説明

内視鏡

【課題】 挿入部の先端部に配設される発熱部を安価に冷却できる内視鏡を提供すること。
【解決手段】 内視鏡12は、挿入部20の先端部に配設されている発熱部41,47を冷却する冷却機構51を有している。冷却機構51は、送気・送水チャンネル45と連通し、且つ発熱部41,47に隣接する連通路53と、送気・送水チャンネル45内の送気・送水チャンネル45の先端部45b側に配設され、流体の流量によって送気・送水チャンネル45の長手方向に沿って送気・送水チャンネル45内を移動するノズル55と、を具備している。冷却機構51は、ノズル55の移動位置によって、流体を、連通路53、または連通路53と観察窓41aとに向けて送気及び送水し、連通路53に流体を送気及び送水することで発熱部41,47を冷却する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡の挿入部の先端部に配設されている発熱部を冷却する内視鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、内視鏡は、良好な観察像を得るために、照明光を観察対象物に照明する照明ユニットを有している。照明ユニットは、挿入部の先端部に配設されている。照明ユニットは、観察対象物に照明光を照明する照明部を有している。照明部は、例えばLED(Light Emitting Diode)などの発光素子である。この照明部は、光源となる。照明部が照明光を照明する際、照明部は発熱する発熱部となる。
【0003】
そのため内視鏡は、例えば水や空気などの流体を循環させて、発熱する照明部を冷却する冷却機構を有している。
【0004】
例えば特許文献1には、挿入部の外径寸法が増大することを抑制しつつ、挿入部に設けられた光電変換素子を冷却することができる内視鏡システムが開示されている。この内視鏡システムにおいて、流体の流路を切り換える切換え弁が内視鏡の先端部に配設され、発光素子の冷却のために送気・送水チャンネルと吸引チャンネルとが利用され、流体が循環することで、冷却チャンネルを設けることなく、発光素子が冷却される。このように、流体は、発光素子を冷却する冷却媒体となる。
【0005】
また例えば特許文献2には、照明ユニットの一部である観察窓に送水する内視鏡の送水装置が開示されている。
【0006】
また例えば特許文献3には、特許文献2と同様に、照明ユニットの一部である観察窓に送水する内視鏡が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009―160075号公報
【特許文献2】特開2006−304915号公報
【特許文献3】特開平8―19512号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述した特許文献1において、流体が体腔内に送気または送水される際に、切換え弁は、流体が体腔内に送気または送水されるように、流体の流路を切り換える。そのため、流体が冷却媒体として使用されることは難しい。また、照明部の発熱を抑えるために、照明部を低発熱モードにしようとすると、照明部を制御する制御装置が必要となる。これにより内視鏡は、高価となってしまう。
【0009】
本発明は、これらの事情に鑑みてなされたものであり、挿入部の先端部に配設される発熱部を安価に冷却できる内視鏡を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は目的を達成するために、発熱部と送気送水開口部と観察窓とが先端部に配設され、前記送気送水開口部から体腔内に流体を送気及び送水する送気・送水チャンネルが前記先端部から基端部側に渡って配設されている挿入部と、前記送気・送水チャンネル内の先端部側に配設され、前記発熱部を冷却する冷却機構とを有する内視鏡であって、前記冷却機構は、前記送気・送水チャンネルと連通し、且つ前記発熱部に隣接する連通路と、前記送気・送水チャンネル内の前記送気・送水チャンネルの先端部側に配設され、前記流体の流量によって前記送気・送水チャンネルの長手方向に沿って前記送気・送水チャンネル内を移動する前記ノズルと、を具備し、前記冷却機構は、前記ノズルの移動位置によって、前記流体を、前記連通路、または前記連通路と前記観察窓とに向けて送気及び送水し、前記連通路に前記流体を送気及び送水することで前記発熱部を冷却することを特徴とする内視鏡を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、挿入部の先端部に配設される発熱部を安価に冷却できる内視鏡を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明に係る内視鏡システムの概略構成図である。
【図2A】図2Aは、図4Aに示す線2A−2Aにおける断面図であり、ノズルが送気・送水チャンネルに収容されている状態の先端硬質部の断面図である。
【図2B】図2Bは、図2Aに示す状態からノズルが送気・送水チャンネルから突出している状態の先端硬質部の断面図である。
【図3】図3は、ノズルの概略断面図である。
【図4A】図4Aは、先端硬質部の正面図である。
【図4B】図4Bは、連通路が発熱部である撮像ユニットと2つの照明ユニットとに隣接している状態の先端硬質部の正面図である。
【図5】図5は、連通路から流れる流体のみを吸引するチャンネルが配設されている状態の先端硬質部の断面図である。
【図6A】図6Aは、第2の実施形態におけるノズルの斜視図である。
【図6B】図6Bは、図6Aに示すノズルが送気・送水チャンネルに収容されている状態の先端硬質部の断面図である。
【図6C】図6Cは、図6Bに示す状態からノズルが送気・送水チャンネルから突出している状態の先端硬質部の断面図である。
【図7A】図7Aは、第3の実施形態におけるノズルの斜視図である。
【図7B】図7Bは、図7Aに示すノズルが送気・送水チャンネルに収容されている状態の先端硬質部の断面図である。
【図7C】図7Cは、図7Bに示す状態からノズルが送気・送水チャンネルから突出している状態の先端硬質部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1と図2Aと図2Bと図3と図4Aとを参照して第1の実施形態について説明する。
図1に示すように、内視鏡システム10は、例えば所望する観察対象物を撮像する内視鏡12と、内視鏡12と着脱自在に接続する画像処理装置14(例えばビデオプロセッサ)と、画像処理装置14と接続し、内視鏡12によって撮像された観察対象物を表示する表示部であるモニタ16とを有している。この観察対象物とは、被検体(例えば体腔)内における患部や病変部等である。
【0014】
内視鏡12は、被検体に挿入される中空の細長い挿入部20と、この挿入部20の基端部に配設されている操作部30とを有している。
【0015】
挿入部20は、先端部側から基端部側に向かって、先端硬質部21と、湾曲部23と、可撓管部25とを有している。先端硬質部21は基端部にて湾曲部23と連結し、湾曲部23は基端部にて可撓管部25と連結している。
【0016】
先端硬質部21は、挿入部20の先端部である。先端硬質部21を含む挿入部20の詳細な内部構成については、後述する。
【0017】
湾曲部23は、可撓管部25の内部を挿通している操作ワイヤ(図示せず)によって、操作部30の後述する湾曲操作部33と接続されている。湾曲部23は、湾曲操作部33の操作によって、例えば上下左右といった所望の方向に湾曲する。湾曲部23が湾曲することにより、先端硬質部21の位置と向きとが変わり、観察対象物が観察視野(または観察窓41a)内に捉えられ、照明光が観察対象物に照明される。
【0018】
なお湾曲部23は、図示しない複数の略円筒(環状)形状の節輪が挿入部20の長手軸方向(内視鏡12の挿入方向)に沿って並設されていることで、構成されている。隣り合う(挿入部20の長手軸方向に沿って前後に位置する)節輪は、リベットなどの枢軸(支軸部)によって回動可能に連結されている。このように節輪が互いに回動可能に連結されることで、上述したように湾曲(回動)可能な湾曲部23は形成される。なお、最も先端硬質部21側に配設されている図示しない節輪は、先端硬質部21と連結している。
【0019】
可撓管部25は、所望な可撓性を有し、操作部30から延出されている管状部材であり、外力によって曲がる。
【0020】
先端硬質部21と湾曲部23とは、図示しない外皮チューブによって被覆されている。この外皮チューブは、例えばゴムなどの樹脂材料及び弾性材料である。また外皮チューブは、先端硬質部21と湾曲部23と略同形状(例えば中空形状や円筒形状)に形成されている。なお外皮チューブは、熱可塑性エラストマー(スチレン系,オレフィン系,またはウレタン系等)の材質の弾性材料によって射出成形されてもよい。なお、熱可塑性エラストマーの成形は、射出成形に限定されず、注型、押出し、ブロー等の各種成形方法を適用してもよい。
【0021】
操作部30は、内視鏡12を把持する把持部である操作部本体31と、ユニバーサルコード39とを有している。
【0022】
操作部本体31には、湾曲部23を湾曲操作する湾曲操作部33が配設されている。湾曲操作部33は、湾曲部23を左右に湾曲操作させる左右湾曲操作ノブ33aと、湾曲部23を上下に湾曲操作させる上下湾曲操作ノブ33bと、湾曲した湾曲部23の位置を固定する固定ノブ33cとを有している。
【0023】
左右湾曲操作ノブ33aには、左右湾曲操作ノブ33aによって駆動する図示しない左右方向の湾曲操作機構が接続している。また、上下湾曲操作ノブ33bには、上下湾曲操作ノブ33bによって駆動する図示しない上下方向の湾曲操作機構が接続している。上下方向の湾曲操作機構と左右方向の湾曲操作機構とは、操作部30内に配設されている。
左右方向の湾曲操作機構は可撓管部25と湾曲部23とを挿通する図示しない操作ワイヤと接続しており、この操作ワイヤは湾曲部23と接続している。
また上下方向の湾曲操作機構は、可撓管部25と湾曲部23とを挿通する図示しない操作ワイヤと接続している。上下方向の湾曲操作機構と接続している操作ワイヤは、左右方向の湾曲操作機構と接続している操作ワイヤとは異なる。上下方向の湾曲操作機構と接続している操作ワイヤは、湾曲部23と接続している。
【0024】
左右湾曲操作ノブ33aは、左右方向の湾曲操作機構と操作ワイヤとを介して湾曲部23を左右方向に湾曲する。また上下湾曲操作ノブ33bは、上下方向の湾曲操作機構と操作ワイヤとを介して湾曲部23を上下方向に湾曲する。
【0025】
また、操作部本体31には、吸引スイッチ35aと、送気・送水スイッチ35bとを有するスイッチ部35が配設されている。スイッチ部35は、操作部本体31が術者に把持された際に、術者の手によって操作される。吸引スイッチ35aは、先端硬質部21(後述する吸引開口部43a)から後述する吸引チャンネル43を介して、粘液や流体等を内視鏡12が吸引するときに操作される。送気・送水スイッチ35bは、先端硬質部21において後述する撮像ユニット41の観察視野(観察窓41a)を確保し、照明ユニット47等の発熱部を冷却するために送気・送水チャンネル45から流体を送気・送水するときに操作される。流体は、水や気体を含む。
【0026】
また、操作部本体31には、処置具挿入部37が配設されている。処置具挿入部37には、処置具挿入口37aが配設されている。処置具挿入口37aには、挿入部20内において可撓管部25から先端硬質部21に渡って配設されている図示しない処置具挿通チャンネルの基端部が連結している。処置具挿入口37aは、図示しない内視鏡用処置具を処置具挿通チャンネルに挿入するための挿入口である。図示しない内視鏡用処置具は、処置具挿入口37aから処置具挿通チャンネル内に挿入される。図示しない内視鏡用処置具は、先端硬質部21側まで押し込まれた後、先端硬質部21に配設されている処置具挿通チャンネルの図示しない先端開口部から突出される。
【0027】
ユニバーサルコード39は、操作部本体31の側面から延出されている。ユニバーサルコード39は、画像処理装置14に着脱可能なコネクタ39aを端部に有している。
【0028】
次に本実施形態の先端硬質部21を含む挿入部20の内部構成について図2Aと図2Bとを参照して詳細に説明する。
挿入部20には、上述した図示しない処置具挿通チャンネルが先端硬質部21から可撓管部25に渡って配設されている。処置具挿通チャンネルの図示しない先端開口部は、先端硬質部21に配設されている。
【0029】
また挿入部20には、図示しない体腔内を撮影する撮像ユニット41の図示しない各種ケーブルと、照明ユニット47の図示しない各種ケーブルとが先端硬質部21から操作部30を介してユニバーサルコード39に渡って配設されている。
図2Aに示すように、撮像ユニット41は、挿入部20の先端部である先端硬質部21に配設されている。撮像ユニット41は、体腔内を撮像する際に、発熱する発熱部となる。また図2Aに示すように、照明ユニット47は、挿入部20の先端部である先端硬質部21に配設されている。照明ユニット47は、観察対象物に照明光を照明する照明部47aを有している。照明部47aは、例えばLEDなどの発光素子である。照明部47aが照明光を照明する際、照明部47aを含む照明ユニット47は発熱する発熱部となる。
【0030】
図2Aと図4Aとに示すように撮像ユニット41における観察窓41aと、照明部47aにおける照明窓47bとは、先端硬質部21の端面21aに配設されており、つまり同じ平面上に配設されている。
【0031】
また図2Aに示すように、挿入部20には、吸引チャンネル43と送気・送水チャンネル45とが挿入部20の先端部である先端硬質部21から挿入部20の基端部側である操作部30に渡って配設されている。
【0032】
吸引チャンネル43は、送気・送水チャンネル45から送気及び送水される流体や体腔内の粘液等を先端硬質部21側から吸引する。そのため吸引チャンネル43は、先端硬質部21に吸引開口部43aを有している。また吸引チャンネル43は、流体が送気・送水チャンネル45から後述する連通路53を介して送気及び送水するように、負圧に保持されている。
【0033】
送気・送水チャンネル45は、撮像ユニット41の観察視野を確保し、発熱部である例えば照明ユニット47(照明部47a)を冷却するために、図4Aに示すように流体を観察窓41aに送気及び送水し、図2Aと図2Bとに示すように照明ユニット47(連通路53)に送気及び送水する。なお送気・送水チャンネル45は、観察視野を確保するために、撮像ユニット41の観察窓41aに付着した体腔内の粘液などに流体を送気及び送水し、粘液などを流体によって除去する。送気・送水チャンネル45は、図4Aに示すように流体を観察窓41aに送気及び送水するために、先端硬質部21の端面21aに送気送水開口部45aを有している。
【0034】
このように挿入部20の先端部(先端硬質部21)には、発熱部(撮像ユニット41と照明ユニット47)と送気送水開口部45aと観察窓41aとが配設されている。また挿入部20には、送気送水開口部45aから体腔内に流体を送気及び送水する送気・送水チャンネル45が挿入部20の先端部から挿入部20の基端部側に渡って配設されている。
【0035】
また図2Aと図2Bとに示すように、内視鏡12は、発熱部である例えば照明ユニット47(照明部47a)を冷却する冷却機構51を有している。冷却機構51は、送気・送水チャンネル45内の先端部45b側に配設されている。
【0036】
この冷却機構51は、送気・送水チャンネル45と吸引チャンネル43とに連通し、且つ照明ユニット47(照明部47a、発熱部)に隣接する連通路53と、送気・送水チャンネル45内の先端部45b側に配設され、流体の流量によって送気・送水チャンネル45の長手方向に沿って送気・送水チャンネル45内を移動し、移動位置によって流体の送気及び送水方向を、図2Aに示すように連通路53、または図2Bに示すように連通路53と図4Aとに示すように送気送水開口部45aを介した観察窓41aとに切り換えるノズル55とを有している。ノズル55の構成については、後述する。
【0037】
冷却機構51は、ノズル55の移動位置によって、流体を、連通路53、または連通路53と観察窓41aとに向けて送気及び送水する。そして冷却機構51は、発熱部である例えば照明ユニット47に隣接する連通路53に流体を送気及び送水することで照明ユニット47を冷却する。
【0038】
また図2Aと図2Bとに示すように、冷却機構51は、流体の流量に応じてノズル55の移動を規制する規制機構59をさらに有している。規制機構59は、送気・送水チャンネル45の内部に配設され、ノズル55を送気・送水チャンネル45に沿って送気・送水チャンネル45の基端部45c側に付勢する例えばばねである付勢部材61と、送気・送水チャンネル45の基端部45c側に配設され、ノズル55が付勢部材61によって送気・送水チャンネル45の基端部45c側に付勢された際に、ノズル55が送気・送水チャンネル45の基端部45c側に付勢されすぎずに送気・送水チャンネル45に収容され、図2Aに示すようにノズル55の先端部55a側(後述する先端部側側面開口部551a)が連通路53に隣接するようにノズル55の移動を規制する基端部側規制部63と、送気・送水チャンネル45の先端部45b側に配設され、ノズル55が送気送水開口部45aから抜き出ることを防止し、ノズル55の先端部55a側が送気送水開口部45aから突出し、ノズル55の基端部55b側(基端部側側面開口部551b)が連通路53に隣接するようにノズル55の移動を規制する先端部側規制部65とを有している。
【0039】
連通路53は、照明ユニット47に隣接するために、挿入部20の先端部、つまり先端硬質部21に配設されている。
また送気・送水チャンネル45は、連通路53と連通するための連通口45dを有している。吸引チャンネル43も連通路53と連通するための連通口43dを有している。
【0040】
次にノズル55の構成について説明する。
図3に示すように、ノズル55は、中空の略円筒形状を有しており、ノズル55の基端部55bは、フランジとなっている。
【0041】
図3に示すように、ノズル55は、先端部55a側の側面55cと、基端部55b側の側面55cと、底面部55d全体とに開口部を有している。
より詳細には、ノズル55は、図2Aと図2Bと図3とに示すように、ノズル55の先端部55a側の側面55cの一部に配設されている先端部側側面開口部551aと、ノズル55の基端部55b側の側面55cの一部に配設されている基端部側側面開口部551bと、ノズル55の基端部55b側の底面部55d全体に配設されている基端部側開口部551cとを有している。先端部側側面開口部551aと基端部側側面開口部551bと基端部側開口部551cとは、ノズル55の内部55kと連通している。
【0042】
先端部側側面開口部551aは、図2Aに示すようにノズル55の先端部55a側が連通路53に隣接する位置に移動した際に連通口45dと連通路53とに連通し、図2Bに示すようにノズル55の先端部55a側が送気送水開口部45aから突出した際に送気送水開口部45aから突出する。なお先端部側側面開口部551aは送気送水開口部45aから突出した際、図4Aに示すように観察窓41aに向けて流体を送気及び送水する。
【0043】
基端部側側面開口部551bは、図2Aに示すようにノズル55の先端部55a側が連通路53に隣接する位置に移動した際に送気・送水チャンネル45の内周面45eに対向し、図2Bに示すようにノズル55の先端部55a側が送気送水開口部45aから突出した際に連通口45dと連通路53とに連通する。
【0044】
このように、先端部側側面開口部551aは連通路53または観察窓41aに流体を送気及び送水し、基端部側側面開口部551bは連通路53にのみ流体を送気及び送水する。先端部側側面開口部551aと基端部側側面開口部551bとは、ノズル55の高さ方向において、同一直線上に配設されている。
【0045】
また図2Aと図2Bとに示すように、基端部側開口部551cは、送気・送水チャンネル45と連通しており、流体が送気・送水チャンネル45からノズル55に流入するための流入口となっている。
【0046】
またノズル55は、ノズル55の先端部55a側が送気送水開口部45aから突出した際に、送気・送水チャンネル45から基端部側開口部551cを介してノズル55(内部55k)に送気及び送水された流体の一部を、基端部側側面開口部551bと連通口45dとを介して連通路53に誘導(促進)する誘導壁55gを有している。誘導壁55gは、基端部側側面開口部551bの上端側の縁に配設されており、ノズル55の内部55kに配設されている。
【0047】
なおノズル55の先端部55a側が連通路53に隣接する位置とは、図2Aに示すように、体腔内が撮像ユニット41によって観察される場合におけるノズル55の配設位置である。
このときの流体の流量は、付勢部材61の付勢力と略同等または付勢部材61の付勢力よりも小さく、付勢部材61が伸びる。そのためノズル55は、付勢部材61によって送気・送水チャンネル45の基端部45c側に向かって付勢され、送気送水開口部45aから突出しない。
【0048】
またこのとき、ノズル55は基端部側規制部63によって移動を規制され、先端部側側面開口部551aは、上述したように連通口45dと連通路53とに連通する。
【0049】
またこのとき、ノズル55は、送気送水開口部45aから所望な距離だけ送気・送水チャンネル45の基端部45c側に配置され、送気・送水チャンネル45に収容される。
そしてノズル55の先端部55aは、結果的に先端硬質部21の端面21aよりも送気・送水チャンネル45の基端部45c側に配置されていることとなる。これにより、撮像ユニット41の観察視野が確保されることとなる。
【0050】
このように体腔内が撮像ユニット41によって観察され、流体の流量が付勢部材61の付勢力と略同等または付勢部材61の付勢力よりも小さい場合、ノズル55の先端部55a側が連通路53に隣接する位置に移動しており、先端部側側面開口部551aは連通路53と連通口45dとに連通する。そのため、ノズル55は、流体を送気・送水チャンネル45から基端部側開口部551cと内部55kと先端部側側面開口部551aと連通口45dとを介して連通路53に送気及び送水する。
【0051】
そして冷却機構51は、体腔内が観察される場合、送気・送水チャンネル45の基端部45c側に位置するノズル55において、流体を送気・送水チャンネル45から基端部側開口部551cと内部55kと先端部側側面開口部551aと連通口45dとを介して連通路53に送気及び送水することで、連通路53に隣接する照明ユニット47を冷却する。このとき、連通路53を送気及び送水する流体は、連通路53に隣接する照明ユニット47を冷却する冷却媒体となる。なお冷却機構51は、流体を連通路53から連通口43dを介して吸引チャンネル43に送気及び送水する。なお吸引チャンネル43は負圧の状態であるために、流体は連通路53から吸引チャンネル43に送気及び送水される。
【0052】
また図2Bに示すような、ノズル55の先端部55a側(先端部側側面開口部551a)が送気送水開口部45aから突出する際、図4Aに示すように流体が送気送水開口部45aを介して観察窓41aに送気及び送気される。
このときの流体の流量は体腔内が撮像ユニット41によって観察されるときの流量よりも多く、流体の流量は付勢部材61の付勢力よりも大きく、付勢部材61は流体の流量によって縮む。そのため、ノズル55は、ノズル55の上面部55eに接触する流体によって、送気・送水チャンネル45の先端部45b側に向かって移動し、ノズル55の先端部55a側が送気送水開口部45aから突出する。またこのとき、ノズル55は、先端部側規制部65によって送気・送水チャンネル45の先端部45b(送気送水開口部45a)からの抜けを防止されている。
【0053】
またこのとき、先端部側側面開口部551aは送気送水開口部45aから突出し、基端部側側面開口部551bは連通口45dと連通路53とに連通する。
【0054】
図4Aに示すように流体が送気送水開口部45aを介して観察窓41aに送気及び送気され、流体の流量が付勢部材61の付勢力よりも大きい場合、ノズル55は流体の流量によって送気・送水チャンネル45の先端部45b側に移動し、先端部側側面開口部551aが送気送水開口部45aから突出し、基端部側側面開口部551bが連通路53と連通口45dとに隣接する。そのため、ノズル55は、送気・送水チャンネル45から基端部側開口部551cを介して内部55kに送気送水された流体を、誘導壁55gによって、基端部側側面開口部551bと連通口45dとを介して連通路53に送気及び送水する。このとき、連通路53を送気及び送水する流体は、連通路53に隣接する照明ユニット47を冷却する冷却媒体となる。またノズル55は、基端部側開口部551cを介して内部55kに送気送水された流体を、連通路53に送気及び送水すると同時に、先端部側側面開口部551aと送気送水開口部45aとを介して観察窓41aに送気及び送水する。
【0055】
そして冷却機構51は、流体が送気送水開口部45aを介して観察窓41aに送気及び送水される際、送気・送水チャンネル45の先端部45b側に位置するノズル55において、流体を誘導壁55gによって基端部側側面開口部551bと連通口45dとを介して連通路53に送気及び送水することで、連通路53に隣接する照明ユニット47を冷却し、同時に、流体を先端部側側面開口部551aと送気送水開口部45aとを介して観察窓41aに送気及び送水する。なお冷却機構51は、流体を連通路53から連通口43dを介して吸引チャンネル43に送気及び送水する。なお吸引チャンネル43は負圧の状態であるために、流体は連通路53から吸引チャンネル43に送気及び送水される。
【0056】
図2Aに示すように、付勢部材61は、連通口45dの縁近傍とフランジとなっている基端部55bとの間に配設されている。より詳細には、付勢部材61の一端61aは、連通口45dの縁近傍に固定されており、他端61bは基端部側側面開口部551bよりも基端部55b側のノズル55の外周面55hに配置されている。図2Aに示すように、付勢部材61は、伸びることで、他端61bを介してノズル55を送気・送水チャンネル45に沿って送気・送水チャンネル45の基端部45c側に付勢する。
【0057】
基端部側規制部63は、送気・送水チャンネル45の基端部45c側の内周面45eに形成されている。より詳細には、基端部側規制部63は、図2Aに示すように、ノズル55が送気・送水チャンネル45の基端部45c側に移動した際に、ノズル55の基端部55b(フランジ)が引っかかる(当接する)段差である。つまり、送気・送水チャンネル45の先端部45b側は基端部45c側よりも拡径しており、先端部45b側と基端部45c側との間に段差が形成されている。この段差が基端部側規制部63となる。なお基端部側規制部63は、内周面45eに形成されている突起部であってもよい。
【0058】
先端部側規制部65は、送気・送水チャンネル45の先端部45b側に配設されており、送気・送水チャンネル45の内周面45eに形成されており、ノズル55が送気・送水チャンネル45の先端部45b側に移動した際に、ノズル55の基端部55b(フランジ)が引っかかる突起部である。
【0059】
ノズル55は、ノズル55の上面部55eに接触する流体によって、送気・送水チャンネル45の先端部45b側に向かって移動する。ノズル55は、通常、付勢部材61の付勢力によって、送気・送水チャンネル45の基端部45c側に向かって付勢され、送気・送水チャンネル45に収容されている。
【0060】
次に本実施形態の動作方法について説明する。
体腔内が撮像ユニット41によって観察される場合について説明する。
挿入部20は体腔内に挿入され、照明ユニット47は照明光を体腔内に向けて照射する。このとき、照明ユニット47は、発熱する。
【0061】
送気・送水スイッチ35bが操作され、図示しない送気送水装置は、流体の流量が付勢部材61の付勢力と略同等または付勢部材61の付勢力よりも小さくなるように、流体を送気・送水チャンネル45を通じて供給する。
【0062】
そのため図2Aに示すように、ノズル55は、付勢部材61の付勢力によって、送気送水開口部45aから突出しない。
【0063】
またこのとき、先端部側側面開口部551aは上述したように連通口45dと連通路53とに連通し、基端部側側面開口部551bは送気・送水チャンネル45の内周面45eに対向し、基端部55bは基端部側規制部63に当接するように、ノズル55は基端部側規制部63によって移動を規制される。
【0064】
そしてノズル55の先端部55aは、結果的に先端硬質部21の端面21aよりも送気・送水チャンネル45の基端部45c側に配置されていることとなる。これにより、撮像ユニット41の観察視野が確保されることとなる。
【0065】
冷却機構51は、送気・送水チャンネル45から、ノズル55の基端部側開口部551cと内部55kと先端部側側面開口部551aと、連通口45dとを介して連通路53に、流体を送気及び送水する。このように冷却機構51は、流体の流量の応じたノズル55の移動位置によって、流体の送気及び送水方向を、連通路53に切り換えている。
冷却機構51は、連通路53における冷却媒体である流体によって、連通路53に隣接する照明ユニット47を冷却する。そして冷却機構51は、連通路53から連通口43dを介して負圧に保持されている吸引チャンネル43に流体を送気及び送水する。なお吸引スイッチ35aが操作され、吸引チャンネル43は流体を連通路53から連通口43dを介して吸引してもよい。
【0066】
そして撮像ユニット41は、撮像ユニット41の観察視野が確保された状態で、体腔内を撮影し、照明ユニット47は、冷却された状態で、照明光を体腔内に向けて照射する。
【0067】
次に、流体が送気送水開口部45aを介して観察窓41aに送気及び送気される場合について説明する。
上述したように、挿入部20は体腔内に挿入され、照明ユニット47は照明光を体腔内に向けて照射する。このとき、照明ユニット47は、発熱する。
【0068】
送気・送水スイッチ35bが操作され、図示しない送気送水装置は、流体の流量が付勢部材61の付勢力よりも大きくなるように、流体を送気・送水チャンネル45を通じて供給する。
【0069】
これにより図2Bに示すように、付勢部材61は縮み、ノズル55は、ノズル55の上面部55eに接触する流体によって、送気・送水チャンネル45の先端部45b側に向かって移動し、ノズル55の先端部55a側が送気送水開口部45aから突出する。なおノズル55は、先端部側規制部65によって送気・送水チャンネル45(送気送水開口部45a)からの抜けを防止される。
【0070】
そしてノズル55の先端部55a側は送気送水開口部45aから突出し、ノズル55の基端部55b側が連通口45dと連通路53とに隣接する。このとき先端部側側面開口部551aは送気送水開口部45aから突出し、基端部側側面開口部551bは連通口45dと連通路53に連通する。
【0071】
冷却機構51は、送気・送水チャンネル45から基端部側開口部551cを介して内部55kに送気送水された流体を、誘導壁55gによって、内部55kから基端部側側面開口部551bと連通口45dとを介して連通路53に送気及び送水する。冷却機構51は、連通路53における冷却媒体である流体によって、連通路53に隣接する照明ユニット47を冷却する。そして冷却機構51は、連通路53から連通口43dを介して負圧に保持されている吸引チャンネル43に流体を送気及び送水する。なお吸引スイッチ35aが操作され、吸引チャンネル43は流体を連通路53から連通口43dを介して吸引してもよい。
また冷却機構51は、照明ユニット47を冷却する(基端部側開口部551cに送気送水された流体を、内部55kと連通口45dとを介して連通路53に送気及び送水する)と同時に、先端部側側面開口部551aと送気送水開口部45aとを介して観察窓41aに送気及び送水する。これにより、観察窓41aに付着した粘液などが流体によって除去される。これにより冷却機構51は、観察視野を確保する。
【0072】
このように冷却機構51は、ノズル55の先端部55a側が送気送水開口部45aから突出し、ノズル55の基端部55b側が連通路53と連通口45dとに隣接するノズル55によって、流体の送気及び送水方向を、連通路53と送気送水開口部45aとに切り換えている。
【0073】
このように本実施形態では、流体が送気及び送水される連通路53を、送気・送水チャンネル45と連通させ、且つ発熱部である照明ユニット47(照明部47a)に隣接させている。また本実施形態では、ノズル55を、流体の流量によって移動でき、移動位置によって流体の送気及び送水方向を、連通路53、または連通路53と送気送水開口部45aとに切り換える。
これにより本実施形態では、挿入部20の先端部に配設される発熱部を安価に冷却することができる。
【0074】
また本実施形態では、先端部側側面開口部551aと基端部側側面開口部551bとによって、図2Aに示すように体腔内が撮像ユニット41によって観察される場合であっても、図2Bと図4Aとに示すように流体が送気送水開口部45aを介して観察窓41aに送気及び送気される場合であっても、ノズル55によって連通路53に流体を送気及び送水することができるために、容易に照明ユニット47を冷却することができる。
またこれにより本実施形態では、流体の流路を切り換える切換え弁を不要にでき、流体を冷却媒体として容易に使用できる。また本実施形態では、照明部47aの発熱を抑えるために、照明部47aを低発熱モードにする必要がなく、照明部47aを制御する制御装置が不要となり、内視鏡12を安価にすることができる。
また本実施形態では、上述したように切換え弁を不要にでき、切り換えのための流路を不要にでき、連通路53を配設するのみなので、内視鏡12の先端部(挿入部20の先端部)の構造を簡易にすることができる。
また本実施形態では、内視鏡12の先端部(挿入部20の先端部)の構造を簡易にすることができるため、先端部を細径にすることができる。
【0075】
また本実施形態では、図2Bに示すように、誘導壁55gによって流体をスムーズに基端部側側面開口部551bを介して連通路53に送気及び送水することができる。
【0076】
また本実施形態では、図2Bと図4Aとに示すように、流体が送気送水開口部45aを介して観察窓41aに送気及び送気される場合であっても、ノズル55の基端部側側面開口部551bによって、流体を連通路53に送気及び送水することができ、照明ユニット47を冷却することができる。
【0077】
また本実施形態では、図2Aに示すように、体腔内が撮像ユニット41によって観察される場合、ノズル55の先端部55aを、先端硬質部21の端面21aよりも送気・送水チャンネル45の基端部45c側に配置することができる。これにより本実施形態では、撮像ユニット41の観察視野を確保することができる。
【0078】
また本実施形態では、図2Aに示すように、付勢部材61によって、ノズル55を送気・送水チャンネル45の基端部45c側に向かって付勢でき送気・送水チャンネル45に収容できるために、撮像ユニット41の観察視野を容易に確保できる。また本実施形態では、付勢部材61と基端部側規制部63とによって、先端部側側面開口部551aを連通口45dと連通路53とに容易に連通させることができる。
また本実施形態では、図2Bに示すように、先端部側規制部65によって、流体の流量が多くても、ノズル55が送気送水開口部45aから抜き出ることを防止することができる。
【0079】
また本実施形態では、図2Bに示すように、流体が送気送水開口部45aを介して観察窓41aに送気及び送気される場合における流体の流量を、図2Aに示すように体腔内が撮像ユニット41によって観察される場合における流体の流量よりも多くしている。これにより本実施形態では、図2Bと図4Aとに示すように、流体が送気送水開口部45aを介して観察窓41aに送気及び送気される場合、上面部55e側にも流体を送気及び送水でき、上面部55eに接触する流体によってノズル55を送気・送水チャンネル45の先端部45b側に向かって移動できる。さらに本実施形態では、先端部側側面開口部551aを送気送水開口部45aから突出でき、基端部側側面開口部551bを連通路53と連通口45dとに連通でき、連通路53と送気送水開口部45aとに送気及び送水する流体の流量を十分確保することができる。
【0080】
なお本実施形態では、基端部側規制部63と先端部側規制部65とを配設したが必ずしも配設する必要はない。本実施形態では、付勢部材61の一端61aを連通口45dの縁近傍に固定している。そのため本実施形態では、付勢部材61を、図2Bに示すように、付勢部材61が流体の流量によって縮むことで、先端部側規制部65のように機能する抜出防止部となり、伸びることで基端部側規制部63のように機能することとなる。
【0081】
なお本実施形態では、照明ユニット47は1つのみ配設されているが、図4Bに示すように、照明ユニット47が複数配設されている場合、連通路53はこれら照明ユニット47に隣接するように配設されていればよい。
【0082】
また本実施形態では、照明ユニット47を冷却しているが、これに限定する必要はなく、発熱部を冷却すればよく、そのため、発熱部である例えば撮像ユニット41を冷却してもよい。この場合、図4Bに示すように、連通路53を照明ユニット47と同様に、撮像ユニット41に隣接させればよい。
【0083】
また本実施形態では、流体を連通路53から吸引チャンネル43に送気及び送水させているが、これに限定する必要はなく、図5に示すように、この流体のみを吸引するチャンネル71を配設してもよい。
【0084】
次に本発明に関わる第2の実施形態について図6Aと図6Bと図6Cとを参照して説明する。なお図6Bは、体腔内が撮像ユニット41によって観察される場合における先端部55aの配設位置を示す図である。また図6Cは、流体が送気送水開口部45aを介して観察窓41aに送気及び送気される場合における先端部55aの配設位置を示す図である。
【0085】
図6Aに示すように、本実施形態のノズル55は、例えば中空の略円筒形状を有している。
ノズル55は、ノズル55の先端部55a側の側面55cの一部に配設されている先端部側側面開口部551aと、ノズル55の底面部55dの一部に配設されている底面開口部551dとを有している。先端部側側面開口部551aと底面開口部551dとは、ノズル55の内部55kと連通している。
【0086】
先端部側側面開口部551aは、図6Bに示すようにノズル55の先端部55a側が連通路53に隣接する位置に移動した際に連通口45dと連通路53とに連通し、図6Cに示すようにノズル55の先端部55a側が送気送水開口部45aから突出した際に送気送水開口部45aから突出する。なお先端部側側面開口部551aは送気送水開口部45aから突出した際、図4Aに示すように観察窓41aに向けて流体を送気及び送水する。
【0087】
底面開口部551dは、図6Bに示すようにノズル55の先端部55a側が連通路53に隣接する位置に移動した際に基端部側規制部63と同一平面に配置され、図6Cに示すようにノズル55の先端部55a側が送気送水開口部45aから突出した際に連通路53の上端53aと同一平面に配置される。底面開口部551dは、送気・送水チャンネル45と連通しており、流体が送気・送水チャンネル45からノズル55に流入するための流入口である。底面開口部551dは、底面部55dよりも小さい。
【0088】
底面部55dは、本実施形態では、図6Bに示すように基端部側規制部63と当接し、基端部側規制部63によってノズル55の移動を規制される規制面となる。また底面部55dは、図6Cに示すようにノズル55の先端部55a側が送気送水開口部45aから突出した際において、連通路53の上端53aと同一平面に配設され、送気・送水チャンネル45から前記ノズル側に流れる流体の一部を連通口45dを介して連通路53に誘導(促進)する誘導壁55gとして機能する(誘導壁55gを兼ねる)。
【0089】
また本実施形態の規制機構59は、図6Bと図6Cとに示すように、例えば送気送水開口部45aの縁45iに固定され、送気送水開口部45aを覆うようにL字形状に折れ曲がっているカバー73を有している。
【0090】
図6Bに示すように付勢部材61の一端61aは送気送水開口部45aに対向するカバー73の端面73aに固定されており、他端61bはノズル55の上面部55eに固定されている。付勢部材61は、ノズル55を送気・送水チャンネル45に沿って送気・送水チャンネル45の基端部45c側に付勢する。また付勢部材61は、流体の流量によって縮むことで、図6Cに示すようにノズル55が送気送水開口部45aから抜き出ることを防止する抜出防止部となる。また付勢部材61は、流体の流量によって縮むことで、図6Cに示すように、ノズル55の先端部55a側(先端部側側面開口部551a)が送気送水開口部45aから突出し、ノズル55の基端部55b側が連通路53に隣接するようにノズル55の移動を規制する。このとき付勢部材61は、底面部55dが上端53aと同一平面となるように、ノズル55の移動を規制する。このように付勢部材は、先端部側規制部65として機能する。
【0091】
本実施形態の基端部側規制部63は、ノズル55が付勢部材61によって送気・送水チャンネル45の基端部45c側に付勢された際に、底面部55dが基端部側規制部63に当接することで、ノズル55が送気・送水チャンネル45の基端部45c側に付勢されすぎずに送気・送水チャンネル45に収容され、ノズル55の先端部55a側が連通路53に隣接するように、ノズル55の移動を規制する。
【0092】
次に本実施形態の動作方法について説明する。第1の実施形態と同様の箇所は、説明を省略する。
体腔内が撮像ユニット41によって観察される場合について説明する。
送気・送水スイッチ35bが操作され、図示しない送気送水装置は、流体の流量が伸縮部59cの引っ張り力と略同等または伸縮部59cの引っ張り力よりも小さくなるように、流体を送気・送水チャンネル45を通じて供給する。
【0093】
そのため図6Bに示すように、ノズル55は、付勢部材61の付勢力によって、送気送水開口部45aから突出しない。
【0094】
またこのとき、先端部側側面開口部551aは上述したように連通口45dと連通路53とに連通し、底面開口部551dは基端部側規制部63と同一平面に配置されるように、ノズル55は、付勢部材61によって基端部45c側に付勢され、基端部側規制部63によって移動を規制される。
【0095】
そしてノズル55の先端部55aは、結果的に先端硬質部21の端面21aよりも送気・送水チャンネル45の基端部45c側に配置されていることとなる。これにより、撮像ユニット41の観察視野が確保されることとなる。
【0096】
冷却機構51は、送気・送水チャンネル45から、ノズル55の底面開口部551dと内部55kと、連通口45dとを介して連通路53に流体を送気及び送水する。このように冷却機構51は、流体の流量の応じたノズル55の移動位置によって、流体の送気及び送水方向を、連通路53に切り換えている。
冷却機構51は、連通路53における冷却媒体である流体によって、連通路53に隣接する照明ユニット47を冷却する。そして冷却機構51は、連通路53から連通口43dを介して負圧に保持されている吸引チャンネル43に流体を送気及び送水する。なお吸引スイッチ35aが操作され、吸引チャンネル43は流体を連通路53から連通口43dを介して吸引してもよい。
【0097】
そして撮像ユニット41は、撮像ユニット41の観察視野が確保された状態で、体腔内を撮影し、照明ユニット47は、冷却された状態で、照明光を体腔内に向けて照射する。
【0098】
次に、流体が送気送水開口部45aを介して観察窓41aに送気及び送気される場合について説明する。
第1の実施形態と同様に、付勢部材61の付勢力よりも大きい流量を有する流体が送気及び送水され、この流体が、底面部55dと上面部55eとに接触すると、図6Cに示すように、付勢部材61は縮み、ノズルは、送気・送水チャンネル45の先端部45b側に向かって移動する。なおノズル55は、付勢部材61によって送気・送水チャンネル45(送気送水開口部45a)からの抜けを防止される。
【0099】
そしてノズル55の先端部55a側は送気送水開口部45aから突出し、ノズル55の基端部55b側が連通口45dと連通路53とに隣接する。このとき先端部側側面開口部551aは送気送水開口部45aから突出し、底面部55dは連通路53の上端53aと同一平面に配設される。
【0100】
冷却機構51は、送気・送水チャンネル45から底面部55dに送気送水された流体を、誘導壁55gを兼ねる底面部55dによって、連通口45dを介して連通路53に送気及び送水する。冷却機構51は、連通路53における冷却媒体である流体によって、連通路53に隣接する照明ユニット47を冷却する。そして冷却機構51は、連通路53から連通口43dを介して負圧に保持されている吸引チャンネル43に流体を送気及び送水する。なお吸引スイッチ35aが操作され、吸引チャンネル43は流体を連通路53から連通口を介して吸引してもよい。
また冷却機構51は、照明ユニット47を冷却する(基端部側開口部551cに送気送水された流体を、内部55kと連通口45dとを介して連通路53に送気及び送水する)と同時に、内部55kと先端部側側面開口部551aと送気送水開口部45aとを介して観察窓41aに送気及び送水する。これにより、観察窓41aに付着した粘液などが流体によって除去される。これにより冷却機構51は、観察視野を確保する。
【0101】
このように冷却機構51は、ノズル55の先端部55a側が送気送水開口部45aから突出し、ノズル55の基端部55b側が連通路53と連通口45dとに隣接するノズル55によって、流体の送気及び送水方向を、連通路53と送気送水開口部45aとに切り換えている。
【0102】
本実施形態では、図6Cに示すように、流体を観察窓41aに送気及び送気する場合、誘導壁55gとして機能する底面部55dによって、連通路53に送気及び送水する流体をより所望の量だけ容易に誘導することができる。
【0103】
また本実施形態では、ノズル55を先端部45b側に移動させる際に、流体がノズル55を押圧する面積を、底面部55dによって第1の実施形態よりも多く確保することができ、第1の実施形態よりも少ない流量で容易にノズル55を先端部45b側に移動させることができる。
【0104】
また本実施形態では、ノズル55の形状を簡素にすることができる。
次に本発明に関わる第3の実施形態について図7Aと図7Bと図7Cとを参照して説明する。
【0105】
本実施形態のノズル55は、図7Aに示すように第1の実施形態におけるノズル55と略同様である。なお誘導壁55gは、基端部側側面開口部551bの上端5511b側にて、ノズル55の内部55kを覆うようにノズル55の内周面55lに沿って配設され、漏斗形状を有している。つまり誘導壁55gは、先端部側側面開口部551aに向かって先細となるようなテーパ形状を有している。誘導壁55gは、先端部に開口部551gを有している。そのためノズル55は、ノズル55の上面部55eと誘導壁55gとに接触する流体によって、送気・送水チャンネル45の先端部45b側に向かって移動する。
【0106】
また本実施形態のノズル55は、規制機構59と一体となっている。
本実施形態の規制機構59は、内周面45eに固定されて、送気・送水チャンネル45内に配置される固定部59aと、固定部59aと基端部55bとに固定され、流体の流量に応じて伸縮することで、ノズル55の移動を規制する蛇腹形状の伸縮部59cとを有している。固定部59aと伸縮部59cとは、略円筒形状を有し、それぞれの内部に流体が送気及び送水されるようになっている。
【0107】
固定部59aは、内周面45eに形成されている凹部45fに嵌め込まれている。
【0108】
伸縮部59cは、通常、ノズル55を送気・送水チャンネル45の基端部45c側に向かって引っ張る引っ張り力を有しており、図7Bに示すように体腔内が撮像ユニット41によって観察される場合に縮むこととなる。このときの流体の流量は伸縮部59cの引っ張り力と略同等または伸縮部59cの引っ張り力よりも小さいため、伸縮部59cは縮む。その際、伸縮部59cは、図7Bに示すようにノズル55の先端部55a側が連通路53に隣接する位置に移動し、移動した際に先端部側側面開口部551aが連通口45dと連通路53とに連通するように縮む。
【0109】
そのためノズル55は、伸縮部59cによって送気・送水チャンネル45の基端部45c側に向かって引っ張られ、送気送水開口部45aから突出しない。またこのとき、ノズル55は、送気送水開口部45aから所望な距離だけ送気・送水チャンネル45の基端部45c側に配置され、送気・送水チャンネル45に収容される。
【0110】
このように体腔内が撮像ユニット41によって観察され、流体の流量が伸縮部59cの引っ張り力と略同等または伸縮部59cの引っ張り力よりも小さい場合、ノズル55の先端部55a側が連通路53に隣接する位置に移動しており、先端部側側面開口部551aは連通路53と連通口45dとに連通する。そのため、ノズル55は、流体を送気・送水チャンネル45から基端部側開口部551cと内部55kと先端部側側面開口部551aと連通口45dとを介して連通路53に送気及び送水する。
【0111】
そして冷却機構51は、体腔内が観察される場合、送気・送水チャンネル45の基端部45c側に位置するノズル55において、流体を送気・送水チャンネル45からノズル55の基端部側開口部551cと内部55kと先端部側側面開口部551aと連通口45dとを介して連通路53に送気及び送水することで、連通路53に隣接する照明ユニット47を冷却する。
【0112】
体腔内が撮像ユニット41によって観察されるときの流量よりも、流体の流量が多く、流体の流量が伸縮部59cの引っ張り力よりも大きいと、伸縮部59cは流体の流量によって伸びる。このとき伸縮部59cは、図7Cに示すようにノズル55の先端部55a側が送気送水開口部45aから突出し、突出した際に先端部側側面開口部551aが送気送水開口部45aから突出し、ノズル55の基端部55b側が連通口45dと連通路53に連通し、連通した際に基端部側側面開口部551bが連通口45dと連通路53とに連通するように伸びる。
【0113】
そのため、ノズル55は、流体の流量によって送気・送水チャンネル45の先端部45b側に向かって移動し、ノズル55の先端部55a側が送気送水開口部45aから突出する。またこのとき、ノズル55は、固定部59aによって送気・送水チャンネル45の先端部45b(送気送水開口部45a)からの抜けを防止されている。
【0114】
またこのとき、先端部側側面開口部551aは送気送水開口部45aから突出し、基端部側側面開口部551bは連通口45dと連通路53とに連通する。
【0115】
このように図7Cに示すように流体が送気送水開口部45aを介して観察窓41aに送気及び送気され、流体の流量が伸縮部59cの引っ張り力よりも大きい場合、ノズル55は流体の流量によって送気・送水チャンネル45の先端部45b側に移動し、先端部側側面開口部551aが送気送水開口部45aから突出し、基端部側側面開口部551bが連通路53と連通口45dとに隣接する。そのため、ノズル55は、送気・送水チャンネル45から基端部側開口部551cを介して内部55kに送気送水された流体を、誘導壁55gによって、基端部側側面開口部551bと連通口45dとを介して連通路53に送気及び送水する。このとき、連通路53を送気及び送水する流体は、連通路53に隣接する照明ユニット47を冷却する冷却媒体となる。またノズル55は、基端部側開口部551cを介して内部55kに送気送水された流体を、連通路53に送気及び送水すると同時に、先端部側側面開口部551aと送気送水開口部45aとを介して観察窓41aに送気及び送水する。
【0116】
そして冷却機構51は、流体が送気送水開口部45aを介して観察窓41aに送気及び送水される際、送気・送水チャンネル45の先端部45b側に位置するノズル55において、流体を誘導壁55gによって基端部側側面開口部551bと連通口45dとを介して連通路53に送気及び送水することで、連通路53に隣接する照明ユニット47を冷却し、同時に、流体を先端部側側面開口部551aと送気送水開口部45aとを介して観察窓41aに送気及び送水する。
【0117】
次に本実施形態の動作方法について説明する。第1の実施形態と同様の箇所は、説明を省略する。
体腔内が撮像ユニット41によって観察される場合について説明する。
送気・送水スイッチ35bが操作され、図示しない送気送水装置は、流体の流量が伸縮部59cの引っ張り力と略同等または伸縮部59cの引っ張り力よりも小さくなるように、流体を送気・送水チャンネル45を通じて供給する。
【0118】
そのため図7Bに示すように、ノズル55は、伸縮部59cの引っ張り力によって、送気送水開口部45aから突出しない。
【0119】
またこのとき、先端部側側面開口部551aは上述したように連通口45dと連通路53とに連通し、基端部側側面開口部551bは送気・送水チャンネル45の内周面45eに対向するように、ノズル55は伸縮部59cによって移動を規制される。
【0120】
そしてノズル55の先端部55aは、結果的に先端硬質部21の端面21aよりも送気・送水チャンネル45の基端部45c側に配置されていることとなる。これにより、撮像ユニット41の観察視野が確保されることとなる。
【0121】
冷却機構51は、送気・送水チャンネル45から、ノズル55の基端部側開口部551cと内部55kと開口部551gと先端部側側面開口部551aと連通口45dとを介して連通路53に、流体を送気及び送水する。このように冷却機構51は、流体の流量の応じたノズル55の移動位置によって、流体の送気及び送水方向を、連通路53に切り換えている。
冷却機構51は、連通路53における冷却媒体である流体によって、連通路53に隣接する照明ユニット47を冷却する。そして冷却機構51は、連通路53から連通口43dを介して負圧に保持されている吸引チャンネル43に流体を送気及び送水する。なお吸引スイッチ35aが操作され、吸引チャンネル43は流体を連通路53から連通口43dを介して吸引してもよい。
【0122】
そして撮像ユニット41は、撮像ユニット41の観察視野が確保された状態で、体腔内を撮影し、照明ユニット47は、冷却された状態で、照明光を体腔内に向けて照射する。
【0123】
次に、流体が送気送水開口部45aを介して観察窓41aに送気及び送気される場合について説明する。
第1の実施形態と同様に、伸縮部59cの引っ張り力よりも大きい流量を有する流体が送気及び送水され、この流体が、誘導壁55gと上面部55eとに接触すると、図6Cに示すように、ノズルは、送気・送水チャンネル45の先端部45b側に向かって移動する。このとき伸縮部59cは伸びる。なおノズル55は、固定部59aによって送気・送水チャンネル45(送気送水開口部45a)からの抜けを防止される。
【0124】
そしてノズル55の先端部55a側は送気送水開口部45aから突出し、ノズル55の基端部55b側が連通口45dと連通路53とに隣接する。このとき先端部側側面開口部551aは送気送水開口部45aから突出し、基端部側側面開口部551bは連通口45dと連通路53に連通する。
【0125】
冷却機構51は、送気・送水チャンネル45から基端部側開口部551cを介して内部55kに送気送水された流体を、誘導壁55gによって、連通口45dを介して連通路53に送気及び送水する。冷却機構51は、連通路53における冷却媒体である流体によって、連通路53に隣接する照明ユニット47を冷却する。そして冷却機構51は、連通路53から連通口43dを介して負圧に保持されている吸引チャンネル43に流体を送気及び送水する。なお吸引スイッチ35aが操作され、吸引チャンネル43は流体を連通路53から連通口を介して吸引してもよい。
また冷却機構51は、照明ユニット47を冷却する(基端部側開口部551cに送気送水された流体を、内部55kと連通口45dとを介して連通路53に送気及び送水する)と同時に、内部55kと開口部551gと先端部側側面開口部551aと送気送水開口部45aとを介して観察窓41aに送気及び送水する。これにより、観察窓41aに付着した粘液などが流体によって除去される。これにより冷却機構51は、観察視野を確保する。
【0126】
このように冷却機構51は、ノズル55の先端部55a側が送気送水開口部45aから突出し、ノズル55の基端部55b側が連通路53と連通口45dとに隣接するノズル55によって、流体の送気及び送水方向を、連通路53と送気送水開口部45aとに切り換えている。
このように本実施形態では、ノズル55と規制機構59とを一体にすることで、送気・送水チャンネル45の先端部45bの構成を簡素にすることができる。
【0127】
また本実施形態では、ノズル55を先端部45b側に移動させる際に、流体がノズル55を押圧する面積を、誘導壁55gによって第1の実施形態よりも多く確保することができ、第1の実施形態よりも少ない流量で容易にノズル55を先端部45b側に移動させることができる。
【0128】
なお上述した各本実施形態では、送気・送水チャンネル45は、撮像ユニット41の観察視野を確保するために流体を観察窓41aを送気及び送水しているが、これに限定する必要はなく、照明ユニット47の照明視野を確保するために、照明窓47bに送気及び送水してもよい。
【0129】
本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。
【符号の説明】
【0130】
10…内視鏡システム、12…内視鏡、20…挿入部、21…先端硬質部、21a…端面、41…撮像ユニット、41a…観察窓、43…吸引チャンネル、43a…吸引開口部、43d…連通口、45…送気・送水チャンネル、45a…送気送水開口部、45b…先端部、45c…基端部、45d…連通口、45e…内周面、47…照明ユニット、47a…照明部、47b…照明窓、51…冷却機構、53…連通路、55…ノズル、55a…先端部、55b…基端部、55c…側面、55d…底面部、55k…内部、55g…誘導壁、55e…上面部、59…規制機構、61…付勢部材、63…基端部側規制部、65…先端部側規制部、551a…先端部側側面開口部、551b…基端部側側面開口部、551c…基端部側開口部、551d…底面開口部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱部と送気送水開口部と観察窓とが先端部に配設され、前記送気送水開口部から体腔内に流体を送気及び送水する送気・送水チャンネルが前記先端部から基端部側に渡って配設されている挿入部と、前記送気・送水チャンネル内の先端部側に配設され、前記発熱部を冷却する冷却機構とを有する内視鏡であって、
前記冷却機構は、
前記送気・送水チャンネルと連通し、且つ前記発熱部に隣接する連通路と、
前記送気・送水チャンネル内の前記送気・送水チャンネルの先端部側に配設され、前記流体の流量によって前記送気・送水チャンネルの長手方向に沿って前記送気・送水チャンネル内を移動するノズルと、
を具備し、
前記冷却機構は、前記ノズルの移動位置によって、前記流体を、前記連通路、または前記連通路と前記観察窓とに向けて送気及び送水し、前記連通路に前記流体を送気及び送水することで前記発熱部を冷却することを特徴とする内視鏡。
【請求項2】
前記冷却機構は、前記流体の流量に応じて前記ノズルの移動を規制する規制機構をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
【請求項3】
前記規制機構は、
前記送気・送水チャンネルの内部に配設され、前記ノズルを前記送気・送水チャンネルの基端部側に付勢する付勢部材と、
前記送気・送水チャンネルの基端部側に配設され、前記ノズルが前記付勢部材によって前記送気・送水チャンネルの基端部側に付勢された際に、前記ノズルが前記送気・送水チャンネルに収容され、前記ノズルの先端部側が前記連通路に隣接するように、前記ノズルの移動を規制する基端部側規制部と、
前記送気・送水チャンネルの先端部側に配設され、前記ノズルが前記送気送水開口部から抜き出ることを防止し、前記ノズルの先端部側が前記送気送水開口部から突出し、前記ノズルの基端部側が前記連通路に隣接するように前記ノズルの移動を規制する先端部側規制部と、
を有することを特徴とする請求項2に記載の内視鏡。
【請求項4】
前記ノズルは、中空の略円筒形状を有しており、
前記ノズルは、
前記ノズルの先端部側の側面に配設され、前記ノズルの先端部側が前記連通路に隣接する位置に移動した際に前記連通路と連通し、前記ノズルの先端部側が前記送気送水開口部から突出した際に前記送気送水開口部から突出する先端部側側面開口部と、
前記ノズルの基端部側の側面に配設され、前記ノズルの先端部側が前記連通路に隣接する位置に移動した際に前記送気・送水チャンネルの内周面に対向し、前記ノズルの先端部側が前記送気送水開口部から突出した際に前記連通路と連通する基端部側側面開口部と、
前記ノズルの基端部側の底面部全体に配設され、前記送気・送水チャンネルと連通している基端部側開口部と、
を有することを特徴とする請求項3に記載の内視鏡。
【請求項5】
前記ノズルは、前記ノズルの先端部側が前記送気送水開口部から突出した際に、前記送気・送水チャンネルから前記ノズルに送気及び送水された前記流体の一部を、前記基端部側側面開口部を介して前記連通路に誘導する誘導壁を基端部側側面開口部の上端側の縁にさらに有することを特徴とする請求項4に記載の内視鏡。
【請求項6】
前記規制機構は、
前記送気送水開口部の縁に固定され、前記送気送水開口部を覆うようにL字形状に折れ曲がっているカバーと、
前記カバーと前記ノズルの上面とに固定され、前記ノズルを前記送気・送水チャンネルの基端部側に付勢し、さらに前記ノズルが前記送気送水開口部から抜き出ることを防止し、前記ノズルの先端部側が前記送気送水開口部から突出し、前記ノズルの基端部側が前記連通路に隣接するように前記ノズルの移動を規制する先端部側規制部として機能する付勢部材と、
前記送気・送水チャンネルの基端部側に配設され、前記ノズルが前記付勢部材によって前記送気・送水チャンネルの基端部側に付勢された際に、前記ノズルが前記送気・送水チャンネルに収容され、前記ノズルの先端部側が前記連通路に隣接するように、前記ノズルの移動を規制する基端部側規制部と、
を有することを特徴とする請求項2に記載の内視鏡。
【請求項7】
前記ノズルは、中空の略円筒形状を有しており、
前記ノズルは、
前記ノズルの先端部側の側面に配設され、前記ノズルの先端部側が前記連通路に隣接する位置に移動した際に前記連通路に連通し、前記ノズルの先端部側が前記送気送水開口部から突出した際に前記送気送水開口部から突出する先端部側側面開口部と
前記ノズルの底面部の一部に配設され、前記送気・送水チャンネルと連通し、前記ノズルの先端部側が前記連通路に隣接する位置に移動した際に前記基端部側規制部と同一平面に配置され、前記ノズルの先端部側が前記送気送水開口部から突出した際に前記連通路の上端と同一平面に配置される底面開口部と、
を有することを特徴とする請求項6に記載の内視鏡。
【請求項8】
前記底面部は、前記ノズルの先端部側が前記送気送水開口部から突出した際において、前記送気・送水チャンネルから前記ノズル側に流れる前記流体の一部を前記連通路に誘導する誘導壁を兼ねることを特徴とする請求項7に記載の内視鏡。
【請求項9】
前記規制機構は、前記ノズルと一体となっており、
前記規制機構は、
前記送気・送水チャンネルの内周面に固定される固定部と、
前記固定部と前記ノズルの基端部とに固定され、前記流体の流量に応じて伸縮し、
前記ノズルの先端部側が前記連通路に隣接するように縮み、前記ノズルの先端部側が送気送水開口部から突出し、前記ノズルの基端部側が前記連通路に連通するように伸びることで、前記ノズルの移動を規制する伸縮部と、
を有することを特徴とする請求項2に記載の内視鏡。
【請求項10】
前記ノズルは、中空の略円筒形状を有しており、
前記ノズルは、
前記ノズルの先端部側の側面に配設され、前記ノズルの先端部側が前記連通路に隣接する位置に移動した際に前記連通路と連通し、前記ノズルの先端部側が前記送気送水開口部から突出した際に前記送気送水開口部から突出する先端部側側面開口部と、
前記ノズルの基端部側の側面に配設され、前記ノズルの先端部側が前記連通路に隣接する位置に移動した際に前記送気・送水チャンネルの内周面に対向し、前記ノズルの先端部側が前記送気送水開口部から突出した際に前記連通路と連通する基端部側側面開口部と、
前記ノズルの基端部側の底面部全体に配設され、前記送気・送水チャンネルと連通している基端部側開口部と、
を有することを特徴とする請求項9に記載の内視鏡。
【請求項11】
前記ノズルは、基端部側側面開口部の上端側にて、前記ノズルの内部を覆うように前記ノズルの内周面に沿って配設され、前記ノズルの先端部側が前記送気送水開口部から突出した際に、前記送気・送水チャンネルから前記ノズルに送気及び送水された前記流体の一部を、前記基端部側側面開口部を介して前記連通路に誘導する漏斗形状の誘導壁をさらに有することを特徴とする請求項10に記載の内視鏡。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【公開番号】特開2012−11134(P2012−11134A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−153265(P2010−153265)
【出願日】平成22年7月5日(2010.7.5)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】