説明

栄養補助食品および水生動物の給餌方法

水生動物に対する生物活性剤および生きたプロバイオティック微生物のデリバリーのための賦形剤は、動物の胃の中で生物活性化合物および微生物を消化や破壊から保護し、可溶性澱粉および架橋アルギン酸塩と結合した必須の栄養素および誘引物質とともに、乾燥性または湿性ビードレットの形態で、水生動物に対し、生物活性剤および生きたプロバイオティック微生物の放出制御を提供する。生物活性剤および生きたプロバイオティック微生物は、乳化した高アミロース澱粉と結合することで、微粒子の形態でビードレット中に取り込まれうる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本願明細書は、2002年11月7日に米国特許商標局に仮出願された米国特許出願第60/424,324号明細書(発明の名称「栄養補助食品および水生動物の給餌方法(Nutraceuticals and Method of Feeding Aquatic Animals)」)の優先権を主張するものである。この開示の全内容は、参照により本願明細書に含まれる。
【0002】
技術分野
本発明は、水生動物に対する給餌、水生動物への生物活性剤に対するデリバリー賦形剤、およびプロバイオティック微生物を含む生物活性剤の放出制御を提供するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
背景技術
従来の水中飼料は、乾燥、半乾燥、または湿った形態で提供される。これらの飼料は、直接に水産養殖系に添加されるか、もしくは使用に先立って水と混合される。従来の飼料は、培養水中に飼料が送達されるとすぐに開始する飼料の物理的分解および破壊とともに、水中で急速に劣化する。飼料が水に含浸されるようになると、劣化しやすい生物活性剤は分解し始め、ついで動物の消化過程によって破壊されうる。魚などのすべての脊椎動物における飼料と飼料添加剤の設計において特に大きな障壁は、胃腸(GI)管である。胃腸管、強力な消化酵素、不透水性の胃腸管粘膜などにおいて変化するpHなどの生物的、化学的、および物理的な胃腸管因子のすべてが、飼料または飼料添加剤に含有される生物学的または化学的に活性なペプチドおよび他の成分の破壊と関連している。一般的な経口投与方法に通常従わない物質は極めて多く、その中でプロバイオティック細菌、ホルモン、多糖類、抗生物質、および他の有機物質などが挙げられる。これらの物質は、十分に保護されないと、胃腸管において酸加水分解、酵素、あるいは他の分解産物反応により、急速に効果を失うか、または破壊される。同文献で記載される保護方法は、徐放性製剤のための半透性物質によるコーティングもしくはトップコーティングと関与している(ムハンマド(Muhammad)ら 1993)。別の手法では、コーティング剤の水溶性に基づいた時間パルスの送達を得るために、動水勾配溶解度が用いられる(アミドン(Amidon)およびリースマン(Leesman)、1993)。
【0004】
現行の飼料送達方法に関連する難点の一部を克服するための一方法は、マイクロカプセル化飼料の進展であった。EP0237542号明細書(レビン(Levine)ら 1987)では、遊離アミノ酸もしくはホルモン(例えば、サシェ(Sache)およびバートランド(Bertrand)、1980を参照)などの栄養成分が、リポソーム内に捕獲されてからさらに親水コロイドマトリックス内でカプセル化された系が記載されている。生成された「リポゲル」(lipogel)マイクロカプセルは、凍結乾燥粉末として貯蔵されるか、またはクロラムフェニコールを含有する水中で懸濁された。さらに、ビジャマール(Villamar)とラングドン(Langdon)は、1993年に、懸濁物食者に対する飼料栄養素提供用の単一種の飼料粒子を得るための、飼料成分とアルギン酸塩およびゼラチンのゲル状混合物粒子に組み込まれた脂質障壁マイクロカプセルとからなる錯体マイクロカプセルの調製について述べた。
【0005】
国際公開第87/01587号パンフレットでは、リポソームを用いるマイクロカプセルが、薬剤およびホルモンなどの物質の徐放性送達に有用であることも示唆された。これらの種類のマイクロカプセルは、リン脂質をベースとし、薬剤の周囲に膜を形成し、この膜を貫通する薬剤の徐放を可能にする。この種の膜障壁は、脆弱で高価で作製が困難であり、海洋動物用飼料の一部となりうる他の適切な物質と結合する際に別個のマイクロカプセルとして存続しにくい。さらに、リポソームは、相当な量の生物活性栄養素をカプセル化する能力がない。
【0006】
当該技術で記載されるマイクロカプセル化飼料は、従来の飼料に関連するすべての問題を解決するわけではない。リポソームの産生と後続する親水コロイドマトリックス内でのカプセル化は、最終飼料コストに上乗せされる労働集約的な過程である。マイクロカプセル化飼料を凍結乾燥する結果、脂質成分が酸化され、要求に満たない飼料が提供される。乾燥状態で保存されるマイクロカプセル化飼料は、乾燥飼料に対して示されるように、やはり同一の不都合な点をいくらか有している。すなわち、同飼料は、やはり再水和され、手動で水槽内に導入されなければならない。さらに、先行技術で記載されるマイクロカプセル化飼料は、飼料の使用に付随する水質汚濁問題を解消していない。
【0007】
生物活性剤の結合後に活性剤の放出制御を仲介するためのマトリックスとして、数種類の澱粉および多糖類高分子の利用が提案されている。該高分子の例として、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(エチレンオキシド)、セルロース(およびセルロース誘導体)、シリコーン、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)などが挙げられる。澱粉などの天然物の分解は動物の体では自然に発生することから、生物分解可能な多糖類マトリックスは興味深い対象である。食品の物質送達のための方法として、澱粉と乳化剤の組み合わせも想定されている(ユアン(Yuan)、2000)。
【0008】
エピクロルヒドリン、オキシ塩化リン、無水アジピン酸などの試薬による処理で得られる澱粉および架橋澱粉は、食品医薬品局の合意の上で、食品および製薬業界において広く安全に使用されている。数種類の澱粉分解酵素は、澱粉を自然に加水分解する。したがって、α−アミラーゼは、ポリグルコース鎖内に位置するα−(1,4)−D−グルコピラノシド結合に特異的な内酵素である。澱粉分解の主な分解製品は、オリゴ糖、デキストリンおよび麦芽糖である。プレバイオティック手法でプロバイオティック細菌の増殖を促進するために、架橋澱粉と非消化性澱粉が提案されている(ブラウン(Brown)ら、2002)。
【0009】
澱粉は、約4,000グルコース単位を含有する非消化性画分であるアミロースと、約100,000グルコース単位を含有する分岐画分であるアミロペクチンという2つの異なる画分からなる。したがって、アミロースとアミロペクチンは、その化学構造だけでなく、消化率、希釈水溶液中での安定性、ゲル組織、および膜特性においても異なっている。アミロペクチンとアミロース間の水素結合によって結合されるミセル結晶は、澱粉粒の健全性を担っている。澱粉の水性懸濁液を加熱してある温度に達すると、水素結合は弱まり、粒は膨張後、「ゼラチン化」として知られる過程で崩壊する。
【0010】
アミロースの好ましい構造は、さまざまな寸法を有するらせん形であり、通常は中心が開いた左巻きらせんである。このらせん形式をとることによって、C−6上に位置する水酸基が最も反応性がよく、つぎにC−3上の水酸基の反応性がよく、最後にC−2上の水酸基が続く。したがって、例えばエーテル化の過程により、新しい置換基や化学修飾されたこれらの−OH基を導入することで、特異的に置換されたアミロースを得ることは可能である。置換度は、アミロースの比率(アミロースの1kg当たりの置換基のモル)に対する置換基を変えることで調節可能である。例えば、グリシドールによって0.1〜10.0の範囲で異なる置換度を得ることが可能である。慎重に置換剤や置換度を選択することで、アミロースの分解を保護し、高分子の酵素分解速度を調節することが可能である。このことにより、商用化を伴う研究開発の領域への扉が開かれる。
【0011】
澱粉の水性分散の直接加熱または間接加熱、強アルカリを用いた同分散の化学的処置、または機械的処理と熱処理の組み合わせを含む、澱粉のゼラチン化に関する極めて多くの方法は、当該技術において周知である。プレゼラチン化澱粉(pre−gelatinized starch)は冷水に可溶性を示すが、このことは澱粉のゼラチン化が放出制御賦形剤を得るのに好適でない場合があることを示唆している。しかしながら、本発明によると、出発物質として使用可能な高アミロース澱粉のゼラチン化は、置換剤との反応に先立って澱粉粒からのアミロースの浸出を許容することが判明している。このアミロースの浸出により、本発明の徐放性を制御することが可能になる。
【0012】
本発明によると、置換剤の添加に先立つ高アミロース澱粉のゼラチン化は、水酸化ナトリウムを用いた化学的処置によって実現可能である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0013】
発明の開示
本発明は、1種以上の非消化性高分子および1種以上の乳化剤を含む微粒子を提供する。該微粒子は、1種以上の生物活性剤をさらに含んでもよい。1つの実施形態において、同剤は微粒子によって微小結合(microbound)される。微粒子の非消化性高分子は、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(エチレンオキシド)、セルロース、セルロース誘導体、シリコーン、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)、澱粉、アミロースなどを含みうる。生物活性剤は、例えば、微生物、タンパク質、ペプチド、核酸、ホルモン、薬剤、抗生物質、酵素、ミネラル、ビタミン、薬剤、抗体、免疫原、マイクロ構造体、またはナノ構造体でありうる。微粒子は、湿った形態または乾燥形態で提供されうる。
【0014】
本発明は、さらに1種以上の非消化性高分子および1種以上の乳化剤を含む微粒子を提供する。この微粒子は、多糖類高分子を含有し、1種以上の生物活性剤をさらに含有しうる。1つの実施形態において、生物活性剤は微粒子によって微小結合される。生物活性剤は、例えば、微生物、タンパク質、ペプチド、核酸、ホルモン、薬剤、抗生物質、酵素、ミネラル、ビタミン、薬剤、抗体、免疫原、マイクロ構造体、またはナノ構造体でありうる。微粒子は、湿った形態または乾燥形態で提供されうる。高分子またはポリペプチドは、例えば、アミロペクチン、ワックス様メイズ澱粉(waxy maize starch)、可溶性澱粉、グルテン、カゼイン、アルブミン、魚粉、魚粉加水分解物、小エビ粉、エビ粉、大豆粉、小麦全粒粉、綿実粕、あるいは豆粉でありうる。
【0015】
本発明は、澱粉親水コロイドまたは1種以上のタンパク質を含有するアルギン酸マトリックスを含む巨大粒子をさらに提供する。本発明は、上記のような微粒子とともに、巨大粒子もさらに提供する。この巨大粒子は、1種以上の生物活性剤、すなわち、微生物、タンパク質、ペプチド、核酸、ホルモン、薬剤、抗生物質、酵素、ミネラル、ビタミン、薬剤、抗体、免疫原、マイクロ構造体、またはナノ構造体でありうる同剤を含みうる。生物活性剤には放出制御を施すことが可能である。巨大粒子は、湿った形態または乾燥形態で提供され、生物誘引物質および/または栄養素を含みうる。
【0016】
本発明は、非消化性高分子および乳化剤を含む微粒子を含む飼料または飼料添加剤をさらに提供する。または、飼料または飼料添加剤は、消化性高分子、例えばタンパク質高分子および乳化剤を有する微粒子を含みうる。これらの飼料または飼料添加剤は、軟体動物、魚あるいはエビなどの水生動物に提供され、微生物、タンパク質、ペプチド、核酸、ホルモン、薬剤、抗生物質、酵素、ミネラル、ビタミン、薬剤、抗体、免疫原、マイクロ構造体、またはナノ構造体などの生物活性剤を含む可能性がある。飼料または飼料添加剤は、湿った形態または乾燥形態で提供されうる。
【0017】
本発明は、非消化性高分子および乳化剤を含む巨大粒子を含む飼料または飼料添加剤をさらに提供する。それは微生物、タンパク質、ペプチド、核酸、ホルモン、薬剤、抗生物質、酵素、ミネラル、ビタミン、薬剤、抗体、免疫原、マイクロ構造体、またはナノ構造体などの生物活性剤を含む可能性がある。飼料または飼料添加剤は、軟体動物、魚、あるいはエビなどの水生動物に提供されうる。飼料または飼料添加剤の中にある巨大粒子は、湿った形態または乾燥形態で提供されうる。
【0018】
別の態様において、本発明は、非消化性高分子および乳化剤を含む微粒子を生産するための方法を提供する。微粒子は、飼料または飼料添加剤として使用されうる。この方法により、微粒子に加えて巨大粒子を生産することが可能である。1つの実施形態において、巨大粒子は、1種以上の微粒子を含みうる。
【0019】
本発明は、消化性高分子および乳化剤を含む微粒子を生産するための方法をさらに提供する。微粒子は、飼料または飼料添加剤として使用されうる。微粒子は、微生物、タンパク質、ペプチド、核酸、ホルモン、薬剤、抗生物質、酵素、ミネラル、ビタミン、薬剤、抗体、免疫原、マイクロ構造体、ナノ構造体などの生物活性剤を含みうる。微粒子は、湿った形態または乾燥形態で提供されうる。この方法により、微粒子を含む巨大粒子を生産することが可能である。微粒子は、クルマムシ、Artemia、軟体動物、魚、エビなどの水生動物に給餌するのに使用されうる。
【0020】
本発明は、1種以上の消化性高分子および1種以上の乳化剤を含む巨大粒子を生産するための方法をさらに提供するか、代わりとして、非消化性高分子および乳化剤を含む巨大粒子を生産するための方法を提供する。これらの方法によって生産された巨大粒子は、クルマムシ、Artemia、軟体動物、魚、エビなどの水生動物用の飼料または飼料添加剤として使用されうる。巨大粒子は、例えば、微生物、タンパク質、ペプチド、核酸、ホルモン、薬剤、抗生物質、酵素、ミネラル、ビタミン、抗体、免疫原、マイクロ構造体、ナノ構造体といった1種以上の生物活性剤をさらに含みうる。巨大粒子は、湿った形態または乾燥形態で提供されうる。
【0021】
本発明は、1種以上の非消化性高分子および1種以上の乳化剤を有する微粒子を含む1種以上の生物活性剤の送達方法を提供する。微粒子は、1種以上の生物活性剤をさらに含んでもよい。1つの実施形態において、同剤は微粒子によって微小結合される。微粒子の非消化性高分子は、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(エチレンオキシド)、セルロース、セルロース誘導体、シリコーン、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)、澱粉、およびアミロースを含みうる。生物活性剤は、例えば、微生物、タンパク質、ペプチド、核酸、ホルモン、薬剤、抗生物質、酵素、ミネラル、ビタミン、抗体、免疫原、マイクロ構造体、ナノ構造体でありうる。微粒子は、湿った形態または乾燥形態で提供されうる。
【0022】
この送達方法により、細菌、酵母、ウイルス、バチルス属(Bacillus spp.)、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)、クリス・ハンセン・バイオシステムズ(Chris Hansen’s Biosystems)から市販のバチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)株、ラクトバチルス属(Lactobacillus spp.)、ラクトバチルス・ブルガリカス(L.bulgaricus)、ラクトバチルス・ヘルベティカス(L.helveticus)、ラクトバチルス・プランタラム(L.plantarum)、ラクトバチルス・パラカゼイ(L.paracasei)、ラクトバチルス・カゼイ(L.casei)、ラクトバチルス・ラムノサス(L.rhamnosus)、ラクトコッカス属(Lactococcus spp.)、ラクトコッカス・ラクティス(L.lactis)、アルテロモナス属(Alteromonas spp.)、アルテロモナス・メディア(A.media)、カルノバクテリウム属(Carnobacterium spp.)、カルノバクテリウム・ディベルゲンス(C.divergens)、ビブリオ属(Vibrio spp.)、ビブリオ・アルギノリティカス(V.alginolyticus)、シュードモナス属(Pseudomonas spp.)、シュードモナス・フルオレッセンス(P.fluorescens)、ストレプトコッカス属(Streptococcus spp.)、ストレプトコッカス・ラクティス(S.lactis)、ストレプトコッカス・サーモフィラス(S.thermophilus)、シュードアルテロモナス属(Pseudoalteromonas spp.)、シュードアルテロモナス・ウンディナ(P.undina)、サッカロミセス属(Saccharomyces spp.)、サッカロミセス・セレビシエ(S.cerevisiae)、サッカロミセス・イグジグース(S.exiguus)、ファフィア属(Phaffia spp.)、P.rhodozoma、ピキア属(Pichia spp.)、ピキア・パストリス(P.pastoris)、クリュイベロミセス属(Kluyveromyces spp.)、K.aestuarii、クリュイベロミセス・マルシアヌス(K.marxianus)、K.yarrowiiなどの生物活性剤を送達可能である。
【0023】
また、この送達方法により、ゲンタマイシン、テトラサイクリン、オキシテトラサイクリン、ドキシサイクリン、アンピシリン、チカルシリン、セファロチン、セファロリジン、セフォチアム、セフスロジン、セフメノキシム、セフメタゾール、セファゾリン、セフォタキシム、セフォペラゾン、セフチゾキシム、モキソラクタム(moxolactam)、ラタモキセフ、チエナマイシン、スルファゼシン(sulfazecin)、アズトレオナムなどの生物活性剤を送達可能である。
【0024】
さらに、この送達方法により、ソマトスタチン、ソマトスタチン誘導体、成長ホルモン、プロラクチン、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、メラニン細胞刺激ホルモン(MSH)、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)、TRH塩、TRH誘導体、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、黄体形成ホルモン(LH)、オキシトシン、カルシトニン、ガストリン、セクレチン、パンクレオザイミン、コレシストキニン、インターロイキン、チモポエチン、チモシン、サイモスチムリン、胸腺因子、ボンベシン、ニューロテンシン、リゾチーム、タンパク質合成刺激ペプチド、血管作用性腸管ポリペプチド(VIP)、成長ホルモン放出因子(GRF)、somatocrininなどの生物活性タンパク質を送達可能である。
【0025】
この送達方法により、生物活性剤を軟体動物、魚、エビなどの水生動物に送達可能である。この方法を用いることで、生物活性剤は、澱粉親水コロイドまたは1種以上のタンパク質を含むアルギン酸マトリックスを含む巨大粒子を含みうる。生物活性剤は、放出制御されうる。巨大粒子は、上記のように微粒子をさらに含みうる。巨大粒子は、例えば、微生物、タンパク質、ペプチド、核酸、ホルモン、薬剤、抗生物質、酵素、ミネラル、ビタミン、薬剤、抗体、免疫原、マイクロ構造体、ナノ構造体といった生物活性剤を含みうる。巨大粒子は、湿った形態もしくは乾燥形態で提供され、生物誘引物質または栄養素を含みうる。
【0026】
この送達方法により、細菌、酵母、ウイルス、バチルス属(Bacillus spp.)、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)、クリス・ハンセン・バイオシステムズ(Chris Hansen’s Biosystems)から市販のバチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)株、ラクトバチルス属(Lactobacillus spp.)、ラクトバチルス・ブルガリカス(L.bulgaricus)、ラクトバチルス・ヘルベティカス(L.helveticus)、ラクトバチルス・プランタラム(L.plantarum)、ラクトバチルス・パラカゼイ(L.paracasei)、ラクトバチルス・カゼイ(L.casei)、ラクトバチルス・ラムノサス(L.rhamnosus)、ラクトコッカス属(Lactococcus spp.)、ラクトコッカス・ラクティス(L.lactis)、アルテロモナス属(Alteromonas spp.)、アルテロモナス・メディア(A.media)、カルノバクテリウム属(Carnobacterium spp.)、カルノバクテリウム・ディベルゲンス(C.divergens)、ビブリオ属(Vibrio spp.)、ビブリオ・アルギノリティカス(V.alginolyticus)、シュードモナス属(Pseudomonas spp.)、シュードモナス・フルオレッセンス(P.fluorescens)、ストレプトコッカス属(Streptococcus spp.)、ストレプトコッカス・ラクティス(S.lactis)、ストレプトコッカス・サーモフィラス(S.thermophilus)、シュードアルテロモナス属(Pseudoalteromonas spp.)、シュードアルテロモナス・ウンディナ(P.undina)、サッカロミセス属(Saccharomyces spp.)、サッカロミセス・セレビシエ(S.cerevisiae)、サッカロミセス・イグジグース(S.exiguus)、ファフィア属(Phaffia spp.)、P.rhodozoma、ピキア属(Pichia spp.)、ピキア・パストリス(P.pastoris)、クリュイベロミセス属(Kluyveromyces spp.)、K.aestuarii、クリュイベロミセス・マルシアヌス(K.marxianus)、K.yarrowiiなどの生物活性剤を送達可能である。
【0027】
さらに、この送達方法により、ソマトスタチン、ソマトスタチン誘導体、成長ホルモン、プロラクチン、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、メラニン細胞刺激ホルモン(MSH)、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)、TRH塩、TRH誘導体、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、黄体形成ホルモン(LH)、オキシトシン、カルシトニン、ガストリン、セクレチン、パンクレオザイミン、コレシストキニン、インターロイキン、チモポエチン、チモシン、サイモスチムリン、胸腺因子、ボンベシン、ニューロテンシン、塩化リゾチーム、タンパク質合成刺激ペプチド、血管作用性腸管ポリペプチド(VIP)、成長ホルモン放出因子(GRF)、somatocrininなどの生物活性タンパク質を送達可能である。
【0028】
また、この送達方法により、ゲンタマイシン、テトラサイクリン、オキシテトラサイクリン、ドキシサイクリン、アンピシリン、チカルシリン、セファロチン、セファロリジン、セフォチアム、セフスロジン、セフメノキシム、セフメタゾール、セファゾリン、セフォタキシム、セフォペラゾン、セフチゾキシム、モキソラクタム(moxolactam)、ラタモキセフ、チエナマイシン、スルファゼシン(sulfazecin)、アズトレオナムなどの生物活性剤を送達可能である。この方法により、1種以上の生物活性剤を軟体動物、魚、エビなどの水生動物に送達可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
発明を実施するための形態
概要
生物活性剤および生存プロバイオティック微生物のためのデリバリー賦形剤を水生動物に対して提供することが本発明の目的である。デリバリー賦形剤は、動物の胃における消化と破壊から生物活性化合物および微生物を保護する。
【0030】
生物活性剤および生存プロバイオティック微生物のための放出制御デリバリー賦形剤を水生動物に対して提供することが本発明の目的である。放出制御デリバリー賦形剤は、その化合物および/または微生物を動物の前腸や後腸に沿ってそれらの作用部位で徐放する。約2時間の後腸での通過時間に対応して予測可能な分解を提供し、また後腸での再現可能な放出を許容するために、賦形剤は、前腸のpH範囲内で分解を開始し、後腸におけるpH範囲で分解し続ける。後腸における条件により、この分解を促進することが可能である。
【0031】
水生動物に対する生物活性剤および/または微生物のために、放出制御デリバリー賦形剤を生産する方法を提供することが本発明の目的である。放出制御デリバリー賦形剤は、可溶性澱粉および架橋アルギン酸塩と結合される栄養素および誘引物質を含む、湿性または乾燥性ビードレットの形態で提供される。生物活性剤および生存プロバイオティック微生物は、乳化した高アミロース澱粉(プレバイオティック化合物)と結合され、微粒子の形態でビードレット内に組み込まれている。
【0032】
生物活性剤は、薬剤、ビタミン、ホルモン、ワクチン、ミネラル、ペプチド、核酸、酵素、細菌、ウイルス、抗体、ナノ構造体、マイクロ構造体、免疫原を含みうるが、これらに限定されない。活性剤の例として、ソマトスタチン、ソマトスタチン誘導体、成長ホルモン、プロラクチン、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、メラニン細胞刺激ホルモン(MSH)、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)およびその塩と誘導体、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、黄体形成ホルモン(LH)、オキシトシン、カルシトニン、ガストリン、セクレチン、パンクレオザイミン、コレシストキニン、インターロイキン(例えば、IL−I、II、およびIII)、チモポエチン、チモシン、サイモスチムリン、他の胸腺因子、ボンベシン、ニューロテンシン、リゾチーム、タンパク質合成刺激ペプチド、血管作用性腸管ポリペプチド(VIP)、成長ホルモン放出ホルモン(例えば、GRF、somatocrininなど)などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0033】
抗生物質の例として、ゲンタマイシン、テトラサイクリン、オキシテトラサイクリン、ドキシサイクリン、アンピシリン、チカルシリン、セファロチン、セファロリジン、セフォチアム、セフスロジン、セフメノキシム、セフメタゾール、セファゾリン、セフォタキシム、セフォペラゾン、セフチゾキシム、モキソラクタム、ラタモキセフ、チエナマイシン、スルファゼシン(sulfazecin)、アズトレオナムなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0034】
プロバイオティック細菌の例として、バチルス属(Bacillus spp.)、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)、クリス・ハンセン・バイオシステムズ(Chris Hansen’s Biosystems)から市販のバチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)株、ラクトバチルス属(Lactobacillus spp.)、ラクトバチルス・ブルガリカス(L.bulgaricus)、ラクトバチルス・ヘルベティカス(L.helveticus)、ラクトバチルス・プランタラム(L.plantarum)、ラクトバチルス・パラカゼイ(L.paracasei)、ラクトバチルス・カゼイ(L.casei)、ラクトバチルス・ラムノサス(L.rhamnosus)、ラクトコッカス属(Lactococcus spp.)、ラクトコッカス・ラクティス(L.lactis)、ビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium spp.)、ビフィドバクテリウム・ビフィドゥム(B.bifidum)、ビフィドバクテリウムsp.B420(B.sp.B420)、ビフィドバクテリウム・ロンガム(B.longum)、ビフィドバクテリウム・ラクティス(B.lactis)、ビフィドバクテリウム・ジョンソニイ(B.johnsonii),ビフィドバクテリウム・ルミナンティウム(B.ruminantium)、エンテロコッカス属(Enterococcus spp.)、エンテロコッカス・フェシウム(E.faecium)、アルテロモナス属(Alteromonas spp.)、アルテロモナス・メディア(A.media)、カルノバクテリウム属(Carnobacterium spp.)、カルノバクテリウム・ディベルゲンス(C.divergens)、ビブリオ属(Vibrio spp.)、ビブリオ・アルギノリティカス(V.alginolyticus)、シュードモナス属(Pseudomonas spp.)、シュードモナス・フルオレッセンス(P.fluorescens)、ストレプトコッカス属(Streptococcus spp.)、ストレプトコッカス・ラクティス(S.lactis)、ストレプトコッカス・サーモフィラス(S.thermophilus)、シュードアルテロモナス属(Pseudoalteromonas spp.)、シュードアルテロモナス・ウンディナ(P.undina)などが挙げられるが、これらに限定されない。プロバイオティック酵母の例として、サッカロミセス属(Saccharomyces spp.)、サッカロミセス・セレビシエ(S.cerevisiae)、サッカロミセス・イグジグース(S.exiguus)、ファフィア属(Phaffia spp.)、P.rhodozoma、ピキア属(Pichia spp.)、ピキア・パストリス(P.pastoris)、クリュイベロミセス属(Kluyveromyces spp.)、K.aestuarii、クリュイベロミセス・マルシアヌス(K.marxianus)、K.yarrowiiなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0035】
定義
本発明を記載する場合に、下記に明示する定義に従って、以下の専門用語が用いられる。
【0036】
化合物または成分を「マイクロカプセル化する」とは、「微粒子」中、コーティングまたはゲルを用いた20〜150μmのサイズ範囲の球状あるいは不定形のペレット中、またはカプセル内にそれを封入することである。微粒子は、多種化合物から構成されうる。本発明の文脈において、「マイクロカプセル化」する物質は、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(エチレンオキシド)、セルロース、セルロース誘導体、澱粉、ヘミセルロース、シリコーン、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)などの多種多様な材料で構成されうる高分子物質であるが、これらに限定されない。
【0037】
「微小結合される」物質は、「微粒子」内に含有されることで封入および/または固定化される物質である。
【0038】
「巨大粒子」および「ビードレット」は、固体、半固体、または正球形あるいは不規則な形状単位を形成するゲルを形成し、その内部に誘引物質、化学物質、微粒子、細菌、菌類、酵母、ウイルス、他の有用物質などの添加剤を保持可能な高分子物質を互換的に参照するのに用いられる。巨大粒子またはビードレットのサイズ範囲は、その最小直径で約100μm〜約1cmで、最高で何cmもの長さでありうる。
【0039】
「放出制御」送達系は、ビードレットまたは粒子中にある材料が原型を保って所望の場所に確実に送達されるように操作を受ける系である。この放出制御を得るための機構は、本明細書に記載され、ビードレット中の特異的認識物質(例えば、腸粘膜にとってのキトサン)、pH感応物質、レドックス感応物質などを含む高分子成分の操作を含んでいる。
【0040】
「生物誘引物質」は、標的動物を刺激して物質をより容易に消費させる化合物である。それは水生動物に関連していることから、生物誘引物質は、魚粉、エビ粉、小エビ粉、またはこれらの粉の加水分解物、およびベタイン、グリシン、リジン、アラニン、バリン、プロリン、ヒスチジン、タウリンなど(これらに限定されない)のアミノ酸でありうるがこれらに限定されない。ヒトにとって、生物誘引物質は、本発明の物質をより味が良い、またはそうでなければ魅了する砂糖、塩、香味料、ビタミン、油など(これらに限定されない)にするいずれかの物質を含む。
【0041】
放出制御デリバリー賦形剤の生産
本発明の放出制御デリバリー賦形剤は、約10μm〜約10,000μmの範囲内の特定のサイズを有する乾燥性または湿性ビードレット飼料を調製することによって作製される。ビードレットは、有機高分子、可溶性澱粉および耐性澱粉、ゴム(アカシア(アラビアゴム)、カラギナンなど)、エチルセルロース、アルギン酸塩、ワックス、乳化剤、脂質、またはタンパク質などの種々の成分から作製される。海洋動物を魅了し、また海洋動物によって摂取されうる安定粒子を提供するために、ゲルは重合または架橋される。
【0042】
微小結合粒子または微粒子における放出制御生物活性剤の調製
高アミロース澱粉粒のゼラチン化
1〜25重量%の濃度での高アミロース澱粉(少なくとも50%のアミロースを含有する澱粉)は、澱粉粒が十分に水に吸収され平衡に達するまで、20〜65℃の温度範囲で1〜5N水酸化ナトリウム溶液中に分散される。高アミロース澱粉のゼラチン化は、微粒子にある種の放出制御特性を与える。本発明の実施形態において、タンパク質やポリペプチドなどのマトリックス成分を添加することで、生物活性剤の放出速度を増加させることが可能である。放出速度を調節するのに使用可能性な物質の例として、カゼイン、アルブミン、大豆プロテイン、魚粉、小エビ粉などが挙げられるが、これらに限定されない。これらの速度増加成分は、代替のマトリックス材料に比べ、水や胃液に対して一層の溶解性を発揮する場合がある。溶解時に粒子の透過性が高まることにより、これら化合物への接近する機会が増大する。
【0043】
ゼラチン状高アミロースの乳化
通常の環境下で、ゼラチン状の高アミロース澱粉が中和されたり冷却されたりすると、澱粉粒の不溶性沈殿物への再アニーリングが起こる。本発明では、リン脂質などの乳化剤を含有することで、冷却時および中和時における澱粉粒のこの再アニーリングを防止することを記載している。このことにより、低めの温度もしくは中性pHにおいて生物活性または機能性物質を澱粉へ添加することで、添加物質の安定性および/または機能の促進が可能になる。
【0044】
本願明細書で記載される処理により、アミロースと乳化剤との間の相互作用によって安定化される、部分的もしくは完全に溶解しない錯体の形態における澱粉および乳化剤を含む組成物の生成が可能である。一般に、乳化剤といえば、溶媒と長鎖飽和脂肪酸(例えば、約10を超える炭素原子を含有するアシル基を有する)、ならびに飽和脂肪酸(例えば、約12〜約18炭素を含有する飽和脂肪酸)と不飽和脂肪酸(例えば、オレイン酸、リノール酸、エイコサペンタエン酸、アラキドン酸およびドコサヘキサエン酸などの約12〜約22炭素を含有する不飽和脂肪酸)のモノグリセリド、ソルビタンエステル、プロピレングリコールエステル、レシチン、ポリソルベート、およびスクロースエステルであろう。
【0045】
乳化剤溶液(0.5〜12.5重量%含有)は、澱粉粒が完全に溶解され、アミロースと乳化剤との相互作用によって安定化される、溶解性を有する錯体が平衡に達するまで、20〜65℃の温度範囲でアルカリ溶液中でゼラチン状の高アミロース澱粉に添加されうる。乳化剤の疎水性を高めることで、水あるいは胃液がいったん微粒子中に形成されたマトリックス内に浸透するのを容易に阻止したり遅延させる。
【0046】
中和
製品のアルカリ度は、酸を添加することで、約7.5〜8pHにまで徐々に低下する。また、澱粉および乳化剤の錯体は、親水コロイド、ゴム、高分子、加工澱粉、および/またはこれらの組み合わせとともに混合抽出されることで、澱粉−乳化剤組成物の水結合能力を変化させうる。例えば、キサンタンガム、アルギン酸塩、カラギナン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、グアールガム、アラビアゴム、ローカストビーンガム、および/またはこれらの組み合わせは、添加成分がアミロース−乳化剤錯体の構造を分解しない限り、中和後ならいつでも澱粉−乳化剤組成物に添加されうる。最後に、懸濁液組成物は室温までの冷却が許容される。
【0047】
生物活性剤および/またはプロバイオティック微生物の添加と架橋反応
生物活性化合物および/または生存微生物または成育能力のある胞子を含む混合物は、懸濁液中に溶解され、組成物は、場合により、この目的のために一般に認められている、例えば、低温噴霧乾燥、ベルト乾燥、凍結乾燥、回転ドラム乾燥、または気流乾燥といった多くの方法によって乾燥されて粉末を生成しうる。例えば、この分散は、塩化カルシウム溶液内で噴霧され、かつ架橋されうる。この湿気を帯びた微粒子は、使用まで約4℃で冷凍保存されるか、または室温で乾燥されて保存されうる。乾燥した微粒子は、使用に先立って水または別の水溶液で再水和されるか、または送達時に再水和されうる。
【0048】
ビードレットまたは巨大粒子の調製
親水コロイドの形成
1〜25重量%の生物活性剤もしくは機能性物質を含有するワックス様メイズ澱粉(少なくとも50%のアミロペクチンを含む)は、澱粉が完全に溶解するまで、20〜65℃の温度範囲で水中に分散される。澱粉懸濁液は、0.5〜12.5重量%のキサンタンガム、アルギン酸塩、カラギナン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、グアールガム、アラビアゴム、ローカストビーンガム、および/またはこれらの組み合わせとともに混合抽出される。最後に、親水コロイド懸濁液組成物は、室温までの冷却が許容される。
【0049】
タンパク質、栄養素、および誘引物質の添加
3〜30重量%を含有する、魚、小エビ、エビ、またはカニの粉の加水分解物、または水生動物の粉の加水分解物の任意の組み合わせなどの誘引物質は、これらに限定されないが、親水コロイドならびに1〜5重量%のベタインおよびグリシン+アラニン混合物中に誘引物質として溶解される。タンパク質またはポリペプチドをビードレットに添加することで、GIプロテアーゼまたは他の酵素によって開口可能な部位や孔が得られ、水生動物による飼料の部分消化を可能にする。アミノ酸と脂肪酸、砂糖、多糖類、ミネラル、ビタミン、プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼなどの他の栄養素または酵素は、これらに限定されないが、親水コロイド懸濁液に添加されうる。
【0050】
1種もしくは数種類の生物活性剤および/またはプロバイオティック微生物を含有する放出制御微粒子の添加
経験的に決定される有効濃度の湿性および/または乾燥性の微粒子調製物は、親水コロイド懸濁液に添加することで、完全に混合されうる。
【0051】
架橋反応およびビードレットの調製
親水コロイド懸濁液は、場合によって乾燥され、約100μm〜約10,000μmの範囲の種々のサイズにペレット化されて室温で保存されるか、または約100μm〜約10,000μmの範囲の種々のチューブサイズで滴下され、塩化カルシウム溶液、ディップ、またはスプレーで架橋される。プロピレングリコール、グリセロール、塩化カルシウム、またはBHTなどの保存料のいずれかの種類は、これらに限定されないが、添加することで、湿性ビードレットは使用まで4℃で冷凍保存されうる。ビードレットを乾燥させる追加工程を実行することで、乾燥製品を生産することが可能である。
【実施例】
【0052】
本発明の特定の実施形態は、ここで以下の実施例を通して、より詳細に記載される。実施例は、本発明の選択された実施形態の記載をより十分にサポートすることを目的とするものであり、決して本発明の範囲に限定するように考えられるべきではない。
【0053】
実施例1
プロバイオティック微生物のラクトバチルス・ラムノサス(Lactobacillus rhamnosus)を含有する放出制御微粒子の生産
4グラムの高アミロース澱粉(70%アミロース;「ハイロン」(Hylon)VII、ナショナル・スターチ・アンド・ケミカル(National Starch and Chemical)、ニュージャージー州ブリッジウォーター)を50℃で1N水酸化ナトリウムに溶解した(図1、左パネル)。2グラムの粉末状卵レシチン(アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド・カンパニー(Archer−Daniels−Midland Co.)、イリノイ州ディケイター)をアルカリ懸濁液に添加し、30分間でアミロースとの錯体形成を可能にした(図1、右パネル)。図1に示すように、澱粉粒を水酸化する(ゼラチン化する)際の物理的相違が観察される。つぎに、アルカリ錯体懸濁液を塩酸を用いてpH7.5まで中和した。つぎに、2グラムのアルギン酸を水和した澱粉懸濁液中に溶解し、いったん溶解すると、室温までの冷却を許容した。20グラムのラクトバチルス・ラムノサス(L.rhamnosus)(LCS−742、森永乳業株式会社(Morinaga Milk Industry Co.,LTD.)、神奈川、日本)を冷却・中和した澱粉/アルギン酸塩の懸濁液に添加した。つぎに、懸濁液をグラコ(Graco)190ESのペイントスプレーヤを用いて5重量%の塩化カルシウムと1重量%の塩化ナトリウムの溶液中に噴霧し、約10μm〜約100μmのサイズ範囲の微粒子を形成した。精細なメッシュスクリーン上で微粒子を水道水洗浄し、使用まで4℃で冷凍保存状態にした。表1に、微粒子の組成物を示す。
【0054】
【表1】

【0055】
実施例2
ビードレット中のラクトバチルス・ラムノサス(Lactobacillus rhamnosus)細菌の生存力
実施例1と同様にビードレットを調製し、半乾燥状態とし(すなわち、ビードレットの抜水を行ったが、それ以上乾かなかった)、4℃および室温で時間をかけて微小結合する細菌の生存力を試験した。10個のビードレットをバッチから無菌の5mmガラスビーズの1/3の容積を含有する無菌のビードビーター(Beadbeater)チューブに移動させることによってビードレットを試験した。滅菌水(1mL)を添加して同チューブを満たし、最高で3回の40秒パルスの間ビードビーター中でチューブを処理し、ビーズを分解した。この材料は、順に滅菌水中に希釈し、ラクトバチルスMRS培地(Lactobacillus MRS Agar)(ディフコ(Difco))上に播いて拡散させた。30℃で2〜3日間プレートを培養し、ラクトバチルス・ラムノサス(L.rhamnosus)のコロニー数を計数した。細菌の生存率を図2に示す。細菌の生存力は、最初の細菌数に対して、室温での保存処理の間に時間の経過とともに減少したものの、4℃での保存処理の間に増加した。
【0056】
実施例3
伝染性膵臓壊死症ウイルス(IPNV)ワクチンを含有する放出制御微粒子の生産
実施例1の記載と同様に、錯体懸濁液を調製し、HClによってpH7.5に調節した。つぎに、IPNV粒子を発現するパン酵母(湿重量20gのサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae))を冷却・中和した懸濁液(アドバンスド・バイオニュートリション・コーポレーション(Advanced BioNutrition Corp.)で生産)に添加した。つぎに、同懸濁液を5重量%の塩化カルシウムと1重量%の塩化ナトリウムの溶液中に噴霧し、約10μm〜約100μm間のサイズ範囲で微粒子を形成した。微粒子を精細なメッシュスクリーン上で水道水洗浄し、使用まで4℃で冷凍保存状態にした。表2に、微粒子組成物を示す。
【0057】
【表2】

【0058】
実施例4
ハイブリッドシマスズキ稚魚へのプロバイオティック細菌ラクトバチルス・ラムノサス(L.rhamnosus)のビードレットでの送達
商用の標準飼料に加えて、高アミロース錯体との微小結合の有無を問わず、若いハイブリッドシマスズキ(1〜2g)を生存ラクトバチルス・ラムノサス(L.rhamnosus)を含有する湿性ビードレットで毎日0.2重量%ずつ給餌した。つぎに、魚や切除された胃から全消化管を除去した。無菌の5mmガラスビーズの1/3の容積を含有する無菌ビードビーター(Beadbeater)チューブ内に1つの腸を置いた。滅菌水(1mL)を添加してチューブを満たし、最高で3回の40秒パルスの間ビードビーター中でチューブを処理し、腸組織を分解した。この材料は、順に滅菌水中に希釈し、ラクトバチルスMRS培地(Lactobacillus MRS Agar)(ディフコ(Difco))上に播いて拡散させた。30℃で2〜3日間プレートを培養し、ラクトバチルス・ラムノサス(L.rhamnosus)のコロニー数を計数した。表3に示すように、魚に微小結合したラクトバチルス・ラムノサス(L.rhamnosus)を含有するビードレットで給餌した結果、微小結合されない細菌で得られるレベルを上回る腸コロニー形成レベルに達した(微小結合されたラクトバチルス・ラムノサス(L.rhamnosus)を給餌された魚における10cfu/腸に対し、微小結合されない細菌を給餌された魚においては10cfu/腸)。標準飼料によるウォッシュアウトの10日後であっても、腸のコロニー形成は明らかであった。魚の成長速度を図3に示す。微小結合されたラクトバチルス・ラムノサス(L.rhamnosus)を含有するビードレットを給餌された魚では、ラクトバチルス・ラムノサス(L.rhamnosus)を含有しないビードレットを給餌された魚に比べて50%を上回る成長速度が達成された。
【0059】
【表3】

【0060】
実施例5
GnRH生殖ホルモンを含有する放出制御微粒子の生産
錯体懸濁液は、4gの高アミロース澱粉、3gの卵レシチン、2gのアルギン酸、および91gの水を含有する実施例1に記載どおりに調製し、pH7.5に調節する。つぎに、合成GnRHアナログ(オヴァプリム(Ovaprim)、シンデル・インターナショナル・インコーポレーテッド(Syndel International Inc.)、ブリティッシュコロンビア州バンクーバー、カナダ)を含有する溶液を冷却・中和した懸濁液に添加する。つぎに、懸濁液を5重量%の塩化カルシウムと1重量%の塩化ナトリウムの溶液中に噴霧し、約10μm〜約100μm間のサイズ範囲の微粒子を形成する。微粒子を精細なメッシュスクリーン上で水道水洗浄し、使用まで4℃で冷凍保存状態にする。表4に、微粒子組成物を示す。
【0061】
【表4】

【0062】
実施例6
IPNVワクチンおよびプロバイオティック微生物とともに放出制御微粒子を含有するビードレットの生産
3グラムのワックス様メイズ澱粉(ウルトラ−スパース(Ultra−Sperse)M、ナショナル・スターチ・アンド・ケミカル(National Starch and Chemical)、ニュージャージー州ブリッジウォーター)を50℃で45gの蒸留水中に溶解する。つぎに、2グラムのアルギン酸塩を懸濁液に溶解し、室温まで冷却することを許容する。10gの魚粉加水分解物と誘引物質調製物(アクア・セイヴァー(Aqua Savor)、ベントリ・インコーポレーテッド(Bentoli、Inc.)、フロリダ州ホームステッド)を冷却した親水コロイドおよび等量(20gまたは各々異なる)のプロバイオティック微粒子中に溶解し、実施例1および2に記載される酵母微粒子を含有するIPNVワクチンを、各々親水コロイドに添加する。つぎに、5重量%の塩化カルシウムおよび1重量%の塩化ナトリウムの溶液中に、親水コロイド懸濁液をチューブ直径5mmの蠕動ポンプを用いて滴下した。ビードレットを水道水下で完全に洗浄したスクリーン上に収集して、食塩溶液中に室温で保存した。表5に微粒子組成物を示す。
【0063】
【表5】

【0064】
実施例7
プロバイオティック/IPNVワクチンビードレットによるマスの給餌
約100gサイズのマス稚魚を15℃で1m当たり30kgの淡水で貯蔵する。機械的な生物濾過システムにより、水槽水を速やかに交換することで水質を保持する。実施例3に記載のように、21日間、1日4回、商用飼料および2%(湿重量)放出制御ビードレットで総量2%体重を魚に給餌する。1日当たりの成長速度を以下の公式に従って計算する。
成長速度=(魚の最終平均重量)−(初期平均重量)/(成長日数)
食品換算率(food conversion ratio)(FCR)を以下の公式に従って計算する。
FCR=((全給餌量)/(魚全体の最終生物量))−(グラム単位による魚全体の初期生物量)
【0065】
IPNVに対する抗体特異性のための分析や存在するプロビオントを定量化するための腸マイクロフローラ分析のために、血液サンプルを採取する。
【0066】
実施例8
GnRH合成アナログを有する放出制御微粒子を含有するビードレットの生産
実施例6に記載のように、親水コロイドを生産し、実施例5に記載のように調製したGnRH微粒子を冷却した親水コロイド溶液に添加した。つぎに、蠕動ポンプおよび5mmのチューブ直径を用いて、親水コロイド懸濁液を5重量%の塩化カルシウムおよび1重量%の塩化ナトリウムの溶液に滴下した。ビードレットを水道水下で完全に洗浄したスクリーン上に収集して、食塩溶液中に室温で保存した。表6に、微粒子組成物を示す。
【0067】
【表6】

【0068】
実施例9
GnRHビードレットによるマスの給餌
親マスを1m当たり10kgの淡水で10℃の温度で貯蔵する。機械的な生物濾過システムにより、水槽水を速やかに交換することで水質を保持する。実施例3に記載のように、14日間、1日4回、商用飼料および2%(湿重量)放出制御ビードレットで総量2%体重を魚に給餌する。GnRHプロフィール分析のために、血液サンプルを採取し、商用の標準飼料だけで給餌される魚と比較する。
【0069】
実施例10
プロバイオティック混合物によるエビ(バナメイ種(Penaeus vannamei))の給餌
約10gサイズのエビ稚魚を28℃で1m当たり10kgの海水で貯蔵する。機械的な生物濾過システムにより、水槽水を速やかに交換することで水質を保持する。1日4回、2%体重の総量で、ペレット化された標準飼料をエビに給餌し、ペレットサイズを成長するエビの開口サイズに合うように調節する。標準飼料に加えて、微小結合されたラクトバチルス・ラムノサス(L.rhamnosus)とシュードアルテロモナス・ウンディナ(Pseudoalteromonas undina)(DSMZ 6065、Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH)を等量ずつ有する混合物を含有する0.2%体重の湿性ビードレットによってもエビに給餌する。実施例1に記載のように、、微小結合された細菌を調製する。この実験は、エビが40gの平均商用サイズに達する際に終了する。実施例7に記載のように、1日当たりの成長速度と食品変換率を計算する。
【0070】
20匹のエビサンプルを容器槽に入れ、白斑ウイルス(WSV)に感染させ、感染の2週間後に生存率が記録される。
【0071】
実施例11
猫ウイルス(猫ヘルペスウイルス1;FHV1)ワクチンを含有する放出制御微粒子の生産
実施例1に記載のように、4gの高アミロース澱粉、2gの卵レシチン、2gのアルギン酸、および72gの水を用いて錯体懸濁液を調製してから、HClによってpH7.5に調節する。つぎに、FHV1粒子を発現するパン酵母(サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae))の湿重量20グラムを冷却・中和させた懸濁液に添加する。つぎに、懸濁液を5重量%の塩化カルシウムと1重量%の塩化ナトリウムの溶液中に噴霧し、10μm〜100μm間のサイズ範囲の微粒子を形成する。微粒子を精細なメッシュスクリーン上で水道水洗浄し、凍結乾燥し、使用まで乾燥粉末状態にする。表7に、微粒子組成物を示す。
【0072】
【表7】

【0073】
実施例12
FHV1ワクチンビードレットでトップコーティングを施された押し出し成型飼料による猫への給餌
実施例11に記載のように、ペイントスプレーガンを用いて、1%のアルギン酸塩と20%の微粒子の懸濁液によって商用で標準のペレット化された猫用飼料にトップコーティングを施す。つぎに、トップコーティングを施したペレットを40℃で1晩乾燥させる。10匹の猫に対して、1週間、FHV1を含有する飼料の給餌後、2週間、標準飼料を給餌し、さらに1週間、飼料でトップコーティングを施したワクチンで増加投与した。FHV1に対する抗体の滴定濃度を決定するため、実験の開始から1ヵ月後に血液サンプルを採取し、分析する。
【0074】
実施例13
ビードレットによるヒトへの生物活性化合物の送達
実施例1に記載の方法に従って粒子を調製し、GMP(Good Manufacturing Procedures)に適合するように同方法の正当性を立証することで、送達装置としてヒトでの使用を可能にする。この方法によって、標準化された栄養補給剤をヒトに送達することは可能である。4%フェノール化合物に標準化されている植物の地上部由来の粉末状エキナケア・プルプレア(Echinacea purpurea)抽出物をビードレットの標準化された用量率である1mgのフェノール化合物/gに添加する。ビードレットの味をおいしくするのに、薬剤またはバニリンなどの香味料のマスキングを用いる。つぎに、ビードレットを直径200〜300μmの範囲内で作製し、スプレードライさせる。つぎに、投与量当たりフェノール化合物1mgのヒトへの穀類送達用トップコーティングとして、スプレードライしたビーズを用いる。
【0075】
実施例14
インスリンの経口送達
インスリンは胃の中で速やかに分解されるので、経口によるインスリン送達は難題を提示している。経口インスリン投与は、糖尿病患にとっては大きな救いであろうが、インスリンはコストがかかり、経口送達には大用量を要することから、現在の治療法ではたいてい注射を用いる。現在では、ノベックス(Nobex)やグラクソ・スミスクライン(GlaxoSmithKline)などの企業は、インスリンの化学修飾(例えば、インスリンに対するポリエチレングリコールの添加)により、経口インスリンを送達する方法を構築中である。本発明は、別の選択肢、すなわち微小結合様式でのアルギン酸塩/澱粉ビーズの送達を提供する。
【0076】
表8の組成とCaCl重合を用い、上記実施例に記載された技法を用いて微粒子を作製する。1g当たり11〜14Uの湿重量を含有するビードレットを形成する。粒子サイズを約0.1〜約0.2mmの間に調節し、ビーズをスプレードライさせる。つぎに、水中での使用に先立って約1分間スプレードライさせたビーズを再水和し、水分吸収によって消費する。濃度を880〜1140まで変化させ、患者のサイズの違いを考慮して11〜14Uの用量を提供する一方、依然としてわずか1gの用量で送達する。
【0077】
【表8】

【0078】
実施例15
ビードレットでテラピア稚魚に給餌されるプロバイオティック細菌ラクトバチルス・ラムノサス(Lactobacillus rhamnosus)の用量反応
商用の標準飼料に加えて、毎日体重の0、0.2および2%で、実施例1に記載のように調製された高アミロース錯体で微小結合された生存ラクトバチルス・ラムノサス(L.rhamnosus)を含有する湿性ビードレットによって若いテラピア(1〜2g)に給餌した。魚の成長速度を図4に示す。0.2%の微小結合されたラクトバチルス・ラムノサス(L.rhamnosus)を含有するビードレットで給餌された魚は、ラクトバチルス・ラムノサス(L.rhamnosus)を含有しない対照ビードレットで給餌された魚よりも3.3倍高い成長速度を達成した。細菌の用量の増加によって更なる成長は認められず、2%のラクトバチルス・ラムノサス(L.rhamnosus)で処理しても、成長に関して対照飼料とは有意に異なる効果は生じなかった。
【0079】
実施例16
プロバイオティック混合物による太平洋白エビ(バナメイ種(Penaeus vannamei))の給餌:白斑ウイルス負荷に対する効果
約10gサイズのエビ稚魚を28℃で1m当たり10kgの海水で貯蔵した。機械的な生物濾過システムにより、水槽水を速やかに交換することで水質を保持した。1日4回、2%体重の総量で、ペレット化された標準飼料をエビに給餌し、ペレットサイズを成長するエビの開口サイズに合うように調節した。標準飼料に加えて、微小結合されたラクトバチルス・ラムノサス(L.rhamnosus)とシュードアルテロモナス・ウンディナ(Pseudoalteromonas undina)(DSMZ 6065、Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH)を等量ずつ有する混合物を含有する0.2%体重の湿性ビードレットによってもエビに給餌した。実施例1に記載のように、微小結合された細菌を調製した。この実験は、エビが40gの平均商用サイズに達する際に終了した。図5に、エビの生存率とFCRを示す。実施例7に記載のように、1日当たりの成長速度と食品変換率を計算した。ラクトバチルス・ラムノサス(L.rhamnosus)であろうと、ラクトバチルス・ラムノサス(L.rhamnosus)とシュードアルテロモナス・ウンディナ(P.undina)の組み合わせであろうと、プロビオントを含有させることで、エビの生存率は増加し、そのFCRは減少する結果となった。
【0080】
20匹のエビのサンプルは、マイクロカプセル化したシュードアルテロモナス・ウンディナで補助飼料上に保持しながら、容器槽に入れ、白斑ウイルス(WSV)に経口感染させた。2週間の培養期間後に、ダール(Dhar)(ダール(Dhar)ら、2002)の方法によってリアルタイムRT−PCRを用いてウイルス負荷を決定した。入力DNAとサイクル閾値(C)との間には、線形関係が存在する。ウイルスが抑制されると、C値が増加する。シュードアルテロモナス・ウンディナ(P.undina)の飼料がWSVの増殖を抑制した一方で、対照およびラクトバチルス・ラムノサス(L.rhamnosus)の飼料は、図6に示すようにウイルスを阻害しなかった。
【0081】
実施例17
マイクロカプセル化プロバイオティック生物のサンプル生産方法
20%細菌負荷で1kgを生産するために、本願明細書ではプロバイオティックのマイクロカプセル化調合物について記載する。この方法を改良することで、標準的方法を用いて細菌負荷を調節することが可能である。例えば、ある種のプロビオント(例として、シュードアルテロモナス・ウンディナ(P.undina)ペースト)の水分含有量が十分に高い場合があり、20%未満の最大負荷に限って実現可能である。出発物質中の適切な水分量を決定するために、すべての成分重量は開始前に計算するべきである。
【0082】
蒸留水(726ml)を撹拌/加熱プレート上で1リットルのガラスビーカーに添加し、しぶきが発生しないように注意して撹拌棒の速さを最大に調節する。10グラムの水酸化ナトリウムを添加し、可溶化させる。14グラムの高メイズ澱粉(ハイロン(Hylon)VII−ナショナル・スターチ(National Starch))を添加してから14グラムの大豆レシチン(「エピクロン」(Epikuron)100P−デグサ(Degussa))を添加する。サーモスタットを調節し、約50℃の液体温度を得て、混合物を約2時間にわたり撹拌する。混合物は、反応が完了する頃には外見上、不透明から半透明に変化し、黄色っぽくなる。顕微鏡検査によって澱粉粒がゼラチン化することは、実証可能である。混合物は、冷却し、約15mlの高濃度HClの添加によって約7.3〜約7.8のpHに調節することが可能である。pHが約8.5〜8.0に達すると、混合物の色は薄くなり、不透明になる。
【0083】
10グラムのアルギン酸ナトリウム(T−500、食品グレード(food grade)、マルチケム・コーポレーション(Multi−Kem Corp.))をこの混合物に徐々に添加する。約1時間またはアルギン酸塩顆粒が完全に溶解するまで、高速ミキサーを用いる。未洗浄のシュードアルテロモナス・ウンディナ(P.undina)をカプセル化する際、アルギン酸塩を添加する前に、5gのヘキサメタリン酸ナトリウム(プラクティカルグレード(practical grade))を混合物に添加する。
【0084】
つぎに、プロビオント、例えば、乾燥状態(例えば、脱水状態またはペースト状)の細菌を混合物に添加し、均質になるまで完全に混合する。ペーストを用いる際、標準的方法を用いて生存力のある細胞当たりの含水率を決定する。この方法によって、湿度解析に基づいて、例えば200gの凍結乾燥したラクトバチルス(Lactobacillus)または200g固体に相当する量のウンディナ(undina)ペーストをカプセル化する。ここで混合物は容易に噴霧される。細菌をカプセル化混合物に添加した直後に、噴霧を施すべきである。
【0085】
噴霧や架橋結合に先立ってマイクロカプセル化した混合物の重量は、最終製品の重量に正比例する。この過程で水の増減は生じない。プロビオントがペースト状である場合、水分/固体の含有量を用いることで出発物質中の適切な水分量を決定可能である。ペースト中の水分の価値は、製法の中に見出され、混合物に添加される水分量に寄与すると考えられる。
【0086】
洗浄溶液のイオン組成物および方法においては、調節が必要になる場合がある。例えば、ウンディナ(undina)ペーストを洗浄する際、ペースト中の余分な塩化物イオンは、アルギン酸塩の重量の約50%に相当する量で、ヘキサメタリン酸ナトリウムの混合物への添加を決定づける場合がある。
【0087】
実施例18
澱粉マトリックス中のアルギン酸塩物質の噴霧によるゲル化
飼料を塩化カルシウム溶液(ダウフレーク(Dowflake)、プロセスグレード(process grade)、ダウ(Dow))中に噴霧することで、澱粉マトリックス中のアルギン酸塩の数種類の飼料をゲル化した。同物質はゲル粒子を形成し、ふるい分けによって溶液から回収された。飼料を30ガロンの水槽中に注入し、「モイノ」(Moyno)のプログレッシブ・キャビティ・ポンプを用いて、第2の30ガロンの水槽中に噴霧するシュリック(Shlick)の2つの流体ノズル中に噴入した。第2の水槽は、塩化カルシウム水溶液で満たした。稼動ごとで最後には、溶液をふるいを通して排出し、産物を回収した。塩化カルシウムの負荷は、3〜5%であった。ノズルのサイズと噴霧条件をニロ(Niro)によって選択し、好適な噴霧が得られた。スループットを最大にしたり、噴霧条件を粒子サイズと相関させるのに試行錯誤はなかった。その目的は、実地試験のために物質を生産することであった。
【0088】
これらの実施において、多種の(0.5〜1.3)ノズル口を利用し、種々のサイズの粒子を用意した。シュリック(Shlick)流体スプレーヤに取り付けるノズル口の大きさによってこのサイズの操作することができる。さらに、粒子のサイズを操作する方法として、噴霧化する空気率の操作を用いた(空気流を増加させると、粒子サイズが減少する)。((ラクトバチルス・ラムノサス(L.rhamnosus)<シュードアルテロモナス・ウンディナ(P.undina))で利用される2つのプロビオントの添加の際に増加した)飼料の粘性により、気流速度を調節した。一般に、粘性が高めであると、同サイズのビーズを得るために大きめのノズル直径が必要である。図7に示すように、ラクトバチルス・ラムノサス(L.rhamnosus)、ラクトバチルス・ラムノサス(L.rhamnosus)、およびシュードアルテロモナス・ウンディナ(P.undina)ビーズを含有するビーズや、いずれの細菌も含有しない飼料を作製し提供した。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】2つの顕微鏡写真の比較に示される、アルカリ溶液中のゼラチン状の高アミロース澱粉粒にレシチンを添加する場合の効果。左パネルは、実施例1にさらに詳細に示される、複合過程の開始時におけるゼラチン状の粒を示し、右パネルは、溶解された粒とその結果生じるレシチンと澱粉高分子との錯体形成を示す。
【図2】1日、7日、または47日保存後におけるビード当たりのコロニー形成数として示される、ビードレット内にカプセル化されたラクトバチルス・ラムノサス(Lactobacillus rhamnosus)細菌の生存力。図2は、実施例2をより詳しく示している。
【図3】若いハイブリッドシマスズキの1日当たりの成長速度に関して、微小結合された形態と微小結合されない形態とを比較したラクトバチルス・ラムノサス(L.rhamnosus)の送達効果。成長速度を平均±S.E、n=9として示す。図3は、実施例3をより詳しく示している。
【図4】毎日の体重の増加として示される、テラピア稚魚の成長速度に関するプロバイオティック投与範囲(0〜2%)の効果。「A」を指定するバーは、「B」を指定するバーとは有意に異なる成長速度を示す(P<0.05、n=15)。図4は、実施例15をより詳しく示している。
【図5】エビ生存率と食品変換率(FCR)に関するプロバイオティック飼料の効果。ラクトバチルス・ラムノサス(L.rhamnosus)によるエビの給餌により、白斑ウイルスの負荷後、その生存率は有意に増加した。ラクトバチルス・ラムノサス(L.rhamnosus)とシュードアルテロモナス・ウンディナ(Pseudoalteromonas undina)との組み合わせによるエビの給餌により、白斑ウイルスの負荷後、その生存率はラクトバチルス・ラムノサス(L.rhamnosus)単独による給餌よりも大幅に有意に増加した。エビの給餌がラクトバチルス・ラムノサス(L.rhamnosus)によるものであってもシュードアルテロモナス・ウンディナ(Pseudoalteromonas undina)によるものであっても、食品変換率は減少した。ラクトバチルス・ラムノサス(L.rhamnosus)とシュードアルテロモナス・ウンディナ(Pseudoalteromonas undina)との組み合わせによるエビの給餌により、食品変換率はラクトバチルス・ラムノサス(L.rhamnosus)単独もしくはシュードアルテロモナス・ウンディナ(Pseudoalteromonas undina)単独の場合の給餌よりも大幅に減少した。指定文字が異なるバーは、有意に異なる値を示す(P<0.05)。図5は、実施例16をより詳しく示している。
【図6】WSVウイルス負荷に関する白斑ウイルスによる経口負荷効果。ダール(Dhar)らの方法(2002)による腹脚サンプルのWSV特異性PCR分析によってウイルス負荷を測定した。低いデルタサイクル閾値(C)は、より高度のウイルス負荷を示す。シュードアルテロモナス・ウンディナ(Pseudoalteromonas undina)により、マイクロカプセル化されたプロビオントを消費するエビのウイルス負荷は有意に減少した。図6は、実施例16をより詳しく示している。
【図7】実施例18をさらに示すのに作成されたアルギン酸塩/澱粉・ビーズの顕微鏡写真。
【0090】
参考文献
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルギン酸塩と、非消化性高分子と、消化性高分子と、乳化剤とを含む微粒子であって、前記アルギン酸塩が前記微粒子の湿重量で約0.5〜約1.5%を構成し、前記高分子全体が前記微粒子の湿重量で約0.1〜約5%を構成し、前記非消化性高分子が前記高分子全体の約20〜約80重量%を構成し、前記消化性高分子が前記高分子全体の約20〜約80重量%を構成し、前記乳化剤が前記非消化性高分子と約1:10〜約10:1の比率を構成する、微粒子。
【請求項2】
前記アルギン酸塩が、前記微粒子の約0.5〜約1.0重量%を構成する、請求項1に記載の微粒子。
【請求項3】
前記アルギン酸塩が、前記微粒子の約1.0重量%を構成する、請求項2に記載の微粒子。
【請求項4】
前記非消化性高分子が、前記高分子全体の約50〜約80重量%を構成する、請求項1に記載の微粒子。
【請求項5】
前記非消化性高分子が、前記高分子の約80重量%を構成する、請求項4に記載の微粒子。
【請求項6】
前記消化性高分子が、前記高分子全体の約20重量%を構成する、請求項1に記載の微粒子。
【請求項7】
前記高分子全体が、約30重量%の消化性高分子と、高分子全体重量に対して約70%の非消化性高分子とを含む、請求項1に記載の微粒子。
【請求項8】
前記消化性高分子が、前記高分子全体の約20〜約50重量%を構成する、請求項1に記載の微粒子。
【請求項9】
前記乳化剤と前記非消化性高分子が約1:5〜約5:1の比率で存在する、請求項1に記載の微粒子。
【請求項10】
前記乳化剤と前記非消化性高分子が約1:2〜約2:1の比率で存在する、請求項9に記載の微粒子。
【請求項11】
前記乳化剤と前記非消化性高分子が約2:1の比率で存在する、請求項10に記載の微粒子。
【請求項12】
前記微粒子に微小結合される1種または複数種の生物活性剤をさらに含む、請求項1に記載の微粒子。
【請求項13】
前記非消化性高分子が、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(エチレンオキシド)、セルロース、セルロース誘導体、シリコーン、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)、澱粉、およびアミロースから選択され、前記消化性高分子が、アミロペクチン、ワックス様メイズ澱粉、可溶性澱粉、グルテン、カゼイン、アルブミン、魚粉、魚粉加水分解物、小エビ粉、エビ粉、大豆粉、小麦全粒粉、綿実粕、および豆粉から選択される、請求項1に記載の微粒子。
【請求項14】
前記生物活性剤が、微生物、タンパク質、ペプチド、核酸、ホルモン、薬剤、抗生物質、酵素、ミネラル、ビタミン、抗体、免疫原、マイクロ構造体、およびナノ構造体から選択される、請求項12に記載の微粒子。
【請求項15】
前記微粒子が乾燥形態ある、請求項1〜14のいずれかに記載の微粒子。
【請求項16】
前記微粒子が湿った形態にある、請求項1〜14のいずれかに記載の微粒子。
【請求項17】
アルギン酸塩と、非消化性高分子と、消化性高分子と、乳化剤とを含む粒子であって、前記アルギン酸塩が前記粒子の湿重量で約0.5%〜約1.5%を含み、前記高分子全体が前記粒子の湿重量で約0.1%〜約5%を含み、前記非消化性高分子が前記高分子全体の約20〜約80重量%を含み、前記消化性高分子が前記高分子全体の約20〜約80重量%を含み、前記乳化剤が前記非消化性高分子と約1:10〜約10:1の比率を含む、粒子。
【請求項18】
前記アルギン酸塩が約0.5〜約1.0重量%を構成する、請求項17に記載の粒子。
【請求項19】
前記アルギン酸塩が約1.0重量%を構成する、請求項18に記載の粒子。
【請求項20】
前記非消化性高分子が約50〜約80重量%を構成する、請求項17に記載の粒子。
【請求項21】
前記非消化性高分子が約80重量%を構成する、請求項20に記載の粒子。
【請求項22】
前記消化性高分子が約20重量%を構成する、請求項17に記載の粒子。
【請求項23】
前記高分子全体が、約30重量%の消化性高分子と、約70重量%の非消化性高分子とを含む、請求項17に記載の粒子。
【請求項24】
前記消化性高分子が約20〜約50重量%を構成する、請求項17に記載の粒子。
【請求項25】
前記乳化剤と前記非消化性高分子が約1:5〜約5:1の比率で存在する、請求項17に記載の粒子。
【請求項26】
前記乳化剤と前記非消化性高分子が約1:2〜約2:1の比率で存在する、請求項25に記載の粒子。
【請求項27】
前記乳化剤と前記非消化性高分子が約2:1の比率で存在する、請求項26に記載の粒子。
【請求項28】
前記微粒子に微小結合される1種または複数種の生物活性剤をさらに含む、請求項17に記載の粒子。
【請求項29】
前記非消化性高分子が、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(エチレンオキシド)、セルロース、セルロース誘導体、シリコーン、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)、澱粉、およびアミロースから選択される、請求項17に記載の粒子。
【請求項30】
前記生物活性剤が、微生物、タンパク質、ペプチド、核酸、ホルモン、薬剤、抗生物質、酵素、ミネラル、ビタミン、抗体、免疫原、マイクロ構造体、およびナノ構造体から選択される、請求項28に記載の粒子。
【請求項31】
前記粒子が乾燥形態にある、請求項17〜30のいずれかに記載の粒子。
【請求項32】
前記粒子が湿った形態にある、請求項17〜30のいずれかに記載の粒子。
【請求項33】
前記消化性高分子またはポリペプチドが、アミロペクチン、ワックス様メイズ澱粉、可溶性澱粉、グルテン、カゼイン、アルブミン、魚粉、魚粉加水分解物、小エビ粉、エビ粉、大豆粉、小麦全粒粉、綿実粕、および豆粉から選択される、請求項1または17に記載の微粒子または粒子。
【請求項34】
前記微生物が、細菌、酵母、ウイルス、Bacillus spp.、Bacilluslicheniformis、Chris Hansen's Biosystemsから市販されているBacillus subtilis株、Lactobacillusspp.、L. bulgaricus、L.helveticus、L. plantarum、L. paracasei、L. casei、L. rhamnosus、Lactococcusspp.、L. lactis、Alteromonas spp.、A. media、Carnobacterium spp.、C. divergens、Vibriospp.、V. alginolyticus、Pseudomonas spp.、P. fluorescens、Streptococcus spp.、S. lactis、S.thermophilus、Pseudoalteromonas spp.、P. undina、Saccharomyces spp.、S. cerevisiae、S.exiguus, Phaffia spp.、P. rhodozoma、Pichia spp.、P. pastors、Kluyveromyces spp.、K aestuarii、K.marxianus、およびK. yarrowiiから選択される、請求項30に記載の粒子。
【請求項35】
前記タンパク質が、ソマトスタチン、ソマトスタチン誘導体、成長ホルモン、プロラクチン、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、メラニン細胞刺激ホルモン(MSH)、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)、TRHの塩、TRH誘導体、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、黄体形成ホルモン(LH)、オキシトシン、カルシトニン、ガストリン、セクレチン、パンクレオザイミン、コレシストキニン、インターロイキン、チモポエチンと、チモシン、thymostimulin、胸腺因子、ボンベシン、ニューロテンシン、リゾチーム、タンパク質合成刺激ペプチド、血管作用性腸管ポリペプチド(VIP)、成長ホルモン放出因子(GRF)、およびsomatocrininから選択される、請求項30に記載の粒子。
【請求項36】
前記生物活性剤が、ゲンタマイシン、テトラサイクリン、オキシテトラサイクリン、ドキシサイクリン、アンピシリン、チカルシリン、セファロチン、セファロリジン、セフォチアム、セフスロジン、セフメノキシム、セフメタゾール、セファゾリン、セフォタキシム、セフォペラゾン、セフチゾキシム、モキソラクタム(moxolactam)、ラタモキセフ、チエナマイシン、スルファゼシン(Sulfazecin)、およびアズトレオナムから選択される、請求項30に記載の粒子。
【請求項37】
請求項1〜16のいずれかに記載の微粒子を含有するアルギン酸マトリックスによって結合される澱粉親水コロイドまたは高分子タンパク質を含む巨大粒子。
【請求項38】
請求項17〜30のいずれかに記載の粒子を含有するアルギン酸マトリックスによって結合される澱粉親水コロイドまたは高分子タンパク質を含む巨大粒子。
【請求項39】
放出制御される生物活性剤をさらに含む、請求項37または38に記載の巨大粒子。
【請求項40】
1種以上の生物誘引物質をさらに含む、請求項37〜39のいずれかに記載の巨大粒子。
【請求項41】
栄養素をさらに含む、請求項37〜40のいずれかに記載の巨大粒子。
【請求項42】
アルギン酸塩と、非消化性高分子と、消化性高分子と、乳化剤とを含む微粒子を含む飼料、食品、飼料添加剤、または食品添加剤であって、前記アルギン酸塩が前記微粒子の湿重量で約0.5〜約1.5%を構成し、前記高分子全体が前記微粒子の湿重量で約0.1〜約5%を構成し、前記非消化性高分子が前記高分子全体の約20〜約80重量%を構成し、前記消化性高分子が前記高分子全体の約20〜約80重量%を構成し、前記乳化剤が前記非消化性高分子と約1:10〜約10:1の比率を構成する、飼料、食品、飼料添加剤、または食品添加剤。
【請求項43】
前記アルギン酸塩が、前記微粒子の約0.5〜約1.0重量%を構成する、請求項42に記載の飼料、食品、飼料添加剤、または食品添加剤。
【請求項44】
前記アルギン酸塩が、前記微粒子の約1.0重量%を構成する、請求項43に記載の粒子を含む飼料、食品、飼料添加剤、または食品添加剤。
【請求項45】
前記非消化性高分子が前記高分子の約50〜約80重量%を構成する、請求項43に記載の微粒子を含む飼料、食品、飼料添加剤、または食品添加剤。
【請求項46】
前記非消化性高分子が約80重量%を構成する、請求項43に記載の微粒子を含む飼料、食品、飼料添加剤、または食品添加剤。
【請求項47】
前記消化性高分子が前記高分子の約20〜約50重量%を構成する、請求項43に記載の微粒子を含む飼料、食品、飼料添加剤、または食品添加剤。
【請求項48】
前記消化性高分子が前記高分子の約20重量%を構成する、請求項43に記載の微粒子を含む飼料、食品、飼料添加剤、または食品添加剤。
【請求項49】
前記高分子全体が、高分子重量で約30重量%の消化性高分子と約70%の非消化性高分子とを含む、請求項43に記載の微粒子を含む飼料、食品、飼料添加剤、または食品添加剤。
【請求項50】
前記乳化剤と前記非消化性高分子が約1:5〜約5:1の比率で存在する、請求項43に記載の微粒子を含む飼料、食品、飼料添加剤、または食品添加剤。
【請求項51】
前記乳化剤と前記非消化性高分子が約1:2〜約2:1の比率で存在する、請求項50に記載の微粒子を含む飼料、食品、飼料添加剤、または食品添加剤。
【請求項52】
前記乳化剤と前記非消化性高分子が約2:1の比率で存在する、請求項51に記載の飼料、食品、飼料添加剤、または食品添加剤。
【請求項53】
前記飼料、前記食品、前記飼料添加剤、または前記食品添加剤が水生動物用である、請求項42に記載の微粒子を含む飼料、食品、飼料添加剤、または食品添加剤。
【請求項54】
前記水生動物が軟体動物、魚、およびエビから選択される、請求項42に記載の飼料、食品、飼料添加剤、または食品添加剤。
【請求項55】
1種または複数種の生物活性剤をさらに含む、請求項43〜54のいずれかに記載の飼料、食品、飼料添加剤、または食品添加剤。
【請求項56】
前記生物活性剤が、微生物、タンパク質、ペプチド、核酸、ホルモン、薬剤、抗生物質、酵素、ミネラル、ビタミン、抗体、免疫原、マイクロ構造体、およびナノ構造体から選択される、請求項55に記載の飼料、食品、飼料添加剤、または食品添加剤。
【請求項57】
前記飼料、前記食品、前記飼料添加剤、または前記食品添加剤が乾燥形態にある、請求項43〜56のいずれかに記載の飼料、食品、飼料添加剤、または食品添加剤。
【請求項58】
前記飼料、前記食品、前記飼料添加剤、または前記食品添加剤が湿った形態にある、請求項43〜56のいずれかに記載の飼料、食品、飼料添加剤、または食品添加剤。
【請求項59】
前記飼料、前記食品、前記飼料添加剤、または前記食品添加剤が水生動物用である、請求項58に記載の飼料、食品、飼料添加剤、または食品添加剤。
【請求項60】
前記水生動物が軟体動物、魚、およびエビから選択される、請求項59に記載の飼料、食品、飼料添加剤、または食品添加剤。
【請求項61】
微粒子または粒子を生産するための方法であって、アルギン酸塩が湿重量で約0.5〜約1.5%を構成し、高分子全体が湿重量で約0.1〜約5%を構成し、非消化性高分子が高分子の約20〜約80重量%を構成し、消化性高分子が高分子の約20〜約80重量%を構成し、乳化剤が前記非消化性高分子と約1:10〜10:1アルギン酸塩の比率を構成し、非消化性高分子と、消化性高分子と、乳化剤とを結合させることで約1〜約5,000μmの範囲のサイズを有する粒子を形成することを含む、方法。
【請求項62】
前記微粒子の形成に先立ち、前記非消化性高分子が前記乳化剤の存在下で溶解された後室温程度に至らされる、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記粒子が飼料、食品、食品添加剤、または飼料添加剤として使用される、請求項61に記載の方法。
【請求項64】
請求項37〜41のいずれかに記載の巨大粒子が1種以上の微粒子を含む、請求項64に記載の方法。
【請求項65】
前記巨大粒子が1種または複数種の生物活性剤をさらに含む、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記生物活性剤が、微生物、タンパク質、ペプチド、核酸、ホルモン、薬剤、抗生物質、酵素、ミネラル、ビタミン、薬剤、抗体、免疫原、マイクロ構造体、およびナノ構造体から選択される、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記微粒子または前記粒子が乾燥形態で使用される、請求項61〜66のいずれかに記載の方法。
【請求項68】
前記微粒子または前記粒子が湿った形態で使用される、請求項61〜66のいずれかに記載の方法。
【請求項69】
前記微粒子または前記粒子が水生動物用に使用される、請求項61〜68のいずれかに記載の方法。
【請求項70】
前記水生動物が、クルマムシと、Artemiaと、軟体動物と、魚と、エビとから選択される、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
生物活性剤を送達する方法であって、請求項1〜7のいずれかに記載の微粒子を提供し、前記生物活性剤を1種以上の生物に送達することを含む、方法。
【請求項72】
前記生物活性剤が、微生物、タンパク質、ペプチド、核酸、ホルモン、薬剤、抗生物質、酵素、ミネラル、ビタミン、抗体、免疫原、マイクロ構造体、およびナノ構造体から選択される、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記微生物が、細菌と、酵母と、ウイルスと、Bacillus spp.、Bacilluslicheniformis、Chris Hansen's Biosystemsから市販されているBacillus subtilis株、Lactobacillusspp.、L. bulgaricus、L.helveticus、L. plantarum、L. paracasei、L. casei、L. rhamnosus、Lactococcusspp.、L. lactis、Alteromonas spp.、A. media、Carnobacterium spp.、C. divergens、Vibriospp.、V. alginolyticus、Pseudomonas spp.、P. fluorescens、Streptococcus spp.、S. lactis、S.thermophilus、Pseudoalteromonas spp.、P. undina、Saccharomyces spp.、S. cerevisiae、S.exiguus, Phaffia spp.、P. rhodozoma、Pichia spp.、P. pastors、Kluyveromyces spp.、K aestuarii、K.marxianus、およびK. yarrowiiから選択される、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
前記タンパク質が、ソマトスタチン、ソマトスタチン誘導体、成長ホルモン、プロラクチン、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、メラニン細胞刺激ホルモン(MSH)、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)、TRHの塩、TRH誘導体、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、黄体形成ホルモン(LH)、オキシトシン、カルシトニン、ガストリン、セクレチン、パンクレオザイミン、コレシストキニン、インターロイキン、チモポエチンと、チモシン、thymostimulin、胸腺因子、ボンベシン、ニューロテンシン、リゾチーム、タンパク質合成刺激ペプチド、血管作用性腸管ポリペプチド(VIP)、成長ホルモン放出因子(GRF)、およびsomatocrininから選択される、請求項71に記載の方法。
【請求項75】
前記生物活性剤が、ゲンタマイシン、テトラサイクリン、オキシテトラサイクリン、ドキシサイクリン、アンピシリン、チカルシリン、セファロチン、セファロリジン、セフォチアム、セフスロジン、セフメノキシム、セフメタゾール、セファゾリン、セフォタキシム、セフォペラゾン、セフチゾキシム、モキソラクタム(moxolactam)、ラタモキセフ、チエナマイシン、スルファゼシン(Sulfazecin)、およびアズトレオナムから選択される、請求項71に記載の方法。
【請求項76】
前記生物活性剤が水生動物に送達される、請求項71に記載の方法。
【請求項77】
前記水生動物が、クルマムシ、Artemia、軟体動物、魚、およびエビから選択される、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
1種または複数種の生物活性剤を送達する方法であって、請求項37〜41のいずれかに記載の巨大粒子を供給する工程と、前記巨大粒子を1種以上の生物に送達する工程とを含む、方法。
【請求項79】
前記生物活性剤が、微生物、タンパク質、ペプチド、核酸、ホルモン、薬剤、抗生物質、酵素、ミネラル、ビタミン、抗体、およびナノ構造体から選択される、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記微生物が、細菌と、酵母と、ウイルスと、Bacillus spp.、Bacilluslicheniformis、Chris Hansen's Biosystemsから市販されているBacillus subtilis株、Lactobacillusspp.、L. bulgaricus、L.helveticus、L. plantarum、L. paracasei、L. casei、L. rhamnosus、Lactococcusspp.、L. lactis、Alteromonas spp.、A. media、Carnobacterium spp.、C. divergens、Vibriospp.、V. alginolyticus、Pseudomonas spp.、P. fluorescens、Streptococcus spp.、S. lactis、S.thermophilus、Pseudoalteromonas spp.、P. undina、Saccharomyces spp.、S. cerevisiae、S.exiguus, Phaffia spp.、P. rhodozoma、Pichia spp.、P. pastors、Kluyveromyces spp.、K aestuarii、K.marxianus、およびK. yarrowiiから選択される、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
前記タンパク質が、ソマトスタチン、ソマトスタチン誘導体、成長ホルモン、プロラクチン、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、メラニン細胞刺激ホルモン(MSH)、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)、TRHの塩、TRH誘導体、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、黄体形成ホルモン(LH)、オキシトシン、カルシトニン、ガストリン、セクレチン、パンクレオザイミン、コレシストキニン、インターロイキン、チモポエチンと、チモシン、thymostimulin、胸腺因子、ボンベシン、ニューロテンシン、リゾチーム、タンパク質合成刺激ペプチド、血管作用性腸管ポリペプチド(VIP)、成長ホルモン放出因子(GRF)、およびsomatocrininから選択される、請求項79に記載の方法。
【請求項82】
前記生物活性剤が、ゲンタマイシン、テトラサイクリン、オキシテトラサイクリン、ドキシサイクリン、アンピシリン、チカルシリン、セファロチン、セファロリジン、セフォチアム、セフスロジン、セフメノキシム、セフメタゾール、セファゾリン、セフォタキシム、セフォペラゾン、セフチゾキシム、モキソラクタム(moxolactam)、ラタモキセフ、チエナマイシン、スルファゼシン(Sulfazecin)、およびアズトレオナムとから選択される、請求項79に記載の方法。
【請求項83】
前記生物活性剤が水生動物に送達される、請求項79に記載の方法。
【請求項84】
前記水生動物が、クルマムシ、Artemia、軟体動物、魚、およびエビから選択される、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
アルギン酸塩と、非消化性高分子と、消化性高分子と、乳化剤と、1種以上の生物活性剤とを含む微粒子。
【請求項86】
アルギン酸塩と、非消化性高分子と、消化性高分子と、乳化剤とを含む粒子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2006−512059(P2006−512059A)
【公表日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−551747(P2004−551747)
【出願日】平成15年11月6日(2003.11.6)
【国際出願番号】PCT/US2003/035250
【国際公開番号】WO2004/043140
【国際公開日】平成16年5月27日(2004.5.27)
【出願人】(504102530)アドバンスド バイオニュートリション コーポレーション (8)
【Fターム(参考)】