説明

樹脂組成物

【課題】
湿式粗化工程において絶縁層表面の粗度が小さく、その上に十分なピール強度を有するめっき導体層を形成することができる樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】
特定のシロキサンイミド樹脂とエポキシ樹脂を含有する樹脂組成物を使用すること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
特定のシロキサンイミド樹脂とエポキシ樹脂を含有する樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
耐熱性に優れるポリイミド樹脂はエレクトロニクス分野、航空宇宙分野等で幅広く用いられている。例えば、該ポリイミド樹脂にシロキサン構造を導入し、耐熱性と低弾性を併せ持つ材料の開発が行われてきた(特許文献1)。しかしながら、具体的な応用についての記載は限られていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−12666号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、湿式粗化工程において絶縁層表面の粗度が小さく、その上に十分なピール強度を有するめっき導体層を形成することができる樹脂組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定のシロキサンイミド樹脂とエポキシ樹脂を含有する樹脂組成物において、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は以下の内容を含むものである。
[1](A)官能基を有するシロキサンイミド樹脂、(B)ビフェニル型エポキシ樹脂を含有することを特徴とする樹脂組成物。
[2](A)官能基を有するシロキサンイミド樹脂が、ヘキサフルオロイソプロパノール基含有シロキサンイミド樹脂、フェノール基含有シロキサンイミド樹脂、ビニル基含有シロキサンイミド樹脂から選択される1種又は2種以上であることを特徴とする上記[1]に記載の樹脂組成物。
[3](A)官能基を有するシロキサンイミド樹脂が、下式(1)及び(2)
【化1】

(式中、R1は4価の有機基を示し、R2はヘキサフルオロイソプロパノール基を有する2価のジアミン残基、R3は2価のシロキサンジアミン残基を示す。式(1)で表される繰り返し単位の一分子中の繰り返し数Mは1以上100以下(1≦M≦100)の整数であり、式(2)で表される繰り返し単位の一分子中の繰り返し数Nは1以上100以下(1≦N≦100)の整数である。)
で表される繰り返し単位を有することを特徴とする上記[1]又は[2]に記載の樹脂組成物。
[4]樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、(A)官能基を有するシロキサンイミド樹脂の含有量が、10〜80質量%であることを特徴とする上記[1]〜[3]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[5]樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、(B)ビフェニル型エポキシ樹脂の含有量が、3〜50質量%であることを特徴とする上記[1]〜[4]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[6]更に、(C)硬化剤を含有することを特徴とする上記[1]〜[5]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[7]上記[1]〜[6]のいずれかに記載の樹脂組成物を含有する接着フィルム。
[8]上記[1]〜[6]のいずれかに記載の樹脂組成物を含有するプリプレグ。
[9]上記[1]〜[6]のいずれかに記載の樹脂組成物を含有する多層プリント配線板。
[10]上記[1]〜[6]のいずれかに記載の樹脂組成物を含有する半導体装置。
[11]上記[1]〜[6]のいずれかに記載の樹脂組成物を含有するウェハレベルパッケージ。
[12]上記[1]〜[6]のいずれかに記載の樹脂組成物を含有するLED搭載回路基板。
【発明の効果】
【0007】
特定のシロキサンイミド樹脂とエポキシ樹脂を含有する樹脂組成物により、湿式粗化工程において絶縁層表面の粗度が小さく、その上に十分なピール強度を有するめっき導体層を形成することができる樹脂組成物を提供できるようになった。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明は、(A)官能基を有するシロキサンイミド樹脂、(B)ビフェニル型エポキシ樹脂を含有することを特徴とする樹脂組成物である。
【0009】
[(A)官能基を有するシロキサンイミド樹脂]
本発明において使用される(A)官能基を有するシロキサンイミド樹脂は、特に限定されるものではなく、ヘキサフルオロイソプロパノール基(以下、HFA基という。)含有シロキサンイミド樹脂、フェノール基含有シロキサンイミド樹脂、ビニル基含有シロキサンイミド樹脂等が挙げられる。なかでも、相溶性や耐熱性の観点から、HFA基含有シロキサンイミド樹脂、フェノール基含有シロキサンイミド樹脂が好ましく、HFA基含有シロキサンイミド樹脂がより好ましい。また、下式(1)及び(2)で表される繰り返し単位を有するものが更に好ましい。ここでいう官能基とは、エポキシ樹脂又は過酸化物と反応し架橋構造を形成できるものをいう。
【0010】
【化2】

【0011】
式中、R1は4価の有機基を示し、R2はHFA基を有する2価のジアミン残基、R3は2価のシロキサンジアミン残基を示す。式(1)で表される繰り返し単位の一分子中の繰り返し数Mは1以上100以下(1≦M≦100)の整数であるのが好ましい。また式(2)で表される繰り返し単位の一分子中の繰り返し数Nは1以上100以下(1≦N≦100)の整数であるのが好ましい。
【0012】
R1で示される4価の有機基としては以下の構造を有するものが例示される。
【0013】
【化3】

【0014】
式中、Aは、酸素原子、硫黄原子、CO、SO、SO、CH、CH(CH)、C(CH、C(CF、又はC(CClを表す。
式中、芳香族環上の水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基等で置換されていてもよい。
【0015】
R2で示されるHFA基を有する2価のジアミン残基としては以下の構造を有するものが例示される。
【0016】
【化4】

【0017】
式中、Aは、上記と同義を示す。Jは1〜4の整数を示す。Kは1〜6の整数を示す。PとQはそれぞれ独立に0〜2の整数を示し、1≦(P+Q)≦4である。
式中、芳香族環上の水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基等で置換されていてもよい。
【0018】
R3で示される2価のシロキサンジアミン残基としては、以下の構造を有するものが例示される。
【0019】
【化5】

【0020】
(式中、R4及びR5は各々独立して、炭素数1〜5のアルキレン基、フェニレン基又はオキシアルキレン基を示し、R6〜R10は各々独立して、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、又はフェノキシ基を示し、a、b、cは各々独立して0又は1以上の整数を示し、b+c≧0、a+b+c≧60である。式中、芳香族環上の水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基等で置換されていてもよい。)
【0021】
本発明におけるシロキサンイミド樹脂は、式(3)で表される四塩基酸二無水物と式(4)及び(5)で表されるジアミン化合物とを反応させることにより製造することができる。
【0022】
【化6】

【0023】
(式中、R1、R2及びR3は前記と同義を示す。)
【0024】
式(3)で表される四塩基酸二無水物のR1で示される4価の有機基としては前述した通りである。R1で示される4価の有機基の具体例としては、ピロメリット酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)−ビス−(フタル酸二無水物)、4,4’−オキシジフタル酸二無水物、4,4’−(4,4’−イソプロピリデンジフェノキシ)−ビス−(フタル酸二無水物)、1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−5−イソベンゾフランカルボン酸−(1−メチルエチリデン)−ジ−4,1−フェニレンエステル、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、9,9−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン二無水物、1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−5−イソベンゾフランカルボン酸−1,4−フェニレンエステル、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,2−ジカルボン酸無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−C]フラン−1,3−ジオンなどが挙げられる。これら四塩基酸二無水物は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0025】
式(4)で表されるHFA基を有するジアミン化合物としては、以下の式で表されるものが例示される。
【0026】
【化7】

【0027】
式中、Aは、上記と同義を示す。Jは1〜4の整数を示す。Kは1〜6の整数を示す。PとQはそれぞれ独立に0〜2の整数を示し、1≦(P+Q)≦4である。
式中、芳香族環上の水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基等で置換されていてもよい。
なお、式(4−b)において、ナフタレン環上のアミノ基はそれぞれ同じベンゼン環に結合していてもよく、異なるベンゼン環に結合していてもよい。同様に、HFA基が複数ある場合、それぞれ同じベンゼン環に結合していてもよく、異なるベンゼン環に結合していてもよい。
式(4−a)で表されるジアミン化合物は、国際公開第2006/043501号パンフレットに記載されている公知の方法に従って製造することができる。式(4−c)で表されるジアミン化合物は、国際公開第2006/041115号パンフレットに記載されている公知の方法に従って製造することができる。式(4−b)で表されるジアミン化合物は、国際公開第2006/043501号パンフレット、国際公開第2006/041115号パンフレットに記載されている公知の方法に準じて、対応するナフタレンジアミン化合物にヘキサフルオロアセトン又はヘキサフルオロアセトン・3水和物を反応させ、HFA基をナフタレン環上に導入することにより製造することができる。これらHFA基を有するジアミン化合物は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0028】
式(5)で表されるジアミノシロキサンとしては、以下の式で表されるものが例示される。
【0029】
【化8】

【0030】
式中、R4及びR5は各々独立して、炭素数1〜5のアルキレン基、フェニレン基又はオキシアルキレン基を示し、R6〜R10は各々独立して、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、又はフェノキシ基を示し、a、b、cは各々独立して0又は1以上の整数を示し、b+c≧0、a+b+c≧60である。式中、芳香族環上の水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1〜8のアルキル基等で置換されていてもよい。
【0031】
本発明におけるシロキサン構造は、下記の(5b)式に示される構造であることが好ましい。
【0032】
【化9】

【0033】
式中、Re及びRfは各々独立して、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、フェニル基、又はフェノキシ基を示し、mは60以上の整数であり、繰り返し単位ごとに、ReまたはRfが異なっていてもよい。
【0034】
式(5a)で表されるジアミノシロキサンの例としては、1,3−ビス(3−アミノプロピル)−1,1,2,2−テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(3−アミノブチル)−1,1,2,2−テトラメチルジシロキサン、ビス(4−アミノフェノキシ)ジメチルシラン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)テトラメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス(4−アミノフェニル)ジシロキサン、1,1,3,3−テトラフェノキシ−1,3−ビス(2−アミノエチル)ジシロキサン、1,1,3,3−テトラフェニル−1,3−ビス(2−アミノエチル)ジシロキサン、1,1,3,3−テトラフェニル−1,3−ビス(3−アミノプロピル)ジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス(2−アミノエチル)ジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス(3−アミノプロピル)ジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ビス(4−アミノブチル)ジシロキサン、1,3−ジメチル−1,3−ジメトキシ−1,3−ビス(4−アミノブチル)ジシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチル−1,5−ビス(4−アミノフェニル)トリシロキサン、1,1,5,5−テトラフェニル−3,3−ジメチル−1,5−ビス(3−アミノプロピル)トリシロキサン、1,1,5,5−テトラフェニル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(4−アミノブチル)トリシロキサン、1,1,5,5−テトラフェニル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(5−アミノペンチル)トリシロキサン、1,1,5,5−テトラメチル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(2−アミノエチル)トリシロキサン、1,1,5,5−テトラメチル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(4−アミノブチル)トリシロキサン、1,1,5,5−テトラメチル−3,3−ジメトキシ−1,5−ビス(5−アミノペンチル)トリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチル−1,5−ビス(3−アミノプロピル)トリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサエチル−1,5−ビス(3−アミノプロピル)トリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサプロピル−1,5−ビス(3−アミノプロピル)トリシロキサンなどがあげられる。これらジアミノシロキサンは単独で用いてもよく、また2種類以上組み合わせて用いることもできる。
【0035】
式(4)及び(5)で表されるジアミン化合物以外のジアミン化合物を1種類または2種類以上組み合わせて併用してもよい。該ジアミン化合物としては以下の式(6)で表すことができる。
【0036】
【化10】

【0037】
(式中、R11はHFA基を有する2価のジアミン残基及び2価のシロキサンジアミン残基以外の2価の有機基を示す。)
該ジアミン化合物は、特に限定されないが、例えば、1,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジアミノベンゼン、2,4−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノトルエン、1,4−ジアミノ−2,5−ジメチルベンゼン、1,4−ジアミノ−2,5−ジハロゲノベンゼンなどのベンゼン環を1個含むジアミン化合物、4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル、3,3’−ジアミノジフェニルエ−テル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−アミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−アミノフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(3−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2’−ビス(3−アミノ−4−メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,1’−ビス(4−アミノフェニル)シクロヘキサン、o−ジアニシジン、o−トリジン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンズアニリド、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジイソプロピルアニリン)、4,4’−メチレン−ビス(2−エチル−6−メチルアニリン)、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、1,5−ジアミノナフタレン、2,3−ジアミノナフタレンなどのベンゼン環を2個含むジアミン化合物、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェニル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェニル)ベンゼン、α,α’−ビス(4−アミノフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−アミノフェニル)−1,3−ジイソプロピルベンゼンなどのベンゼン環を3個含むジアミン化合物、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、4,4’−(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−アミノフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アミノ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−アミノ−3−フルオロフェニル)フルオレン、5,10−ビス(4−アミノフェニル)アントラセン、1,3−ジアミノピレン、1,6−ジアミノピレンなどのベンゼン環を4個以上含むジアミン化合物、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、4,4’−メチレンビス(2−メチルシクロヘキシルアミン)などの脂環式構造を持つジアミン化合物、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカンなどの線状炭化水素構造を持つジアミン化合物、商品名バーサミン551(コグニスジャパン(株)製)などのダイマージアミン構造を持つジアミン化合物、商品名ジェファーミンD−230、D−400、D−2000、D−4000、XTJ−500、XTJ−501、XTJ−502、HK−511、XTJ−504、XTJ−542、XTJ−533、XTJ−536(ハンツマンコーポレーション社製)などのポリオキシアルキレンジアミン構造をもつジアミン化合物等が挙げられる。
【0038】
なお、式(5)で表されるジアミノシロキサンは、NH当量が400〜6000g/molの範囲のものが好ましく、さらには400〜2500g/molの範囲のもの、さらには400〜1000g/molの範囲のものがより好ましい。NH当量がこの範囲よりも大きい場合、シロキサン構造の分子量が大きいことにより樹脂の疎水性が強くなりすぎて熱硬化性樹脂との相溶性が悪化し、場合によっては、樹脂自身もイミド部とシロキサン部の極性の差が大きくなりすぎて、安定的に樹脂合成を行うことが困難となる。一方、NH当量がこの範囲よりも小さい場合は、シロキサン構造の分子量が小さくなるため十分な柔軟性を得にくくなる。また、フェニル基を含有するものは、熱硬化性樹脂との混和性がよい点で好ましい。
【0039】
式(3)で表される四塩基酸二無水物と式(4)及び(5)で表されるジアミン化合物(式(6)で表されるジアミン化合物を併用する場合は、式(4)〜式(6)で表されるジアミン化合物の合計)との反応割合はとくに限定されるものではなく、また、どちらか一方が過剰でも差し支えないが、好ましくは、得られる樹脂の分子量を上げて機械特性をよりよくする観点から、反応に用いる全てのジアミン化合物の官能基当量数の合計と、四塩基酸二無水物の官能基当量数とがほぼ等しくなるようにするのが好ましい。具体的には、用いる四塩基酸二無水物の酸無水物基の官能基当量数をX、用いるアミン化合物全てのアミノ基の官能基当量数をYとすると、0≦|(X−Y)|/X≦0.3となる条件下で反応させるのが好ましく、さらには、0≦|(X−Y)|/X≦0.1の条件下で反応させるのがより好ましい。
なお、酸無水物基の官能基当量数X(mol)は、酸無水物基の官能基当量をA1(g/mol)、仕込み量をB1(g)とすると、X=B1/A1の式で求めることができる。すなわち、官能基当量とは、官能基1個当たりの化合物の分子量を表し、官能基当量数とは、化合物質量(仕込み量)あたりの官能基の個数を表す。
【0040】
同様に、式(4)で表されるHFA基を含有するジアミン化合物のアミノ基の官能基当量A2(g/mol)、仕込み量をB2(g)、式(5)で表されるジアミノシロキサンのアミノ基の官能基当量A3(g/mol)、仕込み量をB3、式(6)で表されるジアミン化合物のアミノ基の官能基当量A4(g/mol)、仕込み量をB4(g)とすると、Y=(B2/A2)+(B3/A3)+(B4/A4)の式で求めることができる。式(6)で表されるジアミン化合物は任意成分であり、これを含有しない場合には上記式中の(B4/A4)=0となる。
【0041】
一方、式(4)と(5)のジアミン化合物の仕込み割合は、得られる樹脂中のシロキサン構造の含有量とHFA基の含有量に反映されることとなるため、これら2つの値を任意に設定することにより、必然的に式(4)と(5)のジアミン化合物の仕込み割合の範囲が決まってくる。まず、得られる樹脂に含まれるシロキサン構造の量については、質量割合が40〜90質量%となることが好ましく、さらには50〜80質量%となることがより好ましい。シロキサン構造の割合が90質量%よりも大きい場合は、得られる樹脂の粘着性が高くなって取り扱いにくくなり、逆に40質量%よりも小さい場合は、樹脂の柔軟性が乏しくなる。
【0042】
シロキサン構造の含有量Z(質量%)は、イミド化により脱離する水の質量をB5とすると、Z(質量%)={B3/(B1+B2+B3+B4−B5)}×100の式で求めることができる。ここでB5は、前記したXまたはYの値のうち小さいほうをWとしたときに、B5=18×Wの式で求めることができる。また、式(6)で表されるジアミン化合物は任意成分であり、これを含有しない場合には上記式中のB4=0となる。
【0043】
シロキサン構造の含有量の上限値は、高温での耐熱性を維持させるという観点から80質量%が好ましく、75質量%がより好ましく、70質量%が更に好ましく、65質量%が殊更好ましい。一方、シロキサン構造の含有量の下限値は、柔軟性を発現させるという観点から、50質量%が好ましく、54質量%がより好ましく、58質量%が更に好ましい。
【0044】
また、得られるシロキサンイミド樹脂のHFA基の官能基当量(以下、HFA基当量という。)の上限値は、樹脂中のHFA基の量が少なすぎて、この樹脂を用いた樹脂組成物を硬化させた際に硬化不十分となることを防止するという観点から、10000g/molが好ましく、8500g/molがより好ましく、6000g/molが更に好ましく、5000g/molが更に一層好ましく、4000g/molが殊更好ましい。一方、得られるポリイミド樹脂のHFA基当量の下限値は、HFA基が多く含まれることにより樹脂組成物を硬化した際の架橋密度が高くなり、また必然的にシロキサン構造の含有量が少なくなることもあいまって、硬化物の柔軟性が低下することを防止するという観点から、1000g/molが好ましく、1500g/molがより好ましく、2000g/molが更に好ましく、2500g/molが更に一層好ましい。ポリイミド樹脂のHFA基当量V(g/mol)は、HFA基含有ジアミン化合物のHFA基当量をHとすると、V(g/mol)=(B1+B2+B3+B4−B5)÷(B2/H)の式で求めることができる。式(6)で表されるジアミン化合物は任意成分であり、これを含有しない場合には上記式中のB4=0となる。
【0045】
シロキサンイミド樹脂の末端は、四塩基酸二無水物とジアミン化合物の反応割合によっても異なるが、アミノ基、酸無水物基または酸無水物基が開環したジカルボキシル基になると考えられる。
【0046】
反応操作は特に限定されないが、たとえば、重合溶液中で加熱脱水イミド化を行うことが作業の簡便さからより好ましい。具体的には、まず不活性ガス雰囲気下で、HFA基を有するジアミン化合物及びシロキサンジアミンが溶解した溶媒中に、トルエンやキシレンなどのような水と共沸する溶媒を加える。次に、四塩基酸二無水物を添加して、80℃以下、好ましくは0〜50℃で1〜24時間反応させてポリアミック酸溶液を得る。得られたポリアミック酸溶液を100〜200℃、好ましくは150〜200℃で加熱し、このときに脱離する水をトルエンと共沸除去しながら閉環させることでポリイミド溶液を得ることができる。このとき、ほぼ理論量の水が留去されたこと、および、水の流出が見られなくなっていることを確認できた点をもって反応完了とする。一方、この方法とは別に、ポリアミック酸の脱水閉環反応を無水酢酸/ピリジン混合溶液を用いて低温で行うこともできる。
【0047】
反応に用いる反応溶媒は、原料および得られた樹脂と反応しうるものでなければ特に限定されないが、たとえば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトン、γ―バレロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、ε−カプロラクトン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、エチルセルソルブアセテート、ブチルセルソルブアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、メチルイソブチルケトン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられ、好ましくはシクロヘキサノン、γ−ブチロラクトンが挙げられる。これらの溶媒は単独で用いてもよく、また2種類以上組み合わせて用いてもよい。特に、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトン等の溶媒に石油ナフサ等の芳香族炭化水素系溶剤を併用することがより好ましい。
【0048】
また、得られたシロキサンイミド樹脂溶液を水やメタノールなどの貧溶媒に投入してポリマーを析出沈殿させ、さらに乾燥させた後に、用途に応じた溶剤に再溶解させて使用することもできる。
【0049】
本発明におけるシロキサンイミド樹脂の数平均分子量(Mn)の上限値は、樹脂組成物の粘度が上昇し、取り扱い性が低下するのを防止するという観点から、50000が好ましく、40000がより好ましく、30000が更に好ましく、25000が更に一層好ましく、20000が殊更好ましい。一方、ポリイミド樹脂の数平均分子量の下限値は、樹脂組成物の柔軟性を発現させるという観点から、9000が好ましく、10000がより好ましく、15000が更に好ましい。本発明におけるポリイミド樹脂の質量平均分子量(Mw)の上限値は、樹脂組成物の粘度が上昇し、取り扱い性が低下するのを防止するという観点から、50000が好ましく、40000がより好ましく、30000が更に好ましい。一方、ポリイミド樹脂の数平均分子量の下限値は、樹脂組成物の柔軟性を発現させるという観点から、9000が好ましく、10000がより好ましく、15000が更に好ましく、20000が殊更好ましい。数平均分子量及び質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法(ポリスチレン換算)で測定した値である。GPC法による数平均分子量及び質量平均分子量は、具体的には、測定装置として(株)島津製作所製LC−9A/RID−6Aを、カラムとして昭和電工(株)社製Shodex K−800P/K−804L/K−804Lを、移動相としてN−メチルピロリドンにリチウムブロマイドを0.4質量%溶解させた溶液を用いて、カラム温度40℃にて測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて算出することができる。
【0050】
シロキサンイミド樹脂の含有量の上限値は、樹脂組成物の硬化性を向上させるという観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、80質量%が好ましく、75質量%がより好ましく、70質量%が更に好ましく、65質量%が更に一層好ましい。一方、シロキサンイミド樹脂の含有量の下限値は、樹脂組成物の柔軟性を確保するという観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、10質量%が好ましく、25質量%がより好ましく、30質量%が更に好ましく、35質量%が更に一層好ましく、40質量%が殊更好ましく、45質量%が特に好ましく、50質量%がとりわけ好ましい。
【0051】
[(B)ビフェニル型エポキシ樹脂]
本発明において使用される(B)ビフェニル型エポキシ樹脂は特に限定されるものではないが、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂が好ましく、なかでも下記の式(7)で示すビフェニルジメチレン型エポキシ樹脂がより好ましい。これらは1種又は2種類以上組み合わせて使用してもよい。
【0052】
【化11】

(式中nは1〜10の整数を示す。)
【0053】
市販されているビフェニル型エポキシ樹脂としては、例えば、日本化薬(株)製「NC3100」、「NC3000」、「NC3000L」、「NC3000H」「NC3000FH」、ジャパンエポキシレジン(株)製「YX4000H」、「YL6121」などが挙げられる。
【0054】
ビフェニル型エポキシ樹脂の含有量の上限値は、硬化物が脆くなるのを防止するという観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、50質量%が好ましく、35質量%がより好ましく、20質量%が更に好ましく、15質量%が更に一層好ましく、13質量%が殊更好ましく、12質量%が特に好ましい。一方、ビフェニル型エポキシ樹脂の含有量の下限値は、メッキ密着性を向上させるという観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、3質量%が好ましく、5質量%がより好ましく7質量%が更に好ましい。
【0055】
本発明の樹脂組成物の硬化物のピール強度は、後述する<メッキ導体層の引き剥がし強さ(ピール強度)の測定>に記載の測定方法により把握することができる。本発明の樹脂組成物の硬化物のピール強度の上限値は、1.0kgf/cmが好ましく、2.0kgf/cmがより好ましく、5.0kgf/cmが更に好ましく、10.0kgf/cmが更に一層好ましい。一方、本発明の樹脂組成物の硬化物のピール強度の下限値は、0.2kgf/cmが好ましく、0.3kgf/cmがより好ましく、0.4kgf/cmが更に好ましい。
【0056】
本発明の樹脂組成物の硬化物の表面粗度は、後述する<粗化後の表面粗度(Ra値)の測定>に記載の測定方法により把握することができる。本発明の樹脂組成物の硬化物の表面粗度の上限値は、700nmが好ましく、600nmがより好ましく、500nmが更に好ましい。一方、本発明の樹脂組成物の硬化物の表面粗度の下限値は、100nmが好ましく、70nmがより好ましく、50nmが更に好ましい。
【0057】
[(C)硬化剤]
本発明の樹脂組成物は、更に(C)硬化剤を含有させる事により、樹脂組成物の硬化性、耐水性を向上させることが出来る。硬化剤としては、エポキシ樹脂を硬化させるものであれば特に制約はなく、例えば、フェノール系化合物、カルボン酸系化合物、酸無水物系化合物、アミン系化合物、ベンゾオキサジン系化合物、アミンイミド系化合物、シアネートエステル系化合物等がある。これら硬化剤の中でも、特にフェノール系化合物がより好ましい。
【0058】
フェノール系化合物としては、2個以上のフェノール基を有するものが好ましい。例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、レゾルシノール、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、パラキシリレン変性フェノール樹脂、メタキシリレン・パラキシリレン変性フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、シクロペンタジエン変性フェノール樹脂、多環芳香環変性フェノール樹脂、ナフタレン環含有フェノール樹脂、ビフェニル型フェノール樹脂、トリアジン構造含有フェノールノボラック樹脂などが挙げられる。これらは1種又は2種類以上組み合わせて使用してもよい。なかでも、ビフェニル型フェノール樹脂が好ましい。
【0059】
カルボン酸系化合物としては、2個以上のカルボキシル基を有するものが好ましい。例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、メチルナジック酸、ドデシルコハク酸、クロレンディック酸、マレイン酸、アジピン酸などの有機酸などが挙げられ、単独で、あるいは2種類以上混合して用いることができる。
【0060】
酸無水物系化合物としては、1個以上の酸無水物基を有するものが好ましい。例えば、無水フタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水メチルナジック酸、ドデシル無水コハク酸、無水クロレンディック酸、無水マレイン酸などが挙げられ、単独で、あるいは2種類以上混合して用いることができる。
【0061】
アミン系化合物は、エポキシ樹脂との付加反応、あるいは、エポキシ樹脂自身のアニオン重合を起こすための硬化剤として用いられる。例えば、ベンジルジメチルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−(ジメチルアミノメチル)フェノール等の3級アミン類や、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、またさらに、イミダゾール部位とシラノール部位をともに持つイミダゾールシラン化合物であるIM−1000(日鉱金属(株))やIS−1000(日鉱金属(株))、またさらには、4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル、3,3’−ジアミノジフェニルエ−テル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4、4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−アミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタンなどの芳香族アミン系化合物や、m−キシリレンジアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミンなどの脂肪族アミン系化合物、また、メラミン樹脂、2−ビニル−4,6−ジアミノ−s−トリアジンなどのトリアジン化合物、ジシアンジアミド等が挙げられる。
【0062】
ベンゾオキサジン系化合物としては、2個以上のベンゾオキサジン部位を有するものが好ましく、例えば、B−a型ベンゾオキサジン、B−b型ベンゾオキサジン(四国化成工業(株)製)などが挙げられる。
【0063】
アミンイミド系化合物としては、マレイミド化合物とアミン化合物を反応させて得られるものであり、特に、2個以上の2級アミノ基を有するものが好ましく、例えば、テクマイトE2020((株)プリンテック製)などが挙げられる。
【0064】
シアネートエステル系化合物としては、2個以上のシアネート基を有するものが好ましく、例えば、ロンザジャパン(株)製のPrimaset BADCY、Primaset BA230S、Primaset LECYなどが挙げられる。
【0065】
硬化剤を配合する場合の含有量は、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、1〜15質量%であるのが好ましく、2〜13質量%がより好ましく、3〜11質量%が更に好ましい。硬化剤の含有量が少なすぎると、硬化不足となり耐薬品性、耐熱性等に劣る傾向があり、多すぎると柔軟性が不足する傾向がある。
【0066】
[(D)無機充填材]
本発明の樹脂組成物は、さらに(D)無機充填材を含有させる事により、絶縁層の熱膨張率を低下させることができる。無機充填材は特に限定されるものではなく、例えば、シリカ、アルミナ、硫酸バリウム、タルク、マイカ、クレー、雲母粉、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、ホウ酸アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ビスマス、酸化チタン、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウムなどが挙げられる。なかでも、シリカが好ましい。また、無定形シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ、結晶シリカ、合成シリカ、中空シリカ等のシリカが好ましく、溶融シリカがより好ましい。また、シリカとしては球状のものが好ましい。これらは1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。
【0067】
無機充填材の平均粒径は、特に限定されるものではないが、無機充填材の平均粒径の上限値は、絶縁信頼性を向上させるという観点から、5μm以下が好ましく、1μm以下がより好ましく、0.7μm以下が更に好ましい。一方、無機充填材の平均粒径の下限値は、樹脂組成物を樹脂組成物ワニスとした場合に、ワニスの粘度が上昇し、取り扱い性が低下するのを防止するという観点から、0.05μm以上であるのが好ましい。
【0068】
上記無機充填材の平均粒径はミー(Mie)散乱理論に基づくレーザー回折・散乱法により測定することができる。具体的にはレーザー回折式粒度分布測定装置により、無機充填材の粒度分布を体積基準で作成し、そのメディアン径を平均粒径とすることで測定することができる。測定サンプルは、無機充填材を超音波により水中に分散させたものを好ましく使用することができる。レーザー回折式粒度分布測定装置としては、(株)堀場製作所製 LA−500等を使用することができる。
【0069】
本発明における無機充填材は、エポキシシランカップリング剤、アミノシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤等の表面処理剤で表面処理してその耐湿性を向上させたものが好ましい。これらは1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。表面処理剤としては、アミノプロピルメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)アミノプロビルトリメトキシシラン等のアミノシラン系カップリング剤、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、グリシジルブチルトリメトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン系カップリング剤、メルカトプロピルトリメトキシシラン、メルカトプロピルトリエトキシシラン等のメルカプトシラン系カップリング剤、メチルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メタクロキシプロピルトリメトキシシラン、イミダゾールシラン、トリアジンシラン等のシラン系カップリング剤、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサフェニルジシラザン、トリシラザン、シクロトリシラザン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメテルシクロトリシラザン等のオルガノシラザン化合物、ブチルチタネートダイマー、チタンオクチレングリコレート、ジイソプロポキシチタンビス(トリエタノールアミネート)、ジヒドロキシチタンビスラクテート、ジヒドロキシビス(アンモニウムラクテート)チタニウム、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、トリ−n−ブトキシチタンモノステアレート、テトラ−n−ブチルチタネート、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミドエチル・アミノエチル)チタネート等のチタネート系カップリング剤等が挙げられる。
【0070】
無機充填材を配合する場合の含有量は、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、樹脂組成物に要求される特性によっても異なるが、5〜60質量%であるのが好ましく、10〜50質量%がより好ましく、15〜40質量%が更に好ましい。無機充填材の含有量が少なすぎると、硬化物の熱膨張率が高くなる傾向にあり、含有量が大きすぎると硬化物が脆くなるという傾向やピール強度が低下する傾向にある。
【0071】
[(E)硬化促進剤]
本発明の樹脂組成物は、更に(E)硬化促進剤を含有させる事によりエポキシ樹脂等を効率的に硬化させることができる。本発明において使用される(E)硬化促進剤は、イミダゾール系硬化促進剤、アミン系硬化促進剤、ホスホニウム系硬化促進剤等が挙げられる。これらは1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。
【0072】
イミダゾール系硬化促進剤としては、特に制限はないが、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、 1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンズイミダゾール、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロライド、2−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン等のイミダゾール化合物及びイミダゾール化合物とエポキシ樹脂とのアダクト体が挙げられる。これらは1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。
【0073】
アミン系硬化促進剤としては、特に制限はないが、トリエチルアミン、トリブチルアミンなどのトリアルキルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、ベンジルジメチルアミン、2,4,6,−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン(以下、DBUと略記する。)、ジシアンジアミドなどのアミン化合物などが挙げられる。これらは1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。
【0074】
ホスホニウム系硬化促進剤としては、特に制限はないが、トリフェニルホスフィン、トリフェニルホスホニウムトリフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレートなどが挙げられる。これらは1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。
【0075】
硬化促進剤の含有量は、特に制限はないが、樹脂組成物中の不揮発成分100質量%に対し、0.005〜1質量%の範囲が好ましく、0.01〜0.5質量%の範囲がより好ましい。0.005質量%未満であると、硬化が遅くなり熱硬化時間が長く必要となる傾向にあり、1質量%を超えると樹脂組成物の保存安定性の低下、熱膨張率が増加する傾向となる。
【0076】
[(F)エポキシ樹脂(ビフェニル型エポキシ樹脂を除く)]
本発明の樹脂組成物は、更に(F)エポキシ樹脂(ビフェニル型エポキシ樹脂を除く)を含有させる事により、硬化性、耐水性を向上させることができる。(F)エポキシ樹脂(ビフェニル型エポキシ樹脂を除く)は、特に限定されるものではなく、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、tert-ブチル-カテコール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、トリメチロール型エポキシ樹脂、ハロゲン化エポキシ樹脂などが挙げられる。これらは1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。
【0077】
市販されているエポキシ樹脂としては、例えば、ジャパンエポキシレジン(株)製「jER828EL」、「YL980」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂)、ジャパンエポキシレジン(株)製「jER806H」、「YL983U」(ビスフェノールF型エポキシ樹脂)、ジャパンエポキシレジン(株)製「RXE21」(水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂)、ジャパンエポキシレジン(株)製「871」、「191P」(グリシジルエステル型エポキシ樹脂)、ジャパンエポキシレジン(株)製「604」、「630LSD」(グリシジルアミン型エポキシ樹脂)、DIC(株)製「HP4032」、「HP4032D](ナフタレン型2官能エポキシ樹脂)、ダイセル化学工業(株)製「PB−3600」(ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂)、DIC(株)製「HP7200H」、ダイセル化学工業(株)製セロキサイド「2021P」、「2081」、「3000」(脂環式エポキシ樹脂)、東都化成(株)製「ZX−1658」(シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂)、ジャパンエポキシレジン(株)製「157S70」(特殊ノボラック型エポキシ樹脂)、ジャパンエポキシレジン(株)製「YX8800」(アントラセン骨格含有型エポキシ樹脂)、ジャパンエポキシレジン(株)製「YL7410」、DIC(株)製「EXA−4816」、東都化成(株)製「YDC−1312」、「YSLV−80XY」、「YSLV−120TE」、「ZX−1598A」、「ESN−475V」などが挙げられる。
【0078】
本発明の樹脂組成物において、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、(B)ビフェニル型エポキシ樹脂と(F)エポキシ樹脂(ビフェニル型エポキシ樹脂を除く)の合計量は3〜50質量%であるのが好ましく、5〜35質量%がより好ましく、7〜20質量%が更に好ましい。(B)ビフェニル型エポキシ樹脂と(F)エポキシ樹脂(ビフェニル型エポキシ樹脂を除く)の合計量がこの範囲から外れると、樹脂組成物の硬化性が低下する傾向にある。
【0079】
[(G)ゴム粒子]
本発明の樹脂組成物は、更に(G)ゴム粒子を含有させる事により、粗化性を向上させ、硬化物のメッキピール強度を向上させることができる。本発明において使用されるゴム粒子は、例えば、当該樹脂組成物のワニスを調製する際に使用する有機溶剤にも溶解せず、必須成分であるエポキシ樹脂などとも相溶しないものである。従って、該ゴム粒子は、本発明の樹脂組成物のワニス中では分散状態で存在する。このようなゴム粒子は、一般には、ゴム成分の分子量を有機溶剤や樹脂に溶解しないレベルまで大きくし、粒子状とすることで調製される。
【0080】
本発明で使用され得るゴム粒子の好ましい例としては、コアシェル型ゴム粒子、架橋アクリロニトリルブタジエンゴム粒子、架橋スチレンブタジエンゴム粒子、アクリルゴム粒子などが挙げられる。コアシェル型ゴム粒子は、コア層とシェル層とを有するゴム粒子であり、例えば、外層のシェル層がガラス状ポリマーで構成され、内層のコア層がゴム状ポリマーで構成される2層構造、又は外層のシェル層がガラス状ポリマーで構成され、中間層がゴム状ポリマーで構成され、コア層がガラス状ポリマーで構成される3層構造のものなどが挙げられる。ガラス層は、例えば、メタクリル酸メチルの重合物などで構成され、ゴム状ポリマー層は、例えば、ブチルアクリレート重合物(ブチルゴム)などで構成される。ゴム粒子は2種以上を組み合わせて使用してもよい。コアシェル型ゴム粒子の具体例としては、スタフィロイドAC3832、AC3816N(商品名、ガンツ化成(株)製)、メタブレンKW−4426(商品名、三菱レイヨン(株)製)が挙げられる。架橋アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)粒子の具体例としては、XER−91(平均粒径0.5μm、JSR(株)製)などが挙げられる。架橋スチレンブタジエンゴム(SBR)粒子の具体例としては、XSK−500(平均粒径0.5μm、JSR(株)製)などが挙げられる。アクリルゴム粒子の具体例としては、メタブレンW300A(平均粒径0.1μm)、W450A(平均粒径0.2μm)(三菱レイヨン(株)製)を挙げることができる。
【0081】
配合するゴム粒子の平均粒径は、好ましくは0.005〜1μmの範囲であり、より好ましくは0.2〜0.6μmの範囲である。本発明で使用されるゴム粒子の平均粒径は、動的光散乱法を用いて測定することができる。例えば、適当な有機溶剤にゴム粒子を超音波などにより均一に分散させ、濃厚系粒径アナライザー(FPAR−1000;大塚電子(株)製)を用いて、ゴム粒子の粒度分布を質量基準で作成し、そのメディアン径を平均粒径とすることで測定することができる。
【0082】
ゴム粒子の含有量は、樹脂組成物中の不揮発成分100質量%に対し、1〜10質量%が好ましく、2〜5質量%がより好ましい。
【0083】
[(H)難燃剤]
本発明の樹脂組成物は、更に(H)難燃剤を含有させる事により、難燃性を付与することができる。難燃剤としては、例えば、有機リン系難燃剤、有機系窒素含有リン化合物、窒素化合物、シリコーン系難燃剤、金属水酸化物等が挙げられる。有機リン系難燃剤としては、三光(株)製のHCA、HCA−HQ、HCA−NQ等のフェナントレン型リン化合物、昭和高分子(株)製のHFB−2006M等のリン含有ベンゾオキサジン化合物、味の素ファインテクノ(株)製のレオフォス30、50、65、90、110、TPP、RPD、BAPP、CPD、TCP、TXP、TBP、TOP、KP140、TIBP、北興化学工業(株)製のPPQ、クラリアント(株)製のOP930、大八化学(株)製のPX200等のリン酸エステル化合物、東都化成(株)製のFX289、FX305等のリン含有エポキシ樹脂、東都化成(株)製のERF001等のリン含有フェノキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン(株)製のYL7613等のリン含有エポキシ樹脂等が挙げられる。有機系窒素含有リン化合物としては、四国化成工業(株)製のSP670、SP703等のリン酸エステルミド化合物、大塚化学(株)社製のSPB100、SPE100、(株)伏見製作所製FP−series等のホスファゼン化合物等が挙げられる。金属水酸化物としては、宇部マテリアルズ(株)製のUD65、UD650、UD653等の水酸化マグネシウム、巴工業(株)社製のB−30、B−325、B−315、B−308、B−303、UFH−20等の水酸化アルミニウム等が挙げられる。
【0084】
[他の成分]
本発明の樹脂組成物には、本発明の効果が発揮される範囲において、他の成分を配合することができる。他の成分の例としては、オルベン(白石工業(株)製)、ベントン(レオックス社製)等の増粘剤、シリコーン系、フッ素系又はアクリル系の消泡剤、レベリング剤、イミダゾール系、チアゾール系、トリアゾール系等の密着付与剤、シランカップリング剤等の表面処理剤、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、アイオジングリーン、ジスアゾイエロー、カーボンブラック等の着色剤、リン含有化合物、臭素含有化合物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等難燃剤、リン系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤等の酸化防止剤、ヘキサメチレントリペルオキシドジアミン、メタクロロ過安息香酸等の過酸化物を挙げることができる。
【0085】
本発明の樹脂組成物の調製方法は、特に限定されるものではなく、例えば、配合成分を、必要により溶媒等を添加し、回転ミキサーなどを用いて混合する方法などが挙げられる。
【0086】
本発明の樹脂組成物の用途は、特に限定されないが、接着フィルム、プリプレグ等の絶縁樹脂シート、多層プリント配線板、粘着剥離フィルム、ソルダーレジスト、アンダ−フィル材、カバーレイ、ダイボンディング材、半導体封止材、穴埋め樹脂、部品埋め込み樹脂等、樹脂組成物が必要とされる用途の広範囲に使用できる。なかでも、多層プリント配線板や半導体パッケージの製造において絶縁層を形成するために好適に使用することができる。本発明の樹脂組成物は、ワニス状態で回路基板に塗布して絶縁層を形成することもできるが、工業的には一般に、接着フィルム、プリプレグ等のシート状積層材料の形態で用いるのが好ましい。樹脂組成物の軟化点は、シート状積層材料のラミネート性の観点から40〜150℃が好ましい。
【0087】
[接着フィルム]
本発明の接着フィルムは、当業者に公知の方法、例えば、有機溶剤に樹脂組成物を溶解した樹脂ワニスを調製し、この樹脂ワニスを、ダイコーターなどを用いて、支持体に塗布し、更に加熱、あるいは熱風吹きつけ等により有機溶剤を乾燥させて樹脂組成物層を形成させることにより製造することができる。
【0088】
有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート等の酢酸エステル類、セロソルブ、ブチルカルビトール等のカルビトール類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。有機溶剤は1種又は2種以上を組みわせて用いてもよい。
【0089】
乾燥条件は特に限定されないが、樹脂組成物層への有機溶剤の含有量が10質量%以下、好ましくは5質量%以下となるように乾燥させる。ワニス中の有機溶剤量、有機溶剤の沸点によっても異なるが、30〜60質量%の有機溶剤を含むワニスを50〜150℃で3〜10分で乾燥させることにより、樹脂組成物層が形成することが好ましい。
【0090】
接着フィルムにおいて形成される樹脂組成物層の厚さは、導体層の厚さ以上とするのが好ましい。回路基板が有する導体層の厚さは通常5〜70μmの範囲であるので、樹脂組成物層は10〜100μmの厚さを有するのが好ましい。
【0091】
支持体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等のポリオレフィンのフィルム、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と略称することがある。)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルのフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルムなどの各種プラスチックフィルムが挙げられる。また離型紙や銅箔、アルミニウム箔等の金属箔などを使用してもよい。支持体及び後述する保護フィルムには、マッド処理、コロナ処理等の表面処理が施してあってもよい。また、シリコーン樹脂系離型剤、アルキッド樹脂系離型剤、フッ素樹脂系離型剤等の離型剤で離型処理が施してあってもよい。
【0092】
支持体の厚さは特に限定されないが、10〜150μmが好ましく、25〜50μmがより好ましい。
【0093】
樹脂組成物層の支持体が密着していない面には、支持体に準じた保護フィルムをさらに積層することができる。保護フィルムの厚みは、特に限定されるものではないが、例えば、1〜40μmである。保護フィルムを積層することにより、樹脂組成物層の表面へのゴミ等の付着やキズを防止することができる。保護フィルムを積層後、ロール状に巻きとって貯蔵することもできる。
【0094】
[接着フィルムを用いた多層プリント配線板]
次に、上記のようにして製造した接着フィルムを用いて多層プリント配線板を製造する方法の一例を説明する。
【0095】
まず、接着フィルムを、真空ラミネーターを用いて回路基板の片面又は両面にラミネートする。回路基板に用いられる基板としては、例えば、ガラスエポキシ基板、金属基板、ポリエステル基板、ポリイミド基板、BTレジン基板、熱硬化型ポリフェニレンエーテル基板等が挙げられる。なお、ここで回路基板とは、上記のような基板の片面又は両面にパターン加工された導体層(回路)が形成されたものをいう。また導体層と絶縁層とを交互に積層してなる多層プリント配線板において、該多層プリント配線板の最外層の片面又は両面がパターン加工された導体層(回路)となっているものも、ここでいう回路基板に含まれる。なお導体層表面には、黒化処理、銅エッチング等により予め粗化処理が施されていてもよい。
【0096】
上記ラミネートにおいて、接着フィルムが保護フィルムを有している場合には該保護フィルムを除去した後、必要に応じて接着フィルム及び回路基板をプレヒートし、接着フィルムを加圧及び加熱しながら回路基板に圧着する。本発明の接着フィルムにおいては、真空ラミネート法により減圧下で回路基板にラミネートする方法が好適に用いられる。ラミネートの条件は、特に限定されるものではないが、例えば、圧着温度(ラミネート温度)を好ましくは70〜140℃、圧着圧力を好ましくは1〜11kgf/cm(9.8×10〜107.9×10N/m)とし、空気圧20mmHg(26.7hPa)以下の減圧下でラミネートするのが好ましい。また、ラミネートの方法は、バッチ式であってもロールでの連続式であってもよい。真空ラミネートは、市販の真空ラミネーターを使用して行うことができる。市販の真空ラミネーターとしては、例えば、ニチゴー・モートン(株)製バキュームアップリケーター、(株)名機製作所製真空加圧式ラミネーター、(株)日立インダストリイズ製ロール式ドライコータ、日立エーアイーシー(株)製真空ラミネーター等を挙げることができる。
【0097】
また、減圧下、加熱及び加圧を行う積層工程は、一般の真空ホットプレス機を用いて行うことも可能である。例えば、加熱されたSUS板等の金属板を支持体層側からプレスすることにより行うことができる。
【0098】
プレス条件は、減圧度を通常1×10−2 MPa以下、好ましくは1×10−3 MPa以下の減圧下とする。加熱及び加圧は、1段階で行うことも出来るが、樹脂のしみだしを制御する観点から2段階以上に条件を分けて行うのが好ましい。例えば、1段階目のプレスを、温度が70〜150℃、圧力が1〜15kgf/cm2 の範囲、2段階目のプレスを、温度が150〜200℃、圧力が1〜40kgf/cm2 の範囲で行うのが好ましい。各段階の時間は30〜120分で行うのが好ましい。市販されている真空ホットプレス機としては、例えば、MNPC−V−750−5−200(株)名機製作所製)、VH1−1603(北川精機(株)製)等が挙げられる。
【0099】
接着フィルムを回路基板にラミネートした後、室温付近に冷却してから、支持体を剥離する場合は剥離し、熱硬化することにより回路基板に絶縁層を形成することができる。熱硬化の条件は、樹脂組成物中の樹脂成分の種類、含有量などに応じて適宜選択すればよいが、好ましくは150℃〜220℃で20分〜180分、より好ましくは160℃〜200℃で30〜120分の範囲で選択される。
【0100】
絶縁層を形成した後、硬化前に支持体を剥離しなかった場合は、ここで剥離する。次いで必要により、回路基板上に形成された絶縁層に穴開けを行ってビアホール、スルーホールを形成する。穴あけは、例えば、ドリル、レーザー、プラズマ等の公知の方法により、また必要によりこれらの方法を組み合わせて行うことができるが、炭酸ガスレーザー、YAGレーザー等のレーザーによる穴あけが最も一般的な方法である。
【0101】
次いで、乾式メッキ又は湿式メッキにより絶縁層上に導体層を形成する。乾式メッキとしては、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等の公知の方法を使用することができる。湿式メッキの場合は、まず、硬化した樹脂組成物層(絶縁層)の表面を、過マンガン酸塩(過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウム等)、重クロム酸塩、オゾン、過酸化水素/硫酸、硝酸等の酸化剤で粗化処理し、凸凹のアンカーを形成する。酸化剤としては、特に過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウム等の水酸化ナトリウム水溶液(アルカリ性過マンガン酸水溶液)が好ましく用いられる。次いで、無電解メッキと電解メッキとを組み合わせた方法で導体層を形成する。また導体層とは逆パターンのメッキレジストを形成し、無電解メッキのみで導体層を形成することもできる。その後のパターン形成の方法として、例えば、当業者に公知のサブトラクティブ法、セミアディティブ法などを用いることができる。
【0102】
[プリプレグ]
本発明のプリプレグは、本発明の樹脂組成物を繊維からなるシート状補強基材にホットメルト法又はソルベント法により含浸させ、加熱して半硬化させることにより製造することができる。すなわち、本発明の樹脂組成物が繊維からなるシート状補強基材に含浸した状態となるプリプレグとすることができる。繊維からなるシート状補強基材としては、例えば、ガラスクロスやアラミド繊維等のプリプレグ用繊維として常用されている繊維からなるものを用いることができる。
【0103】
ホットメルト法は樹脂を、有機溶剤に溶解することなく、該樹脂との剥離性の良い塗工紙に一旦コーティングし、それをシート状補強基材にラミネートする、あるいは樹脂を、有機溶剤に溶解することなく、ダイコーターによりシート状補強基材に直接塗工するなどして、プリプレグを製造する方法である。またソルベント法は、接着フィルムと同様にして樹脂を有機溶剤に溶解して樹脂ワニスを調製し、このワニスにシート状補強基材を浸漬し、樹脂ワニスをシート状補強基材に含浸させ、その後乾燥させる方法である。
【0104】
[プリプレグを用いた多層プリント配線板]
次に、上記のようにして製造したプリプレグを用いて多層プリント配線板を製造する方法の一例を説明する。回路基板に本発明のプリプレグを1枚あるいは必要により数枚重ね、離型フィルムを介して金属プレートで挟み、加圧・加熱条件下で真空プレス積層する。加圧・加熱条件は、好ましくは、圧力が5〜40kgf/cm(49×10〜392×10N/m)、温度が120〜200℃で20〜100分である。また接着フィルムと同様に、プリプレグを真空ラミネート法により回路基板にラミネートした後、加熱硬化することも可能である。その後、上記で記載した方法と同様にして、硬化したプリプレグ表面を粗化した後、導体層をメッキにより形成して多層プリント配線板を製造することができる。
【0105】
[粘着剥離フィルム]
本発明の粘着剥離フィルムは、当業者に公知の方法、例えば、有機溶剤に樹脂組成物を溶解した樹脂ワニスを調製し、この樹脂ワニスを、ダイコーターなどを用いて支持体に塗布し、更に加熱、あるいは熱風吹きつけ等を行って有機溶剤の乾燥および樹脂組成物自身の硬化を行うことで製造することができる。このとき、加熱条件を調整することで、樹脂組成物層の粘着力および剥離力をコントロールすることができる。
【0106】
有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、カルビトールアセテート等の酢酸エステル類、セロソルブ、ブチルカルビトール等のカルビトール類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられる。有機溶剤は1種又は2種以上を組みわせて用いてもよい。
【0107】
乾燥硬化条件は特に限定されないが、少なくとも、乾燥硬化後の樹脂組成物層中の有機溶剤の含有量が5質量%以下となり、かつ、アセトン等の有機溶剤を染み込ませたウエスで軽くこすっても樹脂が溶け出ない程度まで乾燥硬化させることが好ましい。ワニス中の有機溶剤量、有機溶剤の沸点によっても異なるが、30〜60質量%の有機溶剤を含むワニスを50〜200℃で3〜90分加熱することにより、樹脂組成物層を形成することができる。
【0108】
粘着剥離フィルムにおいて形成される樹脂組成物層の厚さは、とくに限定されるものではないが、1〜100μmの厚さを有するのが好ましい。
【0109】
支持体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等のポリオレフィンのフィルム、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と略称することがある。)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルのフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルムなどの各種プラスチックフィルムが挙げられる。また離型紙や銅箔、アルミニウム箔等の金属箔などを使用してもよい。また支持体には、マッド処理、コロナ処理等の表面処理が施してあってもよい。
【0110】
支持体の厚さは特に限定されないが、5〜150μmが好ましく、10〜50μmがより好ましい。
【0111】
樹脂組成物層の支持体が密着していない面には、支持体に準じた保護フィルムをさらに積層することができる。保護フィルムの厚みは、特に限定されるものではないが、例えば、1〜40μmである。また、シリコーン樹脂系離型剤、アルキッド樹脂系離型剤、フッ素樹脂系離型剤等の離型剤で離型処理が施してあってもよい。保護フィルムを積層することにより、樹脂組成物層の表面へのゴミ等の付着やキズを防止することができる。粘着剥離フィルムは、保護フィルムを積層した後、ロール状に巻きとって貯蔵することもできる。
【0112】
本粘着剥離フィルムは、支持体にポリイミドフィルム等の耐熱フィルムを選定して製造することで、半導体パッケージ製造の樹脂モールド工程における半導体チップの回路面の保護や、フレキシブルディスプレイ製造のトランジスタ形成におけるガラス基材への固定に用いることができる。
【0113】
[粘着剥離フィルムを用いた半導体パッケージの製造法]
次に、上記のようにして製造した粘着剥離フィルムを用いて半導体パッケージを製造する方法の一例を説明する。まず、予め、支持体には耐熱性のあるポリイミドフィルムを使用して粘着剥離フィルムを製造する。続いて、この粘着剥離フィルムの樹脂組成物層の上に、半導体チップを回路面が樹脂組成物層に接するよう粘着させる。そして引き続き、半導体チップの上から樹脂をモールドし硬化させる。モールドの条件はモールド樹脂の作業に合わせて任意に適用でき、例えば一般的な、150〜220℃の範囲で実施できる。最後に、粘着剥離フィルムを剥離することで、回路面をモールド樹脂で汚すことなく半導体パッケージを製造することができる。
【0114】
[半導体装置]
本発明の樹脂組成物を用いることで、半導体装置を作製することができる。本発明の半導体装置は、多層プリント配線板上の接続用電極部分に半導体素子を接合し樹脂封止することにより作られるが、本発明の多層プリント配線板を用いることができ、また、本発明の樹脂組成物を用いて樹脂封止することができる。半導体素子の搭載方法は、特に限定されないが、例えば、ワイヤボンディング実装、フリップチップ実装、異方性導電フィルム(ACF)による実装、非導電性フィルム(NCF)による実装などが挙げられる。また、樹脂封止の方法としては、固形樹脂組成物を用いたトランスファー成型法、樹脂ワニスを用いたディスペンス法や印刷法、厚めの接着フィルムを半導体の上からラミネートし封止する方法などが挙げられる。
【0115】
[ウェハレベルパッケージ]
本発明の樹脂組成物を用いることで、低反り性の優れたウエハレベルパッケージを作製することができ、片面積層のウエハレベルパッケージの作製も可能となる。ウエハレベルパッケージには種々の構造が考案されているが、ファンイン構造とファンアウト構造に大別することができる。
【0116】
ファンイン構造のウエハレベルパッケージの製造方法の一例としては、以下の工程を含む方法が挙げられる。
(1)シリコンウェハ上に回路や電極パッドを形成する工程。
(2)シリコンウェハ上に本発明の接着フィルムを積層する工程。
(3)接着フィルムを硬化し、穴あけを行い、デスミア処理を行い、無電解メッキ及び電解メッキにより再配線層を形成する工程。
(4)必要に応じて、この再配線層の上から更に、(2)および(3)を繰り返す工程。
(5)再配線層上に半田ボールを形成する工程。
(6)ダイシングを行う工程。
【0117】
他のファンイン構造のウエハレベルパッケージの製造方法の一例としては、例えば、特許第3618330号に記載された方法が挙げられ、以下の工程を含む方法が挙げられる。
(1) 所定の機能を有する回路素子およびこの回路素子上に電気的に接続されている複数の電極パッドを形成したシリコンウエハを作成する工程。
(2) シリコンウエハ上の電極パッド部の上面に柱状電極を形成する工程。
(3) 柱状電極面側から本発明の接着フィルムを貼り合わせて硬化させ、絶縁層を形成する工程。
(4) 絶縁層と柱状電極の上面部を適宜に研磨除去して柱状電極の上面を露出させる工程。
(5)露出した柱状電極の上面にハンダボールを形成する工程。
(6)ダイシングを行う工程。
【0118】
ファンアウト構造のウエハレベルパッケージの製造方法の一例としては、以下の工程を含む方法が挙げられる。
(1)シリコンウェハをダイシングし、チップ個片を作成する工程。
(2)チップ個片を支持体上に接着フィルムを介して固定する工程。
(3)本発明の接着フィルムをチップ個片側から積層する工程。
(4)接着フィルムを硬化し、穴あけを行い、デスミア処理を行い、無電解メッキ及び電解メッキにより再配線層を形成する工程。
(5)必要に応じて、更に接着フィルムを積層する工程。
(6)再配線層上に半田ボールを形成する工程。
【0119】
他のファンアウト構造のウエハレベルパッケージの製造方法の一例としては、例えば、特開2005−167191に記載された方法が挙げられ、以下の工程を含む方法が挙げられる。
(1)所定の機能を有する回路素子およびこの回路素子上に電気的に接続されている複数の電極パッドを形成したシリコンウエハを作成する工程。
(2)ダイシングを経て半導体チップ個片を作成する工程。
(3)半導体チップを半導体チップ間の距離が後のステップでファンアウトボールアレイを形成するために十分な空間を有するような位置関係で、支持体上の接着フィルムを介して広く配置し固定する工程。
(4)半導体チップが固定されている面側から半導体チップ間を充填するように本発明の接着フィルムを積層する工程。
(5)接着フィルムを硬化し、半導体チップのパッド上の絶縁層をエッチングし、開口を形成し、導電層を開口部内に形成する工程。
(6)フォトレジストを用いて絶縁層の上にファンアウトパターンと電極を形成し、電極パッドの上にハンダボールを形成する工程。
【0120】
[LED搭載回路基板]
本発明の樹脂組成物を用いることで、高接着性、耐電圧性に優れたLED搭載回路基板を作製することができる。LED搭載回路基板には種々の構造が考案されているが、例えば、以下の工程を含むことができる。
(1)片面にパターン形成されたフレキシブル回路基板を作成する。フレキシブル回路基板の基材には光反射材としての機能も有する白色化したポリイミドフィルム、LCPフィルム、あるいは、LED発光部位を目立たせる効果を有する黒色化したポリイミドフィルムなどが例示される。
(2)フレキシブル回路基板の上に絶縁保護膜を形成する。絶縁保護膜には、高い光反射機能を有する白色化した絶縁膜や、LED発光部位を目立たせる効果を有する黒色化した絶縁膜が用いられる。また、この絶縁膜形成は、1)本樹脂組成物に白色顔料あるいは黒色顔料を加えたインクを作成し回路面にスクリーン印刷し硬化させて形成する、2)本樹脂組成物に白色顔料あるいは黒色顔料を加えたものを支持体に塗布して接着フィルムを作成し、これを所定のパターン形状に打ち抜き、回路面に貼り合わせ硬化させて形成する、3)白色化したポリイミドフィルムあるいはLCPフィルムあるいは黒色化したポリイミドフィルムを支持体とした接着フィルムを作成し、これを所定のパターン形状に打ち抜き、回路面に貼り合わせ硬化させて形成する、ことができる。
(3)フレキシブル回路基板の裏面に本発明の接着フィルムを貼り合わせて積層体を形成する。
(4)積層体に、LED搭載用の貫通穴を形成する。
(5)積層体の接着フィルム側に、放熱板を貼り合わせる。放熱板はアルミニウム板や銅板が例示される。
(6)接着フィルムを硬化させる。
(7)積層体の貫通穴の底に露出した放熱板上に、高熱伝導ペーストを塗布してLEDを搭載する。
(8)高熱伝導ペーストを硬化させ、LEDとフレキシブル回路基板の配線をワイヤーボンディングにより接続する。
【実施例】
【0121】
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0122】
<サンプル調整方法・測定方法>
まずはサンプル調整方法・測定方法について説明する。
【0123】
<ピール強度及び表面粗度(Ra値)測定用サンプルの調製>
(1)内層回路基板の下地処理
内層回路を形成したガラス布基材エポキシ樹脂両面銅張積層板(銅箔の厚さ18μm、基板厚み0.3mm、松下電工(株)製R5715ES)の両面をメック(株)製CZ8100に浸漬して銅表面の粗化処理をおこなった。
【0124】
(2)接着フィルムのラミネート
実施例及び比較例で作成した接着フィルムを、バッチ式真空加圧ラミネーターMVLP-500(名機(株)製商品名)を用いて、内層回路基板の両面にラミネートした。ラミネートは、30秒間減圧して、温度120℃、圧力7kgf/cm2、気圧5mmHg以下の条件で行った。
【0125】
(3)樹脂組成物の硬化
ラミネートされた接着フィルムからPETフィルムを剥離し、180℃、30分の硬化条件で樹脂組成物を硬化し絶縁層を形成した。
【0126】
(4)粗化処理
絶縁層を形成した内層回路基板を、膨潤液である、アトテックジャパン(株)のジエチレングリコールモノブチルエーテル含有のスエリングディップ・セキュリガンドPに60℃で5分間浸漬し、次に粗化液として、アトテックジャパン(株)のコンセントレート・コンパクトP(KMnO4:60g/L、NaOH:40g/Lの水溶液)に80℃で5分間浸漬、最後に中和液として、アトテックジャパン(株)のリダクションショリューシン・セキュリガントPに40℃で5分間浸漬した。この粗化処理後の回路基板をサンプル1とした。
【0127】
(5)セミアディティブ工法によるメッキ
絶縁層表面に回路を形成するために、内層回路基板を、PdClを含む無電解メッキ用溶液に浸漬し、次に無電解銅メッキ液に30分間浸漬して、1.5μmの無電解銅皮膜を形成させた。これを150℃にて30分間加熱してアニール処理を行った後に、酸洗浄し、含リン銅版をアノードとし、陰極電流密度2.0A/dm2で12分間電解銅メッキを行ない、銅メッキ皮膜を形成させた。その後さらに180℃30分アニール処理を行った。導体メッキ厚は約25μmとした。この回路基板をサンプル2とした。
【0128】
<粗化後の表面粗度(Ra値)の測定>
サンプル1を非接触型表面粗さ計(ビーコインスツルメンツ社製WYKO NT3300)を用いて、VSIコンタクトモード、50倍レンズにより測定範囲を121μm×92μmとして得られる数値によりRa値を求めた。そして、無作為に選んだ測定点の平均値を求めることにより測定した。なお、表1で、測定できなかったものは「−」と示し、測定を行わなかったものを「×」と示した。
【0129】
<メッキ導体層の引き剥がし強さ(ピール強度)の測定>
サンプル2をJIS C6481に準じて評価した。回路基板の導体層に、幅10mm、長さ100mmの部分の切込みをいれ、この一端を剥がしてつかみ具(株式会社ティー・エス・イー、オートコム型試験機 AC−50C−SL)で掴み、室温中にて、50mm/分の速度で垂直方向に35mmを引き剥がした時の荷重(kgf/cm)を測定した。なお、表1で、測定できなかったものは「−」と示した。
【0130】
[合成例1]
環流冷却器を連結した水分定量受器、窒素導入管、攪拌器を備えた500mLのセパラブルフラスコに、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(以下、BTDAという)を20質量部、γブチロラクトンを70.9質量部、トルエンを7質量部、ジアミノシロキサンX−22−9409(信越化学工業(株)製)を72.9質量部(アミン当量665)、2,6−ビス(1−ヒドロキシ−1−トリフルオロメチル−2,2,2−トリフルオロエチル)−1,5−ナフタレンジアミン(以下、HFA-NAPという)を2.7質量部加えて窒素気流下で45℃にて2時間攪拌して反応を行った。次いでこの反応溶液を昇温し、約160℃に保持しながら窒素気流下で縮合水をトルエンとともに共沸除去した。水分定量受器に所定量の水がたまっていること、水の流出が見られなくなっていることを確認したところでさらに昇温し、200℃で1時間攪拌した。その後冷却して終了とし、HFA基を有するポリイミド樹脂(A1)を55質量%含むワニスを作製した。この場合の、樹脂中のシロキサン構造の含有量は78.0質量%で、HFA当量は8392g/molである。
【0131】
得られたポリイミド樹脂ワニスを銅板上に塗布し、75℃から120℃まで12分間かけて昇温させ、さらに180℃、90分加熱して乾燥させた。この塗膜について、反射法により赤外吸光スペクトルを測定したところ、未反応の官能基があることを示すポリアミック酸に基づく吸収は現れず、1780cm-1及び1720cm-1にイミド基に基づく吸収を確認し、3300〜3500cm-1にHFA基由来の水酸基の吸収を確認した。また、得られたポリイミド樹脂ワニスを36mg計り取り、リチウムブロマイドを0.4質量%溶解させたN−メチルピロリドンに混合して、全体が5gとなるよう調整した。この調整溶液を用いてGPC測定を行ったところ、Mn=23068、Mw=30512であった。
【0132】
[合成例2]
環流冷却器を連結した水分定量受器、窒素導入管、攪拌器を備えた500mLのセパラブルフラスコに、BTDAを20質量部、γブチロラクトンを70.1質量部、トルエンを7質量部、ジアミノシロキサンX−22−9409(信越化学工業(株)製)を61.5質量部(アミン当量665)、HFA-NAPを7.4質量部加えて窒素気流下で45℃にて2時間攪拌して反応を行った。次いでこの反応溶液を昇温し、約160℃に保持しながら窒素気流下で縮合水をトルエンとともに共沸除去した。水分定量受器に所定量の水がたまっていること、水の流出が見られなくなっていることを確認したところでさらに昇温し、200℃で1時間攪拌した。その後冷却して終了とし、HFA基を有するポリイミド樹脂(A2)を55質量%含むワニスを作製した。この場合の、樹脂中のシロキサン構造の含有量は70.6質量%で、HFA当量は2881g/molである。
【0133】
得られたポリイミド樹脂ワニスを銅板上に塗布し、75℃から120℃まで12分間かけて昇温させ、さらに180℃、90分加熱して乾燥させた。この塗膜について、反射法により赤外吸光スペクトルを測定したところ、未反応の官能基があることを示すポリアミック酸に基づく吸収は現れず、1780cm-1及び1720cm-1にイミド基に基づく吸収を確認し、3300〜3500cm-1にHFA基由来の水酸基の吸収を確認した。また、得られたポリイミド樹脂ワニスを36mg計り取り、リチウムブロマイドを0.4質量%溶解させたN−メチルピロリドンに混合して、全体が5gとなるよう調整した。この調整溶液を用いてGPC測定を行ったところ、Mn=13135、Mw=35245であった。
【0134】
[合成例3]
環流冷却器を連結した水分定量受器、窒素導入管、攪拌器を備えた500mLのセパラブルフラスコに、BTDAを20質量部、γブチロラクトンを74.6質量部、トルエンを7質量部、ジアミノシロキサンX−22−9409(信越化学工業(株)製)を69.3質量部(アミン当量655)、HFA-NAPを4.1質量部加えて窒素気流下で45℃にて2時間攪拌して反応を行った。次いでこの反応溶液を昇温し、約160℃に保持しながら窒素気流下で縮合水をトルエンとともに共沸除去した。水分定量受器に所定量の水がたまっていること、水の流出が見られなくなっていることを確認したところでさらに昇温し、200℃で1時間攪拌した。その後冷却して終了とし、HFA基を有するポリイミド樹脂(A3)を55質量%含むワニスを作製した。この場合の、樹脂中のシロキサン構造の含有量は70.6質量%で、HFA当量は5458g/molである。
【0135】
[合成例4]
環流冷却器を連結した水分定量受器、窒素導入管、攪拌器を備えた500mLのセパラブルフラスコに、BTDAを30質量部、γブチロラクトンを75.9質量部、トルエンを10質量部、ジアミノシロキサンKF−8010(信越化学工業(株)製)を49.9質量部(アミン当量440)、バーサミン551(アミン当量250)を10.1質量部、HFA-NAPを5.95質量部加えて窒素気流下で45℃にて2時間攪拌して反応を行った。次いでこの反応溶液を昇温し、約160℃に保持しながら窒素気流下で縮合水をトルエンとともに共沸除去した。水分定量受器に所定量の水がたまっていること、水の流出が見られなくなっていることを確認したところでさらに昇温し、200℃で1時間攪拌した。その後冷却して終了とし、HFA基を有するポリイミド樹脂(A4)を55質量%含むワニスを作製した。この場合の、樹脂中のシロキサン構造の含有量は53.8質量%で、HFA当量は3817g/molである
【0136】
得られたポリイミド樹脂ワニスを銅板上に塗布し、75℃から120℃まで12分間かけて昇温させ、さらに180℃、90分加熱して乾燥させた。この塗膜について、反射法により赤外吸光スペクトルを測定したところ、未反応の官能基があることを示すポリアミック酸に基づく吸収は現れず、1780cm-1及び1720cm-1にイミド基に基づく吸収を確認し、3300〜3500cm-1にHFA基由来の水酸基の吸収を確認した。また、得られたポリイミド樹脂ワニスを36mg計り取り、リチウムブロマイドを0.4質量%溶解させたN−メチルピロリドンに混合して、全体が5gとなるよう調整した。この調整溶液を用いてGPC測定を行ったところ、Mn=18200、Mw=32792であった。
【0137】
[合成例5]
環流冷却器を連結した水分定量受器、窒素導入管、攪拌器を備えた500mLのセパラブルフラスコに、BTDAを23質量部、γブチロラクトンを29.5質量部、イプゾール150を29.5質量部、トルエンを7質量部、ジアミノシロキサンKF−8010(信越化学工業(株)製)を49.1質量部(アミン当量440)仕込み、窒素気流下で45℃にて1時間攪拌して反応を行い、さらに続いて、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン(以下、C−100という)を2.6質量部加えて45℃にて2時間攪拌して反応を行った。次いでこの反応溶液を昇温し、約160℃に保持しながら窒素気流下で縮合水をトルエンとともに共沸除去した。水分定量受器に所定量の水がたまっていること、水の流出が見られなくなっていることを確認したところでさらに昇温し、200℃で1時間攪拌した。その後冷却して終了とし、官能基を有さないポリイミド樹脂(A5)を50重量%含むワニスを作製した。この場合、樹脂中のシロキサン構造の含有量は68.0重量%である。
【0138】
得られたポリイミド樹脂ワニスを銅板上に塗布し、75℃から120℃まで12分間かけて昇温させ、さらに180℃、90分加熱して乾燥させた。この塗膜について、反射法により赤外吸光スペクトルを測定したところ、未反応の官能基があることを示すポリアミック酸に基づく吸収は現れず、1780cm-1及び1720cm-1にイミド基に基づく吸収を確認した。また、得られたポリイミド樹脂ワニスを36mg計り取り、リチウムブロマイドを0.4重量%溶解させたN−メチルピロリドンに混合して、全体が5gとなるよう調製した。この調製溶液を用いてGPC測定を行ったところ、Mn=38052、Mw=110120であった。
【0139】
[実施例1〜4、比較例1〜4]
エポキシ樹脂、上記合成例1〜5に従って合成した樹脂、必要により硬化剤、硬化促進剤、無機充填材を、表に示す配合量(固形分の質量部で表示)で混合し、遠心脱泡混合機(商品名「泡取り練太郎」、(株)シンキー製)を用いて攪拌混合を行って樹脂組成物を得た。エポキシ樹脂として、ESN−475V(東都化成(株)製)、YL7410(ジャパンエポキシレジン(株)製)、NC3000H、NC3000FH(日本化薬(株)製)、EXA4816(DIC(株)製)を用いた。硬化剤として、ビフェニル型フェノールノボラック樹脂MEH−7851−4H(明和化成(株)製)、EXB9500(DIC(株)製)、ジシアンジアミド エピキュアDICY7(ジャパンエポキシレジン(株)製)を用いた。硬化促進剤として、イミダゾール系P200H50(ジャパンエポキシレジン(株)製)を用いた。無機充填材として、球状シリカSO−C2((株)アドマテックス製)、IXE770D(東亜合成(株)製)を用いた。なお、必要に応じて溶剤を混合使用した。ついで、得られた樹脂組成物を、離型処理を施した厚み38μmのPETフィルムの上に、樹脂組成物を、乾燥後の厚みが40μmになるようダイコータを用いて塗布した。塗布後、75〜120℃で12分間乾燥することで樹脂組成物層が形成された接着フィルムを作製した。
【0140】
表1に結果を示す。
【0141】
【表1】

【0142】
表1の結果から、実施例のように、(A)官能基を有するシロキサンイミド樹脂と(B)ビフェニル型エポキシ樹脂を併用した場合は、高いピール強度と低い表面粗度を両立できた事が分かる。一方、比較例1、2のように(B)ビフェニル型エポキシ樹脂を配合しない場合は、表面粗度が非常に大きくなり、メッキが膨れてしまったためピール強度の測定が出来ないものとなった。比較例3は、(A)官能基を有するシロキサンイミド樹脂が配合されていないため、接着フィルムが脆くなってしまい、ピール強度と表面粗度の評価を行うことができなかった。比較例4は、官能基を有さないシロキサンイミド樹脂であるため、めっきが密着せず膨れてしまい、ピール強度の測定ができなかった。
【産業上の利用可能性】
【0143】
特定のシロキサンイミド樹脂とエポキシ樹脂を含有する樹脂組成物を使用することによって、湿式粗化工程において絶縁層表面の粗度が小さく、その上に十分なピール強度を有するめっき導体層を形成することができる樹脂組成物、接着フィルム、プリプレグ、多層プリント配線板を提供できるようになった。更にこれらを搭載した、半導体装置、コンピューター、携帯電話、デジタルカメラ、テレビ、等の電気製品や、自動二輪車、自動車、電車、船舶、航空機、等の乗物も提供できるようになった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)官能基を有するシロキサンイミド樹脂、(B)ビフェニル型エポキシ樹脂を含有することを特徴とする樹脂組成物。
【請求項2】
(A)官能基を有するシロキサンイミド樹脂が、ヘキサフルオロイソプロパノール基含有シロキサンイミド樹脂、フェノール基含有シロキサンイミド樹脂、ビニル基含有シロキサンイミド樹脂から選択される1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
(A)官能基を有するシロキサンイミド樹脂が、下式(1)及び(2)

(式中、R1は4価の有機基を示し、R2はヘキサフルオロイソプロパノール基を有する2価のジアミン残基、R3は2価のシロキサンジアミン残基を示す。式(1)で表される繰り返し単位の一分子中の繰り返し数Mは1以上100以下(1≦M≦100)の整数であり、式(2)で表される繰り返し単位の一分子中の繰り返し数Nは1以上100以下(1≦N≦100)の整数である。)
で表される繰り返し単位を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、(A)官能基を有するシロキサンイミド樹脂の含有量が、10〜80質量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【請求項5】
樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、(B)ビフェニル型エポキシ樹脂の含有量が、3〜50質量%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【請求項6】
更に、(C)硬化剤を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含有する接着フィルム。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含有するプリプレグ。
【請求項9】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含有する多層プリント配線板。
【請求項10】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含有する半導体装置。
【請求項11】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含有するウェハレベルパッケージ。
【請求項12】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含有するLED搭載回路基板。

【公開番号】特開2011−256372(P2011−256372A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−99798(P2011−99798)
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(000000066)味の素株式会社 (887)
【Fターム(参考)】