説明

表示装置

【課題】電源回路で発生するノイズによって誤動作することがなく情報を表示可能な表示装置を提供する。
【解決手段】表示装置1は、本体部2と電源部3とを備える。本体部2と電源部3とは、回路電源線10で接続されている。本体部2は、アンテナを内蔵した無線受信回路4と、データ処理回路5と、表示回路6とを有する。電源部3は、電源回路7と、AC(Alternating Current)100V入力8と、金属シールド9とを有する。電源部3には左右側面端部に一対の接続用ツメが設けられ、本体部2には左右側面に前記一対の接続用ツメに対応した一対の第1のツメ受け及びもう一対の第2のツメ受けが設けられている。また、本体部2の背面上部には壁掛け設置時に壁に固定されたフック等に引っ掛けるためのフック穴が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光発電システムの運転状態を表示する表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、太陽光発電システムにおいて太陽電池によって発電した直流電力を交流電力に変換し、電力系統に連系して供給するかまたは自立負荷に電力を供給するパワーコンディショナの運転状態を表示する表示装置がある。パワーコンディショナの運転状態として例えば発電量等の情報を表示装置は表示する。このような表示装置の中には、無線通信を利用してデータ信号を受信する機能を備える表示装置もある。このような表示装置はリビング等に設置される場合が多い。一方、パワーコンディショナ自体は分電盤近くに設置する場合が多い。従って表示装置はパワーコンディショナ本体から分離され、パワーコンディショナの運転状態を示すデータ信号を有線もしくは無線で受信して、それを用いて表示を行う構成となっている。その際、リビングへ表示装置を設置するための構造としては、例えば特許文献1に示される卓上壁掛兼用型通信機器のように、壁掛けあるいは卓上への自立設置などのいずれかをユーザが選択できる構造が知られている。この卓上壁掛兼用型通信機器は、有線により通信を行なうものであり、電源が乾電池である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−68868号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年では、設置工事の簡便さから無線による通信を行なう無線通信方式のものや、メンテナンスから乾電池ではなく商用100Vから電源を得る方式のものも製品化されている。無線通信方式では、表示装置内にアンテナ及び受信回路などを組み込んだ無線モジュールが使われる場合が多い。また、商用100Vから表示装置に必要なDC5Vなどの低電圧電源を作り出す必要がある。しかし、このような低電圧電源を作り出す電源回路からはノイズが発生して、無線モジュールを誤動作させる恐れがあった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、電源回路で発生するノイズによって誤動作することがなく情報を表示可能な表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、表示装置であって、太陽光発電システムの運転状態を示す無線信号を受信する無線受信回路と、前記無線信号を処理して、表示回路に情報を表示するための表示データに変換するデータ処理回路と、前記表示データを用いて前記情報を表示する表示回路とを有する本体部と、駆動電源を生成し前記無線受信回路、前記データ処理回路及び前記表示回路に供給する電源回路を有する電源部とを備え、前記本体部と前記電源部とがそれぞれ別筐体に内蔵され、前記電源回路は金属シールドされ、前記電源部は前記本体部の側面または背面に接続可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、電源回路で発生するノイズによって誤動作することがなく情報を表示可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、実施の形態1にかかる表示装置1の設置状態を示す外観図である。
【図2】図2は、同実施の形態にかかる表示装置1の内部構成を例示する図である。
【図3】図3は、同実施の形態における表示装置1の有する本体部2と電源部3との接続を示す構造図である。
【図4】図4は、実施の形態2にかかる表示装置1の外観を例示する図である。
【図5】図5は、実施の形態3にかかる表示装置1の外観を示す図である。
【図6】図6は、電源部3を本体部2の背面に接続した場合の表示装置1の外観の例を示す図である。
【図7】図7は、実施の形態4にかかる表示装置1の外観を示す図である。
【図8】図8は、実施の形態5にかかる表示装置1の設置状態を示す外観図である。
【図9】図9は、同実施の形態にかかる表示装置1の設置状態を示す外観図である。
【図10】図10は、実施の形態6にかかる表示装置1の外観を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる表示装置の最良な実施の形態を詳細に説明する。
【0010】
実施の形態1.
図1は、本実施の形態にかかる表示装置1の設置状態を示す外観図である。図左は、表示装置1が壁に掛けられて設置された状態を示しており、図右は、表示装置1が卓上に自立設置された状態を示している。図2は、本実施の形態にかかる表示装置1の内部構成を例示する図である。表示装置1は、本体部2と電源部3とを備える。本体部2と電源部3とは、回路電源線10で接続されている。本体部2は、アンテナを内蔵した無線受信回路4と、データ処理回路5と、表示回路6とを有する。電源部3は、電源回路7と、AC(Alternating Current)100V入力8と、金属シールド9とを有する。
【0011】
太陽光発電システムの運転状態はパワーコンディショナ(図示せず)に接続された送信機から無線でデータ信号(無線信号という)として送信される。無線受信回路4は、太陽光発電システムの運転状態を示す無線信号を受信する。データ処理回路5は、無線受信回路4が受信した無線信号を処理して、表示回路6に情報を表示するための表示データに変換する。表示回路6は、例えばLCD(Liquid Crystal Display))等であり、データ処理回路5が変換した表示データを用いて情報を表示する。情報とは例えば発電量等である。AC100V入力8には、交流電源であるAC100Vが入力され、電源回路7は、AC100Vを回路制御用に直流(DC:Direct Current)化及び低電圧化(例えばDC5V)して駆動電源を生成し、回路電源線10を経由して無線受信回路4、データ処理回路5及び表示回路6に駆動電源を各々供給して、各回路を駆動する。ここで、電源回路7は金属シールド9によって遮蔽(エンクローズ)されている。これにより、電源回路7で発生したノイズが金属シールド9の外に出て行くのが防止される。そのため、電源回路7で発生したノイズが、無線受信回路4、データ処理回路5及び表示回路6に影響を与えることをなくすことができる。特に、無線受信回路4での無線信号の受信は、微弱電波の受信であるため、無線受信回路4では受信不能になる等の影響を受けやすかったが、それを回避することができる。また、電源回路7内で部品の故障や回路の短絡事故等で異常過熱状態となり、場合によっては発火等が生じても、金属シールド9でエンクローズされる。このため炎が外部にもれ類焼することを防ぐことができ、安全性が極めて高くなる。
【0012】
図3は、本実施の形態における表示装置1の有する本体部2と電源部3との接続を示す構造図である。同図に示されるように、電源部3には左右側面端部に一対の接続用ツメ11が設けられ、本体部2には左右側面に一対の接続用ツメ11に対応した一対のツメ受け12a及びもう一対のツメ受け12bが設けられている。また、本体部2の背面上部には壁掛け設置時に壁に固定されたフック等に引っ掛けるためのフック穴13が設けられている。
【0013】
まず、壁掛け設置用の接続について説明する。電源部3の接続用ツメ11は、本体部2の下面側からツメ受け12aに接続される。図1の左に示したように、表示装置1は全体としてフラット状となり、フック穴13により壁のフックに取り付けられる。
【0014】
次に、卓上自立設置用の接続について説明する。電源部3の接続用ツメ11は、本体部2の背面側からツメ受け12bに接続される。図1の右に示したように、表示装置1は電源部3を支えとして卓上に自立設置が可能になる。
【0015】
なお、回路電源線10は、電源部3が下面、背面のいずれに接続されても外部にはみ出て設置の邪魔にならないように本体部2と電源部3とに設けられた穴を通して配線されている。
【0016】
以上のように、本実施の形態においては、電源回路7を金属シールド9で覆い、電源部3を本体部2の下面にも背面にも接続できるようにした。それにより、電源回路7で発生するノイズが外部にもれることを防止し、本体部2の無線受信回路4で良好な受信動作を実現することができる。
【0017】
また、万が一電源回路7内で発火しても炎が外部に出ないため、類焼を防ぐことができ、高い安全性を確保することができる。
【0018】
更に、電源部3が本体部2の下面あるいは背面の両方いずれかに、接続用ツメ11をツメ受け12aあるいは12bにはめ込むだけの簡単な接続方法で取り付け可能である。このため、アンテナの受信感度を良好に保ちつつ、壁掛けあるいは卓上自立設置の両用が可能な構造が安価に実現することができ、設置の自由度を向上させることができる。
【0019】
実施の形態2.
次に、表示装置の実施の形態2について説明する。なお、上述の実施の形態1と共通する部分については、同一の符号を使用して説明したり、説明を省略したりする。図4は、本実施の形態にかかる表示装置1の外観を例示する図である。同図に示されるように、電源部3の上面に、電源回路7で生成された制御電源の出力端子14が設けられている。また、本体部2の下面には、本体部2内の各回路を駆動する駆動電源の入力端子15aが設けられており、さらに本体部2の背面には駆動電源の入力端子15bが設けられている。本実施の形態では、実施の形態1で示した回路電源線10の途中に出力端子14および入力端子15aあるいは15bが介在する構造となっている。即ち、本体部2と電源部3とは、構造的には接続用ツメ11およびツメ受け12aあるいはツメ受け12bで接続され、電気的には出力端子14および入力端子15aあるいは入力端子15bで接続される。
【0020】
実施の形態1においては、回路電源線10がたるんで余長分が外部にはみ出たり、また回路電源線10の通る穴から埃が内部に侵入したりする恐れがあった。しかし、本実施の形態においては、回路電源線10が本体部2および電源部3の内部に完全に収納される。このため、上述の恐れを回避でき、信頼性の高い、デザイン的にも優れた表示装置を実現することができる。
【0021】
実施の形態3.
次に、表示装置の実施の形態3について説明する。なお、上述の実施の形態1又は実施の形態2と共通する部分については、同一の符号を使用して説明したり、説明を省略したりする。図5は、本実施の形態にかかる表示装置1の外観を示す図である。同図に示されるように、本体部2には左右側面に一対の接続用ツメ11に対応した一対のツメ受け12a、ツメ受け12b、ツメ受け12c及びツメ受け12dが設けられている。また、本体部2の下面には、本体部2内の各回路を駆動する制御電源の入力端子15aが設けられており、さらに本体部2の背面には制御電源の入力端子15b、入力端子15c及び入力端子15dが設けられている。本体部2の側面には、電源部3との接続用のツメ受けが複数個準備されている。また、本体部2の下面、背面には、制御電源の入力端子が複数個設けられている。従って、電源部3と本体部2との接続は、入力端子の組み合わせとして、(12a、15a)、(12b、15b)、(12c、15c)、(12d、15d)のいずれかを選択することが可能である。
【0022】
図6は、電源部3を本体部2の背面に接続した場合の表示装置1の外観の例を示す図である。卓上自立設置時の本体部2と電源部3との接続箇所を選ぶことによって、表示装置1を設置する角度を複数通りに変えることが可能となり、すなわち、本体部2内のアンテナの角度を複数通りに変えることができる。このため、アンテナの受信感度が最も良好な状態を選び、その状態で表示装置1を使用することができる。
【0023】
実施の形態4.
次に、表示装置の実施の形態4について説明する。なお、上述の実施の形態1乃至実施の形態3と共通する部分については、同一の符号を使用して説明したり、説明を省略したりする。図7は、本実施の形態にかかる表示装置1の外観を示す図である。同図に示されるように、電源部3には本体部2との接続面(上面)に凸状接続部16が設けられている。また、本体部2には、下面に凹状接続部17a、背面に凹状接続部17b、凹状接続部17c及び凹状接続部17dが設けられている。
【0024】
電源部3は、その凸状接続部16を本体部2の凹状接続部17a〜17dのいずれかにスライドさせて装着することにより、本体部2に接続することができる。なお、凸状接続部16はその凸部の幅が外側に向かうにつれて広くなっており、また、凹状接続部17a〜17dはその凹部の幅が奥側に向かうにつれて広くなっている。従って、スライドして装着した後で前後方向に抜けることはなく安定した接続が可能になっている。
【0025】
本実施の形態では、卓上自立設置時の本体部2と電源部3との接続箇所を選ぶことによって、表示装置1を設置する角度を複数通りに変えることが可能となり、すなわち、本体部2内のアンテナの角度を複数通りに変えることができる。このため、アンテナの受信感度が最も良好な状態を選び、その状態で表示装置1を使用することができる。
【0026】
実施の形態5.
次に、表示装置の実施の形態5について説明する。なお、上述の実施の形態1乃至実施の形態4と共通する部分については、同一の符号を使用して説明したり、説明を省略したりする。図8〜9は、本実施の形態にかかる表示装置1の設置状態を示す外観図である。これらの図に示されるように、本体部2と電源部3とはヒンジ18により、回転自在に接続されている。図8では電源部3が本体部2の下面に配置され、図9では電源部3が本体部2の側面に配置されている。ヒンジ18の回転位置を調整して、本体部2と電源部3とをフラット状態(180度)にすれば表示装置1は壁掛け設置可能になり、本体部2と電源部3との角度を90度以下にすれば表示装置1は卓上自立設置可能となる。
【0027】
このようなヒンジ構造では、卓上自立設置において本体部2と電源部3との角度を連続的に選択でき、調整可能である。このため、アンテナの受信感度の微調整が可能となる。
【0028】
実施の形態6.
次に、表示装置の実施の形態6について説明する。なお、上述の実施の形態1乃至実施の形態5と共通する部分については、同一の符号を使用して説明したり、説明を省略したりする。図10は、本実施の形態にかかる表示装置1の外観を示す図である。同図に示されるように、電源部3には本体部2との接続面(上面)に磁石19が設けられている。また、本体部2には、下面に金属部20a及び背面に金属部20bが設けられている。電源部3の磁石19を本体部2の金属部20aあるいは金属部20bの任意の場所に貼り付けることにより、本体部2と電源部3とを接続することができる。電源部3を本体部2の下面に接続すれば表示装置1は壁掛け設置可能になり、電源部3を本体部2の背面に接続すれば表示装置1は卓上自立設置可能になる。
【0029】
卓上自立設置において、電源部3を本体部2の背面の任意の場所に接続することが可能であるため、本体部2と電源部3との角度が連続的に選択でき、調整可能である。このため、アンテナの受信感度の微調整が可能となる。
【0030】
[変形例]
なお、本発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0031】
1 表示装置
2 本体部
3 電源部
4 無線受信回路
5 データ処理回路
6 表示回路
7 電源回路
8 AC100V入力
9 金属シールド
10 回路電源線
11 接続用ツメ
13 フック穴
14 出力端子
15a,15b,15C,15d 入力端子
16 凸状接続部
17a,17b,17c,17d 凹状接続部
18 ヒンジ
19 磁石
20a,20b 金属部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光発電システムの運転状態を示す無線信号を受信する無線受信回路と、前記無線信号を処理して、表示回路に情報を表示するための表示データに変換するデータ処理回路と、前記表示データを用いて前記情報を表示する表示回路とを有する本体部と、
駆動電源を生成し前記無線受信回路、前記データ処理回路及び前記表示回路に供給する電源回路を有する電源部とを備え、
前記本体部と前記電源部とがそれぞれ別筐体に内蔵され、
前記電源回路は金属シールドされ、
前記電源部は前記本体部の側面または背面に接続可能である
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記本体部の背面には前記電源部を接続するための接続部を複数有する
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
太陽光発電システムの運転状態を示す無線信号を受信する無線受信回路と、前記無線信号を処理して、表示回路に情報を表示するための表示データに変換するデータ処理回路と、前記表示データを用いて前記情報を表示する表示回路とを有する本体部と、
駆動電源を生成し前記無線受信回路、前記データ処理回路及び前記表示回路に供給する電源回路を有する電源部とを備え、
前記本体部と前記電源部とがそれぞれ別筐体に内蔵され、
前記電源回路は金属シールドされ、
前記電源部と前記本体部とはヒンジにより接続されている
ことを特徴とする表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−9844(P2011−9844A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−148748(P2009−148748)
【出願日】平成21年6月23日(2009.6.23)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】