源装置12は、発光源として第1の光源である青色レーザ光源(LD1)42と、第2の光源である青紫色レーザ光源(LD2)44とを備える。具体的には、青色レーザ光源42は、中心波長445nmの青色レーザ光を出射するレーザダイオードであり、励起光源として内視鏡先端35に設置された後述する蛍光体20を蛍光発光させる励起光として作用する。青色レーザ光は、前述の蛍光光と混合されて白色(疑似白色)の照明光として被写体へ照射される。
【0031】
また、青紫色レーザ光源44は、中心波長405nmの青紫色レーザ光を出射するレーザダイオードであり、追加レーザ光源として前記照明光のB光成分(青色光成分)の不足を補う追加レーザ光として、照明光による被写体からの戻り光により撮像される撮像画像のホワイトバランスを所定の範囲に維持するために照射される。
【0032】
また、ここでいう撮像画像のホワイトバランスとは、白色板を撮像した際の、その撮像画像を構成するR光成分(赤色光成分)、G光成分(緑色光成分)、及びB光成分の比率のことであり、前述の青色レーザ光源42の出射光量を最大とした場合の撮像画像のホワイトバランスが基準のホワイトバランスとして設定される。
よって、前述の所定の範囲とは、基準のホワイトバランスとして設定された、R光成分、G光成分、及びB光成分の信号強度の比率であり、基準のホワイトバランスを維持するとは、青色レーザ光源42の出射光量が変化したとしても、これらの信号強度の比率(例えば、r:g:b)を略一定に維持することである。
【0033】
なお、追加レーザ光として青紫色レーザ光源44から出射される青紫色レーザ光も、内視鏡先端35に設置された蛍光体20を蛍光発光させる励起光として作用するが、その発光光量は、前述の青色レーザ光源42に比べて1/20程度である。
青色レーザ光源42及び青紫色レーザ光源44としては、ブロードエリア型のInGaN系レーザダイオードが利用でき、また、InGaNAs系レーザダイオードやGaNAs系レーザダイオードを用いることもできる。また、上記光源として、発光ダイオード等の発光体を用いた構成としてもよい。
【0034】
また、青色レーザ光源42及び青紫色レーザ光源44からの発光は、光源制御部40により個別に制御されており、青色レーザ光源42の出射光量と、青紫色レーザ光源44の出射光量との光量比率は変更自在になっている。
【0035】
これら青色レーザ光源42及び青紫色レーザ光源44から出射される青色レーザ光及び青紫色レーザ光は、集光レンズ(図示省略)によりそれぞれ光ファイバに入力され、合波器46により合波され、コネクタ部25Aに伝送される。なお、これに限らず、合波器46を用いずに、各光源42、44からのレーザ光を直接コネクタ部25Aに送出する構成であってもよい。
【0036】
コネクタ部25Aに供給された中心波長445nmの青色レーザ光、及び中心波長405nmの青紫色レーザ光が合波されたレーザ光は、光ファイバ18を経由して、内視鏡11の内視鏡先端部35まで伝送される。
【0037】
光ファイバ18は、マルチモードファイバであり、一例として、コア径105μm、クラッド径125μm、外皮となる保護層を含めた径がφ0.3〜0.5mmの細径なケーブルを使用できる。
【0038】
蛍光体20は、波長変換部材として機能し、前述のとおり、励起光を受けて蛍光光を発光する。蛍光体20は、青色レーザ光のエネルギの一部を吸収して緑色〜黄色に蛍光発光する複数種の蛍光体を含んで構成される。蛍光体20の具体例としては、例えばYAG系蛍光体、或いはBAM(BaMgAl1017)等を含む蛍光体等が利用できる。従って、青色レーザ光を励起光とする緑色〜黄色の励起光と、蛍光体20により吸収されず透過した青色レーザ光とが合波された結果として、白色(疑似白色)の照明光が内視鏡先端部35の照射口21から出射される。本実施形態のように、青色レーザ光源を励起光源として用いれば、高い発光効率で高い発光強度の白色光が得られ、更に、白色光の発光強度を容易に調整できる。
【0039】
上記の蛍光体20は、レーザ光の可干渉性により生じるスペックルに起因して、撮像の障害となるノイズの重畳や、動画像表示を行う際のちらつきの発生を防止できる。また、蛍光体20は、蛍光体を構成する蛍光物質と、充填剤となる固定・固化用樹脂との屈折率差を考慮して、蛍光物質そのものと充填剤に対する粒径を、赤外域の光に対して吸収が小さく、かつ散乱が大きい材料で構成することが好ましい。これにより、赤色や赤外域の光
に対して光強度を落とすことなく散乱効果が高められ、凹レンズ等の光路変更手段が不要となり、光学的損失が小さくなる。
【0040】
図3は、本実施形態における、青紫色レーザ光源44からの青紫色レーザ光と、青色レーザ光源42からの青色レーザ光及び青色レーザ光が蛍光体20により波長変換された発光スペクトルとの波長プロファイルを示すグラフである。青紫色レーザ光は、プロファイルAとして中心波長405nmの輝線で表される。また、青色レーザ光は、中心波長445nmの輝線で表され、青色レーザ光による蛍光体20からの蛍光光は、概ね450nm〜700nmの波長帯域で発光強度が増大する分光強度分布となる。この蛍光光と青色レーザ光とによるプロファイルBによって、前述した白色光(疑似白色光)が形成される。
【0041】
プロファイルA及びプロファイルBからなる照明光は、被写体によって反射され、戻り光として撮像素子おいて撮像画像信号として検出される。
図3に示すように、プロファイルAは、青紫色レーザ光を主成分とするB光成分の撮像画像信号として検出され、また、プロファイルBは、青色レーザ光を主成分とするB光成分と、蛍光光の起伏中央部分を主成分とするG光成分及び蛍光光の起伏の長波長側部分を主成分とするR光成分などに大きく分けられ、撮像画像信号として検出される。
【0042】
そして、前述のとおり、撮像画像のホワイトバランスは、撮像素子の検出するこれらのR光成分、G光成分、及びB光成分の信号強度の比率である。よって、撮像画像において基準のホワイトバランスを維持するためには、撮像画像におけるR光成分、G光成分、及びB光成分の信号強度の比率を所定の範囲に維持する必要がある。
【0043】
また、蛍光体20において、励起光量に対する蛍光光の発光光量は、必ずしも一定ではなく、励起光量に応じて、蛍光体20の蛍光特性が変化することがわかってきた。
そこで、前述のとおり、撮像画像において基準のホワイトバランスを維持するためには、内視鏡において、励起光量及び追加レーザ光量に対して、白色板を撮像した際の撮像画像におけるホワイトバランスの変化をグラフとして算出し、それらグラフの情報を蛍光体20の蛍光特性として記憶しておく必要がある。
【0044】
なお、励起光量及び追加レーザ光量に対して、蛍光光の波長プロファイルの形状はそれほど変化せず、主に励起光であるB光成分に対して、主に蛍光光であるR光成分とG光成分とは略一定の割合で変化するため、前述のホワイトバランスとして、G光成分とB光成分との信号強度の比率であるG/B比を用いることが可能である。
よって、本発明においては、励起光量及び追加レーザ光量に対するG/B比の変化をグラフとして算出し、それらのグラフの情報を蛍光体20の蛍光特性として記憶する。
【0045】
また、本明細書でいう白色光とは、厳密に可視光の全ての波長成分を含むものに限らず、例えばR光、G光、B光等、特定の波長帯の光を含むものであればよく、例えば、緑色から赤色にかけての波長成分を含む光や、青色から緑色にかけての波長成分を含む光等も広義に含むものとする。
【0046】
この内視鏡装置10では、プロファイルAとプロファイルBとの光量を光源制御部40により相対的に増減制御することで、プロファイルA及びBの混合比率に応じて特性の異なる照明光を得ることができる。
なお、前述のとおり、2つのレーザ光を合波しない場合には、内視鏡11は、内視鏡先端35に、図示しないが、照射口を2つ持ち、一方の照射口は先端部に蛍光体を備え、青色レーザ光と蛍光光とからなる疑似白色光を、もう一方の照射口は先端部に蛍光体を備えず、そのまま青紫色レーザ光を照射する構成であってもよい。
【0047】
再び図2に戻り説明する。前述のように青色レーザ光と蛍光体20からの蛍光光による白色光、及び青紫色レーザ光による狭帯域光からなる照明光は、内視鏡11の先端部35から被検体の被観察領域に向けて照射される。そして、照明光が照射された被観察領域の様子を対物レンズユニット24により撮像素子26の受光面上に結像させて撮像する。
【0048】
撮像後に撮像素子26から出力される撮像画像信号は、CDS・AGC回路27によってサンプリングと利得制御が行われた後、A/D変換器28に伝送されてデジタル信号に変換され、コネクタ部25Bを介してプロセッサ装置13に入力される。
【0049】
プロセッサ装置13は、光源制御部40を通じて光源装置12を制御する制御部50と、前述の制御部50に接続される、画像処理部52と、補正情報記憶部54とを有する。制御部50は、青色レーザ光源42からの励起光量が変化しても撮像画像が基準のホワイトバランスを維持するように、画像処理部52における撮像画像情報又はCDS・AGC回路27からの撮像画像信号よりホワイトバランスの調整に必要な青紫色レーザ光原44からの追加レーザ光量を算出する。励起光量の変化に対する追加レーザ光量の算出の詳細については後述する。
算出された励起光量と追加レーザ光量との関係は、予め補正テーブル56として補正情報記憶部54で記憶され、光源制御部40を通して青紫色レーザ光源44の制御に用いられる。
【0050】
また、光源制御部40は、青色レーザ光源42及び青紫色レーザ光源44における駆動電流を制御することで、それらの出射光量を制御する。そのため、補正情報記憶部54には、青色レーザ光源42及び青紫色レーザ光源44に対する駆動電流とその出射光量との関係も情報として予め記憶されている。そして、制御部50は、これら出射光量に必要な駆動電流の情報を算出し、それら駆動電流の情報を光源制御部40へ出力し、光源制御部40が、それぞれの光源に流れる駆動電流を制御することで、それらの出射光量を制御している。
【0051】
A/D変換器28から出力された撮像画像信号は、前述の画像処理部52に入力される。画像処理部52では、入力されたデジタル画像信号を画像データに変換して適切な画像処理を行い、所望の出力用画像情報を生成する。生成された出力用画像情報は、入力装置17及び操作部23等の指示により、制御部50を通じて表示部15へ出力される。
以上が、本発明の第1実施形態に係る内視鏡装置10の構成である。
【0052】
次に、本発明の内視鏡装置10において、青色レーザ光源42からの励起光量と、撮像画像を基準のホワイトバランスに維持するために必要な、青紫色レーザ光源44からの追加レーザ光量との関係示す補正テーブル56を作成し、補正情報記憶部54へ記憶する動作を図4のフローチャートに基づいて説明する。
【0053】
まず、始めに、図5に示すように、内視鏡先端35を白色板に対向する形で設置し、青色レーザ光源42より、励起光(青色レーザ光)を出射する(S10)。そして、励起光量を最大として、青色レーザ光及び蛍光光の混合した照明光を白色板に対して照射し、その戻り光を撮像素子26により撮像する。撮像素子26は、撮像画像信号(撮像画像情報)を出力する(S12)。
【0054】
撮像素子26により撮像された撮像画像信号は、CDS・AGC回路27によって相関二重サンプリングされて撮像素子におけるリセット雑音やアンプ雑音が除去され、A/D変換器28によって、アナログ撮像画像信号をデジタル撮像画像信号として変換され、画像処理部52へ出力される。
そして、画像処理部52では、例えば、その撮像画像信号をR光成分、G光成分、及びB光成分の3つの成分に分離し、また、出力部15において表示する表示用画像信号を生成する。制御部50は、画像処理部52において分離されたR光成分、G光成分、及びB光成分それぞれの信号値の比率を算出し、撮像素子における基準のホワイトバランスとして、補正情報記憶部54へ記憶する。また、前述のとおり、基準のホワイトバランスは、基準のG/B比でもよく、本発明の実施形態においては、ホワイトバランスとしてG/B比を用いている。また、撮像画像のホワイトバランス(G/B比)は、CDS・AGC回路27において算出されてもよい(S14)。
【0055】
次に、光源制御部40を操作して、励起光量を徐々に低下させる。励起光量が低下すると、蛍光体20において励起光量に対する発光光量の比率は一定ではないため、撮像画像のホワイトバランスが劣化する。前述のとおり、実際には、励起光量を低下させると、蛍光体を透過する励起光の割合が減少し、B光成分の光量が不足する。
具体的には、青色レーザ光源42を駆動する駆動電流値に対して、画像処理部52で算出される撮像画像信号のホワイトバランスの劣化、ここではG/B比の劣化を制御部50においてグラフとして算出し、補正情報記憶部54で記憶する。前述のとおり、B光成分に対するG光成分及びR光成分の比率は変わらないため、ここではホワイトバランスとしてG/B比を用いている。
よって、補正情報記憶部54には、励起光量の減少に従って、G/B比が大きくなる様子を示す図6(A)のグラフの情報が記憶される(S16)。
【0056】
次に、制御部50は、補正情報記憶部54に記憶された、図6(A)のG/B比の劣化のグラフより、基準のG/B比を維持するために必要な、青紫色レーザ光源からの追加レーザ光(青紫色レーザ光)の出射光量を算出する。追加レーザ光は、前述のとおり、撮像画像のG/B比において、B光成分の光量不足を補うために出射されるものである。
前述のとおり、追加レーザ光は、その大部分が蛍光体20を励起させることなく透過して内視鏡先端より照射されるが、そのごく一部は蛍光体20を蛍光発光させ、蛍光光を照射する。前述の青色レーザ光源42からの励起光の場合と同様に、追加レーザ光量を最大として、白色板を撮像し、徐々に追加レーザ光量を低下させることで、追加レーザ光とその撮像画像信号のG/B比とを示す、図6(B)のグラフを算出し、補正情報記憶部54に記憶する(S18)。
【0057】
これまでの動作によって、補正情報記憶部54は、励起光量とG/B比との関係を示す図6(A)のグラフと、追加レーザ光量とG/B比との関係を示す図6(B)のグラフとを記憶したこととなる。
【0058】
次に、制御部50は、図6(A)の励起光量とG/B比との関係と、図6(B)の追加レーザ光量とG/B比との関係とから、励起光量の低下に伴って劣化したG/B比を補うために必要な追加レーザ光量を、図6(C)のグラフに示される関係を規定する補正テーブル56として算出する。
また、励起光量と必要な追加レーザ光量との関係を示す図6(C)のグラフである補正テーブル56は、図6(A)のグラフ及び図6(B)のグラフを算出したように、白色板を撮像しつつ励起光量を低下させ、励起光量が低下しても、撮像画像信号のG/B比が一定となるように、追加レーザ光を追加して出射し、励起光と追加レーザ光とのそれぞれの光量を測定することで算出してもよい。
補正テーブル56は補正情報記憶部54に記憶される(S20)。
【0059】
よって、本発明の第1実施形態に係る内視鏡装置においては、青色レーザ光源42の出射光量と、前述の補正テーブル56とから、青紫色レーザ光源44の出射光量が決定し、決定した出射光量に基づいて青紫色レーザ光源44から追加レーザ光を追加して出射することで、G/B比が維持され、基準のホワイトバランスが維持された撮像画像を撮像することができる。
【0060】
次に、本発明の第1実施形態に係る内視鏡装置において、被写体を撮像する際の動作について簡単に説明する。
【0061】
まず、始めに、被検体内に内視鏡挿入部が挿入され、青色レーザ光源42から励起光が出射され、内視鏡先端35の蛍光体20を励起し、被写体に向けて白色光を照射される。例えば、操作者によって、内視鏡先端35と被写体との距離が調整され、距離に応じて励起光量が調整されると、制御部50は、励起光量と、補正情報記憶部54に記憶された前述の補正テーブル56とから、追加レーザ光量を算出し、青紫色レーザ光源44から、所定量の追加レーザ光を出射する。
前述の白色光及び追加レーザ光を合わせて被写体に向けて照射することで、内視鏡装置は、基準のホワイトバランスが維持された撮像画像を取得することができる。
【0062】
なお、本発明の第1実施形態においては、前述の白色光を用いた通常観察の他に、特殊光観察を行うことができる。具体的には、第2の光源である青紫色レーザ光源44からの青紫色レーザ光の出射光量を前述の通常観察時よりも所定量増加させることで、撮像画像を暗くすることなく被写体表面に存在する表層血管を強調した、表層血管強調画像を取得することができる。
【0063】
また、本発明の第1実施形態においては、第2の光源からの光である追加レーザ光の波長帯域が、第1の光源からの光である励起光の波長帯域よりも短波長側にある場合について説明したが、追加レーザ光の波長帯域が、励起光の波長帯域よりも長波長側にあってもよい。この場合には、例えば、追加レーザ光自体がG光成分の光であれば、照明光において、撮像画像の明るさ(輝度値)や演色性に影響の大きいG光成分の光量が増加するため、撮像画像の明るさや演色性を向上させることができる。
【0064】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
【0065】
図7に示すように、第1実施形態と第2実施形態との構成上の違いは、第1実施形態が、青色レーザ光源(LD1)42と青紫色レーザ光源(LD2)44の2灯であり、それらを合波部46で合波する構成であったのに対して、第2実施形態は、青色レーザ光源(LD1)42の1灯である点と、制御部50が、直接CDS・AGC回路27を直接制御し、そのホワイトバランスゲインを調整する点とにある。
なお、ホワイトバランスゲインの調整は、制御部50がCDS・AGC回路を制御する以外にも、撮像画像信号を取得した画像処理部52においても、同種の調整を行うことができる。
【0066】
本発明の第2実施形態において、青色レーザ光源42からの励起光量と、撮像画像の基準のG/B比を維持するために撮像画像信号におけるB光成分(B光画像信号)に乗じられるゲイン(Bゲイン)との関係示す補正テーブル56を作成し、補正情報記憶部54へ記憶する動作を図8のフローチャートに基づいて説明する。
【0067】
第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、主に励起光であるB光成分に対して、主に蛍光光であるR光成分とG光成分とは略一定の割合で変化するため、前述のホワイトバランスとして、G光成分とB光成分との信号強度の比率であるG/B比を用いており、B光画像信号をBゲインで調整することでG/B比を所定の値に維持することができる。
【0068】
ステップS110からステップS116については、本発明の第1実施形態のステップS10からステップS16と同じであるため説明を省略する。一連のステップにより、励起光量に対するG/B比の劣化を示す図9(A)のグラフが算出され、補正情報記憶部54に記憶される。
【0069】
図9(A)のグラフが算出されると、制御部50において、そのグラフに基づいて、撮像画像信号のG/B比を基準のG/B比に維持するために必要な、B光画像信号に対するBゲインが算出される(S118)。
そして、算出された励起光量と前述のBゲインとの関係を示す図9(B)のグラフを、補正テーブル56として、補正情報記憶部54に記憶する(S120)。
【0070】
よって、本発明の第2実施形態に係る内視鏡装置においては、青色レーザ光源42の出射光量と、前述の補正テーブル56とから、B光画像信号に対するBゲインが決定し、撮像素子により出力されるB光画像信号に決定されたBゲインを乗じることで、G/B比が維持され、基準のホワイトバランスが維持された撮像画像を取得することができる。
【0071】
次に、本発明の第2実施形態に係る内視鏡装置において、被写体を撮像する際の動作について簡単に説明する。
【0072】
まず、始めに、被検体内に内視鏡挿入部が挿入され、青色レーザ光源42から励起光が出射され、内視鏡先端35の蛍光体20を励起し、被写体に向けて白色光が照射される。例えば、操作者によって、内視鏡先端35と被写体との距離が調整され、距離に応じて励起光量が調整されると、制御部50は、励起光量と、補正情報記憶部54に記憶された前述の補正テーブル56とから、必要なBゲインを算出する。
そして、撮像素子26により取得されたB光画像信号に、前述の必要なBゲインを乗じることで、内視鏡装置10は、G/B比が維持され、基準のホワイトバランスが維持された撮像画像を取得することができる。
【0073】
以上、本発明の内視鏡装置について詳細に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変更を行ってもよい。
【符号の説明】
【0074】
10 内視鏡装置
11 内視鏡
12 光源装置
13 プロセッサ装置
15 表示部
17 入力部
18 光ファイバ
19 内視鏡挿入部
20 蛍光体
21 照射口
22 アングルノブ
23 操作部
24 対物レンズユニット
25A、25B コネクタ部
26 撮像素子
27 CDS・AGC回路
28 A/D変換器
31 軟性部
33 湾曲部
35 先端部
40 光源制御部
42 青色レーザ光源
44 青紫色レーザ光源
46 合波部
50 制御部
52 画像処理部
54 補正情報記憶部
56 補正テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
狭帯域化された所定の波長帯域幅を持つ第1の狭帯域光を出射する第1の光源と、
前記第1の狭帯域光の少なくとも一部を透過すると共に、前記第1の狭帯域光によって励起された蛍光光を発光し、前記第1の光源の出射光量に応じて蛍光特性が変化する蛍光体と、
狭帯域化された、前記第1の光源とは異なる所定の波長帯域幅を持つ第2の狭帯域光を出射する第2の光源と、
前記蛍光体を透過した前記第1の狭帯域光及び前記蛍光体で発光した前記蛍光光を混合した光、又は前記第1及び第2の狭帯域光及び前記蛍光光を混合した光が照明光として照射された被写体からの、前記照明光の戻り光により撮像を行い、撮像画像信号を出力する撮像部と、
前記撮像画像信号が基準のホワイトバランスを維持するように、前記第1の光源の出射光量による前記蛍光体の前記蛍光特性の変化に基づいて、前記第2の光源の出射光量を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする内視鏡装置。
【請求項2】
前記蛍光特性は、前記蛍光光の発光光量を含む請求項1に記載の内視鏡装置。
【請求項3】
さらに、前記第1の光源の出射光量と、前記撮像画像信号が基準のホワイトバランスを維持するために必要な前記第2の光源の出射光量との対応関係が記録された補正テーブルを記憶する補正情報記憶部を備え、
前記制御部は、前記補正情報記憶部に記憶された前記補正テーブルと、前記第1の光源の出射光量とから前記第2の光源の必要な出射光量を求め、前記必要な出射光量に基づいて、前記第2の光源の出射光量を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の内視鏡装置。
【請求項4】
前記基準のホワイトバランスは、前記第2の光源からの出射を停止し、前記第1の光源の出射光量を最大とした場合の前記撮像画像信号のホワイトバランスである請求項1〜3のいずれかに記載の内視鏡装置。
【請求項5】
前記第2の狭帯域光の波長帯域は、前記第1の狭帯域光の波長帯域よりも短波長側にある請求項1〜4のいずれかに記載の内視鏡装置。
【請求項6】
前記第1の光源は、中心波長を445nmとする青色レーザ光源であり、前記第2の光源は、中心波長を405nmとする青紫色レーザ光源である請求項5に記載の内視鏡装置。
【請求項7】
前記第2の狭帯域光の波長帯域は、前記第1の狭帯域光の波長帯域よりも長波長側にある請求項1〜4のいずれかに記載の内視鏡装置。
【請求項8】
前記ホワイトバランスとして、前記撮像画像信号の緑色光成分と青色光成分との比であるG/B比を用いることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の内視鏡装置。
【請求項9】
前記照明光は、所定波長帯域の赤色光成分、緑色光成分及び青色光成分をそれぞれ含む疑似白色光である請求項1〜8のいずれかに記載の内視鏡装置。
【請求項10】
狭帯域化された所定の波長帯域幅を持つ第1の狭帯域光を出射する第1の光源と、
前記第1の狭帯域光の少なくとも一部を透過すると共に、前記第1の狭帯域光によって励起された蛍光光を発光し、前記第1の光源の出射光量に応じて蛍光特性が変化する蛍光体と、
前記蛍光体を透過した前記第1の狭帯域光及び前記蛍光体で発光した前記蛍光光を混合した光が照明光として照射された被写体からの、前記照明光の戻り光により撮像を行い、撮像画像信号を出力する撮像部と、
前記撮像画像信号が基準のホワイトバランスを維持するように、前記第1の光源の出射光量による前記蛍光体の前記蛍光特性の変化に基づいて、前記撮像部の撮像ゲインを制御する制御部と、
を備えることを特徴とする内視鏡装置。
【請求項11】
前記蛍光特性は、前記蛍光光の発光光量を含む請求項10に記載の内視鏡装置。
【請求項12】
さらに、前記第1の光源の出射光量と、前記撮像画像信号が基準のホワイトバランスを維持するために必要な前記撮像部の撮像ゲインとの対応関係が記録された補正テーブルを記憶する補正情報記憶部を備え、
前記制御部は、前記補正情報記憶部に記憶された前記補正テーブルと、前記第1の光源の出射光量とから必要な撮像ゲインを求め、前記必要な撮像ゲインに基づいて、前記撮像部の撮像ゲインを制御することを特徴とする請求項10又は11に記載の内視鏡装置。
【請求項13】
前記基準のホワイトバランスは、前記第1の光源の出射光量を最大とした場合の前記撮像画像信号のホワイトバランスである請求項10〜12のいずれかに記載の内視鏡装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−115514(P2012−115514A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−268468(P2010−268468)
【出願日】平成22年12月1日(2010.12.1)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】