収容器搬送装置
【課題】収容棚に収容された収容器搬送するのに必要となる搬送時間を低減させたまま、複数の収容棚を完全に同期させて、収容器を搬送することができる収容器搬送装置を提供する。
【解決手段】棒状部材65を係合部材71で係合させ、エアシリンダ61で最上部の変位収容棚25aを移動させると、その棒状部材65が延出されたその他の変位収容棚25bが最上部の変位収容棚25aに連動して変位する。したがって、一つのエアシリンダ61の駆動でその他の変位収容棚25bを連動して変位させることができるので、複数の変位収容棚の移動を完全に同期させることができる。また、変位収容棚が変位して形成された空間を通して、搬送ロボットが固定棚列からFOUPをオープナーの載置棚へ搬送するので、FOUPを搬送するのに必要な搬送時間を低減させたまま、FOUPを搬送することができる。
【解決手段】棒状部材65を係合部材71で係合させ、エアシリンダ61で最上部の変位収容棚25aを移動させると、その棒状部材65が延出されたその他の変位収容棚25bが最上部の変位収容棚25aに連動して変位する。したがって、一つのエアシリンダ61の駆動でその他の変位収容棚25bを連動して変位させることができるので、複数の変位収容棚の移動を完全に同期させることができる。また、変位収容棚が変位して形成された空間を通して、搬送ロボットが固定棚列からFOUPをオープナーの載置棚へ搬送するので、FOUPを搬送するのに必要な搬送時間を低減させたまま、FOUPを搬送することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体基板、フラットパネルディスプレイ用ガラス基板、磁気/光ディスク用のガラス/セラミック基板(以下、「基板」と称する)を収容する収容器を収容及び搬送するための収容器搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の装置として、基板を収容するFOUPタイプのカセット(収容器であり、以下、FOUP(Front Opened Unified Pod)と称する)を収容するとともに、基板処理ユニットとの間でFOUPの搬送を行う、基板受渡ユニットを備えた基板処理装置が挙げられる(例えば、特許文献1参照)。この従来例においては、ローダ部における収容棚からオープナーにFOUPを移動させるために、オープナーから見て手前側の全ての収容棚に、収容棚を鉛直方向に移動させるためのシリンダが配設されている。そして、収容棚のFOUPが搬送される際には、FOUPに隣接する収容棚をシリンダによって移動させ、収容棚間にFOUPの搬送路を水平方向に形成し、収容棚からオープナーにFOUPを搬送している。これにより、FOUPの搬送時間を低減することができ、基板処理全体として必要となる処理時間を短縮し、基板処理のスループットを高めることができるという利点を備えている。
【特許文献1】特開2004−296996号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来の装置は、それぞれの収容棚に配設されたシリンダによって収容棚を独立して移動させるが、各シリンダの動作特性にバラツキがある等の理由で、各収容棚を完全に同期させて移動することが不可能である。また、各シリンダの動作特性を同じにすることが困難であるので、複数の収容棚の移動を同期動作に近づけるための調整も容易ではない。仮に調整が不十分な場合、シリンダやそれに連結するブランケットを破損する恐れがある。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、収容棚に収容された収容器搬送するのに必要となる搬送時間を低減させたまま、複数の収容棚を完全に同期させて移動することができ、収容棚の移動により形成された空間を通して、収容器を搬送することができる収容器搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、基板を収容した収容器を収容及び搬送するための収容器搬送装置であって、収容器に収容された基板の受け渡しを行うために収容器を載置する載置部と、収容器を収容するために鉛直方向に所定の間隔で配置され、固定された複数の固定収容棚を有する固定棚列と、前記載置部と前記固定棚列との間に配設され、収容器を収容するために鉛直方向に所定の間隔で配置された鉛直方向に変位する複数の変位収容棚を有する変位棚列と、前記変位棚列の最上部の変位収容棚を除くその他の変位収容棚に設けられ、最上部の変位収容棚まで延出する棒状部材と、前記変位棚列の最上部の変位収容棚に設けられ、前記各棒状部材を係合する状態と係合しない状態とをつくるハンドと、前記変位棚列の最上部の変位収容棚に設けられ、前記棒状部材を前記ハンドで係合した状態で変位収容棚を鉛直方向に変位させる棚駆動手段と、前記固定棚列と前記載置部との間で、変位収容棚が変位することで設けられた空間を水平方向に経由して収容器を搬送する搬送手段と、を備えていることを特徴とするものである。
【0006】
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、最上部の変位収容棚に設けられたハンドが棒状部材を係合し、棒状部材をハンドで保持させ、棚駆動手段で最上部の変位収容棚を移動させると、その棒状部材が延出されたその他の変位収容棚が最上部の変位収容棚に連動して変位する。したがって、一つの棚駆動手段の駆動でその他の変位収容棚を連動して変位させることができるので、複数の変位収容棚の移動を完全に同期させることができる。また、変位収容棚が変位して形成された空間を通して、搬送手段が固定棚列から収容器を載置部へ搬送するので、収容器を搬送するのに必要な搬送時間を低減させたまま、収容器を搬送することができる。
【0007】
また、本発明において、前記棒状部材は、頂部が前記棒状部材の軸よりも大径に形成されており、前記ハンドは、前記棒状部材の頂部の直径よりも間隔が狭く、前記棒状部材の軸よりも間隔が広い係合溝を有する係合部材と、前記係合部材を駆動し、前記棒状部材の軸を係合する係合部材駆動手段とを備え、前記係合部材駆動手段は、前記係合部材を進出変位することで前記棒状部材の軸を係合し、前記棚駆動手段は、最上部の変位収容棚と、前記係合部材によって係合された前記棒状部材に連結されたその他の変位収容棚とを同期させて鉛直方向に変位させることが好ましい(請求項2)。係合部材駆動手段で係合部材を駆動するだけで、係合部材が進出変位され、係合溝に棒状部材を係合させることができる。したがって、比較的簡易な構成で変位収容棚の同期変位を実現することができる。
【0008】
また、本発明において、前記棒状部材は、頂部が棒状部材の軸よりも大径に形成されており、前記ハンドは、外観が円形状を呈し、前記棒状部材の軸よりも広く、前記棒状部材の頂部よりも狭い棒状部材係合部と、前記棒状部材の頂部よりも広い棒状部材係合開放部とを円弧状に連結して備えた係合部材と、前記係合部材を駆動する係合部材駆動手段とを備え、前記係合部材駆動手段は、前記係合部材を回転変位することで前記棒状部材の軸を係合し、前記棚駆動手段は、最上部の変位収容棚と、前記係合部材によって係合された前記棒状部材に連結されたその他の変位収容棚とを同期させて鉛直方向に変位させることが好ましい(請求項3)。棒状部材係合部と棒状部材係合開放部とが円弧状に連結して係合部材に備えられているので、係合部材駆動手段が係合部材を回転変位させるだけで、棒状部材の係合と開放とを切り換えることができる。したがって、係合部材が移動することがなく、係合部材の移動空間を考慮する必要がないので、構造設計を比較的容易に行うことができる。
【0009】
また、本発明において、前記棚駆動手段によって変位する変位収容棚の変位量は、収容器が搬送可能な間隔であることが好ましい(請求項4)。変位収容棚を変位させるのに要する時間を最小限にしつつも、収容器を搬送できる空間を形成できる。
【0010】
また、本発明において、前記棚駆動手段は、シリンダを備えていることが好ましい(請求項5)。シリンダの作動/非作動だけで最上部の変位収容棚を変位させることができる。また、シリンダの作動片が伸縮する距離により、変位量を一定にすることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る収容器搬送装置によれば、最上部の変位収容棚に設けられたハンドが棒状部材を係合し、棒状部材をハンドで保持させ、棚駆動手段で最上部の変位収容棚を移動させると、その棒状部材が延出されたその他の変位収容棚が最上部の変位収容棚に連動して変位する。したがって、一つの棚駆動手段の駆動でその他の変位収容棚を連動して変位させることができるので、複数の変位収容棚の移動を完全に同期させることができる。また、変位収容棚が変位して形成された空間を通して、搬送手段が固定棚列から収容器を載置部へ搬送するので、収容器を搬送するのに必要な搬送時間を低減させたまま、収容器を搬送できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図1は、実施例に係る搬入出部を備えた基板処理装置の外観斜視図である。
【0013】
この基板処理装置は、基板Wに対して所定の処理を行う基板処理ユニット1と、未処理の複数枚の基板Wを収容したFOUP(Front Open Unified Pod)3から基板Wを取り出し、基板処理ユニット1との間で受け渡す搬入出部5とを備えている。なお、図中においては、z方向を鉛直方向とし、xy平面を水平面とするxyz直交座標系を付してある。
【0014】
基板処理ユニット1は、例えば、図示しない処理部を複数個備えており、搬入出部5から受け取った基板Wに対して所定の処理を行って、処理済みの基板Wを再び搬入出部5に受け渡す装置である。基板処理ユニット1における処理としては、例えば基板Wに対してフッ化水素酸を含む処理液などでエッチング処理を行ったり、エッチング処理後の基板Wに対して純水洗浄や乾燥処理を順次に行ったりする。
【0015】
搬入出部5は、FOUP3を搬入出するためのロードポート9を備えている。
【0016】
ロードポート9は、搬入出部5に並設されたユニットであり、搬入出部5との間でFOUP3の搬送が行われる。このロードポート9は、例えば、上面に二つのFOUP3を載置可能に構成されている。
【0017】
ロードポート9に未処理の基板Wを収容したFOUP3が載置されると、ロードポート9が有する搬入出機構(図示省略)が、搬入出部5内にFOUP3を搬入する。また、基板処理ユニット1に基板Wが受け渡されることによって空となったFOUP3は、ロードポート9が備えた搬入出機構(図示省略)が搬入出部5内部からロードポート9に搬出する。
【0018】
搬入出部5は、ロードポート9と基板処理ユニット1との間に配設されており、ロードポート9から搬入されたFOUP3をその内部に一時的に収容するとともに、FOUP3に収容されている基板Wを基板処理ユニット1に受け渡す。
【0019】
上述したように、基板処理装置においてFOUP3に収容された複数枚の基板W(ロットとも呼ばれる)は、搬入出部5から基板処理ユニット1に受け渡され、所定の処理が完了すると、基板処理ユニット1から再び搬入出部5へ受け渡される。したがって、搬入出部5は、基板処理ユニット1との間で基板Wの受け渡しを行う「収容器搬送装置」として使用される。
【0020】
基板処理装置は、制御部13によって統括的に制御されている。制御部13は、メモリやカウンタ・タイマなどを内蔵しており、メモリには基板Wを処理する手順を規定したレシピや、レシピに応じて各処理部を操作するスケジュールなどが記憶されている。基板Wを処理する際には、スケジュールを参照して各部を操作するが、処理のタイミングに合わせて、後述するエアシリンダなどを操作する。
【0021】
次に、搬入出部5の構成について詳細に説明する。図2は実施例に係る搬入出部の概略構成を示す斜視図であり、図3は搬入出部の正面図であり、図4は搬入出部の一部拡大斜視図である。
【0022】
搬入出部5は、鉛直方向(z方向)に沿ってFOUP3を収容する固定棚列15及び変位棚列17と、固定棚列15及び変位棚列17に収容されたFOUP3を搬送する搬送ロボット19とを備えている。
【0023】
固定棚列15は、所定の間隔で鉛直方向に一列に配置された複数個の固定収容棚21を備えている。本実施例では、固定収容棚21を6個備えており、上から順に、固定収容棚21a〜21fとなっている。この固定棚列15は、基板処理ユニット1側から見て右側に配設されている。
【0024】
各固定収容棚21a〜21fは、基板処理ユニット1との雰囲気遮断を行う隔壁23に固定して取り付けられている。各固定収容棚21a〜21fの上下間隔は、少なくともFOUP3の高さに合わせて設定されている。よって、各固定収容棚21a〜21fは、1個のFOUP3を載置することができる。なお、各固定収容棚21a〜21fは、未処理の基板Wを収容したFOUP3や、基板Wが取り出された後の空のFOUP3が載置される。
【0025】
変位棚列17は、鉛直方向に変位する複数個の変位収容棚25を備えている。本実施例では、変位収容棚25を5個備えており、上から順に、変位収容棚25a〜25eとなっている。変位棚列17は、載置棚35と固定棚列15の間に配設されている。なお、各変位収容棚25a〜25eは、それぞれ上面にFOUP3を載置することができ、未処理の基板Wを収容したFOUP3や、基板Wが取り出された後の空のFOUP3が載置される。変位棚列17の変位に係る機構については詳細を後述する。
【0026】
搬入出部5を基板処理ユニット1側から見た場合の右側には、鉛直方向に沿って上から順に、収容棚27、オープナー29、収容棚31、収容棚33が配設されている。
【0027】
収容棚27,31,33は、固定棚列15と同様に、隔壁23に固定して取り付けられており、それぞれの収容棚27,31,33は、1個のFOUP3を載置することができる。なお、収容棚27,31,33は、未処理の基板Wを収容したFOUP3や、基板Wが取り出された後の空のFOUP3が載置される。
【0028】
オープナー29は、FOUP3に収容された基板Wを基板処理ユニット1に対して受け渡すために使用され、鉛直方向に沿って配設された収容棚27と収容棚31との間に配設されている。未処理の基板Wが収容されたFOUP3が、搬送ロボット19によりオープナー29の載置棚35に載置されると、オープナー29はFOUP3の蓋(図示省略)を取り外すとともに、FOUP3から未処理の基板Wを取り出して、開口37を介して基板処理ユニット1に未処理の基板Wを受け渡す。
【0029】
なお、上記の載置棚35が本発明における「載置部」に相当する。
【0030】
搬送ロボット19は、固定収容棚21(21a〜21f)、変位収容棚25(25a〜25e)、収容棚27,31,33及びオープナー29の載置棚35のうち、着目する二つの収容棚または載置棚の間においてFOUP3を搬送する。
【0031】
搬送ロボット19は、主として、支柱39と、水平方向駆動部41と、搬送アーム43とを備えている。
【0032】
搬送アーム43は、FOUP3を保持した状態で搬送する。搬送アーム43の上面には、複数本(例えば、3本)のピン45が立設されている。したがって、搬送アーム43は、FOUP3の下面に形成されている対応する穴部(図示省略)に複数本のピン45を嵌め合わせることによってFOUP3を保持する。支柱39は、z方向にレール47が付設されており、搬送アーム43は、レール47に沿って鉛直方向に摺動可能に取り付けられている。
【0033】
支柱39は、鉛直方向に延伸された部材であり、その上端部付近には、x方向に延設されたガイドレール49に沿って摺動可能に取り付けられている。さらに、支柱39は、基端部が水平方向駆動部41に連結されている。
【0034】
水平方向駆動部41は、底部に配設されているレール部51に沿ってx方向に移動可能に構成されている。レール部51は、x方向の上面に二本のレール53が付設されており、水平方向駆動部41はこれらのレール53に摺動して移動し、固定棚列15と、変位棚列17と、オープナー29とにわたって水平方向に移動する。また、搬送アーム43は、レール47に沿って鉛直方向に移動可能に構成されているので、搬送ロボット19は、搬入出部5内において、FOUP3をxz平面内にて搬送する。
【0035】
換言すると、搬送ロボット19は、固定収容棚21a〜21f、変位収容棚25a〜25e、収容棚27,31,33,載置棚35のいずれにもアクセスが可能に構成されている。制御部13によって搬送元の収容棚と、搬送先の収容棚または載置棚とが選択された時点において、FOUP3を保持しつつ鉛直方向及び水平方向へと搬送する。
【0036】
なお、搬送ロボット19が本発明における「搬送手段」に相当する。
【0037】
次に、変位収容棚25について、図4及び図5を参照して説明する。なお、図4は、変位収容棚の一部拡大斜視図であり、図5は、動作説明に供する一部拡大斜視図である。
【0038】
変位収容棚25は、隔壁23に沿って鉛直方向に一対のガイドレール55を備えている。各変位収容棚25a〜25eは、これらのガイドレール55に沿って摺動して移動可能に構成されている。但し、主動は最も上側に配設されている変位収容棚25aだけであり、その他の変位収容棚25b〜25eは変位収容棚25aに従動である。また、各変位収容棚25a〜25eは、図4に示す各位置から上方へは移動可能であるが、図4に示す各位置から下方へは移動できないように構成されている。
【0039】
具体的には、最上部の変位収容棚25aは、一対のガイドレール55の間にあたる背部に連結部57と、隔壁23に取り付けられた固定部59とが一つのエアシリンダ61で連動連結されている。なお、図4及び図5における変位収容棚25aの高さ位置は、初期位置spであるとする。このエアシリンダ61が作動されると、その作動片が伸長され、変位収容棚25aが上昇位置upにまで上昇される。一方、エアシリンダ61が非作動とされると作動片が収縮され、変位収容棚25aが下降される。エアシリンダ61の伸長距離は、少なくともFOUP3の高さと同等またはそれ以上に設定されている。
【0040】
なお、上記のエアシリンダ61が本発明における「棚駆動手段」に相当する。
【0041】
最上部の変位収容棚25aは、その背部に、係合機構63と、複数本の棒状部材65が配設されている。この実施例では、棒状部材65が従動の棚数に一致した4本となっている。各棒状部材65は、x方向に一列に配設されており、係合機構63側から順に、棒状部材65a,65b,65c,65dとなっており、それぞれ頂部67が軸69よりも大径に形成されている。なお、係合部材71を上下から挟み込むように、さらに軸69よりも大径に形成される部分が頂部67と対向する位置に設けられていてもよい(例えば、図5中に点線で示す)。棒状部材65aは、変位収容棚25bだけに連結され、棒状部材65bは、変位収容棚25cだけに連結され、棒状部材65cは、変位収容棚25dだけに連結され、棒状部材65dは、変位収容棚25eだけに連結されている。換言すると、各変位収容棚25b〜25eは、最上部の変位収容棚25aの背部にまで延出された棒状部材65a〜65dを備えている。
【0042】
係合機構63は、係合部材71と、この係合部材71を棒状部材65に対して直線的に進退駆動するステッピングモータ73とを備えている。係合部材71は、平面視Uの字状を呈し、棒状部材65の頂部67の直径よりも間隔が狭く、かつ、棒状部材65の軸69の直径より間隔が広く形成された係合溝75を備えている。ステッピングモータ73は、駆動軸が直線的に進退する構成であり、その先端部が係合部材71に連結されている。
【0043】
なお、上述した係合部材71とステッピングモータ73とが本発明における「ハンド」に相当し、ステッピングモータ73が「係合部材駆動手段」に相当する。
【0044】
上述した構成により、制御部13は、ステッピングモータ73及びエアシリンダ61を操作して、変位収容棚25のうち上から順に変位収容棚25a〜25eを上昇させることができる。例えば、エアシリンダ61を操作して、その作動片を収縮させた状態であって、変位収容棚25aが初期位置spに位置している状態において、ステッピングモータ73を操作し、係合部材71の係合溝75内に棒状部材65a,65bが位置するように係合部材71を進出させる(図6)。そして、係合部材71が棒状部材65a,65bを係合した状態で制御部13がエアシリンダ61を作動させると、その作動片の伸長により、変位収容棚25aが上昇位置upにまで上昇するとともに、棒状部材65a,65bが上昇される。したがって、変位収容棚25aの上昇に伴って、変位収容棚25b,25cだけが連動して上昇される(図7)。
【0045】
次に、図8を参照して変位収容棚25の変位について説明する。なお、図8(a)〜(f)は動作説明に供する正面図及び平面図である。
【0046】
変位収容棚25aが初期位置spにあって、ステッピングモータ73が操作されていない状態で、制御部13がエアシリンダ61を作動させると、初期位置spにある変位収容棚25aだけが上昇位置upにまで上昇される(図8(a)→図8(b))。
【0047】
変位収容棚25aが初期位置spにある際に、制御部13がステッピングモータ73を操作し、係合部材71で棒状部材65aを係止した状態にした後、制御部13がエアシリンダ61を作動させると、変位収容棚25bが変位収容棚25aに連れられるようにして、変位収納棚25bが初期位置spにまで上昇される(図8(c))。
【0048】
変位収容棚25aが初期位置spにある際に、制御部13がステッピングモータ73を操作し、係合部材71で棒状部材65a,65bを係止した状態にした後、制御部13がエアシリンダ61を作動させると、変位収容棚25b,25cが変位収容棚25aに連れられるようにして上昇される(図8(d))。
【0049】
同様に制御部13がステッピングモータ73を操作し、係合部材71で棒状部材65a〜65cを係止した状態にした後、制御部13がエアシリンダ61を作動させると、変位収容棚25b〜25dが変位収容棚25aに連れられるようにして上昇される(図8(e))。
【0050】
同様にして、制御部13がステッピングモータ73を操作し、係合部材71で棒状部材65a〜65dを係止した状態にした後、制御部13がエアシリンダ61を作動させると、変位収容棚25b〜25eが変位収容棚25aに連れられるようにして上昇される(図8(f))。
【0051】
本実施例装置では、変位収容棚25の数が固定収容棚21の数より一つ少なく構成されており、上述したようにして制御部13がステッピングモータ73とエアシリンダ61とを操作することにより、最上部の変位収容棚25aに近い、その他の変位収容棚25b〜25eから変位させたい変位収容棚25b〜25eまでの棒状部材65を順に係合させることにより、各変位収容棚25b〜25eを上から順に変位収容棚25aの昇降に連動させることができる。したがって、例えば、図3に示すように、固定収容棚21dと、変位収容棚25cのそれぞれにFOUP3が収容されており、この状態において、固定収容棚21dに収容されたFOUP3がオープナー29の載置棚35に搬送される場合には、制御部13はステッピングモータ73とエアシリンダ61とを操作して、図8(d)の状態にして、固定収容棚21dのx方向に空間を形成する。そして、搬送ロボット19を操作して、固定収容棚21dに収容されているFOUP3をオープナー29の載置棚35に搬送する。
【0052】
このように、本実施例装置では、棒状部材65を係合部材71で係合させ、エアシリンダ61で最上部の変位収容棚25aを移動させると、その棒状部材65が延出されたその他の変位収容棚25b〜25eが最上部の変位収容棚25aに連動して変位する。したがって、一つのエアシリンダ61の駆動でその他の変位収容棚25b〜25eを連動して変位させることができるので、複数の変位収容棚25a〜25eを完全に同期させることができる。また、変位収容棚25a〜25eが変位して形成された空間を通して、搬送ロボット19が固定棚列15からFOUP3をオープナー29の載置棚35へ搬送するので、FOUP3を搬送するのに必要な搬送時間を低減させたまま、FOUP3を搬送することができる。
【0053】
また、上記の構成によると、ステッピングモータ73で係合部材71を駆動するだけで、係合部材71が進出変位され、係合溝75に棒状部材65を係合させることができる。したがって、比較的簡易な構成で変位収容棚25a〜25eの同期変位を実現することができる。
【0054】
<第1の変形例>
次に、図9及び図10を参照して、第1の変形例について説明する。なお、上述した構成と同じ構成については同符号を付して詳細な説明については省略する。図9は、第1の変形例に係る変位棚列の一部拡大斜視図であり、図10(a)〜(e)は動作説明に供する一部拡大平面図である。
【0055】
変位収容棚25aは、その背部に、係合機構63Aと、複数本の棒状部材65Aが配設されている。棒状部材65Aは、4本であり、それぞれ変位収容棚25aより下方に位置する変位収容棚25b〜25eから立設されている。棒状部材65Aは、後述する係合機構63Aとの関係上、平面視で円弧状に配置されている以外は、上述した実施例と同様である。
【0056】
係合機構63Aは、係合部材71Aと、この係合部材71Aを棒状部材65Aに対して回転駆動するステッピングモータ73Aとを備えている。係合部材71Aは、平面視の外観が円形状を呈し、棒状部材65Aの軸よりも広く、棒状部材65Aの頂部よりも狭い棒状部材保持部79と、棒状部材65Aの頂部よりも広い棒状部材保持開放部81とを円弧状に連結して備えている。全ての棒状部材65Aは、頂部が棒状部材保持開放部81に挿通された状態とされている。ステッピングモータ73Aは、回転軸が下方に向けられた姿勢とされて、取り付け部材83を介して変位収容棚25aの背部にある連結部57に対して取り付けられている。
【0057】
なお、上述した係合部材71Aとステッピングモータ73Aとが本発明における「ハンド」に相当し、ステッピングモータ73Aが「係合部材駆動手段」に相当する。
【0058】
ステッピングモータ73Aを作動させてゆくと、図10(a)〜(e)に示すように、棒状部材65aから棒状部材65dまでが順に棒状部材係合部79に相対的に移動してゆく。その結果、棒状部材65a〜65dが順次に係合部材71Aに対して係合されてゆく。
【0059】
上述した構成により、制御部13は、ステッピングモータ73Aを回転させて、移動させたい変位収容棚25b〜25eの棒状部材65a〜65dを棒状部材係合部79内に位置させる。そのようにした状態で、エアシリンダ61を作動させると、最上部の変位収容棚25aに連動して下方の変位収容棚25b〜25eを移動させることができる。
【0060】
この第1の変形例の構成によると、係合部材71Aを回転変位させるだけで、棒状部材65Aの係合と開放とを切り換えることができる。したがって、係合部材71Aが移動することがなく、係合部材71Aの移動空間を考慮する必要がないので、構造設計を比較的容易に行うことができる。
【0061】
<第2の変形例>
次に、図11及び図12を参照して、第2の変形例について説明する。なお、上述した構成と同じ構成については同符号を付して詳細な説明については省略する。図11は、第2の変形例に係る係合機構の一部拡大斜視図であり、図12(a)〜(d)は動作説明に供する一部拡大平面図である。
【0062】
第2の変形例は、上述した実施例と同様の棒状部材65を備えているが、係合機構63Bが異なる。つまり、変位収容棚25aの背部には、係合部材71Bと、ステッピングモータ73Bとを備えている。
【0063】
係合部材71Bは、平面視幅広に構成されており、外観が櫛歯状を呈している。係合部材71Bは、各棒状部材65a〜65dに対応する位置に、係合溝85(棒状部材係合部に相当)と係合開放溝87(棒状部材係合開放部)とが形成されている。係合溝85は、棒状部材65の頂部の直径より幅が狭く、かつ、棒状部材65の軸の直径より幅が広く形成されている。初期状態では、図11の状態であり、エアシリンダ61を作動させると、最上部の変位収容棚25aだけが上昇位置upにまで移動される。
【0064】
ステッピングモータ73Bを作動させて、係合部材71Bを一段だけ進出させると、棒状部材65aだけが係合溝85に係合する(図12(a))。係合部材71Bをさらに一段進出させると、棒状部材65a,65bだけが係合溝85に係合する(図12(b))。係合部材71Bをさらに一段進出させると、棒状部材65a〜65cだけが係合溝85に係合する(図12(c))。係合部材71Cをさらに一段進出させると、全ての棒状部材65a〜65dが係合溝85に係合する(図12(d))。
【0065】
このような係合機構63Bの構成であって、上述した係合機構63,63Aと同様に各変位収容棚25b〜25dを最上部の変位収容棚25aに連動させて移動させることができる。
【0066】
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0067】
(1)上述した実施例では、変位収納棚25を5段で構成しているが、2段〜4段または6段以上で構成してもよい。
【0068】
(2)上述した実施例では、ステッピングモータ73,73A,73Bを変位棚列17の上方に備えているが、これを下方に備えるようにしてもよい。
【0069】
(3)上述した実施例では、収容器としてFOUP3を例にとって説明したが、基板Wが露出した状態で保持するカセットであってもよい。
【0070】
(4)上述した実施例では、係合部材駆動手段としてステッピングモータを採用しているが、直線駆動型であるステッピングモータ73,73Bに代えて複数個のエアシリンダを採用してもよい。
【0071】
(5)上述した実施例では、棚駆動手段としてエアシリンダを用いているが、これに代えて直線駆動型のステッピングモータを採用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】実施例に係る搬入出部を備えた基板処理装置の外観斜視図である。
【図2】実施例に係る搬入出部の概略構成を示す斜視図である。
【図3】搬入出部の正面図である。
【図4】変位収容棚の一部拡大斜視図である。
【図5】動作説明に供する一部拡大斜視図である。
【図6】動作説明に供する一部拡大斜視図である。
【図7】動作説明に供する一部拡大斜視図である。
【図8】(a)〜(f)は動作説明に供する正面図及び平面図である。
【図9】第1の変形例に係る変位棚列の一部拡大斜視図である。
【図10】(a)〜(e)は動作説明に供する一部拡大平面図である。
【図11】第2の変形例に係る係合機構の一部拡大図である。
【図12】(a)〜(d)は動作説明に供する一部拡大平面図である。
【符号の説明】
【0073】
1 … 基板処理ユニット
3 … FOUP
5 … 搬入出部
9 … ロードポート
13 … 制御部
15 … 固定棚列
17 … 変位棚列
19 … 搬送ロボット
21 … 固定収容棚
21a〜21f … 固定収容棚
23 … 隔壁
25 … 変位収容棚
25a〜25e … 変位収容棚
27,31,33 … 収容棚
35 … 載置棚
29 … オープナー
43 … 搬送アーム
57 … 連結部
59 … 固定部
61 … エアシリンダ
sp … 初期位置
up … 上昇位置
63 … 係合部材
65 … 棒状部材
65a〜65d … 棒状部材
67 … 頂部
69 … 軸
71 … 係合部材
73 … ステッピングモータ
75 … 係合溝
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体基板、フラットパネルディスプレイ用ガラス基板、磁気/光ディスク用のガラス/セラミック基板(以下、「基板」と称する)を収容する収容器を収容及び搬送するための収容器搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の装置として、基板を収容するFOUPタイプのカセット(収容器であり、以下、FOUP(Front Opened Unified Pod)と称する)を収容するとともに、基板処理ユニットとの間でFOUPの搬送を行う、基板受渡ユニットを備えた基板処理装置が挙げられる(例えば、特許文献1参照)。この従来例においては、ローダ部における収容棚からオープナーにFOUPを移動させるために、オープナーから見て手前側の全ての収容棚に、収容棚を鉛直方向に移動させるためのシリンダが配設されている。そして、収容棚のFOUPが搬送される際には、FOUPに隣接する収容棚をシリンダによって移動させ、収容棚間にFOUPの搬送路を水平方向に形成し、収容棚からオープナーにFOUPを搬送している。これにより、FOUPの搬送時間を低減することができ、基板処理全体として必要となる処理時間を短縮し、基板処理のスループットを高めることができるという利点を備えている。
【特許文献1】特開2004−296996号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来の装置は、それぞれの収容棚に配設されたシリンダによって収容棚を独立して移動させるが、各シリンダの動作特性にバラツキがある等の理由で、各収容棚を完全に同期させて移動することが不可能である。また、各シリンダの動作特性を同じにすることが困難であるので、複数の収容棚の移動を同期動作に近づけるための調整も容易ではない。仮に調整が不十分な場合、シリンダやそれに連結するブランケットを破損する恐れがある。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、収容棚に収容された収容器搬送するのに必要となる搬送時間を低減させたまま、複数の収容棚を完全に同期させて移動することができ、収容棚の移動により形成された空間を通して、収容器を搬送することができる収容器搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、基板を収容した収容器を収容及び搬送するための収容器搬送装置であって、収容器に収容された基板の受け渡しを行うために収容器を載置する載置部と、収容器を収容するために鉛直方向に所定の間隔で配置され、固定された複数の固定収容棚を有する固定棚列と、前記載置部と前記固定棚列との間に配設され、収容器を収容するために鉛直方向に所定の間隔で配置された鉛直方向に変位する複数の変位収容棚を有する変位棚列と、前記変位棚列の最上部の変位収容棚を除くその他の変位収容棚に設けられ、最上部の変位収容棚まで延出する棒状部材と、前記変位棚列の最上部の変位収容棚に設けられ、前記各棒状部材を係合する状態と係合しない状態とをつくるハンドと、前記変位棚列の最上部の変位収容棚に設けられ、前記棒状部材を前記ハンドで係合した状態で変位収容棚を鉛直方向に変位させる棚駆動手段と、前記固定棚列と前記載置部との間で、変位収容棚が変位することで設けられた空間を水平方向に経由して収容器を搬送する搬送手段と、を備えていることを特徴とするものである。
【0006】
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、最上部の変位収容棚に設けられたハンドが棒状部材を係合し、棒状部材をハンドで保持させ、棚駆動手段で最上部の変位収容棚を移動させると、その棒状部材が延出されたその他の変位収容棚が最上部の変位収容棚に連動して変位する。したがって、一つの棚駆動手段の駆動でその他の変位収容棚を連動して変位させることができるので、複数の変位収容棚の移動を完全に同期させることができる。また、変位収容棚が変位して形成された空間を通して、搬送手段が固定棚列から収容器を載置部へ搬送するので、収容器を搬送するのに必要な搬送時間を低減させたまま、収容器を搬送することができる。
【0007】
また、本発明において、前記棒状部材は、頂部が前記棒状部材の軸よりも大径に形成されており、前記ハンドは、前記棒状部材の頂部の直径よりも間隔が狭く、前記棒状部材の軸よりも間隔が広い係合溝を有する係合部材と、前記係合部材を駆動し、前記棒状部材の軸を係合する係合部材駆動手段とを備え、前記係合部材駆動手段は、前記係合部材を進出変位することで前記棒状部材の軸を係合し、前記棚駆動手段は、最上部の変位収容棚と、前記係合部材によって係合された前記棒状部材に連結されたその他の変位収容棚とを同期させて鉛直方向に変位させることが好ましい(請求項2)。係合部材駆動手段で係合部材を駆動するだけで、係合部材が進出変位され、係合溝に棒状部材を係合させることができる。したがって、比較的簡易な構成で変位収容棚の同期変位を実現することができる。
【0008】
また、本発明において、前記棒状部材は、頂部が棒状部材の軸よりも大径に形成されており、前記ハンドは、外観が円形状を呈し、前記棒状部材の軸よりも広く、前記棒状部材の頂部よりも狭い棒状部材係合部と、前記棒状部材の頂部よりも広い棒状部材係合開放部とを円弧状に連結して備えた係合部材と、前記係合部材を駆動する係合部材駆動手段とを備え、前記係合部材駆動手段は、前記係合部材を回転変位することで前記棒状部材の軸を係合し、前記棚駆動手段は、最上部の変位収容棚と、前記係合部材によって係合された前記棒状部材に連結されたその他の変位収容棚とを同期させて鉛直方向に変位させることが好ましい(請求項3)。棒状部材係合部と棒状部材係合開放部とが円弧状に連結して係合部材に備えられているので、係合部材駆動手段が係合部材を回転変位させるだけで、棒状部材の係合と開放とを切り換えることができる。したがって、係合部材が移動することがなく、係合部材の移動空間を考慮する必要がないので、構造設計を比較的容易に行うことができる。
【0009】
また、本発明において、前記棚駆動手段によって変位する変位収容棚の変位量は、収容器が搬送可能な間隔であることが好ましい(請求項4)。変位収容棚を変位させるのに要する時間を最小限にしつつも、収容器を搬送できる空間を形成できる。
【0010】
また、本発明において、前記棚駆動手段は、シリンダを備えていることが好ましい(請求項5)。シリンダの作動/非作動だけで最上部の変位収容棚を変位させることができる。また、シリンダの作動片が伸縮する距離により、変位量を一定にすることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る収容器搬送装置によれば、最上部の変位収容棚に設けられたハンドが棒状部材を係合し、棒状部材をハンドで保持させ、棚駆動手段で最上部の変位収容棚を移動させると、その棒状部材が延出されたその他の変位収容棚が最上部の変位収容棚に連動して変位する。したがって、一つの棚駆動手段の駆動でその他の変位収容棚を連動して変位させることができるので、複数の変位収容棚の移動を完全に同期させることができる。また、変位収容棚が変位して形成された空間を通して、搬送手段が固定棚列から収容器を載置部へ搬送するので、収容器を搬送するのに必要な搬送時間を低減させたまま、収容器を搬送できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図1は、実施例に係る搬入出部を備えた基板処理装置の外観斜視図である。
【0013】
この基板処理装置は、基板Wに対して所定の処理を行う基板処理ユニット1と、未処理の複数枚の基板Wを収容したFOUP(Front Open Unified Pod)3から基板Wを取り出し、基板処理ユニット1との間で受け渡す搬入出部5とを備えている。なお、図中においては、z方向を鉛直方向とし、xy平面を水平面とするxyz直交座標系を付してある。
【0014】
基板処理ユニット1は、例えば、図示しない処理部を複数個備えており、搬入出部5から受け取った基板Wに対して所定の処理を行って、処理済みの基板Wを再び搬入出部5に受け渡す装置である。基板処理ユニット1における処理としては、例えば基板Wに対してフッ化水素酸を含む処理液などでエッチング処理を行ったり、エッチング処理後の基板Wに対して純水洗浄や乾燥処理を順次に行ったりする。
【0015】
搬入出部5は、FOUP3を搬入出するためのロードポート9を備えている。
【0016】
ロードポート9は、搬入出部5に並設されたユニットであり、搬入出部5との間でFOUP3の搬送が行われる。このロードポート9は、例えば、上面に二つのFOUP3を載置可能に構成されている。
【0017】
ロードポート9に未処理の基板Wを収容したFOUP3が載置されると、ロードポート9が有する搬入出機構(図示省略)が、搬入出部5内にFOUP3を搬入する。また、基板処理ユニット1に基板Wが受け渡されることによって空となったFOUP3は、ロードポート9が備えた搬入出機構(図示省略)が搬入出部5内部からロードポート9に搬出する。
【0018】
搬入出部5は、ロードポート9と基板処理ユニット1との間に配設されており、ロードポート9から搬入されたFOUP3をその内部に一時的に収容するとともに、FOUP3に収容されている基板Wを基板処理ユニット1に受け渡す。
【0019】
上述したように、基板処理装置においてFOUP3に収容された複数枚の基板W(ロットとも呼ばれる)は、搬入出部5から基板処理ユニット1に受け渡され、所定の処理が完了すると、基板処理ユニット1から再び搬入出部5へ受け渡される。したがって、搬入出部5は、基板処理ユニット1との間で基板Wの受け渡しを行う「収容器搬送装置」として使用される。
【0020】
基板処理装置は、制御部13によって統括的に制御されている。制御部13は、メモリやカウンタ・タイマなどを内蔵しており、メモリには基板Wを処理する手順を規定したレシピや、レシピに応じて各処理部を操作するスケジュールなどが記憶されている。基板Wを処理する際には、スケジュールを参照して各部を操作するが、処理のタイミングに合わせて、後述するエアシリンダなどを操作する。
【0021】
次に、搬入出部5の構成について詳細に説明する。図2は実施例に係る搬入出部の概略構成を示す斜視図であり、図3は搬入出部の正面図であり、図4は搬入出部の一部拡大斜視図である。
【0022】
搬入出部5は、鉛直方向(z方向)に沿ってFOUP3を収容する固定棚列15及び変位棚列17と、固定棚列15及び変位棚列17に収容されたFOUP3を搬送する搬送ロボット19とを備えている。
【0023】
固定棚列15は、所定の間隔で鉛直方向に一列に配置された複数個の固定収容棚21を備えている。本実施例では、固定収容棚21を6個備えており、上から順に、固定収容棚21a〜21fとなっている。この固定棚列15は、基板処理ユニット1側から見て右側に配設されている。
【0024】
各固定収容棚21a〜21fは、基板処理ユニット1との雰囲気遮断を行う隔壁23に固定して取り付けられている。各固定収容棚21a〜21fの上下間隔は、少なくともFOUP3の高さに合わせて設定されている。よって、各固定収容棚21a〜21fは、1個のFOUP3を載置することができる。なお、各固定収容棚21a〜21fは、未処理の基板Wを収容したFOUP3や、基板Wが取り出された後の空のFOUP3が載置される。
【0025】
変位棚列17は、鉛直方向に変位する複数個の変位収容棚25を備えている。本実施例では、変位収容棚25を5個備えており、上から順に、変位収容棚25a〜25eとなっている。変位棚列17は、載置棚35と固定棚列15の間に配設されている。なお、各変位収容棚25a〜25eは、それぞれ上面にFOUP3を載置することができ、未処理の基板Wを収容したFOUP3や、基板Wが取り出された後の空のFOUP3が載置される。変位棚列17の変位に係る機構については詳細を後述する。
【0026】
搬入出部5を基板処理ユニット1側から見た場合の右側には、鉛直方向に沿って上から順に、収容棚27、オープナー29、収容棚31、収容棚33が配設されている。
【0027】
収容棚27,31,33は、固定棚列15と同様に、隔壁23に固定して取り付けられており、それぞれの収容棚27,31,33は、1個のFOUP3を載置することができる。なお、収容棚27,31,33は、未処理の基板Wを収容したFOUP3や、基板Wが取り出された後の空のFOUP3が載置される。
【0028】
オープナー29は、FOUP3に収容された基板Wを基板処理ユニット1に対して受け渡すために使用され、鉛直方向に沿って配設された収容棚27と収容棚31との間に配設されている。未処理の基板Wが収容されたFOUP3が、搬送ロボット19によりオープナー29の載置棚35に載置されると、オープナー29はFOUP3の蓋(図示省略)を取り外すとともに、FOUP3から未処理の基板Wを取り出して、開口37を介して基板処理ユニット1に未処理の基板Wを受け渡す。
【0029】
なお、上記の載置棚35が本発明における「載置部」に相当する。
【0030】
搬送ロボット19は、固定収容棚21(21a〜21f)、変位収容棚25(25a〜25e)、収容棚27,31,33及びオープナー29の載置棚35のうち、着目する二つの収容棚または載置棚の間においてFOUP3を搬送する。
【0031】
搬送ロボット19は、主として、支柱39と、水平方向駆動部41と、搬送アーム43とを備えている。
【0032】
搬送アーム43は、FOUP3を保持した状態で搬送する。搬送アーム43の上面には、複数本(例えば、3本)のピン45が立設されている。したがって、搬送アーム43は、FOUP3の下面に形成されている対応する穴部(図示省略)に複数本のピン45を嵌め合わせることによってFOUP3を保持する。支柱39は、z方向にレール47が付設されており、搬送アーム43は、レール47に沿って鉛直方向に摺動可能に取り付けられている。
【0033】
支柱39は、鉛直方向に延伸された部材であり、その上端部付近には、x方向に延設されたガイドレール49に沿って摺動可能に取り付けられている。さらに、支柱39は、基端部が水平方向駆動部41に連結されている。
【0034】
水平方向駆動部41は、底部に配設されているレール部51に沿ってx方向に移動可能に構成されている。レール部51は、x方向の上面に二本のレール53が付設されており、水平方向駆動部41はこれらのレール53に摺動して移動し、固定棚列15と、変位棚列17と、オープナー29とにわたって水平方向に移動する。また、搬送アーム43は、レール47に沿って鉛直方向に移動可能に構成されているので、搬送ロボット19は、搬入出部5内において、FOUP3をxz平面内にて搬送する。
【0035】
換言すると、搬送ロボット19は、固定収容棚21a〜21f、変位収容棚25a〜25e、収容棚27,31,33,載置棚35のいずれにもアクセスが可能に構成されている。制御部13によって搬送元の収容棚と、搬送先の収容棚または載置棚とが選択された時点において、FOUP3を保持しつつ鉛直方向及び水平方向へと搬送する。
【0036】
なお、搬送ロボット19が本発明における「搬送手段」に相当する。
【0037】
次に、変位収容棚25について、図4及び図5を参照して説明する。なお、図4は、変位収容棚の一部拡大斜視図であり、図5は、動作説明に供する一部拡大斜視図である。
【0038】
変位収容棚25は、隔壁23に沿って鉛直方向に一対のガイドレール55を備えている。各変位収容棚25a〜25eは、これらのガイドレール55に沿って摺動して移動可能に構成されている。但し、主動は最も上側に配設されている変位収容棚25aだけであり、その他の変位収容棚25b〜25eは変位収容棚25aに従動である。また、各変位収容棚25a〜25eは、図4に示す各位置から上方へは移動可能であるが、図4に示す各位置から下方へは移動できないように構成されている。
【0039】
具体的には、最上部の変位収容棚25aは、一対のガイドレール55の間にあたる背部に連結部57と、隔壁23に取り付けられた固定部59とが一つのエアシリンダ61で連動連結されている。なお、図4及び図5における変位収容棚25aの高さ位置は、初期位置spであるとする。このエアシリンダ61が作動されると、その作動片が伸長され、変位収容棚25aが上昇位置upにまで上昇される。一方、エアシリンダ61が非作動とされると作動片が収縮され、変位収容棚25aが下降される。エアシリンダ61の伸長距離は、少なくともFOUP3の高さと同等またはそれ以上に設定されている。
【0040】
なお、上記のエアシリンダ61が本発明における「棚駆動手段」に相当する。
【0041】
最上部の変位収容棚25aは、その背部に、係合機構63と、複数本の棒状部材65が配設されている。この実施例では、棒状部材65が従動の棚数に一致した4本となっている。各棒状部材65は、x方向に一列に配設されており、係合機構63側から順に、棒状部材65a,65b,65c,65dとなっており、それぞれ頂部67が軸69よりも大径に形成されている。なお、係合部材71を上下から挟み込むように、さらに軸69よりも大径に形成される部分が頂部67と対向する位置に設けられていてもよい(例えば、図5中に点線で示す)。棒状部材65aは、変位収容棚25bだけに連結され、棒状部材65bは、変位収容棚25cだけに連結され、棒状部材65cは、変位収容棚25dだけに連結され、棒状部材65dは、変位収容棚25eだけに連結されている。換言すると、各変位収容棚25b〜25eは、最上部の変位収容棚25aの背部にまで延出された棒状部材65a〜65dを備えている。
【0042】
係合機構63は、係合部材71と、この係合部材71を棒状部材65に対して直線的に進退駆動するステッピングモータ73とを備えている。係合部材71は、平面視Uの字状を呈し、棒状部材65の頂部67の直径よりも間隔が狭く、かつ、棒状部材65の軸69の直径より間隔が広く形成された係合溝75を備えている。ステッピングモータ73は、駆動軸が直線的に進退する構成であり、その先端部が係合部材71に連結されている。
【0043】
なお、上述した係合部材71とステッピングモータ73とが本発明における「ハンド」に相当し、ステッピングモータ73が「係合部材駆動手段」に相当する。
【0044】
上述した構成により、制御部13は、ステッピングモータ73及びエアシリンダ61を操作して、変位収容棚25のうち上から順に変位収容棚25a〜25eを上昇させることができる。例えば、エアシリンダ61を操作して、その作動片を収縮させた状態であって、変位収容棚25aが初期位置spに位置している状態において、ステッピングモータ73を操作し、係合部材71の係合溝75内に棒状部材65a,65bが位置するように係合部材71を進出させる(図6)。そして、係合部材71が棒状部材65a,65bを係合した状態で制御部13がエアシリンダ61を作動させると、その作動片の伸長により、変位収容棚25aが上昇位置upにまで上昇するとともに、棒状部材65a,65bが上昇される。したがって、変位収容棚25aの上昇に伴って、変位収容棚25b,25cだけが連動して上昇される(図7)。
【0045】
次に、図8を参照して変位収容棚25の変位について説明する。なお、図8(a)〜(f)は動作説明に供する正面図及び平面図である。
【0046】
変位収容棚25aが初期位置spにあって、ステッピングモータ73が操作されていない状態で、制御部13がエアシリンダ61を作動させると、初期位置spにある変位収容棚25aだけが上昇位置upにまで上昇される(図8(a)→図8(b))。
【0047】
変位収容棚25aが初期位置spにある際に、制御部13がステッピングモータ73を操作し、係合部材71で棒状部材65aを係止した状態にした後、制御部13がエアシリンダ61を作動させると、変位収容棚25bが変位収容棚25aに連れられるようにして、変位収納棚25bが初期位置spにまで上昇される(図8(c))。
【0048】
変位収容棚25aが初期位置spにある際に、制御部13がステッピングモータ73を操作し、係合部材71で棒状部材65a,65bを係止した状態にした後、制御部13がエアシリンダ61を作動させると、変位収容棚25b,25cが変位収容棚25aに連れられるようにして上昇される(図8(d))。
【0049】
同様に制御部13がステッピングモータ73を操作し、係合部材71で棒状部材65a〜65cを係止した状態にした後、制御部13がエアシリンダ61を作動させると、変位収容棚25b〜25dが変位収容棚25aに連れられるようにして上昇される(図8(e))。
【0050】
同様にして、制御部13がステッピングモータ73を操作し、係合部材71で棒状部材65a〜65dを係止した状態にした後、制御部13がエアシリンダ61を作動させると、変位収容棚25b〜25eが変位収容棚25aに連れられるようにして上昇される(図8(f))。
【0051】
本実施例装置では、変位収容棚25の数が固定収容棚21の数より一つ少なく構成されており、上述したようにして制御部13がステッピングモータ73とエアシリンダ61とを操作することにより、最上部の変位収容棚25aに近い、その他の変位収容棚25b〜25eから変位させたい変位収容棚25b〜25eまでの棒状部材65を順に係合させることにより、各変位収容棚25b〜25eを上から順に変位収容棚25aの昇降に連動させることができる。したがって、例えば、図3に示すように、固定収容棚21dと、変位収容棚25cのそれぞれにFOUP3が収容されており、この状態において、固定収容棚21dに収容されたFOUP3がオープナー29の載置棚35に搬送される場合には、制御部13はステッピングモータ73とエアシリンダ61とを操作して、図8(d)の状態にして、固定収容棚21dのx方向に空間を形成する。そして、搬送ロボット19を操作して、固定収容棚21dに収容されているFOUP3をオープナー29の載置棚35に搬送する。
【0052】
このように、本実施例装置では、棒状部材65を係合部材71で係合させ、エアシリンダ61で最上部の変位収容棚25aを移動させると、その棒状部材65が延出されたその他の変位収容棚25b〜25eが最上部の変位収容棚25aに連動して変位する。したがって、一つのエアシリンダ61の駆動でその他の変位収容棚25b〜25eを連動して変位させることができるので、複数の変位収容棚25a〜25eを完全に同期させることができる。また、変位収容棚25a〜25eが変位して形成された空間を通して、搬送ロボット19が固定棚列15からFOUP3をオープナー29の載置棚35へ搬送するので、FOUP3を搬送するのに必要な搬送時間を低減させたまま、FOUP3を搬送することができる。
【0053】
また、上記の構成によると、ステッピングモータ73で係合部材71を駆動するだけで、係合部材71が進出変位され、係合溝75に棒状部材65を係合させることができる。したがって、比較的簡易な構成で変位収容棚25a〜25eの同期変位を実現することができる。
【0054】
<第1の変形例>
次に、図9及び図10を参照して、第1の変形例について説明する。なお、上述した構成と同じ構成については同符号を付して詳細な説明については省略する。図9は、第1の変形例に係る変位棚列の一部拡大斜視図であり、図10(a)〜(e)は動作説明に供する一部拡大平面図である。
【0055】
変位収容棚25aは、その背部に、係合機構63Aと、複数本の棒状部材65Aが配設されている。棒状部材65Aは、4本であり、それぞれ変位収容棚25aより下方に位置する変位収容棚25b〜25eから立設されている。棒状部材65Aは、後述する係合機構63Aとの関係上、平面視で円弧状に配置されている以外は、上述した実施例と同様である。
【0056】
係合機構63Aは、係合部材71Aと、この係合部材71Aを棒状部材65Aに対して回転駆動するステッピングモータ73Aとを備えている。係合部材71Aは、平面視の外観が円形状を呈し、棒状部材65Aの軸よりも広く、棒状部材65Aの頂部よりも狭い棒状部材保持部79と、棒状部材65Aの頂部よりも広い棒状部材保持開放部81とを円弧状に連結して備えている。全ての棒状部材65Aは、頂部が棒状部材保持開放部81に挿通された状態とされている。ステッピングモータ73Aは、回転軸が下方に向けられた姿勢とされて、取り付け部材83を介して変位収容棚25aの背部にある連結部57に対して取り付けられている。
【0057】
なお、上述した係合部材71Aとステッピングモータ73Aとが本発明における「ハンド」に相当し、ステッピングモータ73Aが「係合部材駆動手段」に相当する。
【0058】
ステッピングモータ73Aを作動させてゆくと、図10(a)〜(e)に示すように、棒状部材65aから棒状部材65dまでが順に棒状部材係合部79に相対的に移動してゆく。その結果、棒状部材65a〜65dが順次に係合部材71Aに対して係合されてゆく。
【0059】
上述した構成により、制御部13は、ステッピングモータ73Aを回転させて、移動させたい変位収容棚25b〜25eの棒状部材65a〜65dを棒状部材係合部79内に位置させる。そのようにした状態で、エアシリンダ61を作動させると、最上部の変位収容棚25aに連動して下方の変位収容棚25b〜25eを移動させることができる。
【0060】
この第1の変形例の構成によると、係合部材71Aを回転変位させるだけで、棒状部材65Aの係合と開放とを切り換えることができる。したがって、係合部材71Aが移動することがなく、係合部材71Aの移動空間を考慮する必要がないので、構造設計を比較的容易に行うことができる。
【0061】
<第2の変形例>
次に、図11及び図12を参照して、第2の変形例について説明する。なお、上述した構成と同じ構成については同符号を付して詳細な説明については省略する。図11は、第2の変形例に係る係合機構の一部拡大斜視図であり、図12(a)〜(d)は動作説明に供する一部拡大平面図である。
【0062】
第2の変形例は、上述した実施例と同様の棒状部材65を備えているが、係合機構63Bが異なる。つまり、変位収容棚25aの背部には、係合部材71Bと、ステッピングモータ73Bとを備えている。
【0063】
係合部材71Bは、平面視幅広に構成されており、外観が櫛歯状を呈している。係合部材71Bは、各棒状部材65a〜65dに対応する位置に、係合溝85(棒状部材係合部に相当)と係合開放溝87(棒状部材係合開放部)とが形成されている。係合溝85は、棒状部材65の頂部の直径より幅が狭く、かつ、棒状部材65の軸の直径より幅が広く形成されている。初期状態では、図11の状態であり、エアシリンダ61を作動させると、最上部の変位収容棚25aだけが上昇位置upにまで移動される。
【0064】
ステッピングモータ73Bを作動させて、係合部材71Bを一段だけ進出させると、棒状部材65aだけが係合溝85に係合する(図12(a))。係合部材71Bをさらに一段進出させると、棒状部材65a,65bだけが係合溝85に係合する(図12(b))。係合部材71Bをさらに一段進出させると、棒状部材65a〜65cだけが係合溝85に係合する(図12(c))。係合部材71Cをさらに一段進出させると、全ての棒状部材65a〜65dが係合溝85に係合する(図12(d))。
【0065】
このような係合機構63Bの構成であって、上述した係合機構63,63Aと同様に各変位収容棚25b〜25dを最上部の変位収容棚25aに連動させて移動させることができる。
【0066】
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
【0067】
(1)上述した実施例では、変位収納棚25を5段で構成しているが、2段〜4段または6段以上で構成してもよい。
【0068】
(2)上述した実施例では、ステッピングモータ73,73A,73Bを変位棚列17の上方に備えているが、これを下方に備えるようにしてもよい。
【0069】
(3)上述した実施例では、収容器としてFOUP3を例にとって説明したが、基板Wが露出した状態で保持するカセットであってもよい。
【0070】
(4)上述した実施例では、係合部材駆動手段としてステッピングモータを採用しているが、直線駆動型であるステッピングモータ73,73Bに代えて複数個のエアシリンダを採用してもよい。
【0071】
(5)上述した実施例では、棚駆動手段としてエアシリンダを用いているが、これに代えて直線駆動型のステッピングモータを採用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】実施例に係る搬入出部を備えた基板処理装置の外観斜視図である。
【図2】実施例に係る搬入出部の概略構成を示す斜視図である。
【図3】搬入出部の正面図である。
【図4】変位収容棚の一部拡大斜視図である。
【図5】動作説明に供する一部拡大斜視図である。
【図6】動作説明に供する一部拡大斜視図である。
【図7】動作説明に供する一部拡大斜視図である。
【図8】(a)〜(f)は動作説明に供する正面図及び平面図である。
【図9】第1の変形例に係る変位棚列の一部拡大斜視図である。
【図10】(a)〜(e)は動作説明に供する一部拡大平面図である。
【図11】第2の変形例に係る係合機構の一部拡大図である。
【図12】(a)〜(d)は動作説明に供する一部拡大平面図である。
【符号の説明】
【0073】
1 … 基板処理ユニット
3 … FOUP
5 … 搬入出部
9 … ロードポート
13 … 制御部
15 … 固定棚列
17 … 変位棚列
19 … 搬送ロボット
21 … 固定収容棚
21a〜21f … 固定収容棚
23 … 隔壁
25 … 変位収容棚
25a〜25e … 変位収容棚
27,31,33 … 収容棚
35 … 載置棚
29 … オープナー
43 … 搬送アーム
57 … 連結部
59 … 固定部
61 … エアシリンダ
sp … 初期位置
up … 上昇位置
63 … 係合部材
65 … 棒状部材
65a〜65d … 棒状部材
67 … 頂部
69 … 軸
71 … 係合部材
73 … ステッピングモータ
75 … 係合溝
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を収容した収容器を収容及び搬送するための収容器搬送装置であって、
収容器に収容された基板の受け渡しを行うために収容器を載置する載置部と、
収容器を収容するために鉛直方向に所定の間隔で配置され、固定された複数の固定収容棚を有する固定棚列と、
前記載置部と前記固定棚列との間に配設され、収容器を収容するために鉛直方向に所定の間隔で配置された鉛直方向に変位する複数の変位収容棚を有する変位棚列と、
前記変位棚列の最上部の変位収容棚を除くその他の変位収容棚に設けられ、最上部の変位収容棚まで延出する棒状部材と、
前記変位棚列の最上部の変位収容棚に設けられ、前記各棒状部材を係合する状態と係合しない状態とをつくるハンドと、
前記変位棚列の最上部の変位収容棚に設けられ、前記棒状部材を前記ハンドで係合した状態で変位収容棚を鉛直方向に変位させる棚駆動手段と、
前記固定棚列と前記載置部との間で、変位収容棚が変位することで設けられた空間を水平方向に経由して収容器を搬送する搬送手段と、
を備えていることを特徴とする収容器搬送装置。
【請求項2】
請求項1に記載の収容器搬送装置において、
前記棒状部材は、頂部が前記棒状部材の軸よりも大径に形成されており、
前記ハンドは、前記棒状部材の頂部の直径よりも間隔が狭く、前記棒状部材の軸よりも間隔が広い係合溝を有する係合部材と、
前記係合部材を駆動し、前記棒状部材の軸を係合する係合部材駆動手段とを備え、
前記係合部材駆動手段は、前記係合部材を進出変位することで前記棒状部材の軸を係合し、
前記棚駆動手段は、最上部の変位収容棚と、前記係合部材によって係合された前記棒状部材に連結されたその他の変位収容棚とを同期させて鉛直方向に変位させることを特徴とする収容器搬送装置。
【請求項3】
請求項1に記載の収容器搬送装置において、
前記棒状部材は、頂部が棒状部材の軸よりも大径に形成されており、
前記ハンドは、外観が円形状を呈し、前記棒状部材の軸よりも広く、前記棒状部材の頂部よりも狭い棒状部材係合部と、
前記棒状部材の頂部よりも広い棒状部材係合開放部とを円弧状に連結して備えた係合部材と、
前記係合部材を駆動する係合部材駆動手段とを備え、
前記係合部材駆動手段は、前記係合部材を回転変位することで前記棒状部材の軸を係合し、
前記棚駆動手段は、最上部の変位収容棚と、前記係合部材によって係合された前記棒状部材に連結されたその他の変位収容棚とを同期させて鉛直方向に変位させることを特徴とする収容器搬送装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の収容器搬送装置において、
前記棚駆動手段によって変位する変位収容棚の変位量は、収容器が搬送可能な間隔であることを特徴とする収容器搬送装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の収容器搬送装置において、
前記棚駆動手段は、シリンダを備えていることを特徴とする収容器搬送装置。
【請求項1】
基板を収容した収容器を収容及び搬送するための収容器搬送装置であって、
収容器に収容された基板の受け渡しを行うために収容器を載置する載置部と、
収容器を収容するために鉛直方向に所定の間隔で配置され、固定された複数の固定収容棚を有する固定棚列と、
前記載置部と前記固定棚列との間に配設され、収容器を収容するために鉛直方向に所定の間隔で配置された鉛直方向に変位する複数の変位収容棚を有する変位棚列と、
前記変位棚列の最上部の変位収容棚を除くその他の変位収容棚に設けられ、最上部の変位収容棚まで延出する棒状部材と、
前記変位棚列の最上部の変位収容棚に設けられ、前記各棒状部材を係合する状態と係合しない状態とをつくるハンドと、
前記変位棚列の最上部の変位収容棚に設けられ、前記棒状部材を前記ハンドで係合した状態で変位収容棚を鉛直方向に変位させる棚駆動手段と、
前記固定棚列と前記載置部との間で、変位収容棚が変位することで設けられた空間を水平方向に経由して収容器を搬送する搬送手段と、
を備えていることを特徴とする収容器搬送装置。
【請求項2】
請求項1に記載の収容器搬送装置において、
前記棒状部材は、頂部が前記棒状部材の軸よりも大径に形成されており、
前記ハンドは、前記棒状部材の頂部の直径よりも間隔が狭く、前記棒状部材の軸よりも間隔が広い係合溝を有する係合部材と、
前記係合部材を駆動し、前記棒状部材の軸を係合する係合部材駆動手段とを備え、
前記係合部材駆動手段は、前記係合部材を進出変位することで前記棒状部材の軸を係合し、
前記棚駆動手段は、最上部の変位収容棚と、前記係合部材によって係合された前記棒状部材に連結されたその他の変位収容棚とを同期させて鉛直方向に変位させることを特徴とする収容器搬送装置。
【請求項3】
請求項1に記載の収容器搬送装置において、
前記棒状部材は、頂部が棒状部材の軸よりも大径に形成されており、
前記ハンドは、外観が円形状を呈し、前記棒状部材の軸よりも広く、前記棒状部材の頂部よりも狭い棒状部材係合部と、
前記棒状部材の頂部よりも広い棒状部材係合開放部とを円弧状に連結して備えた係合部材と、
前記係合部材を駆動する係合部材駆動手段とを備え、
前記係合部材駆動手段は、前記係合部材を回転変位することで前記棒状部材の軸を係合し、
前記棚駆動手段は、最上部の変位収容棚と、前記係合部材によって係合された前記棒状部材に連結されたその他の変位収容棚とを同期させて鉛直方向に変位させることを特徴とする収容器搬送装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の収容器搬送装置において、
前記棚駆動手段によって変位する変位収容棚の変位量は、収容器が搬送可能な間隔であることを特徴とする収容器搬送装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の収容器搬送装置において、
前記棚駆動手段は、シリンダを備えていることを特徴とする収容器搬送装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−52920(P2010−52920A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−221278(P2008−221278)
【出願日】平成20年8月29日(2008.8.29)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月29日(2008.8.29)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】
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