説明

移動ロボット

【課題】重心が高い位置にもかかわらず急発進または急停止した場合に転倒することを防止する。
【解決手段】移動ロボットが、自装置を移動させるための駆動を行う移動機構部と、移動機構部との間の平面上の方向にリニアガイドにより移動可能に移動機構部と連接されている筐体部と、移動機構部と筐体部の間に設けられ、リニアガイドにより案内される平面上の方向における、移動制御により生じる慣性力または外力を吸収する緩衝器と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動ロボットに関する技術であり、移動を制御する際の慣性力または外力による転倒を防止する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、人間と活動空間を共有するロボットが各種発表されている。人間と活動空間を共有するにあたり、人間と同程度の高さを有するロボットが多数提案されている。この場合、ロボットの重心が高い位置になると転倒する可能性がある。
【0003】
そこで転倒を防止するために、例えばスカート状にしたロボットの下部に機材を積み込むことで重心の位置を下げ、転倒を防止することが考えられている(例えば非特許文献1)。
【0004】
【非特許文献1】川内 直人、外4名、「ホームユースロボット"wakamaru"」、三菱重工技報、三菱重工業株式会社、2003年9月、第40巻、5号、P.270-273
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記非特許文献1に記載された技術では、ロボットの下部が広いため人間と活動空間を共有する場合に移動が制限されることになる。そこでロボットの下部を適切な広さとした場合、重心が高い位置となり、急発進または急停止した場合に転倒するという問題がある。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、重心が高い位置にあるにもかかわらず急発進または急停止した場合に転倒することを防止する移動ロボットを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、自装置を移動させるための駆動を行う移動機構部と、前記移動機構部との間の平面上の方向に移動可能に前記移動機構部と連接されている筐体部と、前記移動機構部と前記筐体部の間に設けられ、前記平面上の方向における、移動制御により生じる慣性力または外力を吸収する緩衝部材と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、自装置を移動させるための駆動を行う移動機構部と、前記移動機構部との間の平面上の揺動軸を介して前記移動機構部と連接されている筐体部と、前記移動機構部と前記筐体部の間に設けられ、前記揺動軸による揺動方向の、移動制御により生じる慣性力または外力を吸収する緩衝部材と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、急発進または急停止した場合に、移動機構部に連接された筐体部が、移動機構部との間の平面上の方向に移動し、この筐体部を移動させている慣性力を緩衝部材が吸収することで、転倒することを防止するという効果を奏する。
【0010】
また、本発明によれば、急発進または急停止した場合に、移動機構部に連接された筐体部が、移動機構部との間に設けられた揺動軸により揺動し、この筐体部を揺動させている慣性力を緩衝部材が吸収することで、転倒することを防止するという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる移動ロボットの最良な実施の形態を詳細に説明する。
【0012】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態にかかる移動ロボット100の側面からの構造を示した透視図である。本図に示すように移動ロボット100は、筐体部121と、移動機構部122とに別れ、リニアガイド108により連接されている。筐体部121は、移動機構以外の移動ロボット100に必要な構成を有している。また、筐体部121上の151は移動ロボット100の重心の位置を示すものとする。一方、移動機構部122は、移動するために必要な構成を有している。そして筐体部121及び移動機構部122をリニアガイド108で連接しているため、筐体部121は、リニアガイド108のレールにより案内される直線方向に、移動機構部122と独立して移動することを可能とする。
【0013】
また、筐体部121は、視覚モジュール部101と、頭部制御部102と、腕部制御部103と、アーム104と、制御部105と、緩衝器106と、移動量検出部107と、筐体ベース板114から構成されている。
【0014】
視覚モジュール部101は、前方カメラを備えており、このカメラにより撮影された画像データを制御部105に出力する。この出力された画像データに対して後述する制御部105が所定の処理を行うことで、移動先にある物体の認識や、人物を認識することが可能となる。
【0015】
頭部制御部102は、頭部の回転移動を制御する。これにより視覚モジュール部101の撮影先を変更することが可能となる。
【0016】
腕部制御部103は、後述するアーム104を駆動する制御を行う。腕部制御部103が、アーム104の駆動を制御することで、アーム104で物を持つなどの処理が可能となる。また、腕部制御部103は、移動するための駆動の制御または障害物にぶつかった際にアーム104を用いてバランスを保持することも可能とする。例えば急停止をする際に、バランスを保持するためにアーム104を移動していた方向に伸ばす等が考えられる。
【0017】
アーム104は、腕部制御部103により駆動を制御されることで、予め設定された処理などを実行することが可能となる。また、予め設定された処理とは、例えば物を持つ等の処理が考えられる。
【0018】
制御部105は、視覚モジュール部101及び後述する移動量検出部107から入力された信号から状況を判断し、適切な制御を行う信号を頭部制御部102、腕部制御部103、または後述する駆動制御部109に出力する。
【0019】
緩衝器106は、後述する筐体ベース板114に固定されており、緩衝器106が有するピストンロッドが後述する移動機構部122の支持板116を支持することで、筐体部121と移動機構部122との間で生じた慣性力または外力を吸収する。本実施の形態において緩衝器106は、リニアガイド108により移動可能である直線方向の力を吸収する。また、緩衝器106は、駆動制御により生じる慣性力または外力を吸収する部材であれば良く、例えば本実施の形態においてピストンロッドを備え、かつオリフィス構造を内部に有して油圧により力を吸収するものを用いる。これにより本実施の形態の緩衝器106は速度の2乗抵抗として作用することが可能となる。
【0020】
本実施の形態において、緩衝器106は、ピストンロッドが15mm移動することが可能なものを用い、停止状態かつ外力が掛かっていない状態でピストンロッドが3mm引っ込んでいる状態で備えつけることとする。
【0021】
移動量検出部107は、後述する筐体ベース板114に固定されており、固定された状態で下方向に存在する移動機構部122に対する移動量を検出して、制御部105に出力する。これにより制御部105は、移動機構部122に対する筐体部121の移動量を認識することが可能となる。また本実施の形態において移動量検出部107が検出する移動量はリニアガイド108が案内する直線方向の移動量のみとする。
【0022】
筐体ベース板114は、筐体部121のベースとなる板であり、下面はリニアガイド108に接続されている。そして、リニアガイド108のレールにより案内される直線方向に筐体ベース板114の移動が可能となる。さらに、筐体ベース板114の上面に、緩衝器106が固定され、下面に移動量検出部107が固定されている。
【0023】
また、移動機構部122は、移動機構ベース板115と、支持板116と、駆動制御部109と、駆動ベルト110と、車輪111と、バンパー112と、補助輪113と、から構成されている。
【0024】
移動機構ベース板115は、移動機構部122のベースとなる板であり、移動ロボット100の移動する平面と平行に備えられている。移動機構ベース板115の上面にリニアガイド108のレールが固定されている。このリニアガイド108上を筐体ベース板114が移動することで、移動機構部122と独立して筐体部121の移動が可能となる。また、移動機構ベース板115の上面に移動量検出部107が移動量を検出するために用いられる測定板が備えられている。
【0025】
また、移動機構ベース板115が移動ロボット100の移動する平面と平行に備えられているため、筐体ベース板114も移動する平面と平行に移動することになる。これにより急発進時または急停止時に慣性力のみ緩衝器106が吸収することを可能とする。
【0026】
支持板116は、移動機構ベース板115の上面に固定されており、筐体部121に固定された緩衝器106のピストンロッドを支持する。
【0027】
駆動制御部109はモータ等の駆動に必要な機構を備え、制御部105から入力される信号により移動するために必要な駆動を制御する。制御部105から入力される信号に応じて急発進または急加速等に必要な駆動を制御することが可能である。
【0028】
駆動ベルト110は、駆動制御部109から車輪111に駆動を伝達するために用いられるベルトである。
【0029】
車輪111は、駆動ベルト110により駆動が伝達されることで回転する。これにより移動ロボット100が移動することが可能となる。
【0030】
バンパー112は、移動ロボット100の移動方向に備えられ、移動ロボット100が障害物と衝突した際に衝撃を吸収する。またバンパー112には衝突を検知するセンサー(図示しない)が備えられており、衝突を検知した場合に、衝突した旨を制御部105に出力する。衝突した旨が入力された制御部105は、停止する旨を駆動制御部109に出力する。これにより移動ロボット100の移動機構部122が衝突した際に移動を停止することを可能とする。
【0031】
補助輪113は、移動ロボット100の移動機構ベース板115の下面に固定され、移動平面と接触することで、移動ロボット100の直立を補助する。本実施の形態においては移動ロボット100の前後に一個ずつ備えることとする。なお、移動ロボット100を安定した直立を可能とするのであれば、補助輪113をどのように備えても良い。
【0032】
上述した構成を有する移動ロボット100は、筐体部121が移動機構部122に対して独立して移動することを可能とし、さらには筐体部121と移動機構部122に緩衝器106を設けたことで、急発進または急加速により生じた慣性力を吸収することを可能とする。
【0033】
図2は、筐体部121と移動機構部122を連接している部分の構造を上面から示した透視図である。本図で示すように、リニアガイド108と緩衝器106はそれぞれ4個ずつ備えられている。また、全てのリニアガイド108がレールに沿って矢印で示した方向に移動する機構を有しているため、リニアガイド108により下面で固定されている筐体ベース板114も矢印方向に移動することが可能となる。そして筐体ベース板114が移動すると、筐体ベース板114に固定されている緩衝器106のピストンロッドが、支持板116に押下され、緩衝作用が生じる。
【0034】
また、移動量検出部107も筐体ベース板114の下面に固定されているため、筐体ベース板114と共に移動する。これにより移動量検出部107は、移動機構部122に対する筐体部121の移動量を検出する。
【0035】
図3は、移動ロボット100が移動している際に、正面から障害物に衝突した場合における筐体部121と移動機構部122を連接した部分の状態を示した説明図である。本図で示したように、移動ロボット100が、白矢印方向に移動している際に、正面に存在していた障害物と衝突し、黒矢印方向の衝撃力が筐体部121に加わった。そして筐体部121は、衝撃力が加えられると、リニアガイド108のレールにより案内される直線方向にスライド移動する。この時に、筐体部121の移動先の方向に備えられていた緩衝器106のピストンロッドが支持板116により押下され、衝撃力を吸収する。さらには移動量検出部107が、筐体部121の移動機構部122に対する移動量を検出して、制御部105に出力する。
【0036】
そして、制御部105は予め定められた移動量以上の移動量を検出すると、障害物に衝突したと判断する。本実施の形態において、予め定められた移動量を5mmと設定する。そして制御部105は、移動中に5mm以上の移動量を検出した場合に、障害物に衝突したと判断し、駆動制御部109に対して駆動の停止制御を行う信号を出力する。
【0037】
このように、筐体部121に障害物等に衝突により生じた衝撃力などの外力を加えられた場合、筐体部121がスライド移動して、緩衝器106が外力を吸収することで、衝突による移動ロボット100の転倒を防止する。さらに筐体部121が独立してスライド移動することで衝突による衝撃を和らげる。また、移動中に障害物に衝突した際に、移動を停止する。
【0038】
図4は、第1の実施の形態にかかる移動ロボット100の機能を示したブロック図である。本図に示すように移動ロボット100は、頭部制御部102と、腕部制御部103と、制御部105と、移動量検出部107と、駆動制御部109を備え、移動中に移動量検出部107が5mm以上の移動量を検出した場合に、障害物に衝突したと判断して、緊急停止するための制御を行う。
【0039】
図4で示したように、移動ロボット100が移動している際に、移動量検出部107が移動量を検出すると、その旨を制御部105に出力する。そして制御部105は、入力された移動量が5mm以上の場合、駆動制御部109や、腕部制御部103または頭部制御部102に対して転倒を防止するために適切な制御を行う信号を出力する。
【0040】
また、転倒を防止するために適切な制御として、制御部105は駆動制御部109に対して移動の停止制御を行う信号を出力する。他にも例えば、制御部105は、腕部制御部103に対して、バランスを保持することを目的としてアーム104を伸ばす等の制御を行う信号を出力することも考えられる。さらに、制御部105は、頭部制御部102に対して、視覚モジュール部101で障害物を確認するために回転する制御を行う信号の出力等を行っても良い。
【0041】
また、移動量検出部107は、急加速、急減速または非常停止した場合でも移動量を検出して、制御部105に出力している。これにより制御部105が障害物に衝突したと判断する可能性もあると考えられるが、制御部105が駆動制御部109に対して制御するための信号を出力しているため、制御部105は加速、減速による移動量と、接触等により生じた移動量とを区別できる。
【0042】
これにより接触等により5mm以上の移動量を検出した場合には制御部105からの信号による停止制御を行い、急加速または急減速により5mm以上の移動量を検出した場合には制御部105は特別な制御を行わないことを可能とする。
【0043】
図5は、移動ロボット100が障害物に衝突した時の状態及び衝突場所と、制御の対応関係の表を示した図である。本図に示すように、衝突場所が筐体部121または移動機構部122により、または移動ロボット100が移動中または停止中により、行う制御が異なることとなる。
【0044】
図5に示すように、移動ロボット100が移動中に、筐体部121が障害物に衝突した場合、制御部105は駆動制御部109に対して停止制御を行う信号を出力する。また、移動ロボット100が停止中に、筐体部121が障害物に衝突した場合、転倒を防止するために、制御部105は駆動制御部109に対して衝突により筐体部121がスライド移動した方向に移動する駆動制御を行う信号を出力する。
【0045】
また、移動ロボット100が移動中に、移動機構部122に障害物が衝突し、バンパー112に備えられたセンサが衝突を検知した場合、センサは衝突した旨を制御部105に出力する。そして制御部105は、センサから衝突した旨が入力された場合、移動量検出部107の移動量を検出した結果に係わらず、駆動制御部109に対して停止制御を行う信号を出力する。
【0046】
また、移動ロボット100が停止中に、移動機構部122に障害物が衝突し、バンパー112に備えられたセンサが衝突を検知した場合、センサは衝突した旨を制御部105に出力する。そして制御部105は、センサから衝突した旨が入力された場合、停止しているのであれば、特に制御は行わない。
【0047】
次に、以上のように構成された本実施の形態にかかる移動ロボット100において移動を開始してから障害物に衝突し、停止する制御を行うまでの処理について説明する。図6は、本実施の形態にかかる移動ロボット100における上述した処理の手順を示すフローチャートである。
【0048】
まず、制御部105からの信号により、駆動制御部109は、移動を開始するために駆動を開始する制御を行う(ステップS601)。そして、移動ロボット100の筐体部121で、障害物への衝突が発生する。
【0049】
次に、筐体部121が障害物に衝突したことで、移動量検出部107は、予め定められた移動量である5mm以上の移動量を検出し、検出した移動量を制御部105に出力する(ステップS602)。
【0050】
そして、制御部105は、入力された移動量が5mm以上の場合に、障害物と衝突したと判断し、駆動制御部109に駆動の停止制御を行う信号を出力する(ステップS603)。なお、制御部105は、入力された移動量が5mm以下の場合には、特別の制御を行わず、そのまま移動を続けることとする。
【0051】
次に、制御部105から信号が入力された場合、駆動制御部109は、駆動の停止制御を行う(ステップS604)。
【0052】
上述した処理手順により、筐体部121に障害物が衝突した場合に、停止する制御を行うことが可能となり、安全性が向上する。
【0053】
次に、以上のように構成された本実施の形態にかかる移動ロボット100において停止している状態において障害物に衝突し、移動する制御を行うまでの処理について説明する。図7は、本実施の形態にかかる移動ロボット100における上述した処理の手順を示すフローチャートである。
【0054】
まず、制御部105から信号がない限り、移動ロボット100は停止した状態のまま、駆動制御部109は特に制御を行わない(ステップS701)。そして、移動ロボット100の筐体部121で、障害物への衝突が発生する。
【0055】
次に、筐体部121が障害物に衝突したことで、移動量検出部107は、予め定められた移動量である5mm以上の移動量を検出し、検出した移動量を制御部105に出力する(ステップS702)。
【0056】
そして、制御部105は、入力された移動量が5mm以上の場合に、障害物と衝突したと判断し、駆動制御部109に駆動制御を行う信号を出力する(ステップS703)。なお、制御部105は、入力された移動量が5mm以下の場合には、特別の制御を行わず、そのまま移動を続けることとする。
【0057】
次に、制御部105から信号が入力された場合、駆動制御部109は、移動ロボット100が移動するための駆動制御を開始する(ステップS704)。
【0058】
つまり、移動ロボット100が停止した状態で筐体部121に一定以上の外力が加えられ、移動平面上から移動ロボット100が一定の角度以上傾くと、転倒する。しかし、上述した処理手順により、外力が加えられた方向に移動ロボット100が移動することで、一定以上の角度以上傾くことがなくなり、転倒を防止する。
【0059】
上述した本実施の形態における移動ロボット100のように、緩衝器106を筐体部121内部に備えることに制限するものではなく、例えば、移動機構部122の移動機構ベース板115の下面に緩衝器を備え、筐体部に固定された支持板との間で慣性力または外力を吸収しても良い。
【0060】
また、本実施の形態では、障害物に衝突したと判断するための移動量を5mmとした。しかし、予め定められた移動量を5mmに制限するものではなく、実際には緩衝器の最大抵抗値や移動ロボットの重量など条件に応じて最適な移動量を設定する。
【0061】
また、本実施の形態において筐体部121と移動機構部122を連接するためにリニアガイド108を用いたが、筐体部121と移動機構部122を連接し、移動機構部122に対して筐体部121が上述した平面上で移動可能な連接方法であれば、どのような方法を用いても良い。
【0062】
また、本実施の形態に掛かる移動ロボット100は、急発進または急加速により生じた慣性力、及び筐体部121に掛かった外力を吸収することで、重心が高い位置にある場合でも転倒を防止することを可能とする。
【0063】
さらには移動ロボット100の筐体部121を移動機構部122と独立してスライド移動することを可能としたため、衝突による衝撃を和らげることになり、安全性が向上する。
【0064】
例えば、人の近くで移動や作業を行う場合、アーム104をはじめとする筐体部121と不意な接触が起こる可能性がある。そして接触した場合、緩衝器106が衝突した時の力を吸収することで安全性が向上する。
【0065】
また移動ロボット100が上述した機構を備えることで、重心が高い位置に存在しても転倒を防止することが可能となったため、車輪の間隔を長く取ることで転倒を防止する必要が無くなる。つまり本実施の形態の移動ロボット100は設置するために要する面積が狭くなる。これにより移動ロボット100の小回り等の移動を可能とすると同時に、移動経路が狭い場合であっても移動することが可能となる。
【0066】
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態にかかる移動ロボット100においてリニアガイド108は移動ロボット100が直進する方向に備えられているのみであり、側面から障害物と衝突した場合には筐体部121をスライド移動することができず、衝撃を吸収することが出来なかった。そこで第2の実施の形態に係る移動ロボットはリニアガイドの代わりに直交リニアガイドを備えて、側面から障害物と衝突した場合でもスライド移動を可能としたものとする。
【0067】
図8は、第2の実施の形態にかかる移動ロボット800の筐体部821と移動機構部822の連接された部分について側面からの構造を示した透視図である。以下の説明では、上述した実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略している。
【0068】
筐体部821と移動機構部822を直交リニアガイド804で連接されているため、筐体部821は、直交リニアガイド804のレールにより案内される平面上を、移動機構部822と独立して移動することを可能とする。なお、直交リニアガイド804の詳細な形状については後述する。
【0069】
制御部801は、第1の実施の形態の制御部105とは、検出する方向が異なる二つの移動量検出部803a及び移動量検出部803bから入力された信号から状況を判断し、適切な制御を行う信号を頭部制御部102、腕部制御部103、または後述する駆動制御部109に出力する点で異なる。
【0070】
緩衝器802は、後述する筐体ベース板805に固定されており、緩衝器802が有するピストンロッドが後述する移動機構部822の支持板116を支持することで、筐体部821と移動機構部822との間で生じた慣性力または外力を吸収する。また、緩衝器802は、筐体ベース板805上に合計8箇所設けられている。また、緩衝器802は、ピストンロッドの先端の形状が半球形となっており、これにより支持板116との間で摩擦が減少する。また、緩衝器802は、ピストンロッドの先端の形状以外は、第1の実施の形態で示した緩衝器106と同様の構造を備えているものとする。
【0071】
移動量検出部803a及び移動量検出部803bは、後述する筐体ベース板805に固定されている。そして移動量検出部803aは、移動ロボット800が直進する方向の、移動機構部822に対する移動量を検出して、制御部801に出力する。一方、移動量検出部803bは、移動量検出部803aと直交する方向の、移動機構部822に対する移動量を検出して、制御部801に出力する。
【0072】
筐体ベース板805は、筐体部821のベースとなる板であり、下面は直交リニアガイド804に接続されている。そして、直交リニアガイド804上を移動することで、移動機構ベース板806と平行な平面上を移動することが可能となる。さらに、筐体ベース板805の上面に、緩衝器802が固定され、下面に移動量検出部803a及び移動量検出部803bが固定されている。
【0073】
また、移動機構部822は、第1の実施の形態の移動機構部122とは、移動機構ベース板115と上面に配置された構成が異なる移動機構ベース板806に変更された構成を有している点で異なる。
【0074】
移動機構ベース板806は、上面に直交リニアガイド804のレールが固定されている。また、移動機構ベース板806の上面に移動量検出部803a及び移動量検出部803bが移動量を検出するために用いられる測定板が備えられている。また、移動機構ベース板806の上面に支持板116は合計8箇所に備えられている。
【0075】
上述した構成を有する移動ロボット800は、筐体部821が移動機構ベース板806と平行する平面上を、移動機構部822と独立して移動することを可能とする。
【0076】
図9は、筐体部821と移動機構部822を連接している部分の構造を上面から示した透視図である。本図で示すように、移動ロボット800は、直交リニアガイド804を2個、そして緩衝器802を8個備えている。
【0077】
直交リニアガイド804は、下レールの上にブロックが下レールにより案内される方向に移動可能に設置され、さらにブロックの上に上レールが設置されている。上レールは下レールが案内する方向と直交する方向に移動可能となる。そして下レールを移動機構ベース板806に接続し、上レールを筐体ベース板805に接続することで、筐体ベース板805が、移動機構ベース板806と平行な平面上を移動することが可能となる。
【0078】
そして、筐体ベース板805の各辺に緩衝器802を2箇所ずつ固定することで、筐体ベース板805が移動機構ベース板806と平行な平面上を移動した際に、緩衝作用を生じることを可能とする。
【0079】
また、移動量検出部803a及び移動量検出部803bも筐体ベース板805の下面に固定され、筐体ベース板805と共に移動する。そして移動量検出部803a及び移動量検出部803bは、移動機構部822に対する筐体部821の、互いに直交する方向についての移動量を検出する。
【0080】
図10は、筐体部821に側面から衝撃を受けた際に、筐体ベース板805が移動した状態を示した説明図である。本図に示すように、移動ロボット800の側面から外力が加わった場合に、筐体ベース板805は直交リニアガイド804に接続されているため、衝撃を受けた方向に移動する。そして衝撃力の方向と平行する線上に備えられた緩衝器802について、筐体ベース板805の移動先に備えられている緩衝器802はピストンロッドが押し下げられ(図示しない)、これらと反対側に備えられている緩衝器802はピストンロッドが伸びることとなる。さらに衝撃力の方向と直交する線上に備えられている緩衝器802はピストンロッドの先が半球形の形状をしており、支持板116上を滑るため、筐体ベース板805と共に移動することが可能となる。このような構成を備えることで、筐体部821及び移動機構部822の間に緩衝器802を備えているにもかかわらず、筐体部821は、移動機構ベース板806と平行な平面上を移動することが可能となる。
【0081】
上述したように、本実施の形態では、第1の実施の形態で示した移動ロボット100と同様の効果を得るだけでなく、移動機構部822に対して筐体部821が直進する方向と直交する方向について移動することを可能とし、さらには外力を吸収すること可能となったため、さらに障害物と接触した場合の安全性が向上する。
【0082】
(第3の実施の形態)
第1及び第2の実施の形態にかかる移動ロボットでは、移動機構ベース板と平行方向に筐体部が移動することとしたが、筐体部が移動機構部と独立して移動し、且つ移動する際に力を吸収するものであればよい。そこで第3の実施の形態に係る移動ロボットはリニアガイド及び直交リニアガイドの代わりに揺動軸を介して筐体部と移動機構部を連接したものとする。
【0083】
図11は、第3の実施の形態にかかる移動ロボット1100の筐体部1121と移動機構部1122の連接された部分について側面からの構造を示した透視図である。以下の説明では、上述した実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略している。
【0084】
筐体部1121と移動機構部1122は揺動軸1105を介して連接されているため、筐体部1121は、移動機構部1122と独立して揺動することを可能とする。
【0085】
筐体部1121は、第1の実施の形態にかかる筐体部121の構成と異なる点として、処理が異なる制御部1103、緩衝する方向が異なる緩衝器1102、筐体ベース板1104、筐体側支持部1106、揺動量検出部1201を備えている。なお、揺動量検出部1201は側面方向から参照できないため後述する。
【0086】
制御部1103は、視覚モジュール部101及び後述する揺動量検出部1201から入力された信号から状況を判断し、適切な制御を行う信号を頭部制御部102、腕部制御部103、駆動制御部109に出力する。
【0087】
また、制御部1103は予め定められた揺動量以上の揺動量を検出すると、障害物に衝突したと判断する。本実施の形態において、予め定められた揺動量を5度と設定する。そして制御部1103は、移動中に5度以上の揺動量を検出した場合に、障害物に衝突したと判断し、駆動制御部109に対して駆動の停止制御を行う信号を出力する。
【0088】
筐体ベース板1104は、筐体部1121のベースとなる板であり、下面は筐体側支持部1106を固定している。そして筐体側支持部1106に、後述する緩衝器1102が固定され、揺動軸1105を支持している。そして、筐体側支持部1106と揺動軸1105の間にはボールベアリング等を備えることとし、揺動軸1105が揺動可能に連接されている。さらに筐体ベース板1104は、下面に揺動量検出部1201を固定する。
【0089】
緩衝器1102は、後述する筐体側支持部1106に固定され、移動機構部1122上の支持板1108にピストンロッドの先端を伸ばすこととする。これにより筐体部1121が揺動した場合に、緩衝器1102のピストンロッドが縮むため、移動制御により生じた慣性力または外力を吸収する。また、緩衝器1102は、筐体側支持部1106に合計4箇所設けられている。また、緩衝器1102は、ピストンロッドの先端の形状が半球形となっており、これにより支持板1108との間で摩擦が減少する。なお、緩衝器1102は、第2の実施の形態で示した緩衝器802と同様の構造を備えており、その説明を省略する。
【0090】
移動機構部1122は、第1の実施の形態にかかる移動機構部1122の構成と異なる点として、移動機構側支持部1101、支持板1108、移動機構ベース板1109を備えている。支持板1108は、移動機構ベース板1109上に固定され、緩衝器1102のピストンロッドの先端を支持する。
【0091】
移動機構側支持部1101は、揺動軸1105を支持且つ固定し、移動機構部1122に対する揺動を防止する。これにより筐体部1121に備えられた揺動量検出部1201が、移動機構部1122に対する筐体部1121の揺動量を検出することが可能となる。また移動機構側支持部1101は、移動機構ベース板1109上に固定される。
【0092】
上述した構成を有する移動ロボット1100は、筐体部1121が移動機構部1122に対して独立して揺動することを可能とし、さらには筐体部1121と移動機構部1122に緩衝器1102を設けたことで、急発進または急加速により生じた慣性力または筐体部1121に加えられた外力を吸収することを可能とする。
【0093】
図12は、第3の実施の形態にかかる移動ロボット1100の筐体部1121と移動機構部1122の連接された部分について正面からの構造を示した透視図である。以下の説明では、上述した実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略している。
【0094】
揺動軸1105は、カップリング1202により揺動量を検出する揺動量検出部1201の軸と固定されている。そして、揺動量検出部1201の本体は筐体ベース板1104に固定されているため揺動量を検出することが可能となる。
【0095】
図13は、揺動量検出部1201の外観図である。本図に示したように、揺動量検出部1201本体と、軸が独立して揺動することが可能であるため、本体を筐体部1121に固定し、軸を移動機構部1122に固定されている揺動軸1105と固定することで揺動量を検出することが可能となる。なお、本実施の形態においては揺動量検出部1201として上記に示した構造を有するパルスメータとするが、他にも可変抵抗からなるボリューム等を用いても良い。
【0096】
上述したように、本実施の形態では、障害物に衝突したと判断するための揺動量を5度とした。しかし、予め定められた揺動量を5度に制限するものではなく、実際には緩衝器の最大抵抗値や移動ロボットの重量など条件に応じて最適な揺動量を設定する。
【0097】
また、本実施の形態では、第1の実施の形態で示した移動ロボット100のように移動構造部に対して筐体部をスライド移動させる代わりに揺動可能とした場合でも、第1の実施の形態で示した効果と同様の効果を得ることが出来る。
【0098】
(第4の実施の形態)
第3の実施の形態にかかる移動ロボット1100では、揺動軸1105により移動ロボット1100が直進する方向への揺動を可能としたが、揺動を直進する方向に制限するものではない。そこで第4の実施の形態に係る移動ロボットは互いに直交する2軸の揺動軸を介して筐体部と移動機構部を連接するものとする。
【0099】
図14は、第4の実施の形態にかかる移動ロボット1400の筐体部1421と移動機構部1422の連接された部分について側面からの構造を示した透視図である。以下の説明では、上述した実施の形態3と同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略している。
【0100】
筐体部1421と移動機構部1422は揺動軸1406を備える中間回転支持板1402を介して連接されているため、筐体部1421は、移動機構部1422と独立して揺動することを可能とする。なお、中間回転支持板1402の詳細な構造は後述する。
【0101】
筐体部1421は、第3の実施の形態にかかる筐体部1121の構成と異なる点として、処理が異なる制御部1401、筐体ベース板1404、筐体側揺動軸支持部1501、揺動量検出部1403を備えている。なお、筐体側揺動軸支持部1501は側面方向から参照できないため後述する。
【0102】
制御部1401は、視覚モジュール部101及び後述する揺動量検出部1403及び揺動量検出部1502から入力された信号から状況を判断し、適切な制御を行う信号を頭部制御部102、腕部制御部103、駆動制御部109に出力する。なお、制御部1401は、移動中に揺動量検出部1403及び揺動量検出部1502のどちらか一方が5度以上の揺動量を検出した場合に、障害物に衝突したと判断し、駆動制御部109に対して駆動の停止制御を行う信号を出力する。
【0103】
筐体ベース板1404は、筐体部1421のベースとなる板であり、四隅で緩衝器1102を固定し、筐体側揺動軸支持部1501を下面に固定する。そして、筐体側揺動軸支持部1501と揺動軸1406の間にはボールベアリング等が備えることとし、揺動軸1406が揺動可能に連接されている。さらに筐体ベース板1404は、下面に揺動量検出部1403を固定する。
【0104】
揺動量検出部1403は、筐体ベース板1404の下面に固定され、揺動量検出部1403が備える軸をカップリング1407により揺動軸1406と固定する。これにより移動ロボット1400が直進可能な方向と直交する方向についての中間回転支持板1402に対する筐体ベース板1404の揺動量、つまり直進可能な方向と直交する方向についての移動機構ベース板1405に対する筐体ベース板1404の揺動量を検出することが可能となる。なお、揺動量検出部1403の構造は、第3の実施の形態の揺動量検出部1201と同様とし、その説明を省略する。なお、検出された揺動量は1407に出力される(経路は図示しない)。
【0105】
移動機構部1422は、第3の実施の形態にかかる移動機構部1122の構成と異なる点として、移動機構ベース板1405、移動機構側支持部1408、さらに揺動量検出部1502が追加されている。なお、揺動量検出部1502は側面方向から参照できないため後述する。
【0106】
移動機構側支持部1408は、移動機構ベース板1405上に固定されている。そして揺動軸1406との間にベアリングが挟まれ、移動機構側支持部1408が中間回転支持板1402を揺動可能に支持する。
【0107】
上述した構成を有する移動ロボット1400は、筐体部1421が移動機構部1422に対して互いに直交する2軸方向に独立して揺動することを可能とし、さらには筐体部1421と移動機構部1422に緩衝器1102を設けたことで、急発進または急加速により生じた慣性力または筐体部1421に加えられた外力を吸収することを可能とする。特に移動ロボット1400は、移動方向のみならず側面方向からの外力も吸収する。
【0108】
図15は、第4の実施の形態にかかる移動ロボット1400の筐体部1421と移動機構部1422の連接された部分について正面からの構造を示した透視図である。
【0109】
筐体側揺動軸支持部1501は、筐体ベース板1404の下面で固定されている。そして揺動軸1406との間にベアリングが挟まれ、筐体側揺動軸支持部1501が中間回転支持板1402を揺動可能に支持する。
【0110】
揺動量検出部1502は、移動機構ベース板1405上に固定され、揺動量検出部1502が備える軸をカップリング1503により中間回転支持板1402が備えた揺動軸1406と接続する。これにより移動ロボット1400が直進可能な方向についての中間回転支持板1402に対する移動機構ベース板1405の揺動量、つまりが直進可能な方向についての筐体ベース板1404に対する移動機構ベース板1405の揺動量を検出することが可能となる。なお、揺動量検出部1403の構造は、第3の実施の形態の揺動量検出部1201と同様とし、その説明を省略する。なお、検出された揺動量は制御部1401に出力される(経路は図示しない)。
【0111】
揺動量検出部1403及び揺動量検出部1502を備えたことで、移動機構部1422に対する筐体部1421の揺動量を互いに直交する2軸について検出することが可能となる。
【0112】
図16は、筐体部1421と移動機構部1422を連接している部分の構造を上面から示した透視図である。本図で示すように、揺動軸1406は4個備えられている。そして、中間回転支持板1402は、各辺から一本ずつ揺動軸1406を備え、対向する2本については筐体側揺動軸支持部1501を介して筐体ベース板1404に固定され、他の対向する2本については移動機構側支持部1408を介して移動機構ベース板1405に固定されている。
【0113】
図17は、中間回転支持板1402の形状を示す全体図である。本図に示すように、中間回転支持板1402は、4本の揺動軸1406を備え、そのうち2本については揺動量検出部1403及び揺動量検出部1502と接続可能にする揺動検出用軸1701を備えた構造となる。さらに中間回転支持板1402の板部は中空となり、軽量化されている。
【0114】
上述したように、本実施の形態では、第2の実施の形態で示した移動ロボット800のように移動構造部に対して筐体部をスライド移動させる代わりに揺動可能とした場合でも、第2の実施の形態で示した効果と同様の効果を得ることが出来る。
【0115】
(変形例)
また、上述した各実施の形態に限定されるものではなく、以下に例示するような種々の変形が可能である。
【0116】
(変形例1)
上述した実施の形態において、移動ロボットは側面に2個の車輪を、前後に補助輪を1個ずつ備えた構成としたが、これに制限するものではない。そこで本変形例では、2個の車輪1801と1個の補助輪1802を備えた移動ロボット1800とする。
【0117】
図18は、本変形例の移動ロボット1800が備えた車輪1801及び補助輪1802の配置を示した配置図である。本図に示したように、移動ロボット1800は、2個の車輪1801と1個の補助輪1802により移動平面上を移動することを可能とする。また移動ロボット1800は制御部から補助輪1802の回転を制御することで、方向の転換等を行うことを可能とする。また、車輪1801は、駆動制御部と接続され、駆動が伝達されることで移動することが可能となる。
【0118】
(変形例2)
本変形例では、4個の車輪を備えた移動ロボット1900とする。図19は、本変形例の移動ロボット1900が備えた車輪の配置を示した配置図である。本図で示したように、移動ロボット1900は、2個の前輪1902を矢印方向に回転することで、移動ロボット1900の方向の転換等を行うことを可能とする。また、後輪1901は、駆動制御部と接続され、駆動が伝達されることで移動することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0119】
以上のように、本発明にかかる移動ロボットは、重心の位置が高い場合でも急発進または急停止した際に転倒を防止する技術として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】第1の実施の形態にかかる移動ロボットの側面からの構造を示した透視図である。
【図2】第1の実施の形態にかかる移動ロボットの筐体部と移動機構部を連接している部分の構造を上面から示した透視図である。
【図3】第1の実施の形態にかかる移動ロボットが移動している際に、正面から障害物に衝突した場合における筐体部と移動機構部を連接した部分の状態を示した説明図である。
【図4】第1の実施の形態にかかる移動ロボットの機能を示したブロック図である。
【図5】第1の実施の形態にかかる移動ロボットが障害物に衝突した時の状態及び衝突場所と、制御の対応関係の表を示した図である。
【図6】第1の実施の形態にかかる移動ロボットにおける移動を開始してから障害物に衝突し、停止する制御を行うまでの処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】本実施の形態にかかる移動ロボットにおける停止している状態において障害物に衝突し、移動する制御を行うまでの処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】第2の実施の形態にかかる移動ロボットの筐体部と移動機構部の連接された部分について側面からの構造を示した透視図である。
【図9】第2の実施の形態にかかる移動ロボットの筐体部と移動機構部を連接している部分の構造を上面から示した透視図である。
【図10】第2の実施の形態にかかる移動ロボットの筐体部に側面から衝撃を受けた際に、筐体ベース板が移動した状態を示した説明図である。
【図11】第3の実施の形態にかかる移動ロボットの筐体部と移動機構部の連接された部分について側面からの構造を示した透視図である。
【図12】第3の実施の形態にかかる移動ロボットの筐体部と移動機構部の連接された部分について正面からの構造を示した透視図である。
【図13】揺動量検出部の外観図である。
【図14】第4の実施の形態にかかる移動ロボットの筐体部と移動機構部の連接された部分について側面からの構造を示した透視図である。
【図15】第4の実施の形態にかかる移動ロボットの筐体部と移動機構部の連接された部分について正面からの構造を示した透視図である。
【図16】第4の実施の形態にかかる移動ロボットの筐体部と移動機構部を連接している部分の構造を上面から示した透視図である。
【図17】第4の実施の形態にかかる移動ロボットの中間回転支持板の形状を示す全体図である。
【図18】変形例1の移動ロボットが備えた車輪及び補助輪の配置を示した配置図である。
【図19】変形例2の移動ロボットが備えた車輪の配置を示した配置図である。
【符号の説明】
【0121】
100、800、1100、1400、1800、1900 移動ロボット
101 視覚モジュール部
102 頭部制御部
103 腕部制御部
104 アーム
105、801、1103、1401 制御部
106、802 緩衝器
107、803a、803b 移動量検出部
108 リニアガイド
109 駆動制御部
110 駆動ベルト
111、1801 車輪
112 バンパー
113、1802 補助輪
114、805、1104、1404 筐体ベース板
115、806、1109、1405 移動機構ベース板
116、1108 支持板
121、821、1121、1421 筐体部
122、822、1122、1422 移動機構部
804 直交リニアガイド
1101、1408 移動機構側支持部
1102 緩衝器
1105、1406 揺動軸
1106 筐体側支持部
1201、1403、1502 揺動量検出部
1202、1407、1503 カップリング
1402 中間回転支持板
1501 筐体側揺動軸支持部
1701 揺動検出用軸
1901 後輪
1902 前輪

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自装置を移動させるための駆動を行う移動機構部と、
前記移動機構部との間の平面上の方向に移動可能に前記移動機構部と連接されている筐体部と、
前記移動機構部と前記筐体部の間に設けられ、前記平面上の方向における、移動制御により生じる慣性力または外力を吸収する緩衝部材と、
を備えたことを特徴とする移動ロボット。
【請求項2】
前記移動機構部と前記筐体部を連接し、前記平面上に存在して互いに直交する2軸方向への移動を案内する案内部と、をさらに備え、
前記緩衝部材は、前記移動機構部と前記筐体部の間に前記2軸方向に設けられ、前記平面上の方向における、移動制御により生じる慣性力または外力を吸収することを特徴とする請求項1に記載の移動ロボット。
【請求項3】
前記平面上の方向において前記移動機構部に対する前記筐体部の移動量を検出する移動量検出部と、
前記移動量検出部により予め定められた移動量を検出した場合に、前記移動機構部の駆動を制御する駆動制御部と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の移動ロボット。
【請求項4】
前記駆動制御部は、前記移動機構部により移動している際に、前記移動量検出部が予め定められた移動量を検出した場合に、前記移動機構部の駆動を停止制御することを特徴とする請求項3に記載の移動ロボット。
【請求項5】
前記駆動制御部は、前記移動機構部による移動が停止している際に、前記移動量検出部が予め定められた移動量を検出した場合に、前記移動量を検出した方向へ移動させる前記移動機構部の駆動制御を行うことを特徴とする請求項3に記載の移動ロボット。
【請求項6】
自装置を移動させるための駆動を行う移動機構部と、
前記移動機構部との間の平面上の揺動軸を介して前記移動機構部と連接されている筐体部と、
前記移動機構部と前記筐体部の間に設けられ、前記揺動軸による揺動方向の、移動制御により生じる慣性力または外力を吸収する緩衝部材と、
を備えたことを特徴とする移動ロボット。
【請求項7】
前記移動機構部と前記筐体部を連接し、前記平面上に存在する互いに直交する2軸方向の揺動軸を有する中間回転支持部と、をさらに備え、
前記緩衝部材は、前記移動機構部と前記筐体部の間に、前記2軸方向に有する前記揺動軸による揺動方向の慣性力または外力を吸収することを特徴とする請求項6に記載の移動ロボット。
【請求項8】
前記移動機構部と前記筐体部の間の前記揺動軸の揺動量を検出する揺動量検出部と、
前記揺動量検出部により予め定められた揺動量を検出した場合に、前記移動機構部の駆動を制御する駆動制御部と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項6または7に記載の移動ロボット。
【請求項9】
前記駆動制御部は、前記移動機構部により移動している際に、前記揺動量検出部が予め定められた揺動量を検出した場合に、前記移動機構部の駆動を停止制御することを特徴とする請求項8に記載の移動ロボット。
【請求項10】
前記駆動制御部は、前記移動機構部による移動が停止している際に、前記揺動量検出部が予め定められた移動量を検出した場合に、前記揺動量を検出した方向へ移動させる前記移動機構部の駆動制御を行うことを特徴とする請求項8に記載の移動ロボット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2006−150537(P2006−150537A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−347419(P2004−347419)
【出願日】平成16年11月30日(2004.11.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】