説明

圧縮機

【課題】動力損失を生じ難く、かつ優れた耐久性を発揮しつつ、体積効率をより確実に上げることができる圧縮機を提供する。
【解決手段】本発明の圧縮機では、吸入リード弁25aの根元部252の幅W1が弁部253の幅W2より短い。また、弁板27には、弁部253の中央領域を支持する支持部371aと、弁部253の先端領域を受ける受け部371bと、支持部371aより先端側D1である先端吸入領域を二分するように、支持部371aから延び、支持部371aと受け部371bとを連結する主連結部371cと、支持部371aより長手方向の基端側D2である基端吸入領域を少なくとも二分するように、支持部371aから延びる副連結部371dとが設定されている。支持部371a、受け部371b、主連結部371c及び副連結部371dを残して吸入ポート23aが貫設されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
以下の圧縮機が公知である(例えば、特許文献1〜3)。これらの圧縮機では、吸入室と圧縮室との間に弁板が設けられ、この弁板には吸入室と圧縮室とを連通可能な吸入ポートが貫設されている。吸入ポートは弾性変形可能な吸入リード弁によって開閉されるようになっている。
【0003】
吸入リード弁は、弁板の圧縮室側の面である固定面に固定された固定部と、固定部から長手方向に延びてリフト可能な根元部と、根元部から長手方向の先端側に延びて吸入ポートを開閉する弁部とからなる。また、弁板には、吸入ポートを二分するように延びる延在部が形成されている。延在部が吸入ポートを二分しておれば、弁板には延在部を残して吸入ポートが貫設され、吸入ポートは延在部によって二つの分割ポートに分割されることとなる。
【0004】
この種の圧縮機では、吸入リード弁が閉じ、弁部の中央領域が慣性力や圧力差によって弁板側に移動しようとしても、延在部が吸入リード弁の弁部の中央領域に位置しているのでおれば、弁部は延在部によって支持される。このため、弁部の中央領域が吸入ポート内に大きく撓んでしまうようなこともない。このため、弁部に疲労破壊を生じ難い。この作用効果は、圧縮機の体積効率を上げるために吸入ポートの開口面積を大きくした場合に顕著である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−235913号公報
【特許文献2】特開2006−226113号公報
【特許文献3】特開平8−28449号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記圧縮機は、いずれも吸入リード弁の根元部の幅が弁部の幅と等しくされている。このため、これらの圧縮機において、吸入ポートの開口面積を大きくしようとすれば、吸入リード弁の根元部の幅も大きくなってしまう。このため、吸入リード弁は、根元部の大きな弾性復元力に抗して弁部が吸入ポートを開くこととなり、吸入抵抗力によって動力損失を生じやすい。また、吸入リード弁は、根元部の大きな弾性復元力によって弁板と衝突しつつ弁部が吸入ポートを閉じることとなり、弁部の損傷による耐久性の低下が懸念される。
【0007】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、動力損失を生じ難く、かつ優れた耐久性を発揮しつつ、体積効率をより確実に上げることができる圧縮機を提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の圧縮機は、吸入室と圧縮室との間に弁板が設けられ、該弁板には該吸入室と該圧縮室とを連通可能な吸入ポートが貫設され、該吸入ポートは弾性変形可能な吸入リード弁によって開閉され、
該吸入リード弁は、該弁板の該圧縮室側の面である固定面に固定された固定部と、該固定部から長手方向に延びてリフト可能な根元部と、該根元部から該長手方向の先端側に延びて該吸入ポートを開閉する弁部とからなる圧縮機において、
前記根元部の幅は前記弁部の幅より短く、
前記弁板には、前記弁部の中央領域を支持する支持部が設定されているとともに、該支持部を残して前記吸入ポートが貫設されていることを特徴とする(請求項1)。
【0009】
本発明の圧縮機では、弁板に支持部が設定されているため、吸入リード弁が閉じ、弁部の中央領域が慣性力や圧力差によって弁板側に移動しようとしても、弁部の中央領域はその支持部によって支持される。このため、弁部の中央領域が吸入ポート内に大きく撓んでしまうようなことはなく、弁部に疲労破壊を生じ難い。
【0010】
また、この圧縮機では、吸入リード弁の根元部の幅が弁部の幅より短くされていることから、吸入ポートの開口面積を大きくしたとしても、根元部の弾性復元力を小さくすることが可能である。このため、弁部が吸入ポートを開く際の吸入抵抗が小さく、動力損失を生じ難い。また、弁部が吸入ポートを閉じる際の衝撃力も小さく、弁部が損傷し難い。
【0011】
したがって、この圧縮機によれば、動力損失を生じ難く、かつ優れた耐久性を発揮しつつ、体積効率をより確実に上げることができる。
【0012】
弁部の中央領域とは、弁部のうち、吸入ポートの周縁よりも中心側の部分であり、弁部の中心部分に限られない。吸入ポートの周縁は閉弁時に弁部と環状に当接し、圧縮室から吸入ポートを介した吸入室への冷媒の漏れを防止する。支持部は、後述する受け部等とともに吸入ポートを二分するように延びる延在部として形成され得る。延在部は、必ずしも吸入ポートを二分していなくてもよく、吸入ポートを二分するように延びていればよい。延在部が延びる方向は、吸入ポートの中心に向かっている場合に限られず、吸入ポートの中心から吸入ポートのいずれかの縁にずれていてもよい。延在部が吸入ポートを二分しておれば、弁板には延在部を残して吸入ポートが貫設され、吸入ポートは延在部によって二つの分割ポートに分割されることとなる。
【0013】
弁板には、弁部の先端領域を受ける受け部が設定され得る。受け部は、長手方向に直交する方向の幅が支持部よりも大きく形成されていることが好ましい(請求項2)。この場合、吸入リード弁の弁部が受け部と衝突する時、受け部上の潤滑油がスクイーズ膜効果により衝突力を緩和して弁部に小さな応力しか作用せず、弁部の先端領域に大きな応力が生じ難い。このため、吸入リード弁がより疲労破壊し難く、圧縮機が高い耐久性を発揮することができる。スクイーズ膜効果とは、平行なすきまが速度Vで減少する場合には、流体は粘性があるためにすきまから押し出されるのに抵抗し、圧力(粘性係数と速度Vに比例)が発生するというものである。弁部の先端領域とは、その中央領域より先端側に位置する一定範囲である。
【0014】
弁板には、支持部より先端側である先端吸入領域を二分するように、支持部から延び、支持部と受け部とを連結する主連結部が設定され得る。そして、弁板には、支持部、受け部及び主連結部を残して吸入ポートが貫設されていることが好ましい(請求項3)。この場合、支持部、主連結部及び受け部は、長手方向の先端側に向かって鞭のように撓りながら固定面に衝突する弁部を好適に支持することが可能である。このため、弁部により疲労破壊を生じ難い。
【0015】
支持部、主連結部及び受け部の幅が大きければ、弁部の疲労破壊が生じ難い。この一方、支持部、主連結部及び受け部の面積が大きくなれば、吸入ポートの面積が小さくなり、支持部、主連結部及び受け部の接触面積の増加によって密着力の増加が起き、吸入ポートが開きやすくなる効果が得られ難い。本発明は、これらの相反する課題を解決するため、支持部、主連結部及び受け部の大きさ、形状を適切に選択可能である。
【0016】
弁板には、支持部より長手方向の基端側である基端吸入領域を少なくとも二分するように支持部から延びる副連結部が設定され得る。そして、弁板には、支持部、受け部、主連結部及び副連結部を残して吸入ポートが貫設され得る(請求項4)。この場合、吸入ポートは、支持部、受け部、主連結部及び副連結部によって二以上の分割ポートに分割される。この場合、支持部の強度が増すとともに、鞭のように撓る弁部を長手方向の手前側から先端側に向かって順次支持し易く、弁部の疲労破壊を有効に防止できる。
【0017】
副連結部は長手方向に延び得る。そして、吸入ポートは、副連結部、支持部、主連結部及び受け部によって、二つの分割ポートに分割され得る(請求項5)。この場合、弁部の疲労破壊の防止と、吸入ポートが開きやすくなる効果とを実現し易い。
【0018】
副連結部、支持部、主連結部及び受け部は、固定面と面一であり得る(請求項6)。この場合、加工コストを抑制することができる。
【0019】
副連結部、支持部、主連結部及び受け部には、固定面から凹設された凹部が形成されていることが好ましい(請求項7)。この場合、吸入リード弁の弁部と副連結部、支持部、主連結部及び受け部との接触面積が小さくなり、密着力が小さくなって開弁し易くなる。
【0020】
凹部は、長手方向に溝状に形成されていることが好ましい(請求項8)。この場合、接触面積が減り、開弁時に逆スクイーズ効果による密着力が小さくなって開弁し易くなる。
【0021】
また、凹部は、幅方向に溝状に形成されていることも好ましい(請求項9)。これにより接触面積が減る。また、固定面から副連結部、支持部、主連結部及び受け部への油の供給量が減少し、密着力が小さくなって開弁し易くなる。
【0022】
副連結部、支持部、主連結部及び受け部にはクラウニングが形成されていることが好ましい(請求項10)。この場合も、吸入リード弁の弁部と副連結部、支持部、主連結部及び受け部との接触面積が小さくなり、密着力が小さくなって開弁し易くなる。
【0023】
固定面には、吸入ポートの外側で弁部の少なくとも両側端縁を自己の底部から離反させる凹溝が形成されていることが好ましい(請求項11)。凹溝の成形によって吸入ポートの周縁が形成される。凹溝は、弁部の少なくとも両側端縁を自己の底部から離反させ、差圧によって弁部を開き易くする。
【0024】
凹溝は、長手方向の先端側を除いて吸入ポートを周方向に囲むC字状であることが好ましい(請求項12)。この場合、凹溝における長手方向の先端側で対向する両端の間隔を広げることにより、それらの間に受け部を容易に形成できる。このため、吸入リード弁の弁部が受け部と衝突する際、その受け部上の潤滑油が衝突力を確実に緩和できるので、弁部に小さな応力しか作用せず、弁部の先端領域に大きな応力が確実に生じ難い。その結果、この圧縮機は、吸入リード弁の損傷を有効に防止でき、優れた耐久性を確実に発揮することができる。
【0025】
固定面には、吸入ポートを閉じた状態の吸入リード弁を平面視した場合、根元部と重なる範囲で長手方向に延びて凹溝と連通する連通溝とが凹設されていることが好ましい(請求項13)。この場合、連通溝の分だけ固定面と根元部とが密着する面積が減り、差圧によって弁部がより開き易い。
【0026】
また、固定面には、吸入ポートの外側で弁部の少なくとも両側端縁を自己の底部から離反させる粗面が形成されていることが好ましい(請求項14)。粗面の成形によって吸入ポートの周縁が形成される。粗面は、弁部の少なくとも両側端縁を自己の底部から離反させ、差圧によって弁部を開き易くする。
【0027】
根元部の幅は、吸入ポートの幅方向の長さよりも短いことが好ましい(請求項15)。この場合、吸入ポートを確実に大きくしつつ、吸入リード弁の根元部の弾性復元力を確実に小さくすることができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明の圧縮機によれば、動力損失を生じ難く、かつ優れた耐久性を発揮しつつ、体積効率をより確実に上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】実施例1の圧縮機の縦断面図である。
【図2】実施例1の圧縮機に係り、弁板と、複数の吸入リード弁が形成された吸入弁板とを抜き出して示す平面図である。
【図3】実施例1の圧縮機に係り、弁板及び吸入リード弁の要部拡大図である。図(A)は吸入リード弁等の平面図、図(B)は図(A)のB−B矢視断面図、図(C)は図(A)のC−C矢視断面図である。
【図4】実施例1の圧縮機に係り、図(A)は吸入ポート等の平面図、図(B)は吸入領域の平面図、図(C)は支持部の断面図である。
【図5】実施例1の圧縮機に係り、吸入リード弁が吸入ポートを開放した状態を示す要部拡大断面図である。
【図6】実施例2の圧縮機に係り、図4のA−A線に相当する支持部の断面図である。
【図7】実施例3の圧縮機に係り、図4のB−B線に相当する支持部の断面図である。
【図8】実施例4の圧縮機に係り、図4のB−B線に相当する支持部の断面図である。
【図9】実施例5の圧縮機に係り、図4のA−A線に相当する支持部の断面図である。
【図10】実施例6の圧縮機に係り、図4のA−A線に相当する支持部の断面図である。
【図11】実施例6の圧縮機に係り、図4のB−B線に相当する支持部の断面図である。
【図12】実施例7の圧縮機に係り、図Aは吸入ポート等の平面図、図Bは支持部の断面図である。
【図13】実施例8の圧縮機に係り、吸入リード弁等の平面図である。
【図14】実施例9の圧縮機に係り、吸入リード弁等の平面図である。
【図15】実施例10の圧縮機に係り、吸入リード弁等の平面図である。
【図16】実施例11の圧縮機に係り、吸入リード弁等の平面図である。
【図17】実施例12の圧縮機に係り、吸入リード弁等の平面図である。
【図18】実施例13の圧縮機に係り、吸入リード弁等の平面図である。
【図19】実施例14の圧縮機に係り、吸入リード弁等の平面図である。
【図20】実施例15の圧縮機に係り、吸入リード弁等の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明を具体化した実施例1〜15を図面を参照しつつ説明する。
【0031】
(実施例1)
実施例1の圧縮機は容量可変型斜板式圧縮機である。この圧縮機は、図1に示すように、シリンダブロック1に複数個のシリンダボア1aが同心円状に等角度間隔でそれぞれ平行に形成されている。シリンダブロック1は、前方に位置するフロントハウジング3と後方に位置するリヤハウジング5とに挟持され、この状態で複数本のボルト7によって締結されている。シリンダブロック1とフロントハウジング3とによって内部にクランク室9が形成されている。リヤハウジング5には吸入室5aと吐出室5bとが形成されている。
【0032】
フロントハウジング3には軸孔3aが形成され、シリンダブロック1には軸孔1bが形成されている。軸孔3a、1bには軸封装置9a及びラジアル軸受9b、9cを介して駆動軸11が回転可能に支承されている。駆動軸11には図示しないプーリ又は電磁クラッチが設けられており、プーリ又は電磁クラッチのプーリには車両のエンジンによって駆動される図示しないベルトが巻き掛けられている。
【0033】
クランク室9内では、駆動軸11にラグプレート13が圧入されており、ラグプレート13とフロントハウジング3との間にはスラスト軸受15が設けられている。また、駆動軸11には斜板17が挿通されている。ラグプレート13と斜板17とは、斜板17を傾角変動可能に支持するリンク機構19によって接続されている。
【0034】
各シリンダボア1a内にはピストン21が往復動可能に収納されている。シリンダブロック1とリヤハウジング5との間には弁ユニット23が設けられている。この圧縮機の弁ユニット23は吸入弁板25と弁板27と吐出弁板29とリテーナ板31とからなる。弁板27には、吐出ポート23b及び吸入ポート23aが貫設されている。リテーナ板31はガスケットを兼ねている。シリンダブロック1、フロントハウジング3、リヤハウジング5及び弁ユニット23は、本発明のハウジングの一例である。
【0035】
本実施例1では、吸入弁板25は、図2及び図3に示すように、弾性変形可能であり、常態において表面25fと裏面25rとが平行な薄板からなる。図2において、紙面手前側が圧縮機の前側であり、紙面奥側が圧縮機の後側である。各シリンダボア1aは、吸入弁板25に対して紙面手前側に位置するので、二点鎖線で図示する。弁板27は、吸入弁板25に対して図2の紙面奥側に位置している。吸入弁板25には、その中心側から半径方向外側に放射状に細長く延びる複数の延出部分が形成されている。この各延出部分が吸入リード弁25aとされている。ここで、吸入弁板25の半径方向が長手方向であり、中心側から外側に向かう方向が長手方向の先端側D1である。
【0036】
図1に示すように、斜板17と各ピストン21との間には前後で対をなすシュー33a、33bが設けられており、各対のシュー33a、33bによって斜板17の揺動運動が各ピストン21の往復動に変換されるようになっている。シリンダボア1a、ピストン21及び弁ユニット23によって各圧縮室24が形成されている。
【0037】
図示は省略するが、クランク室9と吸入室5aとは抽気通路によって接続され、クランク室9と吐出室5bとは給気通路によって接続され、給気通路には容量制御弁が設けられている。この容量制御弁は、吸入圧力に応じて給気通路の開度を変更できるようになっている。また、図示は省略するが、圧縮機の吐出室5bには凝縮器が接続され、凝縮器は膨張弁を介して蒸発器が接続され、蒸発器は圧縮機の吸入室5aに接続されている。これら圧縮機、凝縮器、膨張弁及び蒸発器は、車両に搭載されて車室内の空調を行う空調装置を構成している。
【0038】
弁板27には、各圧縮室24と吐出室5bとを連通させる吐出ポート23bが形成されている。吐出弁板29には、各吐出ポート23bを開閉する吐出リード弁29aが形成されている。リテーナ板31には、各吐出リード弁29aのリフト長を規制するリテーナ31aが形成されている。
【0039】
また、弁板27には、吸入室5aと各圧縮室24とを連通させる吸入ポート23aが形成されている。各吸入ポート23aは、図2に示すように、シリンダボア1aの中心よりも先端側D1にずらして配設されている。
【0040】
図3及び図4に示すように、各吸入ポート23aは、各シリンダボア1aに対し、後述の支持部371a、受け部371b、主連結部371c及び副連結部371dによって二つの分割ポート331、332に分割されている。
【0041】
弁板27の圧縮室24側の面である固定面27fには、吸入ポート23aを周方向に囲む円環状の凹溝27aが凹設されている。固定面27fにおいて、吸入ポート23aと凹溝27aとに挟まれた円環状の領域は、凹溝27aより外側の固定面27fと面一のシール面27bとなっている。シール面27bは吸入ポート23aの周縁である。シール面27bは閉弁時に弁部253と環状に当接し、圧縮室24から吸入ポート23aを介した吸入室5aへの冷媒の漏れを防止する。
【0042】
図2及び図3に示すように、吸入リード弁25aは、弁板27の固定面27fに固定された固定部251と、固定部251から各長手方向の先端側D1に延びてリフト可能な6個の根元部252と、各根元部252から各長手方向の先端側D1に延びて各吸入ポート23aを開閉する6個の弁部253とからなる。各弁部253の先端側D1には円弧状のストッパ253aが凸設されている。ストッパ253aは、シリンダボア1aから1〜数mm程度はみ出している。本実施例では、各長手方向は、固定面27fと平行、かつ駆動軸11の半径方向である。各長手方向の先端側D1はその半径方向の外側である。
【0043】
図3(A)に示すように、根元部252及び弁部253を平面視した場合、根元部252は長辺が長手方向の先端側D1に延びる長方形をなしている。ストッパ253aを除く弁部253は根元部252の短辺以上を直径とする円形としている。すなわち、根元部252の幅W1は弁部253の幅W2より短い。また、根元部252の幅W1は、吸入ポート23aの幅方向の長さW3よりも短い。
【0044】
図3及び図4に示すように、弁板27には、弁部253の中央領域を受ける支持部371aと、弁部253の先端領域を受ける受け部371bと、支持部371aと受け部371bとを連結する主連結部371cと、支持部371aから延びる副連結部371dとが設定されている。弁部253の中央領域とは、弁部253のうち、シール面27bよりも中心側の部分であり、弁部253が円形であることから、その中心Oを含む一定範囲である。弁部253の先端領域とは、その中央領域より先端側D1に位置する一定範囲である。弁板27には、図4(B)に示すように、内側に吸入ポート23aが貫設される吸入領域Aが設定されている。吸入領域Aは、長手方向の先端側D1に位置する半円の先端吸入領域A1と、長手方向の基端側D2に位置する半円の基端吸入領域A2とからなる。図4(A)に示すように、支持部371aは吸入領域Aの中心Oを含む一定範囲である。支持部371aは弁部253の中央領域を受けるように位置し、支持部371aから見て長手方向の先端側D1の左右及び基端側D2の左右に吸入ポート23aが存在する。主連結部371cは、支持部371aより先端吸入領域A1を二分するように、支持部371aから延びている。副連結部371dは、支持部371aより基端吸入領域A2を二分している。そして、弁板27には、支持部371a、受け部371b、主連結部371c及び副連結部371dを残して吸入ポート23aが貫設されている。
【0045】
副連結部371d、支持部371a、主連結部371c及び受け部371bは、長手方向の先端側D1に延びるI字状とされている。図4(C)に示すように、支持部371a、受け部371b、主連結部371c及び副連結部371dは固定面27fと面一である。分割ポート331、332の間に支持部371a、受け部371b、主連結部371c及び副連結部371dが存在している。このような形状である分割ポート331、332は、例えば、弁板27に打ち抜きプレス加工をすることにより形成される。
【0046】
図4(A)に示すように、支持部371a、主連結部371c及び副連結部371dは長手方向に直交する方向の幅が等しいが、受け部371bは幅が支持部371a、主連結部371c及び副連結部371dよりも大きく形成されている。なお、分割ポート331、332の角部は、打ち抜きプレス加工等の加工精度の制約上、ピン角ではなく、僅かに丸められている。
【0047】
図5に示すように、シリンダブロック1には、各ストッパ253aが当て止まるリテーナ1bが凹設されている。リテーナ1bはシリンダブロック1の後端面に形成され、前端に当接面1cが形成されている。弁部253が吸入ポート23aを開放する場合、ストッパ253aは、凹部1c内を移動し、当接面1cに当て止まる。すなわち、ストッパ253aのストロークは凹部1bの深さと等しくなっている。
【0048】
以上のように構成された圧縮機では、駆動軸11が回転駆動されることにより、ラグプレート13及び斜板17が駆動軸11と同期回転し、斜板17の傾斜角に応じたストロークで各ピストン21が各シリンダボア1a内を往復動する。このため、吸入室5a内の冷媒は、各圧縮室24に吸入されて圧縮され、吐出室5bに吐出される。圧縮機が圧縮作用を行う冷媒にはミスト状の潤滑油が含まれている。この潤滑油は、各ピストン21、各シュー33a、33b及び斜板17等の摺動部分に介在してそれらの摩耗を抑制する。また、潤滑油は凹溝27a内にも溜まる。
【0049】
この間、図5に示すように、吸入室5a内の圧力と圧縮室24内の圧力との差により、吸入リード弁25aが根元部252で弾性変形し、弁部253で吸入ポート23aを開く。圧力差が根元部252の弾性復元力及び密着力に打ち勝つまでは弁部253は吸入ポート23aを開かない。
【0050】
この圧縮機では、吸入リード弁25aが閉じる瞬間、弁部253の中央領域が慣性力や圧力差によって吸入ポート23a内に大きく撓もうとしても、その弁部253の中央領域が支持部371aによって支持される。また、副連結部371d、支持部371a、主連結部371c及び受け部371bが長手方向の先端側D1に延びるI字状とされていることから、支持部371aの強度が増すとともに、長手方向の先端側D1に向かって鞭のように撓りながら固定面27fに衝突する弁部253を長手方向の手前側から先端側D1に向かって順次好適に支持し易い。このため、弁部253に疲労破壊を生じ難い。
【0051】
特に、この圧縮機では、吸入リード弁25aの弁部253が受け部371bと衝突する時、受け部371b上の潤滑油がスクイーズ膜効果により衝突力を緩和して弁部253に小さな応力しか作用せず、弁部253の先端に大きな応力が生じ難い。このため、吸入リード弁25aがより疲労破壊し難く、圧縮機が高い耐久性を発揮することができる。
【0052】
この圧縮機では、以上の作用の下、吸入ポート23aの開口面積を大きくして一度の開口によって大量の冷媒を圧縮室24内に取り入れ、体積効率を上げている。そして、この圧縮機では、吸入リード弁25aの根元部252の幅W1が弁部253の幅W2より短くされている。また、根元部252の幅W1が吸入ポート23aの幅方向の長さW3よりも短くされている。こうして、吸入ポート23aの開口面積を確実に大きくしていても、根元部252の弾性復元力を確実に小さくしている。このため、弁部253が吸入ポート23aを開く際の吸入抵抗が小さく、動力損失を生じ難い。また、弁部253が吸入ポート23aを閉じる際の衝撃力も小さく、弁部253が損傷し難い。
【0053】
したがって、この圧縮機によれば、動力損失を生じ難く、かつ優れた耐久性を発揮しつつ、体積効率をより確実に上げることができる。
【0054】
また、この圧縮機では、吸入リード弁25aの開き遅れを抑制することにより吸入脈動を小さくできるので、圧縮機の静粛性を向上させることができる。
【0055】
さらに、この圧縮機においては、弁板27の固定面27fに凹溝27aが凹設されている。このため、吸入リード弁25aが吸入ポート23aを閉じた状態において、根元部252と、凹溝27aにおける長手方向の基端側D2を向く円弧部分27g(図3(A)に示す。)とが広い範囲で重なる。このため、この重なる面積の分だけ、固定面27fと根元部252とが密着する面積が減る。このため、吸入リード弁25aの開き遅れを低減できる。
【0056】
(実施例2)
弁部253は必ずしも支持部、受け部、主連結部及び副連結部全面に亘って接触する必要はない。例えば、実施例2の圧縮機は、図6に示すように、支持部372a等の表面に凹部372bが形成されている。凹部372bは支持部372a等の幅方向の両端で溝状に形成されている。他の構成は実施例1の圧縮機と同一である。
【0057】
この圧縮機では、吸入リード弁25aの弁部253と支持部372a等との接触面積が小さくなり、密着力が小さくなって開弁し易くなる。また、この構造により、支持部372a等に幅をもたせてその強度を維持しつつ、接触面積ひいては密着力を抑制できる。他の作用効果は実施例1と同様である。
【0058】
(実施例3)
実施例3の圧縮機では、図7に示すように、支持部373a等の表面に凹部373bが凹設されている。凹部373bは、支持部373a等の長さ方向に溝状に形成されている。他の構成は実施例1の圧縮機と同一である。
【0059】
この圧縮機では、接触面積が減り、開弁時に逆スクイーズ効果による密着力が小さくなって開弁し易くなる。他の作用効果は実施例1と同様である。
【0060】
(実施例4)
実施例4の圧縮機では、図8に示すように、支持部374a等の長さ方向の両端に細い溝状の凹部374bが形成されている。他の構成は実施例1の圧縮機と同一である。
【0061】
この圧縮機では、凹部374bによってシール面27bと支持部374a等との間で潤滑油の往来が断たれるため、シール面27bから支持部374a等への潤滑油の供給が断たれ、支持部374a等と弁部252との間に作用する密着力が小さくなって開弁しやすくなる。他の作用効果は実施例1と同様である。
【0062】
(実施例5)
実施例8の圧縮機では、図9に示すように、両端の凹部375bととともに、これらの間に位置する3本の細い溝状の凹部375cが支持部375a等に形成されている。他の構成は実施例2の圧縮機と同一である。
【0063】
この圧縮機では、支持部375a等と弁部252との接触面積が小さくなり、密着力が小さくなって開弁しやすくなる。他の作用効果は実施例1と同様である。
【0064】
(実施例6)
実施例6の圧縮機では、図10又は図11に示すように、支持部376a等にクラウニング376bが形成されている。他の構成は実施例1の圧縮機と同一である。
【0065】
この圧縮機においても、吸入リード弁25aの弁部252と支持部376a等との接触面積が小さくなり、密着力が小さくなって開弁し易くなる。他の作用効果は実施例1と同様である。
【0066】
(実施例7)
実施例7の圧縮機では、図12に示すように、支持部377a等にコイニングを施し、その後に研削を施すことによって複数の凹部377b、377c、377dが形成されている。他の構成は実施例1の圧縮機と同一である。この圧縮機においても実施例3の圧縮機と同様の作用効果を奏することができる。
【0067】
(実施例8)
実施例8の圧縮機では、図13に示すように、長手方向の先端側D1に延びて凹溝27aと連通する連通溝27rが固定面27fに形成されている。固定面27fにおける連通溝27r以外の部分は、吸入リード弁25aと当接する当接部27sとなっている。当接部27sは、固定面27fにおいて、連通溝27rの幅方向両側に位置し、かつ吸入ポート23aを閉じた状態の吸入リード弁25aを平面視した場合、根元部252と重なっている。本実施例では、連通溝27rの幅は、根元部252の幅に対して50%から75%程度としており、当接部27sが根元部252を確実に支持できるようにしている。他の作用効果は実施例1と同様である。
【0068】
この圧縮機では、連通溝27rの分だけ固定面27fと根元部252とが密着する面積が減り、差圧によって弁部253がより開き易い。他の作用効果は実施例1と同様である。
【0069】
(実施例9)
実施例9の圧縮機では、図14に示すように、固定面27fに粗面27pが形成されている。吸入ポート23aの周縁には粗面27pが形成されておらず、固定面27と面一のシール面27bとされている。他の作用効果は実施例1と同様である。
【0070】
この圧縮機では、粗面27fが弁部253の全端縁を自己の底部から離反させ、差圧によって弁部253を開き易くする。他の作用効果は実施例1と同様である。
【0071】
(実施例10)
実施例10の圧縮機では、図15に示すように、副連結部380d、支持部380a、主連結部380c及び受け部380bは、長手方向の先端側D1に向かって幅が広がっている。吸入ポート23cは、副連結部380d、支持部380a、主連結部380c及び受け部380bによって二つの分割ポート333、334に分割されている。他の構成は実施例1の圧縮機と同一である。
【0072】
この圧縮機においても実施例1の圧縮機と同様の作用効果を奏することができる。
【0073】
(実施例11)
実施例11の圧縮機では、図16に示すように、C字状の凹溝27cを採用している。凹溝27cは、固定面27fに中心Oと同心の円弧状に凹設されており、長手方向の先端側D1を除いて吸入ポート23aを周方向に囲んでいる。固定面27fにおいて、凹溝27cにおける長手方向の先端側D1で対向する両端に挟まれた領域は、受け部380bとともに、受け部380eとされている。他の構成は実施例10と同様である。
【0074】
この場合、凹溝27cにおける長手方向の先端側D1の先端側で対向する両端の間隔を広げることにより、それらの間により幅方向に大きく形成された受け部380b、380eを容易に形成できる。このため、弁部253が受け部380b、380eと衝突する際、その大きな受け部380b、380e上の潤滑油が衝突力を確実に緩和できるので、弁部253に小さな応力しか作用せず、弁部253の先端に大きな応力が確実に生じ難い。その結果、この圧縮機は、吸入リード弁25aの損傷を有効に防止でき、優れた耐久性を確実に発揮することができる。他の作用効果は実施例10と同様である。
【0075】
(実施例12)
実施例12の圧縮機では、図17に示すように、()状の凹溝27dを採用している。凹溝27dは、固定面27fに中心Oと同心の丸カッコ状に凹設されており、長手方向の先端側D1及び基端側D2を除いて吸入ポート23aを周方向に囲んでいる。固定面27fにおいて、凹溝27cにおける長手方向の基端側D2で対向する両端に挟まれた領域は当接部380fとされている。他の構成は実施例11と同様である。
【0076】
この場合、吸入リード弁25aの根元部253が当接部380fと衝突する際、大きな当接部380fによって根元部252に小さな応力しか作用しない。その結果、この圧縮機は、吸入リード弁25aの損傷を有効に防止でき、優れた耐久性を確実に発揮することができる。他の作用効果は実施例1と同様である。
【0077】
(実施例13)
実施例13の圧縮機では、図18に示すように、弁板27に支持部383a、主連結部383c及び受け部383bだけが設けられ、U字状の吸入ポート23dが採用されている。このため、支持部383aは、支持部371a等と同様に、弁部253の中央領域を受けることができる。他の構成は実施例1と同様である。
【0078】
この場合も、実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
【0079】
(実施例14)
実施例14の圧縮機では、図19に示すように、支持部384a及び副連結部384dを採用している。このため、吸入ポート23eの先端側D1には受け部及び主連結部が形成されていない。また、先端側D1が円弧をなし、基端側D2が長手方向に対して直交する凹溝27eを採用している。他の構成は実施例1と同様である。
【0080】
この場合、受け部及び主連結部によって邪魔されずに吸入ポート23eから圧縮室24に冷媒を吸入できるため、体積効率がより向上する。他の作用効果は実施例1と同様である。
【0081】
(実施例15)
実施例15の圧縮機では、図20に示すように、支持部385a、受け部385b、主連結部385c及び副連結部385dを採用している。受け部385bは幅が支持部385a、主連結部385c及び副連結部385dと同等である。各吸入ポート23fは支持部385a、受け部385b、主連結部385c及び副連結部385dによって二つの分割ポート335、336に分割されている。また、先端側D1が円弧をなし、基端側D2が先端側D1よりも曲率半径が大きな円弧をなす凹溝27hを採用している。他の構成は実施例1と同様である。
【0082】
この場合、幅が大きな受け部による作用効果は奏することができないものの、他の作用効果は実施例1と同様に奏することができる。
【0083】
以上において、本発明を実施例1〜15に即して説明したが、本発明は上記実施例1〜15に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0084】
例えば、支持部等は、弁板27に形成されてもよく、制振鋼板等の他の部材に形成されてもよい。また、凹部やクラウニングは支持部のみに設けてもよく、支持部、主連結部及び副連結部に跨って設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明は車両用空調装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0086】
5a…吸入室
24…圧縮室
27…弁板
23a、23c、23d、23e、23f…吸入ポート
331〜336…分割ポート
25a…吸入リード弁
27f…固定面
251…固定部
D1…長手方向の先端側
252…根元部
253…弁部
371a、372a、373a、374a、375a、376a、377a、380a、383a、384a、385a…支持部
371b、380b、380e、383b、385b…受け部
371c、380c、383c、385c…主連結部
371d、380d、384d、385d…副連結部
372b、373b、374b、375b、375c、377b、377c、377d…凹部
376b…クラウニング
27a、27c、27d、27e、27h…凹溝
27r…連通溝
27p…粗面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸入室と圧縮室との間に弁板が設けられ、該弁板には該吸入室と該圧縮室とを連通可能な吸入ポートが貫設され、該吸入ポートは弾性変形可能な吸入リード弁によって開閉され、
該吸入リード弁は、該弁板の該圧縮室側の面である固定面に固定された固定部と、該固定部から長手方向に延びてリフト可能な根元部と、該根元部から該長手方向の先端側に延びて該吸入ポートを開閉する弁部とからなる圧縮機において、
前記根元部の幅は前記弁部の幅より短く、
前記弁板には、前記弁部の中央領域を支持する支持部が設定されているとともに、該支持部を残して前記吸入ポートが貫設されていることを特徴とする圧縮機。
【請求項2】
前記弁板には、前記弁部の先端領域を受ける受け部が設定され、
該受け部は、前記長手方向に直交する方向の幅が前記支持部よりも大きく形成されている請求項1記載の圧縮機。
【請求項3】
前記弁板には、前記支持部より前記先端側である先端吸入領域を二分するように、前記支持部から延び、前記支持部と前記受け部とを連結する主連結部が設定され、
該弁板には、該支持部、該受け部及び該主連結部を残して該吸入ポートが貫設されている請求項1又は2記載の圧縮機。
【請求項4】
前記弁板には、前記支持部より前記長手方向の基端側である基端吸入領域を少なくとも二分するように、該支持部から延びる副連結部が設定され、
該弁板には、該支持部、前記受け部、該主連結部及び該副連結部を残して前記吸入ポートが貫設されている請求項3記載の圧縮機。
【請求項5】
前記副連結部は前記長手方向に延び、
前記吸入ポートは、該副連結部、前記支持部、前記主連結部及び前記受け部によって、二つの分割ポートに分割されている請求項4記載の圧縮機。
【請求項6】
前記副連結部、前記支持部、前記主連結部及び前記受け部は、前記固定面と面一である請求項5記載の圧縮機。
【請求項7】
前記副連結部、前記支持部、前記主連結部及び前記受け部には、前記固定面から凹設された凹部が形成されている請求項5又は6記載の圧縮機。
【請求項8】
前記凹部は、前記長手方向に溝状に形成されている請求項7記載の圧縮機。
【請求項9】
前記凹部は、前記幅方向に溝状に形成されている請求項7記載の圧縮機。
【請求項10】
前記副連結部、前記支持部、前記主連結部及び前記受け部には、クラウニングが形成されている請求項5又は6記載の圧縮機。
【請求項11】
前記固定面には、前記吸入ポートの外側で前記弁部の少なくとも両側端縁を自己の底部から離反させる凹溝が形成されている請求項1乃至10のいずれか1項記載の圧縮機。
【請求項12】
前記凹溝は、前記長手方向の前記先端側を除いて前記吸入ポートを周方向に囲むC状溝である請求項11記載の圧縮機。
【請求項13】
前記固定面には、前記吸入ポートを閉じた状態の前記吸入リード弁を平面視した場合、前記根元部と重なる範囲で長手方向に延びて前記凹溝と連通する連通溝が凹設されている請求項11又は12記載の圧縮機。
【請求項14】
前記固定面には、前記吸入ポートの外側で前記弁部の少なくとも両側端縁を自己の底部から離反させる粗面が形成されている請求項1乃至10のいずれか1項記載の圧縮機。
【請求項15】
前記根元部の幅は、前記吸入ポートの前記幅方向の長さよりも短い請求項1乃至14のいずれか1項記載の圧縮機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2013−76338(P2013−76338A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−215499(P2011−215499)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000003218)株式会社豊田自動織機 (4,162)
【出願人】(000003609)株式会社豊田中央研究所 (4,200)
【Fターム(参考)】