説明

基板移載装置

【課題】ベルヌーイチャックで吸引保持した基板を、規制体で所定姿勢に位置保持する基板移載装置において、規制体の規制機能の回復をより少ない手間で簡便に行うことができるようにする。
【解決手段】基板Wの表面に平行な方向の滑り移動を規制するガイド53をガイド取付部材51に対して着脱自在に構成する。これにより、規制体50の全体の交換を要することなく、ガイド53のみを交換するだけで、規制体50の規制機能を回復することができる。従って、規制体50の全体を交換する形態に比べて、規制体50の規制機能の回復に要する費用や手間を抑えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を移載するための装置、なかでもパラレルメカニズムを移載機構にして、そのハンド部に設けたベルヌーイチャックで基板を非接触状態で捕捉して移載する装置に関する。基板としては、例えば太陽電池用の矩形状のシリコンウエハー、或いはリチウムイオン電池をはじめとする二次電池用の電極やセパレータなどを挙げることができる。
【背景技術】
【0002】
本発明では、ベルヌーイチャックで吸引保持した基板を、規制体で所定姿勢に位置保持するが、この種の規制体を備えた移載装置は特許文献1に開示がある。特許文献1では、下向きに開口する円筒状の支持体の内面に4個のベルヌーイチャックが配置され、支持体の周面4箇所に、規制体として丸棒状のガイドピンが固定されている。各ベルヌーイチャックで同時に吸引保持された円形の基板は、その周面がガイドピンで受け止められており、したがって、移載運動時に基板が吸着面に沿って移動するのをガイドピンで規制できる。
【0003】
特許文献2には、ガイド体の下部に設けた傾斜面で基板の周縁を受け止めて、ベルヌーイチャックで吸着した基板が水平方向(基板の表面に平行な方向)へ移動するのを規制する移載装置が開示されている。特許文献2における規制体は、チャックベース(板状物保持部材)に形成された長穴に移動可能に装着される直方体状の移動ブロックと、移動ブロックの下面に形成された傾斜面に固定されたラバーシートとからなる。長穴内において移動ブロックは、その上方から差し込まれる調整ボルトにより固定されている。傾斜面およびラバーシートは、ベルヌーイチャックの吸着平面と交差する状態で設けられている。
【0004】
本発明では、移載装置の主要部をパラレルメカニズムで構成するが、パラレルメカニズムの基本構造は、本出願人の出願に係る特許文献3に公知である。そこでは、ベースに配置される3個の駆動モーターと、各駆動モーターで駆動操作される3組のアームユニットと、アームユニットで支持されるハンド部と、ハンド部に設けた旋回軸に回転動力を伝動する旋回駆動軸などでパラレルメカニズムを構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−051260号公報(段落番号0044、図3)
【特許文献2】特開2004−083180号公報(段落番号0032、図2)
【特許文献3】国際公開第2008/059659号パンフレット(段落番号0018、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この種の基板移載装置では、移載対象である基板との接触によって規制体が摩耗して規制機能が損なわれると、規制体を交換して規制機能の回復を図る必要がある。しかし、特許文献1の基板移載装置は、支持体に丸棒状のガイドピンが固定された形態であり、規制機能を回復させることは全く予定されていない。
【0007】
特許文献2の移載装置における規制体は、調整ボルトで長穴内に固定される直方体状の移動ブロックと、移動ブロックの下面に形成された傾斜面に固定されたラバーシートとで構成される。このため、調整ボルトを緩めて、移動ブロックを交換することで、ラバーシートを含めた規制体の全体を交換して規制機能を回復させることができる。しかし、移動ブロックの交換作業の前後において、長穴内の同一位置に移動ブロックを取り付けることは極めて困難である。このため、特許文献2の形態では、移動ブロックの交換作業後に、長穴内における移動ブロックの取り付け位置の位置調整作業を再度実行することが不可欠であり、規制体の規制機能の回復に多くの手間と時間が必要となる。
【0008】
本発明の目的は、ベルヌーイチャックで吸引保持した基板を、規制体で所定姿勢に位置保持する基板移載装置において、規制体の規制機能の回復をより少ない手間で簡便に行うことができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、パラレルメカニズムのハンド部5に、基板Wを非接触状態で吸引保持するベルヌーイチャック10と、該ベルヌーイチャック10の周囲を囲む状態で配置される複数個の規制体50とが設けられている基板移載装置を対象とする。ベルヌーイチャック10は、チャックベース32と、該チャックベース32の下面に設けられたチャックユニット33とを備える。規制体50は、チャックベース32に対して位置調整可能に構成されたガイド取付部材51と、該ガイド取付部材51の装着部52に着脱自在に装着されたガイド53と、該ガイド取付部材51を移動不能にロック固定するロック固定具54とを含む。ガイド53は、断面真円状の外周面を有する樹脂部品であり、ガイド53を装着部52に装着したとき、傾斜するガイド53の外周面67が基板Wの周縁を点接触状に受け止めることで、基板Wの表面に平行な方向の滑り移動を規制する。
【0010】
ガイド取付部材51は、上下方向に長い四角柱状の金属成形品であり、その下端の基板Wと対峙する側面55には傾斜面56が形成されている。装着部52は、ガイド取付部材51の傾斜面56に開設された基板W側の開口70と、ガイド取付部材51の下端に開設された下端側の開口71の二つの開口を有し、ガイド53の外周面67の一部を嵌合状に保持する、断面部分真円弧状の溝である。ガイド53を装着部52に装着した状態において、ガイド53の外周面67の一部が基板W側の開口70を介して傾斜面56から外面に露出しており、該傾斜面56から露出するガイド53の外周面67が基板Wの周縁を受け止めることで、基板Wの表面に平行な方向の滑り移動を規制することができるように構成されている。
【0011】
ガイド取付部材51が、チャックベース32に形成されたスライド溝59に沿って該チャックベース32表面に沿った一方向にスライド移動可能に、且つ該スライド溝59内で回転不能に構成されており、該スライド溝59に沿った任意の調整位置でロック固定具54によりロック固定されている。
【0012】
ガイド取付部材51は、装着部52に装着されたガイド53を抜け止め保持するためのストッパー80を備える。ストッパー80は、ガイド取付部材51の外面に沿うアーム部81と、該アーム部81の下端に設けられて、装着部52に装着されたガイド53の下端を受け止める受部82とを備える。取付用のボルト84を、アーム部81に設けられて上下方向に伸びる長穴状の挿通穴83を介してガイド取付部材51に設けられたねじ穴85に締結させることで、ストッパー80が該ガイド取付部材51に固定されている。ストッパー80は、アーム部81がボルト84によりガイド取付部材51に固定されるとともに、受部82がガイド53の下端を受け止めて装着部52からの該ガイド53の脱落を防ぐ固定状態と、ボルト84が緩められてアーム部81が該ボルト84まわりに揺動回転可能となる自由状態との間で、ガイド取付部材51に対して状態変更可能に構成されている。
【0013】
ガイド取付部材51の一側面61に、保持状態におけるアーム部81のボルト84まわりの揺動回転を規制するためのアーム規制要素90が設けられている。
【発明の効果】
【0014】
本発明においては、パラレルメカニズムのハンド部5にベルヌーイチャック10と複数個の規制体50とを設けて、基板Wの表面に対して非接触状態で基板Wを吸引保持できるようにした。また、規制体50を、チャックベース32に対して位置調整可能に構成されたガイド取付部材51と、ガイド取付部材51の装着部52に着脱自在に装着されて、基板Wの表面に平行な方向の滑り移動を規制するガイド53と、ガイド取付部材51を移動不能にロック固定するロック固定具54とを含むものとした。
【0015】
上記のように、基板Wの表面に平行な方向の滑り移動を規制するガイド53をガイド取付部材51に対して着脱自在に構成すると、規制体50の全体の交換を要することなく、ガイド53のみを交換するだけで、規制体50の規制機能を回復させることができる。従って、本発明によれば、規制体50の全体を交換する形態に比べて、規制体50の規制機能の回復に要する費用を抑えて、パラレルメカニズムのランニングコストの増加を抑えることができる。
【0016】
加えて、本発明においては、ガイド53のみをガイド取付部材51に対して着脱自在に構成したので、規制機能の回復作業に伴って、規制体50のチャックベース32に対する配置位置が変更されることはない。従って、ガイド53の交換作業に伴う規制体50の配置位置の再設定作業等は不要であり、より迅速且つ簡単にガイド53の交換作業を進めることができる。
【0017】
本発明においては、ガイド53を断面真円状の外周面67を有する樹脂部品として、該外周面67が基板Wの周縁を点接触状に受け止めることで基板Wの表面に平行な方向の滑り移動を規制するようした。これによれば、ガイド53の装着部52に対する装着方向を気にすること無く、より少ない手間でガイド53の交換作業を進めることができる。つまり、ガイド53の装着部52に対する姿勢や方向とは無関係に、該ガイド53を装着部52に装着するだけで規制機能を回復させることができる。従って、ガイド53の交換をより迅速且つ簡単に進めることができる。
【0018】
本発明においては、傾斜するガイド53の外周面67で基板Wの周縁を点接触状に受け止めるようにしたので、ベルヌーイチャック10を基板Wに対して位置決めするときの位置座標に関して、傾斜するガイド53の外周面67の水平成分に相当する余裕隙間を見込むことができる。つまり、パラレルメカニズムによりベルヌーイチャック10を基板Wの上方に移動させ、吸着可能な所定距離だけ基板Wから離れた高さまで下降させた際に、位置決めした状態のガイド53と吸引前の基板Wとが僅かにずれていたとしても、ずれ寸法が先の余裕寸法の範囲内にある限り、ガイド53が基板Wに当接することはなく、その分だけガイド53の取付精度、および寸法精度を含む位置精度を緩やかにできる。また、基板Wに対する要求位置決め精度が緩やかな分だけ、ベルヌーイチャック10の位置決めをより迅速に行なえる。したがって、本発明の基板移載装置によれば、ベルヌーイチャック10で基板Wを吸引保持するときに、ハンド部5に要求される位置決め精度を緩やかなものとして、非接触状態での基板Wの移載を高速度で能率よく行なうことができる。さらに、基板Wをベルヌーイチャック10で吸引保持する過程で、基板Wの周縁を傾斜するガイド53の外周面67で案内して、基板Wとベルヌーイチャック10のずれを矯正するので、基板Wを高い位置精度で移載先へ移載することができる。
【0019】
本発明においては、傾斜するガイド53の外周面67で基板の周縁を点接触状に受け止めるようにした。これによれば、ベルヌーイチャック10で吸引保持した状態の基板Wの周縁を、傾斜するガイド53の外周面67で受け止めて、基板Wを常に適正な姿勢に矯正した状態で吸引保持することができる。従って、非接触状態で吸引保持された基板Wを移送するとき、基板Wに作用する空気抵抗により基板Wが揺れ動くのを防止できる。また、基板Wをガイド53の外周面67で適正な姿勢に保持した状態で移載するので、基板Wを高い位置精度で移載先へ移載することができる。加えて、空気抵抗を受けた基板Wが、ベルヌーイチャック10の吸着面側へ押し付けられるような場合に、基板Wの周縁を傾斜するガイド53の外周面67で受け止めて、基板Wが限界位置を越えて移動するのを規制することができる。以上より、本発明に係る基板移載装置によれば、基板Wがベルヌーイチャック10に接触して傷つくことを確実に防ぐことができる。
【0020】
装着部52を、ガイド取付部材51の傾斜面56に開設された基板W側の開口70と、ガイド取付部材51の下端に開設された下端側の開口71の二つの開口を有し、ガイド53の外周面67の一部を嵌合状に保持する断面部分真円弧状の溝とすることができる。これによれば、下端側の開口71から溝内にガイド53を差し込み装着するだけで、ガイド53を適正な姿勢状態に保持することができる。従って、ガイド53のガイド取付部材51に対する取り付けや取外しを、ガイド取付部材51の下方から簡便に行え、ガイド53の交換に要する手間を軽減できる。
【0021】
ガイド取付部材51が、チャックベース32に形成されたスライド溝59に沿ってチャックベース32表面に沿った一方向にスライド移動可能に、且つ該スライド溝59内で回転不能に構成されており、該スライド溝59に沿った任意の調整位置でロック固定具54によりロック固定されている形態を採ることができる。このように、ガイド取付部材51をスライド溝59内で回転不能に構成していると、ガイド取付部材51が回転することに伴って、ガイド53と基板Wとの余裕隙間がずれることを防いで、ガイド53の取付精度を厳密に規定できる。すなわち、本発明によれば、ガイド取付部材51をスライド溝59内で回転不能に構成したので、ロック固定具54の固定作業に伴ってガイド取付部材51が回転することを防いで、ガイド取付部材51を最適位置にロック固定することができる。
【0022】
装着部52に装着されたガイド53を抜け止め保持するためのストッパー80を設ける。このストッパー80は、ガイド取付部材51の外面に沿うアーム部81と、該アーム部81の下端に設けられて、装着部52に装着されたガイド53の下端を受け止める受部82とを備えるものとする。また、取り付け用のボルト84を、アーム部81に設けられて上下方向に伸びる長穴状の挿通穴83を介してガイド取付部材51に設けられたねじ穴85に締結させることで、ストッパー80がガイド取付部材51に固定される形態とする。これらによれば、ガイド53の交換時には、取り付け用のボルト84を緩操作して自由状態とするだけで、長穴状の挿通穴83の分だけアーム部81を下方に移動させて、受部82によるガイド53の受け止め状態を解除することができ、かかる解除状態で、ガイド53を装着部52から取り外し、新たなガイド53を装着部52に取り付けることができる。以上のように、取り付け用のボルト84を緩操作して、ストッパー80の姿勢状態を変更するだけの簡単な操作でガイド53の交換作業を進めることができるので、例えば、ガイド53が直接的にボルトにより固定されるような形態に比べて、より少ない手間でガイド53の交換を簡便に行うことができる。
【0023】
ガイド取付部材51の一側面に、保持状態におけるアーム部81のボルト84まわりの揺動回転を規制するためのアーム規制要素90を設けることができる。これによれば、ボルト84を締操作する際にアーム部81が回転することを防ぐことができる。従って、保持状態におけるアーム部81を適正姿勢に保持することが容易となり、より少ない手間でガイド53の交換を簡便に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係る基板移載装置の要部の縦断面図である。
【図2】本発明に係る基板移載装置が適用されるパラレルメカニズムの正面図である。
【図3】パラレルメカニズムの底面図である。
【図4】ベルヌーイチャックの縦断面図である。
【図5】ベルヌーイチャックの縦断面図である。
【図6】ベルヌーイチャックの分解斜視図である。
【図7】ベルヌーイチャックの底面図である。
【図8】チャックユニットの底面図である。
【図9】治具を使った規制体の位置決め作業を説明するための図である。
【図10】規制体の縦断面図である。
【図11】図1のA−A線断面図である。
【図12】規制体の斜視図である。
【図13】ベルヌーイチャックの縦断面図である。
【図14】ガイドの別実施例を示す斜視図である。
【図15】ガイドの別実施例を示す斜視図である。
【図16】ガイドの別実施例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(実施例) 図1から図13は本発明に係る基板移載装置の実施例を示す。図2において基板移載装置は、コンベアを跨ぐ高剛性の架台1を基体にして構成したパラレルメカニズムを備える。移載対象の基板Wとしては、太陽電池を構成する矩形のシリコンウエハー、或いはリチウムイオン電池をはじめとする二次電池用の電極やセパレータなどを挙げることができる。図2に示すように、パラレルメカニズムは、架台1に固定されるベース2と、ベース2の下面に配置される3個の電動モーター3と、各モーター3で駆動される3組のアームユニット4と、各アームユニット4で支持されるハンド部5などで構成する。ハンド部5には旋回駆動軸6を介して旋回駆動される旋回軸7が設けられている。ハンド部5の下方にはジョイント体8が固定され(図4参照)、ジョイント体8の下方には、ジョイントプレート9を介してベルヌーイチャック10が固定されている。
【0026】
電動モーター3はモーターブラケットを介してベース2に組み付けられており、その出力軸にアームユニット4の上端が連結されている。電動モーター3は、サーボモーターと減速機とを一体に備え、減速機で減速された往復旋回動力をアームユニット4に出力する。
【0027】
図2および図3に示すように、アームユニット4は、駆動アーム13と、駆動アーム13の旋回動作をハンド部5に伝える一対の平行なロッド14とで構成する。ロッド14の上端および下端は、それぞれボール継手15を介して駆動アーム13およびハンド部5に連結されている。両ロッド14はばねユニット16で互いに接近する向きに付勢されている。各アームユニット4を電動モーター3で駆動することにより、ハンド部5を所定の3次元空間内で自由に変位操作することができる。
【0028】
図2に示すように、ハンド部5の3次元変位に追随しながら旋回動力を伝動するために、伸縮自在なボールスプライン軸18と、その上下端に連結したユニバーサルジョイント19とで旋回駆動軸6を構成する。上側のユニバーサルジョイント19はモーター20の出力軸に、下側のユニバーサルジョイント19は旋回軸7にそれぞれ連結されている。旋回駆動軸6を駆動する電動モーター20は、先の電動モーター3と同様にサーボモーターと減速機とで構成されている。また、電動モーター20はベース2の上面に配置されている。
【0029】
図3および図5に示すようにハンド部5は、三又状の板状ブロックからなり、その中央部に前記の旋回軸7がクロスローラーベアリング21で回転自在に軸支されている。旋回軸7の下面にジョイント体8が固定され、ジョイント体8の下方にジョイントプレート9が固定され、さらにジョイントプレート9の下方にベルヌーイチャック10が固定されている。ジョイント体8は円柱状に形成されており、その筒壁の下端には、ジョイントプレート9を固定するためのボルト22が締結されるねじ穴23と、後述する位置決め用のピン穴28に挿入されるピン24とが設けられている。
【0030】
図5および図6に示すように、ジョイントプレート9は、四角形状に形成された樹脂或いは金属成形品であり、その盤面中央には、上向きの受面25を有する陥没穴26が形成されている。受面25には、ボルト22用の通穴27と、位置決め用のピン穴28とが開設されている。この位置決め用のピン穴28には、ジョイント体8のピン24が挿入されている。ジョイントプレート9の盤面四隅には、後述するスペーサ30取付用のボルト31の挿通を許す通穴29が開設されている。ジョイント体8のピン24とジョイントプレート9のピン穴28とを位置合わせしたうえで、ジョイント体8の下端を陥没穴26内に差し込む。この状態で、通穴27を介してボルト22を下方からねじ穴23に締結することで、ジョイントプレート9をジョイント体8に固定することができる。尤も、以上のようなジョイントプレート9のジョイント体8への締結固定作業は、先にジョイントプレート9にベルヌーイチャック10を組み付けたうえで行われる。
【0031】
図4から図7に示すように、ベルヌーイチャック10は、ジョイントプレート9の下面に、スペーサ30を介して所定間隔を置いて平行状に締結固定されたチャックベース32と、チャックベース32の下面に固定される4個のチャックユニット33などで構成される。図5および図13に示すように、チャックユニット33への空気配管は、図外の圧縮空気供給源に連結されたエアホース35と、チャックベース32の上面に固定されてチャックユニット33の空気チャンバー42に連通するL字状の継手36とからなり、圧縮空気供給源から供給された空気は、これらエアホース35および継手36を介してチャックユニット33の空気チャンバー42へ送られる。
【0032】
エアホース35は、先のスペーサ30により、ジョイントプレート9とチャックベース32との間に形成された間隙Sに配されている。すなわち、エアホース35を含む空気配管は、スペーサ30によりジョイントプレート9とチャックベース32との間に形成された配管間隙Sに配置されている。このように、ジョイントプレート9とチャックベース32との間に配管間隙Sを形成して、該配管間隙Sにエアホース35を配していると、各チャックユニット33に至るエアホース35を配管間隙Sに集約配置することができるので、一群のエアホース35を予め一まとめにまとめて取り扱うことが可能となり、配管作業を容易化できる。また、各チャックユニット33に至る各々のエアホース35が、チャックベース32の外側(水平方向の外側)に張り出すことを抑えて、ハンド部5の移動、或いはベルヌーイチャック10の回転に伴いエアホース35がばたついて、周辺部材に接触することを防ぐことができる。また、エアホース35のばたつきに起因するハンド部5およびベルヌーイチャック10の運動慣性力の増加を抑えることもできる。
【0033】
図7に示すように、チャックベース32は、基板Wよりひとまわり小さな略正方形に形成されている。図6に示すように、各チャックユニット33は、チャックベース32の上方から締結された計8個のボルト37により固定される。このボルト37は、軽量化を目的として、合成樹脂製(具体的には、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂製、或いはポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂製など)とすることができる。なお、図8において、符号38は、チャックユニット33の筒壁に形成されたボルト37を締結固定するためのねじ穴を示す。チャックベース32の外周縁を構成する各辺の中央部には、後述する規制体50を締結するための締結座39が張り出し形成されている。
【0034】
図13に示すように、チャックユニット33の下面には、下向きに開口する浅い円筒形状のチャック凹部40が形成され、チャック凹部40の開口周縁に連続して平坦面41が形成されている。図8に示すように、空気チャンバー42とチャック凹部40とは、8個のノズル穴43を介して連通されている。図8および図13に示すように、ノズル穴43は、空気チャンバー42の側からチャック凹部40の周縁隅部の側へ向かって下り傾斜する状態で、しかもノズル穴43の中心軸線がチャック凹部40の中心軸に対して互いに軸対称となるように形成されている。これにより、ノズル穴43から吹き出される空気流の中心軸は、チャック凹部40の開口縁に沿いつつ下方へ指向する。
【0035】
上記のように、浅いチャック凹部40の開口縁の下方を指向する状態で、圧縮空気を複数個所のノズル穴43から吹き出すと、空気流がチャック凹部40の開口周縁と平坦面41との境界角部を通過する際の流速が速くなり、チャック凹部40の中央部側の圧力を負圧にすることができる。この負圧作用によって移載対象の基板Wを吸引保持できる。なお、平坦面41を含むチャック凹部40の開口面をベルヌーイチャック10の吸着面とするとき、吸引保持された基板Wと吸着面とは、図13に示すように僅かな隙間Eを介して上下に対向している。ノズル穴43から吹き出された空気流は、旋回しつつ先の隙間Eを介して大気中に排出される。
【0036】
ベルヌーイチャック10で吸引した状態の基板Wは、ベルヌーイチャック10が吸着面に沿う方向には何ら力を発生させないため、僅かでも水平方向に力が働けば、ベルヌーイチャック10と相対移動してしまい保持できない。このような基板Wの滑り移動を規制して基板Wを確実に移載するために、図7に示すように、チャックベース32の各辺部に8個の規制体50を下向きに突出する状態で固定している。詳しくは、四角形状のチャックベース32の各辺の中央部に張り出し形成された締結座39の下面に、規制体50が二つずつ固定されている。
【0037】
図1、図9、および図12に示すように、規制体50は、チャックベース32に対して位置調整可能に構成されたガイド取付部材51と、該ガイド取付部材51の装着部52に着脱自在に装着されて、基板Wの滑り移動を規制するガイド53と、ガイド取付部材51を移動不能にロック固定するためのロック固定具54とを備える。ガイド取付部材51は、上下方向に長い四角柱状のアルミニウム成形品であり、基板Wと対峙する側面55の下端には傾斜面56が形成されている。
【0038】
図1に示すように、ガイド取付部材51は、チャックベース32の締結座39の下面に形成されたスライド溝59に沿って水平方向にスライド移動可能に、且つ該スライド溝59内で回転不能に構成されており、該スライド溝59に沿った任意の調整位置でロック固定具54によりロック固定されている。具体的には、締結座39には、四角形状のチャックベース32の各辺の伸び方向と直交する方向に、スライド溝59とロック固定具54の挿入を許す長穴57とが形成されており、該スライド溝59に沿ってガイド取付部材51は移動可能に構成されている。ガイド取付部材51の上側の端面には、ねじ穴58が形成されている。スライド溝59内に下方よりガイド取付部材51の上端部を挿入したうえで、上方よりロック固定具54であるボルトを長穴57に挿入したのち、ねじ穴58に締結することで、スライド溝59内の任意の位置にガイド取付部材51をロック固定することができる。図10に示すように、ガイド取付部材51をスライド溝59内に挿入したとき、スライド溝59の長さ方向に伸びる二つの内側面に、当該内側面に対向するガイド取付部材51の二つの側面60・60の上端部が各々当接する。これにて、ねじ穴58の中心軸まわりにガイド取付部材51が不用意に回転することを防ぐことができる。特に、ロック固定具54であるボルトを回転操作したときに、ガイド取付部材51が不用意に回転することを防ぐことができる。
【0039】
図9に示すように、スライド溝59内におけるガイド取付部材51の位置決めは、位置決め用の治具65を使って決定することができる。本実施形態に示す治具65は、チャックユニット33の平坦面41とチャックベース32のスペーサ30の取付穴(通穴29)とを利用して、ベルヌーイチャック10との相対位置を一意に決めることができるようになっている。さらに、基板Wの外形寸法に対して所定量移動させた位置に設定された基準面66を備える四角枠状に形成されており、該基準面66にガイド取付部材51の基板W側に指向する側面55を当接することで、ガイド取付部材51の位置決めを図ることができる。これにより、ガイド53の外周面67と基板Wとが、全ての対向する位置で所定量の隙間が確保されるよう基準面66の位置を設定することができる。すなわち、基板W側に指向する側面55を当り面として、この当り面を治具65の基準面66に当てることで、スライド溝59内におけるガイド取付部材51の配置位置を決定することができる。次いで、ロック固定具54であるボルトをガイド取付部材51に締結することで、ガイド取付部材51を固定することができる。
【0040】
図11に示すように、ガイド53は断面真円状の外周面を有する樹脂部品であり、図1に示すように傾斜する外周面67が基板Wの周縁を点接触状に受け止めることにより、基板Wの水平方向(基板Wの表面に平行な方向)の滑り移動を規制する。ガイド53の外周面(筒壁)の上端には、上窄まりテーパー状のガイド面68が形成されている。ガイド53を形成するプラスチック材としては、超高分子量ポリエチレン(UHPE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアセタール(POM)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリイミド(PI)、ABSなどのプラスチック材を用いることが好ましい。超高分子量ポリエチレンやポリイミドは射出成形が困難であるので、棒状の素材に旋削加工を施して形成すると、寸法精度に優れたガイド53を低コストで簡単に形成できる。特に、超高分子量ポリエチレンは、分子量が大きいため摩耗した場合でも細かなパーティクルが生じにくく、基板W上へのパーティクルの落下のおそれが少ない点で優れている。
【0041】
図9および図12に示すように、装着部52は、ガイド取付部材51の傾斜面56に開設された基板W側の開口70と、ガイド取付部材51の下端に開設された下端側の開口71の二つの開口を有し、ガイド53の外周面67の一部を嵌合状に保持する、断面部分真円弧状の溝である。図12に示すように、溝の奥端面の円中心と、下端側開口の円中心とで規定される溝の軸線方向(d1)と、傾斜面56の側縁で規定される傾斜面56の伸び方向(d2)とは、同一方向に設定されている。図1に示すように、ガイド面68の側からガイド53を装着部52に装着した状態において、ガイド53の外周面67の一部が基板W側の開口70を介して傾斜面56から露出する。そして、傾斜面56から露出するガイド53の外周面67が基板Wの周縁を点接触状に受け止めることで、基板Wの表面に平行な方向の滑り移動を規制することができる。
【0042】
上記のように、装着部52を構成する溝の伸び方向(d1)と傾斜面56の伸び方向(d2)とは、同一方向に設定されている。従って、装着部52にガイド53を装着したとき、基板W側の開口70を介して傾斜面56から露出するガイド53の外周面67の母線は傾斜面56の伸び方向と一致する。
【0043】
図1、図7および図9から図12に示すように、ガイド取付部材51の基板Wと反対側に位置する側面61には、装着部52に装着されたガイド53を抜け止め保持するためのストッパー80が設けられている。ストッパー80は、断面略L字状の金属部品(SUS板金部品)であり、ガイド取付部材51の側面に沿うアーム部81と、アーム部81の下端に設けられて、装着部52に装着されたガイド53の下端を受け止める受部82とで構成される。図9、図10、および図12に示すように、アーム部81の中央部には、上下方向に伸びる長穴状の挿通穴83が設けられている。この挿通穴83を介して、取付用のボルト84をガイド取付部材51に設けられたねじ穴85に締結させることにより、ストッパー80をガイド取付部材51の任意の高さ位置に固定することができる。
【0044】
図1に示すように、ボルト84をねじ穴85に締結させたとき、ストッパー80のアーム部81はガイド取付部材51に固定された固定状態にある。かかる固定状態においては、受部82がガイド53の下端を受け止めることにより、ガイド53の装着部52からの抜け止めを図ることができる。固定状態からボルト84が緩操作されると、図12に示すように、ストッパー80はボルト84まわりに揺動回転可能となる自由状態となる。以上のように、ボルト84を緩操作することで、ストッパー80を固定状態と自由状態との間で、状態を変更することができる。
【0045】
図11に示すように、ガイド取付部材51の側面61には、アーム部81の幅寸法よりも僅かに大きな幅寸法を有して、固定状態におけるアーム部81のボルト84まわりの揺動回転を規制するための規制溝90(アーム規制要素)が刻設されている。規制溝90は上下方向に走る長溝であり、規制溝90に沿うように装着されたアーム部81の側縁を溝壁で受け止めることにより、アーム部81の揺動回転を規制する(図10参照)。これにて、ボルト84の締操作(回転操作)時に、ストッパー80が不用意に従動回転して、斜め姿勢となることを防ぐことができるので、固定状態において、常に図1に示すような適正姿勢でガイド53の装着部52からの抜止を図ることができる。
【0046】
装着部52からガイド53を取り外す際には、ボルト84を緩操作してストッパー80を自由状態とする。かかる自由状態においては、図9に示すように、長穴状の挿通穴83の分だけストッパー80を下方へ移動させることができる。また、図12に示すように、自由状態においては、ストッパー80をボルト84まわりに回転操作させることにより、装着部52へガイド53を着脱操作する際のガイド53の挿脱着軌跡から受部82を退避させることができる。以上のような退避姿勢においては、装着部52の下面側の開口71からガイド53を取り外すことが可能であり、加えて、開口71から新たなガイド53を装着部52に差し込み装着することができる。ガイド53を装着部52に差し込み装着したのちに、規制溝90にアーム部81を沿わしたうえで、受部82がガイド53の下端面に接触するまで、規制溝90に沿ってアーム部81を上方へ移動させる。次に受部82がガイド53の下端面に接触する状態でボルト84を締操作して、ストッパー80を固定状態とする。ストッパー80のアーム部81の側縁が規制溝90の溝壁で受け止められた状態で、ボルト84を締操作することができるため、ストッパー80が不用意に回転して斜め姿勢となることは無い。以上により、ガイド53が基板Wと繰り返し接触することにより摩耗したとしても、これを新たなガイド53と交換することにより、規制体50の規制機能を回復することができる。尤も、ガイド53を交換することなく装着部52内で一定量回転させて、外周面67の異なる位置で基板Wと対向するように、ガイド53を再度装着することによっても、規制体50の規制機能を回復することが可能である。
【0047】
基板Wをベルヌーイチャック10で吸引保持する際には、ハンド部5およびベルヌーイチャック10の基板Wに対する位置精度が問題になる。位置精度が不十分で、ガイド53が基板Wの上面に強制的に接触させられた場合は、基板Wを傷つけるのはもちろん、基板Wを吸引保持することが不可能となる。半面、位置精度が高いほど基板Wを的確に吸引できるものの、位置精度の確保のために、ハンド部5の移動速度を落としたり、減速時の加速度により発生する慣性力に起因する機構の振動が収まるまで停止したりすると、ハンド部5およびベルヌーイチャック10の位置決めに時間が掛かり、移載作業を効率よく行なえなくなる。本実施形態では、基板Wを囲むように規制体50を設けるとともに、該規制体50を構成するガイド53の外周面67を下方に行くに従って基板Wから遠ざかる方向に傾斜させたため、ハンド部5およびベルヌーイチャック10の基板Wに対する位置精度を緩やかなものとして、基板Wの移載作業をより迅速に行なうことができる。
【0048】
ガイド53と基板Wとに僅かなずれがあり、且つ図13の距離Eより離間した状態において、ベルヌーイチャック10で基板Wを吸着すると、ベルヌーイチャック10の中心に対して偏寄している側の基板Wの周縁が、他に先行してガイド53の斜めの外周面67に点接触状に当接する。さらに、基板Wがベルヌーイチャック10の吸着面へ接近するのに伴って、基板Wの周縁をガイド53の斜めの外周面67で先の偏寄方向とは逆向きに案内して、基板Wとベルヌーイチャック10とのずれを修復することができる。そのため、基板Wを常に偏りのない姿勢に矯正した状態で吸引保持できる。さらに、移送時に周縁に作用する空気抵抗の違いで基板Wが揺れ動くのを解消できる。
【0049】
基板Wとの接触によってガイド53が摩耗した場合には、上述の手順でガイド53のみを交換すればよい。従って、ガイド53の交換作業に伴って、規制体50の配置位置が一切変更されることはなく、簡単且つ確実にガイド53を最適位置に配置して、規制体50の規制機能を回復することができる。また、ガイド53の交換作業に伴って、治具65を使った規制体の配置位置の再設定作業等は不要であり(図9参照)、より迅速且つ簡単にガイド53の交換作業を進めることが可能である。尤も、移載対象である基板Wの形状等が変更された場合には、変更に合わせて基準面66の位置を変更した治具65を使ってスライド溝59内におけるガイド取付部材51の配置位置を再設定すればよい。
【0050】
図14〜図16は、ガイド53の別実施例を示す。図14には中空円筒状のガイド53を、図15には円錐状のガイド53を、図16には円錐台形状のガイド53を示す。以上のように、本発明におけるガイド53は、断面真円状の外周面67を有する樹脂成形品であれば良く、上記実施形態に示すような円柱状に限られない。このように、ガイド53を断面真円状の外周面67を有する樹脂部品とし、且つ、ガイド取付部材51の装着部52をガイド53の側面に合わせた形状とすれば、該外周面67で基板Wの周縁を点接触状に受け止めることができる。
【0051】
上記実施形態では、計4個のチャックユニット33でベルヌーイチャック10を構成したが、チャックユニット33の個数はこれに限られない。規制体50の個数も上記実施形態に示した個数(8個)に限られず、例えば基板Wが四角形状である場合には、少なくとも4個の規制体50で基板Wの四辺部分を受止めることができれば足りる。また、規制体50の総数は4個以上であれば適宜増やすことができる。
【符号の説明】
【0052】
5 パラレルメカニズムのハンド部
10 ベルヌーイチャック
32 チャックベース
33 チャックユニット
50 規制体
51 ガイド取付部材
52 装着部
53 ガイド
54 ロック固定具
56 ガイド取付部材の傾斜面
59 スライド溝
67 ガイドの外周面
70 装着部の基板側の開口
71 装着部の下端側の開口
80 ストッパー
81 ストッパーを構成するアーム部
82 ストッパーを構成する受部
83 アーム部の挿通穴
84 ボルト
85 ガイド取付部材のねじ穴
90 アーム規制要素(規制溝)
W 基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パラレルメカニズムのハンド部に、基板を非接触状態で吸引保持するベルヌーイチャックと、該ベルヌーイチャックの周囲を囲む状態で配置される複数個の規制体とが設けられている基板移載装置であって、
前記ベルヌーイチャックは、チャックベースと、該チャックベースの下面に設けられたチャックユニットとを備え、
前記規制体は、前記チャックベースに対して位置調整可能に構成されたガイド取付部材と、該ガイド取付部材の装着部に着脱自在に装着されたガイドと、該ガイド取付部材を移動不能にロック固定するロック固定具とを含み、
前記ガイドは、断面真円状の外周面を有する樹脂部品であり、該ガイドを前記装着部に装着したとき、傾斜する該ガイドの外周面が前記基板の周縁を点接触状に受け止めることで、該基板の表面に平行な方向の滑り移動を規制することができるように構成されていることを特徴とする基板移載装置。
【請求項2】
前記ガイド取付部材は、上下方向に長い四角柱状の金属成形品であり、その下端の前記基板と対峙する側面には、傾斜面が形成されており、
前記装着部は、前記ガイド取付部材の前記傾斜面に開設された前記基板側の開口と、前記ガイド取付部材の下端に開設された下端側の開口の二つの開口を有し、前記ガイドの外周面の一部を嵌合状に保持する、断面部分真円弧状の溝であり、
前記ガイドを前記装着部に装着した状態において、該ガイドの外周面の一部が前記基板側の開口を介して前記傾斜面から外面に露出しており、該傾斜面から露出する該ガイドの外周面が前記基板の周縁を受け止めることで、該基板の表面に平行な方向の滑り移動を規制することができるように構成されている、請求項1記載の基板移載装置。
【請求項3】
前記ガイド取付部材が、前記チャックベースに形成されたスライド溝に沿って該チャックベース表面に沿った一方向にスライド移動可能に、且つ該スライド溝内で回転不能に構成されており、該スライド溝に沿った任意の調整位置で前記ロック固定具によりロック固定されている、請求項1又は2記載の基板移載装置。
【請求項4】
前記ガイド取付部材は、前記装着部に装着された前記ガイドを抜け止め保持するためのストッパーを備えており、
前記ストッパーは、前記ガイド取付部材の外面に沿うアーム部と、該アーム部の下端に設けられて、前記装着部に装着された前記ガイドの下端を受け止める受部とを備えており、
取付用のボルトを、前記アーム部に設けられて上下方向に伸びる長穴状の挿通穴を介して前記ガイド取付部材に設けられたねじ穴に締結させることで、前記ストッパーが該ガイド取付部材に固定されており、
前記ストッパーは、前記アーム部が前記ボルトにより前記ガイド取付部材に固定されるとともに、前記受部が前記ガイドの下端を受け止めて前記装着部からの該ガイドの脱落を防ぐ固定状態と、前記ボルトが緩められて前記アーム部が該ボルトまわりに揺動回転可能となる自由状態との間で、前記ガイド取付部材に対して状態変更可能に構成されている、請求項1乃至3のいずれかに記載の基板移載装置。
【請求項5】
前記ガイド取付部材の一側面に、前記保持状態における前記アーム部の前記ボルトまわりの揺動回転を規制するためのアーム規制要素が設けられている、請求項4記載の基板移載装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−183620(P2012−183620A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−49461(P2011−49461)
【出願日】平成23年3月7日(2011.3.7)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】