説明

電子回路ユニットおよびその製造方法

【課題】回路基板のコーナーエッジ近傍に銅箔ランドを設けてもソルダーレジストの剥離や基板材料の樹脂バリが問題とならない電子回路ユニットと、その製造方法の提供。
【解決手段】電子回路ユニットの回路基板2の隅部には銅箔ランド5が設けられており、該隅部を区画する直角な基板外縁2dと銅箔ランド5の外向きに膨出する外周縁との間に、略L字状のコーナースペース領域2bが延在している。コーナースペース領域2bのうち、コーナーエッジ2aのごく近傍の比較的広い領域だけにソルダーレジスト6を設けておき、コーナーエッジ2aから離れた狭い領域はソルダーレジストの存しない基板露出領域2cとなす。回路基板2は集合基板10を切断ライン11,12に沿って切断して個片化されたものであり、回路基板2上の高周波回路部を覆うシールドカバーの脚片が銅箔ランド5の取付穴5aに挿入されて半田付けされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集合基板を切断して個片化される回路基板に電子部品等が実装されてなる電子回路ユニットと、その製造方法とに係り、特に、回路基板の隅部に銅箔ランドが設けられている小型の電子回路ユニットとその製造方法とに関するものである。
【背景技術】
【0002】
回路構成が高密度で小型の電子回路ユニットは、複数個の電子回路ユニットに対応する複数の回路部を一括して集合基板に設けた後に、該集合基板を切断して個片化するほうが、1個ずつ製造するよりも格段に生産性が高まる。そのため、従来より、この種の電子回路ユニットを製造する際には、集合基板上で縦横の切断ライン(ダイシングライン)によって区画された複数の矩形領域に、それぞれ配線パターンやソルダーレジスト等を一括形成し、かつ電子部品等を一括して実装した後、切断ラインに沿って集合基板をダイシングソー等で切断して電子回路ユニットを多数個取りするという手法が一般的である(例えば、特許文献1参照)。なお、こうして製造された電子回路ユニットの回路基板は、集合基板の前記矩形領域に相当する部分である。
【0003】
また、この種の電子回路ユニットにおいて、回路基板に高周波回路を覆うシールドカバーが取り付けられる場合などには、図4に示すように、回路基板21の隅部に銅箔ランド22が設けられ、この銅箔ランド22がソルダーレジスト23で包囲されることが多い。図4では切断前の集合基板30を鎖線で示しており、集合基板30の縦横の切断ライン31,32の交点に回路基板21のコーナーエッジ21aが形成される。そして、コーナーエッジ21aから直角に延びる基板外縁と銅箔ランド22の外向きに膨出する外周縁とに挟まれた略L字状領域を回路基板21のコーナースペース領域21bと称すると、このコーナースペース領域21bはコーナーエッジ21aのごく近傍では狭隘にならないため、コーナーエッジ21aに欠けや亀裂が生じても電子回路ユニットの電気的特性に悪影響が及ぶ可能性は低い。なお、図4では回路基板21の隅部の銅箔ランド22の外形が木の葉形状に形成されているが、銅箔ランド22の外形が円形の場合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開11−186439号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、電子回路ユニットの小型化や高密度化が促進されている関係上、図4における回路基板21のコーナースペース領域21bが以前よりも狭く設計される傾向にある。そのため、回路基板21の略L字状のコーナースペース領域21bの両端部に、基板外縁と銅箔ランド22との間隔をかなり狭くした領域が発生しやすくなっており、このような電子回路ユニットにおいて集合基板30の切断ライン31,32に沿う切断工程で僅かな位置ずれが起こると、コーナースペース領域21bの両端部でソルダーレジスト23が剥離する危険性が高まるという問題があった。つまり、回路基板21上で銅箔ランド22を包囲しているソルダーレジスト23は、基板面との接触面積が狭い領域では密着強度が不足しがちなため、切断ライン31(または32)と銅箔ランド22との間隔が狭い個所では、ダイシングソー等による実際の切断位置が銅箔ランド22側へ僅かにずれただけでソルダーレジスト23が剥離しやすくなる。
【0006】
なお、回路基板21のコーナースペース領域21bが当初から極めて狭く設計されている電子回路ユニットの場合には、切断工程での位置ずれを防止してもソルダーレジスト23が剥離しやすくなる。
【0007】
そこで本発明者らは、回路基板21のコーナースペース領域21bが狭くても切断工程でソルダーレジスト23の剥離が起こらないようにするため、図5に示すように、コーナースペース領域21bをソルダーレジスト23が存しない基板露出領域となしてみた。しかしながら、このようにすると、集合基板30の切断工程で切断ライン31,32の交点付近に基板材料の樹脂バリが出来やすく、個片化した回路基板21のコーナーエッジ21a付近に髭状の樹脂バリが目立ってしまうため、製品化された電子回路ユニットの外観が損なわれやすいという別の問題の発生することが判明した。
【0008】
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、回路基板のコーナーエッジ近傍に銅箔ランドを設けてもソルダーレジストの剥離や基板材料の樹脂バリが問題とならない電子回路ユニットを提供することにある。また、本発明の第2の目的は、そのような電子回路ユニットが工程数を増加せずに集合基板から製造できる電子回路ユニットの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した第1の目的を達成するために、本発明は、集合基板を縦横の切断ラインに沿って切断することにより個片化された矩形状の回路基板を備え、この回路基板の隅部を区画する直角な基板外縁と、該隅部に設けられた銅箔ランドの外向きに膨出している外周縁との間に、略L字状のコーナースペース領域が延在する電子回路ユニットにおいて、前記コーナースペース領域のうち幅狭な両端部を除く領域をソルダーレジストにて覆うと共に、前記両端部をソルダーレジストの存しない基板露出領域となすという構成にした。
【0010】
このように電子回路ユニットの回路基板のコーナースペース領域のうち、コーナーエッジのごく近傍の比較的広い領域だけにソルダーレジストを設けておき、コーナーエッジから離れた狭い領域はソルダーレジストの存しない基板露出領域となしておけば、集合基板を切断ラインに沿って切断する際に、コーナースペース領域において基板面との接触面積が十分に確保されているソルダーレジストが剥離しにくくなると共に、コーナーエッジ付近に基板材料の樹脂バリが発生する虞がなくなる。なお、切断工程でコーナースペース領域の両端部の基板露出領域に樹脂バリが出来たとしても、基板露出領域はコーナーエッジから離れているため樹脂バリは目立たず、それゆえ製品化された電子回路ユニットの外観が損なわれる可能性は低い。
【0011】
上記の構成において、回路基板のコーナースペース領域と隣接する銅箔ランドの略中央に円形の取付穴が形成されており、この取付穴の中心から基板外縁へ向かって延びる2本の垂線を設定したとき、これら垂線がコーナースペース領域を横断する位置をソルダーレジストと基板露出領域との境界部に略合致させると、コーナースペース領域内で懸念されるソルダーレジストの剥離を防止しつつ基板露出領域をコーナーエッジから極力離隔させることができるため、樹脂バリが一層目立たなくなる。また、回路基板上の高周波回路を覆うシールドカバーの脚片を銅箔ランド内の取付穴に挿入して取り付けることができるため、小型で高密度な高周波回路ユニットを設計するうえで好適となる。
【0012】
上記した第2の目的を達成するために、本発明は、複数個の電子回路ユニットに対応する複数の回路部を一括して集合基板に設けた後、この集合基板を縦横の切断ラインに沿って切断して個片化することにより、隅部に銅箔ランドを有する矩形状の回路基板が複数個得られる電子回路ユニットの製造方法において、前記集合基板上で前記回路基板に相当する矩形領域の隅部に前記銅箔ランドを設けた後、前記矩形領域に前記銅箔ランドを略包囲するようにソルダーレジストを設ける工程で、前記隅部を区画する縦横の前記切断ラインと前記銅箔ランドの外向きに膨出している外周縁との間に延在する略L字状領域のうち、幅狭な両端部を除く領域を前記ソルダーレジストにて覆うと共に、前記両端部をソルダーレジストの存しない基板露出領域となした。
【0013】
このように電子回路ユニットの回路基板に相当する集合基板上の矩形領域の隅部に、銅箔ランドを略包囲するようにソルダーレジストを設ける工程で、矩形領域の隅部の略L字状領域のうち、縦横の切断ラインの交点のごく近傍の比較的広い領域だけにソルダーレジストを設けておき、該交点から離れた狭い領域はソルダーレジストの存しない基板露出領域となしておけば、集合基板を切断ラインに沿って切断する際に、略L字状領域において基板面との接触面積が十分に確保されているソルダーレジストが剥離しにくくなると共に、回路基板のコーナーエッジとなる切断ラインの交点付近に基板材料の樹脂バリが発生する虞がなくなる。しかも、略L字状領域の一部をソルダーレジストの存しない基板露出領域となすだけなので、工程数の増加も回避できる。なお、切断工程で略L字状領域の両端部の基板露出領域に樹脂バリが出来たとしても、基板露出領域は回路基板のコーナーエッジから離れているため樹脂バリは目立たず、それゆえ製品化された電子回路ユニットの外観が損なわれる可能性は低い。
【0014】
また、上記の製造方法において、略L字状領域に隣接する銅箔ランドの略中央に円形の取付穴が形成されており、この取付穴の中心から切断ラインへ向かって延びる2本の垂線を設定したとき、これら垂線が略L字状領域を横断する位置をソルダーレジストと基板露出領域との境界部に略合致させると、略L字状領域(回路基板のコーナースペース領域)内で懸念されるソルダーレジストの剥離を防止しつつ、基板露出領域を切断ラインの交点(回路基板のコーナーエッジ)から極力離隔させることができるため、樹脂バリが一層目立たなくなる。また、回路基板上の高周波回路を覆うシールドカバーの脚片を銅箔ランド内の取付穴に挿入して取り付けることができるため、小型で高密度な高周波回路ユニットを製造するうえで好適となる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の電子回路ユニットは、その回路基板のコーナースペース領域のうち、コーナーエッジのごく近傍の比較的広い領域だけにソルダーレジストを設けておき、コーナーエッジから離れた狭い領域はソルダーレジストの存しない基板露出領域となしているので、集合基板を切断ラインに沿って切断する際に、コーナースペース領域において基板面との接触面積が十分に確保されているソルダーレジストが剥離しにくくなると共に、コーナーエッジ付近に基板材料の樹脂バリが発生する虞がなくなる。すなわち、この電子回路ユニットは、回路基板のコーナーエッジ近傍に銅箔ランドを設けてもソルダーレジストの剥離や基板材料の樹脂バリが問題とならないため、小型化や高密度化が図りやすくなる。
【0016】
本発明による電子回路ユニットの製造方法は、集合基板上で電子回路ユニットの回路基板に相当する矩形領域の隅部に、銅箔ランドを略包囲するようにソルダーレジストを設ける工程で、矩形領域の隅部の略L字状領域のうち、縦横の切断ラインの交点のごく近傍の比較的広い領域だけにソルダーレジストを設けておき、該交点から離れた狭い領域はソルダーレジストの存しない基板露出領域となしているので、集合基板を切断ラインに沿って切断する際に、略L字状領域において基板面との接触面積が十分に確保されているソルダーレジストが剥離しにくくなると共に、回路基板のコーナーエッジとなる切断ラインの交点付近に基板材料の樹脂バリが発生する虞がなくなる。しかも、略L字状領域の一部をソルダーレジストの存しない基板露出領域となすだけなので、工程数の増加も回避できる。すなわち、この製造方法によれば、電子回路ユニットの回路基板のコーナーエッジ近傍に銅箔ランドを設けてもソルダーレジストの剥離や基板材料の樹脂バリが問題とならないため、小型で高密度な電子回路ユニットが製造しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態例に係る電子回路ユニットの平面図である。
【図2】図1の電子回路ユニットの隅部を示す要部斜視図である。
【図3】図1の電子回路ユニットの製造工程における回路基板の隅部形状を示す要部説明図である。
【図4】従来例に係る電子回路ユニットの製造工程における回路基板の隅部形状を示す要部説明図である。
【図5】比較例に係る電子回路ユニットの製造工程における回路基板の隅部形状を示す要部説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態例を図1〜図3を参照しつつ説明する。図1に示す電子回路ユニット1は、回路基板2上に配設された高周波回路部3をシールドカバー4で覆って電磁的にシールドしている高周波回路ユニットである。回路基板2の四隅領域には銅箔ランド5が設けられており、各銅箔ランド5の周囲には一部を除いてソルダーレジスト6が設けられている。また、各銅箔ランド5の略中央には円形の取付穴5aが形成されており、図2に示すように、この取付穴5aにシールドカバー4の脚片4aが挿入された状態で、該脚片4aと銅箔ランド5とが図示せぬ半田によって接合されている。つまり、シールドカバー4は四隅に設けられた脚片4aを対応する取付穴5aに挿入して半田付けすることにより、回路基板2に取り付けられている。
【0019】
回路基板2の隅部の形状について詳しく説明すると、図3に示すように、回路基板2の隅部でコーナーエッジ2aから直角に延びる基板外縁2dと、該隅部に設けられた銅箔ランド5の外向きに膨出している外周縁との間には、平面視略L字状のコーナースペース領域2bが延在している。このコーナースペース領域2bのうち、コーナーエッジ2aのごく近傍の比較的広い領域はソルダーレジスト6によって覆われているが、コーナースペース領域2bの幅狭な両端部はソルダーレジスト6の存しない基板露出領域2cとなっている。つまり、銅箔ランド5の外周縁は、コーナースペース領域2b側の2個所が基板露出領域2cと隣接し、他はすべてソルダーレジスト6と隣接している。そして、互いに直交する2つの基板外縁2dに対して銅箔ランド5の取付穴5aの中心からそれぞれ垂線を延ばしたとき、これら2本の垂線がコーナースペース領域2bを横断する位置を、コーナースペース領域2b内でのソルダーレジスト6と基板露出領域2cとの境界部(基板露出領域2cの始端部)の位置となるように設定してある。
【0020】
上記の電子回路ユニット1は、図3に鎖線で示す集合基板10から多数個取りされたものである。すなわち、電子回路ユニット1を製造する際には、まず、集合基板10上で縦横の切断ライン(ダイシングライン)11,12によって区画された複数の矩形領域に、それぞれ配線パターン(図示せず)や銅箔ランド5等を一括形成し、次いでソルダーレジスト6を一括形成する。ただし、ソルダーレジスト6の形成時に、各矩形領域の隅部で銅箔ランド5よりも外側の略L字状領域Aには、縦横の切断ライン11,12の交点のごく近傍だけにソルダーレジスト6を設け、該銅箔ランド5と切断ライン11,12との間隔が狭い領域はソルダーレジスト6の存しない基板露出領域2cとなしておく。なお、集合基板10の各矩形領域は1個の回路基板2に相当する領域であり、切断ライン11,12の交点が回路基板2のコーナーエッジ2aとなる。したがって、集合基板10の各矩形領域の隅部において、切断ライン11,12は回路基板2の基板外縁2dに相当し、略L字状領域Aは回路基板2のコーナースペース領域2bに相当する。
【0021】
この後、集合基板10の各矩形領域に、図示せぬ電子部品等を実装して高周波回路部3を形成すると共に、この高周波回路部3を覆うシールドカバー4を取り付ける。前述したように、シールドカバー4の脚片4aは、コーナースペース領域2bに隣接する銅箔ランド5の取付穴5aに挿入して半田付けされる。
【0022】
しかる後、縦横の切断ライン11,12に沿って集合基板10をダイシングソー等で切断することにより、集合基板10が多数の回路基板2に個片化されて、電子回路ユニット1が多数個取りされる。
【0023】
以上説明したように本実施形態例では、電子回路ユニット1の回路基板2のコーナースペース領域2bのうち、コーナーエッジ2aのごく近傍の比較的広い領域だけにソルダーレジスト6を設けておき、コーナーエッジ2aから離れた狭い領域はソルダーレジスト6の存しない基板露出領域2cとなしている。そのため、集合基板10を切断ライン11,12に沿って切断する際に、コーナースペース領域2bにおいて基板面との接触面積が十分に確保されているソルダーレジスト6が剥離しにくく、コーナーエッジ2a付近に基板材料の樹脂バリが発生する虞もない。したがって、この電子回路ユニット1は、回路基板2のコーナーエッジ2a近傍に銅箔ランド5を設けてもソルダーレジスト6の剥離や基板材料の樹脂バリが問題とならず、小型化や高密度化が図りやすくなっている。しかも、コーナースペース領域2bの一部をソルダーレジスト6の存しない基板露出領域2cとなすだけなので、この電子回路ユニット1を製造する際に工程数が増加することもない。
【0024】
なお、集合基板10を切断ライン11,12に沿って切断する際に、コーナースペース領域2bの基板露出領域2cに樹脂バリが出来ることはある。しかしながら、基板露出領域2cはコーナーエッジ2aから離れているため樹脂バリは目立たず、それゆえ製品化された電子回路ユニット1の外観が損なわれる可能性は低い。しかも、本実施形態例では、銅箔ランド5の取付穴5aの中心から基板外縁2dへ延ばした垂線がコーナースペース領域2bを横断する位置を、基板露出領域2cの始端部の位置と略合致させており、こうすることによって、コーナースペース領域2b内で懸念されるソルダーレジスト6の剥離を防止しつつ基板露出領域2cをコーナーエッジ2aから極力離隔させることができるため、樹脂バリは一層目立たなくなる。
【0025】
ただし、コーナースペース領域2b内での基板露出領域2cの始端部の位置は、このコーナースペース領域2bの大きさや形状等に応じて適宜選択可能であり、例えば、コーナースペース領域2bの両端部が極めて幅狭な場合には、基板露出領域2cの始端部を図3の位置よりもコーナーエッジ2a側へ若干ずらして設定したほうが好ましい。
【0026】
また、上記の実施形態例では、銅箔ランド5の外形が木の葉形状になっているが、銅箔ランド5の外形が円形等であってもよく、要は、回路基板2の隅部において銅箔ランド5が外向きに膨出する外周縁を有していれば、略L字状のコーナースペース領域2bが生じるため、本発明が適用可能となる。
【0027】
また、電子回路ユニット1が上記の実施形態例のように高周波回路ユニットでなくても、集合基板10を切断することによって個片化される回路基板2の隅部に銅箔ランド5が設けられているものであれば、本発明は適用可能である。
【符号の説明】
【0028】
1 電子回路ユニット
2 回路基板
2a コーナーエッジ
2b コーナースペース領域
2c 基板露出領域
2d 基板外縁
3 高周波回路部
4 シールドカバー
4a 脚片
5 銅箔ランド
5a 取付穴
6 ソルダーレジスト
10 集合基板
11,12 切断ライン
A 略L字状領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
集合基板を縦横の切断ラインに沿って切断することにより個片化された矩形状の回路基板を備え、この回路基板の隅部を区画する直角な基板外縁と、該隅部に設けられた銅箔ランドの外向きに膨出している外周縁との間に、略L字状のコーナースペース領域が延在する電子回路ユニットであって、
前記コーナースペース領域のうち幅狭な両端部を除く領域をソルダーレジストにて覆うと共に、前記両端部をソルダーレジストの存しない基板露出領域となしたことを特徴とする電子回路ユニット。
【請求項2】
請求項1の記載において、前記銅箔ランドの略中央に円形の取付穴が形成されており、この取付穴の中心から前記基板外縁へ向かって延びる2本の垂線を設定したとき、これら垂線が前記コーナースペース領域を横断する位置を前記ソルダーレジストと前記基板露出領域との境界部に略合致させたことを特徴とする電子回路ユニット。
【請求項3】
複数個の電子回路ユニットに対応する複数の回路部を一括して集合基板に設けた後、この集合基板を縦横の切断ラインに沿って切断して個片化することにより、隅部に銅箔ランドを有する矩形状の回路基板が複数個得られる電子回路ユニットの製造方法であって、
前記集合基板上で前記回路基板に相当する矩形領域の隅部に前記銅箔ランドを設けた後、前記矩形領域に前記銅箔ランドを略包囲するようにソルダーレジストを設ける工程で、前記隅部を区画する縦横の前記切断ラインと前記銅箔ランドの外向きに膨出している外周縁との間に延在する略L字状領域のうち、幅狭な両端部を除く領域を前記ソルダーレジストにて覆うと共に、前記両端部をソルダーレジストの存しない基板露出領域となしたことを特徴とする電子回路ユニットの製造方法。
【請求項4】
請求項3の記載において、前記略L字状領域に隣接する前記銅箔ランドの略中央に円形の取付穴が形成されており、この取付穴の中心から前記切断ラインへ向かって延びる2本の垂線を設定したとき、これら垂線が前記略L字状領域を横断する位置を前記ソルダーレジストと前記基板露出領域との境界部に略合致させたことを特徴とする電子回路ユニットの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−18699(P2011−18699A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−161010(P2009−161010)
【出願日】平成21年7月7日(2009.7.7)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】