説明

収穫機

【課題】立毛状態の作物から必要部分を分離して収穫を行う収穫機において、分離作業を効率的に行う構成を提供する。
【解決手段】コンバイン(収穫機)は、分離部と、走行速度検出部と、制御部と、を備える。分離部は、立毛状態の穀稈と接触した状態で回転することにより、当該穀稈から穀粒を分離する。走行速度検出部は、走行速度を検出する。制御部は、走行速度検出部が検出した走行速度に基づいて、分離部(詳細には分離部本体)の回転速度を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立毛状態の作物から必要部分を収穫する収穫機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、刈取り前の立毛状態の作物から、実、葉、穀粒等の必要部分を分離して取り入れる取入部を備える収穫機が知られている。特許文献1は、この種の収穫機を開示する。
【0003】
特許文献1の収穫機が備える取入部は必要部分を分離するための分離部を備えており、円筒状の回転体と、当該回転体の外側の表面から放射状に突出した複数の歯と、を備えるものが知られている。そして、分離部の歯と歯の間に穀稈等が入り込み、この状態で回転体が回転させることで、穀粒等を分離できる。
【0004】
また、特許文献2は、穀稈の根元を刈り取るタイプのコンバインを開示する。このコンバインは、刈り取った穀稈を搬送するフィードチェーンと、フィードチェーンによって搬送された穀稈の脱穀を行う扱ぎ胴と、を備える。そして、このコンバインは、走行速度とフィードチェーン速度と扱ぎ銅の回転速度とを同調させる構成になっている。
【0005】
この構成により、特許文献2のコンバインは、走行速度の変更によって単位時間あたりの刈取り量が変化しても、フィードチェーン速度の変化により、穀稈を脱穀部にスムーズに搬送できる。そして、搬送される穀稈の量に応じて扱ぎ銅の回転速度を変化できるため、穀稈の脱穀及び選別を適切に行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特公平6−97901号公報
【特許文献2】特開平10−4756号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1のように前記取入部を有する収穫機では、回転体の回転速度の制御を特に行っておらず、一定速度で回転させている。この場合、以下の課題が生じ得る。
【0008】
回転体の速度が高速度で一定である場合、収穫機の走行速度が速い場合は適切な分離作業を行えるが、収穫機の走行速度が遅くなり単位時間あたりに導入される作物が少なくなると、分離部の駆動源(例えば、エンジン)を必要以上の出力で稼動させることとなってしまう。従って、省エネルギー性の観点から改善の余地が残されていた。更に、収穫機の走行速度が遅い場合は、作物に対して過剰に処理を行うことにより、藁屑等が大量に発生してしまう。この藁屑は収穫機に取り入れられてしまうので、必要部分と藁屑等を選別する際の選別精度の低下に繋がってしまう。
【0009】
一方、回転体の速度が低速度で一定である場合、収穫機の走行速度が遅い場合は適切な分離作業を行えるが、収穫機の走行速度が速くなり単位時間あたりに導入される作物が多くなって、分離部が適切に処理を行える量を超えてしまうと、必要部分を分離できずに作物を通過してしまう、いわゆる扱き残しが大幅に増加する。
【0010】
なお、特許文献2で示したコンバインは、前述のように穀稈の根元を刈り取るタイプであり、特許文献1の構成とは大きく異なっている。また、本発明が解決しようとする課題の1つは、上記扱き残しの発生防止であり、特許文献2と本発明は、課題についても異なっている。
【0011】
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、立毛状態の作物から必要部分を分離して収穫を行う収穫機において、分離作業を効率的に行う構成を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0012】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
【0013】
本発明の観点によれば、以下の構成の収穫機が提供される。即ち、この収穫機は、分離部と、走行速度検出部と、制御部と、を備える。前記分離部は、立毛状態の作物と接触した状態で回転することにより、当該作物から必要部分を分離する。前記走行速度検出部は、走行速度を検出する。前記制御部は、前記走行速度検出部が検出した走行速度に基づいて、前記分離部の回転速度を制御する。
【0014】
一般的に、収穫機の走行速度が速くなると、単位時間あたりに分離部に導入される作物の量も多くなる。従って、上記の構成のように走行速度の上昇に従って分離部の回転速度を速くすると、作業量の増加に応じて分離部の処理速度を増加させることになるため、前記扱き残しを減らすことができる。一方、走行速度の低下に従って分離部の回転速度を遅くすると、作業量に応じて回転速度を減少させることになるため、省エネルギー性に優れるとともに、処理を過剰に行うことによる藁屑等の増加を防ぐことができる。
【0015】
前記の収穫機においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、走行速度が所定速度より速いときは、走行速度の変化に前記分離部の回転速度を追従させる制御を行う。走行速度が前記所定速度より遅いときは、前記分離部の回転速度を下限回転速度に保つ制御を行う。
【0016】
即ち、分離部の回転速度を一定の速度以上にしないと作物から必要部分(穀粒等)を分離させることが難しくなるため、分離部の回転速度を常に走行速度に追従させると、低速走行時に扱き残しが発生する。この点、上記の構成においては、分離部の回転速度が下限値を持つように制御を行っているため、上記の扱き残しを防止できる。
【0017】
前記の収穫機においては、前記制御部に対して、前記分離部の前記下限回転速度を設定により変更可能であることが好ましい。
【0018】
即ち、作物から必要部分を分離させることが難しくなるときの分離部の回転速度は、作物の種類等によって異なる。この点、上記の構成においては、下限回転速度を変更可能であるため、様々な作物の収穫に柔軟に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態に係るコンバインの全体的な構成を示す側面図。
【図2】取入部の構成を示す側面断面図。
【図3】取入部の動作を示す説明図。
【図4】分離部本体の回転速度を制御するための構成を示すブロック図。
【図5】コンバインの走行速度に対する分離部本体の回転速度を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。初めに、本実施形態のコンバインの全体的な構成について、図1を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るコンバインの側面図である。なお、以下の説明では、単に「左側」「右側」等というときは、コンバイン1が前進する方向に向かって左側及び右側を意味するものとする。
【0021】
図1に示すように、本実施形態のコンバイン1は、立毛状態の稲、小麦等から穀粒を分離して取り入れて、本体10まで搬送する収穫部12を備えている。なお、収穫部12によって穀稈から穀粒だけを完全に分離することはできず、穀稈からの分離物には穀粒(単粒)以外にも、茎や穂切れ粒等が含まれている。そして、本体10の上部には、この穂切れ粒等から穀粒を分離するための脱穀装置14が備えられる。また、この脱穀装置14と並設するように、グレンタンク15がコンバイン1の上部右側に備えられている。
【0022】
グレンタンク15の前方には、コンバイン1を操作するための運転部16が配置されている。この運転部16には運転操作部及び運転座席等が設けられており、この運転操作部を操作することによって取入れや走行等、コンバイン1の各種の操作を行うように構成されている。この運転部16の下方には、コンバイン1の駆動源としてのエンジン17が配置されている。
【0023】
図1に示すクローラ部11はコンバイン1の左右両側に配置されており、このクローラ部11が駆動することでコンバイン1を走行させるように構成されている。そして、この左右のクローラ部11を図略の走行ミッション装置によって制御することで、コンバイン1の走行方向及び速度の調節が可能になっている。
【0024】
本体10の前方に回動可能に取り付けられた収穫部12は、立毛状態の穀稈から穀粒を分離して取り入れる取入部30と、取入部30が取り入れた穀粒等を本体10に搬送する搬送部20と、を備えている。また、この収穫部12には収穫部昇降シリンダ18が接続されており、当該収穫部昇降シリンダ18が伸縮することによって、収穫部12が収穫部支持軸51を中心として回動する。これによって取入部30の高さを変化させることができる(図1の鎖線参照)。
【0025】
また、搬送部20は、コンバイン1の左右方向に軸線を向けて配置されるスクリューコンベア21と、脱穀装置14の前方に配置されるチェーンコンベア22と、を備える。スクリューコンベア21は、取入部30が取り入れた穀粒等をコンバイン1の右側から左側へ(図1に示す紙面奥側から手前側へ)搬送し、チェーンコンベア22に送り込む。そして、このチェーンコンベア22によって穀粒等が脱穀装置14まで搬送される。
【0026】
そして、搬送された穂切れ粒等は、脱穀装置14によって脱穀される。また、脱穀装置14は図略の選別装置を備えており、この選別装置によって、穀粒を選別している。ここで選別された穀粒は、前記グレンタンク15に貯留される。一方、選別された茎等は、選別装置から機外に排出される。なお、グレンタンク15内に貯留された穀粒は、排出オーガ19を介してコンバイン1の外に排出することができる。
【0027】
次に、取入部30の詳細な構成について図2及び図3を参照して説明する。図2は、取入部30の構成を示す側面断面図である。図3は、取入部30の動作を示す説明図である。
【0028】
図2に示すように、取入部30は、分離部31と、ガイド部32と、角度センサ33と、を主要な構成として備える。
【0029】
分離部31は、エンジン17からの駆動力が伝達されることにより図2に示す方向に回転可能な分離部本体311と、この分離部本体311の外側に配置された複数の分離歯312と、を備える。
【0030】
分離部本体311はコンバイン1の左右方向に回転軸を向けて配置されており、この回転軸を中心に当該分離部本体311が回転することにより、分離歯312を回転させることができる。分離歯312は、図略の取付部(例えば分離歯312と一体的に形成された板状の部材)を介して分離部本体311の表面に取り付けられている。また、それぞれの分離歯312は例えば三角形又は長方形の板状の部材であり、この分離歯312は、図2に示すように分離部本体311の外側に側面視で放射状に等間隔で複数配置されるとともに、コンバイン1の左右方向(分離部本体311の回転軸方向)にも並べて複数配置されている。
【0031】
この構成により、分離歯312同士の隙間に穀稈が入り込み、この状態で分離部本体311が回転することで、穀稈から穀粒等を分離することができる(図3を参照)。
【0032】
また、分離部本体311の回転速度を速くすることにより、分離部31が単位時間あたりに適切に処理できる穀稈の数を上昇させることができる。なお本実施形態では、走行速度等の状況に応じてこの分離部本体311の回転速度を変更する制御が行われるが、この制御の詳細については後述する。
【0033】
前記ガイド部32は、取入部30の最前部に配置される前方ガイド部321と、前方ガイド部321の後部と少し重なるように配置される後方ガイド部322と、を備える。
【0034】
前方ガイド部321の前部はやや突出しており、この前部の下面は、収穫時において穀稈と接触し、当該穀稈を押し下げるように押圧している(図3を参照)。そして、押し下げられて撓んだ穀稈は、その茎部分から分離歯312に接触する。そして、分離部31によって、穀稈から穀粒等が分離される。このように、前方ガイド部321は、穀稈を適切な姿勢で分離部31に案内するガイド部として機能している。
【0035】
そして、分離された穀粒等は、分離されたときに分離歯312から受けた力や風圧等によって飛ばされ、前方ガイド部321及び後方ガイド部322の下面に沿うように移動する。そして、スクリューコンベア21に達すると、前述のように本体10側に搬送されて、脱穀装置14へ導入される。このように、前方ガイド部321及び後方ガイド部322は、穀粒等を適切にスクリューコンベア21まで案内する機能も有している。
【0036】
前述のように、前方ガイド部321の後部と後方ガイド部322の前部は平面視において一部重なっている。また、前方ガイド部321は、図2に示す回動軸323を回動中心として回動可能に構成されている。そして、取入部30は、図略のガイド部昇降シリンダを備え、このガイド部昇降シリンダの伸縮に従って、前方ガイド部321が回動するように構成されている。
【0037】
前方ガイド部321が回動すると、当該前方ガイド部321の高さが変化するため、分離部31に導入される穀稈の姿勢が変わる。そして、本実施形態では、穀稈を適切な姿勢で分離部31に導入させるために、角度センサ33を用いて穀稈の高さ(穀稈の上端部の位置)を検出し、この検出結果に基づいて前方ガイド部321を回動させている。なお、角度センサ33は、穀稈の上端部と接触して受けた力に基づいて、当該穀稈の上端部の位置を検出する構成である。
【0038】
次に、図4及び図5を参照して、走行速度等の状況に応じてこの分離部31(詳細には分離部本体311)の回転速度を変更するために行う制御について説明する。図4は、分離部本体311の回転速度を制御するための構成を示すブロック図である。図5は、コンバイン1の走行速度に対する分離部本体311の回転速度を示すグラフである。
【0039】
初めに、本制御を行うための構成について説明する。この構成としては、図4に示すように、入力部42と、走行速度検出部41と、制御部40と、分離部変速装置315と、分離部本体311と、が主要な構成として用いられる。
【0040】
走行速度検出部41はコンバイン1の走行速度を検出するための装置である。この走行速度検出部41としては、例えば、前記走行ミッション装置の出力軸に備えられた回転速度検出センサと、当該回転速度センサの検出内容に基づいて走行速度を算出する算出部と、を備えた構成を挙げることができる。そして、走行速度検出部41は、算出した走行速度を制御部40に出力している。なお、走行速度検出部41が算出部を有さない構成にし、回転速度検出センサの検出内容から制御部40が走行速度を算出する構成にしても良い。
【0041】
また、入力部42は、ユーザが本制御に関する設定を行うためのものであり、具体的な構成としては、運転部16等に設けられるダイヤルや入力キー等を挙げることができる。なお、ここで設定された内容は、制御部40へ出力される。
【0042】
制御部40は、走行速度検出部41から入力された走行速度と、入力部42から入力された設定内容と、に基づいて、分離部本体311に設定する回転速度を求めている。そして、制御部40は、求めた回転速度で分離部本体311が回転するように、分離部変速装置315の設定値(例えば、歯車比)の算出及び当該設定値の出力を行っている。
【0043】
分離部変速装置315には、エンジン17からの駆動力(回転力)が入力されている。この駆動力は、分離部変速装置315の設定値に基づいて回転速度が調整されて分離部本体311へ出力される。分離部本体311は、この駆動力によって回転運動を行うように構成されている。
【0044】
以上の構成により、ユーザの設定及びコンバイン1の走行速度に基づいて、分離部本体311の回転速度を制御することができる。
【0045】
また、図5に示すように、単位時間あたりに分離部31に導入される穀稈の数は、コンバイン1の走行速度に比例する。従って、従来技術の部分で説明したように、分離部本体311が高速度で一定の場合は、走行速度が遅い場合に藁屑の発生量が増加してしまう。また、分離部本体311が低速度で一定の場合は、走行速度が速い場合に扱ぎ残しが増加してしまう。従って、本実施形態では、コンバイン1の走行速度に応じて分離部本体311の回転速度を変化させている。
【0046】
しかし、分離部本体311が所定の回転速度(下限回転速度)以下になると、走行速度に関わらず、穀稈から穀粒を殆ど分離できなくなってしまう。なお、この下限回転速度は、分離歯312の形状及び穀稈の品種等に依存することが知られている。従って、本実施形態では、分離部本体311の回転速度に下限値を設定して制御を行っている。以下、具体的な制御の流れについて説明する。
【0047】
ユーザは、穀稈の収穫作業を行う前に、入力部42を操作して、穀稈の品種に関する情報等を入力する。なお、ここで入力する内容は、下限回転速度を決定するために必要な情報であれば、穀稈の品種に関する情報に限られない。例えば栽植密度等の情報を入力することができる。
【0048】
そして、制御部40は、穀稈の品種等を考慮して、走行速度と、当該走行速度に応じて分離部本体311に設定する回転速度と、の対応関係を決定して記憶しておく。このとき、制御部40は前記下限回転速度を算出し、この下限回転速度を考慮した対応関係を記憶するように構成されている。この対応関係の例を図5に示す。
【0049】
図5に示すように、制御部40は、走行速度が所定速度より速い高速域の場合は、走行速度の上昇に従って、分離部本体311に設定する回転速度も上昇させている。また、制御部40は、走行速度が所定速度より遅い低速域の場合は、走行速度に関わらず分離部本体311の回転速度を下限回転速度に保つ制御を行う。
【0050】
なお、ユーザが穀稈の品種等を入力することに代えて、この下限回転速度を直接設定する構成にしても良い。
【0051】
そして、収穫を行うときにおいて、制御部40は、走行速度検出部41から入力される走行速度と対応付けられている回転速度を読み出して(又は算出して)、当該回転速度で分離部本体311が回転するように、分離部変速装置315に適宜の歯車比等を出力する。
【0052】
この制御を所定時間毎に行うことにより、分離部31に導入される穀稈の種類に応じて、必要十分な回転速度で(無駄な動力を使わずに)分離部31の分離部本体311を動作させることができる。
【0053】
以上に説明したように、本実施形態のコンバイン1は、分離部31と、走行速度検出部41と、制御部40と、を備える。分離部31は、立毛状態の穀稈と接触した状態で回転することにより、当該穀稈から穀粒を分離する。走行速度検出部41は、走行速度を検出する。制御部40は、走行速度検出部41が検出した走行速度に基づいて、分離部31(詳細には分離部本体311)の回転速度を制御する。
【0054】
これにより、分離部31の扱ぎ残しを軽減させつつ、処理を過剰に行うことによる藁屑等の増加も防ぐことができる。
【0055】
また、本実施形態のコンバイン1において、走行速度が所定速度より速いときは、走行速度の変化に分離部31の回転速度を追従させる制御を行う。走行速度が所定速度より遅いときは、分離部31の回転速度を下限回転速度に保つ制御を行う。
【0056】
これにより、コンバイン1の低速走行時における扱ぎ残しが発生することを防止できる。
【0057】
また、本実施形態のコンバイン1においては、制御部40に対して、分離部31の下限回転速度を設定により変更可能である。
【0058】
これにより、下限回転速度を変更可能であるため、様々な作物の収穫に柔軟に対応することができる。
【0059】
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
【0060】
走行速度と分離部本体311に設定する回転速度の対応関係は、図5で示した例に限られず、様々な対応関係を用いることができる。例えば、分離部31の短寿命化等を防止するために上限回転速度を設定する構成や、高速域における回転速度の変化を曲線にする構成にしても良い。
【0061】
上記実施形態では、穀稈の種類及び栽植密度等をユーザが設定する構成だが、コンバイン1が適宜のセンサを備え、このセンサによって穀稈の種類等を検出して制御部40へ出力し、これによって分離部31の下限回転速度を変更する設定を自動的に行う構成にしても良い。
【0062】
本実施形態のコンバイン1の構成は、稲や小麦等だけでなく、葉、花、及び実等を収穫する収穫機に適用することができる。
【符号の説明】
【0063】
1 コンバイン(収穫機)
31 分離部
311 分離部本体
315 分離部変速装置
40 制御部
41 走行速度検出部
42 入力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
立毛状態の作物と接触した状態で回転することにより、当該作物から必要部分を分離する分離部と、
走行速度を検出する走行速度検出部と、
前記走行速度検出部が検出した走行速度に基づいて、前記分離部の回転速度を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする収穫機。
【請求項2】
請求項1に記載の収穫機であって、
前記制御部は、
走行速度が所定速度より速いときは、走行速度の変化に前記分離部の回転速度を追従させる制御を行い、
走行速度が前記所定速度より遅いときは、前記分離部の回転速度を下限回転速度に保つ制御を行うことを特徴とする収穫機。
【請求項3】
請求項2に記載の収穫機であって、
前記制御部に対して、前記分離部の前記下限回転速度を設定により変更可能であることを特徴とする収穫機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−86(P2012−86A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−140729(P2010−140729)
【出願日】平成22年6月21日(2010.6.21)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】