説明

自由電子補給体

【課題】皮膚面にマイナス電荷を起こさせ、このマイナス電荷により、皮膚面に発生したプラス電荷を中和し、延いてはプラス電荷を中和すべくその部位に送り込まれてくる血流量を逓減させ、血流量の増大に伴う鬱血の防止及びこれに起因する様々な症状の解消を図ることができる自由電子補給体を提供する。
【解決手段】人体の皮膚を含む様々な物質同士の間には帯電傾向が存在することに着目し、人体の皮膚よりもプラスに帯電する物質を皮膚面に付着させ、この物質と皮膚との間の摩擦で皮膚面にマイナス電荷を起こさせる。人体の任意の部位に沿い得る形態とされた基材2と、この基材2の、少なくとも前記部位の皮膚面を臨む面に、その全面に亘って或いは部分的に設けられた、多数本の人毛又は動物の毛からなる植毛層3と、を含む構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体の任意の部位の皮膚面に添付して使用される自由電子補給体に係り、特に、人体の皮膚面に生じるプラス電荷を効果的に体外に放出させる自由電子補給体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、導電性材料を用いることにより人体の健康増進や衛生に寄与しうるとされる健康用具が公知である(特許文献1)。この健康用具は、人体に添わせる基体部と、この基体部の表面に設けられた導電性材料とを備え、導電性材料が人体の近傍に配置されるものであり、抗菌作用又は生理機能の活性化作用を奏するとされている。そして、複数の実施形態が例示されており、その一つに靴の中敷きが挙げられている。
【0003】
上記特許文献1に掲示された靴の中敷きは、布や樹脂シートからなる基材シートの表面に導電性塗料が塗布されるとともに導電性塗料に導電線を介して金属体が接続されたものである。使用に際しては、基材シートを導電性塗料が塗布された面が靴底に向くようにして靴内に入れて足裏に導電性塗料が直接触れないようにし、金属体は靴の外側に取り付ける。そして、このようになる中敷きの作用効果の根拠については次のように説明されている。
【0004】
すなわち、導電性材料によって導電性材料近傍の人体には人体内の電荷やイオンが集まり、これにより導電性材料近傍の人体に空気中のイオンが引き付けられる。つまり、導電性材料側はプラス、人体側がマイナスに帯電しているので、人体の足裏の表面にはプラスイオンが引き寄せられる。この引き寄せられたイオンが抗菌又は殺菌効果を奏すると考えられる。また、導電性塗料や人体の帯電電荷とこれに引き寄せられた空気中のイオンの電荷とが中和され続けることにより人体から導電性材料に定常的な電流が流れたような状態が創成され、その電流により、導電性材料の近傍には人体内に蓄電された電荷が常時集電される。よって、血液中のプラスイオン又はマイナスイオンが常時導電性材料の近傍に集まり、これが血流を促進する等の効果を奏し生体機能を活性化しているものと考えられる、と説明されている。
【特許文献1】特開2007−50160号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、足は活動時常に大量の自由電子を放出し、足自らはプラスに帯電することになるので、人体はこのプラス電荷を外部に放出しようとする。したがって、特許文献1に説明されているような現象は生じない。つまり、人体の足裏の表面にプラスイオンが引き寄せられるようなことは起こらず、導電性塗料や人体の帯電電荷とこれに引き寄せられた空気中のイオンの電荷とが中和され続けることにより人体から導電性材料に定常的な電流が流れたような状態が創成される、といった現象は生じない。
【0006】
よって、特許文献1に記載の靴の中敷きは、足の鬱血によって引き起こされる様々なトラブルを解消することは望めない。
【0007】
そこで本願の発明者は、鋭意研究の結果、次のような観点から本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、足は体を支えるために足底部に存在する様々な筋肉を絶えず複雑に緊張させてバランスを保っており、そのため、足は他の身体部位に比較して多大なエネルギーを産生し、これを消費していることから、その過程で足底部では大量の自由電子を消費し、足底部自らはプラスに帯電することになる。そしてプラス帯電が過剰となると、足底部における血液循環及びリンパ液循環を電気的に阻害することになる。これを回避する目的で、足の皮膚は電気的にプラスに偏位した状態を緩和すべく自由電子を周囲から取り込もうと機能しようとする。しかしながら、長時間に亘り靴を履く現代の生活様式では、靴の多くが絶縁体であり特に靴底がウレタンなどの合成樹脂製である靴では電気的に完全な絶縁体であることから、靴が障害となって足の内外部に滞ったプラス帯電を外部に放電すること、換言すれば、外部から自由電子を取り込むことができない。そのため、足を循環する血液やリンパ液の循環が電気的に阻害され、これが原因で鬱血や浮腫を引き起し、その結果、靴擦れ、爪の障害、水虫等の皮膚感染症、足の炎症、足の疲れ、足の関節炎や関節痛、激しい運動時の故障、膝関節への悪影響といった様々な問題が生じることになる。
【0009】
このように、上記問題の原因の根本は、靴という絶縁体の存在により足が外部から自由電子を取り込めなくなることにあるから、この点を解消すればよいことになる。
【0010】
ところで、膝や肘等の関節や、首、肩、腰、背中等といった人体の各部位は、炎症、筋肉の凝りや腫れといった症状が出易い部位である。そのような部位の症状も、上述した足の場合と同様、その部位における自由電子の取り込み量が発症を抑制し得る量を下回り、皮膚面が電気的にプラスに偏位してプラス帯電が過剰となることで起きる。したがって、これらの部位についても、外部からの自由電子の取り込みを改善してやればよいことになる。
【0011】
そこで本発明者は、人体の皮膚を含む様々な物質同士の間には帯電傾向が存在することに着目し、人体の皮膚よりもプラスに帯電する物質を皮膚面に付着させ、この物質と皮膚との間の摩擦で皮膚面にマイナス電荷を起こさせれば、このマイナス電荷により、皮膚面に発生したプラス電荷を中和でき、延いてはプラス電荷を中和すべくその部位に送り込まれてくる血流量を逓減させ、血流量の増大に伴う鬱血の防止及びこれに起因する様々な症状の解消を図ることができることを見出し、本発明に係る自由電子補給体を完成した。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る自由電子補給体は、人体の任意の部位の皮膚面に添付した状態で使用され、該皮膚面に自由電子を補給するものであって、前記部位に沿い得る形態とされた基材と、この基材の、少なくとも前記部位の皮膚面を臨む面に、その全面に亘って或いは部分的に設けられた、多数本の人毛又は動物の毛からなる植毛層と、を含む構成とした。
【0013】
また、上記基材と上記植毛層との間に導電層を設けてもよく、或いは、基材自体を導電性素材で構成してもよい。
【0014】
このようになる自由電子補給体にあっては、図3に示す帯電傾向からも明らかなように、人毛や動物の毛は人体の皮膚と擦れ合うと自らはプラスに帯電する性質を有していることから、例えば本発明の自由電子補給体を靴用中敷きに形成し、これを入れた靴を履いて歩くと、自由電子補給体(靴用中敷き)の植毛層と足裏とが擦れ合うことにより、帯電傾向に従った帯電が足裏と植毛層にそれぞれ起きる。すなわち、人毛又は動物の毛から構成される植毛層はプラスに帯電し、足裏表面はマイナスに帯電する。そして、歩行に伴う足底部の筋肉の滑動により足に発生したプラス電荷は、摩擦による帯電で皮膚面に生じたマイナス電荷により中和される。これによって、プラス電荷を中和すべく足に送り込まれてくる血流量が逓減されるため、局所にとどまる血液量の増大に伴う鬱血の防止及びこれに起因する様々な症状の解消が図られる。
【0015】
また、基材と植毛層との間に導電層を設けるか、又は基材自体を導電性素材で構成すると、植毛層における電荷の移動が促進され、局所的に電荷が飽和してしまうことを防ぐことができる。ここで、導電層は、基材の一面上に金属箔を貼着することにより構成しても、また基材の一面に金属を蒸着させることに構成してもよいし、金属線を基材に巻き付けることにより構成してもよい。
【0016】
ところで、植毛層は、最大でも基材の全面までとその面積が限られているため、自ずとその帯電容量に限界がある。したがって、皮膚面に誘導されるマイナス電荷の量もそれに見合う量にとどまる。そこで、上記の自由電子補給体にあっては、外気と接し得る放電用索を植毛層に直接又は間接的に接続してもよい。
【0017】
このような構成とすることにより、植毛層に摩擦によって生じるプラス電荷が放電用索を通じて空気中に放出されるため、植毛層において次々とプラス電荷が生じることとなり、それに対応して皮膚面にマイナス電荷が継続的に供給される。したがって、自由電子補給体の効果が持続することとなる。
【0018】
上記動物の毛としては、例えば、羊毛や豚毛などが挙げられるが、羊毛と豚毛とを比べた場合、豚毛の方が羊毛よりも帯電傾向においてよりプラス側に位置し、また豚毛の方が羊毛よりも立て易く植毛層を形成し易いので、豚毛が好ましい。なお、動物の毛はこれら羊毛や豚毛に限るものではない。
【0019】
また、自由電子補給体の基材の形態は、靴の中敷き、サポータ、被服の内面に貼付可能なシート、被服そのもの、靴、あるいは長尺のシートのいずれかの形態をとることができる。長尺のシートの形態をとった場合は、基材を任意の長さに切断して、例えば腕や足に巻き付けたり、腰に巻き付けたりするなどして使用することが可能となる。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る自由電子補給体は、摩擦により皮膚面にマイナス電荷を帯電させる物質を皮膚面に付着させることで、皮膚面に発生したプラス電荷を中和し、これによってプラス電荷を中和すべく当該部位に送り込まれてくる血流量を逓減させることができるので、血流量の増大に伴う鬱血の防止及びこれに起因する様々な症状の解消、また炎症の抑制を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
<実施形態1>
図1は、本発明に係る自由電子補給体を靴用中敷きとして構成した例を示す全体斜視図である。
【0022】
この靴用中敷き1は、中敷き本体(基材)2の一面(足裏と接する上面)21に、その全面に亘って多数本の人毛又は動物の毛31からなる植毛層3が設けられたものである。
【0023】
中敷き本体2の材質は特に限定するものではなく、合成樹脂製シート材、合成繊維又は天然繊維からなる織物地など、中敷きの素材として従来周知のものから適宜選択される。
【0024】
植毛層3を構成する人毛又は動物の毛31は、足裏と摩擦が起き易い長さであればよく、具体的には3cm又はそれ以下の長さが好ましい。短いものでは500μmでも差し支えなく、また5mm前後でもかまわない。
【0025】
植毛層3を構成するにあたって、人毛又は動物の毛31の長さが3cmと長い場合は、その一端を中敷き本体2の一面21の表層に植設するとともに一面21上に寝かせた状態とするか、或いは、多数本を相互に絡まり合わせて適宜の大きさの薄厚の塊を構成させ、この塊を、中敷き本体2の一面21上に形成した接着層に貼着するとよい。また、人毛又は動物の毛31の長さが数ミリ以下と短い場合は、図2(a)及び同図(b)に示すように、中敷き本体2の一面21に、例えば公知の静電植毛装置などを用いて密生するように植設するとよい。
【0026】
図示例では、植毛層3は中敷き本体2の一面21の全体に亘って設けられているが、これに限らず、踵部分に対応する領域だけ、又は足先に対応する領域だけ、或いは土踏まずを除いた部分に対応する領域だけ、といった具合に、部分的に設けられていてもよい。
【0027】
また、植毛層3に用いるのは人毛だけでも又は動物の毛だけでもよいし、人毛と動物の毛とを適宜の割合で混合したものでもよい。
【0028】
図1に示す例では、中敷き本体2に多数本の極めて細い金属線41が巻回されるとともに、これら金属線41同士は、中敷き本体2の一側面において別の細い金属線42により相互に結合されている。これら多数本の金属線41,42により導電層が中敷き本体2の一面に形成されることとなり、これによって植毛層3における電荷の移動が促進され、局所的に電荷が飽和してしまうことが防止される。ここで、中敷き本体2に金属線を爪先側から踵側にかけて螺旋状に巻回する構成とすれば、金属線は1本で済む。
【0029】
なお、導電層は、図2において符号4で示すように、中敷き本体2の一面21上に、金属箔を貼着するか或いは金属を蒸着させる等によって構成してもよいし、導電層4を設けることに代えて、中敷き本体2を、例えば金属製繊維や炭素繊維などの導電性素材で編成することで中敷き本体2自体に導電性を付与してもよい。
【0030】
また、植毛層3には、靴の外側に先端部分が導出され得る放電用索5が接続されている。この放電用索5は、靴を履いた時に違和感を感じない程度の極めて細い導電性及び可撓性に富む金属線が好ましく、また先端が尖鋭であるものが好ましい。なお、図1に示す例では、放電用索5は複数本の金属線41に接続されているが、金属線41を設けない場合は、植毛層3にその一端部が埋設されていてもよい。また、図2に示す靴用中敷き1に設ける場合には、放電用索5は導電層4の適所に接続される。
【0031】
このようになる靴用中敷き1にあっては、人毛や動物の毛31は、図3に示すように、人体の皮膚と擦れ合うと自らはプラスに帯電する性質を有していることから、この靴用中敷き1を入れた靴を履いて歩くと、靴用中敷き1の植毛層3と足裏とが擦れ合うことにより帯電傾向に従った帯電が足裏と植毛層3にそれぞれ起き、人毛又は動物の毛31から構成される植毛層3はプラスに帯電し、足裏表面はマイナスに帯電する。そして、歩行に伴う足底部の筋肉の滑動により足に発生したプラス電荷は、足裏表面に帯電したマイナス電荷により中和される。これによって、プラス電荷を中和すべく足に送り込まれてくる血流量が逓減される結果、血流量の増大に伴う鬱血の防止及びこれに起因する様々な症状の解消が図られることとなる。
【0032】
また、上記したように導電層4を設けた場合は、植毛層3における電荷の移動が促進され、局所的に電荷が飽和してしまうことを防ぐことができる。
【0033】
さらに、植毛層3は、最大でも中敷き本体2の一面21全面までとその面積が限られているため、自ずとその帯電容量に限界があり、足裏の皮膚面に誘導されるマイナス電荷の量もそれに見合う量にとどまるが、上記したように放電用索5を植毛層3に直接又は間接的に接続することにより、植毛層3に静電誘導によって生じるプラス電荷が放電用索5を通じて空気中に放出される。これによって、植毛層3において次々とプラス電荷が生じることとなり、それに対応して足にマイナス電荷が継続的に供給される結果、靴用中敷き1の効果が持続することとなる。
<実施形態2>
図4は、本発明に係る自由電子補給体を、膝関節や肘関節等に添接し得るようサポータに適用した例を示す一部破断概略斜視図である。
【0034】
この実施形態では、上記実施形態1で説明した靴用中敷き1と同様の構成(図1又は図2に示す構成)とした自由電子補給体1Aを矩形状に形成し、サポータ本体Sの内面S1に面ファスナ6を介して着脱可能に装着できるようにしている。
【0035】
なお、自由電子補給体1Aとサポータ本体Sとの着脱手段は面ファスナ6に限らず、例えばサポータ本体Sの内面S1に植毛層3が露出し得るような開口部を備えたポケットを設け、このポケット内に自由電子補給体1Aを挿脱自在としてもよい。
【0036】
また、図示例では、自由電子補給体1Aをサポータ本体Sと別体としているが、これに限らす、例えば、サポータ本体Sの内面S1に植毛層を直接設けて、サポータ本体S自体を自由電子補給体1Aとしてもよい(この場合、サポータ本体Sが本発明における基材に相当する。)。
【0037】
この実施形態において放電用索を設ける場合は、サポータ本体Sの外面に1本又は複数本の金属線を添設するか、或いはサポータ本体Sに金属線又は導電性を有する糸を縫い付けてもよい。さらに、サポータ本体Sの外面にシート状の金属箔を添設し、これをもって放電用索としてもよい。
<実施形態3>
図5A〜図5Cは、本発明に係る自由電子補給体を、肩、背中、首に添接し得るよう下着に適用した例を示す概略図である。
【0038】
この実施形態では、上記実施形態2と同様、自由電子補給体1Bを矩形状に形成し、下着本体Wの内面に面ファスナ6を介して着脱可能に装着できるようにしている。
【0039】
図5Aは、両肩に対応するよう、2つの自由電子補給体1Bをそれぞれ下着本体Wの両肩部分に面ファスナ6を介して着脱可能に装着した例を示している。
【0040】
図5Bは、背中において背骨の両側2ヶ所に対応するよう、2つの自由電子補給体1Bをそれぞれ下着本体Wの背中部分に面ファスナ6を介して着脱可能に装着した例を示している。
【0041】
図5Cは、首に対応するよう、自由電子補給体1Bを襟付き被服W1の襟Cの内側に面ファスナ6を介して着脱可能に装着した例を示している。
【0042】
この実施形態において放電用索を設ける場合は、実施形態2のサポータの場合と同様、下着本体W又は襟付き被服W1の外面において自由電子補給体1Bの装着箇所に対応する箇所に1本又は複数本の金属線を添設するか、或いは当該箇所に金属線又は導電性を有する糸を縫い付けてもよい。さらに、当該箇所の外面にシート状の金属箔を添設し、これをもって放電用索としてもよい。
【0043】
以上説明した実施形態2及び3によると、自由電子補給体によって関節、肩、背中、首等の皮膚面に自由電子を外部から補給することができるので、それらの部位における炎症や痛み、筋肉の凝りや腫れを解消することができる。
<その他の実施形態>
本発明は上記した実施形態に限らず、図6に示すように、被服、例えばTシャツそれ自体を基材とし、このシャツの内面全面又は背中側の内面全面、或いは内面の任意の部分に植毛層3を設けた形態とすることができる。
【0044】
なお、被服としてはTシャツに限定されず、シャツ、パンツ、ブラジャー、コルセット、ガードルなどの下着、或いはバスローブや浴衣などであってもよく、要するに素肌に着る被服であればその種類は特に限定されない。
【0045】
また、図7に示すように、履物、例えばスニーカーそれ自体を基材とし、このスニーカーの内面全面又は底部全面、或いは内面の任意の部分に植毛層3を設けた形態とすることができる。
【0046】
なお、履物としてはスニーカーなどの靴に限定されず、サンダルやスリッパなどであってもよい。
【0047】
また、図8に示すように、長尺のシートを基材とし、このシートの一面全面又は両面に植毛層3を設けた形態とすることができる。シートとしては、天然繊維又は合成繊維の布、不織布、合成樹脂製シートなど任意のものが採用できる。この場合、シートを任意の長さ及び形状に切断して、例えば腕や足に巻き付けたり、腰に巻き付けたりするなどして使用することが可能となる。
【0048】
なお、図6〜図8に示す実施形態においても、放電用索を設けてもよく、その場合の設け方は実施形態1〜3に示す例と同様である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明に係る自由電子補給体を靴用中敷きとして実施した例を示す全体斜視図である。
【図2】本発明に係る自由電子補給体を靴用中敷きとして実施した他の例を示し、(a)は全体斜視図、(b)は部分拡大断面図である。
【図3】様々な物質の帯電傾向を示す説明図である。
【図4】本発明に係る自由電子補給体をサポータとして実施した例を示す一部破断概略斜視図である。
【図5A】本発明に係る自由電子補給体を下着に適用した例を示す概略図である。
【図5B】本発明に係る自由電子補給体を下着に適用した他の例を示す概略図である。
【図5C】本発明に係る自由電子補給体を襟付き被服に適用した例を示す概略図である。
【図6】本発明に係る自由電子補給体を被服に適用した例を示す一部切欠概略斜視図である。
【図7】本発明に係る自由電子補給体を履物に適用した例を示す一部切欠概略斜視図である。
【図8】本発明に係る自由電子補給体を長尺のシート状物に適用した例を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
【0050】
1 自由電子補給体(靴用中敷き)
2 中敷き本体
21 一面
3 植毛層
31 人毛又は豚毛
4 導電層
5 放電用索

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体の任意の部位の皮膚面に添付した状態で使用され、該皮膚面に自由電子を補給するものであって、
前記部位に沿い得る形態とされた基材と、
この基材の、少なくとも前記部位の皮膚面を臨む面に、その全面に亘って或いは部分的に設けられた、多数本の人毛又は動物の毛からなる植毛層と、
を含むことを特徴とする自由電子補給体。
【請求項2】
請求項1に記載の自由電子補給体において、
前記基材と前記植毛層との間に導電層が設けられたことを特徴とする自由電子補給体。
【請求項3】
請求項1に記載の自由電子補給体において、
前記基材が導電性素材で構成されたことを特徴とする自由電子補給体。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一つに記載の自由電子補給体において、
外気と接し得る放電用索が前記植毛層に直接又は間接的に接続されたことを特徴とする自由電子補給体。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一つに記載の自由電子補給体において、
前記動物の毛は豚毛であることを特徴とする自由電子補給体。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一つに記載の自由電子補給体において、
前記基材は靴の中敷きの形態をとることを特徴とする自由電子補給体。
【請求項7】
請求項1乃至5のいずれか一つに記載の自由電子補給体において、
前記基材はサポータの形態をとることを特徴とする自由電子補給体。
【請求項8】
請求項1乃至5のいずれか一つに記載の自由電子補給体において、
前記基材は被服の内面に貼付可能なシートの形態をとることを特徴とする自由電子補給体。
【請求項9】
請求項1乃至5のいずれか一つに記載の自由電子補給体において、
前記基材は被服の形態をとることを特徴とする自由電子補給体。
【請求項10】
請求項1乃至5のいずれか一つに記載の自由電子補給体において、
前記基材は履物の形態をとることを特徴とする自由電子補給体。
【請求項11】
請求項1乃至5のいずれか一つに記載の自由電子補給体において、
前記基材は長尺のシートの形態をとることを特徴とする自由電子補給体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−75265(P2010−75265A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−244263(P2008−244263)
【出願日】平成20年9月24日(2008.9.24)
【出願人】(508188293)
【出願人】(508287622)
【Fターム(参考)】