説明

電気錠システム及び制御ユニット

【課題】利用者の確実な認識の元に、その後の自動施錠を伴なう手動による解錠をすることができる電気錠システム10を提供する。
【解決手段】ドアの施解錠を制御する制御ユニット100は、ドア屋内面に設けられた電動サムターンが動作する都度、当該動作を示す信号を受信する電気錠駆動回路111aと、受信した手動による解錠の動作を示す一の信号と、受信した他の信号とが施錠条件を満たすか否かを判断し、前記施錠条件を満たす場合に、その後、施錠するように制御する制御部112とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドアの施錠及び解錠を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、玄関に設けられるインターホン子機と室内に設けられるインターホン親機とから構成され、玄関のドアを施錠及び解錠するインターホン電気錠システムが知られている。
このようなインターホン電気錠システムが設置されている場合であっても、人が室内から室外に退出する場合には、機械的な鍵で解錠し、扉を開く。しかし、機械的な鍵で解錠すると、退出後に機械的な鍵による施錠が必要であり、施錠が忘れられることがある。
【0003】
この問題を解決するために、特許文献1によると、ドアの室内側近傍に退出ボタンが設けられ、退出ボタンの押圧により解錠信号を一定時間発生させる。こうして、解錠し、解錠状態を一定時間維持する。その後、自動的に電気錠への通電が遮断されて施錠される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平01−295557号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1により開示された技術によると、退出ボタンの押圧により、解錠状態が一定時間維持され、その後、自動的に施錠されるので、施錠を忘れて解錠された状態が維持されることはない。しかし、利用者が退出ボタンを押したという認識がないまま、誤って退出ボタンに触れてしまったような場合には、利用者が知らないうちに、解錠され、その解錠状態が一定時間維持されることとなる。このため、その時間帯において、外部からの他人の侵入を許すこととなり、防犯上問題がある。
【0006】
上記問題を解決するために、本発明は、利用者の確実な認識の元に、その後の自動施錠を伴なう手動による解錠をすることができる電気錠システム及び制御ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、ドアの施解錠を制御する制御ユニットであって、電動サムターンが動作する都度、当該動作を示す信号を受信し、手動による解錠を示す一の前記信号と、他の前記信号とが施錠条件を満たす場合、その後、施錠するよう制御することを特徴とする。
ここで、前記制御ユニットは、手動による解錠を示す2個の前記信号を閾値以下の時間内に受信した場合、前記施錠条件を満たすと判断するとしてもよい。
【0008】
ここで、前記制御ユニットは、手動による解錠を示す前記信号と、前記電動サムターンに備えられたボタンの押下を示す前記信号とを閾値以下の時間内に受信した場合、前記施錠条件を満たすと判断するとしてもよい。
また、本発明は、ドアの施解錠を制御する電気錠システムであって、動作する都度、当該動作を示す信号を出力する電動サムターンと、前記電動サムターンが動作する都度、前記信号を受信し、手動による解錠を示す一の前記信号と、他の前記信号とが施錠条件を満たす場合、その後、施錠するように制御する制御ユニットとを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によると、手動による解錠の動作を示す前記信号と、他の前記信号とが施錠条件を満たす場合に、その後、施錠するように制御するので、利用者は少なくとも解錠の動作を行っている。利用者は、解錠を認識しており、利用者が知らないうちに、解錠され、その解錠状態が一定時間維持されることなく、防犯上の効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】電気錠システム10の外観を示す。
【図2】制御ユニット100並びに電動サムターン200a及び200bの構成を示すブロック図である。
【図3】電気錠システム10の動作を示すシーケンス図である。
【図4】変形例としての電動サムターン200aaを示す。
【0011】
(a)電動サムターン200aaの外観斜視図である。ボタン215aが押下されていない状態を示す。
(b)電動サムターン200aaの外観斜視図である。ボタン215aが押下された状態を示す。
(c)電動サムターン200aaの構成を示すブロック図である。
【図5】変形例としての電気錠システム10aの動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
1.実施の形態
本発明に係る一の実施の形態としての電気錠システム10について説明する。
1.1 電気錠システム10
電気錠システム10は、図1に示すように、制御ユニット100、電動サムターン200a及び施解錠機構220a、電動サムターン200b及び施解錠機構220b(図示していない)、リーダ(図示していない)並びにICカード(図示していない)から構成されている。
【0013】
制御ユニット100は、ドア20の屋内面に設置されている。また、ドア20には、電動サムターン200a及び施解錠機構220a並びに電動サムターン200b及び施解錠機構220bが設けられている。リーダは、ドア20の屋外面に設置されている。
電動サムターン200a、200b及びリーダは、それぞれ、制御ユニット100に接続されている。また、電動サムターン200aは、施解錠機構220aの施錠及び解錠を行い、電動サムターン200bは、施解錠機構220bの施錠及び解錠を行う。
【0014】
ICカードを所持する利用者が、入室するために、ドア20の屋外側で、ICカードをリーダに翳すと、リーダは、ICカードに記憶されているカード識別子を読み取り、読み取ったカード識別子を制御ユニット100へ出力する。制御ユニット100は、予め、1個以上のカード識別子を記憶しており、受け取ったカード識別子と記憶しているカード識別子とを比較し、一致するカード識別子があれば、電動サムターン200a及び200bに対して、解錠指示信号を出力する。解錠指示信号を受信すると、電動サムターン200a及び200bは、それぞれ、施解錠機構220a及び220bの解錠を行う。
【0015】
また、ICカードを所持する利用者が、退出するために、ドア20の屋内側で、電動サムターン200aに対して、手動により連続して解錠(第1解錠)、施錠、解錠(第2解錠)の操作をする。また、利用者は、電動サムターン200bに対しても、手動により解錠の操作をする。制御ユニット100は、第1解錠と第2解錠とが連続して操作された場合には、退出見込時間の経過を待って、電動サムターン200a及び電動サムターン200bに、施錠指示信号を出力し、施解錠機構220a及び施解錠機構220bを施錠する。ここで、退出見込時間は、利用者が屋内から屋外へ退出するのに必要であると見込まれる時間である。
【0016】
1.2 制御ユニット100
制御ユニット100は、図2に示すように、電気錠駆動回路111a、電気錠駆動回路111b、制御部112、メモリ113及び入出力部114から構成されている。制御ユニット100は、電動サムターン200a及び200bを制御する。
(1)電気錠駆動回路111a及び電気錠駆動回路111b
電気錠駆動回路111aは、電動サムターン200aに接続され、電気錠駆動回路111bは、電動サムターン200bに接続されている。
【0017】
電気錠駆動回路111aは、受信部(図示していない)を備え、受信部は、制御部112から、施錠の指示を示す施錠指示信号及び解錠の指示を示す解錠指示信号を受け取る。また、電動サムターン200a及び200bが動作する都度、その動作を示す信号を受信する。具体的には、電動サムターン200a及び200bから、手動による解錠を検出したことを示す手動解錠検出信号を受け取る。
【0018】
施錠指示信号及び解錠指示信号を受け取ると、電気錠駆動回路111aは、電動サムターン200aに対して、それぞれ、施錠指示信号及び解錠指示信号を出力する。手動解錠検出信号を受け取ると、電気錠駆動回路111aは、制御部112に対して、手動解錠検出信号を出力する。
なお、電気錠駆動回路111bは、電気錠駆動回路111aと同一の構造を有しているので、詳細の説明を省略する。
【0019】
(2)制御部112
制御部112は、以下に示すように、電動サムターン200aの手動による解錠を示す一の信号と、電動サムターン200aからの他の信号とが施錠条件を満たすか否かを判断し、施錠条件を満たす場合に、その後、施錠するように制御する。ここで、施錠条件とは、解錠後に自動施錠を伴なう手動による前記解錠とみなすための条件である。具体的には、制御部112は、電動サムターン200aの手動による解錠を示す2個の信号を閾値以下の時間内に受信した場合、前記施錠条件を満たすと判断する。
【0020】
なお、制御部112は、電動サムターン200aではなく、電動サムターン200bの手動による解錠を示す一の信号と、電動サムターン200bからの他の信号とが施錠条件を満たすか否かを判断し、施錠条件を満たす場合に、その後、施錠するように制御してもよい。
制御部112は、電気錠駆動回路111a及び電気錠駆動回路111bから、それぞれ、手動解錠検出信号を受け取る。また、リーダから、入出力部114を介して、施錠指示信号及び解錠指示信号を受け取る。
【0021】
手動解錠検出信号を受け取ると、制御部112は、手動解錠検出信号を受け取った時刻を記憶する。このとき、最初に手動解錠検出信号を受け取ると、この手動解錠検出信号を受け取った時刻を、第1受信時刻として記憶する。次に、手動解錠検出信号を受け取ると、この手動解錠検出信号を受け取った時刻を、第2受信時刻として記憶する。
次に、制御部112は、差分=第2受信時刻−第1受信時刻を算出し、算出した差分が閾値より大きいか否かを判断する。ここで、閾値は、一例として、2秒である。
【0022】
算出した差分が閾値より大きい場合には、記憶している第1受信時刻及び第2受信時刻を破棄し、以下に示す退出見込時間が経過した後、施錠指示信号を生成する処理を行わない。
算出した差分が閾値より小さいか又は閾値に等しい場合、第2受信時刻から、退出見込時間の経過を待つ。ここで、退出見込時間は、一例として、10秒である。
【0023】
退出見込時間が経過すると、制御部112は、施錠指示信号を生成し、生成した施錠指示信号を、電気錠駆動回路111aを介して、電動サムターン200aへ出力し、同様に、生成した施錠指示信号を、電気錠駆動回路111bを介して、電動サムターン200bへ出力する。
(3)メモリ113
メモリ113は、1個以上のメモリカードのカード識別子を記憶している。
【0024】
(4)入出力部114
入出力部114は、制御部112とリーダとの間で情報を中継する。
1.3 電動サムターン200a及び施解錠機構220a並びに電動サムターン200b及び施解錠機構220b
図1に示すように、ドア20には、施解錠機構(錠前)220aが埋設され、施解錠機構220aには、デッドボルト221aがドア20の端面から突没自在となるように収容されている。また、施解錠機構220aには、キーシリンダー(図示していない)と電動サムターン200aが取り付けられている。
【0025】
電動サムターン200aは、ドアを施解錠するために、ドア20の屋内面に設けられ、図2に示すように、モータ211a、施解錠センサ212a、ハンドル213a、動力伝達機構214aなどから構成されている。電動サムターン200aは、動作する都度、その動作を示す信号を出力する。
モータ211aは、動力伝達機構214aを介して、施解錠機構220aが備えるデッドボルト221aを突没させる。
【0026】
施解錠センサ212aは、動力伝達機構214aを介して、施解錠機構220aの施錠及び解錠を検出する。ハンドル213aの操作による手動の施錠又は解錠を検出すると、それぞれ、手動施錠検出信号又は手動解錠検出信号を、制御ユニット100へ出力する。なお、施解錠センサについては、例えば、特開2009−203653号公報に開示されているように、公知であり、詳細の説明を省略する。
【0027】
ハンドル213aは、施解錠機構220aの施錠及び解錠をするために、利用者により操作される。
動力伝達機構214aは、モータ211aによる駆動力を施解錠機構220aに伝達し、また、利用者のハンドル213aに対する手動操作による駆動力を施解錠機構220aに伝達する。
【0028】
電動サムターン200bも、ドアを施解錠するために、ドア20の屋内面に設けられている。また、電動サムターン200b及び施解錠機構220bは、それぞれ、電動サムターン200a及び施解錠機構220aと同一の構成を有しているので、詳細の説明を省略する。
1.4 電気錠システム10の動作
ここでは、電気錠システム10の動作について、図3に示すシーケンス図を用いて説明する。
【0029】
ICカードを所持する利用者が、退出するために、ドア20の屋内側で、電動サムターン200aに対して、手動により連続して解錠(第1解錠)、施錠、解錠(第2解錠)の操作をする。ここで、利用者は、第1解錠と第2解錠とを、上述した閾値以下の時間以内、例えば、2秒以内に行うものとする。
利用者が上記の第1解錠の操作をすると(ステップS101)、電動サムターン200aは、手動解錠検出信号を制御ユニット100に対して出力する(ステップS102)。制御ユニット100の制御部112は、手動解錠検出信号を、第1の手動解錠検出信号として受信し(ステップS102)、第1の手動解錠検出信号を受信した時刻を計測し、第1受信時刻として記憶する(ステップS103)。続けて、利用者は、上記の施錠の操作をし(ステップS104)、さらに、上記の第2解錠の操作をすると(ステップS105)、電動サムターン200aは、手動解錠検出信号を制御ユニット100に対して出力する(ステップS106)。制御ユニット100の制御部112は、手動解錠検出信号を、第2の手動解錠検出信号として受信し(ステップS106)、第2の手動解錠検出信号を受信した時刻を計測し、第2受信時刻として記憶する(ステップS107)。
【0030】
また、利用者は、電動サムターン200bに対して、手動により、解錠の操作をする。
次に、制御部112は、差分=第2受信時刻−第1受信時刻を算出し(ステップS108)、算出した差分が閾値である2秒より大きいか否かを判断する(ステップS109)。
算出した差分が2秒より小さいか又は2秒に等しい場合(ステップS109でYES)、第2受信時刻から10秒の経過を待つ(ステップS110でNO)。10秒が経過すると(ステップS110でYES)、制御部112は、施錠指示信号を生成し(ステップS111)、生成した施錠指示信号を、電気錠駆動回路111aを介して、電動サムターン200aへ出力し、生成した施錠指示信号を、電気錠駆動回路111bを介して、電動サムターン200bへ出力する(ステップS112)。
【0031】
電動サムターン200a及び電動サムターン200aは、それぞれ、施錠指示信号を受け取り(ステップS112)、施解錠機構220a及び施解錠機構220bを施錠する(ステップS113)。
1.5 まとめ
以上説明したように、制御ユニット100の制御部112は、手動による解錠を示す第1の手動解錠検出信号と、手動による解錠を示す第2の手動解錠検出信号とが施錠条件を満たすか否かを判断する。ここで、第1及び第2の手動解錠検出信号を、閾値以下の時間内に受信した場合、施錠条件を満たすと判断する。施錠条件を満たす場合に、その後、施解錠機構220a及び220b施錠するように、電動サムターン200a及び200bを制御する。
【0032】
このように、第1及び第2の手動解錠検出信号は、両方とも、利用者の手動による解錠の検出を示しているので、利用者の手動による解錠がされている。利用者は、解錠を認識しており、利用者が知らないうちに、解錠され、その解錠状態が一定時間維持されることなく、防犯上の効果を高めることができる。
2.変形例
上記実施の形態の変形例としての電気錠システム10aについて説明する。ここでは、電気錠システム10との相違点を中心として、説明する。
【0033】
2.1 電動サムターン200aa及び制御ユニット100
ドア20には、電動サムターン200aに代えて、図4に示す電動サムターン200aaが取り付けられている。ここでは、電動サムターン200aとの相違点を中心として、説明する。
電動サムターン200aaは、電動サムターン200aの構成要素に加えて、さらに、電動サムターン200aaの円柱外周面において、利用者により押下されるボタン215aを備えている。なお、ボタン215aが押下されていない状態の電動サムターン200aaの外観斜視図を図4(a)に示し、ボタン215aが押下された状態の電動サムターン200aaの外観斜視図を図4(b)に示す。
【0034】
ボタン215aには、磁石が取り付けられている。また、電動サムターン200aa内部において、ボタン215aに取り付けられた磁石に対向する位置に、施解錠センサ212aの一部分を構成する磁気センサが設けられている。利用者により、ボタン215aが押下されると、磁石が磁気センサに近接し、磁気センサは、磁束密度の変化を検出する。磁気センサが磁束密度の変化を検出すると、施解錠センサ212aは、ボタン215aの押下を検出したものとして、ボタン操作信号を生成し、生成したボタン操作信号を制御ユニット100へ出力する。
【0035】
制御ユニット100の制御部112は、電動サムターン200aaの手動による解錠を示す手動解錠検出信号と、ボタン215aの押下を示すボタン操作信号とを、閾値以下の時間内に受信した場合、施錠条件を満たすと判断する。
2.2 電気錠システム10aの動作
ここでは、電気錠システム10aの動作について、図5に示すシーケンス図を用いて、図3に示すシーケンス図との相違点を中心として説明する。
【0036】
図3に示すステップS104及びS105に代えて、利用者によりボタン215aが押下され、施解錠センサ212aは、ボタン215aの押下を検出し、ボタン操作信号を生成し(ステップS105a)、図3に示すステップS106に代えて、電動サムターン200aaは、ボタン操作信号を制御ユニット100に対して出力する(ステップS106a)。制御ユニット100の制御部112は、ボタン操作信号を受信し(ステップS106a)、ボタン操作信号を受信した時刻を計測し、第2受信時刻として記憶する(ステップS107a)。
【0037】
なお、図5に示すシーケンス図においては、電動サムターン200aaの手動による解錠の操作がされ、手動解錠検出信号を受信した後、ボタン215aが押下され、ボタン操作信号を受信するとしている。しかし、これには限定されない。ボタン215aが押下され、ボタン操作信号を受信した後、電動サムターン200aaの手動による解錠の操作がされ、手動解錠検出信号を受信するとしてもよい。
【0038】
2.3 まとめ
以上説明したように、制御ユニット100の制御部112は、手動による解錠を示す手動解錠検出信号と、ボタン215aの押下を示すボタン操作信号とが施錠条件を満たすか否かを判断する。ここで、手動解錠検出信号及びボタン操作信号を、閾値以下の時間内に受信した場合、施錠条件を満たすと判断する。施錠条件を満たす場合に、その後、施解錠機構220a及び220b施錠するように、電動サムターン200aa及び200bを制御する。
【0039】
このように、手動解錠検出信号及びボタン操作信号のうち、手動解錠検出信号は、利用者の手動による解錠の検出を示しているので、利用者の手動による解錠がされている。利用者は、解錠を認識しており、利用者が知らないうちに、解錠され、その解錠状態が一定時間維持されることなく、防犯上の効果を高めることができる。
3.その他の変形例
なお、本発明を上記の実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上記の実施の形態に限定されないのはもちろんである。以下のような場合も本発明に含まれる。
【0040】
(1)上記の実施の形態においては、ドア20には、電動サムターン200a及び施解錠機構220a並びに電動サムターン200b及び施解錠機構220bが設けられているとしている。
しかし、これには限定されない。ドア20には、一組の電動サムターン及び施解錠機構のみが設けられているとしてもよい。また、ドア20には、三組以上の電動サムターン及び施解錠機構が設けられているとしてもよい。
【0041】
ドア20に、二個以上の電動サムターンが取り付けられている場合に、上記の実施の形態において記載したように、1個の電動サムターンに対して解錠操作が連続して行われた場合に、退出見込時間が経過した後に、施錠をすればよい。
また、ドア20に、二個以上の電動サムターンが取り付けられている場合に、上記の変形例において記載したように、1個の電動サムターンがさらにボタンを備えていればよい。
【0042】
(2)実施の形態及び変形例においては、建物内の部屋とその外との境界にドアが設けられていることを想定している。しかし、これには限定されない。
壁や柵で囲われた屋根のない閉鎖的な空間と、その外との境界にドアが設けられているとしてもよい。
(3)制御ユニット100の制御部112は、マイクロプロセッサから構成されているとしてもよい。メモリ113には、コンピュータプログラムが記憶されている。前記マイクロプロセッサが、前記コンピュータプログラムに従って動作することにより、制御部112は、その機能を達成する。ここで、コンピュータプログラムは、所定の機能を達成するために、コンピュータに対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。
【0043】
(4)本発明は、上記に示す方法であるとしてもよい。また、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしてもよい。さらに、コンピュータプログラムは、記録媒体に記録されているとしてもよい。
(5)上記実施の形態及び上記変形例をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。
【符号の説明】
【0044】
10、10a 電気錠システム
100 制御ユニット
111a、111b 電気錠駆動回路
112 制御部
200a、200b 電動サムターン
200aa 電動サムターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドアの施解錠を制御する制御ユニットであって、
電動サムターンが動作する都度、当該動作を示す信号を受信し、手動による解錠を示す一の前記信号と、他の前記信号とが施錠条件を満たす場合、その後、施錠するよう制御する
ことを特徴とする制御ユニット。
【請求項2】
前記制御ユニットは、手動による解錠を示す2個の前記信号を閾値以下の時間内に受信した場合、前記施錠条件を満たすと判断する
ことを特徴とする請求項1に記載の制御ユニット。
【請求項3】
前記制御ユニットは、手動による解錠を示す前記信号と、前記電動サムターンに備えられたボタンの押下を示す前記信号とを閾値以下の時間内に受信した場合、前記施錠条件を満たすと判断する
ことを特徴とする請求項1に記載の制御ユニット。
【請求項4】
ドアの施解錠を制御する電気錠システムであって、
動作する都度、当該動作を示す信号を出力する電動サムターンと、
前記電動サムターンが動作する都度、前記信号を受信し、手動による解錠を示す一の前記信号と、他の前記信号とが施錠条件を満たす場合、その後、施錠するように制御する制御ユニットと
を備えることを特徴とする電気錠システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−44159(P2013−44159A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−182600(P2011−182600)
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】