説明

車両用オーディオ装置

【課題】現在位置に応じて受信した放送の出力をより確実に禁止することができる車両用オーディオ装置を提供すること。
【解決手段】放送局13から映像又は音楽の送信電波を受信して出力部から出力する車両用オーディオ装置50であって、車両の位置情報を検出する位置情報検出手段34と、送信電波の受信が許可された受信許可エリア、又は、受信が許可されていない受信禁止エリアを記憶する受信許可エリア記憶手段44と、位置情報に基づき受信許可エリア記憶手段を参照し、送信電波の受信が許可されているか否か判定する受信許可エリア判定手段と43、送信電波の受信が許可されていないと判定された場合、送信電波を受信するアンテナのアンテナアンプへの給電を禁止する禁止部42と、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送局から映像又は音楽の送信電波を受信してディスプレイやスピーカから出力する車両用オーディオ装置に関し、特に、エリアに応じて映像又は音楽の出力を禁止する車両用オーディオ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に映像を表示する装置が搭載されることがあるが、運転の支障とならないよう条例や法律により走行中は映像表示が禁止されている地域又は国がある。このため、車両メーカは出荷する国や地域毎に映像表示が禁止される走行状況を設定して、車両やオーディオビジュアル装置を出荷しなければならない場合があった。しかしながら、かかる設定はコスト増をもたらし、また、車両は国や地域を越えて移動するため、移動先の国や地域の条令や法律によっては出荷時の設定が不適切となる場合がある。そこで、GPS(Global Positioning System)受信機と地図データから車両の現在地位を検出し、映像表示の禁止地域を登録した設定テーブルと現在位置とを比較し、映像表示を禁止する車載機器用機能設定装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2003−78425号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、映像表示には、テレビのように放送を受信して表示するメディアとDVDに記憶された映像を再生して表示するメディアがある。この点に対し特許文献1記載の車載機器用機能設定装置は、メディアの違いを考慮せず一律に表示装置を禁止するため、メディア毎に法律や条令の規定が異なる場合に対応できないという問題がある。また、特許文献1記載の車載機器用機能設定装置は映像表示を禁止するだけであるため、乗員の改造によっては映像表示の禁止が解除されるおそれがある。
【0004】
本発明は、上記課題に鑑み、現在位置に応じて受信した放送の出力をより確実に禁止することができる車両用オーディオ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題に鑑み、本発明は、放送局から映像又は音楽の送信電波を受信して出力部から出力する車両用オーディオ装置であって、車両の位置情報を検出する位置情報検出手段と、送信電波の受信が許可された受信許可エリア、又は、受信が許可されていない受信禁止エリアを記憶する受信許可エリア記憶手段と、位置情報に基づき受信許可エリア記憶手段を参照し、送信電波の受信が許可されているか否か判定する受信許可エリア判定手段と、送信電波の受信が許可されていないと判定された場合、送信電波を受信するアンテナのアンテナアンプへの給電を禁止する禁止部と、を有することを特徴とする。
【0006】
本発明によれば、アンテナのアンテナアンプへの給電を禁止することで、部品種類数を抑え、コスト増を抑制して映像又は音楽の出力を確実に禁止できる。
【0007】
また、本発明の一形態において、受信許可エリア記憶手段は、ラジオやテレビ等のメディア毎に、送信電波の受信が許可された受信許可エリア又は受信が許可されていない受信禁止エリア、を記憶している、ことを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、メディア毎に映像又は音楽の出力を禁止できる。
【0009】
また、本発明の一形態において、受信許可エリア記憶手段は、衛生ラジオ放送の送信電波の受信が許可された受信許可エリア又は受信が許可されていない受信禁止エリア、を記憶している、ことを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、衛生ラジオの音声を出力することをエリアに応じて禁止することができる。
【発明の効果】
【0011】
現在位置に応じて受信した放送の出力をより確実に禁止することができる車両用オーディオ装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、衛星放送の概略を示す図である。放送主局11は放送衛星13に、複数のチャンネルの放送が多重化されたデジタル信号を送信する。放送衛星13は例えば地上に対し静止した静止衛星又は赤道面に対し傾いた衛星軌道を取る準天頂衛星であって、受信したデジタル信号を搬送する電波を大出力のトランスポンダ(中継機)を介して地上に送信する。
【0013】
車両12Aは国Aを走行し車両12Bは国Bを走行しているが、車両12A及び12Bのいずれも放送衛星13の放送エリアに入っている。このため、車両12A及び12Bのオーディオビジュアル装置(以下、AV装置という)50は電波を受信することができるが、国Bでは放送衛星13が放送する映像又は音声が出力されていたり、放送衛星13の事業者が国Bにおいて映像又は音声の出力を禁止している場合がある。このような場合、車両12BのAV装置50が放送衛星13の電波を受信して映像又は音声を出力することは好ましくない。
【0014】
そこで、本実施形態のAV装置50は、予め放送衛星13の放送の受信が許可された(又は禁止された)受信許可エリアを位置情報に対応づけて記憶しておき、GPS(Global Positioning System)等により検出した現在位置に応じて放送衛星13の電波の受信が許可されているか否かを判定する。そして、受信許可エリアでなければ放送衛星13が送信する映像又は音声の出力を禁止する。これにより、車両12BのAV装置50は放送衛星13が送信する映像又は音声の出力を禁止できる。電波の受信そのものを禁止してもよいし、受信は許可して映像又は音声の出力を禁止してもよいが、受信そのものを禁止することで、AV装置50を改造して放送衛星13の放送する映像又は音声を出力することを防止できる。
【0015】
以下では、衛星ラジオの受信禁止を例にして説明するが、衛星テレビについても同様に適用でき、また、地上波テレビや地上波ラジオ等、受信が禁止され得るエリアが偏在する放送に適用できる。なお、車両12Aと12Bを区別しない場合、単に車両12といい、受信が許可された国又は地域等を単にエリアという。
【0016】
図2は、AV装置50とナビゲーション装置60とを有するオーディオビジュアルシステム100の概略構成図の一例を示す。AV装置50は、CPU271、RAM272、ROM273、不揮発メモリ274及び入出力インターフェイス275等が内部バスを介して接続されたコンピュータを有する制御部27により制御される。制御部27は、操作部28からユーザが操作を入力した場合に、その操作に応じた動作、例えば、スピーカ32及びディスプレイ33から出力するメディアソースの選択、チャンネルの選択、音量調整、音質調整、映像調整、車両後方など車載カメラで撮影した画像の表示切り替え等、が得られるように各ブロックを制御する。また、制御部27のCPU271がプログラムを実行することで、後述の各機能が実現される。
【0017】
AV装置50は、メディアソースとして地上波ラジオ(アナログ・デジタル)、地上波テレビ(アナログ・デジタル、ワンセグ)、衛星ラジオ(アナログ・デジタル)、衛星テレビ(アナログ・デジタル)、CD・DVD・メモリカードの再生等、各種メディアの選択が可能であり、これに対応してラジオチューナ22、テレビチューナ23、衛星ラジオチューナ24、衛星テレビチューナ25(以下、区別しない場合に単にチューナ20という)及びメディアプレーヤ26を有する。
【0018】
また、制御部27はチューナ20が有するアンテナアンプB1〜B4への電源供給を制御する電源供給制御部30と接続されている。電源制御部30はスイッチSW1〜SW4のオンオフを個別に制御して、チューナ20のアンテナアンプB1〜B4への電源供給を個別に制御する。アンテナアンプB1〜B4はアンテナが受信した電波を増幅するブースターの一形態である。
【0019】
アンテナアンプB1〜B4に電源供給されないチューナは電波を受信することができないか受信しても電波を増幅できないので、音声や映像をスピーカ32又はディスプレイ33から出力することはできない。かかる禁止形態では、部品数や部品種類数を抑制できるので、コスト増を抑制できる。なお、メディアプレーヤ26への電源供給を禁止してもよい。
【0020】
アンテナアンプB1〜B4への電源供給をスイッチSW1〜SW4でオン/オフすることで、チューナ20そのものへの電源供給を個別に禁止して一部のチューナが起動できないためAV装置50全体がシステムエラーとなるような不都合を回避でき、現在位置に応じて電波の受信を禁止する本実施形態のAV装置50のコスト増を抑制できる。
【0021】
ラジオチューナ22又は衛星ラジオチューナ24は、所定のアンテナにより受信したデジタルラジオ信号をアンテナアンプB1、B3で増幅した後、ミキサー及びバンドパスフィルタで中間周波信号(IF信号)に変換する。そして、中間周波信号を検波及び復調しTDM(時分割多重)ビットストリームに変換して所定のチャンネルのデータを抽出する。このデータは、ユーザに提供する番組(所定のチャンネルで放送中のプログラム)の音声データとその番組に付加されたラベルデータ、及び、他チャンネル(裏番組)のラベルデータである。ラジオチューナ22又は衛星ラジオチューナ24は、受信チャンネルの音声データを音声デコーダでデジタルオーディオ信号に変換しセレクタ21に入力する。セレクタ21から出力されたデジタルオーディオ信号は、音声出力回路31によりD/A(デジタル/アナログ)変換されアナログのオーディオ信号に変換され、増幅された後スピーカ32から出力される。
【0022】
また、ラジオチューナ22又は衛星ラジオチューナ24は、受信チャンネルのラベルデータを文字列データに復号化しセレクタ21に送出して、映像出力回路29からディスプレイ33に表示する。ラベルデータには、複数チャンネルの番組情報が時系列的に含まれるので、乗員は所望のラジオ番組を選択できるようになる。なお、ラジオチューナ22又は衛星ラジオチューナ24はアナログチューナであってもよい。
【0023】
テレビチューナ23又は衛星テレビチューナ25は、アンテナにより受信したデジタルテレビ放送のデジタルテレビ信号をアンテナアンプB2,B4で増幅した後、シンセサイザ方式のチューナ回路で目的とするチャンネルを含む中間周波信号に変換する。そして、この中間周波信号を復調してMPEG2形式のデジタルデータを抽出し、このデジタルデータから目的とするチャンネルの映像及び音声のデータストリームをデコードする。デコードされたもとのデジタル映像信号はセレクタ21に出力され、映像出力回路29によってディスプレイ33に表示される。
【0024】
さらに、デコードされたもとのデジタル音声信号はセレクタ21を介して音声出力回路31に供給され、アナログ信号にD/A変換された後増幅されスピーカ32から出力される。なお、テレビチューナ23又は衛星テレビチューナ25はアナログチューナであってもよい。
【0025】
メディアプレーヤ26は、所定の挿入口からセットされたCD、DVD又はメモリカードからデジタル信号を読み出して、MPEG2などの映像信号及びPCMなどの音声信号をそれぞれデコードしセレクタ21に出力する。音声出力回路31は音声信号をアナログ信号にD/A変換した後増幅してスピーカ32から出力する。また、セレクタ21から出力された映像信号は映像出力回路29によりディスプレイ33に表示される。
【0026】
操作部28は、例えばディスプレイ33と一体のタッチパネル、音声入力部、及び、キーボードやボタン等を備え、乗員のメディアソースの選択、チャンネル切り換え、次述のナビゲーション装置60の目的地入力などの操作を入力できるようになっている。
【0027】
制御部27は、例えば、メディアソースを選択するためのHMI(以下、ソース選択HMI(Human Interface)という)、チャンネルを選択するためのHMI(以下、番組選択HMIという)、をディスプレイ33に表示する。そして、操作部28からメディアソースやチャンネルが選択されると、制御部27は乗員の操作に基づいて電源制御部30を制御し、選択されたメディアソースに対応したチューナ20のアンテナアンプB1〜B4に電源供給するSW1〜SW4をオンにして給電すると共に、セレクタ21の回路を切り換える。
【0028】
なお、制御部27は、出力しているメディアソースの種別や受信感度等の動作状況をディスプレイ33に表示してもよい。また、外部の再生装置とAV装置50を有線又は無線で接続しスピーカ32及びディスプレイ33から出力してもよい。
【0029】
ナビゲーション装置60は、GPS衛星から受信した電波に基づき車両12の位置情報を取得するGPS受信機34、位置情報に対応づけて道路地図情報を記憶した地図DB(Data Base)36、ナビゲーション装置60を制御する制御部35と、を有する。制御部35は、ナビゲーション装置60が起動されるとGPS受信機34が取得した位置情報に基づき地図DB36から道路地図情報を抽出して、道路地図情報に基づきディスプレイ33に表示する描画情報を生成し、これに自車位置を示すマーク、ガソリンスタンドなどの示すアイコン等を重畳してAV装置50に送出する。また、操作部28から目的地が入力された場合、制御部35は現在位置から目的地までの経路を探索し、描画情報の経路を強調表示したり、右左折の手前でスピーカ32から出力する音声情報を生成する等により、目的地まで乗員を案内する。なお、図2ではAV装置50とナビゲーション装置60を別体に表示したがこれらを一体に構成してもよい。
【0030】
図3(a)は、AV装置50の機能ブロック図の一例を示す。AV装置50の制御部27は、CPU271がプログラムを実行して実現するメッセージ生成部41、電源供給禁止部42及び受信許可エリア判定部43を有すると共に、また、不揮発メモリ274に受信許可エリアDB44を記憶している。
【0031】
受信許可エリア判定部43は、GPS受信機34が取得した位置情報に基づき受信許可エリアDB44を参照し、現在位置が放送衛星13が放送する衛星ラジオの受信許可エリアか否かを判定する。このため、受信許可エリアDB44には位置情報に対応づけて受信が許可されているエリアが登録されている。
【0032】
図3(b)は受信許可エリアDB44のデータ構造の一例を示す。車両12又はAV装置50のメーカにとって、受信が許可されているエリア及びそのエリアの座標(緯度・経度)は既知である。受信許可エリアDB44は、例えば、衛星ラジオの放送衛星13を識別する放送衛星ナンバー毎に、受信が許可されているエリアが緯度範囲と経度範囲によって特定されている。したがって、現在位置が受信が許可されたエリアに含まれていれば、放送衛星13の放送を受信できることになる。なお、受信が許可されていないエリアを緯度範囲と経度範囲により特定してもよいし、受信が許可されていないエリアと許可されているエリアの両方を登録してもよい。登録すべきエリアが少ない方のエリアのみを受信許可エリアDB44に登録することで、不揮発メモリ274の記憶容量を節約できる。なお、受信許可エリアDB44には、道路のリンク番号に対応づけて、「受信が許可されている又は禁止されている」を登録してもよい。
【0033】
受信許可エリアDB44は、車両12又はAV装置50の出荷時に不揮発メモリ274に記憶させておくことができる。放送衛星13の受信が許可されていない国や地域を含み出荷される車両12の場合、そのエリアを除いたエリアを受信が許可されているエリアとして受信許可エリアDB44に登録しておく。
【0034】
また、車両12は携帯電話網や無線LAN等からネットワークに接続することで所定のサーバと通信し、受信許可エリアDB44の登録情報を常時更新できるようになっている。したがって、放送衛星13の事業者や国の方針が変わり受信を許可するエリアが変わっても、受信許可エリアDB44をサーバ経由で更新することで、受信が許可されていないエリアで衛星ラジオを受信したり、受信が許可されているエリアで衛星ラジオを受信できない状況となることを防止できる。
【0035】
なお、図3(b)では衛星ラジオの放送衛星13について受信許可エリアを示すが、同様の受信許可エリアを衛星テレビ、地上波テレビ、地上ラジオ、メディアプレーヤ等についてそれぞれ登録することで、メディア毎に、エリアに応じて出力を禁止することができる。
【0036】
図3(a)に戻り、電源供給禁止部42は受信許可エリア判定部43の判定結果に基づき、電源制御部30が衛星ラジオチューナ24のアンテナアンプB3に給電することを禁止する。したがって、乗員が操作部28を操作して衛星ラジオチューナ24を起動しても、衛星ラジオチューナ24が受信した電波は増幅されないのでスピーカ32から音声が出力されることはない。
【0037】
メッセージ生成部41は、乗員が操作部28を操作して衛星ラジオチューナ24の起動を試みた場合、ディスプレイ33に表示したりスピーカ32から出力されるメッセージを生成する。例えば、メッセージ生成部41は「衛星ラジオの受信が禁止されたエリアを走行中です」というメッセージを生成し、スピーカ32又はディスプレイ33の少なくとも一方から出力することで、衛星ラジオが聴視できない理由を乗員に伝えることができる。
【0038】
図4は、オーディオビジュアルシステム100が放送衛星13の受信許可エリアか否かを判定して、電源供給を禁止する手順を示すフローチャート図である。図4のフローチャート図は例えば所定のサイクル時間毎に繰り返し実行される。
【0039】
イグニッションオン時及び走行中、ナビゲーション装置60はGPS受信機34により現在位置を検出している(S10)。AV装置50の受信許可エリア判定部43は取得した現在位置に基づき受信許可エリアDB44を参照し、現在位置が放送衛星13の電波の受信許可エリアか否かを判定する(S20)。受信許可エリア判定部43は判定結果をRAM272又は不揮発メモリ274に記憶しておく。これにより、受信許可エリアか否かを常に判定する必要がなくなる。
【0040】
現在位置が受信許可エリアの場合(S20のYes)、制御部27は電源制御部30に給電を許可する(S30)。これにより、乗員が操作部28を操作して衛星ラジオチューナ24の起動させた場合、電源制御部30はスイッチSW3をオンにして(S40)、衛星ラジオチューナ24のアンテナアンプB3に給電することができる。給電されると、スピーカ32から衛星ラジオの音声が出力される(S50)。
【0041】
現在位置が受信許可エリアでない場合(S20のNo)、電源供給禁止部42は電源制御部30に衛星ラジオチューナ24のアンテナアンプB3への給電を禁止する(S60)。これにより、乗員が操作部28を操作して衛星ラジオチューナ24の起動を試みても、電源制御部30がスイッチSW3をオンにすることが禁止される(S70)。なお、受信許可エリアから受信許可エリアでないエリアに進入した場合であって、すでに衛星ラジオチューナ24を起動していた場合(アンテナアンプB3に給電されていた場合)、電源制御部30は強制的にスイッチSW3をオフにする。
【0042】
乗員が操作部28を操作して衛星ラジオチューナ24の起動を試みた場合、及び、強制的にスイッチSW3をオフにした場合、制御部27はメッセージ生成部41が生成したメッセージをディスプレイ33から出力し、衛星ラジオの受信が禁止されたエリアを走行中である旨を乗員に報知する。
【0043】
本実施形態によれば、衛星ラジオの受信が禁止されたエリアでは衛星ラジオチューナ24のアンテナアンプB3への給電を禁止するので、受信が禁止されたエリアで衛星ラジオを受信することを確実に禁止できる。電波が増幅されない(電波を受信できない)のでAV装置50を改造しても衛星ラジオを聴視することを困難にできる。
【0044】
なお、本実施形態ではアンテナアンプB3への給電を禁止することを好適例としたが、衛星ラジオチューナ24への給電を禁止してもよい。
【0045】
また、衛星ラジオチューナ24やアンテナアンプB3への給電を制御せず、衛星ラジオチューナ24の出力を禁止してもよい。例えば、受信許可エリア判定部43が現在位置では受信が許可されていないと判定した場合、制御部27はソース選択HMIに衛星ラジオの選択欄を表示しない。タッチパネルのみによりメディアソースを選択する場合、ソース選択HMIに衛星ラジオの選択欄が表示されなければ衛星ラジオを聴視することを禁止できる。
【0046】
また、ソース選択HMIに表示した衛星ラジオの選択欄が乗員に選択されるか又は操作部28のボタンから乗員が直接衛星ラジオを選択することができる場合、制御部27がセレクタ21の回路を衛星ラジオチューナ24に切り換えることを禁止してもよい。セレクタ21が切り替わらないので、放送衛星13の電波を受信してもスピーカ32から出力することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】衛星放送の概略を示す図である。
【図2】AV装置とナビゲーション装置とを有するオーディオビジュアルシステムの概略構成図の一例である。
【図3】AV装置の機能ブロック図の一例である。
【図4】オーディオビジュアルシステムが放送衛星の受信許可エリアか否かを判定して、電源供給を禁止する手順を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
【0048】
27 制御部
28 操作部
32 スピーカ
33 ディスプレイ
41 メッセージ生成部
42 電源供給禁止部
43 受信許可エリア判定部
44 受信許可エリアDB
50 AV(オーディオビジュアル)装置
60 ナビゲーション装置
100 オーディオビジュアルシステム





【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送局から映像又は音楽の送信電波を受信して出力部から出力する車両用オーディオ装置であって、
車両の位置情報を検出する位置情報検出手段と、
前記送信電波の受信が許可された受信許可エリア、又は、受信が許可されていない受信禁止エリアを記憶する受信許可エリア記憶手段と、
前記位置情報に基づき前記受信許可エリア記憶手段を参照し、前記送信電波の受信が許可されているか否か判定する受信許可エリア判定手段と、
前記送信電波の受信が許可されていないと判定された場合、前記送信電波を受信するアンテナのアンテナアンプへの給電を禁止する禁止部と、
を有することを特徴とする車両用オーディオ装置。
【請求項2】
前記受信許可エリア記憶手段は、ラジオやテレビ等のメディア毎に、前記送信電波の受信が許可された受信許可エリア又は受信が許可されていない受信禁止エリア、を記憶している、
ことを特徴とする請求項1記載の車両用オーディオ装置。
【請求項3】
前記受信許可エリア記憶手段は、衛生ラジオ放送の前記送信電波の受信が許可された受信許可エリア又は受信が許可されていない受信禁止エリア、を記憶している、
ことを特徴とする請求項1又は2記載の車両用オーディオ装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−159258(P2009−159258A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−334553(P2007−334553)
【出願日】平成19年12月26日(2007.12.26)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】