説明

継手装置

【課題】 部材と部材とが相互に回動可能に接続された場合の回動中心から部材の接続部位までの距離を短くすることができる継手装置を実現する。
【解決手段】 第1の軸受6aと第2の軸受6bとの間にはジョイントブロック4が収容されており、そのジョイントブロック4にはシャフト12が横方向に挿通されている。シャフト12およびジョイントブロック4には下から上へ六角穴付ボタンボルト2が挿通されており、その先端部2bはソケットホルダ20と直結されている。これにより、断端部に装着されるソケットホルダ20との接続部位と、シャフト12(肘)の回動中心との距離H1を短くすることができる。
従って、上腕の断端長が長い者が義手を装着した場合に、左右の肘の位置を一致させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、部材と部材とを相互に回動可能となるように接続する継手装置に関し、特に義手や義足に用いる継手装置として好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の継手装置として特許文献1に記載のものが知られている。図12は、特許文献1に記載の継手装置の説明図である。継手装置70は、回動部材71を備えており、この回動部材71に対して継手72,74が接続されている。継手72には、上腕の断端部に装着されるソケットと接続されるパイプ73が接続され、継手74には、義手と接続されるパイプ75が接続される。回動部材71が肘関節として機能し、継手72,74は回動部材71を回動中心として相互に回動可能になっている。
【0003】
【特許文献1】特開2003−299680号公報(第13段落、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来の継手装置70は、継手72とパイプ74との接続部位と、回動中心との距離H1が長いため、義手を装着する上腕の長さ(以下、断端長という)が長い(例えば、肘の近傍までの長さがある)人が装着すると、回動中心が本来の肘の位置よりも手首側へずれるため、肘の位置が左右で異なってしまい、不自然になるという問題がある。
【0005】
そこでこの発明は、部材と部材とが相互に回動可能に接続された場合の回動中心から部材の接続部位までの距離を短くすることができる継手装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、第1の軸穴(6e)が貫通形成された第1の軸受(6a)と、この第1の軸受(6a)と対向して設けられており、前記第1の軸穴(6e)と対向する第2の軸穴(6j)が貫通形成された第2の軸受(6b)と、前記第1の軸受(6a)および前記第2の軸受(6b)の各所定の部位間を連結する連結部(6h)と、前記第1の軸受(6a)と前記第2の軸受(6b)との間に形成されており、前記連結部(6h)を除く部分が開口された空間(6i)と、前記連結部(6h)であって前記空間(6i)と接しない部位に設けられており、接続の対象である第1の接続対象物(義手)を接続するための第1の接続部材(6f、8)と、前記第1の軸穴(6e)および前記第2の軸穴(6j)に回動可能に挿通された第1の軸部材(12)と、この第1の軸部材(12)の軸方向と交差して前記第1の軸部材(12)に貫通形成された第3の軸穴(12a)と、少なくとも一部が前記空間(6i)に収容されており、接続の対象である第2の接続対象物(断端側のソケット)を接続するための第2の接続部材(4)と、この第2の接続部材(4)に貫通形成されており、前記第1の軸部材(12)が挿通された第4の軸穴(4c)と、この第4の軸穴(4c)と交差して前記第2の接続部材(4)に貫通形成されており、前記第4の軸穴(4c)に挿通された前記第1の軸部材(12)の第3の軸穴(12a)と対向する第5の軸穴(4b)と、前記少なくとも一部が前記空間(6i)に収容された前記第2の接続部材(4)の第5の軸穴(4b)と、前記第1の軸穴(6e)および前記第2の軸穴(6e)に回動可能に挿通された第1の軸部材(12)の前記第3の軸穴(12a)とに挿通されており、先端部(2b)が前記第5の軸穴(4b)から突出した第2の軸部材(2)と、を備えており、前記第2の接続部材(4)は、前記空間(6i)内を前記第1の軸部材(12)を中心軸にして回動可能であり、前記第1の接続部材(6f、8)に接続された前記第1の接続対象物(義手)と、前記第5の軸穴(4b)から突出した前記第2の軸部材(2)の先端部(2b)に接続された前記第2の接続対象物(断端側のソケット)とが相対的に回動可能であるという技術的手段を用いる。
【0007】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の継手装置(1)において、前記第2の軸部材(2)の前記先端部(2b)には、前記第2の接続対象物(断端側のソケット)に設けられた第1のネジ部と結合するための第2のネジ部が形成されており、かつ、前記第2の軸部材(2)の後端部(2a)には、前記第2のネジ部を回動させるための工具をあてがうための工具用部位(2c)が形成されており、前記第2の接続部材(4)を前記第1の軸部材(12)を中心軸にして所定角度回動させると、前記工具用部位(2c)が露出するという技術的手段を用いる。
【0008】
請求項3に記載の発明では、請求項1または請求項2に記載の継手装置(1)において、前記第1の軸部材(12)を挿通可能な挿通孔(10a)を有するとともに、前記第1の軸受(6a)の前記第1の軸穴(6e)の周辺に形成された外面(6c)と対向する内面に摩擦面(図6の10d)が形成された摩擦部材(10)と、この摩擦部材(10)の外面(10c)に接触して設けられており、第3のネジ部(図6の5b)を有する締付部材(5)とを備えており、前記第1の軸部材(12)の端部には、前記第3のネジ部(5b)と結合するための第4のネジ部(12b)が形成されており、前記第1の軸穴(6e)から外方へ突出した前記第1の軸部材(12)は、前記摩擦部材(10)の挿通孔(10a)に挿通されているとともに、前記挿通孔(10a)から外方へ突出した前記第1の軸部材(12)の第4のネジ部(12b)には、前記締付部材(5)の第3のネジ部(5b)が結合されており、かつ、前記締付部材(5)は、前記摩擦部材(10)の外面(10c)に接触しているとともに、前記摩擦部材(10)の摩擦面(10d)は、前記第1の軸受(6a)の外面(6c)に接触しており、前記第3のネジ部(5b)および前記第4のネジ部(12b)の結合強度を調節することにより、前記摩擦部材(10)の摩擦面(10d)と前記第1の軸受(6a)の外面(6c)との間に作用する摩擦力が変化することにより、前記第2の接続部材(4)が前記第1の軸部材(12)を中心軸にして回動するために必要な力が変化するという技術的手段を用いる。
【0009】
請求項4に記載の発明では、請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の継手装置(1)において、前記第1の接続対象物は前記義手の肘関節から下の部分であり、前記第2の接続対象物は前記義手を装着する腕の断端に装着される部材であるという技術的手段を用いる。
【発明の効果】
【0010】
(請求項1に記載の発明の効果)
第1の軸部材(12)を中心軸にして回動可能な第2の接続部材(4)の第5の軸穴4bから第2の軸部材(2)の先端部(2b)が突出しており、その先端部(2b)に第2の接続対象物を直接接続することができるため、先端部(2b)と第2の接続対象物との接続部位から中心軸までの距離を短くすることができる。
例えば、請求項1の発明に係る継手装置(1)を請求項4に記載のように義手用の継手装置に使用すれば、腕の断端部に装着されたソケットとの接続部位から肘までの距離を短くすることができるため、断端長が長い人が装着した場合に、肘の位置が左右で異なってしまい、不自然になってしまうおそれがない。
【0011】
(請求項2に記載の発明の効果)
第2の接続部材(4)を第1の軸部材(12)を中心軸にして所定角度回動させた際に露出する工具用部位(2c)に工具をあてがって第2に軸部材(2)の先端部(2b)に形成された第2のネジ部を回動させることにより、その第2のネジ部に接続される第2の接続対象物に対して第1の接続対象物を着脱することができる。
例えば、請求項2の発明に係る継手装置(1)を請求項4に記載のように義手用の継手装置に使用すれば、義手を肘関節(第1の軸受6aおよび第2の軸受6b)を中心にして回動し、工具用部位(2c)を露出させることにより、義手を着脱することができる。
【0012】
(請求項3に記載の発明の効果)
第3のネジ部(5b)および第4のネジ部(12b)の結合強度を調節することにより、第2の接続部材(4)が第1の軸部材(12)を中心軸にして回動するために必要な力を変化させることができる。
例えば、請求項3の発明に係る継手装置(1)を請求項4に記載のように義手用の継手装置に使用すれば、第3のネジ部(5b)および第4のネジ部(12b)の結合強度を調節することにより、義手の肘関節を曲げるために必要な力を調節することができる。例えば、義手が使用中に肘関節から不用意に曲がってしまうような場合は、第3のネジ部(5b)および第4のネジ部(12b)の結合強度を強くすることにより、義手が肘関節から不用意に曲がってしまうおそれがなくなる。また、義手をソケットから取り外す場合は、第3のネジ部(5b)および第4のネジ部(12b)の結合強度を弱くすることにより、義手を肘関節から容易に曲げることができ、それにより露出した工具用部位(2c)に工具をあてがうことにより、義手をソケットから容易に外すことができる。
なお、上記括弧内の符号は、後述する実施形態において記載する符号と対応するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
この実施形態では、この発明に係る継手装置として装飾用の義手に使用する継手装置を例に挙げて図1ないし図11を用いて説明する。
図1は、この実施形態に係る継手装置を正面左斜め上方から見た斜視図である。図2は、継手装置を背面右斜め下方から見た斜視図である。図3は、継手装置の背面図である。図4は、継手装置の平面を左側面から見た説明図である。図5は、継手装置を左側面から見た一部透視図を含む説明図である。図6は、図5のA−A矢視断面図である。図7は、継手装置を構成する部材を分解して正面左斜め上方から見た分解斜視図である。図8は、使用状態の継手装置を正面左斜め上方から見た斜視図である。図9は、使用状態の継手装置を左側面から見た説明図である。図10は、図9のA−A矢視断面図である。図11は、継手装置の変更使用例を示す説明図である。
【0014】
[継手装置の主な特徴]
図8ないし図10に示すように、この実施形態の継手装置1は、ソケットホルダ20および義手(図示省略)と接続される。ソケットホルダ20は、上腕の断端部の外周面に装着されるソケットを固定するための部材である。また、図11に示すように、継手装置1の下部には、パイプ50を介してリストコネクタ60が接続される。リストコネクタ60は、義手の手首部分の内部に設けられた接続部材(図示省略)と接続される。つまり、継手装置1は肘関節の役割をする。
ソケットホルダ20は、継手装置1と接続するためのベース24を備えており、そのベース24の外周面の3個所には、取付金具21,22,23の下端が取付けられている。各取付金具はアルミニウムにより、肉薄の細長い板状に形成されている。各取付金具は可撓性を有しており、上記ソケットの形状に対応して変形可能になっている。ベース24の中央には、内周面に雌ねじが刻まれたボルト挿通孔24aが上下方向に貫通形成されており、継手装置1の六角穴付ボタンボルト2の先端部2bの外周面に刻まれた雄ねじ部をボルト挿通孔24aにねじ込むことにより、継手装置1の頭部にソケットホルダ20が固定される。
図10に示すように、継手装置1の回動中心からベース24の底面までの距離H1が非常に短くなっている。この実施形態では、距離H1は約19mmであり、その距離H1が50mm以上あった従来の継手装置と比較すると、31mm以上も短くすることができた。
つまり、義手を装着する上腕の長さ(以下、断端長という)が肘の近傍まである者でも、継手装置1にソケットホルダ20を接続すれば、断端部の近傍に継手装置1の回動中心、つまり肘を設定することができるため、本来の肘の位置と同等にすることができる。
従って、左右の肘の位置を同等にすることができるため、継手装置1を使用した義手の装着者は、違和感なく義手を使用することができる。
【0015】
[継手装置の詳細な説明]
以下の説明では、ソケットホルダ20が接続される方を上とし、義手の下腕部が接続される方を下とする。また、継手装置1の中心を向く面を内面または内側とし、外方を向く面を外面または外側とする。また、継手装置1の中心から外方または外方から中心に向かう方向を左右方向という。
図7に示すように、継手装置1は、肘関節の役割をするエルボージョイント6を備える。エルボージョイント6は、第1の軸受6aおよび第2の軸受6bを備える。この実施形態では、第1の軸受6aおよび第2の軸受6bは、それぞれ円板形状に形成されている。第1の軸受6aおよび第2の軸受6bは、内側の面間に距離を置いて、内側の面を相対向させて配置されており、各内側の面間には、空間6iが形成されている。第1の軸受6aの中央には、左右方向に第1の軸穴6eが貫通形成されており、第2の軸受6bの中央には、左右方向に第2の軸穴6jが貫通形成されている。第1の軸穴6eおよび第2の軸穴6jは、軸穴の内側の開口部を相対向させている。第1の軸穴6eおよび第2の軸穴6jは、空間6iを介して相互に連通している。
【0016】
第1の軸受6aの外面は、内方に向けてえぐられており(内方に向けて凹形状に形成されており)、第1の軸穴6eの外側の開口部の周囲には、側面6cが形成されている。側面6cは、横方向から見ると、中心に穴の開いたコイン形状を呈している。その側面6cの外周から外方に向けて周壁6dが形成されている。周壁6dは、高さの低い円筒形状を呈している。つまり、第1の軸受6aの外面は、後述する円板状のフリクションディスク10を収容可能な形状に形成されている。図6に示すように、第2の軸受6bの外面は、外方に円弧状に膨らんだ形状に形成されている。
エルボージョイント6は、後述するパイプ継手8を接続するためのベース6fを備えており、そのベース6fの上面に形成された連結部6hには、第1の軸受6aおよび第2の軸受6bの下部がそれぞれ固定されている。ベース6fには、上下方向にボルト挿通孔6k(図6)が貫通形成されており、ボルト挿通孔6kの内壁には、雌ねじが刻まれている。この実施形態では、ベース6fは円筒形状に形成されている。連結部6hの端部の一部は、外方へつば状に張り出しており、その張り出した部分の両端にも第1の軸受6aおよび第2の軸受6bの下部が固定されている。これにより、第1の軸受6aおよび第2の軸受6bの下部と、連結部6hとの接続面積が増加し、接続強度を増大させている。
【0017】
上記空間6iは、第1の軸受6aおよび第2の軸受6bの各内面と、連結部6hの上面とによって囲まれた部分に形成されており、連結部6hの上面を除く部分が開口されている。空間6iには、後述するジョイントブロック4の少なくとも一部が回動可能に収容される。
ベース6fの下部には、パイプ継手8が接続されている。パイプ継手8には、上下方向に第7の軸穴8cが貫通形成されており、その第7の軸穴8cには、下部から六角穴付ボタンボルト15が挿通されている。図6に示すように、パイプ継手8の下面には、六角穴付ボタンボルト15の頭部と、パイプ継手8に接続されるパイプ50(図11)の上端とを収容可能な空間8eが第7の軸穴8cに連通して形成されている。
六角穴付ボタンボルト15は、樹脂ワッシャ16に挿通されてからパイプ継手8の第7の軸穴8cに挿通されており、さらに第7の軸穴8cから突出した六角穴付ボタンボルト15はフリクションディスク7に挿通された後に、エルボージョイント6のボルト挿通孔6kにねじ込まれる。この実施形態では、パイプ継手8は円筒形状に形成されており、その上面は、下方に向けてえぐられており(凹形状に形成されており)、第7の軸穴8cの上部の開口部の周囲には、上面8a(図7)が形成されている。上面8aは、上方から見ると、中心に穴の開いたコイン形状を呈している。その上面8aの外周から上方に向けて周壁8bが形成されている。周壁8bは、高さの低い円筒形状を呈しており、その周壁8bの内側に円板状のフリクションディスク7が収容されている(図6)。
【0018】
つまり、図6に示すように、エルボージョイント6のベース6fの下面と、パイプ継手8の上面との間には、フリクションディスク7が介在されており、フリクションディスク7の上面は、ベース6fの下面と接触している。フリクションディスク7の上面は、大きい摩擦係数で形成されており、六角穴付ボタンボルト15をボルト挿通孔6kへねじ込む量を調節することにより、フリクションディスク7の上面とベース6fの下面との摩擦力を調節することができ、パイプ継手8とベース6fとの結合力を調節することができる。この実施形態では、フリクションディスク7は、円板の中心に円形の穴が貫通形成されたリング形状に形成されている。
六角穴付ボタンボルト15の頭部の上面と、空間8eの上面であって第7の軸穴8cの下部開口部の周縁との間には、樹脂ワッシャ16が介在されている。
つまり、六角穴付ボタンボルト15の締付け力を調整することにより、エルボージョイント6とパイプ継手8との間に作用する摩擦力を調整することができる。従って、エルボージョイント6から義手の手首にかけてのラインを中心軸として義手を回動させるために必要な力を調整することができる。
【0019】
エルボージョイント6のベース6fの外周面には、六角穴付止めねじ14をねじ込むためのねじ挿通孔6gがボルト挿通孔6kに連通するように左右方向に貫通形成されている。ねじ挿通孔6gの内壁には、六角穴付止めねじ14をねじ込むための雌ねじが刻まれている。六角穴付止めねじ14は、ねじ挿通孔6gからボルト挿通孔6kへ突出可能な長さに形成されている。
パイプ継手8の外周面には、六角穴付止めねじ9をねじ込むためのねじ挿通孔8dが空間8eに連通するように左右方向に貫通形成されている。ねじ挿通孔8dの内壁には、六角穴付止めねじ9をねじ込むための雌ねじが刻まれている。六角穴付止めねじ9は、ねじ挿通孔8dから空間8eへ突出可能な長さに形成されている。
つまり、図6に示すように、六角穴付止めねじ14をねじ挿通孔6gへねじ込むと、六角穴付止めねじ14の先端が六角穴付ボタンボルト15の外周面を押圧し、六角穴付ボタンボルト15の回動が阻止される。これにより、エルボージョイント6とパイプ継手8との結合力が低下してしまい、パイプ継手8に接続された義手が不用意に回動するおそれがなくなる。
また、六角穴付止めねじ9をねじ挿通孔8dへねじ込むと、六角穴付止めねじ9の先端が、パイプ継手8の空間8eに収容されたパイプ50(図11)の外周面を押圧し、パイプ50の空間8eからの抜けが阻止される。
【0020】
第1の軸受6aの第1の軸穴6eには、シャフト12が挿通されており、さらにシャフト12は空間6iを通って第2の軸受6bの第2の軸穴6jに挿通されている。シャフト12の一方の端面には、後述するアジャスタ5のスタッドボルト5b(図6)をねじ込むためのボルト挿通孔12bが内方に向けて形成されており、ボルト挿通孔12bの内壁には、スタッドボルト5bをねじ込むための雌ねじが刻まれている。シャフト12の両端は、それぞれフランジブッシュ11の挿通孔11aに挿通されている。各フランジブッシュ11は、高さの低い円筒形状に形成された円筒状部11bと、その円筒状部11bの内側寄りに位置する外周から径方向へつば状に張り出したフランジ部11cと、円筒状部11bを左右方向へ貫通した挿通孔11aとから構成される。各フランジブッシュ11は、フランジ部11cが内側に位置するようにしてシャフト12の両端にそれぞれ装着されている。
【0021】
シャフト12のボルト挿通孔12bが形成された側の端部(以下、左端という)は、フリクションディスク10の挿通孔10aに挿通されている。
フリクションディスク10の外面には、アジャスタ5が取付けられている。アジャスタ5の内側の面5c(図6)は、フリクションディスク10の外面10c(図7)と面接触する大きさおよび形状に形成されている。この実施形態では、アジャスタ5は、内側の5cが平面で外側の面が外方に円弧状に膨らんだ円板形状に形成されており、外縁が、第1の軸受6aの外面6cに嵌り込む形状に形成されている。
アジャスタ5の外面の中央には、スタッドボルト5bをシャフト12のボルト挿通孔12bへねじ込む際に六角レンチの先端を嵌め込むための六角穴5aが形成されている。アジャスタ5のスタッドボルト5bをシャフト12のボルト挿通孔12bへねじ込むと、アジャスタ5の内側の面5cに押されてフリクションディスク10の内側の摩擦面10d(図6)が第1の軸受6aの外面6cに押し付けられ、アジャスタ5の内側の面5cはフリクションディスク10の外面10cに押し付けられる。
【0022】
この実施形態では、フリクションディスク10の内側の摩擦面10dは、大きい摩擦係数で形成されており、アジャスタ5のスタッドボルト5bをシャフト12のボルト挿通孔12bへねじ込む量を調節することにより、フリクションディスク10の内側の摩擦面10dと、第1の軸受6aの外面6cとの摩擦力を調節することができ、第1の軸受6aおよび第2の軸受6bに回動可能に挿通されたシャフト12が回動するために必要な力、つまり後述するジョイントブロック4が回動するために必要な力を調節することができる。
また、フリクションディスク10の挿通孔10aは、円の周縁の一部が直線状になった形状に形成されており、シャフト12の左端も挿通孔10aと対応した形状に形成されている。つまり、シャフト12の左端に装着されたフリクションディスク10がシャフト12の回動に伴って空回りしてフリクションディスク10の内側の面と第1の軸受6aの外面6cとの摩擦力が減少してしまい、シャフト12が回動するために必要な力が小さくならないようになっている。換言すると、義手を使用中に突然肘が曲がってしまうことがないようになっている。
この実施形態では、フリクションディスク7,10は、それぞれ樹脂により形成されている。例えば、その樹脂としては、面潤滑が良好で安価であるという理由により、ポリオキシメチレンが好適に用いられる。
【0023】
空間6iには、ジョイントブロック4が配置されている。ジョイントブロック4には、第4の軸穴4cが左右方向に貫通形成されており、その第4の軸穴4cにはシャフト12が挿通されている。ジョイントブロック4には、第5の軸穴4bが上下方向に貫通形成されており、第4の軸穴4cおよび第5の軸穴4bは、ジョイントブロック4の内部で相互に連通している。換言すると、第4の軸穴4cおよび第5の軸穴4bは、ジョイントブロック4の内部で交差している。
シャフト12の略中央には、第3の軸穴12aがシャフト12の軸方向と交差するように上下方向に貫通形成されている。第3の軸穴12aは、ジョイントブロック4の内部において第5の軸穴4bと連通する位置に配置されている。
第5の軸穴4bの下の開口部から六角穴付ボタンボルト2が挿通されており、さらにジョイントブロック4の内部においてシャフト12の第3の軸穴12aを下から上へ挿通しており、さらに第5の軸穴4bの上の開口部から上方へ突出している。
【0024】
つまり、ジョイントブロック4の内部において、シャフト12と六角穴付ボタンボルト2とが直交している。六角穴付ボタンボルト2は樹脂ワッシャ13に挿通されてから第5の軸穴4bの下の開口部に挿通されており、図6に示すように、六角穴付ボタンボルト2の頭部2aと第5の軸穴4bの下の開口部近傍のジョイントブロック4との間には、樹脂ワッシャ13が介在されている。ジョイントブロック4の底面であって第5の軸穴4bの周囲には、第5の軸穴4bに挿通された六角穴付ボタンボルト2の頭部2aおよび樹脂ワッシャ13が収容される空間4dが形成されている。また、図2に示すように、六角穴付ボタンボルト2の頭部2aには、六角レンチをあてがうための六角穴(工具用部位)2cが形成されている。
ジョイントブロック4の背面には、六角穴付止めねじ18,18をそれぞれ挿通するためのねじ挿通孔4e,4e(図3)が前後方向にそれぞれ貫通形成されている。第1の軸受6a、ジョイントブロック4および第2の軸受6bに挿通されたシャフト12の背面であって、ねじ挿通孔4e,4eに連通する部位には、ねじ挿通孔4e,4eにそれぞれ挿通された六角穴付止めねじ18,18をそれぞれねじ込むための雌ねじが前後方向に形成されている。六角穴付止めねじ18,18をそれぞれねじ挿通孔4e,4eへ挿通し、それらを上記雌ねじへそれぞれねじ込むことにより、シャフト12がジョイントブロック4に固定され、ジョイントブロック4の回動に伴ってシャフト12が回動する。
ジョイントブロック4の上面には、ソケットホルダ20のベース24を接続するためのジョイントベース3が取付けられている。ジョイントブロック4の上面には、六角穴付皿ボルト17,17をねじ込むためのねじ挿通孔4a,4aが下向きに形成されている。ジョイントブロック4には、六角穴付ボタンボルト2の先端部2bを挿通させるための第8の軸穴3bと、六角穴付皿ボルト17,17を挿通させるためのねじ挿通孔3a,3aとが上下方向に貫通形成されている。
【0025】
ジョイントブロック4の第5の軸穴4bの上の開口部から上方へ突出した六角穴付ボタンボルト2の先端部2bは、ジョイントベース3の第8の軸穴3bに下から上へ挿通されており、六角穴付皿ボルト17,17は、ジョイントベース3のねじ挿通孔3a,3aからジョイントブロック4のねじ挿通孔4a,4aへそれぞれねじ込まれている。ジョイントベース3は、ソケットホルダ20のベース24の下部形状と対応した形状に形成されており、この実施形態では、円板形状に形成されている。
図5においてジョイントベース3を動かないように固定し、パイプ継手8の左側面を右方向へ押すと、エルボージョイント6およびパイプ継手8は、一体となって六角穴5a(中心軸)を中心に左(反時計方向)へ回動する。また、パイプ継手8の右側面を左方向へ押すと、エルボージョイント6およびパイプ継手8は、一体となって六角穴5a(中心軸)を中心に右(時計方向)へ回動する。この実施形態では、エルボージョイント6およびパイプ継手8の回動角度の最大値は、約120度である。
【0026】
また、図2に示す状態において、エルボージョイント6およびパイプ継手8を左(反時計方向)へ回動すると、ジョイントブロック4の底部に配置されている六角穴2cが露出する。そして、その六角穴2cに六角レンチをあてがい、六角レンチを回すと六角穴付ボタンボルト2が回転し、先端部2bのネジ部が緩み、ジョイントベース3からソケットホルダ20が外れる。
また、この実施形態では、リストコネクタ60(図11)は円筒形状に形成されており、その先端61の内周面には雌ねじが刻まれており、その雌ねじに義手の手首部分の内部に配置された接続部材の雄ねじをねじ込むことにより、リストコネクタ60と義手の手首部分とが接続される。また、リストコネクタ60の側面(図面右側面)には、上下方向にスリット(すり割)が形成されており、その近傍には、スリットの間隔を調整するための六角穴付ボルト62が設けられている。リストコネクタ60の上端63の開口部にパイプ50の先端を挿入し、六角穴付ボルト62を締め付けることにより、リストコネクタ60の上端63にパイプ50の先端が固定される。
【0027】
[最良の形態の効果]
(1)以上のように上記最良の形態の継手装置1を使用すれば、シャフト12を中心軸にして回動可能なジョイントブロック4の第5の軸穴4bから六角穴付ボタンボルト2の先端部2bが突出しており、その先端部2bにソケットホルダ20を直接接続することができるため、先端部2bとソケットホルダ20との接続部位から中心軸までの距離H1を短くすることができる。
従って、断端長が長い人が義手を装着した場合に、肘の位置が左右で異なってしまい、不自然になってしまうおそれがない。
(2)しかも、ジョイントブロック4をシャフト12を中心軸にして所定角度回動させた際に露出する六角穴2cに六角レンチをあてがって六角穴付ボタンボルト2の先端部2bに形成された雄ねじ部を回動させることにより、その雄ねじ部に接続されるソケットホルダ20に対して義手を着脱することができる。
つまり、義手の肘を曲げるだけで義手の着脱を容易に行うことができる。
(3)また、アジャスタ5を回し、アジャスタ5のスタッドボルト5bおよびボルト挿通孔12bの結合強度を調節することにより、義手の肘関節を曲げるために必要な力を調節することができる。
【0028】
[他の実施形態]
(1)上腕部の断端長が短い場合は、図11に示すように、継手装置1とソケットホルダ20との間に長さ調節用の上腕スペーサ30を介在させることもできる。上腕スペーサ30は、パイプ31と、パイプ31の上端から上方へ突出したボルト32とを備える。継手装置1およびパイプ31は、上腕スペーサベース40によって接続される。円筒形状の上腕スペーサベース40の下部41の内部には、六角穴付ボタンボルト2の先端部2bをねじ込むための雌ねじが刻まれている。上腕スペーサベース40の側面には、六角穴付ボルト42が設けられている。六角穴付ボルト42は、ねじ込むことにより、その先端が上腕スペーサベース40の内部空間へ突出する。
【0029】
上腕スペーサベース40を回転させて、その下部41の内部に刻まれた雌ねじに先端部2bの雄ねじをねじ込むことにより継手装置1の上端に上腕スペーサベース40を取付ける。そして、パイプ31の下部33を上腕スペーサベース40の上面開口部43に挿入し、六角穴付ボルト42をねじ込み、その先端でパイプ31の外周面を押圧することにより、上腕スペーサベース40に上腕スペーサ30を取付ける。
上記のように、断端長が短い場合であっても、上腕スペーサ30および上腕スペーサベース40を介して継手装置1とソケットホルダ20とを接続することができる。また、断端長の長さに応じてパイプ31の長さを変更すれば、継手装置1を使用することができる。また、上記構成を実施した場合でも、継手装置1の構成および機能は、前述の最良の形態と同じであるため、最良の形態の効果(1)ないし(3)を奏することができることは勿論である。
【0030】
(2)上記各実施形態では、この発明の継手装置として、義手に使用した場合を代表に説明したが、義足に使用することもできる。この場合、ソケットホルダ20は、大腿の断端部に装着されたソケットに取付けられ、パイプ50の下端は、義足の足首部分に取付けられる。このように、継手装置1を義足に使用した場合は、以下の効果を奏することができる。
(イ)シャフト12を中心軸にして回動可能なジョイントブロック4の第5の軸穴4bから六角穴付ボタンボルト2の先端部2bが突出しており、その先端部2bにソケットホルダ20を直接接続することができるため、先端部2bとソケットホルダ20との接続部位から中心軸までの距離H1を短くすることができる。
従って、断端長(大腿の切断した長さ)が長い人が義足を装着した場合に、膝の位置が左右で異なってしまい、不自然になってしまうおそれがない。
(ロ)しかも、ジョイントブロック4をシャフト12を中心軸にして所定角度回動させた際に露出する六角穴2cに六角レンチをあてがって六角穴付ボタンボルト2の先端部2bに形成された雄ねじ部を回動させることにより、その雄ねじ部に接続されるソケットホルダ20に対して義足を着脱することができる。
つまり、義足の膝を曲げるだけで義足の着脱を容易に行うことができる。
(ハ)また、アジャスタ5を回し、アジャスタ5のスタッドボルト5bおよびボルト挿通孔12bの結合強度を調節することにより、義足の膝関節を曲げるために必要な力を調節することができる。
【0031】
(3)この発明に係る継手装置は、義手および義足以外に、ロボットの腕や脚などの関節にも使用することができる。この場合、継手装置1の先端部2bには、ロボットの上腕または大腿が接続され、ベース6fには、ロボットの前腕または下腿が接続される。そして、次の効果を奏することができる。
(a)ジョイントブロック4をシャフト12を中心軸にして所定角度回動させた際に露出する六角穴2cに六角レンチをあてがって六角穴付ボタンボルト2の先端部2bに形成された雄ねじ部を回動させることにより、その雄ねじ部に接続されるロボットの上腕または大腿を着脱することができる。
つまり、ロボットの腕または脚を曲げるだけで上腕または大腿の着脱を容易に行うことができる。
(ハ)また、アジャスタ5を回し、アジャスタ5のスタッドボルト5bおよびボルト挿通孔12bの結合強度を調節することにより、肘関節または膝関節を曲げるために必要な力を調節することができる。
【0032】
[各請求項と実施形態との対応関係]
六角穴付ボタンボルト2が、請求項1に記載の第2の軸部材に対応し、ジョイントブロック4が第2の接続部材に対応し、シャフト12が第1の軸部材に対応する。また、ベース6fおよびパイプ継手8が第1の接続部に対応し、義手が第1の接続対象物に対応し、ソケットホルダ20が第2の接続対象物に対応する。
頭部2aが請求項2に記載の後端部に対応し、六角穴2cが工具用部位に対応する。フリクションディスク10が請求項3に記載の摩擦部材に対応し、アジャスタ5が締付部材に対応する。また、スタッドボルト5bが第3のネジ部に対応し、ボルト挿通孔12bが第4のネジ部に対応する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】この発明の実施形態に係る継手装置を正面左斜め上方から見た斜視図である。
【図2】継手装置を背面右斜め下方から見た斜視図である。
【図3】継手装置の背面図である。
【図4】継手装置の平面を左側面から見た説明図である。
【図5】継手装置を左側面から見た一部透視図を含む説明図である。
【図6】図5のA−A矢視断面図である。
【図7】継手装置を構成する部材を分解して正面左斜め上方から見た分解斜視図である。
【図8】使用状態の継手装置を正面左斜め上方から見た斜視図である。
【図9】使用状態の継手装置を左側面から見た説明図である。
【図10】図9のA−A矢視断面図である。
【図11】継手装置の変更使用例を示す説明図である。
【図12】従来の継手装置の説明図である。
【符号の説明】
【0034】
1 継手装置
2 六角穴付ボタンボルト(第2の軸部材)
2a 頭部(後端部)
2b 先端部
2c 六角穴(工具用部位)
3 ジョイントベース
4 ジョイントブロック(第2の接続部材)
4b 第5の軸穴
4c 第4の軸穴
5 アジャスタ(締付部材)
5b スタッドボルト(第3のネジ部)
6 エルボージョイント
6a 第1の軸受
6b 第2の軸受
6e 第1の軸穴
6f ベース(第1の接続部)
6h 連結部
6i 空間
6j 第2の軸穴
7 フリクションディスク
8 パイプ継手(第1の接続部)
9 六角穴付止めねじ
10 フリクションディスク(摩擦部材)
10d 摩擦面
11 フランジブッシュ
12 シャフト(第1の軸部材)
12a 第3の軸穴
12b ボルト挿通孔(第4のネジ部)
13 樹脂ワッシャ
14 六角穴付止めねじ
15 六角穴付ボタンボルト
16 樹脂ワッシャ
17 六角穴付皿ボルト
18 六角穴付止めねじ
20 ソケットホルダ(第2の接続対象物)
30 上腕スペーサ
40 上腕スペーサベース
50 パイプ
60 リストコネクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の軸穴が貫通形成された第1の軸受と、
この第1の軸受と対向して設けられており、前記第1の軸穴と対向する第2の軸穴が貫通形成された第2の軸受と、
前記第1の軸受および前記第2の軸受の各所定の部位間を連結する連結部と、
前記第1の軸受と前記第2の軸受との間に形成されており、前記連結部を除く部分が開口された空間と、
前記連結部であって前記空間と接しない部位に設けられており、接続の対象である第1の接続対象物を接続するための第1の接続部材と、
前記第1の軸穴および前記第2の軸穴に回動可能に挿通された第1の軸部材と、
この第1の軸部材の軸方向と交差して前記第1の軸部材に貫通形成された第3の軸穴と、
少なくとも一部が前記空間に収容されており、接続の対象である第2の接続対象物を接続するための第2の接続部材と、
この第2の接続部材に貫通形成されており、前記第1の軸部材が挿通された第4の軸穴と、
この第4の軸穴と交差して前記第2の接続部材に貫通形成されており、前記第4の軸穴に挿通された前記第1の軸部材の第3の軸穴と対向する第5の軸穴と、
前記少なくとも一部が前記空間に収容された前記第2の接続部材の第5の軸穴と、前記第1の軸穴および前記第2の軸穴に回動可能に挿通された第1の軸部材の前記第3の軸穴とに挿通されており、先端部が前記第5の軸穴から突出した第2の軸部材と、を備えており、
前記第2の接続部材は、前記空間内を前記第1の軸部材を中心軸にして回動可能であり、前記第1の接続部材に接続された前記第1の接続対象物と、前記第5の軸穴から突出した前記第2の軸部材の先端部に接続された前記第2の接続対象物とが相対的に回動可能であることを特徴とする継手装置。
【請求項2】
前記第2の軸部材の前記先端部には、前記第2の接続対象物に設けられた第1のネジ部と結合するための第2のネジ部が形成されており、かつ、前記第2の軸部材の後端部には、前記第2のネジ部を回動させるための工具をあてがうための工具用部位が形成されており、
前記第2の接続部材を前記第1の軸部材を中心軸にして所定角度回動させると、前記工具用部位が露出することを特徴とする請求項1に記載の継手装置。
【請求項3】
前記第1の軸部材を挿通可能な挿通孔を有するとともに、前記第1の軸受の前記第1の軸穴の周辺に形成された外面と対向する内面に摩擦面が形成された摩擦部材と、
この摩擦部材の外面に接触して設けられており、第3のネジ部を有する締付部材とを備えており、
前記第1の軸部材の端部には、前記第3のネジ部と結合するための第4のネジ部が形成されており、
前記第1の軸穴から外方へ突出した前記第1の軸部材は、前記摩擦部材の挿通孔に挿通されているとともに、前記挿通孔から外方へ突出した前記第1の軸部材の第4のネジ部には、前記締付部材の第3のネジ部が結合されており、かつ、前記締付部材は、前記摩擦部材の外面に接触しているとともに、前記摩擦部材の摩擦面は、前記第1の軸受の外面に接触しており、
前記第3のネジ部および前記第4のネジ部の結合強度を調節することにより、前記摩擦部材の摩擦面と前記第1の軸受の外面との間に作用する摩擦力が変化することにより、前記第2の接続部材が前記第1の軸部材を中心軸にして回動するために必要な力が変化することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の継手装置。
【請求項4】
前記第1の接続対象物は前記義手の肘関節から下の部分であり、
前記第2の接続対象物は前記義手を装着する腕の断端に装着される部材であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の継手装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−46507(P2006−46507A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−228854(P2004−228854)
【出願日】平成16年8月5日(2004.8.5)
【出願人】(390005751)株式会社今仙技術研究所 (6)
【出願人】(597148873)株式会社佐藤技研 (2)
【Fターム(参考)】