説明

車両のブレーキ装置およびその操作方法

【課題】パッド/ディスク間の摩擦係数の正確な決定又は1つの車軸における摩擦トルクの決定なしに、右側および左側車輪を同じブレーキ・トルクで制動する。
【解決手段】各ディスク・ブレーキ(10、34)がブレーキ・ディスク(14)とくさび状ブレーキ・シュー(22a、22b)とを含み、ブレーキ・シューが、ブレーキ・キャリパ(12)内で、ブレーキ・ディスクの周方向に向かう傾斜面上に可動に支持され、ブレーキ・ディスクの周方向でのブレーキ・シューの供給運動がブレーキ・ディスクに圧着運動を与え、且つブレーキ・シューがそれぞれ電気機械式アクチュエータ(29)により移動される、左側および右側の自己増幅型電気機械式ディスク・ブレーキ(10、34)を含むブレーキ装置の操作方法において、一方のブレーキ・シューの供給力が、他方のブレーキ・シューの供給力から、作動状態の関数としての補正値を考慮して決定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各ディスク・ブレーキがブレーキ・ディスク並びにくさび状ブレーキ・シューを含み、ブレーキ・シューは、ブレーキ・キャリパ内において、ブレーキ・ディスクの周方向に向かって傾斜されている面上に可動に支持され、これにより、ブレーキ・ディスクの周方向に向けられた、ブレーキ・シューの供給運動がブレーキ・ディスクに圧着運動を与え、およびブレーキ・シューがそれぞれ電気機械式アクチュエータにより移動される、左側および右側の自己増幅型電気機械式ディスク・ブレーキを含むブレーキ装置、およびかかるブレーキ装置の操作方法に関するものである。
【0002】
自己増幅型ディスク・ブレーキにおいては、このような電気作動ブレーキ装置の操作力を所定の値に設定するために2つの異なる付属部品が存在する。
【背景技術】
【0003】
ドイツ特許公開第19742920号に、電気操作ブレーキの締付けおよび解放においてアクチュエータ電流およびアクチュエータ・ストロークの2つの異なる関係に基づく方法が開示されている。この方法においては、ブレーキの締付けおよび解放の間の同じアクチュエータ・ストロークにおけるアクチュエータ電流の測定に基づき、装置内に存在するヒステリシスが推測される。次に、この知見が、追加センサなしに運転中に発生する操作力および効率を決定することに使用される。
【0004】
国際特許公開第2003−011668号は、例えばドイツ特許第19742920号がリアルタイム性に欠けているような欠点がパラメータ識別法により排除されることを開示している。
【0005】
ドイツ特許公開第10151950号は、アクチュエータ電流およびアクチュエータ・ストロークから、ブレーキ・パッドとブレーキ・ディスクとの間の摩擦係数および電気式自己増幅ブレーキ装置の摩擦トルクがトルク・センサなしに決定可能である方法を開示している。したがって、制御により、正常なブレーキ作動において車両車軸の(左側および右側の)両方のブレーキが同じ強さでブレーキ作動することが保証可能である。
【0006】
ドイツ特許公開第10201555号から、自己増幅型ブレーキ装置において操作力および操作ストロークを測定することにより、ブレーキ・パッドとブレーキ・ディスクとの間の摩擦係数が推測可能であることが既知である。
【0007】
上記の2つの方法グループは、当該ブレーキ装置においては原理的にきわめて大きなパラメータ変動が得られるので、精度および達成可能な最大制御性に関して共通の欠点を有している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、パッド/ディスク間の摩擦係数の正確な決定なしに、ないしは1つの車軸における摩擦トルクの決定なしに、右側および左側車輪を同じブレーキ・トルクで制動することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、各ディスク・ブレーキがブレーキ・ディスクとくさび状ブレーキ・シューとを含み、くさび状ブレーキ・シューが、ブレーキ・キャリパ内において、ブレーキ・ディスクの周方向に向かって傾斜されている面上に可動に支持され、これにより、ブレーキ・ディスクの周方向に向けられた、ブレーキ・シューの供給運動がブレーキ・ディスクに圧着運動を与え、且つブレーキ・シューがそれぞれ電気機械式アクチュエータにより移動される、左側および右側の自己増幅型電気機械式ディスク・ブレーキの装置の操作方法において、一方のブレーキ・シューの供給力が、他方のブレーキ・シューの供給力から、作動状態の関数としての補正値を考慮して決定される。
【0010】
ここで、左側および右側ディスク・ブレーキとは2つのブレーキの任意の装置と理解され、左側および右側への区別は理解を容易にするためのものである。例えば、ブレーキは相前後して配置されていてもまたは異なる車軸に配置されていてもよい。
【0011】
また、本発明によれば、各ディスク・ブレーキがブレーキ・ディスクとくさび状ブレーキ・シューとを含み、くさび状ブレーキ・シューが、ブレーキ・キャリパ内において、ブレーキ・ディスクの周方向に向かって傾斜されている面上に可動に支持され、これにより、ブレーキ・ディスクの周方向に向けられた、ブレーキ・シューの供給運動がブレーキ・ディスクに圧着運動を与え、且つブレーキ・シューがそれぞれ電気機械式アクチュエータにより移動される、少なくとも1つの左側および右側の自己増幅型電気機械式ディスク・ブレーキを含む車両のブレーキ装置は、一方のブレーキ・シューの供給力を、他方のブレーキ・シューの供給力から、作動状態の関数としての補正値を考慮して決定可能な手段を含む。
【発明の効果】
【0012】
従来技術とは異なり、パラメータ評価ないしは力評価という上記の面倒な作業はなくなる。ブレーキ・パッド/ブレーキ・ディスク間の摩擦係数の正確な決定(ブレーキ・トルクの再構成)は必要ではない。加えられる操作力の補正により、右側/左側のブレーキ・トルクを同じ値に保持することが可能である。即ち、これはブレーキ・トルクの再構成のための一種の「代替法」であり、ブレーキの機械構造は同じままであり、法線力センサは必要ではない。代替態様として、ここに開示された本発明による方法はブレーキ・トルクの再構成のための補足方法またはバックアップ方法であってもよい。制御の実行は、従来の方法よりも少ない計算量を必要とするにすぎない。
【0013】
本発明による変更態様において、補正値が、摩擦係数と、ブレーキ・シューの、ディスクにおけるブレーキ・パッドの作用位置と実際位置との間の変位との間の関係から決定される係数であるように設計されている。この場合、特に、摩擦係数とブレーキ・シューの変位との間に線形関係が成立してもよく、ここで、線形関係は左側および右側に対して等しいことが好ましい。
【0014】
代替態様として、摩擦係数とブレーキ・シューの変位との間の線形関係が特性曲線群から求められてもよく、この場合、特性曲線群は左側および右側に対して同じであることが好ましい。代替態様として、異なる特性曲線群が使用されてもよい。
【0015】
本発明による方法の変更態様において、摩擦係数とブレーキ・シューの変位との間の関係式による線形関係が、リアルタイムで制御装置により決定されるように設計されている。関係式はほぼ近似する任意の近似式で示されてもよい。
【0016】
変位はアクチュエータの電気入力変数から決定されることが好ましく、代替態様として、変位センサにより決定されてもよい。電気入力変数は、例えば、ブレーキ・ディスクにブレーキ・シューが作用してからの電動機ロータの回転数等であってもよい。
【0017】
ブレーキ・シューの供給力がアクチュエータの電機子電流から決定されることが好ましいが、力センサによって決定されてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
自己増幅型摩擦ブレーキは、ここでは例としてディスク・ブレーキ10として形成されているか、代替態様としてドラム・ブレーキが設けられていてもよい。ディスク・ブレーキ10はブレーキ・キャリパ12を含み、ブレーキ・キャリパ12はいわゆる浮動キャリパとして形成され、即ち、ブレーキ・キャリパ12は、ブレーキ・ディスク14に対して横方向に移動する。ブレーキ・キャリパ12が横方向に移動可能であることが、図において、記号として示されている支持面16によって表わされている。
【0019】
ブレーキ・キャリパ12内に、定置摩擦ブレーキ・パッド18がブレーキ・ディスク14の片側に、および可動摩擦ブレーキ・パッド20がディスク・ブレーキ14の反対側に配置されている。ブレーキ力を発生するために、可動摩擦ブレーキ・パッド20は、以下に説明されるくさび機構により、ブレーキ・ディスク14の片側に圧着可能である。可動摩擦ブレーキ・パッド20のブレーキ・ディスク14への圧着により、それ自身既知のように、ブレーキ・キャリパ12は、ブレーキ・ディスク14に対して横方向に移動され且つ定置摩擦ブレーキ・パッド18をブレーキ・ディスク14の反対側に圧着させ、ブレーキ・ディスク14はこれにより制動される。
【0020】
可動摩擦ブレーキ・パッド20をブレーキ・ディスク14に圧着させるために、摩擦ブレーキ(ディスク・ブレーキ)10は、ブレーキ・シュー22aとして、ブレーキ・ディスク14に平行に移動可能なくさび要素を有し、ブレーキ・シュー(くさび要素)22aは、可動摩擦ブレーキ・パッド20の、ブレーキ・ディスク14とは反対側の背側に配置され、且つくさび角αをなしてブレーキ・キャリパ12の斜面またはランプに可動に支持されている。斜面またはランプは、ブレーキ・シュー22aのための支持面24を形成し、支持面24はブレーキ・ディスク14に対してくさび角αをなして配置されている。くさび角αは支持角とも呼ばれる。ブレーキ・シュー22aおよび支持面24は、くさび空間として示されている、支持面24とブレーキ・ディスク14との間の中間空間が、ブレーキ・ディスク14の回転方向(26で示されている)に狭くなるように配置されている。くさび要素22aのブレーキ・ディスク回転方向26への移動により、可動摩擦ブレーキ・パッド20はブレーキ・ディスク14に圧着される。ブレーキ・キャリパ12を介して、上記のように、定置摩擦ブレーキ・パッド18がブレーキ・ディスク14の反対側に圧着され且つブレーキ・ディスク14は制動される。摩擦ブレーキ10を解放するためには、ブレーキ・シュー22aが、反対方向即ちくさび隙間を広げる方向に移動される。
【0021】
摩擦ブレーキ10は電気機械式に操作可能であり、摩擦ブレーキ10は操作装置としてアクチュエータ29(図1において破線の楕円として示されている)を有し、アクチュエータ29は電動機28および回転/変位変換伝動装置30を含む。電動機28と回転/変位変換伝動装置30との中間に、図示されていない減速伝動装置が設けられていてもよい。回転/変位変換伝動装置30は、ねじ伝動装置、例えばスピンドル駆動装置を含み、且つ以下においては簡単にスピンドル駆動装置30として示される。電動機28を用いた回転駆動により、スピンドル駆動装置30はブレーキ・シュー22aをブレーキ・ディスク14に平行に移動させ、しかも電動機28の回転方向の関数として、ブレーキ・ディスク14の回転方向26にまたはそれとは反対方向に移動させる。圧着力の測定に力センサ36またはトルク・センサ38が使用されてもよい。電動機28のトルクおよび後方に配置されているスピンドル駆動装置の勾配から圧着力が推測可能である。代替態様として、トルクないしは圧着力を決定するために電動機の電機子電流IAが使用されてもよく、この場合には、力センサ36およびトルク・センサ38は省略可能である。電子式の制御装置32はくさび要素22aの変位xを目標値に制御する。制御装置32は、ブレーキ・ディスク14から摩擦ブレーキ・パッド20に加えられた摩擦力によるくさび要素22aの自己運動を阻止し且つ場合により発生するスピンドル駆動装置30の遊びを補償する。図1において、変位xだけ移動されたブレーキ・シュー22aが破線で示されている。変位xは、変位センサ40により直接測定されても、または電動機28の運転データから決定されてもよい。例えば、電動機28のモータ回転角からスピンドル駆動装置30の勾配を介して変位xを推測することが可能である。
【0022】
図1に、他方の摩擦ブレーキ34が摩擦ブレーキ10と同じにまたは鏡像で表わされ、摩擦ブレーキ34もまた摩擦ブレーキ10に基づいて示されている全ての構成要素を同じにまたは鏡像構造で含んでいる。したがって、図を見やすくするために、図においては、ブレーキ・シューに対する符号22b以外の全ての符号は省略されている。摩擦ブレーキ34もまた同様に制御装置32に接続されている。摩擦ブレーキ10および34は、例えば1つの車軸の左側および右側ブレーキであってもよい。簡単にするために、いままでは1つの摩擦ブレーキのみが符号により説明されてきた。区別をより容易にするために、これらは左側ブレーキおよび右側ブレーキとして示される。
【0023】
ブレーキ・ディスク14の回転方向26に移動するブレーキ・シュー22aにより、摩擦ブレーキ10は自己増幅を有している。摩擦ブレーキ10が操作されたとき、回転しているブレーキ・ディスク14は、ブレーキ・ディスク14に圧着された可動摩擦ブレーキ・パッド20に回転方向26の摩擦力を与える。この摩擦力はブレーキ・シュー22aに伝達される。摩擦力は、くさび隙間が狭くなる方向に作用し且つ支持面24におけるくさび要素22aの支持により、摩擦ブレーキ・パッド20のブレーキ・ディスク14への圧着力を上昇させる。
【0024】
このようなブレーキ装置が、1つの車軸に複数の車輪を有する車両、例えば4輪トラックに使用された場合、全てのブレーキ装置の場合と同様に、ブレーキ・トルク、したがってブレーキ力が、左側と右側とで異なっているという問題が発生することがある。ここで、はじめに、右側/左側の両方のパッドは同じように摩耗するという仮定から出発されるものとする。即ち、全体剛性は、パッドの摩耗と共に両側で同じに変化する。出発点は、はじめに右側/左側においては、同じFappである。
【0025】
ブレーキくさびが右側/左側で同じ変位xを形成し、変位xがブレーキ・パッドのブレーキ・ディスクへの作用位置から測定された場合、同じ摩擦係数が存在する。変位xrechts/xlinksが異なっている場合、異なる摩擦係数が存在する。
【0026】
くさび変位xrechts/xlinksは、係数Fapp,rechts/Fapp,linksにより補正される。補正の目的は、右側/左側車輪において同じブレーキ・トルクを有することである。
【0027】
【数1】

これから次式が得られ、
【0028】
【数2】

したがって、次式が得られる。
【0029】
【数3】

関数関係μlinks=f(xlinks)並びにμrechts=f(xrechts)は、特性曲線群としてメモリ内に記憶されていても、または近似関数として数式から決定されてもよい。例として、μとxとの間に線形関係がある場合、次式が成立する。
【0030】
【数4】

1つの車軸におけるブレーキ・トルクの絶対値は重要ではない。ブレーキ・トルクの補正は制御器としてのドライバにより行われる。
【0031】
図2は、本発明による方法の流れ図を示す。本方法においては、例として、目標値としてFapp,linksが示され、この値にFapp,rechtsが追従される。例えば、左側ブレーキに付属されている電動機28の電機子電流IAを介して、ステップ100において、圧着力Fapp,linksが決定される。他のステップ101において、くさび変位xrechtsおよびxlinksが、例えば電動機28の回転角を介してまたは変位センサ40により決定される。両方の値から、ステップ102において、商f(xlinks)/f(xrechts)が、簡単な場合には上記のようにxrechts/xlinksとして形成され、次にステップ103において、Fapp,linksがこの商と乗算され、且つFapp,rechts=Fapp,links・(xlinks/xrechts)が得られる。ステップ104において、Fapp,rechtsはこの値に制御される。商f(xlinks)/f(xrechts)の決定は、ステップ102において、特性曲線群から、記憶されている値を求めることによっても実行可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】自己増幅型摩擦ブレーキの略示図である。
【図2】本発明による方法の流れ図である。
【符号の説明】
【0033】
10、34 ディスク・ブレーキ(摩擦ブレーキ)
12 ブレーキ・キャリパ
14 ブレーキ・ディスク
16、24 支持面
18 定置摩擦ブレーキ・パッド
20 可動摩擦ブレーキ・パッド
22a、22b ブレーキ・シュー(くさび要素)
26 回転方向
28 電動機
29 アクチュエータ
30 回転/変位変換伝動装置(スピンドル駆動装置)
32 制御装置
36 力センサ
38 トルク・センサ
40 変位センサ
IA 電機子電流
x 変位
α くさび角

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各ディスク・ブレーキ(10、34)がブレーキ・ディスク(14)とくさび状ブレーキ・シュー(22a、22b)とを含み、くさび状ブレーキ・シュー(22a、22b)が、ブレーキ・キャリパ(12)内において、ブレーキ・ディスク(14)の周方向に向かって傾斜されている面上に可動に支持され、これにより、ブレーキ・ディスクの周方向に向けられた、ブレーキ・シュー(22a、22b)の供給運動がブレーキ・ディスク(14)に圧着運動を与え、且つブレーキ・シュー(22a、22b)がそれぞれ電気機械式アクチュエータ(29)により移動される、左側および右側の自己増幅型電気機械式ディスク・ブレーキ(10、34)を含むブレーキ装置の操作方法において、
一方のブレーキ・シュー(22a)の供給力が、他方のブレーキ・シュー(22b)の供給力から、作動状態の関数としての補正値を考慮して決定されること、
を特徴とする左側および右側の自己増幅型電気機械式ディスク・ブレーキを含むブレーキ装置の操作方法。
【請求項2】
前記補正値が、摩擦係数(μlinks、μrechts)と、ブレーキ・シューの変位、即ちディスクにおけるブレーキ・パッドの作用位置と実際位置との間の変位(xlinks、xrechts)との間の関係から決定される係数であることを特徴とする請求項1に記載の操作方法。
【請求項3】
摩擦係数(μlinks、μrechts)とブレーキ・シューの変位(xlinks、xrechts)との間に線形関係(μ=kx)が成立することを特徴とする請求項2に記載の操作方法。
【請求項4】
線形関係kが、左側および右側に対して等しいことを特徴とする請求項3に記載の操作方法。
【請求項5】
摩擦係数(μlinks、μrechts)とブレーキ・シューの変位(xlinks、xrechts)との間の線形関係(μ=kx)が特性曲線群から求められることを特徴とする請求項1または2に記載の操作方法。
【請求項6】
前記特性曲線群が左側および右側に対して同じであることを特徴とする請求項5に記載の操作方法。
【請求項7】
摩擦係数(μlinks、μrechts)とブレーキ・シューの変位(xlinks、xrechts)との間の関係式による線形関係(μ=kx)がリアルタイムで制御装置により決定されることを特徴とする請求項2に記載の操作方法。
【請求項8】
前記ブレーキ・シューの変位が前記アクチュエータの電気入力変数から決定されることを特徴とする請求項2ないし7のいずれかに記載の操作方法。
【請求項9】
前記供給力が、前記アクチュエータの電機子電流から決定されることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の操作方法。
【請求項10】
各ディスク・ブレーキ(10、34)がブレーキ・ディスク(14)とくさび状ブレーキ・シュー(22a、22b)とを含み、くさび状ブレーキ・シュー(22a、22b)が、ブレーキ・キャリパ(12)内において、ブレーキ・ディスク(14)の周方向に向かって傾斜されている面上に可動に支持され、これにより、ブレーキ・ディスクの周方向に向けられた、ブレーキ・シュー(22a、22b)の供給運動がブレーキ・ディスク(14)に圧着運動を与え、且つブレーキ・シュー(22a、22b)がそれぞれ電気機械式アクチュエータ(29)により移動される、少なくとも1つの左側および右側の自己増幅型電気機械式ディスク・ブレーキ(10、34)を含む車両のブレーキ装置において、
一方のブレーキ・シュー(22a)の供給力を、他方のブレーキ・シュー(22b)の供給力から、作動状態の関数としての補正値を考慮して決定可能な手段(32、36、38、IA)を含むこと、
を特徴とする車両のブレーキ装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−321478(P2006−321478A)
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−133418(P2006−133418)
【出願日】平成18年5月12日(2006.5.12)
【出願人】(591245473)ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング (591)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【Fターム(参考)】