説明

電子キー

【課題】近距離無線通信、例えばNFC通信を利用して蓄電手段に充電することができる電子キーを提供する。
【解決手段】携帯電話30との間でNFC通信を行うNFC装置27と、車両との間で遠距離無線通信を行う遠距離無線通信装置と、キャパシタ26bとを備えた電子キーにおいて、NFC装置27は、携帯電話30から送信される電力電波を直流電流に変換し、この変換される直流電流をキャパシタ26bに供給する電子キー。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子キーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電子キーシステムにおいては、特許文献1に示されるように、ユーザが携帯する電子キーと車両等との間における無線通信を通じて、ドアの施解錠等の制御が可能とされていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−93416号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、車両の情報、例えばバッテリ残量やドアのロックの有無を車両から離れた位置で確認したいという要望がある。そこで、車両情報を電子キーを介して携帯電話へ無線で転送するシステムが考えられている。
【0005】
すなわち、近年の携帯電話には、NFC(Near Field Communication:近距離無線通信)装置が搭載されている。このNFC装置を搭載する端末同士の間では、データの授受が可能とされている。このNFC装置を、電子キーに搭載する。電子キーは、車両との無線通信を通じて受信した車両情報をNFC通信を介して携帯電話へ転送する。携帯電話は、受信した車両情報を自身のディスプレイに表示する。ユーザはディスプレイの視認を通じて車両情報を確認することができる。
【0006】
しかしながら、このようなシステムの電子キーでは、電池切れの課題がある。電池が切れたとき、ユーザがすぐに電池を交換できる状況にあるとは限らない。このため、車両の制御ができなくなったり、先のシステムが利用できなくなったりするおそれがある。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、近距離無線通信を利用して蓄電手段に充電することができる電子キーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、報知手段を備えた第1の通信マスタとの間で近距離無線通信を行う第1の通信装置と、制御対象でもある第2の通信マスタとの間の遠距離無線通信を行う第2の通信装置と、蓄電手段とを備え、前記蓄電手段の電力を消費して前記第1及び第2の通信マスタとの間で各種無線通信を行う電子キーにおいて、前記第1の通信装置は、前記第1の通信マスタから送信される電力電波を直流電流に変換し、この変換される直流電流を前記蓄電手段に供給する変換器を備えることを要旨とする。
【0009】
同構成によれば、近距離無線通信できる第1の通信マスタがあれば、場所及び時間を問わず電子キーに充電することができる。すなわち、電池切れしたときの対応が容易となる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電子キーにおいて、前記第1の通信マスタは、前記電子キーに対して電池残量の情報の送信を要求する旨示す指令信号を送信し、前記電子キーは、前記第1の通信マスタからの指令信号を受信したとき、前記近距離無線通信を介して前記第1の通信マスタへ電池残量の情報を送信し、前記第1の通信マスタが前記電子キーからの情報を前記報知手段を通じて報知することを要旨とする。
【0011】
同構成によれば、ユーザは、第1の通信マスタの報知手段を通じて電子キーの電池残量を知ることができるので、電子キーに電池残量の情報を報知する報知手段を設ける必要がない。従って、電子キーの構成を簡素にすることができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の電子キーにおいて、前記電子キーは、制御対象である第2の通信マスタとの間の遠距離無線通信を通じて、同第2の通信マスタの情報を取得し、この取得される前記第2の通信マスタの情報を、前記近距離無線通信により前記第1の通信マスタへ送信することを要旨とする。
【0013】
同構成によれば、電子キーは、第2の通信マスタの情報を第1の通信マスタへ転送する。第1の通信マスタは、電子キーから送信される情報を報知することができるので、ユーザは、第1の通信マスタを通じて第2の通信マスタの情報を取得する。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の電子キーにおいて、前記蓄電手段は、キャパシタであって、前記電子キーは、前記キャパシタの他に、交換可能とされた電池を備え、同電池の電池残量が低下したことに伴い、同電池の電力を消費して前記各種無線通信を行うことが不能とされたときに、前記キャパシタの電力を消費して前記各種無線通信を行うことを要旨とする。
【0015】
同構成によれば、電池交換するまでのつなぎとしてキャパシタを充電することで、電子キーは、第1及び第2の通信マスタと無線通信することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明では、近距離無線通信を利用して蓄電手段に充電することができる電子キーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施形態における電子キーシステムの概略を示すブロック図。
【図2】同実施形態における充電システムの概略構成を示すブロック図。
【図3】同実施形態におけるNFC装置の回路図。
【図4】(a)は、同実施形態のディスプレイに表示される電子キーをかざすことを促す表示画像を示す携帯電話の斜視図、(b)は、電子キーをかざす場所を示す携帯電話の斜視図。
【図5】本実施形態の別例のNFC装置の回路図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を電子キーに具体化した第1の実施形態を図1〜図4に従って説明する。
図1に示すように、車両10には、電子キー20との間で交信される無線信号によりID照合を実行する電子キーシステム1が搭載されている。
【0019】
また、図2に示すように、電子キー20には、携帯電話30との間で近距離無線通信(NFC通信)を行うNFC通信システム2が搭載されている。
図1に示すように、車両10は、各種の車載機器を制御する車載制御部11と、その車載制御部11に電気的に接続されてLF(Low Frequency)帯の要求信号を送信するLF送信部12及びUHF(Ultra High Frequency)帯の応答信号を受信するUHF受信部13とを備えている。また、車両10は、同じく車載制御部11に電気的に接続されたドアロック装置14及びエンジン始動装置15を備えている。
【0020】
車載制御部11には、不揮発性のメモリ11aが設けられている。このメモリ11aには車両10に固有のIDコードが記憶されている。車載制御部11は、LF送信部12及びUHF受信部13を通じて電子キー20と無線通信を行う。車載制御部11は、電子キー20との間で行われるIDコードが含まれた無線通信の授受を通じて、交信している電子キー20が自身に対応するものか否かを判断する。そして、自身に対応するものと判断される場合には、ドアロック装置14及びエンジン始動装置15の作動を許可又は実行する。なお、本例では、車載制御部11は、IDコードの他に自身の車両情報を無線信号に含ませる。
【0021】
電子キー20は、CPU等からなるコンピュータユニットによって構成された電子キー制御部21を備える。この電子キー制御部21には、LF帯の無線信号を受信するLF受信部22と、UHF帯の無線信号を送信するUHF送信部23とが電気的に接続されている。
【0022】
LF受信部22は、車両10から間欠送信されるLF帯の無線信号である要求信号を受信すると、この要求信号をパルス信号に復調し、この復調された信号を電子キー制御部21へ出力する。
【0023】
電子キー制御部21は、不揮発性のメモリ21aを備え、同メモリ21aには電子キー20に固有のIDコードが記憶されている。電子キー制御部21は、LF受信部22により復調された要求信号を認識すると、メモリ21aに記憶されたIDコードを含む応答信号をUHF送信部23へ出力する。UHF送信部23は、応答信号を変調し、この変調した応答信号をUHF帯の無線信号として送信する。なお、要求信号には、車両10の情報が含まれるものとする。従って、電子キー制御部21は、この一連の無線通信の授受により車両10の情報を取得し、取得した情報を自身のメモリ21aに記憶させる。
【0024】
また、電子キー20は、ロックスイッチ24とアンロックスイッチ25とを備える。これらスイッチ24,25は、電子キー制御部21に電気的に接続されている。電子キー制御部21は、ロックスイッチ24又はアンロックスイッチ25が操作されて、その旨示す電気信号が入力されると、メモリ21aに記憶されたIDコードと、車両ドアの施錠又は解錠する旨示す動作内容とを含むワイヤレス信号を生成し、この信号をUHF送信部23へ出力する。UHF送信部23は、ワイヤレス信号を変調するとともに、この変調したワイヤレス信号をUHF帯の無線信号として送信する。
【0025】
さらに、電子キー20は、電源ユニット26、及びNFC装置27を備える。電源ユニット26は、交換可能とされた電池(一次電池)26aと、充放電が可能とされたキャパシタ26bとを備えて構成されている。電源ユニット26は、電池26a又はキャパシタ26bの電力を電子キー制御部21等の電子キー20の各部に供給する。電子キー制御部21は、電源ユニット26から供給される電力を消費して作動する。
【0026】
キャパシタ26bには、NFC装置27が接続されている。図2に示すように、NFC装置27は、CPU等からなるコンピュータユニットによって構成されたNFC制御部271を備える。このNFC制御部271には、携帯電話30との間で変調磁界及び無変調磁界の送受信を行うNFCアンテナ272と、同NFCアンテナ272が受信した無変調磁界に基づく交流電流を直流電流に変えてキャパシタ26bへ送るコンバータ273とが接続されている。なお、NFC装置27の回路構成については、後に詳しく説明する。
【0027】
図2に示すように、携帯電話30は、通話するための電話装置31、NFC装置32、操作スイッチ(ボタン)33、ディスプレイ34、及び電池35を備えている。電池35は、外部電源から充電が可能とされた2次電池とされている。電池35は、電話装置31、NFC装置32等の携帯電話30の各部に電力を供給する。
【0028】
電話装置31は、マイク311、スピーカ312、アンテナ313、及びこれらを統括的に制御する電話制御部314を備えている。電話制御部314には、操作スイッチ33及びディスプレイ34が接続されている。ユーザは、操作スイッチ33の操作を通じて電話制御部314に制御情報を入力する。電話制御部314は、入力される制御情報に基づき、マイク311、スピーカ312、アンテナ313の各部を制御する。また、電話制御部314は、自身の制御情報をディスプレイ34に表示させる。なお、電話制御部314には、メモリ314aが設けられている。メモリ314aには、電話番号やメールアドレス、及び必要なアプリケーションが予め記憶されている。
【0029】
電話制御部314は、操作スイッチ33を通じて入力された情報をもとに、アンテナ313を通じて他の電話との音声データを含む無線信号の授受を行う。電話制御部314は、マイク311を通じて音声が入力されると、この音声に伴う音声データを無線信号に変換して、この無線信号をアンテナ313から送信する。また、電話制御部314は、アンテナ313を通じて、他の電話から音声データを含む無線信号を受信すると、これを音声データに復調してこの音声データに基づく音声をスピーカ312を通じて外部へ出力する。
【0030】
NFC装置32は、CPU等からなるコンピュータユニットによって構成されたNFC制御部321を備える。このNFC制御部321には、変調磁界及び無変調磁界を送受信するNFCアンテナ322と、電池35の直流電流を交流電流に変えてNFCアンテナ322へ送るインバータ323とが接続されている。NFC制御部321には、メモリ321aが設けられている。また、このメモリ321aには、NFC通信システム2を起動させるための通信アプリケーションが予め記憶されている。この通信アプリケーションには、電子キー20のメモリ21aに記憶されている車両10及び電子キー20の情報を取得する情報取得モードと、電子キー20のキャパシタ26bへ充電する充電モードとがある。通信アプリケーションが起動すると、NFC制御部321は、情報取得モードとなる。情報取得モードから充電モードへの切り替えは、操作スイッチ33を通じて行われる。また、NFC制御部321は、電話制御部314と接続されている。すなわち、操作スイッチ33を通じて電話制御部314へ入力される制御情報は、電話制御部314からNFC制御部321に伝達される。なお、メモリ321aには、図4(a)に示すように携帯電話30に電子キー20をかざすことを促す表示画像が記憶されている。図4(b)に示すように、本例では、NFC通信が好適に行える携帯電話30の部位に電子キー20がかざされることを促すマークが示されている。ユーザは、電子キー20をこのマークにかざすことにより、電子キー20と携帯電話30との間のNFC通信を好適に行うことができる。NFC制御部321は、図4(a)に示される表示画像を通信アプリケーションの起動中、電話制御部314を介して、ディスプレイ34に表示させる。
【0031】
NFC制御部321は、通信アプリケーションが起動し、情報取得モードとされると、電子キー20の情報を要求する変調信号をNFCアンテナ322へ出力する。NFCアンテナ322は、変調信号を変調磁界に変換し、これを送信する。
【0032】
NFCアンテナ322は、電子キー20からメモリ21aに記憶されている情報が含まれる変調磁界を受信すると、これを変調信号に変換し、この変換された変調信号をNFC制御部321へ出力する。NFC制御部321は、この変調信号に含まれる情報を自身のメモリ321aに記憶させるとともに、この情報を電話制御部314へ出力する。電話制御部314は、入力された情報をディスプレイ34に表示させる。なお、この情報には、電池26aの電池残量が含まれる。すなわち、ディスプレイ34には、電池26aの電池残量の情報が表示される。
【0033】
また、NFC制御部321は、操作スイッチ33が操作されて情報取得モードから充電モードへ切り替えられると、電池35に蓄電されている直流電流をインバータ323へ送る。インバータ323は、直流電流を交流電流に変換し、NFCアンテナ322へ送る。NFCアンテナ322は、交流電流を無変調磁界に変換し、これを送信する。
【0034】
次に、NFC装置27の回路構成について詳述する。
図3に示すように、NFCアンテナ272には、NFC制御部271に接続される第1の回路C1と、コンバータ273に接続される第2の回路C2とが設けられている。これら第1及び第2の回路C1,C2は、スイッチ275によりどちらか一方が閉じるように切り替えられる。スイッチ275の切り替え制御は、NFC制御部271により行われる。キャパシタ26bには、NFC制御部271に接続される第3の回路C3と、コンバータ273に接続される第4の回路C4とが設けられている。これら第3及び第4の回路C3,C4は、スイッチ276によりどちらかが一方が閉じるように切り替えられる。スイッチ276の切り替え制御は、NFC制御部271により行われる。
【0035】
次に、NFC装置27の動作について説明する。
NFCアンテナ272は、携帯電話30からの情報を要求する変調磁界を受信すると、これを変調信号に変換してNFC制御部271へ送る。この信号には、第1及び第4の回路C1,C4を閉じる旨示すコマンドが含まれている。NFC制御部271は、この変調信号を受信すると自身のメモリ271aに記憶されている情報を含む変調信号を生成し、これを再びNFCアンテナ272へ送る。NFCアンテナ272は、この変調信号を変調磁界に切り替えて外部へ送信する。
【0036】
NFCアンテナ272は、携帯電話30から無変調磁界を受信すると、これを無変調信号に変換してNFC制御部271へ送る。NFC制御部271は、無変調信号を受信すると、スイッチ275,276を切り替える。これにより、第2及び第4の回路C2,C4が閉じる。従って、無変調信号は、NFCアンテナ272からコンバータ273へ送られる。コンバータ273は、無変調信号、すなわち交流電流を直流電流に変換してキャパシタ26bへ送る。これにより、キャパシタ26bが蓄電される。
【0037】
なお、NFC制御部271は、電子キー制御部21が車両10と無線通信する際に、電池26aが電池切れしている場合は、第3の回路C3が閉じるようにスイッチ276を切り替える。これにより、電子キー制御部21には、キャパシタ26bに蓄電されている電力が送られる。
【0038】
次に、携帯電話30から電子キー20へ充電を行う場合の一連の流れについて説明する。
通信アプリケーションが起動した状態の携帯電話30が操作されて、NFC制御部321が情報取得モードとされると、同携帯電話30は、電子キー20とのNFC通信を通じて、車両情報及び電子キー20の電池残量情報を取得する。このとき、電池残量が少ないと判断される場合には、その旨を、ディスプレイ34に表示させる。ユーザは、ディスプレイ34の視認を通じて電池残量が少ない旨認識することができる。また、携帯電話30は、電子キー20の電池残量が少ないと判断される場合には、図4(a)に示すように、充電方法に関するメッセージをディスプレイ34に表示させるとともに、NFC制御部321を充電モードに切り替える。これにより、ユーザは、電子キー20の電池残量が少ないときに、スムーズに携帯電話30から電子キー20へ充電を行うことができる。
【0039】
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られる。
(1)電子キー20にNFC装置27を設けた。これにより、電子キー20は、NFC装置32が設けられる携帯電話30との間でNFC通信が可能となる。電子キー20は、携帯電話30からの要求に応じて、NFC通信を通じて自身の情報(電池残量)を携帯電話30に送ることができる。携帯電話30には、ディスプレイ34等の報知手段が設けられている。このため、電子キー20に記憶されている情報を携帯電話30からユーザに報知することができる。
【0040】
(2)NFCアンテナ272は、情報を送るための変調磁界及び電力を送るための無変調磁界の送受信が可能である。そこで、電子キー20にキャパシタ26bを設けるとともに、このキャパシタ26b及びNFCアンテナ272と接続されたコンバータ273を設けた。これにより、無変調磁界を直流電流に変換することができるので、キャパシタ26bに充電することができる。すなわち、携帯電話30の電力を使って電子キー20のキャパシタ26bに充電することができる。従って、電子キー20は、携帯電話30があれば、時間及び場所を問わず充電することができる。
【0041】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態において、電源ユニット26は、一次電池としての電池26aとキャパシタ26bとにより構成されたが、この2つの組み合わせに限るものではない。例えば、電源ユニット26に代えて、図5に示すように、リチウムイオン電池などの2次電池28を設けてもよい。リチウムイオン電池は、キャパシタと比較して蓄電量が多いことから、1回の充電で充電できる量が多い。従って、電池切れが起きた際に頻繁に充電しなくて済む。なお、2次電池であれば、特にリチウムイオン電池に限定されるものではなく、ニッケル水素電池等、他の種類の2次電池であってもよい。
【0042】
・上記実施形態では、NFC装置27はメモリ271aに記憶されている情報を携帯電話30に送ったが、送らなくともよい。また、携帯電話30へ送る情報は、車両のロック情報や電子キーの電池残量に限らず、ウインドウの開放の有無等の情報が含まれてもよい。このように構成しても、携帯電話30から電子キー20への充電は可能である。
【0043】
・上記実施形態では、電子キー制御部21とNFC制御部271とを別々に設けたが、一体であってもよい。このように構成しても上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0044】
・上記実施形態において、NFC制御部271のメモリ271aを省略してもよい。この場合、電池残量等の情報は、メモリ21aに記憶させる。そして、NFC制御部271は、電子キー制御部21のメモリ21aに記憶された情報をNFC送信してもよい。このように構成しても上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0045】
・上記実施形態において、電子キー20へ電力を送るものはNFC装置を備えていれば携帯電話30に限らない。例えば、ディスプレイ等の報知手段を備えた他の電子キーから電力を送るようにしてもよい。このように構成しても上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0046】
・上記実施形態において、電子キー20は、車両10と通信するものに限らない。例えば、電子キー20と通信する住宅等であってもよい。このように構成しても上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0047】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の電子キーにおいて、前記電子キーの電力は、前記蓄電手段のみから供給される電子キー。
【0048】
同構成によれば、電子キーの回路構成が簡素となり、組み付けが容易となる。
(ロ)前記第1の通信マスタは、請求項1〜4のうちのいずれか一項、又は前記(イ)に記載の電子キーと近距離無線通信を行う際、前記報知手段を通じて、前記電子キーを自身に近づける旨報知すること。
【0049】
同構成によれば、近距離無線通信を実施するには、第1の通信マスタと電子キーとを近づける必要があることを報知することができる。
(ハ)前記第1の通信マスタは、請求項2〜4のうちいずれか一項、又は前記(イ)、又は前記(ロ)に記載の電子キーへ情報を要求する変調磁界と、前記電子キーへ電力を送る無変調磁界とを選択的に送信可能とする入力手段とを備えること。
【0050】
同構成によれば、ユーザは、電子キーの充電と電子キーの情報の取得とを選択することができる。これにより、電子キー及び通信マスタは、ユーザが必要とする近距離無線通信を行うのみとなる。従って、不要な通信が抑制され、両者にかかる通信負荷が抑制される。
【0051】
(ニ)請求項1〜4のうちいずれか一項、又は前記(イ)、又は前記(ロ)、又は前記(ハ)のうち何れか一項に記載の電子キーにおいて、前記第1の通信マスタは、携帯電話であり、前記第2の通信マスタは、車両である電子キー。
【0052】
同構成によれば、携帯電話と近距離無線通信するとともに車両との間で遠距離無線通信を行い、同遠距離無線通信を通じて制御する電子キーに適用することができる。
【符号の説明】
【0053】
C1,C2,C3,C4…回路、1…電子キーシステム、2…充電システム、10…車両、11…車載制御部、11a,21a,271a,314a,321a…メモリ、12…LF送信部、13…UHF受信部、14…ドアロック装置、15…エンジン始動装置、20…電子キー、21…第2の通信装置としての電子キー制御部、22…第2の通信装置としてのLF受信部、23…第2の通信装置としてのUHF送信部、24…ロックスイッチ、25…アンロックスイッチ、26…電源ユニット、26a…電池(1次電池)、26b…蓄電手段としてのキャパシタ、27…第1の通信装置、及び変換器としてのNFC装置、28…蓄電手段としての2次電池、30…携帯電話、31…電話装置、32…NFC装置、33…操作スイッチ、34…ディスプレイ、35…電池(2次電池)、271,321…NFC制御部、272,322…NFCアンテナ、273…コンバータ、275,276…スイッチ、311…マイク、312…スピーカ、313…アンテナ、314…電話制御部、323…インバータ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
報知手段を備えた第1の通信マスタとの間で近距離無線通信を行う第1の通信装置と、制御対象でもある第2の通信マスタとの間の遠距離無線通信を行う第2の通信装置と、蓄電手段とを備え、前記蓄電手段の電力を消費して前記第1及び第2の通信マスタとの間で各種無線通信を行う電子キーにおいて、
前記第1の通信装置は、前記第1の通信マスタから送信される電力電波を直流電流に変換し、この変換される直流電流を前記蓄電手段に供給する変換器を備える電子キー。
【請求項2】
請求項1に記載の電子キーにおいて、
前記第1の通信マスタは、前記電子キーに対して電池残量の情報の送信を要求する旨示す指令信号を送信し、
前記電子キーは、前記第1の通信マスタからの指令信号を受信したとき、前記近距離無線通信を介して前記第1の通信マスタへ電池残量の情報を送信し、前記第1の通信マスタが前記電子キーからの情報を前記報知手段を通じて報知する電子キー。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電子キーにおいて、
前記電子キーは、制御対象である第2の通信マスタとの間の遠距離無線通信を通じて、同第2の通信マスタの情報を取得し、この取得される前記第2の通信マスタの情報を、前記近距離無線通信により前記第1の通信マスタへ送信する電子キー。
【請求項4】
請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の電子キーにおいて、
前記蓄電手段は、キャパシタであって、
前記電子キーは、前記キャパシタの他に、交換可能とされた電池を備え、同電池の電池残量が低下したことに伴い、同電池の電力を消費して前記各種無線通信を行うことが不能とされたときに、前記キャパシタの電力を消費して前記各種無線通信を行うことを特徴とする電子キー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−14970(P2013−14970A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−149307(P2011−149307)
【出願日】平成23年7月5日(2011.7.5)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】