説明

回転伝達装置

【課題】 簡便な構造により、ドアを無段階に任意の位置で停止・保持し得るドアチェッカとして適用することができる回転伝達装置を提供する。
【解決手段】 外輪24と軸22を同軸的に配置すると共に軸22の外周面にテーパローラカム面31を形成すると共に外輪24の内周面に円筒面32を形成することにより、外輪24と軸22の間に係合離脱可能な円錐ローラ33を介在させると共に、その円錐ローラ33を保持する保持器24を軸22に対して軸方向移動可能に設けたテーパローラクラッチ25を備え、そのテーパローラクラッチ25を断接する電磁コイル37およびばね40からなる制御手段26を内蔵し、軸22を自動車のボディに連結すると共に外輪24を自動車のドアに連結する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動車のボディとドアに連結されて、ドアを所定の開度位置に保持すべくドアの開閉トルクを制御する自動車用ドアチェッカ等として利用し得る回転伝達装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のドア開閉装置においては、ドアを所定の開度位置に保持すべくドアの開閉トルクを制御する自動車用ドアチェッカが組み込まれた構造が一般的である(例えば、特許文献1参照)。図7は、特許文献1に開示されたドアチェッカの要部拡大図(特許文献1の図1参照)である。
【0003】
この種のドアチェッカは、自動車のボディ側から揺動自在に突出されて長手方向に凹凸部を交互に連続して有するアーム11と、自動車のドア側に設けられ、前述のアーム11が挿入されたドア内でそのアーム11の凹部に嵌合してドア12を固定し得るストッパー14と、そのストッパー14をレバー16等を介して駆動する電動アクチュエータ18と、その電動アクチュエータ18に並列に回路接続され、ドア12の開閉操作状態を検出して非操作時にはストッパー14をアーム11に係合させるように電動アクチュエータ18に作動信号を出力する開閉操作検出手段であるアウトサイドハンドル部の外スイッチおよびグリップ部の内スイッチとで構成されている。
【0004】
このような構成を具備するドアチェッカでは、乗員の手で内外両スイッチのいずれかが閉成されると、電動アクチュエータ18の作動でストッパー14がアーム11から離間させるので、ドア12の開閉がアーム11における摺動摩擦力を生じないでスムーズに行うことができる。
【0005】
一方、ドア12の開閉操作中、乗員の手がアウトサイドハンドル部またはグリップ部から離れて内外スイッチのいずれかが開成すると、電動アクチュエータ18が非作動となってストッパー14がスプリング15の付勢力でアーム11側へ押圧されて、アーム11の所定の凹部に嵌合し、乗員の開閉操作の停止に伴ってドア12が固定される。この時、アーム11の凹部は多段的に設けられているので、乗員のスイッチ操作で任意の位置でドア12を固定することができる。
【特許文献1】実開平5−24847号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、前述した従来の回転伝達装置であるドアチェッカでは、ドア12を停止・保持するためのアーム11には、ストッパー14が嵌合する凹部が多段的に設けられていることから、そのドア12が固定される位置を、アーム11の隣接する凹部間の距離以下にすることができない。
【0007】
すなわち、このドアチェッカの場合、ストッパー14が嵌合するアーム11の係合部である凹部が多段的に設けられている関係上、ドア12を段階的にしか停止・保持することができない。この点、乗員のフィーリングの観点からも、ドア12は、無段階で任意の位置に停止・保持されるほうが好ましい。
【0008】
そこで、本発明は前述した問題点に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、簡便な構造により、ドアを無段階で任意の位置に停止・保持し得るドアチェッカとして適用することができる回転伝達装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述の目的を達成するための技術的手段として、本発明は、外方部材と内方部材を同軸的に配置すると共に外方部材の内周面あるいは内方部材の外周面のいずれか一方に、円周方向に沿って径が変化するローラカム面と軸方向に傾斜したテーパカム面を形成することにより、外方部材と内方部材の間に係合離脱可能な円錐形状の係合子を介在させると共に、その係合子を保持する保持器を前記外方部材あるいは内方部材に対して軸方向移動可能に設けたクラッチを備え、そのクラッチを断接する制御手段を内蔵し、前記外方部材あるいは内方部材のいずれか一方を静止部材に連結すると共に他方を可動部材に連結したことを特徴とする。
【0010】
本発明に係る回転伝達装置では、外方部材と内方部材を同軸的に配置すると共に外方部材の内周面あるいは内方部材の外周面のいずれか一方に、円周方向に沿って径が変化するローラカム面と軸方向に傾斜したテーパカム面を形成することにより、外方部材と内方部材の間に係合離脱可能な円錐形状の係合子を介在させると共に、その係合子を保持する保持器を前記外方部材あるいは内方部材に対して軸方向移動可能に設けた構造とすることにより、テーパローラクラッチ機構を構成する。
【0011】
前述の構成における静止部材を自動車のボディとし、かつ、可動部材を自動車の開閉ドアとすることにより自動車用ドアチェッカとして適用した場合、本発明の回転伝達装置では、テーパローラクラッチ機構によりドアを停止・保持する構造を採用することによって、内蔵された制御手段によりクラッチをオンオフすることで、乗員のスイッチ操作でもってドアを無段階で任意の開度に停止・保持することができる。
【0012】
前述の構成における制御手段は、外方部材あるいは内方部材のいずれか一方に取り付けられ、軸方向移動可能な保持器に一体的に設けられたアーマチュアを吸着可能とした電磁コイルと、前記外方部材あるいは内方部材のいずれか一方と保持器との間に設けられ、アーマチュアを電磁コイルから離脱させる方向に弾性力を付勢する弾性部材とで構成することが望ましい。
【0013】
このように制御手段を電磁コイルと弾性部材で構成することにより、簡単な構造でもってクラッチをオンオフすることができ、外方部材と内方部材間の内部空間に収容することができる。
【0014】
ここで、ドアを開閉しようとする外力、例えば強風などが作用した時、乗員のスイッチ操作によるクラッチ解除がなされず、クラッチが係合状態を保持したままとなるため、クラッチに過大なトルクが負荷される場合がある。そのため、クラッチおよびその周辺部の破損を未然に防止する目的から、過負荷時に設定値以上のトルクを遮断するトルクリミッタを設けることが望ましい。
【0015】
前述の構成において、外方部材を可動部材に連結すると共に内方部材を静止部材に連結した場合、前記外方部材と可動部材との間に、過大トルク負荷時にその両者間でのトルク伝達を遮断するトルクリミッタを設けた構造が可能である。その場合、トルクリミッタは、弾性部材あるいは摩擦部材からなる摺動抵抗付与手段で構成することが望ましい。なお、摺動抵抗付与手段としては、ボディとドアのヒンジ部に設けられた構造が可能である。
【0016】
前述の構成において、外方部材を静止部材に連結すると共に内方部材を可動部材に連結した場合、外方部材と静止部材との間および内方部材と可動部材との間に、過大トルク負荷時にその両者間でのトルク伝達を遮断するトルクリミッタを設けた構造が可能である。その場合、トルクリミッタは、内方部材と可動部材との間に設けられた弾性部材と、外方部材と静止部材との間に設けられた歯車対とで構成することが望ましい。なお、弾性部材は、開閉ドアに設けられ、かつ、歯車対の一方の歯車は、外方部材に設けられると共に他方の歯車は、基端部がボディに揺動自在に取り付けられ、かつ、先端部がドア内に挿入配置されたアームに設けられた構造が可能である。
【発明の効果】
【0017】
本発明の回転伝達装置を自動車用ドアチェッカに適用した場合、テーパローラクラッチ機構によりドアを停止・保持する構造を採用することによって、内蔵された制御手段によりクラッチをオンオフすることで、乗員のスイッチ操作でもってドアを無段階で任意の開度に停止・保持することができるので、乗員のフィーリング観点からも使用感のよいドアチェッカを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明に係る回転伝達装置を自動車用ドアチェッカに適用した実施形態を以下に詳述する。図1は回転伝達装置の全体構成で、ドアを任意の開度で停止・保持する時の状態を示し、図2は図1のA−A線に沿う断面を示す。図3はドアを開閉する時に図1の状態からクラッチを解除した状態を示す。
【0019】
なお、以下の実施形態では、自動車用ドアチェッカに適用した場合について説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、自動車用ドアチェッカ以外の他の用途にも適用可能である。
【0020】
図1および図2に示す実施形態の回転伝達装置は、静止系である自動車のボディにボディ連結部21を介して連結された内方部材である軸22と、その軸22の外側に同軸的に配置され、駆動系である自動車のドアにドア連結部23を介して連結された外方部材である外輪24と、前記軸22と外輪24を含む構成でもってその両者間に設けられたテーパローラクラッチ25と、そのテーパローラクラッチ25を断接する制御手段26とで主要部が構成されている。
【0021】
前述した外輪24は、その内周面に円筒面32が形成され、上下一対の転がり軸受27,28を介して回転自在に軸22に支承されている。なお、それら一対の転がり軸受27,28は、止め輪29,30により外輪24と軸22間の環状空間に対して抜け止めされている。この軸22の外周面に円周方向に沿って径が変化しているローラカム面と軸方向に傾斜したテーパカム面を形成する。この実施形態では、ローラカム面とテーパカム面を一体にしたテーパローラカム面31を形成している。この軸22と外輪24との間に、テーパローラカム面31に係合離脱可能な円錐形状の係合子である円錐ローラ33を介在させると共に、その円錐ローラ33を保持する保持器34を軸22に対して軸方向移動可能に設けている。保持器34は、複数(図では8個)の円錐ローラ33をポケット35に収容して円周方向等間隔に配置した状態で転動自在に保持する。以上のような外輪24、軸22、円錐ローラ33および保持器34からなる部材によりテーパローラクラッチ25を構成している。
【0022】
このテーパローラクラッチ25を断接する制御手段26は、軸22の外周にホルダ36を介して取り付けられた電磁コイル37と、保持器34の上方開口端に非磁性プレート38を介して取り付けられたアーマチュア39と、軸22と保持器34との間に介設された弾性部材であるばね40とで構成されている。このばね40は、保持器34を円錐ローラ33の係合方向(図中下方)、つまり、円錐ローラ33がテーパローラカム面31に係合する方向に弾性力を付勢している。
【0023】
電磁コイル37の非通電時には、ばね40の弾性力により保持器34が下方へ押圧されていることから、アーマチュア39は電磁コイル37から離間し、円錐ローラ33が軸22と外輪24間に係合した状態、つまり、テーパローラクラッチ25がオンする。一方、電磁コイル37の通電時には、ばね40の弾性力に抗してアーマチュア39を吸着することにより、保持器34が上方へ移動して円錐ローラ33が軸22と外輪24間から離脱した状態、つまり、テーパローラクラッチ25がオフする。
【0024】
次に、この実施形態におけるドアチェッカとしての回転伝達装置の動作例を以下に説明する。
【0025】
自動車のドアには、乗員が操作するハンドルまたはタッチセンサ等の開閉操作検出手段であるスイッチ機構(図示せず)が設けられており、そのスイッチ機構を乗員が操作することにより、スイッチ機構のオンオフ信号に基づいて電磁コイル37への通電・非通電が切り換えられる。
【0026】
まず、ドアを任意の開度で停止・保持した状態では、図1に示すように電磁コイル37への通電が遮断されていることから、アーマチュア39は電磁コイル37から離間し、ばね40の弾性力により保持器34が下方へ押圧されていることにより、円錐ローラ33が軸22のテーパローラカム面31と外輪24の円筒面32との間に押圧され、軸22と外輪24が相対回転しようとすると、円錐ローラ33が軸22のテーパローラカム面31と外輪24の円筒面32との間に噛み込んで係合した状態となってテーパローラクラッチ25がオンしている。これにより、テーパローラクラッチ25は、円周方向について正逆両方向とも相対回転できないロック状態となり、ドアが静止系に対して固定された状態となっている。なお、円錐ローラ33がテーパローラカム面31と外輪24間で軸方向に押し込まれていることによりガタ詰めされている。
【0027】
このドアの停止・保持状態から、スイッチ機構の操作により乗員がドアを開閉しようとすると、図1のロック状態から、電磁コイル37への通電によりその電磁コイル37にアーマチュア39がばね40の弾性力に抗して吸着される。このアーマチュア39の吸着により保持器34が円錐ローラ33を保持した状態で図示上方へ移動することで、図2に示すように円錐ローラ33が軸22のテーパローラカム面31と外輪24の円筒面32との間から離脱し、テーパローラクラッチ25がオフする。このテーパローラクラッチ25のオフにより外輪24が軸22に対して空転可能な状態となる。これにより、外輪24に連結されたドアを容易に開閉することができる。
【0028】
図2の空転状態において、乗員がスイッチ機構の操作を停止した場合、前述したように電磁コイル37への通電が遮断され、アーマチュア39は電磁コイル37から離間し、ばね40の弾性力により保持器34が下方へ移動して、円錐ローラ33が軸22のテーパローラカム面31と外輪24の円筒面32との間で係合した状態となってテーパローラクラッチ25がオンする。これにより、ドアを任意の開度で停止・保持することができる。
【0029】
以上のようにして、テーパローラクラッチ25によりドアを停止・保持する構造を採用することによって、内蔵された制御手段26によりテーパローラクラッチ25をオンオフすることで、乗員のスイッチ操作でもってドアを容易に開閉することができると共に、そのドアを無段階で任意の開度に停止・保持することができる。
【0030】
ここで、図1に示すテーパローラクラッチ25のロック状態において、乗員の操作ではなく、例えば強風などによりドアが開閉されようとした場合、テーパローラクラッチ25により軸22と外輪24が係合状態を保持したままとなるため、テーパローラクラッチ25に過大なトルクが負荷される場合がある。そのため、テーパローラクラッチ25およびその周辺部の破損を未然に防止する目的から、過負荷時に設定値以上のトルクを遮断するトルクリミッタを設ける必要がある。
【0031】
この実施形態においては、外輪24をドアに連結すると共に軸22をボディに連結した構造となっていることから、外輪24とドア連結部23との間に、過大トルク負荷時にその両者間でのトルク伝達を遮断するトルクリミッタ41を設けた構造としている。そのトルクリミッタ41としては、弾性部材あるいは摩擦部材からなる摺動抵抗付与手段で構成すればよい。
【0032】
なお、摺動抵抗付与手段で構成されたトルクリミッタ41は、図4に示すようにボディとドア42のヒンジ部43に設けられた構造とすればよい。
【0033】
図5は他の実施形態におけるドアチェッカとしての回転伝達装置を示す。この実施形態については、テーパローラクラッチ25に関する構成および動作は、前述した図1の実施形態と同様であるため、重複説明は省略する。図5の実施形態において、図1の実施形態と異なる点は、トルクリミッタに関する構成および動作であり、以下、そのトルクリミッタについて説明する。
【0034】
この実施形態においては、外輪24をボディに連結すると共に軸22をドアに連結した構造となっていることから、外輪24とボディ連結部21’との間および軸22とドア連結部23’との間に、過大トルク負荷時にその両者間でのトルク伝達を遮断するトルクリミッタ44を設けた構造としている。そのトルクリミッタ44は、軸22とドア連結部23’との間に設けられた弾性部材45と、外輪24とボディ連結部21’との間に設けられた歯車対46とで構成すればよい。
【0035】
なお、これら弾性部材45および歯車対46からなるトルクリミッタ44は、図6に示すように弾性部材45をドア連結部23’に設け、かつ、歯車対46をボディ連結部21’に設けた構造とする。このボディ連結部21’としては、歯車対46の一方の歯車46aを外輪24に設けると共に他方の歯車46bを基端部がボディに揺動自在に取り付けられ、かつ、先端部がドア内に挿入配置されたアーム47に設けた構造とすればよい。
【0036】
なお、前述した二つの実施形態では、テーパローラクラッチ25として、内輪に相当する軸22の外周面にテーパローラカム面31、外輪24の内周面に円筒面32を形成した、いわゆる内輪カム構造を例示したが、本発明はこれに限定されることなく、外輪24の内周面にテーパローラカム面、内輪に相当する軸22の外周面に円筒面を形成した、いわゆる外輪カム構造を採用することも可能である。また、前述の実施形態では、テーパカム面とローラカム面とを軸22に一体に形成しているが、軸22あるいは外輪24のいずれか一方にテーパカム面を形成し、他方にローラカム面を形成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施形態であって、回転伝達装置を適用した自動車用ドアチェッカの全体構成で、ドアを任意の開度で停止・保持する時の状態を示す断面図である。
【図2】図1のA−A線に沿う断面図である。
【図3】本発明の実施形態であって、回転伝達装置を適用した自動車用ドアチェッカの全体構成で、ドアを開閉する時の状態を示す断面図である。
【図4】図1の実施形態の回転伝達装置を自動車のボディとドア間に設置した例を示す説明図である。
【図5】本発明の他の実施形態で、回転伝達装置を適用した自動車用ドアチェッカの全体構成で、ドアを任意の開度で停止・保持する時の状態を示す断面図である。
【図6】図5の他の実施形態の回転伝達装置を自動車のボディとドア間に設置した例を示す説明図である。
【図7】回転伝達装置の従来例として、自動車用ドアチェッカを示す要部拡大図である。
【符号の説明】
【0038】
22 内方部材(軸)
24 外方部材(外輪)
25 クラッチ(テーパローラクラッチ)
26 制御手段
31 テーパローラカム面
32 円筒面
33 係合子(円錐ローラ)
34 保持器
37 電磁コイル
39 アーマチュア
40 弾性部材(ばね)
41 トルクリミッタ
43 ヒンジ部
44 トルクリミッタ
45 弾性部材
46 歯車対
47 アーム


【特許請求の範囲】
【請求項1】
外方部材と内方部材を同軸的に配置すると共に外方部材の内周面あるいは内方部材の外周面のいずれか一方に、円周方向に沿って径が変化するローラカム面と軸方向に傾斜したテーパカム面を形成することにより、外方部材と内方部材の間に係合離脱可能な円錐形状の係合子を介在させると共に、その係合子を保持する保持器を前記外方部材あるいは内方部材に対して軸方向移動可能に設けたクラッチを備え、そのクラッチを断接する制御手段を内蔵し、前記外方部材あるいは内方部材のいずれか一方を静止部材に連結すると共に他方を可動部材に連結したことを特徴とする回転伝達装置。
【請求項2】
前記制御手段は、外方部材あるいは内方部材のいずれか一方に取り付けられ、軸方向移動可能な保持器に一体的に設けられたアーマチュアを吸着可能とした電磁コイルと、前記外方部材あるいは内方部材のいずれか一方と保持器との間に設けられ、アーマチュアを電磁コイルから離脱させる方向に弾性力を付勢する弾性部材とで構成されている請求項1に記載の回転伝達装置。
【請求項3】
前記静止部材が自動車のボディであり、可動部材が自動車の開閉ドアである請求項1又は2に記載の回転伝達装置。
【請求項4】
前記外方部材を可動部材に連結すると共に内方部材を静止部材に連結し、前記外方部材と可動部材との間に、過大トルク負荷時にその両者間でのトルク伝達を遮断するトルクリミッタを設けた請求項1〜3のいずれか一項に記載の回転伝達装置。
【請求項5】
前記トルクリミッタは、弾性部材あるいは摩擦部材からなる摺動抵抗付与手段で構成されている請求項4に記載の回転伝達装置。
【請求項6】
前記摺動抵抗付与手段は、ボディとドアのヒンジ部に設けられている請求項5に記載の回転伝達装置。
【請求項7】
前記外方部材を静止部材に連結すると共に内方部材を可動部材に連結し、外方部材と静止部材との間および内方部材と可動部材との間に、過大トルク負荷時にその両者間でのトルク伝達を遮断するトルクリミッタを設けた請求項1〜3のいずれか一項に記載の回転伝達装置。
【請求項8】
前記トルクリミッタは、内方部材と可動部材との間に設けられた弾性部材と、外方部材と静止部材との間に設けられた歯車対とで構成されている請求項7に記載の回転伝達装置。
【請求項9】
前記弾性部材は、開閉ドアに設けられ、かつ、歯車対の一方の歯車は、外方部材に設けられると共に他方の歯車は、基端部がボディに揺動自在に取り付けられ、かつ、先端部がドア内に挿入配置されたアームに設けられている請求項8に記載の回転伝達装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−162025(P2006−162025A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−358252(P2004−358252)
【出願日】平成16年12月10日(2004.12.10)
【出願人】(000102692)NTN株式会社 (9,006)
【Fターム(参考)】