説明

半導体素子装着装置及びその装着方法

【課題】本発明は、2種類の半導体素子を1個のワークに装着する半導体素子装着装置において、1種類の半導体素子のみを装着する場合においても、より生産効率の高い半導体素子装着装置を提供することである。
【解決手段】本発明は、各ワークを所定間隔毎に設けられた複数の送り爪で係止し凹状の搬送路を間欠送りし、前記所定間隔で規定される所定のピッチで前記送り爪を往復動作させて搬送し、最大N個(2≦Nの整数)の前記ワークを同時に前記送り爪にそれぞれ1個ずつ係止できるように前記搬送路に供給し、最大N個の前記ワークにそれぞれ半導体素子を装着することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送路上を間欠送りされるヒートシンクや基板等のワークに半導体素子を装着する半導体素子装着装置及びその装着方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体素子装着装置は、搬送路上に移動する一定のピッチで複数の搬送爪を間欠送りし、ヒートシンクや基板等のワークを搬送し、搬送されてきたワークに例えばウェハから半導体素子をピックアップし半導体素子を装着する装置である。このような従来技術としては、特許文献1がある。
特許文献1に記載された技術は、ワークを吸着して搬送路上に供給し、ワークに一つの装着ユニットで1種類の半導体を装着する。さらに、2種類の半導体を一つのワークに装着するために、特許文献1の技術を改良した2種類対応の従来技術は、装着ユニットを2ユニットに増やし、搬送装置へのワークへの供給を供給プッシャの往復動作によって行なっている。即ち、2種類対応の従来装置は、搬送装置にワークを供給プッシャの往復動作によって1個ずつ供給し、2装着ユニットでそれぞれ異なった半導体素子を装着する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−266042号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、2種類対応の従来装置は、生産機種の切り替えなどにより、1個のワークに1種類の半導体素子のみを装着する場合においては、装着ユニット1基のみを使用する。
【0005】
この場合、ワーク1個あたりの生産速度は2種類の半導体素子を装着する場合とほぼ変わらないが、装着ユニット1基は動作しない状態となるため、効率的とはいえない。
【0006】
従って、本発明の目的は、2種類の半導体素子を1個のワークに装着する半導体素子装着装置において、1個のワークに1種類の半導体素子のみを装着する場合においても、より生産効率の高い半導体素子装着装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するため、少なくとも以下の特徴を有する。
本発明は、半導体素子装着装置又は半導体製造方法において、各ワークを所定間隔毎に設けられた複数の送り爪で係止し凹状の搬送路を間欠送りし、前記所定間隔で規定される所定のピッチで前記送り爪を往復動作させて搬送し、最大N個(2≦Nの整数)の前記ワークを同時に前記送り爪にそれぞれ1個ずつ係止できるように前記搬送路に供給し、最大N個の前記ワークにそれぞれ半導体素子を装着することを第1の特徴とする。
【0008】
本発明は、前記供給は、M(2≦M≦Nの整数)個の前記ワークを凹状の前M個の押出供給路上で同時に押出し、Mの前記押出供給路との接続部を有する凹状の分配供給路の前記接続部に前記ワーク移動させてワークを分配し、前記搬送ステップは前記所定間隔のN倍のピッチで前記往復動作させることを第2の特徴とする。
【0009】
本発明は、前記ワークの分配は前記ワークを下流側の前記押出供給路との前記接続部に移動させるときに、上流側の前記押出供給路の前記接続部での移動をガイドすることを第3の特徴とする。
本発明は、前記供給はN個同時に供給し、前記搬送は搬送路上の当該N個のワークを1ピッチずつN回送りすることを第4の特徴とする。
【0010】
本発明は、N個の前記押出供給路は平面上に互いに平行に設けられ、前記分配供給路は前記平面上でN個の前記押出供給路に垂直に設けられたことを第5の特徴とする
本発明は、N台の前記ワークを装着する装着装置は、N台の前記装着装置のうち一台の前記装着装置を基準に他の前記装着装置を、2ピッチ、3ピッチ、・・・、Nピッチの整数倍の位置に設けたことを第6の特徴とする。
【0011】
本発明は、前記N=2であることを第7の特徴とする。
本発明は、前記分配供給路に下流側の前記分配供給路の前記接続部への前記ワークの移動を阻止することを特徴とすることを第8の特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、複数の種類の半導体素子を1個のワークに装着する半導体素子装着装置において、搬送路上に複数のワークを同時供給し、複数の装着ユニットで半導体素子を装着することで、より生産効率の高い半導体素子装着装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態である半導体素子装着装置を示す図である。
【図2】供給装置及び供給ステーションの周辺を模式的に示す図である。
【図3】半導体素子装着装置の2ワーク供給モードにおける動作フローを示す図である。
【図4】図3におけるステップにおける供給装置及び供給ステーションの状態を示す図である。
【図5】ガイドの機能を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下図面に基づき、本発明の実施形態を説明する。図1は、本発明の実施形態である半導体素子装着装置1を示す図である。半導体素子装着装置1は、ヒートシンクや基板等の2枚A、Bのワーク5を基台20に凹上に設けられた搬送路21に同時に供給する供給装置3と、供給されたワーク5を各処理位置に間欠に搬送する搬送装置2と、搬送路21上のワーク5に半導体を装着するために半導体素子であるチップ9との接合材となるはんだを塗布する2台の塗布装置4A、4Bと、はんだが塗布されたワーク5に半導体を装着する2台の装着装置6A、6Bと、装着装置6A、6Bとで処理されたワーク5を搬出する取出装置7と、これ等を制御する制御装置50を有する。
【0015】
なお、搬送路21上のワーク5の下側に付したA、Bは、同時に供給された2枚A、Bのワークが供給する度にシフトしていった状態を示す。また、以下の説明では、各装置及び各ステーションの添え字A、Bは、AはAのワーク5を、BはBのワーク5を処理することを示す。
【0016】
上記の半導体素子装着装置1において、塗布装置4Aではんだを塗布されたワーク5は装着装置6Aで、塗布装置4Bではんだを塗布されたワーク5は装着装置6Bで処理される。本実施形態では装着装置6A、6Bは、5ピッチ離れた位置に配置しているが、奇数ピッチ離れた箇所ではどこでもよい。なお、装着装置6Aと装着装置6Aの前処理装置である塗布装置4Aとを装着ユニット8A、同様にと装着装置6Bと装着装置6Bの前処理装置である塗布装置4Bとを装着ユニット8Bという。前処理装置には、塗布装置の他、ワーク上に塗布されたはんだをコテ状のツールにより形成するはんだ形成装置を設ける場合がある。
【0017】
また、本実施形態ではワーク5が間欠に搬送されるので停止中に各処理を行う。そこで、各処理位置をステーションと呼ぶ。例えば、供給装置3により搬送路21に供給する処理位置を供給ステーション3As、3Bsと、塗布する処理位置をそれぞれ塗布ステーション4As、4Bsと、ワーク5に半導体を装着する処理位置をそれぞれ装着ステーション6As、6Bsと、半導体を装着されたワークを取り出す処理位置をそれぞれ取出ステーション7As、7Bsと呼ぶ。
なお、以下の説明において、各装置、各ステーションに関しA、Bの区別が必要ないときはA、Bを省略する。
【0018】
搬送装置2は、ワーク5が移動する搬送路21と、搬送方向(矢印H)に沿って設けられるトランスファ23と、搬送路21上の各ワーク5に係止して移動させるためにトランスファ23に所定間隔毎に設けられる複数の送り爪24と、トランスファ23を所定間隔で規定される所定のピッチで往復動作させる往復駆動源(図示せず)と、駆動源によりトランスファ23を1ピッチ往動作により移動させた後、下端の軸(図示せず)を支点として上方へ遥動させてワーク5と送り爪24との係止を解除する遥動駆動源(図示せず)とを備えている。このトランスファ23の所定長さの1ピッチずつ往復動作と上下動作によって、ワーク5は矢印H方向に間欠に搬送される。
【0019】
塗布装置4は、それぞれ塗布ノズル4nを有し、ワークの所定の位置にはんだを塗布する。図1では塗布したことシンボル的に示すためにワーク上に丸(○)を付している。また、装着装置6A、6Bは、それぞれ装着ヘッド6hを有し、ウェハ保持部6wで保持されたウェハ10からチップ9をピックアップし、位置決め用カメラ6cで撮像されたチップの姿勢で位置決補正されて、ワーク5上にチップ9を装着する。図1では装着したことシンボル的に示すためにワーク上に4角形(□)を付している。
【0020】
このような構成によって、ワーク5は搬送路21の上流から供給され、ワーク5はトランスファ23の送り爪24によって間欠に送られ、ワーク5が停止している間に塗布ステーション4As、4Bsではんだが塗布され、装着ステーション6As、6Bsでチップが装着されて、取出ステーション7As、7Bsで外部に取り出される。
【0021】
以下、本発明の実施形態の特徴である供給装置3の構成と動作及び半導体素子装着装置1を構成する供給ステーション3s、塗布ステーション4s、及び装着ステーション6sとの位置関係を説明する。
【0022】
まず、図2に用いて供給装置3の構成と動作を説明する。図2は供給装置3及び供給ステーション3As、3Bsの周辺を模式的に示す図である。図2(a)は供給装置3及び供給ステーション3As、3Bsの周辺を上から見た図で、図2(b)は図2(a)におけるA−A’断面図を示す図である。本実施例では隣接する送り爪24の位置に供給ステーション3A、3Bを有する。
【0023】
供給装置3は、基台31、基台に凹状に構成されたワーク5を供給する供給路32と、供給路に存在するワーク5を搬送路21にワーク2個同時に押出すUの字状の供給プッシャ33と、供給路32にワーク5を載置する供給部37とを有する。
【0024】
供給路32は、搬送路21に通じる平行に設けられた2本の押出供給路321A、321Bと、2本の押出供給路に直角に配置されワーク5を2本の押出供給路との接続部322aにワークを移動させ、ワーク5を分配する分配供給路322とを有する。供給プッシャ33は、押出供給路321A、321Bを移動する摺動部33A、33Bと連結部33Cを有する。
【0025】
ワーク5が分配供給路322を移動して押出供給路321A側に行くときに、図5に示すようにワーク5が分配供給路322から外れないようにする図2に示すガイド機構34と、押出供給路321A側にワーク5が行かないようにするシャッタ35と、分配供給路322の右端等の設けられた接続部322aにワーク5が存在していることを検出するワーク検出器手段36とを有する。
【0026】
ガイド機構34は、上流側の押出供給路321Aの接続部に接する位置に前記ワークより小さい大きさを有するガイド34aと、ガイド34aを昇降させる昇降駆動部(図示せず)とを有する。図5に示すように、ワークが供給路からずれたりすると、正規の状態で接続部322aに送れなくなったり、分配供給路322上のワーク5が移動できなくなったりする。
【0027】
また、供給部37には、ワーク5を有し、そのワークを分配搬送路322に供給するワーク供給ボックス37aと、分配供給路322上に供給されたワーク5を矢印J方向に移動させる分配プッシャ37bを有する。なお、供給プッシャ33の形状はUの字状に限らず、例えば平行にプッシャを2本設けてもよい。供給部37は、上記に説明したプッシャ方式の他、電動で押出す電動フィーダも適用できる。
【0028】
ワーク検出器手段36は右端に設けられた吸着孔36aと吸着孔を吸引する真空装置(図示せず)とを有する。例えば、流量センサ(図示せず)で吸着孔36a内の空気流を検出してワークの有無を判断する。また、シャッタ35は、図2(b)に示すガイド34aの例に示すように、図示しない駆動手段によって上下する。ガイド34a及びシャッタ35はそれぞれ押出供給路321B又は分配供給路322を塞いだり開放したりする機能を有する。
【0029】
上記の構成のうちシャッタ35は、ワーク5を押出供給路321Bを介して1個ずつ搬送路21に供給し、一つのワークに2種類のチップ9を2基の装着ユニット装置8A、8Bで装着する1ワーク供給モードと、ワーク5を押出供給路321A、321Bを介して2個ずつ搬送路21に供給し、それぞれのワーク5に1種類又は2種類のチップを別々に装着する2ワーク供給モードに従い、押出供給路321Aにワーク5を移動させたり、移動を停止したりする機能を有する。2つのモード選択は、制御装置50に入力手段(図示せず)により入力され、選択される。
【0030】
次に、半導体素子装着装置1を構成する供給ステーション3s、塗布ステーション4s、及び装着ステーション6sとの位置関係を説明する。
【0031】
供給ステーション3As、3Bsには同時に2個のワーク5が供給される。その後、トランスファ23の送り爪24を2個分の長さ、即ち2ピッチ分間欠に往移動し、トランスファ23を上昇させ、また元の位置に戻る復移動する往復移動を行う。この往復動作を繰り返す。その結果、図1に示すように各送り爪24に供給ステーション3As、3Bsから供給されたワーク5が、B、A、B、A、・・・・と並ぶ。即ち、Aの位置が偶数の位置になり、Bが奇数の位置となる。そこで、装着ユニット8Aは偶数Aの位置にいるワーク5を処理し、装着ユニット8Bは奇数Bの位置にいるワーク5を処理するように配置される。さらに具体的に言えば、塗布装置4Aは塗布ステーション4AsでAの位置にいるワーク5にはんだを塗布し、2ピッチ先のAの位置である装着ステーション6Asにいるワーク5にチップ9を装着する。装着ユニット8Aより下流にある装着ユニット8Bでは、装着ユニット8Aで処理されなったBの位置にいるワークを処理する。同様に具体的に言えば、塗布装置4Bは塗布ステーション4BsでBの位置にいるワーク5にはんだを塗布し、2ピッチ先のBの位置である装着ステーション6Bsにいるワーク5にチップ9を装着する。
【0032】
このように塗布ステーション4sと装着ステーション6sの間隔は本実施例では2ピッチ分となる。塗布装置4や装着装置6の大きさ等にも因るが、塗布ステーション4sと装着ステーション6sの間隔は4ピッチでもよいし、6ピッチ即ち偶数ピッチ分となる。一方、装着ユニット間の間隔は、送り爪24間隔で規定される長さの奇数ピッチ分となっている。
【0033】
また、本実施例では、装着ユニット8Aの塗布装置4A、装着装置6A、装着ユニット8Bの塗布装置4B、装着装置6Bの順に配置したが、上述した条件を満足すれば、塗布装置4A、塗布装置4B、装着装置6A、装着装置6Bの順に配置することも可能である。また、装置ユニット自体を入れ替え装置ユニットB、装置ユニットAの順に配置してもよい。
【0034】
次に、図3、図4を用いて半導体素子装着装置1の動作フローを説明する。図3は半導体素子装着装置1の2ワーク供給モードにおける動作フローを示す図である。図4(a)から図4(d)は図3のステップにおける供給装置3及び供給ステーション3sの状態を示す図である。
まず、図4(a)に示すように、分配供給路322にワーク5を載置し分配プッシャ37bでワークを押す処理を所定の回数行ない、分配供給路322をワークで満たす(Step1)。このとき、図5に示すように押出供給路321Bへの分岐路でジャムる(引っ掛かる)ことなく安定してワーク5が供給できるように、供給プッシャ33を図4(a)に示すホーム位置に戻し、ガイド34aを降ろしてワーク5を両側からガイドする。また、満たされたどうかはワーク検出器手段36の位置にワークが存在するかで検出する。
【0035】
次に、図4(b)に示すように、ワーク5の供給の妨げにならないようにガイド34を上昇させ(図示せず)、供給プッシャ33を矢印Gの方向に移動させ搬送路21にワーク5を2個同時に供給する(Step2)。そして、図4(c)に示すように、トランスファ23を送り爪24の2個分の距離、即ち2ピッチ分矢印H方向に移動させる(Step3)と共に、供給プッシャ33をホーム位置まで戻す(Step4)。なおStep3とStep4との順番を入れ替え又は同時に実施することも可能である。
【0036】
次に、図4(d)に示すように、ガイド34を降ろし、分配プッシャ37bによりステップ2でワーク5が供給された分配供給路322の部分にワーク5を供給送りする(Step5)と共に、送り爪24と搬送路21上のワーク5との係合を解除し、トランスファ23をH方向とは反対のI方向移動し、元の位置に戻す(Step6)。その後は、Step2からStep6の処理を所定の回数繰り返す(Step7)。
【0037】
搬送装置2は、送り爪24が2ピッチ毎に移動するので、同時に搬送路21に供給された2つのワーク5のうち供給ステーション3Asで供給されたワーク5は、各ステーションのうち必ず添え字Aを有するステーションで停止し、添え字Bのステーションに停止することなく装着ユニット8Aの処理をうける。一方、供給ステーション3Bsで供給されたワーク5は、各ステーションのうち必ず添え字Bを有するステーションで停止し、添え字Aのステーションに停止することなく装着ユニット8Bの処理をうける。即ち、それぞれ装着ユニットで処理されるワークが一個おきに搬送されてくる。
【0038】
以上説明した実施形態では、2種類のチップを同じワークに装着する場合は、2個同時に搬送路21に供給し、送り爪を1ピッチずつ2回送りするか、または、1ワーク供給モードを選択し、シャッタ35を降下させて押出供給路321Bのみからワーク供給し、送り爪を1ピッチ毎搬送することにより、従来の生産方法を行なうことができる。この場合に、シャッタ35に接する接続部322aにもワーク検出手段36を設ける。前者の場合は図示するシャッタ35を設ける必要はない。
【0039】
また、以上説明し実施形態では、2ワーク供給モードにおいて同一種類のチップを装着したが、2基の装着ユニットが処理するチップの種類を変えてもよい。この場合は2種類のチップによる生産を同時に行なうことができる。
【0040】
以上説明した実施形態によれば、2種類のチップを1個のワークに装着する半導体素子装着装置において、従来からの生産方法、即ち従来の間欠送り量が前記トランスファ23の所定長さ1ピッチ分、供給装置3の供給プッシャ33が1箇所で、間欠送りごとに1個のワーク5を搬送路15へ供給する方法と比べ、間欠送り1回の必要時間は送り距離が2倍のため大きくなるが、ワーク5の供給が2個同時のため、間欠停止の回数が半減するため、結果として生産効率の向上となる。
【0041】
また、間欠送りの速度を、例えば2倍の速度に速めことができれば処理量が2倍となり、生産効率をさらに向上させることができる。
【0042】
以上説明した本実施形態では、2個のワークを同時に搬送路21に供給したが、N個同時に供給し、Nピッチ毎搬送し、N基の装着ユニットで処理することも可能である。一方、Nの数が大きいと装置が長くなるで、N=2が適当と考える。しかし、3以上の適用を妨げるものではない。例えば、N=3の場合は、3個のワークを同時に搬送路21に、例えばC、B、A、C、B、A、・・・となうように供給し、装着ユニットA、B、Cを、装着ユニットAを基準にすれば、装着ユニットB、Cをそれぞれ2ピッチ、3ピッチずれたワークを処理するように配置する。
【0043】
N=3の場合、使用する装着ユニットが1又は2の場合があるが、3装着ユニットで一つのワークに3つのチップを装着するときは、1ピッチによる往復動作となり、それ以外は3ピッチによる往復動作となる。N=4、5・・でも同様である。また、使用する装着ユニットが1又は2の場合において、ワークに装着するチップの種類が1個の場合と、2個の場合があるが、いずれの場合にも往復動作のピッチは3ピッチとなる。
【0044】
さらに、使用する装着ユニットが1又は2の場合において、一方使用する押出供給路は、押し出し時に、ワークが邪魔にならないよう分配供給路322の上流側から必要な個数を搬送路に供給する。これに対応して、3装着ユニットのうちの前記選ばれた押出供給路から供給されるワーク5を処理できる装着ユニットを選び使用する。前記押出供給路の必要な個数の選択には、図2に示したシャッタ35を用いる。
【0045】
また、本実施形態はチップだけでなくトレイ等の供給形態にも適用可能である。
【0046】
以上本発明の実施態様について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々
の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で前述の種々
の代替例、修正又は変形を包含するものである。
【符号の説明】
【0047】
1:半導体素子装着装置 2:搬送装置
21;搬送路 23:トランスファ
24:送り爪 3:供給装置
31:基台 32:供給路
321A、321B:押出供給路 322:分配供給路
33:供給プッシャ 34a:ガイド
35:シャッタ 36:ワーク検出器手段
37:供給部 37a:ワーク供給ボックス
37b:分配プッシャ 3As、3Bs;供給ステーション
4A、4B:塗布装置
4As、4Bs;塗布ステーション 5:ワーク
6A、6B:装着装置
6As、6Bs;装着ステーション 7:取出装置
8A、8B:装着ユニット 9:チップ
10:ウェハ 50:制御装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを搬送する凹状の搬送路と、前記搬送路に沿って設けられるトランスファと、前記搬送路上の各ワークに係止して移動させるために前記トランスファに所定間隔毎に設けられた複数の送り爪とを有し、前記ワークを間欠送りし、前記所定間隔で規定される所定のピッチで前記トランスファを往復動作させる搬送装置と、
N個(2≦Nの整数)の前記ワークを同時に前記送り爪にそれぞれ1個ずつ係止できるように前記搬送路にする供給装置と、
前記搬送路上の前記ワークに半導体素子を装着するN台の装着装置と、
を有することを特徴とする半導体素子装着装置。
【請求項2】
前記供給装置は、N個の前記ワークを同時に押出して前記搬送路に供給できる供給プッシャと、前記押出された前記ワークがそれぞれ移動する凹状のN個の押出供給路と、N個の前記押出供給路との接続部を有し、前記接続部に前記ワークを移動させ、前記押出供給路に前記ワーク分配する凹状の分配供給路とを有することを特徴とする請求項1に記載の半導体素子装着装置。
【請求項3】
N個の前記押出供給路は平面上に互いに平行に設けられ、前記分配供給路は前記平面上でN個の前記押出供給路に垂直に設けられたことを特徴とする請求項2に記載の半導体素子装着装置。
【請求項4】
前記ワークを下流側の前記押出供給路との前記接続部に移動させるときに上流側の前記押出供給路の前記接続部での移動を安定させるガイド機構を有することを特徴とする請求項2に記載の半導体素子装着装置。
【請求項5】
前記供給装置は、互いに隣接した前記送り爪に係合するようにN個の前記押出供給路のうち前記分配供給路の上流側からM(2≦M≦Nの整数)個の連続した前記押出供給路で前記ワークを前記搬送路に供給し、前記搬送装置は前記所定間隔のN倍のNピッチで前記トランスファを往復動作させることを特徴とする請求項2に記載の半導体素子装着装置。
【請求項6】
前記供給装置は前記搬送路にN個同時に供給し、前記搬送装置は前記搬送路上の当該N個のワークを1ピッチずつN回送りすることを特徴とする請求項2に記載の半導体素子装着装置。
【請求項7】
N台の前記装着装置は、N台の前記装着装置のうち一台の前記装着装置を基準に他の前記装着装置を、2ピッチ、3ピッチ、・・・、Nピッチの整数倍の位置に設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体素子装着装置。
【請求項8】
前記装着装置の前処理装置は、前記装着装置の下流側にNピッチの整数倍の位置の設けられていることを特徴とする請求項6に記載の半導体素子装着装置。
【請求項9】
前記前処理装置は、塗布装置又は塗布装置及びはんだ形成装置であることを特徴とする請求項7に記載の半導体素子装着装置。
【請求項10】
前記N=2であることを特徴とする請求項5又は6に記載の半導体素子装着装置。
【請求項11】
前記分配供給路に下流側の前記分配供給路の前記接続部への前記ワークの移動を阻止する阻止手段を有することを特徴とする請求項2に記載の半導体素子装着装置。
【請求項12】
前記プッシャはN個の前記押出供給路に対応して設けられ前記押出供給路を摺動する摺動部を連結した形状を有することを特徴とする請求項2に記載の半導体素子装着装置。
【請求項13】
各ワークを所定間隔毎に設けられた複数の送り爪で係止し凹状の搬送路を間欠送りし、前記所定間隔で規定される所定のピッチで前記送り爪を往復動作させる搬送ステップと、
最大N個(2≦Nの整数)の前記ワークを同時に前記送り爪にそれぞれ1個ずつ係止できるように前記搬送路に供給する供給ステップと、
最大N個の前記ワークにそれぞれ半導体素子を装着するス装着ステップと、
を有することを特徴とする半導体製造方法。
【請求項14】
前記供給ステップは、M(2≦M≦Nの整数)個の前記ワークを前記M個の押出供給路から同時に押出するステップと、前記M個の前記押出供給路との接続部を有する凹状の分配供給路の前記接続部に前記ワーク移動させてワークを分配するワーク分配ステップと、前記搬送ステップは前記所定間隔のN倍のピッチで前記往復動作させることを特徴とする請求項13に記載の半導体製造方法。
【請求項15】
前記供給ステップはN個同時に供給し、前記搬送ステップは搬送路上の当該N個のワークを1ピッチずつN回送りすることを特徴とする請求項13に記載の半導体製造方法。
【請求項16】
ワーク分配ステップは前記ワークを下流側の前記押出供給路との前記接続部に移動させるときに、上流側の前記押出供給路の前記接続部での移動をガイドすることを特徴とする請求項13に記載の半導体製造方法。
【請求項17】
前記N=2であることを特徴とする請求項15に記載の半導体製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−191029(P2012−191029A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−53877(P2011−53877)
【出願日】平成23年3月11日(2011.3.11)
【出願人】(300022504)株式会社日立ハイテクインスツルメンツ (607)
【Fターム(参考)】