説明

半導体装置、スイッチングレギュレータ、テレビ

【課題】装置の大型化やコストアップを抑えつつ、装置全体としての高耐圧化を実現することが可能な半導体装置、及び、これを用いたスイッチングレギュレータを提供する。
【解決手段】半導体装置1は、第1〜第3外部端子(BST、SW、HO)と、外部端子BSTに印加される駆動電圧Vbstと外部端子SWに印加される基準電圧Vswの供給を受けて外部端子HOへの信号出力を行うドライバ10と、外部端子BSTと外部端子SWとの間に印加される端子間電圧Vyを監視して過電圧検出信号S1を生成する過電圧保護回路50と、過電圧検出信号S1に応じてオン/オフ制御される過電圧保護スイッチ61と、を有し、過電圧保護スイッチ61は、そのオフ時に後段回路12への駆動電圧供給経路を導通したまま、前段回路11への駆動電圧供給経路を遮断する位置に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出力トランジスタのスイッチング駆動制御を行う半導体装置、これを用いたスイッチングレギュレータ、及び、これを電源とするテレビに関するものである。
【背景技術】
【0002】
図7は、スイッチングレギュレータの一従来例を示す回路ブロック図である。図7に示したように、本従来例のスイッチングレギュレータでは、出力トランジスタとして、Nチャネル型MOS[Metal Oxide Semiconductor]電界効果トランジスタN1が用いられており、このトランジスタN1をオンさせるためには、入力電圧Vinよりも高いゲート電圧が必要であった。そこで、本従来例のスイッチングレギュレータには、ブートストラップ回路(ダイオード103とキャパシタC2)が設けられており、トランジスタN1のゲート電圧を生成する上側ドライバ101には、スイッチ端子SWに現れるスイッチ電圧VswよりもキャパシタC2の充電電圧分(定電圧Vregからダイオード103の順方向降下電圧Vfを差し引いた電圧分)だけ高いブースト電圧Vbstが供給されていた。
【0003】
なお、スイッチングレギュレータに関連する従来技術の一例としては、特許文献1や特許文献2を挙げることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−106115号公報
【特許文献2】特開平10−14217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図8は、ブートストラップ動作の一従来例を示す波形図である。なお、図8中の実線はスイッチ電圧Vswを示しており、破線はブースト電圧Vbstを示している。
【0006】
通常動作時には、ブートストラップ端子BSTとスイッチ端子SWとの間に、定電圧Vreg(例えば5V)以上の電位差が生じることはないので、ドライバ101を高耐圧設計する必要はない。
【0007】
しかしながら、例えば、ブートストラップ端子BSTに天絡(例えば入力電圧Vinの印加端へのショート)が生じた場合、ブートストラップ端子BSTとスイッチ端子SWとの間には、入力電圧Vinに相当する電位差(例えば12V)が生じるため、この時点で上側ドライバ101の破壊を生じるおそれがあった。また、この時点で上側ドライバ101の破壊を免れたとしても、トランジスタN1がオンされた時点で、ブートストラップ端子BSTとスイッチ端子SWとの間には、ブートストラップ動作により入力電圧Vinの約2倍に相当する電位差(例えば24V)が生じるため、上側ドライバ101を高耐圧設計しておかない限り、上側ドライバ101の破壊を免れることはできなかった。このように、上側ドライバ101の破壊が生じると、トランジスタN1を正常にオン/オフさせることができなくなるため、最悪の場合には、発煙や発火に至るおそれもあった。
【0008】
なお、入力電圧Vinの2倍に相当する電位差にも耐えられるように、上側ドライバ101を高耐圧設計すると、上側ドライバ101の占有面積が非常に大きくなってしまうため、スイッチング電源IC100の大型化やコストアップを招くという問題があった。
【0009】
本発明は、上記の問題点に鑑み、装置の大型化やコストアップを抑えつつ、装置全体としての高耐圧化を実現することが可能な半導体装置、及び、これを用いたスイッチングレギュレータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明に係る半導体装置は、第1〜第3外部端子と、前記第1外部端子に印加される駆動電圧と前記第2外部端子に印加される基準電圧の供給を受けて前記第3外部端子への信号出力を行うドライバと、前記第1外部端子と前記第2外部端子との間に印加される端子間電圧を監視して過電圧検出信号を生成する過電圧保護回路と、前記過電圧検出信号に応じてオン/オフ制御される過電圧保護スイッチと、を有し、前記ドライバは、入力信号に処理を施して出力する前段回路と、前記前段回路の出力信号に処理を施して前記第3外部端子に出力する後段回路と、を含み、前記過電圧保護スイッチは、そのオフ時に前記後段回路への駆動電圧供給経路を導通したまま、前記前段回路への駆動電圧供給経路を遮断する位置に設けられている構成(第1の構成)とされている。
【0011】
なお、上記第1の構成から成る半導体装置において、前記後段回路は、前記前段回路よりも高耐圧に設計されている構成(第2の構成)にするとよい。
【0012】
また、上記第2の構成から成る半導体装置において、前記前段回路は、前記入力信号を論理反転させて出力する第1インバータを含み、前記後段回路は、前記前段回路の出力信号を論理反転させて前記第3外部端子に出力する第2インバータを含んでいる構成(第3の構成)にするとよい。
【0013】
また、上記第3の構成から成る半導体装置において、前記第1インバータは、前記入力信号を論理反転させて出力する上側インバータと、前記入力信号を論理反転させて出力する下側インバータと、を含み、前記第2インバータは、前記上側インバータの出力信号によってオン/オフされる上側スイッチと、前記下側インバータの出力信号によってオン/オフされる下側スイッチと、を含む構成(第4の構成)にするとよい。
【0014】
また、上記第4の構成から成る半導体装置において、前記上側スイッチは、Pチャネル型電界効果トランジスタであり、前記下側スイッチは、Nチャネル型電界効果トランジスタである構成(第5の構成)にするとよい。
【0015】
また、上記第5の構成から成る半導体装置において、前記後段回路は、前記Pチャネル型電界効果トランジスタのゲートと前記駆動電圧の供給端との間に接続されたプルアップ抵抗と、前記Nチャネル型電界効果トランジスタのゲートと前記基準電圧の供給端との間に接続されたプルダウン抵抗と、を含む構成(第6の構成)にするとよい。
【0016】
また、上記第6の構成から成る半導体装置において、前記上側インバータは、前記駆動電圧の供給端と信号出力端との間に接続された第1スイッチと、前記信号出力端と前記基準電圧の印加端との間に接続された第2スイッチと、アノードが前記第1スイッチに接続されてカソードが前記信号出力端に接続されたダイオードと、を含む構成(第7の構成)にするとよい。
【0017】
また、上記第7の構成から成る半導体装置において、前記第2スイッチと前記ダイオードは前記第1スイッチよりも高耐圧に設計されている構成(第8の構成)にするとよい。
【0018】
また、上記第1〜第8いずれかの構成から成る半導体装置は、帰還電圧が入力される第4外部端子と、前記帰還電圧が所定の目標値と一致するように前記入力信号を生成する制御回路と、をさらに有する構成(第9の構成)にするとよい。
【0019】
また、本発明に係るスイッチングレギュレータは、上記第9の構成から成る半導体装置と、前記第3外部端子からの出力信号によってオン/オフ制御されるトランジスタと、前記トランジスタの一端から引き出されるパルス状のスイッチ電圧を整流・平滑して出力電圧を生成する整流・平滑回路と、前記出力電圧に応じた前記帰還電圧を生成する帰還電圧生成回路と、を有する構成(第10の構成)とされている。
【0020】
なお、上記第10の構成から成るスイッチングレギュレータにおいて、前記第1外部端子には、前記スイッチ電圧よりも所定電位分だけ嵩上げされたブースト電圧が印加され、前記第2外部端子には、前記スイッチ電圧が印加され、前記第3外部端子には、前記トランジスタのゲートが接続される構成(第11の構成)にするとよい。
【0021】
また、上記第10の構成から成るスイッチングレギュレータにおいて、前記第1外部端子には定電圧が印加され、前記第2外部端子には接地電圧が印加され、前記第3外部端子には、前記トランジスタのゲートが接続される構成(第12の構成)にするとよい。
【0022】
また、本発明に係るテレビは、受信信号から所望チャンネルの放送信号を選局するチューナ部と、前記チューナで選局された放送信号から映像信号と音声信号を生成するデコーダ部と、前記映像信号を映像として出力する表示部と、前記音声信号を音声として出力するスピーカ部と、ユーザ操作を受け付ける操作部と、外部入力信号を受け付けるインタフェイス部と、上記各部の動作を統括的に制御する制御部と、上記各部に電力供給を行う電源部と、を有し、前記電源部は、上記第10〜第12いずれかの構成から成るスイッチングレギュレータを含む構成(第13の構成)とされている。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係る半導体装置であれば、装置の大型化やコストアップを抑えつつ、装置全体としての高耐圧化を実現することができるので、延いては、これを用いたスイッチングレギュレータないしテレビの小型化やコストダウンに貢献することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】スイッチングレギュレータの第1実施形態を示すブロック図
【図2】過電圧保護動作を説明するためのタイミングチャート
【図3】第1実施形態の課題を説明するための回路図
【図4】スイッチングレギュレータの第2実施形態を示すブロック図
【図5】スイッチングレギュレータの第3実施形態を示すブロック図
【図6】スイッチングレギュレータを搭載したテレビの一構成例を示すブロック図
【図7】スイッチングレギュレータの一従来例を示す回路ブロック図
【図8】ブートストラップ動作の一従来例を示す波形図
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下では、ブートストラップ方式の降圧型スイッチングレギュレータに本発明を適用した構成を例に挙げて、詳細な説明を行う。
【0026】
<第1実施形態>
図1は、スイッチングレギュレータの第1実施形態を示す回路ブロック図である。本図に示したように、第1実施形態のスイッチングレギュレータは、スイッチング電源IC1のほか、外付けのNチャネル型MOS電界効果トランジスタN1及びN2、インダクタL1、抵抗R1及びR2、並びに、キャパシタC1及びC2を有して成り、トランジスタN1及びN2のオン/オフ制御を行うことで、入力電圧Vinから所望の出力電圧Voutを生成する降圧型のスイッチングレギュレータ(同期整流型レギュレータ)である。
【0027】
スイッチング電源IC1は、上側ドライバ10と、下側ドライバ20と、ダイオード30と、制御回路40と、過電圧保護回路50と、過電圧保護スイッチ60と、を有するモノリシック半導体集積回路装置である。
【0028】
また、スイッチング電源IC1は、外部との電気的な接続手段として、上側出力端子HOと、下側出力端子LOと、ブートストラップ端子BSTと、スイッチ端子SWと、帰還端子FBと、定電圧端子REGと、接地端子GNDと、を有する。
【0029】
スイッチング電源IC1の外部において、トランジスタN1のドレインは、入力電圧Vinの印加端に接続されている。トランジスタN1のソース及びバックゲートは、いずれもスイッチ端子SWに接続されている。トランジスタN1のゲートは、上側出力端子HOに接続されている。トランジスタN2のドレインはスイッチ端子SWに接続されている。トランジスタN2のソースとバックゲートはいずれも接地端に接続されている。トランジスタN2のゲートは、下側出力端子LOに接続されている。インダクタL1の第1端は、スイッチ端子SWに接続されている。インダクタL1の第2端は、出力電圧Voutの印加端に接続される一方、キャパシタC1の第1端と抵抗R1の第1端にもそれぞれ接続されている。キャパシタC1の第2端は接地端に接続されている。抵抗R1の第2端は、抵抗R2を介して接地端に接続されている。抵抗R1と抵抗R2との接続ノードは、帰還電圧Vfbの印加端として帰還端子FBに接続されている。スイッチ端子SWとブートストラップ端子BSTとの間には、キャパシタC2が接続されている。定電圧端子REGは、定電圧Vregの印加間に接続されている。接地端子GNDは接地端に接続されている。
【0030】
なお、トランジスタN1及びN2は、入力電圧Vinの印加端と接地端との間に直列接続された一対のスイッチ素子であり、これらを相補的(排他的)にオン/オフさせることにより、入力電圧Vinからパルス状のスイッチ電圧Vswが生成される。なお、トランジスタN1は出力トランジスタとして機能し、トランジスタN2は同期整流トランジスタとして機能する。また、上記で用いられている「相補的(排他的)」という文言は、トランジスタN1及びN2のオン/オフが完全に逆転している場合のほか、貫通電流防止の観点からトランジスタN1及びN2の同時オフ期間が設けられている場合も含む。
【0031】
また、インダクタL1とキャパシタC1は、スイッチ端子SWから引き出されるスイッチ電圧Vswを整流・平滑して所望の出力電圧Voutを生成する整流・平滑回路として機能する。抵抗R1及びR2は、出力電圧Voutに応じた帰還電圧Vfbを生成する帰還電圧生成回路(抵抗分圧回路)として機能する。キャパシタC2は、スイッチング電源IC1に内蔵されるダイオード30と共にブートストラップ回路を形成する。
【0032】
次に、スイッチング電源IC1の内部構成について説明する。
【0033】
上側ドライバ10は、制御回路40からの指示に基づいてトランジスタN1のゲート電圧(スイッチング駆動信号)を生成し、これを上側出力端子HOに出力する。下側ドライバ20は、制御回路40からの指示に基づいてトランジスタN2のゲート電圧(スイッチング駆動信号)を生成し、これを下側出力端子LOに出力する。上側ドライバ10の駆動電圧印加端は、ダイオード30のカソードと過電圧保護スイッチ60の第1端との接続ノード(駆動電圧Vxの印加端)に接続されている。上側ドライバ10の基準電圧印加端はスイッチ端子SWに接続されている。下側ドライバ20の駆動電圧印加端は、定電圧端子REGに接続されている。下側ドライバ20の基準電圧印加端は、接地端子GNDに接続されている。トランジスタN1に与えられるゲート電圧のハイレベルは駆動電圧Vxとなり、ローレベルは接地電圧GNDとなる。また、トランジスタN2に与えられるゲート電圧のハイレベルは定電圧Vregとなり、ローレベルは接地電圧GNDとなる。
【0034】
ダイオード30は、定電圧端子REGとブートストラップ端子BSTとの間に接続されており、キャパシタC2と共にブートストラップ回路を構成する。ダイオード30のカソードからは、上側ドライバ10の駆動電圧Vxが引き出される。なお、後述の過電圧保護動作が発動されておらず、過電圧保護スイッチ60がオンされている場合、駆動電圧Vxは、ブートストラップ端子BSTに現れるブースト電圧Vbst(スイッチ電圧VswよりもキャパシタC2の充電電圧分(定電圧Vregからダイオード30の順方向降下電圧Vfを差し引いた電圧分)だけ高い電圧値)と一致する。一方、後述の過電圧保護動作が発動され、過電圧保護スイッチ60がオフされた場合、駆動電圧Vxは、定電圧Vregからダイオード30の順方向降下電圧Vfを差し引いた電圧値となる。これについては、後ほど図面を交えながら詳細に説明する。
【0035】
制御回路40は、定電圧Vregの入力を受けて動作し、帰還端子FBに入力される帰還電圧Vfbが所定の目標値と一致するように、上側ドライバ10及び下側ドライバ20を介して、トランジスタN1及びN2のオン/オフ制御を行う。
【0036】
過電圧保護回路50は、ブートストラップ端子BSTとスイッチ端子SWとの間に印加される端子間電圧Vy(=Vbst−Vsw、キャパシタC2の充電電圧に相当)を監視して、過電圧検出信号S1を生成する。なお、過電圧検出信号S1は、過電圧保護スイッチ60のオン/オフ制御信号として用いられる。
【0037】
過電圧保護スイッチ60は、ブートストラップ端子BSTとダイオード30のカソードとの間に接続され、過電圧検出信号S1に応じてブートストラップ端子BSTと内部回路(上側ドライバ10の駆動電圧印加端)との間を導通/遮断する。なお、過電圧保護スイッチ60としては、ブートストラップ端子BSTとスイッチ端子SWとの間に、入力電圧Vinの2倍に相当する電位差(例えば24V)が生じても破壊されることのない高耐圧素子(例えば30V耐圧のPチャネル型MOS電界効果トランジスタ)を用いればよい。
【0038】
以下では、まず、上記構成から成るスイッチングレギュレータのブートストラップ動作について詳細な説明を行う。なお、説明の前提として、後述の過電圧保護動作は発動されておらず、過電圧保護スイッチ60はオンされているものとする。
【0039】
トランジスタN1がオフとされてスイッチ端子SWに現れるスイッチ電圧Vswがローレベル(0V)になっているときには、定電圧端子REGからダイオード30及びキャパシタC2を介する経路で電流が流れるため、ブートストラップ端子BSTとスイッチ端子SWとの間に接続されたキャパシタC2が充電される。このとき、ブートストラップ端子BSTに現れるブースト電圧Vbst(すなわち、キャパシタC2の充電電圧)は、定電圧Vregからダイオード30の順方向降下電圧Vfを差し引いた電圧値(=Vreg−Vf)となる。
【0040】
一方、キャパシタC2が充電されている状態で、トランジスタN1がオンとされて、スイッチ電圧Vswがローレベル(0V)からハイレベル(Vin)に立ち上げられると、ブースト電圧Vbstは、スイッチ電圧Vswのハイレベル(Vin)よりもさらにキャパシタC2の充電電圧分(=Vreg−Vf)だけ高い電圧値(=Vin+(Vreg−Vf))まで引き上げられる。従って、このようなブースト電圧Vbstを上側ドライバ10の駆動電圧Vxとして供給することにより、トランジスタN1のオン/オフ駆動を行うことが可能となる。
【0041】
次に、過電圧保護回路50の動作について、図2を参照しながら詳細に説明する。図2は、過電圧保護動作を説明するためのタイミングチャートである。なお、図2の上段にはスイッチ電圧Vsw、ブースト電圧Vbst、及び、駆動電圧Vxの各電圧波形が描写されており、図2の下段には過電圧保護スイッチ60のオン/オフ状態が描写されている。
【0042】
ブートストラップ端子BSTとスイッチ端子SWとの間に印加される端子間電圧Vyが正常値(Vreg−Vf、ないし、その近傍値)である場合、過電圧保護回路50は、過電圧検出信号S1を正常時の論理レベル(例えばローレベル)とする。過電圧検出信号S1が正常時の論理レベルとされているときには、過電圧保護スイッチ60がオン状態となる。従って、上側ドライバ10の駆動電圧印加端に供給される駆動電圧Vxは、ブースト電圧Vbstと一致する。
【0043】
一方、例えば、ブートストラップ端子BSTに天絡(例えば入力電圧Vinの印加端へのショート)が生じて、ブートストラップ端子BSTとスイッチ端子SWとの間に印加される端子間電圧Vyが過電圧状態となった場合、過電圧保護回路50は、過電圧検出信号S1を正常時の論理レベル(例えばローレベル)から異常時の論理レベル(例えばハイレベル)に切り替える。過電圧検出信号S1が異常時の論理レベルとされているときには、過電圧保護スイッチ60がオフ状態となる。従って、上側ドライバ10の駆動電圧印加端に供給される駆動電圧Vxは、ブースト電圧Vbstに依らず、定電圧Vregからダイオード30の順方向降下電圧Vfを差し引いた電圧値に固定される。
【0044】
このように、ブートストラップ端子BSTから内部回路(上側ドライバ10)への給電経路上に過電圧保護スイッチ60を接続しておき、ブートストラップ端子BSTとスイッチ端子SWとの間に印加される端子間電圧Vyが過電圧状態となったときに、過電圧保護スイッチ60をオフさせる構成であれば、内部回路(上側ドライバ10)の素子耐圧を不要に高める必要がなくなるので、内部回路(上側ドライバ10)の占有面積を縮小して、スイッチング電源IC1の小型化やコストダウンを実現することが可能となる。
【0045】
なお、過電圧保護スイッチ60には、入力電圧Vinの2倍に相当する電位差(例えば24V)が印加されるので、過電圧保護スイッチ60としては素子サイズの大きい高耐圧素子を用いる必要がある。しかしながら、内部回路(上側ドライバ10)を高耐圧設計せずに済むので、スイッチング電源IC1全体としては、チップサイズのシュリンクに貢献することができる。
【0046】
<第2実施形態>
図3は、第1実施形態の課題を説明するための回路図である。先に説明した第1実施形態の構成は、ブートストラップ端子BSTとスイッチ端子SWとの間に印加される端子間電圧Vyが過電圧状態となったときに内部回路(上側ドライバ10)を保護する上で非常に有効である。
【0047】
しかしながら、第1実施形態の構成では、上側出力端子HOとスイッチ端子SWとの間に印加される端子間電圧Vzが過電圧状態となったとき、上側ドライバ10を形成するトランジスタ12PのボディダイオードBDを介して駆動電圧Vxが上昇してしまうので、上側ドライバ10を形成するトランジスタ11P、11N、12P、12Nをいずれも低耐圧素子(LV素子)としていた場合には、これらの破壊を生じるおそれがあった。
【0048】
このように、第1実施形態の構成は、スイッチング電源IC1に上側出力端子HOが設けられていない場合(トランジスタN1が内蔵されている場合)に特に有効な構成であって、スイッチング電源IC1に上側出力端子HOが設けられている場合(トランジスタN1が外付けされている場合)には、さらなる改善の余地を残していた。
【0049】
図4は、スイッチングレギュレータの第2実施形態を示す回路図であり、特に、上側ドライバ10の内部構成が描写されている。
【0050】
第2実施形態のスイッチングレギュレータにおいて、上側ドライバ10は、制御回路40からの入力信号(上側駆動信号)を論理反転させて出力する第1インバータ11と、第1インバータ11の出力信号(反転上側駆動信号)をさらに論理反転させて上側出力端子HOに出力する第2インバータ12と、を含む。なお、第1インバータ11は、制御回路40からの入力信号に所定の処理を施して出力する前段回路に相当し、第2インバータ12は、前段回路の出力信号に所定の処理を施して上側出力端子HOに出力する後段回路に相当する。
【0051】
第1インバータ11は、Pチャネル型MOS電界効果トランジスタ11Pと、Nチャネル型MOS電界効果トランジスタ11Nと、を含む。トランジスタ11Pのソース及びバックゲートは、いずれも過電圧保護スイッチ61を介してブートストラップ端子BSTに接続されている。トランジスタ11Pのドレインは、トランジスタ11Nのドレインに接続されている。トランジスタ11Nのソース及びバックゲートは、いずれもスイッチ端子SWに接続されている。トランジスタ11P及び11Nのゲートは、いずれも制御回路40(不図示)の信号出力端に接続されている。
【0052】
第2インバータ12は、Pチャネル型MOS電界効果トランジスタ12Pと、Nチャネル型MOS電界効果トランジスタ12Nと、を含む。トランジスタ12Pのソース及びバックゲートはいずれも、過電圧保護スイッチ61を介することなくブートストラップ端子BSTに直接接続されている。トランジスタ12P及び12Nのドレインは、いずれも上側出力端子HOに接続されている。トランジスタ12Nのソース及びバックゲートは、いずれもスイッチ端子SWに接続されている。トランジスタ12P及び12Nのゲートは、いずれも第1インバータ11の信号出力端(トランジスタ11Pのドレインとトランジスタ11Nのドレインとの接続ノード)に接続されている。
【0053】
上記したように、第2実施形態のスイッチングレギュレータにおいて、過電圧保護スイッチ61は、そのオフ時に第2インバータ12(後段回路)への駆動電圧供給経路を導通したまま、第1インバータ11(後段回路)への駆動電圧供給経路を遮断する位置に設けられている。
【0054】
また、第2インバータ12は、第1インバータ11よりも高耐圧に設計されている。より具体的に述べると、第1インバータ11を形成するトランジスタ11P及び11Nは、いずれも低耐圧素子(LV素子)とされており、第2インバータ12を形成するトランジスタ12P及び12Nは、いずれも高耐圧素子(HV素子)とされている。
【0055】
上記構成から成るスイッチングレギュレータにおいて、ブートストラップ端子BSTとスイッチ端子SWとの間に印加される端子間電圧Vyが正常値(Vreg−Vf、ないしは、その近傍値)である場合、過電圧保護回路50は、過電圧検出信号S1を正常時の論理レベル(例えばローレベル)とする。過電圧検出信号S1が正常時の論理レベルとされているときには、過電圧保護スイッチ61がオン状態となる。従って、第1インバータ11と第2インバータ12には、いずれもブースト電圧Vbstが供給される。
【0056】
一方、例えば、ブートストラップ端子BSTに天絡(例えば入力電圧Vinの印加端へのショート)が生じて、ブートストラップ端子BSTとスイッチ端子SWとの間に印加される端子間電圧Vyが過電圧状態となった場合、過電圧保護回路50は、過電圧検出信号S1を正常時の論理レベル(例えばローレベル)から異常時の論理レベル(例えばハイレベル)に切り替える。過電圧検出信号S1が異常時の論理レベルとされているときには、過電圧保護スイッチ61がオフ状態となるので、第1インバータ11に対するブースト電圧Vbstの供給経路が遮断されて、第1インバータ11を形成するトランジスタ11P及び11N(いずれも低耐圧素子(LV素子))が過電圧から保護される。一方、第2インバータ12を形成するトランジスタ12P及び12Nは、いずれも高耐圧素子(HV素子)とされているので、端子間電圧Vyが過電圧状態となっても破壊されることはない。
【0057】
また、上側出力端子HOとスイッチ端子SWとの間に印加される端子間電圧Vzが過電圧状態となった場合には、上側ドライバ10を形成するトランジスタ12PのボディダイオードBDを介してブースト電圧Vbstが異常に上昇するので、ブートストラップ端子BSTとスイッチ端子SWとの間に印加される端子間電圧Vyも過電圧状態となる。その結果、先と同様の過電圧保護動作が発動されて、第1インバータ11を形成するトランジスタ11P及び11N(いずれも低耐圧素子(LV素子))が過電圧から保護される。
【0058】
このように、上側ドライバ10の最終出力段を高耐圧素子(HV素子)とし、過電圧保護スイッチ61をその内側に配置した構成であれば、上側ドライバ10の専有面積増大を最小限に抑えつつ、上側出力端子HOとスイッチ端子SWとの間に印加される端子間電圧Vzが過電圧状態となったときでも、上側ドライバ10を適切に保護することができる。
【0059】
<第3実施形態>
先に説明した第2実施形態の構成は、ブートストラップ端子BSTとスイッチ端子SWとの間に印加される端子間電圧Vyが過電圧状態となった場合だけでなく、上側出力端子HOとスイッチ端子SWとの間に印加される端子間電圧Vzが過電圧状態となった場合でも、上側ドライバ10を適切に保護する上で非常に有効である。
【0060】
しかしながら、第2実施形態の構成では、過電圧保護スイッチ61がオンされて以後、第1インバータ11に駆動電圧Vintが供給されない状態となり、第1インバータ11の出力信号がローレベルとなるので、第2インバータ12の出力信号がハイレベルとなって、トランジスタN1が意図せずにオンされた状態となり、セット全体の動作に支障を来たすおそれがあった。
【0061】
このように、第2実施形態の構成は、スイッチング電源IC1自体を保護する上では非常に有効であるが、セット全体の保護に着目すればさらなる改善の余地を残していた。
【0062】
図5は、スイッチングレギュレータの第3実施形態を示すブロック図であり、特に、上側ドライバ10の内部構成が描写されている。
【0063】
第3実施形態のスイッチングレギュレータにおいて、第1インバータ11は、制御回路40(不図示)からの入力信号(上側駆動信号)をそれぞれ論理反転させて出力する上側インバータ11Uと下側インバータ11Lを含む。
【0064】
上側インバータ11Uは、Pチャネル型MOS電界効果トランジスタ11UPと、Nチャネル型MOS電界効果トランジスタ11UNと、逆流防止用のダイオード11UDと、を含む。トランジスタ11UPのソース及びバックゲートは、いずれも過電圧保護スイッチ61を介してブートストラップ端子BSTに接続されている。トランジスタ11UPのドレインは、ダイオード11UDのアノードに接続されている。ダイオード11UDのカソードは、トランジスタ11UNのドレインに接続されている。トランジスタ11UNのソース及びバックゲートは、いずれもスイッチ端子SWに接続されている。トランジスタ11UP及び11UNのゲートは、いずれも制御回路40(不図示)の信号出力端に接続されている。なお、上側インバータ11Uを形成する回路素子のうち、トランジスタ11UNとダイオード11UDは、いずれもトランジスタ11UPよりも高耐圧に設計されている。より具体的に述べると、トランジスタ11UPは、低耐圧素子(LV素子)とされており、トランジスタ11UL及びダイオード11UDは、いずれも高耐圧素子(HV素子)とされている。
【0065】
下側インバータ11Lは、Pチャネル型MOS電界効果トランジスタ11LPと、Nチャネル型MOS電界効果トランジスタ11LNと、を含む。トランジスタ11LPのソース及びバックゲートは、いずれも過電圧保護スイッチ61を介してブートストラップ端子BSTに接続されている。トランジスタ11LPのドレインは、トランジスタ11LNのドレインに接続されている。トランジスタ11LNのソース及びバックゲートは、いずれもスイッチ端子SWに接続されている。トランジスタ11LP及び11LNのゲートは、いずれも制御回路40(不図示)の信号出力端に接続されている。なお、下側インバータ11Lを形成するトランジスタ11LP及び11LNは、いずれも、低耐圧素子(LV素子)とされている。
【0066】
一方、第2インバータ12は、Pチャネル型MOS電界効果トランジスタ12Pと、Nチャネル型MOS電界効果トランジスタ12Nと、を含む。トランジスタ12Pのソース及びバックゲートはいずれも、過電圧保護スイッチ61を介することなく、ブートストラップ端子BSTに直接接続されている。トランジスタ12P及び12Nのドレインは、いずれも上側出力端子HOに接続されている。トランジスタ12Nのソース及びバックゲートは、いずれもスイッチ端子SWに接続されている。トランジスタ12Pのゲートは、上側インバータ11Uの信号出力端(ダイオード11UDのカソードとトランジスタ11UNのドレインとの接続ノード)に接続されている。トランジスタ12Nのゲートは、下側インバータ11Lの信号出力端(トランジスタ11LPのドレインとトランジスタ11LNのドレインとの接続ノード)に接続されている。なお、第2インバータ12を形成するトランジスタ12P及び12Nは、先にも述べた通り、いずれも高耐圧素子(HV素子)とされている。
【0067】
また、第3実施形態のスイッチングレギュレータにおいて、トランジスタ12Pのゲートとブートストラップ端子BSTとの間には、プルアップ抵抗13が接続されており、トランジスタ12Nのゲートとスイッチ端子SWとの間には、プルダウン抵抗14が接続されている。
【0068】
上記構成から成るスイッチングレギュレータにおいて、過電圧保護スイッチ61がオフされた場合には、上側インバータ11U及び下側インバータ11Lのいずれにも駆動電圧Vintが供給されない状態となり、第2インバータ12を形成するトランジスタ12P及び12Nのゲート信号を制御することができない状態となる。このとき、トランジスタ12Pのゲート信号は、プルアップ抵抗13を介してハイレベルとされるので、トランジスタ12Pはオフとなる。また、トランジスタ12Nのゲート信号は、プルダウン抵抗13を介してローレベルとされるので、トランジスタ12Nもオフとなる。従って、上側出力端子HOがハイインピーダンス状態となり、トランジスタN1が意図せずにオン状態となることを防止することができるので、セット全体の信頼性を高めることが可能となる。
【0069】
なお、トランジスタ12Pのゲートをプルアップする構成では、過電圧保護スイッチ61がオフされたときに、トランジスタ12Pのゲートがハイレベル(ブースト電圧Vbst)となるので、上側インバータ11を形成するトランジスタ11UPのボディダイオード(不図示)を介して駆動電圧Vintの印加端に至る電流経路が形成される。そこで、第3実施形態のスイッチングレギュレータは、ダイオード11UDを用いて上記の電流経路を遮断する構成とされている。このような構成とすることにより、トランジスタ12Pのゲートをプルアップした場合であっても、駆動電圧Vintの異常上昇を回避することができるので、第1インバータ11を形成する低耐圧素子(LV素子)の破壊を未然に防止することが可能となる。
【0070】
このように、第2実施形態の構成に加えて、第2インバータ12を形成するトランジスタ12P及び12Nの駆動系統を2系統に分離した上で、各々のゲートにプルアップ抵抗13及びプルダウン抵抗14を設け、さらには、トランジスタ12Pのゲート信号を生成する上側インバータ11Uに逆流防止用のダイオード11UDを設けた構成であれば、スイッチング電源IC1自体の保護のみならず、これが搭載されるセット全体を適切に保護することが可能となる。
【0071】
<テレビへの適用>
図6は、スイッチングレギュレータを搭載したテレビの一構成例を示すブロック図である。本構成例のテレビXは、チューナ部X1と、デコーダ部X2と、表示部X3と、スピーカ部X4と、操作部X5と、インタフェイス部X6と、制御部X7と、電源部X8と、を有する。
【0072】
チューナ部X1は、テレビXに外部接続されるアンテナX0で受信された受信信号から所望チャンネルの放送信号を選局する。
【0073】
デコーダ部X2は、チューナX1で選局された放送信号から映像信号と音声信号を生成する。また、デコーダ部X2は、インタフェイス部X6からの外部入力信号に基づいて、映像信号と音声信号を生成する機能も備えている。
【0074】
表示部X3は、デコーダ部X2で生成された映像信号を映像として出力する。表示部X3としては、液晶表示パネルやプラズマ表示パネルなどを用いることができる。
【0075】
スピーカ部X4は、デコーダ部で生成された音声信号を音声として出力する。
【0076】
操作部X5は、ユーザ操作を受け付けるヒューマンインタフェイスの一つである。操作部X5としては、ボタン、スイッチ、リモートコントローラなどを用いることができる。
【0077】
インタフェイス部X6は、外部デバイス(光ディスクプレーヤやハードディスクドライブなど)から外部入力信号を受け付けるフロントエンドである。
【0078】
制御部X7は、上記各部X1〜X6の動作を統括的に制御する。制御部X7としては、CPU[central processing unit]などを用いることができる。
【0079】
電源部X8は、上記各部X1〜X7に電力供給を行う。電源部X8としては、先述のスイッチング電源IC1を含むスイッチングレギュレータを好適に用いることができる。
【0080】
<その他の変形例>
また、本発明の構成は、上記実施形態のほか、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。すなわち、上記実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。
【0081】
例えば、上記の第2実施形態及び第3実施形態では、いずれも上側ドライバ10に本発明を適用した構成を例に挙げて説明を行ったが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではなく、下側ドライバ20にも本発明を適用することが可能である。その場合、図4や図5に描写されているブートストラップ端子BST、上側出力端子HO、及び、スイッチ端子SWをそれぞれ、定電圧端子REG、下側出力端子LO、及び、接地端子GNDに読み替えればよい。
【0082】
また、上記の実施形態において、Nチャネル型MOS電界効果トランジスタをnpn型バイポーラトランジスタに置き換えることや、Pチャネル型MOS電界効果トランジスタをpnp型バイポーラトランジスタに置き換えることも任意である。このような置換を行う場合、MOS電界効果トランジスタのゲート、ドレイン、ソースがそれぞれバイポーラトランジスタのベース、コレクタ、エミッタに対応するように接続を行えばよい。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明は、例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、パソコン用電源(DDR[Double-Data-Rate]メモリ用電源など)、DVD[Digital Versatile Disc]プレーヤ/レコーダなどの電源装置として広く一般的に用いられるスイッチングレギュレータの性能を高める上で有用な技術である。
【符号の説明】
【0084】
1 スイッチング電源IC
10 上側ドライバ
11 第1インバータ(前段回路)
11P Pチャネル型MOS電界効果トランジスタ
11N Nチャネル型MOS電界効果トランジスタ
11U 上側インバータ
11UP Pチャネル型MOS電界効果トランジスタ
11UN Nチャネル型MOS電界効果トランジスタ
11UD ダイオード
11L 下側インバータ
11LP Pチャネル型MOS電界効果トランジスタ
11LN Nチャネル型MOS電界効果トランジスタ
12 第2インバータ(後段回路)
12P Pチャネル型MOS電界効果トランジスタ
12N Nチャネル型MOS電界効果トランジスタ
13 プルアップ抵抗
14 プルダウン抵抗
20 下側ドライバ
30 ダイオード
40 制御回路
50 過電圧保護回路
60、61 過電圧保護スイッチ
N1 Nチャネル型MOS電界効果トランジスタ(出力トランジスタ)
N2 Nチャネル型MOS電界効果トランジスタ(同期整流トランジスタ)
L1 インダクタ
R1、R2 抵抗
C1、C2 キャパシタ
HO 上側出力端子
LO 下側出力端子
BST ブートストラップ端子
SW スイッチ端子
FB 帰還端子
REG 定電圧端子
GND 接地端子
X テレビ
X0 アンテナ
X1 チューナ部
X2 デコーダ部
X3 表示部
X4 スピーカ部
X5 操作部
X6 インタフェイス部
X7 制御部
X8 電源部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1〜第3外部端子と、
前記第1外部端子に印加される駆動電圧と前記第2外部端子に印加される基準電圧の供給を受けて前記第3外部端子への信号出力を行うドライバと、
前記第1外部端子と前記第2外部端子との間に印加される端子間電圧を監視して過電圧検出信号を生成する過電圧保護回路と、
前記過電圧検出信号に応じてオン/オフ制御される過電圧保護スイッチと、
を有し、
前記ドライバは、入力信号に処理を施して出力する前段回路と、前記前段回路の出力信号に処理を施して前記第3外部端子に出力する後段回路と、を含み、
前記過電圧保護スイッチは、そのオフ時に前記後段回路への駆動電圧供給経路を導通したまま、前記前段回路への駆動電圧供給経路を遮断する位置に設けられていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記後段回路は、前記前段回路よりも高耐圧に設計されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記前段回路は、前記入力信号を論理反転させて出力する第1インバータを含み、
前記後段回路は、前記前段回路の出力信号を論理反転させて前記第3外部端子に出力する第2インバータを含むことを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1インバータは、前記入力信号を論理反転させて出力する上側インバータと、前記入力信号を論理反転させて出力する下側インバータと、を含み、
前記第2インバータは、前記上側インバータの出力信号によってオン/オフされる上側スイッチと、前記下側インバータの出力信号によってオン/オフされる下側スイッチと、を含むことを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記上側スイッチは、Pチャネル型電界効果トランジスタであり、
前記下側スイッチは、Nチャネル型電界効果トランジスタであることを特徴とする請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記後段回路は、前記Pチャネル型電界効果トランジスタのゲートと前記駆動電圧の供給端との間に接続されたプルアップ抵抗と、前記Nチャネル型電界効果トランジスタのゲートと前記基準電圧の供給端との間に接続されたプルダウン抵抗と、を含むことを特徴とする請求項5に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記上側インバータは、
前記駆動電圧の供給端と信号出力端との間に接続された第1スイッチと、
前記信号出力端と前記基準電圧の印加端との間に接続された第2スイッチと、
アノードが前記第1スイッチに接続されてカソードが前記信号出力端に接続されたダイオードと、
を含むことを特徴とする請求項6に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第2スイッチと前記ダイオードは、前記第1スイッチよりも高耐圧に設計されていることを特徴とする請求項7に記載の半導体装置。
【請求項9】
帰還電圧が入力される第4外部端子と、
前記帰還電圧が所定の目標値と一致するように前記入力信号を生成する制御回路と、
を有することを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項10】
請求項9に記載の半導体装置と、
前記第3外部端子からの出力信号によってオン/オフ制御されるトランジスタと、
前記トランジスタの一端から引き出されるパルス状のスイッチ電圧を整流・平滑して出力電圧を生成する整流・平滑回路と、
前記出力電圧に応じた前記帰還電圧を生成する帰還電圧生成回路と、
を有することを特徴とするスイッチングレギュレータ。
【請求項11】
前記第1外部端子には、前記スイッチ電圧よりも所定電位分だけ嵩上げされたブースト電圧が印加され、前記第2外部端子には、前記スイッチ電圧が印加され、前記第3外部端子には、前記トランジスタのゲートが接続されることを特徴とする請求項10に記載のスイッチングレギュレータ。
【請求項12】
前記第1外部端子には、定電圧が印加され、前記第2外部端子には、接地電圧が印加され、前記第3外部端子には、前記トランジスタのゲートが接続されることを特徴とする請求項10に記載のスイッチングレギュレータ。
【請求項13】
受信信号から所望チャンネルの放送信号を選局するチューナ部と、
前記チューナで選局された放送信号から映像信号と音声信号を生成するデコーダ部と、
前記映像信号を映像として出力する表示部と、
前記音声信号を音声として出力するスピーカ部と、
ユーザ操作を受け付ける操作部と、
外部入力信号を受け付けるインタフェイス部と、
上記各部の動作を統括的に制御する制御部と、
上記各部に電力供給を行う電源部と、
を有し、
前記電源部は、請求項10〜請求項12のいずれか一項に記載のスイッチングレギュレータを含むことを特徴とするテレビ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−186990(P2012−186990A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−5280(P2012−5280)
【出願日】平成24年1月13日(2012.1.13)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】